JP4154290B2 - 複屈折測定装置および複屈折測定方法 - Google Patents

複屈折測定装置および複屈折測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光透過層の屈折率楕円体において、主軸の方向並びに面内複屈折および垂直複屈折を測定する複屈折測定装置および複屈折測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクの大容量化が進んでおり、例えば、DVD(Digital Versatile Disk)を用いれば、4.7GBのデータを記録することができるようになった。このような大容量化は、主に、光源の波長を短くし、対物レンズの開口数(N.A:Numerical Aperture)を大きくすることによって実現されている。上記DVDにおいては、波長650nmのレーザ光と開口数0.6の対物レンズが使用されている。
【0003】
また、更に大容量のデータを記録可能なブルーレイディスク(Blu−rayDisc)の開発も進められており、DVDより更に短い波長405nmのレーザ光と、より大きな開口数(0.85)の対物レンズが使用される。また、記録情報層の上には光透過層が形成され、この層を介してデータの記録、読み取りが行われる。この光透過層は、DVDやブルーレイディスクでは、ポリカーボネート等の光学的に透明な樹脂で構成され、通常、「基板」と呼ばれる。基板の厚さは、例えば、DVDでは、ほぼ0.6mmであり、ブルーレイディスクでは、0.1mm程度である。
【0004】
この基板は、いわゆる光学異方性を有し、記録および読み取りに関して、複屈折が問題になる(例えば、非特許文献1参照)。この複屈折による問題は主に、位相差と非点収差である。
【0005】
位相差は、基板をレーザ光が通過する際に生じる。特に、ブルーレイディスクのように、薄い基板と高NAの対物レンズを用いた場合には、垂直複屈折により生じる位相差が、反射光の強度を変化させ、データ読み取り時等における誤差発生の原因となる。位相差は、レーザ光の入射方向によって決まり、基板の複屈折を△n、基板の厚さをd、光ビームの波長をλとすると、位相差=△n・d/λで表される。従って、波長が短くなればなるほど位相差は大きくなる。
【0006】
非点収差は、光学異方性を有する基板では、入射光線の入射角によって屈折率が異なるために生じる。特に、ブルーレイディスクのように、薄い基板と高NAの対物レンズを用いた場合、基板に対しては垂直方向からだけではなく、斜め方向からの入射も発生する。このとき、上記のように、入射角によって屈折率が異なるため、記録情報層におけるビームスポットに非点収差が発生し、本来非常に小さいサイズに収束すべきビームスポットサイズが大きくなる。その結果、焦点がばらつくことによって記録再生特性が不安定となり、また、レーザ光が楕円ビーム等になれば、隣接トラックからのクロストークの問題も生じる。
【0007】
このため、複屈折の値を評価することが重要になってくる。前述したように、ブルーレイディスクでは、斜め方向から光ビームが入射するため、面内複屈折に加え、垂直複屈折の値が重要視される。また、複屈折の値を測定するためには、基板における主軸の向きを的確に把握する必要がある。
【0008】
DVD等の樹脂基板は、射出成形によって作られていることから、基板の主軸の方向は、ほぼ半径方向および円周方向に決まっているものとされた。しかしながら、ブルーレイディスクにおいて、基板は、例えば、シートから作られる。シートは製法上、一定方向のストレスが加わり易く、その結果、主軸の方向は一定方向にそろってしまう傾向にある。シートは、ディスク形状に打ち抜かれ、その後ディスクに張り合わされるので、基本的に主軸の方向は分からない。
【0009】
本出願人は、主軸方向および複屈折を測定する方法について提案している(特願2002−048015号、平成14年2月25日出願)。なお、この提案に係る出願は、本出願の出願日時点では公開されていない。
【0010】
この従来の方法について、図10を参照して説明する。当該方法では、レーザ光源100は、偏光子101を通過することによって直線偏光とされ、テーブル106上の光ディスク105に入射される。このとき、1/4波長板102はオフ状態であり、入射光をそのまま通過させる。光ディスク105からの反射光は、偏向の向きが入射光と90度の関係に配置された検光子103で受光され、光強度検出器104に達するようにし、クロスニコル光学系とする。この構成により、複屈折が全くない状態であれば、反射光の全てが検光子103で遮られ、光強度検出器104で検出する光強度(受光パワー)はゼロになる。
【0011】
従って、入射光と光ディスク105の基板の主軸方向が一致すれば、光強度検出器104により検出される受光パワーは最小になり、入射光と主軸が45度の関係にあれば、光強度検出器104により検出される受光パワーは最大になる。こうした検出が、光ディスク105上の測定対象部分を中心とした軸108を中心に360度回転させて行われる。この回転は、回転機構107によって行われる。上記測定の結果得られる受光パワーの波形の例を図11の略線図に示す。
