JP4154776B2 - データ記録再生装置および方法ならびにサーバ - Google Patents

データ記録再生装置および方法ならびにサーバ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオデータやオーディオデータ等を記録、再生するデータ記録再生装置および方法ならびにサーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CATV(ケーブル・テレビジョン)等の普及による情報提供の多チャネル化に伴い、従来のVTR(ビデオ・テープ・レコーダ)とは異なり、1台の映像・音声データ記録再生装置から複数の映像・音声データを同時に再生するという要求が高まりつつある。そして、この要求を満たすために、ハードディスク等のランダムアクセスが可能な記録再生メディアを使用して、映像・音声データを記録再生するビデオサーバと呼ばれる装置が普及しつつある。
【0003】
一般的に、例えば放送局内におけるビデオサーバにおいては、画質・音質に対する要求から、必要とされるデータの転送レートが高い上に、長時間のデータを記録するために大容量である必要がある。そこで、映像・音声データを蓄積すると共に並列運転可能な複数のハードディスク装置を含むデータ記録再生装置を用いることによりデータ転送レートの高速化と大容量化を図る試みや、更にパリティデータを記録しておくことにより、万一いずれかのハードディスク装置が故障しても信頼性を確保できるようにする試みがなされている。これにより、放送局が提供しようとしている番組の内容や放送形態により要求されるチャネル数が異なる場合であっても、複数の素材データを分散的に記録しておいて多チャネルの送出を同時に行ったり、同一の素材データを再生時間をずらして多チャネルで再生することによりニア・ビデオ・オン・デマンド(NVOD)システムを構築する等、多様な使用形態に対応し得るマルチチャネルビデオサーバを実現することができる。
【0004】
このようなマルチチャネルビデオサーバに用いられるデータ記録再生装置には、1988年にPatterson 等により発表された論文の中で提唱されているRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks )技術が使用されている。上記論文の中では、RAIDはRAID−1からRAID−5まで5つに分類されている。このうち、代表的なものはRAID−1、RAID−3およびRAID−5である。RAID−1は、2つのハードディスクに同じ内容を書き込む方式である。
【0005】
RAID−3は、入力データを一定の長さに分割して、複数のハードディスク装置に記録すると共に、パリティデータを生成して、他の1台のハードディスク装置に書き込む方式である。
【0006】
図11は、RAID−3を用いたデータ記録再生装置の構成の一例を示すブロック図である。このデータ記録再生装置101は、入力データを記録するための複数のハードディスク装置(以下、HDDと言う。)1021 〜102N と(Nは2以上の整数値)と、冗長符号としてパリティデータPを記録するためのHDD109と、入力データDI を一定の長さに分割して複数の分割データを生成し、各分割データを各HDD1021 〜102N に分配するデータ分配器106と、データ分配器106より出力される分割データからパリティデータPを生成するためのパリティ生成器107と、データ分配器106より出力される各分割データを一時的に保持する入力メモリ1041 〜104N と、パリティ生成器107より出力されるパリティデータPを一時的に保持する入力メモリ108と、それぞれHDD1021 〜102N ,109に接続され、入力メモリ1041 〜104N ,108によって保持されたデータのHDD1021 〜102N ,109への記録とHDD1021 〜102N ,109からのデータの再生とを制御するコントローラ1031 〜103N ,110と、各HDD1021 〜102N ,109から読み出されたデータを一時的に保持する出力メモリ1051 〜105N ,111と、出力メモリ1051 〜105N ,111によって保持されたデータと後述するエラー情報とに基づいてエラー検出およびエラー訂正を行って分割データの修復を行うエラー訂正器112と、エラー訂正器112の出力データを多重化して、出力データDo として出力するデータ多重器113と、これら装置全体を制御するCPU114とを備えている。
【0007】
次に、データ記録再生装置101のデータの書き込み動作について説明する。入力データDI は、データ分配器106に入力されて複数の分割データが生成され、各分割データは、入力メモリ1041 〜104N に分配されて一旦記録されると共に、パリティ生成器107に入力される。このとき、データの分配方法としては、例えば、ビット単位あるいはバイト単位でデータ列D1,D2,D3,D4,D5,…のように並んでいるとして、データD1を1台目のHDD1021 に分配し、データD2を2台目のHDD1022 に分配するというように、データを順番に分配していき、データDNを最後のN台目のHDD102N に分配し終えたら、再度、最初のHDD1021 から順にデータを分配していく方法がある。
【0008】
パリティ生成器107は、データ分配器106から出力される分割データに基づいて、パリティデータPを生成して出力する。入力メモリ108は、このパリティデータPを一旦記録する。その後、各HDD1021 〜102N ,109のコントローラ1031 〜103N ,110は、CPU114の制御に基づいて、入力メモリ1041 〜104N ,108から分割データおよびパリティデータPを読み出して、各HDD1021 〜102N ,109に書き込む。
【0009】
次に、データ記録再生装置101のデータの読み出し動作について説明する。各コントローラ1031 〜103N ,110は、各HDD1021 〜102N ,109から分割データおよびパリティデータPを読み出し、それぞれ出力メモリ1051 〜105N ,111に書き込む。このとき、HDD1021 〜102N ,109におけるデータの読み出し動作にエラー(以下、読み出しエラーと言う。)が発生した場合には、その旨を表すエラー情報が、HDD1021 〜102N ,109内の制御部より、ステータスデータとしてコントローラ1031 〜103N ,110に送られ、更に、コントローラ1031 〜103N ,110からCPU114へ、エラー情報Er1 〜ErN ,Erp として送られる。
【0010】
出力メモリ1051 〜105N ,111に記録された各データは、同期がとられてエラー訂正器112に出力される。このとき、読み出しエラーが発生していた場合には、その旨を表すエラー情報が、CPU114よりエラー訂正器112に送られる。このエラー情報は、読み出しエラーが発生したHDDを特定する情報を含んでいる。エラー訂正器112は、エラー情報とパリティデータPとを用いて、分割データを修復して、データ多重器113に出力する。なお、エラー訂正器112によってデータを修復できるのは、1台のHDDで読み出しエラーがあった場合のみである。複数のHDDで読み出しエラーがあった場合には、エラー訂正器112は、エラーの検出はできるが、データの修復はできない。データ多重器113は、エラー訂正器112から出力された分割データを元のデータ列に並べ替えて、出力データDo として外部へ出力する。
【0011】
一方、RAID−5は、データの分割の単位(ブロック)を大きくして、1つの分割データをデータブロックとして1つのHDDに記録すると共に、各HDDの互いに対応するデータブロックの排他的論理和をとった結果(パリティデータ)をパリティブロックとして他のHDDに記録すると共に、パリティブロックを全HDDに分散する方式である。
【0012】
図12は、RAID−5を用いたデータ記録再生装置の構成の一例を示すブロック図である。このデータ記録再生装置201は、入力データを記録するための複数のHDD2021 〜202N (Nは2以上の整数値)と、入力データDI とHDD2021 〜202N に記録されたデータとに基づいてパリティデータを生成すると共に、各HDD2021 〜202N から読み出されたデータとエラー情報とに基づいてエラー訂正を行ってデータの修復を行うパリティ生成・エラー訂正器212と、パリティ生成・エラー訂正器212の出力データを一時的に保持する入力メモリ2041 〜204N と、それぞれHDD2021 〜202N に接続され、入力メモリ2041 〜204N によって保持されたデータのHDD2021 〜202N への記録とHDD2021 〜202N からのデータの再生とを制御するコントローラ2031 〜203N と、各HDD2021 〜202N から読み出されたデータを一時的に保持する出力メモリ2051 〜205N と、これら装置全体を制御するCPU214とを備えている。なお、HDD2021 〜202N において読み出しエラーが発生した場合には、その旨を表すエラー情報が、HDD2021 〜202N 内の制御部より、ステータスデータとしてコントローラ2031 〜203N に送られ、更に、コントローラ2031 〜203N からCPU214へ、エラー情報Er1 〜ErN として送られる。
【0013】
次に、データ記録再生装置201のデータの書き込み動作について説明する。例えばHDD2021 にあるアドレスAにデータDを書き込む場合に、データDに対応するパリティデータPがHDD2022 に記録されていたとすると、CPU214はHDD2021 から既に記録されているデータD1 を読み出し、HDD2022 からパリティデータPを読み出すようにコントローラ2031 ,2032 を制御する。このとき、パリティ生成・エラー訂正器212は、データD1 とパリティデータPの排他的論理和を計算して、データD1 がない状態のパリティデータP1 を復元する。その後、パリティ生成・エラー訂正器212は、データDとパリティデータP1 との排他的論理和を計算して、新たなパリティデータP2 を求める。CPU214は、データDをHDD2021 に書き込み、パリティデータP2 をHDD2022 に書き込むようにコントローラ2031 ,2032 を制御する。
【0014】
次に、データ記録再生装置201のデータの読み出し動作について説明する。例えばHDD2021 にあるアドレスAからデータDを読み出す場合は、CPU214は、HDD2021 からデータDを読み出すようにコントローラ2031 を制御し、このとき、読み出しエラーが発生しなければ、HDD2021 から読み出したデータDを、出力メモリ2051 およびパリティ生成・エラー訂正器212を経て出力データDo として出力するようにパリティ生成・エラー訂正器212を制御する。このとき、パリティ生成・エラー訂正器212では特に処理を行わない。
【0015】
一方、データ記録再生装置201のデータの読み出しが正常に行われなかった場合、例えばHDD2021 にあるアドレスAからデータDを読み出そうとしたが、欠陥セクタ等によりデータDを読み出すことができなかった場合には、CPU214は、コントローラ2031 よりエラー情報Er1 を受ける。この場合、CPU214は、他のHDD2022 〜202N の対応するアドレスからデータを読み出して、パリティ生成・エラー訂正器212に送り、これらのデータに基づいてパリティ生成・エラー訂正器212によってデータDを再生し、出力データDo として出力するようにパリティ生成・エラー訂正器212を制御する。
【0016】
