JP4155458B2 - トルクコンバータ - Google Patents

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    • F16H45/00Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches
    • F16H45/02Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type
    • F16H2045/0221Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type with damping means
    • F16H2045/0226Combinations of fluid gearings for conveying rotary motion with couplings or clutches with mechanical clutches for bridging a fluid gearing of the hydrokinetic type with damping means comprising two or more vibration dampers

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  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の自動変速機等の変速機に用いられ、作動流体によりトルクを変換して動力を伝達するトルクコンバータの技術分野に属し、特に、このトルクコンバータにおけるロックアップピストンのセンタリング、ロックアップピストンの軸方向位置決め、およびロックアップピストンとこのロックアップピストンを支持するタービンハブとの間のシールの技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車においては、従来から、エンジンと自動変速機との間に、流体によりエンジンの動力を自動変速機の入力軸にそのトルクを変換して伝達するトルクコンバータが設けられている。このトルクコンバータには、ロックアップピストンを有するロックアップ機構が設けられており、このロックアップ機構は、そのロックアップピストンが作動して摩擦材をトルクコンバータのフロントカバーに摩擦係合させることにより、エンジンからのトルクをトルクコンバータの入力軸に機械的に直接伝達する直結状態になるようになっている。
【0003】
ところで、このようなトルクコンバータにおけるロックアップピストンは、その機能を確実に果たすことができるようにするために、ロックアップピストンのセンタリングを行うとともに、ロックアップピストンの軸方向の位置決めを行う必要がある。
【0004】
そこで、従来、ロックアップピストンのセンタリングを、トルクコンバータのエンジンクランク軸に対する芯出しを行うセンターピースで行うとともに、ロックアップピストンの軸方向位置決めを、センターピースに取り付けたスナップリングにより行うようにしたトルクコンバータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示のトルクコンバータでは、センターピースに設けたシールリングにより、ロックアップピストンとセンターピースとの間を液密にシールしている。
【0005】
また、従来、ロックアップピストンのセンタリングをセンターピースで行うとともに、ロックアップピストンの軸方向位置決めを、タービンハブに設けた軸受けで行うようにしたトルクコンバータが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に開示のトルクコンバータでも、センターピースに設けたシールリングにより、ロックアップピストンとセンターピースとの間を液密にシールしている。
【特許文献1】
米国特許第4,926,988号明細書
【特許文献2】
特開2000−65185号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の特許文献1および2に開示のトルクコンバータでは、いずれも、ロックアップピストンの軸方向位置決めを行うためのスナップリングやベアリングを必要とするばかりでなく、ロックアップピストンとセンターピースとの間をシールするシールリングが必要としている。このため、部品点数が多くなっているばかりでなく、ロックアップピストンの内周端部の支持構造が煩雑であるという問題がある。