【0012】
図11の波形は、光ディスク105を、軸108を中心に0度から360度まで回転させた場合の受光パワーを示している。波形は、通常4周期の変化を示し、各周期において最小値をとる部分(ボトム)が主軸に対応する。従って、図11に示す波形では、X1、X2、X3、およびX4で示す各回転角においてボトムが現れており、この4つのボトムに対応して主軸が存在することになる。
【0013】
次に、従来の方法において、面内複屈折および垂直複屈折の値を測定する方法を説明する。上述の方法で求めた主軸方向に対して45度の方向からレーザ光が入射するように光ディスク105(樹脂基板)の向きを固定する。この状態で、レーザ光源100から光ディスク105に対してレーザ光を照射するが、このとき1/4波長板102をオン状態とする。これによって、偏光子101により偏光方向が揃えられたレーザ光は、更に円偏光とされ、光ディスク105に照射される。一方、光強度検出器104側においては、検光子103を回転させながら反射光の強度を検出する。
【0014】
樹脂基板を透過した円偏光は、当該基板の複屈折により、楕円偏光となり、この偏光を、回転する検光子103を経由して測定すると、検光子103の回転方向によって光強度検出器104における受光パワーが周期的に変化する。この際に得られた受光パワーの最大値(Tmax)と最小値(Tmin)を使用すると、以下の式(1)によって位相差R(リタデーション)が求まる。
R=(λ/4π)×arcsin((Tmax−Tmin)/(Tmax+Tmin)) ・・・(1)
【0015】
また、上記受光パワーから、楕円の傾き(方位角)Δφが得られ、光ディスク105の樹脂基板の厚さをd、レーザ光の入射角(光ディスクの基板内部での角度)θとすると、面内複屈折△n//、垂直複屈折△n⊥は、それぞれ式(2)、式(3)によって求められる。
△n// = (R/d)×cos(2△φ) ・・・(2)
△n⊥ = (R/d)×(cosθsin(2△φ)/sin2θ) ・・・(3)
【0016】
【非特許文献1】
末田哲夫著「光学部品の使い方と留意点」オプトロニクス社出版、平成14年11月11日、p.74−75
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法では、受光パワーが小さいことから、主軸測定における精度が高くないという問題があった。更に、従来の測定方法では、上述したように、主軸と複屈折に関して2段階の測定を行う際に、1/4波長板のオン・オフを制御する必要があり、また、光ディスクを測定対象の位置に関して回転させなければならず、これらの測定を自動的に行うことが困難であった。
【0018】
従って、この発明の目的は、高い精度で主軸の測定を行うことができ、主軸および複屈折の測定を自動的に行うことが可能な複屈折測定装置および複屈折測定方法を提供することにある。
【0019】
また、この発明の目的は、主軸の測定に際して、光ディスクをその測定個所を軸として回転させる必要のない複屈折測定装置および複屈折測定方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の発明は、
光透過層を有する光ディスクを回転する回転手段と、
円偏光のレーザ光を前記光透過層の測定位置に照射するレーザ光提供手段と、
前記光ディスクから反射する前記レーザ光の進行方向を軸として回転するとともに、前記レーザ光のうち、所定の偏光方向のレーザ光のみを通過させる偏光手段と、
前記偏光手段を通過したレーザ光の光強度を検出する光強度検出手段と
前記偏光手段の回転角度と、前記偏光手段の回転に応じて変化する光強度とを関連づけて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された回転角度と光強度に基づき、前記光透過層の主軸の方向、および複屈折を求める演算手段と
を有し、
前記光ディスクを回転することによって、前記光ディスクの同一半径の円周上の各位置において、前記偏光手段の回転角度と、該回転角度に応じた光強度とを測定し、関連づけて記憶し、
前記記憶された光強度から最大値、最小値を求め、該最大値、最小値に対応する回転角度から45度の方向に対応する方向を主軸の方向として決定し、
前記決定された主軸の方向から45度の方向にある測定位置に関する光強度を検索し、該検索された光強度に基づいて複屈折を演算する複屈折測定装置である。
この発明の第2の発明は、
光透過層を有する光ディスクを回転する回転手段と、
円偏光のレーザ光を前記光透過層の測定位置に照射するレーザ光提供手段と、
前記光ディスクから反射する前記レーザ光の進行方向を軸として回転するとともに、前記レーザ光のうち、所定の偏光方向のレーザ光のみを通過させる偏光手段と、
前記偏光手段を通過したレーザ光の光強度を検出する光強度検出手段と、