このように、RAID−5を用いたデータ記録再生装置201では、入力データの書き込みの際には、データブロックの読み出しおよび書き込み、パリティブロックの読み出しおよび書き込みを行う必要があるため、アクセス回数が多くなる。また、データの読み出しの際にエラーが発生したときには、他のHDDよりデータを読み出してデータを復元するため、やはりアクセス回数が多くなる。従って、RAID−5を用いたデータ記録再生装置201は、決まった大きさの論理ブロックをランダムにアクセスする処理には適しているが、リアルタイム性が要求される処理には適さない。
【0017】
一方、RAID−3を用いたデータ記録再生装置101は、入力データの書き込みは、1回のアクセスで可能であり、データの読み出し後のエラー訂正も即座に行うことができる。そのため、RAID−3を用いたデータ記録再生装置101は、データを高速に記録、再生する処理に適している。従って、マルチチャネルビデオサーバ等のリアルタイム性が要求される装置では、RAID−3を用いたデータ記録再生装置が適している。
【0018】
ところで、データ記録再生装置内のいずれかのHDDにおいて、書き込み動作においてエラー(以下、書き込みエラーと言う。)が発生した場合、書き込みエラーが発生したデータを修復する必要がある。このような記録媒体(ハードディスク)における記録領域の一部についてのデータの修復処理を、本出願において部分再構築処理(部分Rebuild )と呼ぶ。また、データ記録再生装置内のいずれかのHDDが交換された場合には、新しいHDDに元のデータを再構築していく必要がある。このような記録媒体(ハードディスク)における記録領域全体についてのデータの修復処理を、本出願において全体再構築処理(全体Rebuild )と呼ぶ。以下、図11に示したRAID−3を用いたデータ記録再生装置101におけるデータの修復処理の動作について説明する。
【0019】
まず、部分再構築処理の動作について説明する。ここでは、CPU114が、書き込みエラーが発生したHDDおよびアドレス(セクタ)を記憶しており、そのHDDおよびアドレスについて部分再構築処理を行うものとする。この部分再構築処理では、まず、CPU114は、部分再構築処理を行うべきアドレスを指定して、各コントローラ1031 〜103N ,110に対して読み出し動作を行わせる。これに応じて、各コントローラ1031 〜103N ,110は、各HDD1021 〜102N ,109より、指定されたアドレスのデータを読み出す。読み出された各データは、出力メモリ1051 〜105N ,111を経て、エラー訂正器112に入力される。このとき、CPU114は、エラー訂正器112に対して、部分再構築処理を行うべきHDDから読み出されたデータは使用しないように指示を与えておく。エラー訂正器112は、出力メモリ1051 〜105N ,111より出力されるデータのうち、部分再構築処理を行うべきHDDから読み出されたデータ以外のデータを用いて、分割データの修復を行い、修復後の分割データをデータ多重器113に出力する。データ多重器113は、エラー訂正器112から出力された分割データを元のデータ列に並べ替えて、出力データDo として出力する。次に、CPU114の制御により、データ多重器113からの出力データDo をデータ分配器106に入力し、入力データDI の書き込み時と同様の書き込み動作を行って、部分再構築処理を行うべきHDDに対して、修復された分割データを書き込んで、部分再構築処理を終了する。
【0020】
次に、全体再構築処理の動作について説明する。ここでは、所定の1台のHDDが交換されたとし、データ記録再生装置101に対して、上位の装置から全体再構築処理を行うよう指示があったとする。CPU114は、この指示を受けると、各コントローラ1031 〜103N ,110に対して読み出し動作を行わせる。これに応じて、各コントローラ1031 〜103N ,110は、各HDD1021 〜102N ,109よりデータを読み出す。読み出された各データは、出力メモリ1051 〜105N ,111を経て、エラー訂正器112に入力される。このとき、CPU114は、エラー訂正器112に対して、全体再構築処理を行うべきHDDから読み出されたデータは使用しないように指示を与えておく。エラー訂正器112は、出力メモリ1051 〜105N ,111より出力されるデータのうち、全体再構築処理を行うべきHDDから読み出されたデータ以外のデータを用いて、分割データの修復を行い、修復後の分割データをデータ多重器113に出力する。データ多重器113は、エラー訂正器112から出力された分割データを元のデータ列に並べ替えて、出力データDo として出力する。次に、CPU114の制御により、データ多重器113からの出力データDo をデータ分配器106に入力し、入力データDI の書き込み時と同様の書き込み動作を行って、全体再構築処理を行うべきHDDに対して、修復された分割データを書き込む。以上の処理をハードディスクの記録領域全体について行う。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の部分再構築処理、全体再構築処理のいずれの場合も、再構築処理中にデータを修復できるのは、再構築処理を行うべきHDD以外の全てのHDDにおいて正しいデータが読み出せた場合のみであり、もし、再構築処理を行うべきHDD以外のHDDで、1台でも読み出しエラーがあった場合には、エラー訂正器112では、エラーの検出はできるが、データの修復はできない。すなわち、RAID−3を用いたデータ記録再生装置101では、再構築処理中は、データの誤り検出および訂正の能力のない装置になってしまうため、新たな障害が発生するとデータを修復することができなくなるという問題点があった。
【0022】
なお、文献「喜連川:最近の二次記憶装置:ディスアレイ」(情報処理,Vol.34,No5,pp.642-651(May 1993))に示されるように、RAID−5を拡張した方式も提案されている。この方式は、リードソロモン符号化に基づいたパリティブロックを2つ用意して、パリティグループ内で最大2個のHDDの障害に対応可能としたものである。
【0023】
しかしながら、このRAID−5を拡張した方式では、入力データの書き込み時や、データの読み出し時にエラーが発生したときには、RAID−5よりもアクセス回数が増えるため、RAID−5以上に、リアルタイム性が要求される処理には適さない。従って、マルチチャネルビデオサーバ等のリアルタイム性が要求される装置では、上述のRAID−5を拡張した方式を用いることは困難である。
【0024】
また、従来、複数のHDDを用いる一般的なデータ記録再生装置では、上述の部分再構築処理や全体再構築処理のようなデータの修復処理は、その必要が生じたときに随時行われ、修復処理中は、データ記録再生装置に対して外部からアクセスすることができなかった。しかしながら、マルチチャネルビデオサーバ等のリアルタイム性が要求される装置では、データの修復処理によって装置の運用が中断されるのは好ましくないという問題点があった。
【0025】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、データの修復処理中でもデータの誤り検出および訂正が可能であり、且つ、リアルタイム性が要求される処理に適したデータ記録再生装置および方法ならびにサーバを提供することにある。
【0026】
本発明の第2の目的は、上記第1の目的に加え、データ記録再生の運用を中断することなく、データの修復処理を行うことができるようにしたデータ記録再生装置および方法ならびにサーバを提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のデータ記録再生装置は、入力データを所定単位で分割して得られる複数の分割データをノンリニアアクセス可能な複数の第1の記録媒体に記録するとともに、複数の第1の記録媒体に記録された複数の分割データを再生する分割データ記録再生手段と、複数の分割データに対する複数の誤り訂正符号データを生成して、ノンリニアアクセス可能な複数の第2の記録媒体に複数の誤り訂正符号データを記録するとともに、複数の第2の記録媒体に記録された複数の誤り訂正符号データを再生する誤り訂正符号データ記録再生手段と、誤り訂正符号データ記録再生手段から再生された複数の誤り訂正符号データを用いて、分割データ記録再生手段から再生された複数の分割データに対する誤り訂正処理を行う誤り訂正手段と、複数の第1の記録媒体および複数の第2の記録媒体に記録された、互いに対応する複数の分割データと複数の誤り訂正符号データのうち修復対象となる1または複数の分割データ以外の他の分割データおよび複数の誤り訂正符号データを、分割データ記録再生手段と誤り訂正符号データ記録再生手段とを制御して再生させ、それら再生された他の分割データと複数の誤り訂正符号データとに基づいて修復対象となる1または複数の分割データに対する誤り訂正処理を行わせるよう誤り訂正手段を制御し、誤り訂正した修復対象となる1または複数の分割データを修復対象となる1または複数の第1の記録媒体に記録させるよう分割データ記録再生手段を制御することで修復対象となる1または複数の分割データの修復処理を行うデータ修復処理制御手段とを備えたものである。
【0028】
請求項記載のサーバは、外部から入力された映像および音声データを含む外部入力データを、ノンリニアアクセス可能な複数の第1の記録媒体に記録可能な所定の入力データに変換するとともに、複数の第1の記録媒体から出力された出力データを外部に出力可能な外部出力データに変換して出力する複数の入出力処理手段と、複数の入出力処理手段のそれぞれから出力された所定の入力データを所定単位に分割して得られる複数の分割データを、複数の第1の記録媒体に記録させるとともに、複数の第1の記録媒体に記録された複数の分割データを再生する分割データ記録再生手段と、複数の分割データに対する複数の誤り訂正符号データを生成して、ノンリニアアクセス可能な複数の第2の記録媒体に複数の誤り訂正符号データを記録するとともに、複数の第2の記録媒体に記録された複数の誤り訂正符号データを再生する誤り訂正符号データ記録再生手段と、誤り訂正符号データ記録再生手段から再生された複数の誤り訂正符号データを用いて、分割データ記録再生手段から再生された複数の分割データに対する誤り訂正処理を行う誤り訂正処理手段と、複数の第1の記録媒体および複数の第2の記録媒体に記録された、互いに対応する複数の分割データと複数の誤り訂正符号データのうち修復対象となる1または複数の分割データ以外の他の分割データおよび前記複数の誤り訂正符号データを、分割データ記録再生手段と複数の誤り訂正符号データ記録再生手段とを制御して再生させ、それら再生された他の分割データと複数の誤り訂正符号データとに基づいて修復対象となる1または複数の分割データに対する誤り訂正処理を行わせるよう誤り訂正処理手段を制御し、誤り訂正した修復対象となる1または複数の分割データを修復対象となる1または複数の第1の記録媒体に記録させるよう分割データ記録再生手段を制御することで修復対象となる1または複数の分割データの修復処理を行うデータ修復処理制御手段とを備えたものである。
【0029】