また、シールリングを設けることから、シールリングを設置するスペースが必要となり、その分、必然的に軸方向の長さは長くなるという問題もある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、部品点数をできるだけ削減しつつ、ロックアップピストンのセンタリング、ロックアップピストンの軸方向位置決め、およびロックアップピストンとこれを支持する部材との間のシールを確実に行うことができるトルクコンバータを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明は、フロントカバーに伝達されるエンジンの動力を作動流体によりトルクを変換して入力軸にタービンハブを介して伝達するとともに、少なくともロックアップピストンと摩擦材とを有するロックアップ機構が直結状態になることにより前記動力を前記入力軸に前記タービンハブを介して直接伝達するトルクコンバータにおいて、前記ロックアップ機構のロックアップピストンが前記タービンハブに相対回転可能にかつ軸方向に相対移動可能に支持されており、前記ロックアップピストンと前記タービンハブとの間に、前記ロックアップピストンのセンタリング、前記ロックアップピストンの軸方向位置決め、および前記ロックアップピストンと前記タービンハブとの間のシールをともに行う部材が設けられており、前記ロックアップピストンの内周端部に、このロックアップピストンの軸方向移動をガイドするガイド部材が設けられているとともに、このガイド部材が、エンジンの出力が伝達されるセンターピースに軸方向に移動可能にかつ前記センターピースと一体回転可能に嵌合されており、前記フロントカバーと前記ロックアップピストンおよび前記タービンハブとの間にある作動油が、前記センターピースと前記タービンハブとの間および記入力軸の軸方向孔を通って排出されて前記ロックアップピストンが軸方向に前記フロントカバーの方へ移動し、前記摩擦材が前記ロックアップピストンと前記フロントカバーとの間に挟圧されることで、前記ロックアップ機構が前記直結状態となることを特徴としている。
【0009】
また、請求項2の発明は、前記部材がブッシュからなり、該ブッシュが、前記ロックアップピストンおよび前記タービンハブのいずれか一方に固定されているとともに前記ロックアップピストンおよび前記タービンハブのいずれか他方に嵌合されていることを特徴としている。
【0010】
【発明の作用および効果】
このように構成された請求項1および2の発明のトルクコンバータにおいては、ロックアップピストンとタービンハブとの間に設けられた部材が、ロックアップピストンのセンタリング機能、ロックアップピストンの軸方向の位置決め機能、およびロックアップピストンとタービンハブとの間のシール機能の3つの機能を有するようになる。
したがって、従来用いられているロックアップピストンの軸方向の位置決めを行うための部材とロックアップピストンとタービンハブとの間のシールを行うためのシール部材とが1つの部材で済ませることができる。これにより、部品点数を削減することができるとともに、ロックアップピストンとタービンハブとの間の構造をより一層簡略化でき、この構造を効果的にコンパクトに形成することができる。
【0011】
更に、本発明の前述の部材がシール機能を有して、従来のようなシールリングが不要となることから、このシールリングを設けるためのスペースも必要でなくなるので、その分、トルクコンバータの軸方向の長さを短くすることができる。
また、ロックアップピストンの内周端部に設けたガイド部材を、エンジン出力が伝達されるセンターピースに軸方向に移動可能にかつセンターピースと一体的に回転可能に、つまりエンジン出力の動力伝達可能に嵌合してロックアップピストンの軸方向移動をガイドするようにしている。したがって、前述の3つの機能を有する部材で、ロックアップピストンをタービンハブに対してセンタリングするようにしても、エンジン出力をロックアップピストンに伝達可能にすることができる。
特に、請求項2の発明においては、前述の3つの機能を有する部材をブッシュで構成しているので、この部材を3つの機能を有するようにしつつ、その構造を簡単にすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明のトルクコンバータの実施の形態の第1例を示す断面図である。
図1に示すように、この第1例のトルクコンバータ1は、図示しないエンジンの出力軸に連結部材2を介して連結されるフロントカバー3とこのフロントカバー3に連結されたリヤカバー4とからなり、作動油が充填されているコンバータカバー5を備えている。