前記偏光手段の回転角度と、前記偏光手段の回転に応じて変化する光強度とを関連づけて記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された回転角度と光強度に基づき、前記光透過層の主軸の方向、および複屈折を求める演算手段と
を有し、
前記光透過層の表面とほぼ垂直な第1の角度で前記レーザ光を照射するとともに、前記光ディスクを回転することによって、前記光ディスクの同一半径の円周上の各位置において、前記偏光手段の回転角度と、該回転角度に応じた光強度とを測定し、関連づけて記憶し、
前記記憶された光強度から最大値、最小値を求め、該最大値、最小値に対応する回転角度から45度の方向に対応する方向を主軸の方向として決定し、
前記光透過層に対して前記第1の角度より斜めの第2の角度で前記レーザ光を照射するとともに、前記光ディスクを回転することによって、前記光ディスクの同一半径の円周上の各位置において、前記偏光手段の回転角度と、該回転角度に応じた光強度とを測定し、関連づけて記憶し、
前記決定された主軸の方向から45度の方向にある測定位置に関する光強度を、前記第2の角度で前記レーザ光を照射することにより測定した光強度から検索し、該検索された光強度に基づいて複屈折を演算する複屈折測定装置である。
【0021】
この発明の第3の発明は、
光透過層を有する光ディスクを回転し、円偏光のレーザ光を前記光透過層の測定位置に照射、前記光ディスクから反射する前記レーザ光の進行方向を軸として偏光手段を回転するとともに、前記レーザ光のうち、所定の偏光方向のレーザ光のみを通過さ、前記偏光手段を通過したレーザ光の光強度を検出前記光ディスクの同一半径の円周上の各位置において、前記偏光手段の回転角度と、該回転角度に応じた光強度とを測定し、関連づけて記憶するステップと、
前記記憶された光強度から最大値、最小値を求め、該最大値、最小値に対応する回転角度から45度の方向に対応する方向を主軸の方向として決定するステップと、
前記決定された主軸の方向から45度の方向にある測定位置に関する光強度を検索し、該検索された光強度に基づいて複屈折を演算するステップと
を備える複屈折測定方法である。
この発明の第4の発明は、
光透過層を有する光ディスクを回転し、前記光透過層の表面とほぼ垂直な第1の角度で円偏光のレーザ光を前記光透過層の測定位置に照射し、前記光ディスクから反射する前記レーザ光の進行方向を軸として偏光手段を回転するとともに、前記レーザ光のうち、所定の偏光方向のレーザ光のみを通過させ、前記偏光手段を通過したレーザ光の光強度を検出し、前記光ディスクの同一半径の円周上の各位置において、前記偏光手段の回転角度と、該回転角度に応じた光強度とを測定し、関連づけて記憶するステップと、
前記記憶された光強度から最大値、最小値を求め、該最大値、最小値に対応する回転角度から45度の方向に対応する方向を主軸の方向として決定するステップと、
光透過層を有する光ディスクを回転し、前記光透過層に対して前記第1の角度より斜めの第2の角度で円偏光のレーザ光を前記光透過層の測定位置に照射し、前記光ディスクから反射する前記レーザ光の進行方向を軸として偏光手段を回転するとともに、前記レーザ光のうち、所定の偏光方向のレーザ光のみを通過させ、前記偏光手段を通過したレーザ光の光強度を検出し、前記光ディスクの同一半径の円周上の各位置において、前記偏光手段の回転角度と、該回転角度に応じた光強度とを測定し、関連づけて記憶するステップと、
前記決定された主軸の方向から45度の方向にある測定位置に関する光強度を、前記第2の角度で前記レーザ光を照射することにより測定した光強度から検索し、該検索された光強度に基づいて複屈折を演算するステップと
を備える複屈折測定方法である。
【0022】
この発明によれば、光学異方性を有する光透過層に関して、高い精度で主軸の測定を行うことができる。また、主軸の測定に際しては、光ディスクをその測定個所を軸として回転させる必要がないため、装置の構成を簡単にすることができ、更に主軸および複屈折の測定を自動的に行うように構成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、この発明の複屈折測定装置の構成例を示すブロック図である。レーザ光源1、偏光子2、および1/4波長板3は、1つの回転アームに保持され、検光子4と光強度検出器5は、別の回転アームに保持される。2つの回転アームは、レーザ光源1からのレーザが光ディスク6の測定位置に入射され、反射光を光強度検出器5が受光するように、上記構成要素の位置を調整する。光ディスク6は、光透過層からなる樹脂基板を有する、例えば、ブルーレイディスクのような光ディスクである。
【0024】
ここでは、レーザ光源1、偏光子2、および1/4波長板3の組がレーザ光提供手段に対応し、検光子4が偏光手段に対応し、光強度検出器5が光強度検出手段に対応する。また、後述の記憶装置は記憶手段に対応する。
【0025】
レーザ光源1は、例えば、波長λ=405nmのレーザ光を提供するものである。また、光ディスク6は、スピンドルのような回転機構8によって回転するテーブル7上に置かれ、回転軸9を中心に360度回転するようになっている。
【0026】