請求項10記載のデータ記録再生方法は、入力データを所定単位に分割して得られる複数の分割データをノンリニアアクセス可能な複数の第1の記録媒体に記録するとともに、複数の分割データに対する複数の誤り訂正符号データを生成してノンリニアアクセス可能な複数の第2の記録媒体に記録する第1のステップと、第1のステップで複数の第1の記録媒体に記録された複数の分割データを再生するとともに複数の第2の記録媒体に記録された複数の誤り訂正符号データを再生する第2のステップと、第2のステップで再生された複数の誤り訂正符号データから、第2のステップで再生された複数の分割データに対する誤り訂正処理を行う第3のステップと、複数の第1の記録媒体および複数の第2の記録媒体にそれぞれ記録された互いに対応する複数の分割データと複数の誤り訂正符号データのうち修復対象となる1または複数の分割データ以外の他の分割データおよび複数の誤り訂正符号データを、複数の第1の記録媒体と複数の第2の記録媒体とから再生させ、それら再生された他の分割データと複数の誤り訂正符号データとに基づいて修復対象となる1または複数の分割データに対して誤り訂正処理を行い、誤り訂正処理で誤り訂正された修復対象となる1または複数の分割データを修復対象となる1または複数の第1の記録媒体に記録することで修復対象となる1または複数の分割データの修復処理を行う第4のステップとを備えたものである。
【0030】
請求項1記載のデータ記録再生装置では、分割データ記録再生手段によって、入力データを所定単位で分割して得られる複数の分割データがノンリニアアクセス可能な複数の第1の記録媒体に記録されるとともに、複数の第1の記録媒体に記録された複数の分割データが再生される。また、誤り訂正符号データ記録再生手段によって、複数の分割データに対する複数の誤り訂正符号データが生成されて、ノンリニアアクセス可能な複数の第2の記録媒体に複数の誤り訂正符号データが記録されるとともに、複数の第2の記録媒体に記録された複数の誤り訂正符号データが再生される。また、誤り訂正手段によって、誤り訂正符号データ記録再生手段から再生された複数の誤り訂正符号データを用いて、分割データ記録再生手段から再生された複数の分割データに対する誤り訂正処理が行われる。また、データ修復処理制御手段によって、複数の第1の記録媒体および複数の第2の記録媒体に記録された、互いに対応する複数の分割データと複数の誤り訂正符号データのうち修復対象となる1または複数の分割データ以外の他の分割データおよび複数の誤り訂正符号データを、分割データ記録再生手段と誤り訂正符号データ記録再生手段とを制御して再生させ、それら再生された他の分割データと複数の誤り訂正符号データとに基づいて修復対象となる1または複数の分割データに対する誤り訂正処理を行わせるよう誤り訂正処理手段を制御し、誤り訂正した修復対象となる1または複数の分割データを修復対象となる1または複数の第1の記録媒体に記録させるよう分割データ記録再生手段を制御することで修復対象となる1または複数の分割データの修復処理が行われる。
【0031】
請求項記載のサーバでは、複数の入出力処理手段によって、外部から入力された映像および音声データを含む外部入力データが、ノンリニアアクセス可能な複数の第1の記録媒体に記録可能な所定の入力データに変換されるとともに、複数の第1の記録媒体から出力された出力データが外部に出力可能な外部出力データに変換されて出力される。また、分割データ記録再生手段によって、複数の入出力処理手段のそれぞれから出力された所定の入力データを所定単位に分割して得られる複数の分割データが複数の第1の記録媒体に記録されるとともに、複数の第1の記録媒体に記録された複数の分割データが再生される。また、誤り訂正符号データ記録再生手段によって、複数の分割データに対する複数の誤り訂正符号データが生成されて、ノンリニアアクセス可能な複数の第2の記録媒体に複数の誤り訂正符号データが記録されるとともに、複数の第2の記録媒体に記録された複数の誤り訂正符号データが再生される。また、誤り訂正処理手段によって、誤り訂正符号データ記録再生手段から再生された複数の誤り訂正符号データを用いて、分割データ記録再生手段から再生された複数の分割データに対する誤り訂正処理が行われる。また、データ修復処理制御手段によって、複数の第1の記録媒体および複数の第2の記録媒体に記録された、互いに対応する複数の分割データと複数の誤り訂正符号データのうち修復対象となる1または複数の分割データ以外の他の分割データおよび前記複数の誤り訂正符号データを、分割データ記録再生手段と誤り訂正符号データ記録再生手段とを制御して再生させ、それら再生された他の分割データと複数の誤り訂正符号データとに基づいて修復対象となる1または複数の分割データに対する誤り訂正処理を行わせるよう誤り訂正処理手段を制御し、誤り訂正した修復対象となる1または複数の分割データを修復対象となる1または複数の第1の記録媒体に記録させるよう分割データ記録再生手段を制御することで分割データの修復処理が行われる。
【0032】
また、請求項10記載のデータ記録再生方法では、第1のステップによって、入力データを所定単位に分割して得られる複数の分割データがノンリニアアクセス可能な複数の第1の記録媒体に記録されるとともに、複数の分割データに対する複数の誤り訂正符号データが生成されてノンリニアアクセス可能な複数の第2の記録媒体に記録される。また、第2のステップによって、第1のステップで複数の第1の記録媒体に記録された複数の分割データが再生されるとともに複数の第2の記録媒体に記録された複数の誤り訂正符号データが再生される。また、第3のステップによって、第2のステップで再生された複数の誤り訂正符号データから、第2のステップで再生された複数の分割データに対する誤り訂正処理が行われる。また、第4のステップによって、複数の第1の記録媒体および複数の第2の記録媒体にそれぞれ記録された互いに対応する複数の分割データと複数の誤り訂正符号データのうち修復対象となる1または複数の分割データ以外の他の分割データおよび複数の誤り訂正符号データを、複数の第1の記録媒体と複数の第2の記録媒体とから再生させ、それら再生された他の分割データと複数の誤り訂正符号データとに基づいて修復対象となる1または複数の分割データに対して誤り訂正処理を行い、誤り訂正処理で誤り訂正された修復対象となる1または複数の分割データを修復対象となる1または複数の第1の記録媒体に記録することで修復対象となる1または複数の分割データの修復処理が行われる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施の形態に係るデータ記録再生装置を含むビデオサーバの構成の一例を示すブロック図である。このビデオサーバ10は、マルチチャネルビデオサーバとして使用されるものである。このビデオサーバ10は、ビデオデータを含むデータの記録と再生を行う、本実施の形態に係る複数のデータ記録再生装置(図では、RAIDと記す。)111 〜11n (nは2以上の整数値)と、各データ記録再生装置111 〜11n に記録するデータの入力および各データ記録再生装置111 〜11n より再生したデータの出力を行う入出力プロセッサ部12とを備えている。
【0035】
入出力プロセッサ部12は、一定時間間隔を複数に分割した時間的区切りであるタイムスロット単位で各データ記録再生装置111 〜11n に対するデータの記録または再生のためのアクセスを時分割的に実行する複数の入出力プロセッサ装置(図ではIOPと記す。)131 〜13m (mは2以上の整数値)と、素材情報等を管理する管理装置14と、入出力プロセッサ装置131 〜13m および管理装置14とデータ記録再生装置111 〜11n との間を接続する上りデータバス15および下りデータバス16とを有している。なお、上りデータバス15および下りデータバス16は、データ記録再生装置111 〜11n の台数分存在し、1つの上りデータバス15および1つの下りデータバス16には、1つのデータ記録再生装置11i (iは1以上n以下の任意の整数値)と入出力プロセッサ装置131 〜13m および管理装置14が接続されている。すなわち、1つの入出力プロセッサ装置13j (jは1以上m以下の任意の整数値)および管理装置14は、複数の上りデータバス15および複数の下りデータバス16に接続されている。なお、本実施の形態では、下りデータバス16は、入出力プロセッサ装置131 〜13m および管理装置14からデータ記録再生装置111 〜11n に向かう方向のデータを転送するためのバスとし、その逆方向のデータを転送するためのバスを上りデータバス15とする。
【0036】
各入出力プロセッサ装置13j は、データの記録の際には、ビデオ信号等の入力信号SIj を所定の形式のデータに変換し、このデータおよびこのデータの記録を指示するコマンドを、下りデータバス16を介して、各データ記録再生装置111 〜11n に送信するようになっている。また、各入出力プロセッサ装置13j は、データの再生の際には、データの再生を指示するコマンドを、下りデータバス16を介して、各データ記録再生装置111 〜11n に送信して、各データ記録再生装置111 〜11n より再生され、上りデータバス15を介して転送されたデータを所定の信号に変換して、出力信号SOj として外部に出力するようになっている。
【0037】
各データ記録再生装置11i は、入力データおよび冗長符号データを記録するための複数のHDDを備えている。各データ記録再生装置11i は、データの記録の際には、下りデータバス16を介して、入出力プロセッサ装置13j より入力データおよびコマンドを受信し、入力データを所定単位で分割して複数の分割データを生成すると共に、入力データに基づいて冗長符号データを生成し、コマンドに従って、分割データおよび冗長符号データを複数のHDDに記録するようになっている。また、各データ記録再生装置11i は、データの再生の際には、下りデータバス16を介して、入出力プロセッサ装置13j よりコマンドを受信し、このコマンドに従って複数のHDDを制御して、分割データおよび冗長符号データを再生し、冗長符号データを用いて分割データに対して誤り訂正処理を行い、この誤り訂正処理後の分割データを多重化して、出力データとして、上りデータバス15を介して入出力プロセッサ装置13j に対して出力するようになっている。
【0038】
図2は、本実施の形態に係るデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。このデータ記録再生装置11(111 〜11n を代表する。)は、入力データを記録するための複数のHDD211 〜21K と(Kは2以上の整数値)と、誤り訂正符号データとしての冗長符号データを記録するための2つのHDD281 ,282 と、入力データDI を一定の長さに分割して複数の分割データを生成し、各分割データを各HDD211 〜21K に分配するデータ分配器22と、データ分配器22より出力される分割データから冗長符号データP1,P2を生成し、出力するための冗長符号生成器26と、データ分配器22より出力される各分割データを一時的に保持する入力メモリ231 〜23K と、冗長符号生成器26より出力される冗長符号データP1,P2を一時的に保持する入力メモリ271 ,272 と、それぞれHDD211 〜21K ,281 ,282 に接続され、入力メモリ231 〜23K ,271 ,272 によって保持されたデータのHDD211 〜21K ,281 ,282 への記録(以下、書き込みとも言う。)とHDD211 〜21K ,281 ,282 からのデータの再生(以下、読み出しとも言う。)とを制御するコントローラ241 〜24K ,291 ,292 と、各HDD211 〜21K ,281 ,282 から読み出されたデータを一時的に保持する出力メモリ251 〜25K ,301 ,302 と、出力メモリ251 〜25K ,301 ,302 によって保持されたデータと後述するエラー情報とを用いてエラー検出およびエラー訂正を行って分割データの修復を行うエラー訂正器31と、エラー訂正器31の出力データを多重化して、出力データDo として出力するデータ多重器32と、これら装置全体を制御するCPU33とを備えている。なお、データ多重器32の出力データは、CPU33の制御により、データ分配器22に入力することも可能となっている。また、CPU33は、プログラムが格納されたROM(リード・オンリ・メモリ)とワーキングエリアとなるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)とを含んでいる。