【0013】
このコンバータカバー5内には、リヤカバー4によって構成されているポンプ羽根車6が配設されているとともに、このポンプ羽根車6に対向するようにしてタービン羽根車7が配設されている。このタービン羽根車7は、リヤカバー4側からコンバータカバー5内に挿入された自動変速機の入力軸8にスプライン嵌合されたタービンハブ9に、リベット10により連結されている。また、ポンプ羽根車6とタービン羽根車7との間には、ステータ羽根車11が配設されており、このステータ羽根車11は自動変速機のケース2に固定されたステータシャフト12に、一方向クラッチ13を介して一方向にのみ回転可能に支持されている。この一方向クラッチ13は、図においてその右側がスラストベアリング14を介してポンプハブ15に軸方向に支持されているとともに、その左側がスラストベアリング16を介してタービンハブ9に軸方向に支持されている。このタービンハブ9も、フロントカバー3に入力軸8と同心状に固定されたセンターピース17にスラストベアリング18を介して軸方向に支持されている。センターピース17は、図示しないエンジンのクランク軸の軸穴に嵌合されて、トルクコンバータ1をクランク軸に対して芯出しを行うようになっている。
【0014】
更に、タービンハブ9には、ロックアップ機構19のロックアップピストン20とダンパ機構21とが設けられている。ロックアップピストン20の内周端部20aの軸方向孔には、ブッシュ(本発明の部材に相当)23が図1において右方から圧入されて固定されている。このブッシュ23は例えば焼結アルミニウム材を用いて形成され、軸方向筒状部24とこの軸方向筒状部24の右端に径方向外側に突出するようにして形成された径方向外側フランジ部25とから構成されている。ブッシュ23の径方向外側フランジ部25がロックアップピストン20の内周端部20aに密着されている。そして、ロックアップピストン20の内周端部20aに圧入されたブッシュ23はタービンハブ9に隙間なく、相対回転可能にかつ軸方向に相対移動可能に嵌合されている。したがって、ロックアップピストン20はタービンハブ9に相対回転可能にかつ軸方向に相対移動可能に支持されている。また、ブッシュ23の図1において右端がタービンハブ9に軸方向にかつ相対回転可能に密着可能となっている。
【0015】
このように、ブッシュ23はタービンハブ9に隙間なく嵌合されることで、ロックアップピストン20のセンタリングが行われるとともに、ブッシュ23の右端がタービンハブ9に軸方向に密着可能とされることで、ロックアップピストン20の軸方向の位置決めが行われる。また、ブッシュ23がロックアップピストン20の内周端部20aに圧入されかつタービンハブ9に隙間なく嵌合されることで、ロックアップピストン20の内周端部20aとタービンハブ9との間が、液密にシールされている。したがって、ブッシュ23は、ロックアップピストン20のセンタリング機能、ロックアップピストン20の軸方向の位置決め機能、およびロックアップピストン20の内周端部20aとタービンハブ9との間のシール機能の3つの機能を有している。
【0016】
一方、ダンパ機構21の内周端は、前述のリベット10によりタービンハブ9にタービン羽根車7とともに一緒に連結されている。また、ダンパ機構21の外周端には、摩擦材26が軸方向に相対移動可能にかつ相対回転不能に設けられている。そして、ロックアップピストン20が作動して摩擦材26をフロントカバー3に摩擦係合させることにより、ロックアップ機構19は、トルクをフロントカバー3から入力軸8に機械的に直接伝達する直結状態になるようにされている。
なお、ロックアップピストン20の内周端部20aにはガイド部材28が設けられており、このガイド部材28はセンターピース17に形成された軸方向溝17aに軸方向に移動可能にかつセンターピース17と一体的に回転可能(つまり、動力伝達可能)に嵌合されてロックアップピストン20の軸方向移動をガイドするようになっている。
【0017】
このように構成されたトルクコンバータ1においては、エンジンの駆動力によりフロントカバー3を介してポンプ羽根車6が回転すると、作動油が矢印のように流れ、更にポンプ羽根車6→タービン羽根車7→ステータ羽根車11→ポンプ羽根車6の順に循環して流れる。これにより、タービン羽根車7が回転し、この回転がタービンハブ9を介して自動変速機の入力軸8に、例えばトルクが増大されて伝達される。
【0018】