偏光子2と検光子4は、いずれも特定の偏光方向(偏光角度)のみの光を通過させる偏光ビームスプリッタ(PBS:Polarizing Beam Splitter)である。また、偏光子2と検光子4は、高い消光比が求められるため、10-5程度の消光比を有するグラントムソンプリズムを用いることが多い。検光子4は、検光子4におけるレーザ光の通過を妨げずに検光子4を、当該レーザ光の進行方向を軸として回転させる後述の中空モータに保持されている。
【0027】
1/4波長板3は、常時使用される状態となっている。また、光強度検出器5は、例えば、半導体位置検出素子(PSD:Position Sensitive Detector)のような、光スポットの位置と光強度を検出する光センサである。
【0028】
次に、本実施の形態における複屈折測定装置の動作について説明する。レーザ光源1より出力されるレーザ光は元来直線偏光であるが、他の成分を含む場合もあるため、偏光子2を通すことによって直線偏光となるように調整される。偏光子2から提供される直線偏光は、次に、1/4波長板を通過し、これによってレーザ光は円偏光となる。このレーザ光が光ディスク6の樹脂基板に照射され、反射した光は検光子4を通過して光強度検出器5によって受光される。
【0029】
光ディスク6の樹脂基板が複屈折を有するものであるとき、光ディスク6に入射した円偏光は、楕円偏光となって反射する。この楕円偏光を回転可能な検光子4を介して光強度検出器5で受光することにより、検光子4の方向と光強度の関係が得られ、結果的に楕円形状と方位角(△φ)を知ることができる。基本的に、方位角は、検光子4が通過をさせる偏光角度の方向をレーザ光の反射経路に沿って光ディスク6の基板上に投影させた場合の、光ディスク6上の測定対象位置における角度である。
【0030】
前述のように、従来の複屈折の測定においては、円偏光を光ディスクの測定位置に入射して、反射した光を検光子で受光する場合、その測定位置の主軸の方向から光ディスクの測定位置を軸として45度回転させ、検光子によって位相のずれを調整したときに、受光パワーが最大、または最小となることが知られている。DVD等の樹脂基板は、射出成形で作られているため、主軸はこの樹脂基板の樹脂が流れる方向に向く傾向がある。従って、光ディスクをその測定位置を軸として回転させながら測定する場合、検光子は、光ディスクの半径方向(即ち、光ディスクの中心から放射線状に外側に延びる方向)に対し45度の向きに固定して複屈折の値を測定していた。
【0031】
この発明では、この原理を逆の手順で利用することによって主軸の方向を求めようとするものである。本実施の形態では、光ディスク6に対し、1/4波長板からの円偏光を例えば、5度といった垂直に近い入射角で照射し、そこで検光子4を回転させる。そうすると、光強度検出器5で受光する受光パワーは、検光子4の回転とともに変化し、例えば、2つの最小値と2つ最大値が求められる。なお、ここでの最小値、最大値は、検光子4が1回転するなかで得られる受光パワーの波形におけるボトム(最小値)とトップ(最大値)を指すものであって、厳密な意味での最小値、最大値ではない。従って、例えば、値の異なる2つの数値が、それぞれ最小値として把握されることもあり得る。言い換えれば、各周期において、それぞれ最小値と最大値が把握される。
【0032】
受光パワーの最小値、最大値が求まると、そこから45度の方向が主軸の方向となる。この最小値、最大値、および主軸の関係を、光ディスク6上の位置に対応づけて表したものが図2の略線図である。例えば、測定位置がA1で示された点であり、上記受光パワーの測定により最小値(Min)および最大値(Max)が図に示す方向において認められたとすると、各最小値、最大値が認められた方向に対して45度の向き、即ち、それぞれ点線で示された方向B1、B2、B3、およびB4が、主軸の方向と判定される。
【0033】
こうした光ディスク6上の測定は、図2のA2やA3を初め、光ディスク6上のあらゆる位置で行うことができる。前述したように、ブルーレイディスクでは、樹脂基板に、一定方向の応力が加えられたシートが利用されうるので、その場合には、主軸は放射状ではなく、一定の方向を向く傾向にある。
【0034】
また、1/4波長板からの円偏光を、光ディスク6に対して、ある程度斜めの角度で入射しても主軸の影響は現れるため、上記のように、ほぼ垂直の入射光を用いずに主軸を求めることができる。この方法は、主軸の測定と複屈折の測定を1つのステージで行おうとする場合に有効であり、詳細な態様については後で説明する。
【0035】
主軸の方向が求まった後は、面内複屈折および垂直複屈折を測定することになるが、これは、前述した従来の複屈折測定方法と原則的に同じである。最初に、主軸に対し、光ディスク6を45度回転させた方向から円偏光を斜め入射し、そこで検光子4を1回転させたときの光強度検出器5における受光パワーの最大値(Tmax)と最小値(Tmin)を求める。
【0036】
このとき、位相差△φ、即ち光強度検出器5で受光した楕円偏光の傾き(方位角)は、以下の式(4)によって求められる。