【0039】
HDD211 〜21k ,281 ,282 は、ランダムアクセス可能な記録媒体であるハードディスク(磁気ディスク)における任意の記録領域にアクセスして、ハードディスクに対するデータの記録動作またはデータの再生動作を行うようになっている。また、HDD211 〜21k ,281 ,282 内の図示しない制御部は、データの読み出しエラーが発生した場合には、その旨を表すエラー情報を、ステータスデータとしてコントローラ241 〜24K ,291 ,292 に送るようになっている。このエラー情報は、更に、コントローラ241 〜24K ,291 ,292 からCPU33へ、エラー情報ER1 〜ERK ,ERP1,ERP2として送られるようになっている。
【0040】
ここで、図8を参照して、ハードディスク上のフォーマットについて説明する。ハードディスク上には、同心円状に複数のトラックが設定される。図8では、1つのトラックのみを示している。トラックは放射状に区切られて、データの記録単位である複数のセクタが設定される。これらのセクタには、データの書き込みや読み出しの際に、常にエラーが発生するようなセクタが存在する場合がある。このようなセクタは、欠陥セクタと呼ばれ、物理的な傷等により正しくデータの読み出しあるいは書き込みができない状態となっていると考えられる。このような欠陥セクタの発生に備えて、ハードディスク上に予備のセクタを予め確保しておき、必要に応じて、欠陥セクタの代わりに予備のセクタにデータを記録する方法がある。このような予備のセクタは代替セクタと呼ばれる。この代替セクタを有するHDDでは、HDD内の制御部は、欠陥セクタの代わりに代替セクタが用いられても、上位からは同じセクタ番号で参照できるように、論理的なセクタ番号(LBA)と物理的なセクタ番号を対応付ける対応表を内部で持っている。
【0041】
図8に示した例では、1つのトラックに対して、N個のセクタ(Sector-1〜Sector-N)が物理的に割り付けられ、更に、2つの代替セクタ(Spare-1 ,Spare-2 )が用意されている。図9は、上述の対応表で表されるLBAと物理的なセクタ番号との対応関係を示したものである。欠陥セクタがない正常な場合には、図9(a)に示したように、LBAと物理的なセクタ番号は一致している。正常な場合には、HDD内の制御部は、図9(a)に示した対応関係の対表表に基づいてハードディスク上の記録領域を管理している。これに対し、例えば、セクタSector-5に欠陥がある場合には、セクタSector-5の代わりに、代替セクタSpare-1 が使用される。この場合、図9(b)に示したように、LBAにおける“5”に対して、代替セクタSpare-1 が対応付けられ、HDD内の制御部は、図9(b)に示した対応関係の対表表に基づいてハードディスク上の記録領域を管理することになる。このように、欠陥セクタの発生に応じて、LBAと物理的なセクタ番号との対応関係を変えることを、再割り付け処理(Reassign)と呼ぶ。
【0042】
CPU33は、下りデータバス16を介して、入出力プロセッサ装置13j よりコマンドを受信し、このコマンドに従って、コントローラ241 〜24k ,291 ,292 に指示を与えて、各HDD211 〜21k ,281 ,282 を制御するようになっている。また、CPU33は、データの読み出しエラーが発生していた場合には、その旨を表すエラー情報を、エラー訂正器31に送るようになっている。このエラー情報は、読み出しエラーが発生したHDDを特定する情報を含んでいる。
【0043】
エラー訂正器31は、必要に応じて、CPU33からのエラー情報と出力メモリ251 〜25K ,301 ,302 によって保持されたデータとを用いて、エラー検出およびエラー訂正を行って分割データの修復を行って、修復後の分割データをデータ多重器32に出力するようになっている。データ多重器32は、エラー訂正器31より出力される分割データを元のデータ列に並べ替えて、出力データDO として出力するようになっている。
【0044】
HDD211 〜21K は、本発明における分割データ記録再生手段に対応し、HDD281 ,282 は、本発明における誤り訂正符号データ記録再生手段に対応し、データ分配器22は、本発明における分割手段に対応し、冗長符号生成器26は、本発明における誤り訂正符号データ生成手段に対応し、エラー訂正器31は、本発明における誤り訂正手段に対応し、データ多重器32は、本発明における多重化手段に対応する。
【0045】
本実施の形態では、誤り訂正符号として、複数の分割データの誤り訂正が可能な符号を用いる。このような符号としてBCH符号がある。本実施の形態では、誤り訂正符号として、特に、BCH符号の一種であるリードソロモン符号を用いる。ここで、リードソロモン符号について簡単に説明する。
【0046】
まず、リードソロモン符号では、1バイトすなわち8ビットを1つの数として扱い、00hからFFh(hは16進数を表す。)までの256個の数が用いられ、また、四則演算に関しても整数の世界とは異なる演算法則が用いられる。
【0047】
リードソロモン符号では、符号多項式や生成多項式と呼ばれる多項式が用いられる。ここでは、14バイトのデータバイトに対して、2バイトのパリティバイトを用いる場合を例にとって説明する。この場合、14バイトのデータバイトと2バイトのパリティバイトの合計16バイトをまとめて処理する。そこで、14バイトのデータバイトを、それぞれW15,W14,…,W2 とし、2バイトのパリティバイトを、それぞれW1 ,W0 とする。なお、Wi (iは0から15までの整数値)は、すべてバイトという形式の00hからFFhまでのいずれかの数である。
【0048】
符号多項式W(X)は次の式(1)のように定義される。
【0049】
W(X)=W15×X15+W14×X14+…+W2 ×X2 +W1 ×X+W0 …(1)
【0050】
なお、Xもバイトという形式の00hからFFhまでのいずれかの数である。
【0051】
ここで、式(1)のW(X)において、W1 ×X+W0 は、W15×X15+W14×X14+…+W2 ×X2 を、次の式(2)で表される生成多項式G(X)で割った余りとして求められる。
【0052】
G(X)=(X−02h)×(X−01h) …(2)
【0053】
従って、次の式(3)および式(4)が成り立つように、パリティバイトW1 ,W0 の値を定める。
【0054】
W(02h)=00h …(3)
W(01h)=00h …(4)
【0055】
リードソロモン符号における符号化では、このような関係に基づいて、データバイトからパリティバイトを求める。
【0056】
次に、リードソロモン符号における誤り訂正について説明する。まず、データバイトW15,W14,…,W2 およびパリティバイトW1 ,W0 に対応するデータが、それぞれHDD(15),HDD(14),…,HDD(1),HDD(0)からV15,V14,…,V1 ,V0 として読み出されたとする。ここで、HDD(i)の読み出しデータVi における誤りの有無により、読み出しデータVi は次の式(5),(6)によって表される。なお、Ei は誤りの大きさを表す。
【0057】
HDD(i)に誤りがない場合:Vi =Wi …(5)
HDD(i)に誤りがある場合:Vi =Wi +Ei …(6)
【0058】
次に、符号多項式W(X)に対して、V(X)を次の式(7)のように定義する。
【0059】
V(X)=V15×X15+V14×X14+…+V2 ×X2 +V1 ×X+V0 …(7)
【0060】
更に、シンドロームと呼ばれる値S1 ,S0 を、次の式(8),(9)のように定義する。
【0061】
1 =V(02h) …(8)
0 =V(01h) …(9)
【0062】
ここで、どのHDDの読み出しデータにも誤りがない場合には、V(X)=W(X)なので、シンドロームは次の式(10),(11)のようになる。
【0063】
1 =00h …(10)
0 =00h …(11)
【0064】
次に、HDD(i)の読み出しデータに誤りがあるが、HDD(i)からはエラー情報の通知がない場合には、式(6),(7)に基づいて、V(X)=W(X)+Ei ×Xi となり、シンドロームは次の式(12),(13)のようになる。
【0065】
1 =Ei ×02hi …(12)
0 =Ei ×01hi =Ei …(13)
【0066】
従って、式(13)により、誤りの大きさEi が求まり、この誤りの大きさEi と式(12)とによって、どのHDD(i)の読み出しデータが誤りかを示す添え字iが求まり、これにより、読み出しデータの誤り訂正が可能となる。これを1誤り訂正と呼ぶ。
【0067】
次に、2つのHDD(i)とHDD(j)(jは0から15までの整数値)の読み出しデータに誤りがあり、HDD(i)とHDD(j)からエラー情報の通知があった場合には、式(6),(7)に基づいて、V(X)=W(X)+Ei ×Xi +Ej ×Xj となるので、シンドロームは次の式(14),(15)のようになる。
【0068】
1 =Ei ×02hi +Ej ×02hj …(14)
0 =Ei ×01hi +Ej ×01hj =Ei +Ej …(15)
【0069】
ここでは、HDD(i)とHDD(j)からエラー情報の通知があったものとしているので、添え字i,jの値は既知である。従って、式(14)における02hi と02hj の値を計算することができ、Ei とEj の値は、2元連立方程式により求まり、これにより、読み出しデータの誤り訂正が可能となる。これを2誤り消失訂正と呼ぶ。
【0070】
リードソロモン符号における復号化では、このようにしてシンドロームの値を求めて、このシンドロームの値を用いて、誤りの位置や大きさを求めるようになっている。
【0071】
なお、以上のリードソロモン符号の説明におけるデータバイトW15,W14,…,W2 は、本実施の形態における分割データに対応し、パリティバイトW1 ,W0 は、本実施の形態における冗長符号データP1,P2に対応する。
【0072】
次に、本実施の形態に係るデータ記録再生装置11の動作について説明する。なお、以下の説明は、本実施の形態に係るデータ記録再生方法の説明を兼ねている。
【0073】
まず、データ記録再生装置11の書き込み動作について説明する。入力データDI は、データ分配器22に入力されて複数の分割データが生成され、各分割データは、入力メモリ231 〜23K に分配されて一旦記録されると共に、冗長符号生成器26に入力される。このとき、データの分配方法としては、例えば、ビット単位あるいはバイト単位でデータ列D1,D2,D3,D4,D5,…のように並んでいるとして、データD1を1台目のHDD211 に分配し、データD2を2台目のHDD212 に分配するというように、データを順番に分配していき、データDKを最後のK台目のHDD21K に分配し終えたら、再度、最初のHDD211 から順にデータを分配していく方法がある。
【0074】
冗長符号生成器26は、データ分配器22から出力される分割データに基づいて、リードソロモン符号における冗長符号データP1,P2を生成して出力する。入力メモリ271 ,272 は、この冗長符号データP1,P2を一旦記録する。その後、各HDD211 〜21K ,281 ,282 のコントローラ241 〜24K ,291 ,292 は、CPU33の制御に基づいて、入力メモリ231 〜23K ,271 ,272 から分割データおよび冗長符号データP1,P2を読み出して、各HDD211 〜21K ,281 ,282 に書き込む。
