JP4154343B2 - ワイパブレード - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の上位概念に記載の形式のワイパブレードから出発する。

背景技術
公知のワイパは、固定部分と、ワイパロッドを備えた、該固定部分と枢着式に結合された継手部分とから成るワイパアームを有している。ワイパロッドの自由端部に、一般的に中央ヨークと、場合によっては下位に位置するヨーク、たとえば中間ヨークおよび／またはワイパストリップを保持する爪付ヨークとを備えたヨーク支持装置によって、ワイパブレードが枢着式に結合されており、ワイパブレードはワイパストリップとワイパストリップ支持体とから形成されている。ヨークも同様に下位のヨークと枢着式に結合されているので、ワイパストリップは旋回運動の間ウインドシールドの湾曲形状に適合させることができる。そのようなワイパストリップはたとえばドイツ連邦共和国特許出願公開第３７４４２３７号明細書から公知である。ヨークの間の継手は、一般的にプラスチック部分から形成されており、プラスチック部分は同時に上位のヨークのプロフィールの端面をカバーする。

さらにドイツ連邦共和国特許出願公開第１９７３８２３２号明細書から、ワイパストリップのための、弾性的で硬いプラスチックから成る支持エレメントの構成をしたワイパストリップ支持体が公知であり、ワイパストリップ支持体は無負荷状態で湾曲形状を有しており、この湾曲形状は、ワイパブレードの作動中にワイパストリップが完全にウインドシールドに接触するように設定されている。さらに支持エレメントを備えた類似のワイパブレードが公知であり、ここではプラスチックプロフィールに前屈曲されたばねレールが側方で挿入されている。端面にプロフィールの閉鎖部としてプラスチックから成るキャップが組み付けられる。以下において、ワイパストリップ支持体とは、ヨーク支持装置ならびに前述の意味合いの支持エレメントと解される。

ワイパブレードは多くの場合払拭の間振動する。旋回運動の際に、ワイパブレードがウインドシールド上をスライドする速度が、内側半径から外側半径に向かって増加する。ワイパブレードの長手方向に対して横向きに作用する摩擦力は、滑り速度に関連しており、この摩擦力は滑り速度が高まるにつれ減少するので、ワイパブレードの高さ軸を中心としたトルクが形成され、このトルクは反転状態で変向する。この交番モーメントはワイパアームとワイパブレードとの間の支承箇所を負荷する。とりわけ比較的長いワイパブレードでは、ワイパブレードとワイパアームとの間の継手におけるガイドは、振動を抑制するには強さが十分ではない。ワイパブレードが細長くて弾性的な構成部材であり、またワイパブレードの駆動側の内側領域と外側領域との間に大きく異なる摩擦特性が存在するので、スティック−スリップ効果に基づいて、ワイパブレードに振動が励起される。このような振動の励起は、特に小さな摩擦速度が作用する特にワイパブレードの内側円弧において不都合な側方運動をもたらし、特定の大きさを超えると、ワイパブレードがワイパアームに当接し、がたつき音が生じる恐れがある。がたつき音の発生は、ウインドシールドが乾燥しているか、汚れているか、凍結しているか、十分に湿っていないか、または雪がウインドシールドに付着している場合に特に問題となる。この場合ワイパブレードがウインドシールドとのコンタクトを瞬間的に失う恐れがあるので、払拭像は満足できるものではない。ワイパブレードにヨーク部分がより多く設けられているほど、ワイパブレードはがたつきやすくなる。さらに小さなばね強さを有する軽量のワイパブレードは、他のものと比べて不都合に作動する。

さらにドイツ連邦共和国特許出願公開第１９７３１６８３号明細書から、第１部分と第２部分とを備えた、ワイパブレードを案内するための装置が公知である。このガイド装置は爪付ヨークの枢着箇所の領域に配置されていて、ワイパアームの継手部分と堅固に、たとえば接着、溶接、ろう接、クリップ止めならびにクランプ止めなどによって結合されている。ガイド装置の第１部分は、ガイド側面を備えており、ガイド側面は爪付ヨークの枢着箇所を取り囲んでいて、かつワイパアームに関して側方でこれを案内している。第２部分もまたガイド側面を備えており、ガイド側面の間に第１部分がテレスコープ式に案内されているので、ガイド側面は短く維持することができ、ウインドシールドが強く湾曲していても、ウインドシールドと衝突する恐れはない。第１部分は、たとえば可とう性の構成部材によって、有利には損失不能にガイド装置と結合されている。