また、トルクコンバータ1の直結指令が出ると、圧油がステータシャフト12とポンプハブ15との間の隙間およびスラストベアリング14を通ってトルクコンバータカバー5内に導入される。一方、フロントカバー3とロックアップピストン20およびタービンハブ9との間にある作動油は、スラストベアリング18および入力軸8に穿設されている軸方向孔27を通って排出される。その場合、スラストベアリング18の支持プレートには、図示しないが作動油の流れが阻害されることがないように、通路が設けられている。これにより、ロックアップピストン20の両面に圧力差が生じ、このロックアップピストン20がフロントカバー3の方へ移動して、摩擦材26がロックアップピストン20とフロントカバー3との間に挟圧されて、トルクコンバータ1は直結状態となる。
【0019】
この第1例のトルクコンバータ1によれば、ロックアップピストン20の内周端部20aに圧入されたブッシュ23に、ロックアップピストン20のセンタリング機能、ロックアップピストン20の軸方向の位置決め機能、およびロックアップピストン20の内周端部20aとタービンハブ9との間のシール機能の3つの機能を持たせているので、従来のようなロックアップピストン20の軸方向の位置決めを行うための部材とロックアップピストン20とタービンハブ9との間のシールを行うためのシール部材が1つの部材で済ませることができる。これにより、部品点数を削減することができる。
【0020】
また、ロックアップピストン20のセンタリングを前述の従来例のようにセンターピース17で行わないことから、センターピース17の軸方向長さを短くできる。しかも、ブッシュ23に前述の3つの機能を持たせることで、ロックアップピストン20の内周端部20aとタービンハブ9との間の構造が簡略化されて、この構造を効果的にコンパクトに形成することができる。
【0021】
更に、ブッシュ23が前述のようにシール機能を有して、従来のようなシールリングが不要となることから、このシールリングを設けるためのスペースも必要でなくなるので、その分、軸方向の長さを短くすることができる。
特に、前述の3つの機能を有する部材を1つのブッシュで構成しているので、この部材を3つの機能を有するようにしつつ、その構造を簡単にすることができる。
なお、ブッシュ23はタービンハブ9に図1において左方から圧入するようにしてもよい。この場合には、ブッシュ23はロックアップピストン20の内周孔に隙間なく嵌合されるようになる。
【0022】
図2は、本発明のトルクコンバータの実施の形態の第2例を示す、図1と同様の断面図である。なお、以下の実施の形態の各例の説明において、それより前の例と同じ構成要素には同じ符号を付すことにより、その詳細な説明は省略する。前述の第1例のトルクコンバータ1では、ブッシュ23が軸方向筒状部24と径方向外側フランジ部25とから構成されているが、図2に示すように、この第2例のトルクコンバータ1では、ブッシュ23は径方向外側フランジ部25を有していなく、軸方向筒状部24のみから構成されている。
【0023】
また、ブッシュ23が径方向外側フランジ部25を有していないことから、ロックアップピストン20の内周端部20aはブッシュ23の端面に密着していない。このため、ロックアップピストン20の内周端部20aに設けられたガイド部材28がブッシュ23の図2において左端に軸方向に密着されている。また、ブッシュ23の図2において右端はタービンハブ9に軸方向に密着可能となっている。したがって、ロックアップピストン20はガイド部材28を介してブッシュ23により軸方向の位置決めがされている。
【0024】
このように構成された第2例のトルクコンバータ1においても、ブッシュ23は第1例の場合と同様に、ロックアップピストン20のセンタリング機能、ロックアップピストン20の軸方向の位置決め機能、およびロックアップピストン20の内周端部20aとタービンハブ9との間のシール機能の3つの機能を有している。
【0025】
この第2例のトルクコンバータ1によれば、ブッシュ23が径方向外側フランジ部25を有さず、軸方向筒状部24のみから構成されているので、ブッシュ23の構造が簡単になり、このブッシュ23を容易に製造することができるとともにコストを低減できる。
この第2例のトルクコンバータ1の他の構成および他の作用効果は、前述の第1例と同じである。
【0026】
図3は、本発明のトルクコンバータの実施の形態の第3例を示す、図1と同様の断面図である。