【0075】
次に、データ記録再生装置11のデータの読み出し動作について説明する。CPU33の制御の下で、各コントローラ241 〜24K ,291 ,292 は、各HDD211 〜21K ,281 ,282 から分割データおよび冗長符号データP1,P2を読み出し、それぞれ出力メモリ251 〜25K ,301 ,302 に書き込む。このとき、HDD211 〜21K ,281 ,282 において読み出しエラーが発生した場合には、その旨を表すエラー情報が、HDD211 〜21K ,281 ,282 内の制御部より、ステータスデータとしてコントローラ241 〜24K ,291 ,292 に送られ、更に、コントローラ241 〜24K ,291 ,292 からCPU33へ、エラー情報ER1 〜ERK ,ERP1,ERP2として送られる。
【0076】
出力メモリ251 〜25K ,301 ,302 に記録された各データは、同期がとられてエラー訂正器31に出力される。このとき、読み出しエラーが発生していた場合には、その旨を表すエラー情報が、CPU33よりエラー訂正器31に送られる。このエラー情報は、読み出しエラーが発生したHDDを特定する情報を含んでいる。エラー訂正器31は、必要に応じて、エラー情報と冗長符号データP1,P2とに基づいて、分割データを修復して、データ多重器32に出力する。データ多重器32は、エラー訂正器31から出力された分割データを元のデータ列に並べ替えて、出力データDo として外部へ出力する。
【0077】
本実施の形態では、誤り訂正符号として、複数の分割データの誤り訂正が可能なリードソロモン符号を用いているので、以下のような場合に、分割データの修復が可能である。
【0078】
(1)1台のHDDの読み出しデータに誤りがある場合
この場合は、そのHDDで読み出しエラーが発生した旨のエラー情報の通知があった場合はもちろん、エラー情報の通知がなかった場合でも、分割データの修復が可能である。
(2)2台のHDDの読み出しデータに誤りがあり、且つそれらのHDDで読み出しエラーが発生した旨のエラー情報の通知があった場合
【0079】
ところで、いずれかのHDDにおいて、書き込み動作においてエラー(以下、書き込みエラーと言う。)が発生した場合、書き込みエラーが発生したデータを修復する必要がある。このような記録媒体(ハードディスク)における記録領域の一部についてのデータの修復処理を、本実施の形態において部分再構築処理(部分Rebuild )と呼ぶ。また、書き込み動作や読み出し動作において、いつもエラーとなってしまうような欠陥セクタが発生した場合には、前述のように、LBAと物理的なセクタ番号との対応関係を変える再割り付け処理(Reassign)を行う必要がある。更に、いずれかのHDDが交換された場合には、新しいHDDに元のデータを再構築していく必要がある。このような記録媒体(ハードディスク)における記録領域全体についてのデータの修復処理を、本実施の形態において全体再構築処理(全体Rebuild )と呼ぶ。
【0080】
以下、上述の部分再構築処理、再割り付け処理および全体再構築処理を含むデータ記録再生装置11の全体的な動作の一例について説明する。以下の例では、データ記録再生装置11の動作モードには、通常モードと、再割り付け処理モードと、全体再構築処理モードとがある。通常モードから再割り付け処理モードへの移行は、通常モードにおいて所定の条件が満たされた場合や、データ記録再生装置11に対して上位の装置、すなわち図1における入出力プロセッサ部12からの指示があった場合に発生する。再割り付け処理モードにおける処理が完了したら、通常モードへ移行する。また、通常モードから全体再構築処理モードへの移行は、データ記録再生装置11に対して上位の装置、すなわち図1における入出力プロセッサ部12からの指示があった場合や、データ記録再生装置11自身が、いずれかのHDDが交換されたことを検知した場合に発生する。全体再構築処理モードにおける処理が完了したら、通常モードへ移行する。
【0081】
図3および図4は、通常モードの1タイムスロットにおけるデータ記録再生装置11の動作を示す流れ図である。この動作では、まず、CPU33は、書き込みを指示するコマンドを受信したか否かを判断し(ステップS101)、書き込みを指示するコマンドを受信した場合(Y)は、前述の書き込み動作を行う(ステップS102)。CPU33が書き込み指示コマンドを受信したか否かの判断は、例えば、上位入出力プロセッサ部131 〜136 からバス16を介して転送されたコマンドをCPU33が受信して、このコマンドが書き込み指示のコマンドであるか否かを判断することによって行うことができる。書き込み動作の終了後、CPU33は、各HDD211 〜21K ,281 ,282 からの情報に基づいて、データの書き込みが成功したか否かを判断する(ステップS103)。データの書き込みが成功した場合(Y)には、1タイムスロットにおける動作を終了する。データの書き込みが失敗した場合(ステップS103;N)には、CPU33は、書き込みが失敗したHDDおよびアドレスを記憶して(ステップS104)、1タイムスロットにおける動作を終了する。
【0082】
CPU33は、書き込みを指示するコマンドを受信していない場合(ステップS101;N)は、読み出しを指示するコマンドを受信したか否かを判断し(ステップS105)、読み出しを指示するコマンドを受信した場合(Y)は、前述の読み出し動作を行う(ステップS106)。この読み出しコマンドを受信したか否かの判断も、上位入出力プロセッサ部131 〜136 からバス16を介して転送されたコマンドをCPU33が受信することで行うことができる。読み出し動作の終了後、CPU33は、各HDD211 〜21K ,281 ,282 からのエラー情報ER1 〜ERK ,ERP1,ERP2の有無に基づいて、データの読み出しが成功したか否かを判断する(ステップS107)。データの読み出しが成功した場合(Y)には、1タイムスロットにおける動作を終了する。データの読み出しが失敗した場合(ステップS107;N)には、CPU33は、読み出しが失敗したHDDおよびアドレスと、そのHDDおよびアドレスにおける読み出し失敗の回数を記憶する(ステップS108)。次に、CPU33は、ステップS108で記憶した読み出し失敗の回数が所定値N1(N1は1以上の任意の整数値)以上か否かを判断し(ステップS109)、読み出し失敗の回数が所定値N1以上でなければ(N)、1タイムスロットにおける動作を終了する。読み出し失敗の回数が所定値N1以上の場合(Y)、CPU33は、後述する再割り付け処理モードへ移行する(ステップS115)。
【0083】
CPU33は、書き込みを指示するコマンドも読み出しを指示するコマンドも受信しなかった場合(ステップS105;N)には、部分再構築処理を行うべきHDDおよびアドレスがあるか否かを判断する(ステップS110)。ここで、部分再構築処理を行うべきHDDおよびアドレスには、次の3種類がある。すなわち、第1は、ステップS104で記憶した書き込みが失敗したHDDおよびアドレスである。第2は、再割り付け処理を行ったHDDおよびアドレスである。第3は、後で詳しく説明するが、再割り付け処理における書き込み動作停止中に記憶しておいたHDDおよびアドレスである。部分再構築処理を行うべきHDDおよびアドレスは、CPU33が記憶している。なお、部分再構築処理を行うべきHDDおよびアドレスを、データ記録再生装置11に対して上位の装置、すなわち図1における入出力プロセッサ部12が記憶するようにしてもよい。ちなみに、書き込み指示がなく(ステップS101;N)、かつ読み出し指示もない(ステップS105;N)ときは、上位プロセッサ12側からは動作の指示がないときである。つまり、割り当てられたタイムスロットで上位プロセッサ12側が動作するのは、上位からデータの書き込み指示やデータの読み出し指示があるときで、これらの指示がないときは、割り当てられたタイムスロットでの動作がすでに終了しているときである。
【0084】
部分再構築処理を行うべきHDDおよびアドレスがない場合(ステップS110;N)は、処理を終了させる。部分再構築処理を行うべきHDDおよびアドレスがある場合(ステップS110;Y)は、部分再構築処理を行う(ステップS111)。この部分再構築処理については、後で詳しく説明する。
【0085】
CPU33は、部分再構築処理の終了後、部分再構築処理が成功したか否かを判断する(ステップS112)。部分再構築処理が成功した場合(Y)は、処理動作を終了する。部分再構築処理が失敗した場合(N)には、CPU33は、部分再構築処理が失敗したHDD、アドレスおよび部分再構築処理が失敗した回数を記憶する(ステップS113)。次に、CPU33は、ステップS113で記憶した部分再構築処理の失敗の回数が所定値N2(N2は1以上の任意の整数値)以上か否かを判断し(ステップS114)、部分再構築処理の失敗の回数が所定値N2以上でなければ(N)、1タイムスロットにおける動作を終了する。部分再構築処理の失敗の回数が所定値N2以上の場合(Y)、CPU33は、後述する再割り付け処理モードへ移行する(ステップS115)。
【0086】
このように、本実施の形態では、部分再構築処理は、上位側から転送されたデータに対する書き込み動作や上位側に出力すべき記録されたデータの読み出し動作を中断することなく、上位からの書き込み指示や読み出し指示のないタイムスロット、すなわち空き動作時間において実行される。
【0087】
次に、図5の流れ図を参照して、部分再構築処理(ステップS111)について、詳しく説明する。この部分再構築処理は、セクタ単位で行われる。この部分再構築処理では、まず、CPU33は、部分再構築処理を行うべきアドレス(セクタ)を指定して、各コントローラ241 〜24K ,291 ,292 に対して読み出し動作を行わせる。これに応じて、各コントローラ241 〜24K ,291 ,292 は、各HDD211 〜21K ,281 ,282 より、指定されたアドレスのデータを読み出す(ステップS201)。読み出された各データは、出力メモリ251 〜25K ,301 ,302 を経て、エラー訂正器31に入力される。このとき、CPU33は、エラー訂正器31に対して、部分再構築処理を行うべきHDDから読み出されたデータは使用しないように指示を与えておく。エラー訂正器31は、出力メモリ251 〜25K ,301 ,302 より出力されるデータのうち、部分再構築処理を行うべきHDDから読み出されたデータ以外のデータを用いて、部分データの修復を行い(ステップS202)、修復後の部分データをデータ多重器32に出力する。データ多重器32は、エラー訂正器31から出力された分割データを元のデータ列に並べ替えて、出力データDo として出力する。
【0088】
次に、CPU33の制御により、データ多重器32からの出力データDo をデータ分配器22に入力し、入力データDI の書き込み時と同様の書き込み動作を行って、部分再構築処理を行うべきHDDに対して、修復された部分データを書き込んで(ステップS203)、部分再構築処理を終了する。なお、書き込み動作では、部分再構築処理を行うべきHDDのみにおいてデータの書き込みを行えばよいが、簡易的には、全てのHDD211 〜21K ,281 ,282 において書き込みを行ってもよい。
【0089】
本実施の形態では、誤り訂正符号として、複数の分割データの誤り訂正が可能なリードソロモン符号を用いているので、部分再構築処理中であっても、RAID−3を用いたデータ記録再生装置と同様のデータの誤り検出および訂正の能力を保つことができる。すなわち、部分再構築処理中に、部分再構築処理を行うべきHDD以外のもう1台のHDDにおいて読み出しエラーが発生しても、データを正しく修復することが可能である。