ガイド装置は、個々の金属薄板部分から製作して組み立てることができ、有利にはガイド装置は適当なプラスチックから成るプラスチック射出成形部分である。しかしながらいずれにせよワイパブレードを案内するために追加的な構成部分が必要であり、したがって比較的大きな製作コストおよび取付コストがかかり、また追加的な材料コストがかかる。ガイド装置のガイド面の間に原則として空隙が存在し、これによって製作誤差を有するワイパアーム幾何学形状、たとえばワイパロッドの屈曲部によって継手がワイパブレードとワイパアームとの間で挟み込まれるのを防止している。この場合でもがたつき音が生じる恐れがある。なぜならば側方の振動は大幅に低減されるが、完全には解消されないからである。

発明の利点
本発明によれば、端部キャップの少なくとも１つに、ワイパブレードの長手方向に対して横向きに延びる、ガイド面を備えたガイドリブが、側方で一体成形されている。ワイパブレードを案内するための装置の一部を成すガイドリブが、端部キャップと共に１構成部材を形成するので、ワイパブレードを案内するために追加的な構成部材は必要でない。これによって有利には製造コストおよび組付コストが削減される。ガイドリブを備えた端部キャップは、直接的またはガイドヨークを介在してワイパアームのプロフィール内で案内することができ、このワイパアームのプロフィールに、ワイパブレードの、ワイパ駆動装置に向いた側の端部が進入している。原則としてワイパブレードの両端部キャップの一方がガイドリブを備えていればよい。しかしながら組付エラーを回避するために、両端部にガイドリブを備えた同一の端部キャップを差し込むと有利である。

ガイドヨークは、有利にはプラスチック部分であって、継手部分に挿入され、たとえばクリップ止めされる。したがってガイドヨークもまた簡単かつ僅かな手間で組み付けることができる。さらにガイドヨークは端部キャップとワイパアームとの間の滑り特性を改善して、ワイパアームの内側プロフィールよりも有利なガイドプロフィールを実現する。このワイパブレードガイドの別の利点によれば、ワイパブレードガイドは大部分でワイパアームによってカバーされ、追加的な組込スペースが必要なく、さらにワイパアーム領域およびワイパブレード領域においてワイパのコンパクトな構造が達成される。コンパクトなワイパによって、風音が小さくなり、かつ良好なデザインが実現される。

ガイドヨークは、継手部分の内側寸法に適合された外側プロフィールを有している。ガイドヨークは継手部分の内側輪郭に支持されている。ガイド面を延長するために、ガイドヨークの一部は側壁から突出しており、側壁は進入する端部キャップの領域でガイドリブのガイド面のための接触面として作用する。挿入されたガイドヨークによって、継手部分は、ワイパブレードガイドにとって必要な領域でしか延長されず、その他の領域は不変に維持される。ガイドヨークと同様に、ガイドリブの形状も継手部分のプロフィールに対して適合される。継手部分がたとえばＵ字形の横断面プロフィールを有していると、対応配置された端部キャップは両側で一体成形されたガイドリブを備えることができ、そのガイド面は端部キャップの底面に対してほぼ直角に延びていて、かつＵ字形プロフィールの側壁に沿って僅かな遊びを有して案内される。両面の接触によってワイパブレードは両方の払拭方向で案内することができる。

本発明の１実施例では、端部キャップは、片側で一体成形された、端部キャップの底面に対して９０°よりも僅かに小さな傾斜角を有するガイドリブを備えている。端部キャップは屋根形の横断面プロフィールを有するワイパアームに対応配置されており、この場合ガイドリブは片方の端面に沿って案内され、その傾度はガイドリブの形状に対して適合されている。端部キャップがワイパアームに進入すると、ガイドリブはワイパアームまたはガイドヨークの側壁に接触し、この場合ワイパブレードは長手方向に対して横向きにプロロードをかけられる。プレロードによって、有利にはあらゆる場合にガイドリブとガイドヨークとの間にコンタクトが生じる。なぜならば個々の構成部材の製作誤差および摩耗が補償されるからである。さらにガイドリブが払拭運動に際して払拭方向でワイパブレードの手前に位置している場合でも、端部キャップはプレロードによってワイパアームに対するコンタクトを失わない。もちろんガイドリブは、有利には、比較的大きな駆動力を必要とする払拭方向でみて、ワイパブレードの後方に位置するように配置されている。