△φ = arcsin((Tmax−Tmin)/(Tmax+Tmin)) [rad]・・・(4)
また、位相差(または、遅延(Retardation)という)Rは、(λ/4π)×△φで表され、式(4)を代入すると以下の式(5)になる。
R = (λ/4π)×arcsin((Tmax−Tmin)/(Tmax+Tmin)) [nm]・・・(5)
【0037】
面内複屈折△n//、垂直複屈折△n⊥は、それぞれ式(6)、式(7)によって求められる。ここで、光ディスク6の樹脂基板の厚さをd、光ディスク6の樹脂基板内部での屈折後の光ビームの角度をθtとし、空気の屈折率をNair、樹脂基板の屈折率をNsheetとすると、sinθt/sinθi = Nair/Nsheetより、θt = arcsin((Nair/Nsheet)×sinθi)である。
△n// = (R/d)×cos(2△φ) ・・・(6)
△n⊥ = (R/d)×(cos(θt)sin(2△φ)/sin2(θt)) ・・・(7)
【0038】
次に、本実施の形態の複屈折測定装置における制御の例を、図3の略線図を用いて説明する。制御部11は、それぞれバス14によって接続されたCPU12およびメモリ13を含み、光強度検出器5、中空モータ10、および回転機構8の動作を制御する。中空モータ10は、前述したように、検光子4を回転させるためのモータである。また、制御部11は、この他、レーザ光源1や光強度検出器5を保持する回転アームの動作も制御しうる。
【0039】
CPU12は、例えば、可搬記録媒体を経由してメモリ13にロードされたプログラムを実行することによって各制御対象の制御を行う。メモリ13には、上記プログラムの他に、必要なデータ等が一時的に記録される。
【0040】
制御部11は、光強度検出器5が受光したレーザ光を測定するタイミングを制御し、その測定データを記憶装置16やメモリ13のような記録手段に記録する。その後、当該測定データから主軸や複屈折を計算し、計算結果を数値として、あるいはマップとして表示装置15のような表示手段に出力する。また、表示装置15は、本装置に必須のものではない。例えば、装置を他のディスプレイモニタに接続し、またはパーソナルコンピュータ等にデータを伝送することによっても、上記計算結果を表示させることができる。
【0041】
また、制御部11は、中空モータ10による検光子4の回転、および回転機構8による光ディスク6の回転を制御する。制御部11による制御は、以降の図4ないし図6の説明において詳細に説明する。なお、図3に示した構成は、単なる例示に過ぎず、これに限定されるものではない。他の既知の様々な構成によって、この発明の複屈折測定装置の各構成要素の動作を好適に制御することができる。
【0042】
次に、本実施の形態において、主軸の測定と複屈折の測定を行う手順について図4ないし図6のフローチャートを参照して説明する。これらの手順は、主に、制御部11の制御の下に行われる。図4および図5のフローチャートに示す手順は、主軸の測定と複屈折の測定を2つのステージに分けて行うものである。図4と図5で一連の処理手順を示しており、図4では、主軸の測定および同定に関する処理を、図5では複屈折の測定に関する処理を示している。
【0043】
最初に、図4を参照して主軸測定ステージを説明する。まず、ステップS1で、光ディスク6が、例えば、ユーザによって本実施の形態の複屈折測定装置のテーブル7にセットされる。次に、ステップS2で、制御部11の制御により、レーザ光源1からレーザ光が、光ディスク6の測定位置に照射される。当該照射は、光ディスク6に対してほぼ垂直な角度(例えば、光ディスク6の光透過層の表面(盤面)に垂直な軸に対して5度の角度)で行われる。
【0044】
その後、ステップS3において、制御部11の制御により、検光子4の回転が開始され、光ディスク6の測定位置にレーザ光が照射されるように、光ディスクの位置が調整される。検光子4は、前述のように中空モータに保持され、中空モータとともに回転する。中空モータは、例えば、40000rpmで回転するモータである。
【0045】
次に、ステップS4において、制御部11の制御により、光強度検出器5が、検光子4の各回転角に対する受光パワーを測定し、測定されたデータを例えば、ハードディスク等の記憶装置16に記録する。光強度検出器5は、光ディスク6の1つの測定位置に対して、検光子4が1回転する間に受光パワーを測定(サンプリング)するよう制御される。例えば、検光子4が1回転する間に116の第1パルスが出力され、当該第1パルスの各立ち下がりのタイミングで光強度検出器5が受光パワーをサンプリングする。従って、光強度検出器5は、光ディスク6からの反射光を116の異なる角度の検光子4を介して受光し、それぞれの光強度を測定する。
【0046】
また、検光子4が1回転する間にポール信号(中空モータの位置検出信号)が少なくとも1回送出され、その時点で中空モータ(検光子4)が所定の角度にあることが示される。よって、制御部11は、そのポール信号のタイミングとサンプリングタイミングとの差から、各サンプリングタイミングにおける検光子4の回転角を把握することができ、その回転角と当該サンプリングタイミングで得られた受光パワーとを関連づけ、それらを測定データとして保存する。