【0090】
なお、上記説明では、部分再構築処理において、データ多重器32の出力データDo をデータ分配器22に送って書き込み処理を行うようにしたが、エラー訂正器31より出力される各分割データを各入力メモリ231 〜23K および冗長符号生成器26に送って書き込み処理を行うようにしてもよい。
【0091】
また、上記説明では、部分再構築処理を行うべきHDDおよびアドレスを、CPU33が検知し、記憶しておくようにしたが、データ記録再生装置11に対して上位の装置、すなわち図1における入出力プロセッサ部12が、部分再構築処理を行うべきHDDおよびアドレスを記憶し、データ記録再生装置11に対して、部分再構築処理を行うべきHDDおよびアドレスを指定して部分再構築処理の指示を送り、この指示に応じてデータ記録再生装置11が部分再構築処理を行うようにしてもよい。この場合も、部分再構築処理は、書き込み指示や読み出し指示のないタイムスロットにおいて実行するようにする。
【0092】
次に、図6の流れ図を参照して、再割り付け処理モード時の動作について説明する。なお、通常モードから再割り付け処理モードへの移行は、図3および図4に示した通常モードにおいて所定の条件が満たされた場合(ステップS115)や、データ記録再生装置11に対して上位の装置、すなわち図1における入出力プロセッサ部12からの指示があった場合に発生する。
【0093】
再割り付け処理モードの動作では、まず、CPU33は、再割り付けを行うHDDにおける書き込み動作および読み出し動作を停止する(ステップS301)。次に、CPU33は、再割り付けを行うHDDに対して、再割り付けを行うセクタを指定して、再割り付け処理を開始させる(ステップS302)。なお、再割り付けを行うセクタは、読み出しの失敗回数がN1以上となったセクタおよび部分再構築処理の失敗回数がN2以上となったセクタである。再割り付け処理は、前述のように、LBAと物理的なセクタ番号との対応関係を変えることである。CPU33は、再割り付け処理中に、書き込みを指示するコマンドを受信した場合には、再割り付けを行うHDD以外のHDDにおいて書き込み動作を行わせると共に、再割り付けを行うHDDと書き込みが指示されたLBAとを記憶しておく。CPU33は、再割り付け処理中に、読み出しを指示するコマンドを受信した場合には、再割り付けを行うHDD以外のHDDにおいて読み出し動作を行わせると共に、エラー訂正器31に対して、再割り付けを行うHDDからのデータを無効としてエラー訂正を行うように指示を与える。
【0094】
次に、CPU33は、再割り付け処理が終了したか否かを判断し(ステップS303)、終了していなければ(N)、この判断を繰り返す。再割り付け処理が終了したら(Y)、再割り付けを行うHDDにおける書き込み動作および読み出し動作の停止を解除し(ステップS304)、通常モードへ移行する(ステップS305)。
【0095】
このように、本実施の形態では、再割り付け処理中であっても、書き込み動作や読み出し動作は中断することなく実行される。しかも、本実施の形態では、誤り訂正符号として、複数の分割データの誤り訂正が可能なリードソロモン符号を用いているので、再割り付け処理中であっても、RAID−3を用いたデータ記録再生装置と同様のデータの誤り検出および訂正の能力を保つことができる。すなわち、再割り付け処理中の読み出し動作において、再割り付け処理を行っているHDD以外のもう1台のHDDにおいて読み出しエラーが発生しても、データを正しく修復することが可能である。
【0096】
次に、全体再構築処理について説明する。全体再構築処理は、いずれかのHDDが交換された場合に実行される。通常モードから全体再構築処理モードへの移行は、前述のように、データ記録再生装置11に対して上位の装置、すなわち図1における入出力プロセッサ部12からの指示があった場合や、データ記録再生装置11自身が、いずれかのHDDが交換されたことを検知した場合に発生する。入出力プロセッサ部12からの指示には、全体再構築処理を行うべきHDDを特定する情報が含まれる。データ記録再生装置11自身が、いずれかのHDDが交換されたことを検知する方法としては、次のような方法が用いられる。すなわち、まず、検知動作は、データ記録再生装置11が起動するときやHDDを抜き差しするときに、CPU33によって行われる。HDDの抜き差しがあったことは、コントローラ241 〜24K ,291 ,292 が検知し、CPU33に伝える。HDDが交換されたか否かの判断は、コントローラ241 〜24K ,291 ,292 によって検知されるHDDのシリアル番号を用いて、あるいはHDDの所定の領域にHDDの固有の情報を記録しておいて、その情報を用いて行う。
【0097】
次に、図7の流れ図を参照して、全体再構築処理モード時の1タイムスロットにおける動作について説明する。この動作では、まず、CPU33は、書き込みを指示するコマンドを受信したか否かを判断し(ステップS401)、書き込みを指示するコマンドを受信した場合(Y)は、書き込み動作を行う(ステップS402)。このときの書き込み動作は、通常モード時と同様である。書き込み動作の終了後、CPU33は、各HDD211 〜21K ,281 ,282 からの情報に基づいて、データの書き込みが成功したか否かを判断する(ステップS403)。データの書き込みが成功した場合(Y)には、1タイムスロットにおける動作を終了する。データの書き込みが失敗した場合(ステップS403;N)には、CPU33は、書き込みが失敗したHDDおよびアドレスを記憶して(ステップS404)、1タイムスロットにおける動作を終了する。
【0098】
CPU33は、書き込みを指示するコマンドを受信していない場合(ステップS401;N)は、読み出しを指示するコマンドを受信したか否かを判断し(ステップS405)、読み出しを指示するコマンドを受信した場合(Y)は、読み出し動作を行う(ステップS406)。ただし、このときの読み出し動作では、CPU33は、エラー訂正器31に対して、全体再構築処理を行うべきHDDから読み出されたデータは使用しないように指示を与えておく。エラー訂正器31は、出力メモリ251 〜25K ,301 ,302 より出力されるデータのうち、全体再構築処理を行うべきHDDから読み出されたデータ以外のデータを用いて、部分データの修復を行い、修復後の部分データをデータ多重器32に出力する。読み出し動作の終了後、CPU33は、各HDD211 〜21K ,281 ,282 からのエラー情報ER1 〜ERK ,ERP1,ERP2の有無に基づいて、データの読み出しが成功したか否かを判断する(ステップS407)。データの読み出しが成功した場合(Y)には、1タイムスロットにおける動作を終了する。データの読み出しが失敗した場合(ステップS407;N)には、CPU33は、読み出しが失敗したHDDおよびアドレスと、そのHDDおよびアドレスにおける読み出し失敗の回数を記憶して(ステップS408)、1タイムスロットにおける動作を終了する。
【0099】
CPU33は、書き込みを指示するコマンドも読み出しを指示するコマンドも受信しなかった場合(ステップS405;N)には、全体再構築処理を行う(ステップS409)。全体再構築処理は、部分再構築処理と同様の処理を、ハードディスクの記録領域全体について行うものである。次に、CPU33は、全体再構築処理が全て終了したか否かを判断し(ステップS410)、全体再構築処理が全て終了していなければ(N)、1タイムスロットにおける動作を終了する。全体再構築処理が全て終了したら(Y)、通常モードへ移行する(ステップS411)。
【0100】
このように、本実施の形態では、全体再構築処理は、書き込み動作や読み出し動作を中断することなく、書き込み指示や読み出し指示のないタイムスロットにおいて実行される。
【0101】
また、本実施の形態では、誤り訂正符号として、複数の分割データの誤り訂正が可能なリードソロモン符号を用いているので、全体再構築処理モード中であっても、RAID−3を用いたデータ記録再生装置と同様のデータの誤り検出および訂正の能力を保つことができる。すなわち、全体再構築処理中に、全体再構築処理を行うべきHDD以外のもう1台のHDDにおいて読み出しエラーが発生しても、データを正しく修復することが可能である。また、全体再構築処理モード中における読み出し動作において、全体再構築処理を行うべきHDD以外のもう1台のHDDにおいて読み出しエラーが発生した場合も、データを正しく修復することが可能である。
【0102】
なお、全体再構築処理においても、部分再構築処理と同様に、修復後のデータの書き込み動作では、全体再構築処理を行うべきHDDのみにおいてデータの書き込みを行えばよいが、簡易的には、全てのHDD211 〜21K ,281 ,282 において書き込みを行ってもよい。
【0103】
また、上記説明では、全体再構築処理において、データ多重器32の出力データDo をデータ分配器22に送って書き込み処理を行うようにしたが、エラー訂正器31より出力される各分割データを各入力メモリ231 〜23K および冗長符号生成器26に送って書き込み処理を行うようにしてもよい。
【0104】
以上説明したように、本実施の形態に係るデータ記録再生装置11では、データの記録時には、入力データを所定単位で分割して、複数の分割データを生成すると共に、入力データに基づいて、入力データに対して複数の分割データの誤り訂正が可能な誤り訂正符号(リードソロモン符号)による誤り訂正符号データ(冗長符号データP1,P2)を生成し、これら複数の分割データおよび誤り訂正符号データをそれぞれ別個のHDD211 〜21K ,281 ,282 によって記録し、データの再生時には、各HDD211 〜21K ,281 ,282 から、複数の分割データと誤り訂正符号データとを再生し、再生された誤り訂正符号データを用いて、再生された複数の分割データに対する誤り訂正処理を行い、この誤り訂正処理後の各分割データを多重化して出力するようにしている。従って、本実施の形態に係るデータ記録再生装置11は、RAID−3やRAID−5を用いたデータ記録再生装置に比べてデータの誤り検出および訂正の能力に優れ、システムの信頼性を向上させることができ、且つ、RAID−3を用いたデータ記録再生装置と同様に、入力データの書き込みは、1回のアクセスで可能であり、データの読み出し後のエラー訂正も即座に行うことができ、リアルタイム性が要求される処理に適し、マルチチャネルビデオサーバ等のリアルタイム性が要求される装置に適している。
【0105】
具体的には、本実施の形態に係るデータ記録再生装置11では、2つの分割データの誤り訂正が可能な冗長符号データP1,P2を生成するようにしたので、1台のHDDが故障しても、RAID−3を用いたデータ記録再生装置と同様のデータの誤り検出および訂正の能力を保つことができる。また、読み出しエラーが発生せずに、1台のHDDが不正なデータを読み出した場合でも、それを検知して、データを修復することができる。更に、2台のHDDが不正なデータを読み出した場合でも、各HDDにおける読み出しエラーが検出されれば、データを修復することができる。
【0106】
また、本実施の形態に係るデータ記録再生装置11によれば、部分再構築処理中であっても、RAID−3を用いたデータ記録再生装置と同様のデータの誤り検出および訂正の能力を保つことができ、システムの信頼性、保守性を向上させることができる。
【0107】
更に、本実施の形態に係るデータ記録再生装置11によれば、部分再構築処理を、書き込み指示や読み出し指示のないタイムスロットにおいて実行するようにしたので、マルチチャネルビデオサーバ等のリアルタイム性が要求される装置を運用しながら、部分再構築処理を行うことができる。