前述の第2例のトルクコンバータ1では、ブッシュ23が軸方向筒状部24のみから構成されているが、図3に示すように、この第3例のトルクコンバータ1では、ブッシュ23は軸方向筒状部24とこの軸方向筒状部24の左端から径方向内側の突出するように形成された径方向内側フランジ部29とから構成されている。径方向内側フランジ部29はタービンハブ9の径方向突出部の左端に密着されているとともに、センターピース17の右端を軸方向に支持するスラストベアリングとして機能している。
【0027】
この第3例では、ブッシュ23はタービンハブ9に圧入により固定されており、ロックアップピストン20はこのブッシュ23に対して軸方向に相対移動可能にかつ相対回転可能にとなっている。また、第3例では、ブッシュ23はタービンハブ9とセンターピース17との間に軸方向に挟持されているため、ロックアップピストン20の内周端部20aには圧入されない。
なお、径方向内側フランジ部29には径方向油路溝29aが形成されており、この径方向油路溝29aは、フロントカバー3とロックアップピストン20およびタービンハブ9との間にある作動油を入力軸8の軸方向孔27に流動させるための油路溝である。
【0028】
このように構成された第3例のトルクコンバータ1においても、ブッシュ23は第1および第2例の場合と同様に、ロックアップピストン20のセンタリング機能、ロックアップピストン20の軸方向の位置決め機能、およびロックアップピストン20の内周端部20aとタービンハブ9との間のシール機能の3つの機能を有している。更に、この第3例では、ブッシュ23の径方向内側フランジ部29がセンターピース17とタービンハブ9との相対回転吸収用のスラストベアリング18を兼ねている。したがって、第3例のブッシュ23はスラストベアリングの機能も有している。また、ブッシュ23がスラストベアリングの機能を有することから、第1および第2例のスラストベアリング18が不要となり、部品点数を更に削減することができる。
この第3例のトルクコンバータ1の他の構成および他の作用効果は、前述の第2例と同じである。
【0029】
図4は、本発明のトルクコンバータの実施の形態の第4例を示す、図1と同様の断面図である。
前述の第1ないし3例のトルクコンバータ1は、いずれもロックアップピストン20の内周端部20aがタービンハブ9に嵌合されているとともに、この内周端部20aにガイド部材28が別体に設けられているが、図4に示すように、この第4例のトルクコンバータ1では、ロックアップピストン20の内周端部20aがタービンハブ9に嵌合されておらず、しかも、このロックアップピストン20にガイド部材28が一体に設けられている。そして、この第4例のトルクコンバータ1では、ブッシュ23は、その軸方向筒状部24の図4において左端に径方向外側に突出するようにして形成された径方向外側フランジ部30を備えている。この径方向外側フランジ部30がリベット3によりロックアップピストン20の内周端部20aに固定されている。
【0030】
このように構成された第4例のトルクコンバータ1においては、ロックアップピストン20とガイド部材28が一体に設けられているので、部品点数が削減されている。
また、この第4例のトルクコンバータ1においても、ブッシュ23は第1例の場合と同様に、ロックアップピストン20のセンタリング機能、ロックアップピストン20の軸方向の位置決め機能、およびロックアップピストン20の内周端部20aとタービンハブ9との間のシール機能の3つの機能を有している。
【0031】
この第4例のトルクコンバータ1によれば、ロックアップピストン20とガイド部材28を一体に設けて部品点数を前述の各例に比べて削減しているので、ロックアップピストン20の内周端部20a、タービンハブ9、およびブッシュ23の部分の構造が簡略化され、この部分の構造をコンパクトにできる。
この第4例のトルクコンバータ1の他の構成および他の作用効果は、前述の第2例と同じである。
【0032】
図5は、本発明のトルクコンバータの実施の形態の第5例を示す、図1と同様の断面図、図6は図5におけるVI−VI線に沿う断面図である。
前述の第4例では、ロックアップピストン20の内周端側に一体に形成されたガイド部材28がセンターピース17に形成された軸方向溝17aに軸方向に移動可能にかつセンターピース17と一体的に回転可能(つまり、動力伝達可能)に嵌合されているが、図5に示すように、この第5例のトルクコンバータ1では、ロックアップピストン20の内周端側にガイド部材28が形成されていない。
【0033】