【0047】
ステップS5では、光ディスク6の1つの測定位置における受光パワーの測定が完了した場合に、次の測定位置に移動させるために、制御部11がステッピングモータ等の回転機構8を制御して、光ディスク6を回転軸9を中心に回転させる。例えば、光ディスク6を1回転させる間に500の第2パルスが生成され、その各第2パルスの立ち上がりのタイミングで、当該光ディスク6が回転される。この場合の1回の回転角は、360/500度である。当該第2パルスの間隔は通常一定であり、かつ、検光子4が1回転する以上の時間である。
【0048】
こうして、光ディスク6の測定位置は、光ディスク6の同一半径の円周上を順次移動する。この例では当該円周上の500の位置で測定が行われ、その各位置で検光子4が1回転する。
【0049】
ステップS6では、上記測定が光ディスク6の円周上の全ての測定位置に対して行われたかどうか、即ち、光ディスク6が1回転したかどうかを判定する。1回転に達しない場合は、ステップS4に戻り、ステップS4とステップS5の処理を繰り返す。1回転した場合は、ステップS7に進み、保存された測定データ(各測定位置での受光パワー)から主軸の方向を計算し、記憶装置16に記録する。主軸の方向をビジュアルに表現するため、これらをマップ上に表すこともできるが、具体例については後述する。
【0050】
主軸の方向は、上述したように、各測定位置において、検光子4の1回転に応じて変化する受光パワーの波形から最小値と最大値を求め、それらの示す方向から45度ずらすことによって求められる。受光パワーの波形は、上述のように光ディスク6の所定半径の円周上の各測定位置について記録されているので、各位置毎に主軸の方向が求められる。これらの各データを平均等することによってディスク全体の主軸の方向を求めることもできる。また、この例の主軸測定ステージでは、光ディスク6の所定の半径距離にある1つの円周を測定位置として選択したが、それぞれ異なる半径の、複数の円周について測定を行うことも可能である。この場合、ディスク全体の主軸の方向は、測定した複数の円周に関するデータの全てについて、例えば、平均値をとることによって求めることができる。
【0051】
ステップS7の後、処理は図5の複屈折測定ステージに進む。最初に、ステップS8において、あらかじめ指定された入射角でレーザ光を光ディスク6に照射する。ここで、指定された入射角は、原則的には、ステップS2の入射角(5度)より大きな(例えば、光ディスク6の光透過層の表面に垂直な軸に対して30度のような斜めの)角度である。
【0052】
次に、ステップS9ないしステップS11において、光ディスク6の同一半径の円周に関して受光パワーが測定されるが、この処理は、図4で説明したステップS4ないしステップS6と同様のものである。
【0053】
ステップS12において、ステップS7で求められた主軸の方向から45度の方向にある測定位置に関する、複屈折測定ステージにおける測定データを検索し、ステップS13において、当該検索された測定データを使用して複屈折を演算し、その結果を表示装置15に表示する。
【0054】
そして、ステップS14において、指定された全ての測定対象半径の測定を完了したか否かが判定される。完了したと判定されると、処理が終了する。完了していないと判定されると、処理がステップS2(図4参照)に戻り、以降の処理が繰り返される。
【0055】
この例では、図4に示す主軸測定ステージで主軸の方向が求められているので、複屈折測定ステージでは、主軸の方向から45度の方向にある測定位置に関してのみ受光パワーを測定し、複屈折を演算してもよい。
【0056】
次に、図6のフローチャートを参照して、主軸の測定と複屈折の測定を行う別の手順について説明する。図6のフローチャートに示す手順は、主軸の測定と複屈折の測定を1つのステージで行うものである。図4および図5に示す手順においては、主軸の測定と複屈折の測定を、レーザ光の入射角を変えて2つのステージで行っていたが、図6の例では、両者の測定を、1つの入射角を用いて単一のステージで行うものである。
【0057】
ここで、屈折率楕円体について考察を行う。面内屈折率は、例えば、Z軸方向の座標がゼロの断面(X軸およびY軸上の断面であり、以下、第1の断面と称する)に対応し、一方、垂直屈折率は、例えば、Z軸に沿った断面(第2の断面)と考えることができる。面内複屈折が存在する場合、即ち、X軸上の屈折率とY軸上の屈折率が異なる場合は、上記第1の断面は楕円形になる。垂直複屈折が存在する場合は、上記第2の断面が楕円形になる。
【0058】
図4および図5に示す手順は、主軸の方向を求めるために、この屈折率楕円体におけるZ軸方向からレーザ光を入射させたものを表している。但し、図4および図5に示す手順では、装置の構造上の理由から5度(上記Z軸に対して5度)の角度でレーザ光を入射している。
【0059】