ワイパブレードは、払拭領域の、問題となる内側円弧で案内されるので、振動が解消され、ワイパアームの継手部分のプロフィールは接触面として利用することができる。さらにワイパアームとワイパブレードとの間の継手が負荷軽減される。なぜならば内側円弧における側方ガイドによって、ワイパブレードの高さ軸を中心としたトルクが広幅のベースで支持されるからである。

図面、明細書および請求の範囲には、多くの特徴を組み合わして述べた。専門家はこれらの特徴を有利な形式で個別的にみなして、別の組み合わせにまとめることができる。

実施例の説明
ワイパアーム１０は、継手部分１２とワイパロッド１４とから形成されており、継手１８および連結部材１６とを介してワイパブレード２０がワイパロッド１４と結合されている（図１）。ワイパブレード２０は、継手の設けられていない弾性的なワイパストリップ支持体２２を備えており、ワイパストリップ支持体２２はスポイラーとして形成されていて、かつワイパストリップ２４を支持している。ワイパロッド１４とワイパブレード２０との間に設けられた継手１８と、ワイパストリップ支持体２２の弾性とによって、ワイパストリップ２４は払拭運動の間ウインドシールド２６の湾曲形状に適合させることができる。ワイパブレード２０はウインドシールド２６に対して垂直平面上をワイパアーム１０に対して相対的に運動し、この場合相対往復運動はワイパブレード２０の端部で特に大きくなっている。

ワイパブレード２０を側方で案内するために、ワイパアーム１０に向いた側の端部にワイパブレードガイドが設けられている。ワイパブレードガイドは、側方で一体成形されたガイドリブ４８を備えた端部キャップ２８から成っており、ガイドリブ４８はワイパブレード２０の長手方向５８に対して横向きに延びていて、かつガイドヨーク３６の挿入された継手部分１２から外側に延びている。ガイドヨーク３６はガイドリブ４８のための接触面として役立つ。プラスチックから成る端部キャップ２８は、ばね鋼から成る２つのばねレール４０と共にワイパストリップ２４の一部とワイパストリップ支持体２２とを取り囲んでおり、ばねレール４０はプロフィール（成形部）の側方の長手溝に挿入されている（図２）。端部キャップ２８は、端部領域におけるワイパブレードのカバーを成し、同時に軸方向でばねレール４０を固定し、かつ側方で結合部材１６と共にばねレール４０を固定する。ガイドリブ４８は、製作時に端部キャップ２８に一体成形される。ガイドリブ４８は側方のガイド面４４を備えており、ガイド面４４は端部キャップ２８の底面５６に対して垂直に延びていて、ワイパアーム１０のプロフィールに組み付けた状態で、たとえばガイドヨーク３６を介在して、継手部分１２の両側壁３４に沿って案内される。図２の実施例では、継手部分１２はＵ字形の横断面プロフィールを有している。ガイドヨーク３６もまたプラスチック部分である。ガイドヨーク３６は端部キャップ２８の領域で継手部分１２の内側輪郭にライニングされていて、かつ側壁３４および上壁３０に沿って支持されている。

本発明の１実施例では、端部キャップ２８の一方の側部３２に、ガイド面４４もしくは５４を備えたガイドリブ４２もしくは５０が一体成形されている（図３〜図６）。さらにガイド面４４は底面５６に対する傾斜角αを有しており、この傾斜角αは９０°よりも僅かに小さく、継手部分１２の側壁３４の傾度に適合されている。この端部キャップ２８はワイパアーム１０に対応配置されており、ワイパアーム１０の継手部分１２は様々な傾度の側壁３４を備えた屋根状の横断面プロフィールを有している。ガイド面４４の傾度は比較的急な（つまり傾度の大きな）側壁３４に適合されており、ガイドリブ４２は組付状態で側壁３４に接触している。ワイパアーム１０の格納位置では、比較的傾度の小さな側壁３４は下方に向いていて、払拭時にはスポイラとして作用する。

ガイド面４４が十分な長さを有しているので、ガイド面４４は比較的大きな往復運動の場合でも常に継手部分１２の側壁３４における接触面とのコンタクトを有しており、図３〜図５の実施例では、ガイドリブ４２は、領域４６の大きさだけ底面５６とは反対側で端部キャップ２８の外側プロフールから突出している。さらに継手部分１２の接触面は、ガイドヨーク３６によって延長されており、このガイドヨーク３６は部分３８で側壁３４から突出している。図４には、継手部分１２とワイパブレード２０との間の位置を極端に示した。