また、フロントカバー3の内外周端の中間部に、環状のフロントカバー側係合部3aが形成されているとともに、ロックアップピストン20の内外周端の中間部に、環状のロックアップピストン側係合部20bが形成されている。図6に示すように、フロントカバー側係合部3aおよびロックアップピストン側係合部20bは、ともに環状に繰り返される三角波状の凹凸から形成されている。これらの三角波状の凹凸からなるフロントカバー側係合部3aおよびロックアップピストン側係合部20bは、それぞれ、フロントカバー3およびロックアップピストン20をプレス成形する際に、同時にプレス成形されて形成される。
そして、ロックアップピストン側係合部20bの凸部20b1がフロントカバー側係合部3aの凹部3a1に嵌合し、ロックアップピストン側係合部20bの凹部20b2がフロントカバー側係合部3aの凸部3a2に嵌合することで、ロックアップピストン20はフロントカバー3に対して軸方向に移動可能にかつ一体的に回転可能(つまり、動力伝達可能)にされている。
【0034】
このように構成された第5例のトルクコンバータ1においては、前述第1ないし第4例のようにフロントカバー3からロックアップピストン20への動力伝達部でセンターピース17に軸方向溝17aを形成する必要がない。したがって、第5例のトルクコンバータ1では、軸方向溝17aを形成するための機械加工が不要となり、単にプレス成形するだけでフロントカバー3からロックアップピストン20への動力伝達部を簡単にかつ安価に形成することができるようになる。
この第5例のトルクコンバータ1の他の構成および他の作用効果は、前述の第4例と同じである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトルクコンバータの実施の形態の第1例を示す断面図である。
【図2】 本発明のトルクコンバータの実施の形態の第2例を示す断面図である。
【図3】 本発明のトルクコンバータの実施の形態の第3例を示す断面図である。
【図4】 本発明のトルクコンバータの実施の形態の第4例を示す断面図である。
【図5】 本発明のトルクコンバータの実施の形態の第5例を示す断面図である。
【図6】 は図5におけるVI−VI線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1…トルクコンバータ、3…フロントカバー、3a…フロントカバー側係合部、6…ポンプ羽根車、7…タービン羽根車、8…入力軸、9…タービンハブ、11…ステータ羽根車、19…ロックアップ機構、20…ロックアップピストン、20a…ロックアップピストンの内周端部、20b…ロックアップピストン側係合部、21…ダンパ機構、23…ブッシュ、24…軸方向筒状部、25,30…径方向外側フランジ部、26…摩擦材、28…ガイド部材、29…径方向内側フランジ部

Claims (2)

  1. フロントカバーに伝達されるエンジンの動力を作動流体によりトルクを変換して入力軸にタービンハブを介して伝達するとともに、少なくともロックアップピストンと摩擦材とを有するロックアップ機構が直結状態になることにより前記動力を前記入力軸に前記タービンハブを介して直接伝達するトルクコンバータにおいて、
    前記ロックアップ機構のロックアップピストンが前記タービンハブに相対回転可能にかつ軸方向に相対移動可能に支持されており、
    前記ロックアップピストンと前記タービンハブとの間に、前記ロックアップピストンのセンタリング、前記ロックアップピストンの軸方向位置決め、および前記ロックアップピストンと前記タービンハブとの間のシールをともに行う部材が設けられており、
    前記ロックアップピストンの内周端部に、このロックアップピストンの軸方向移動をガイドするガイド部材が設けられているとともに、
    このガイド部材は、エンジンの出力が伝達されるセンターピースに軸方向に移動可能にかつ前記センターピースと一体回転可能に嵌合されており、
    前記フロントカバーと前記ロックアップピストンおよび前記タービンハブとの間にある作動油が、前記センターピースと前記タービンハブとの間および記入力軸の軸方向孔を通って排出されて前記ロックアップピストンが軸方向に前記フロントカバーの方へ移動し、前記摩擦材が前記ロックアップピストンと前記フロントカバーとの間に挟圧されることで、前記ロックアップ機構が前記直結状態となることを特徴とするトルクコンバータ。
  2. 前記部材はブッシュからなり、該ブッシュは、前記ロックアップピストンおよび前記タービンハブのいずれか一方に固定されているとともに前記ロックアップピストンおよび前記タービンハブのいずれか他方に嵌合されていることを特徴とする請求項1記載のトルクコンバータ。
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