【0108】
また、本実施の形態に係るデータ記録再生装置11によれば、全体再構築処理中であっても、RAID−3を用いたデータ記録再生装置と同様のデータの誤り検出および訂正の能力を保つことができ、システムの信頼性、保守性を向上させることができる。
【0109】
更に、本実施の形態に係るデータ記録再生装置11によれば、全体再構築処理を、書き込み指示や読み出し指示のないタイムスロットにおいて実行するようにしたので、マルチチャネルビデオサーバ等のリアルタイム性が要求される装置を運用しながら、全体再構築処理を行うことができる。
【0110】
また、本実施の形態に係るデータ記録再生装置11によれば、再割り付け処理中であっても、書き込み動作や読み出し動作を中断することなく実行するようにしたので、マルチチャネルビデオサーバ等のリアルタイム性が要求される装置を運用しながら、再割り付け処理を行うことができる。
【0111】
更に、本実施の形態に係るデータ記録再生装置11によれば、再割り付け処理中であっても、RAID−3を用いたデータ記録再生装置と同様のデータの誤り検出および訂正の能力を保つことができ、システムの信頼性、保守性を向上させることができる。
【0112】
最後に、図10を参照して、本実施の形態に係るデータ記録再生装置とRAID−3を用いたデータ記録再生装置とで信頼性を比較した結果の一例について説明する。この例では、本実施の形態に係るデータ記録再生装置は、14台の分割データ記録用のHDDと2台のリードソロモン符号による冗長符号データ記録用のHDDとを備えた構成としている。これに対し、RAID−3を用いたデータ記録再生装置は、7台の分割データ記録用のHDDと1台のパリティデータ記録用のHDDとを1組とし、この組み合わせを2組設けた構成としている。この例では、本実施の形態に係るデータ記録再生装置とRAID−3を用いたデータ記録再生装置とは、共に16台のHDDを使用しておりハードウェアの規模が同等であり、且つ冗長度も共に8分の1で等しくなっている。
【0113】
図10において、横軸は、HDD単体でのエラー発生確率PU を表し、縦軸はデータ記録再生装置全体でのエラー発生確率PS を表している。また、図10において、符号R6で示した線は、本実施の形態に係るデータ記録再生装置におけるHDD単体でのエラー発生確率PU と装置全体でのエラー発生確率PS との関係を表し、符号R3で示した線は、RAID−3を用いたデータ記録再生装置におけるHDD単体でのエラー発生確率PU と装置全体でのエラー発生確率PS との関係を表している。
【0114】
なお、符号R6で示した線は、以下の式で表される。
S 163 U 3 (1−PU 13
【0115】
同様に、符号R3で示した線は、以下の式で表される。
S =2× 82 U 2 (1−PU 6
【0116】
図10において、符号Dは、本実施の形態に係るデータ記録再生装置とRAID−3を用いたデータ記録再生装置との間での、同じHDD単体でのエラー発生確率PU に対する装置全体でのエラー発生確率PS の差を表している。このような差Dから分かるように、RAID−3を用いたデータ記録再生装置に比べて本実施の形態に係るデータ記録再生装置の方が、同じHDD単体でのエラー発生確率PU に対する装置全体でのエラー発生確率PS が小さくなっており、信頼性が高いと言える。
【0117】
また、図10において、符号Cで示した線は、RAIDを用いない場合のPU =PS となる関係を表している。この線Cよりも下側の領域では、RAIDを用いない場合に比べて、同じHDD単体でのエラー発生確率PU に対するデータ記録再生装置全体でのエラー発生確率PS が小さくなって、信頼性が向上する。線R6,R3が線Cと交差する点は、RAIDを用いない場合に比べて信頼性が向上し始める分岐点となる。線R6,R3が線Cと交差する点、すなわち分岐点をそれぞれA,Bとすると、本実施の形態に係るデータ記録再生装置は、分岐点Aよりも確率PU が小さいときに、RAIDを用いない場合に比べて信頼性が向上し、RAID−3を用いたデータ記録再生装置は、分岐点Bよりも確率PU が小さいときに、RAIDを用いない場合に比べて信頼性が向上する。
【0118】
分岐点Bにおける確率PU に比べて分岐点Aにおける確率PU の方が大きいことから、RAID−3を用いたデータ記録再生装置に比べて本実施の形態に係るデータ記録再生装置の方が、非定常誤り(ランダムエラー)に対する耐性が大きく、信頼性が高いことが分かる。
【0119】
以上の比較結果より、本実施の形態に係るデータ記録再生装置によれば、RAID−3を用いたデータ記録再生装置に比べて、同等のハードウェアの規模および冗長度としながら、信頼性を向上させることができる。
【0120】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、例えば、上記実施の形態では、分割データおよび誤り訂正符号データを記録する記録媒体としてハードディスクを用いたが、記録媒体は、これに限らず、光磁気ディスクや半導体メモリ等でもよい。
【0121】
また、誤り訂正符号データは、リードソロモン符号によるデータに限らず、複数の分割データの誤り訂正が可能なものであれば他の誤り訂正符号によるデータでもよい。
【0122】
また、上記実施の形態では、誤り訂正符号データ(冗長符号データ)を2バイトとして、2台のHDDに記録する例を挙げたが、誤り訂正符号データを3バイト以上として、3台以上のHDDに記録するようにしてもよい。誤り訂正符号データのバイト数を多くするほど、冗長度は大きくなるが、誤り訂正が可能な分割データの数が増え、信頼性は向上する。
【0123】
また、上記実施の形態は、例えば放送局等においてビデオ・オーディオデータの記録・再生に使用されるマルチチャネルビデオサーバを想定して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の種類のデータの記録および再生に使用される装置にも適用することが可能である。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないしのいずれかに記載のデータ記録再生装置によれば、入力データを所定単位で分割して得られる複数の分割データをノンリニアアクセス可能な複数の第1の記録媒体に記録するとともに、複数の第1の記録媒体に記録された複数の分割データを再生する分割データ記録再生手段と、複数の分割データに対する複数の誤り訂正符号データを生成して、ノンリニアアクセス可能な複数の第2の記録媒体に複数の誤り訂正符号データを記録するとともに、複数の第2の記録媒体に記録された複数の誤り訂正符号データを再生する誤り訂正符号データ記録再生手段と、誤り訂正符号データ記録再生手段から再生された複数の誤り訂正符号データを用いて、分割データ記録再生手段から再生された複数の分割データに対する誤り訂正処理を行う誤り訂正手段と、複数の第1の記録媒体および複数の第2の記録媒体に記録された、互いに対応する複数の分割データと複数の誤り訂正符号データのうち修復対象となる1または複数の分割データ以外の他の分割データおよび複数の誤り訂正符号データを、分割データ記録再生手段と誤り訂正符号データ記録再生手段とを制御して再生させ、それら再生された他の分割データと複数の誤り訂正符号データとに基づいて修復対象となる1または複数の分割データに対する誤り訂正処理を行わせるよう誤り訂正手段を制御し、誤り訂正した修復対象となる1または複数の分割データを修復対象となる1または複数の第1の記録媒体に記録させるよう分割データ記録再生手段を制御することで修復対象となる1または複数の分割データの修復処理を行うデータ修復処理制御手段とを備えたので、データの修復処理中でもデータの誤り検出および訂正が可能であり、且つ、リアルタイム性が要求される処理に適したデータ記録再生装置を実現することが可能となるという効果を奏する。
【0125】
また、請求項または記載のデータ記録再生装置によれば、複数の分割データの第1の記録媒体への記録または第1の記録媒体からの再生が行われない期間に、データの修復処理を行うようにしたので、更に、データ記録再生装置の運用を中断することなく、データの修復処理を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0126】
また、請求項記載のサーバによれば、外部から入力された映像および音声データを含む外部入力データを、ノンリニアアクセス可能な複数の第1の記録媒体に記録可能な所定の入力データに変換するとともに、複数の第1の記録媒体から出力された出力データを外部に出力可能な外部出力データに変換して出力する複数の入出力処理手段と、複数の入出力処理手段のそれぞれから出力された所定の入力データを所定単位に分割して得られる複数の分割データを、複数の第1の記録媒体に記録させるとともに、複数の第1の記録媒体に記録された複数の分割データを再生する分割データ記録再生手段と、複数の分割データに対する複数の誤り訂正符号データを生成して、ノンリニアアクセス可能な複数の第2の記録媒体に複数の誤り訂正符号データを記録するとともに、複数の第2の記録媒体に記録された複数の誤り訂正符号データを再生する誤り訂正符号データ記録再生手段と、誤り訂正符号データ記録再生手段から再生された複数の誤り訂正符号データを用いて、分割データ記録再生手段から再生された複数の分割データに対する誤り訂正処理を行う誤り訂正処理手段と、複数の第1の記録媒体および複数の第2の記録媒体に記録された、互いに対応する複数の分割データと複数の誤り訂正符号データのうち修復対象となる1または複数の分割データ以外の他の分割データおよび前記複数の誤り訂正符号データを、分割データ記録再生手段と複数の誤り訂正符号データ記録再生手段とを制御して再生させ、それら再生された他の分割データと複数の誤り訂正符号データとに基づいて修復対象となる1または複数の分割データに対する誤り訂正処理を行わせるよう誤り訂正処理手段を制御し、誤り訂正した修復対象となる1または複数の分割データを修復対象となる1または複数の第1の記録媒体に記録させるよう分割データ記録再生手段を制御することで修復対象となる1または複数の分割データの修復処理を行うデータ修復処理制御手段とを備えたので、データの修復処理中でもデータの誤り検出および訂正が可能であり、且つ、リアルタイム性が要求される処理に適したデータ記録再生装置を実現することが可能となるという効果を奏する。
【0127】
また、請求項10ないし17のいずれかに記載のデータ記録再生方法によれば、入力データを所定単位に分割して得られる複数の分割データをノンリニアアクセス可能な複数の第1の記録媒体に記録するとともに、複数の分割データに対する複数の誤り訂正符号データを生成してノンリニアアクセス可能な複数の第2の記録媒体に記録する第1のステップと、第1のステップで複数の第1の記録媒体に記録された複数の分割データを再生するとともに複数の第2の記録媒体に記録された複数の誤り訂正符号データを再生する第2のステップと、第2のステップで再生された複数の誤り訂正符号データから、第2のステップで再生された複数の分割データに対する誤り訂正処理を行う第3のステップと、複数の第1の記録媒体および複数の第2の記録媒体にそれぞれ記録された互いに対応する複数の分割データと複数の誤り訂正符号データのうち修復対象となる1または複数の分割データ以外の他の分割データおよび複数の誤り訂正符号データを、複数の第1の記録媒体と複数の第2の記録媒体とから再生させ、それら再生された他の分割データと複数の誤り訂正符号データとに基づいて修復対象となる1または複数の分割データに対して誤り訂正処理を行い、誤り訂正処理で誤り訂正された修復対象となる1または複数の分割データを修復対象となる1または複数の第1の記録媒体に記録することで修復対象となる1または複数の分割データの修復処理を行う第4のステップとを備えたので、データの修復処理中でもデータの誤り検出および訂正が可能となり、且つ、リアルタイム性が要求される処理に適したデータ記録再生処理を実現することが可能となるという効果を奏する。