本発明によれば、ガイドヨーク３６は継手部分１２に挿入されていて、たとえばクリップ止め、クランプ止め、または接着されている。したがって継手部分１２は、簡単な形式で、挿入される端部キャップ２８の領域だけ変更を加えて、残りの領域では標準構造に対応したものとなっている。またワイパアーム１０はあとからこのようなワイパブレード構造を装着することもできる。

別の実施例（図６）では、ガイドヨーク３６は金属材料から成っており、ガイドリブ５０は端部キャップ２８の高さと比べて短くして形成されている。端部キャップ２８は、一部の領域でガイド面５４に接触していて、別の一部の領域でガイドヨーク３６の上部に接触している。これらの両領域の移行部は溝５２によって形成される。

枢着式に結合されたワイパブレードを備えたワイパアームを概略的に示す側面図である。 図１のＩＩ−ＩＩ線に沿った断面図である。 図２とは別の実施例を示す断面図である。 図３の実施例を、継手部分とワイパブレードとの間の相対位置でずらして示した斜視図である。 図４の端部キャップの拡大図である。 さらに別の実施例を示す断面図である。

符号の説明

１０ ワイパアーム、 １２ 継手部分、 １４ ワイパロッド、 １６ 連結部材、 １８ 継手、 ２０ ワイパブレード、 ２２ ワイパストリップ支持体、 ２４ ワイパストリップ、 ２６ ウインドシールド、 ２８ 端部キャップ、 ３０ 上壁、 ３２ 側部、 ３４ 側壁、 ３６ ガイドヨーク、 ３８ 部分、 ４０ ばねレール、 ４２ ガイドリブ、 ４４ ガイド面、 ４６ 領域、 ４８ ガイドリブ、 ５０ ガイドリブ、 ５２ 溝、 ５４ ガイド面、 ５６ 底面、 ５８ 長手方向

Claims (8)

1. ウインドシールドのワイパブレード（２０）であって、
   ワイパストリップ支持体（２２）およびワイパストリップ（２４）が設けられており、これらのワイパストリップ支持体（２２）およびワイパストリップ（２４）が両端部で、端部キャップ（２８）を備えており、端部キャップ（２８）の内側横断面プロフィールが、ワイパストリップ支持体（２２）の横断面プロフィールに適合されている形式のものにおいて、
   端部キャップ（２８）の少なくとも１つに、ワイパブレード（２０）の長手方向（５８）に対して横向きに延びる、ガイド面（４４，５４）を備えたガイドリブ（４２，４８，５０）が、端部キャップの側方で一体成形されていることを特徴とする、ワイパブレード。
2. 当該ワイパブレード（２０）が、ワイパアーム（１０）に対応配置されており、該ワイパアーム（１０）が、Ｕ字形の横断面プロフィールを有しており、ワイパアーム（１０）内で、端部キャップ（２８）が、組付状態で、ガイドリブ（４８）によって、両側で側壁（３４）に沿って案内されている、請求項１記載のワイパブレード。
3. 当該ワイパブレード（２０）が、ワイパアーム（１０）に対応配置されており、該ワイパアーム（１０）が、比較的急な側壁（３４）を備えた屋根状の横断面プロフィールを有しており、片側で一体成形されたガイドリブ（４２，５０）のガイド面（４４，５４）が、組付状態で、専ら比較的急な側壁（３４）に沿って案内されており、ガイド面（４４，５４）の傾度が、側壁（３４）の傾度に適合されている、請求項１記載のワイパブレード。
4. ガイド面（４４，５４）が、底面（５６）に対して、９０°より僅かに小さな傾斜角を有している、請求項３記載のワイパブレード。
5. ガイドリブ（４２，４８）が、底面（５６）とは反対側で、一部の領域（４６）で端部キャップ（２８）の外側プロフィールから突出している、請求項１から４までのいずれか１項記載のワイパブレード。
6. ガイドリブ（５０）が、端部キャップ（２８）の高さよりも短く形成されており、端部キャップ（２８）が上部で、ワイパアーム（１０）の内側輪郭に接触している、請求項３または４記載のワイパブレード。
7. ワイパアーム（１０）に、プラスチックから成るガイドヨーク（３６）が挿入されており、該ガイドヨーク（３６）が、ガイド面（４４，５４）のための接触面として作用している、請求項１から６までのいずれか１項記載のワイパブレード。
8. プラスチックから成るガイドヨーク（３６）が、横断面でみて、ワイパアーム（１０）の、ガイド面（４４，５４）に向いた側の側壁（３４）の延長部を成している、請求項１から７までのいずれか１項記載のワイパブレード。

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