上記図4および図5に示す手順でレーザ光を照射した場合に、面内複屈折があれば、上述のように、第1の断面は楕円形となる。しかしながら、面内複屈折が存在する限り、Z軸に対して斜めの方向(例えば、Z軸に対して30度傾いた方向)からレーザ光を照射しても、その光の方向に対して垂直となる屈折率楕円体の断面は、面内複屈折の影響で楕円形となる。従って、斜め方向に入射を行っても面内複屈折の存在を認識することが可能である。図6に示す手順は、この原理を利用するものであり、主軸を測定する際にも、光ディスク6に対して斜めに入射するレーザ光が用いられる。
【0060】
最初に、図6のステップS21で、光ディスク6を本実施の形態の複屈折測定装置のテーブル7にセットする。次に、ステップS22で、レーザ光源1からレーザ光を、光ディスク6の測定位置に照射する。当該照射は、光ディスク6に対してあらかじめ指定された入射角で行われるが、これは、図5のステップS8の入射角と同様のものである。
【0061】
次に、ステップS23において、検光子4が回転を開始し、光ディスク6の測定位置にレーザ光が照射されるように、光ディスクの位置を調整する。ステップS24ないしステップS26においては、光ディスク6の同一半径の円周に関して受光パワーが測定されるが、この処理は、図4で説明したステップS4ないしステップS6と同様のものである。
【0062】
ステップS27では、保存された測定データ(各測定位置での受光パワー)から主軸の方向を計算し、必要に応じてマップに展開する。次に、ステップS28において、ステップS27で求められた主軸の方向から45度の方向にある測定位置に関する、複屈折測定ステージにおける測定データを検索し、ステップS29において、当該検索された測定データを使用して複屈折を演算し、その結果を表示装置15に表示する。さらに、ステップS30において、指定された全ての測定対象半径の測定を完了したか否かが判定される。完了したと判定されれば、処理が終了し、完了していないと判定されると、ステップS23からの処理が繰り返される。
【0063】
次に、本実施の形態の複屈折測定装置によって計算された主軸の方向、複屈折の値等を表示装置15の画面上に表示した例について、図7の略線図を参照して説明する。この表示例は、主軸の方向をマップ上に表した表示部C1、複屈折を遅延(Retardation):Rで表した表示部C2、複屈折を遅延(Retardation):Rで表現した統計データを表した表示部C3、特定の半径における複屈折の各値を表した表示部C5、主軸の方向を表す表示部C6、面内複屈折の値等を表した表示部C7を含んでいる。
【0064】
表示部C2は、本実施の形態の複屈折測定装置で主軸を測定した際の、光ディスク6上の所定の測定半径における複屈折を遅延(Retardation):Rで表した波形を示すグラフである。横軸の単位は光ディスク6の回転角度であり、縦軸の単位は測定された位相差を遅延(Retardation)nmで表したもの(ここでは複屈折と呼ぶ)である。
【0065】
表示部C1は、測定対象の光ディスク6に、測定された主軸の方向をマッピングしたものである。図8Aには、これを拡大したものが示されている。光ディスク6上には、測定がされた7つの異なる半径の円周が示されており、各円周上の各測定位置について主軸の方向が示されている。この例では、主軸の方向は、D2とD3の線で示されており、D2とD3の線は直交している。D1で示された線は、光ディスク6の0度を概念的に示すものであり、以降、この光ディスク6の角度を表現する場合は、この0度を基準とする。
【0066】
図8Bは、光ディスク6の外側円周付近の一部を、図8Aで示した線D2に沿って拡大表示したものである。
【0067】
ここで、図7に戻って、表示部C2と表示部C1の関係について説明する。表示部C2の波形は、表示部C1で示された測定対象の1円周上における複屈折を遅延(Retardation):Rで表した波形である。横軸の回転角度は、光ディスク6の回転角度に対応する。この波形で2つの最小値と2つの最大値が現れる角度の中間の値(すなわち最大値、または、最小値から45度の角度)が、光ディスクの主軸の方向(図8Aに表した線D2、D3)となる。
【0068】
表示部C3は、光ディスク6の各円周について測定された複屈折を遅延(Retardation):Rで表した波形の最小値、平均値、最大値を示すグラフである。表示部C2で表された複屈折(遅延(Retardation))も、C3のグラフに反映される。C4に示す十字型の記号は、その下端が最小値を示し、上端が最大値を示し、横棒が平均値を示している。ここでの最小値と最大値は真の意味での最小値、最大値であり、それぞれ1つづつ存在する。グラフの横軸は、光ディスク6の中心からの距離(即ち、半径、単位はmm)であり、この例では、測定がされた7つの円周毎に記号C4が示されている。グラフの縦軸の単位は、表示部C2に示すグラフの縦軸の単位と同様である。
【0069】