【0128】
また、請求項16または17記載のデータ記録再生方法によれば、複数の分割データの第1の記録媒体への記録または第1の記録媒体からの再生が行われない期間に、データの修復処理を行うようにしたので、更に、データ記録再生の運用を中断することなく、データの修復処理を行うことが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るデータ記録再生装置を含むビデオサーバの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るデータ記録再生装置の通常モード時の1タイムスロットにおける動作を示す流れ図である。
【図4】図3に続く流れ図である。
【図5】図4における部分再構築処理の動作を示す流れ図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るデータ記録再生装置の再割り付け処理モード時の動作を示す流れ図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るデータ記録再生装置の全体再構築処理モード時の1タイムスロットにおける動作を示す流れ図である。
【図8】本発明の一実施の形態におけるハードディスク上のフォーマットについて説明するための説明図である。
【図9】論理アドレスと物理的なセクタ番号との対応関係を説明するための説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係るデータ記録再生装置とRAID−3を用いたデータ記録再生装置とで信頼性を比較した結果の一例を示す特性図である。
【図11】RAID−3を用いたデータ記録再生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図12】RAID−5を用いたデータ記録再生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…ビデオサーバ、11…データ記録再生装置、12…入出力プロセッサ部、211 〜21k ,281 ,282 …HDD、22…データ分配器、231 〜23k ,271 ,272 …入力メモリ、241 〜24k ,291 ,292 …コントローラ、251 〜25k ,301 ,302 …出力メモリ、26…冗長符号生成器、31…エラー訂正器、32…データ多重器、33…CPU。

Claims (17)

  1. 入力データを所定単位で分割して得られる複数の分割データをノンリニアアクセス可能な複数の第1の記録媒体に記録するとともに、前記複数の第1の記録媒体に記録された前記複数の分割データを再生する分割データ記録再生手段と、
    前記複数の分割データに対する複数の誤り訂正符号データを生成して、ノンリニアアクセス可能な複数の第2の記録媒体に前記複数の誤り訂正符号データを記録するとともに、前記複数の第2の記録媒体に記録された前記複数の誤り訂正符号データを再生する誤り訂正符号データ記録再生手段と、
    前記誤り訂正符号データ記録再生手段から再生された前記複数の誤り訂正符号データを用いて、前記分割データ記録再生手段から再生された前記複数の分割データに対する誤り訂正処理を行う誤り訂正手段と、
    前記複数の第1の記録媒体および前記複数の第2の記録媒体に記録された、互いに対応する前記複数の分割データと前記複数の誤り訂正符号データのうち修復対象となる1または複数の分割データ以外の他の分割データおよび前記複数の誤り訂正符号データを、前記分割データ記録再生手段と前記誤り訂正符号データ記録再生手段とを制御して再生させ、それら再生された前記他の分割データと前記複数の誤り訂正符号データとに基づいて前記修復対象となる1または複数の分割データに対する誤り訂正処理を行わせるよう前記誤り訂正手段を制御し、誤り訂正した前記修復対象となる1または複数の分割データを修復対象となる1または複数の第1の記録媒体に記録させるよう前記分割データ記録再生手段を制御することで前記修復対象となる1または複数の分割データの修復処理を行うデータ修復処理制御手段と
    を備えたデータ記録再生装置。
  2. さらに、
    前記入力データを所定単位で分割して前記複数の分割データを出力する分割手段と、
    前記分割手段から前記複数の分割データが入力されて、前記複数の分割データの誤り訂正符号データを出力する誤り訂正符号データ生成手段と、
    前記誤り訂正手段から出力された前記複数の分割データを多重化して出力する多重化手段と
    を備えた請求項1記載のデータ記録再生装置。
  3. 前記データ修復処理制御手段は、前記修復対象となる1または複数の第1の記録媒体における記録領域の一部について前記修復対象となる1または複数の分割データの修復処理を行う請求項1記載のデータ記録再生装置。
  4. 前記データ修復処理制御手段は、前記修復対象となる1または複数の第1の記録媒体における記録領域全体について前記修復対象となる1または複数の分割データの修復処理を行う請求項1記載のデータ記録再生装置。
  5. 前記複数の誤り訂正符号データは、リードソロモン符号データである請求項1記載のデータ記録再生装置。
  6. 前記複数の第1および第2の記録媒体は、ハードディスクである請求項1記載のデータ記録再生装置。
  7. 前記データ修復処理制御手段は、前記複数の分割データの前記複数の第1の記録媒体への記録または前記複数の第1の記録媒体からの再生が行われないときに、前記修復対象となる1または複数の分割データの修復処理を行う請求項1記載のデータ記録再生装置。
  8. 前記データ修復処理制御手段は、前記複数の分割データの前記複数の第1の記録媒体への記録または前記複数の第1の記録媒体からの再生が行われないときに前記修復対象となる1または複数の分割データの修復処理を行うとともに、前記修復対象となる1または複数の第1の記録媒体の修復処理が終了するまで、その修復対象第1の記録媒体を前記複数の分割データの再生対象から除外する請求項記載のデータ記録再生装置。
  9. 外部から入力された映像および音声データを含む外部入力データを、ノンリニアアクセス可能な複数の第1の記録媒体に記録可能な所定の入力データに変換するとともに、前記複数の第1の記録媒体から出力された出力データを外部に出力可能な外部出力データに変換して出力する複数の入出力処理手段と、
    前記複数の入出力処理手段のそれぞれから出力された前記所定の入力データを所定単位に分割して得られる複数の分割データを、前記複数の第1の記録媒体に記録させるとともに、前記複数の第1の記録媒体に記録された前記複数の分割データを再生する分割データ記録再生手段と、
    前記複数の分割データに対する複数の誤り訂正符号データを生成して、ノンリニアアクセス可能な複数の第2の記録媒体に前記複数の誤り訂正符号データを記録するとともに、前記複数の第2の記録媒体に記録された前記複数の誤り訂正符号データを再生する誤り訂正符号データ記録再生手段と、
    前記誤り訂正符号データ記録再生手段から再生された前記複数の誤り訂正符号データを用いて、前記分割データ記録再生手段から再生された前記複数の分割データに対する誤り訂正処理を行う誤り訂正処理手段と、
    前記複数の第1の記録媒体および前記複数の第2の記録媒体に記録された、互いに対応する前記複数の分割データと前記複数の誤り訂正符号データのうち修復対象となる1または複数の分割データ以外の他の分割データおよび前記複数の誤り訂正符号データを、前記分割データ記録再生手段と前記誤り訂正符号データ記録再生手段とを制御して再生させ、それら再生された前記他の分割データと前記複数の誤り訂正符号データとに基づいて前記修復対象となる1または複数の分割データに対する誤り訂正処理を行わせるよう前記誤り訂正処理手段を制御し、誤り訂正した前記修復対象となる1または複数の分割データを修復対象となる1または複数の第1の記録媒体に記録させるよう前記分割データ記録再生手段を制御することで前記修復対象となる1または複数の分割データの修復処理を行うデータ修復処理制御手段と
    を備えたサーバ。
  10. 入力データを所定単位に分割して得られる複数の分割データをノンリニアアクセス可能な複数の第1の記録媒体に記録するとともに、前記複数の分割データに対する複数の誤り訂正符号データを生成してノンリニアアクセス可能な複数の第2の記録媒体に記録する第1のステップと、
    前記第1のステップで前記複数の第1の記録媒体に記録された前記複数の分割データを再生するとともに前記複数の第2の記録媒体に記録された前記複数の誤り訂正符号データを再生する第2のステップと、
    前記第2のステップで再生された前記複数の誤り訂正符号データを用いて、前記第2のステップで再生された前記複数の分割データに対する誤り訂正処理を行う第3のステップと、
    前記複数の第1の記録媒体および前記複数の第2の記録媒体にそれぞれ記録された互いに対応する前記複数の分割データと前記複数の誤り訂正符号データのうち修復対象となる1または複数の分割データ以外の他の分割データおよび前記複数の誤り訂正符号データを、前記複数の第1の記録媒体と前記複数の第2の記録媒体とから再生させ、それら再生された前記他の分割データと前記複数の誤り訂正符号データとに基づいて前記修復対象となる1または複数の分割データに対して誤り訂正処理を行い、前記誤り訂正処理で誤り訂正された前記修復対象となる1または複数の分割データを修復対象となる1または複数の第1の記録媒体に記録することで前記修復対象となる1または複数の分割データの修復処理を行う第4のステップと
    を備えたデータ記録再生方法。
  11. 前記第3のステップは、さらに、誤り訂正された前記各分割データを多重化して出力する第5のステップを備えた請求項10記載のデータ記録再生方法。
  12. 前記複数の誤り訂正符号データは、リードソロモン符号データである請求項10記載のデータ記録再生方法。
  13. 前記複数の第1および第2の記録媒体は、ハードディスクである請求項10記載のデータ記録再生方法。
  14. 前記第4のステップの修復処理は、前記修復対象となる1または複数の第1の記録媒体における記録領域の一部について行う請求項10記載のデータ記録再生方法。
  15. 前記第4のステップの修復処理は、前記修復対象となる1または複数の第1の記録媒体の記録領域全体について行う請求項10記載のデータ記録再生方法。
  16. 前記第4のステップの修復処理は、前記複数の分割データの前記複数の第1の記録媒体への記録または前記複数の第1の記録媒体に記録された前記複数の分割データの再生が行われないときに行う請求項10記載のデータ記録再生方法。
  17. 前記第4のステップの修復処理は、前記複数の分割データの前記複数の第1の記録媒体への記録または前記複数の第1の記録媒体に記録された前記複数の分割データの再生が行われないときに行うとともに、前記修復対象となる1または複数の第1の記録媒体の記録領域全体について前記修復処理が終了するまで、その修復対象第1の記録媒体を前記複数の分割データの再生対象から除外する請求項15記載のデータ記録再生方法。
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