表示部C5,C6,C7には、測定が完了した半径における測定結果が順次表示される。最終的には、最後に測定した半径における測定結果が表示される。(但し、印刷した場合は、各半径毎の測定結果をそれぞれ表示する。)表示部C5には、複屈折の最小値、平均値、最大値が表される。これらの各値は、表示部C3のグラフに表された最小値、平均値、最大値をそれぞれ平均したものとすることができる。表示部C6は、主軸の方向である。図8Aに示すとおり、主軸の方向は線D2、D3で表されているが、ここでは、そのうちの一部が線D1からの角度として示されている。
【0070】
表示部C7には、面内複屈折と垂直複屈折の計算結果が表示されている。上述したとおり、主軸(即ち、図8Aに示す線D2、D3)の方向から45度の位置で受光パワーを計測することによって面内複屈折と垂直複屈折が求められる。この主軸から45度の線は、図8Aでは、線D4として示されている。但し、ここで示す線D4は、線D2の主軸の方向に対応するものの一部であり、残りの3つの方向については表示を省略している。
【0071】
次に、図9を参照して、前述した従来の主軸測定方法と、ここまで説明してきた、この発明における主軸測定方法の特徴を比較してみる。最初に、光ディスクに入射するレーザ光は、従来の方法が直線偏光であるのに対して、この発明の方法では偏光子2および1/4波長板3を介した円偏光である。光ディスクと反射光を受光する検光子との関係は、従来の方法が、入射する直線偏光と偏光の向きが直角となるように固定されるのに対して、この発明の方法では、検光子4が、中空モータ10に取り付けられ、受光方向を軸として360度回転するように配置される。
【0072】
光強度検出器によって検出される受光パワーは、従来の方法が比較的小さいのに対して、この発明の方法では、より大きいものとなっている。例えば、従来の方法では、例えば200mV〜300mV程度の受光パワーが得られ、この発明の方法では、例えば3V〜4V程度の受光パワーが得られる。この受光パワーの差は主軸の方向を特定する際の精度に大きく影響する。即ち、従来の方法では、主軸の方向を特定する精度が比較的低いのに対して、この発明の方法では、高い精度で主軸の方向を特定することができる。
【0073】
次に、主軸と受光パワーとの関係であるが、従来の方法では、主軸の位置において受光パワーが最小となるのに対し、この発明の方法では、主軸に対して45度の角度となる位置において受光パワーが最大、または、最小となる。また、従来の方法では、光ディスク全体に対して主軸の測定を自動化することが困難であるのに対して、この発明の方法では容易である。
【0074】
【発明の効果】
この発明によれば、高い精度で主軸の測定を行うことができる。また、主軸の測定に際しては、光ディスクをその測定個所を軸として回転させる必要がないため、装置の構成を簡単にすることができ、更に主軸および複屈折の測定を自動的に行うように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る複屈折測定装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】光ディスク上の受光パワーと主軸の関係を示す略線図である。
【図3】この発明の実施の形態に係る複屈折測定装置の制御を説明するための略線図である。
【図4】この発明の実施の形態に係る複屈折測定装置において、主軸の測定と複屈折の測定を行う手順を示したフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態に係る複屈折測定装置において、主軸の測定と複屈折の測定を行う手順を示したフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態に係る複屈折測定装置において、主軸の測定と複屈折の測定を行う別の手順を示したフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態において、主軸の測定結果および複屈折の測定結果を表示する画面の例を示した略線図である。
【図8】図7に示す略線図の表示部C1を詳細に説明するための略線図である。
【図9】この発明の主軸測定方法と従来の主軸測定方法の特徴を比較するために用いる略線図である。
【図10】従来の複屈折測定装置の構成を示すブロック図である。
【図11】従来の複屈折測定装置において測定される受光パワーの波形を示した略線図である。
【符号の説明】
1・・・レーザ光源、2・・・偏光子、3・・・1/4波長板、4・・・検光子、5・・・光強度検出器、6・・・光ディスク、8・・・回転機構、10・・・中空モータ、11・・・制御部

Claims (6)

  1. 光透過層を有する光ディスクを回転する回転手段と、
    円偏光のレーザ光を前記光透過層の測定位置に照射するレーザ光提供手段と、
    前記光ディスクから反射する前記レーザ光の進行方向を軸として回転するとともに、前記レーザ光のうち、所定の偏光方向のレーザ光のみを通過させる偏光手段と、
    前記偏光手段を通過したレーザ光の光強度を検出する光強度検出手段と
    前記偏光手段の回転角度と、前記偏光手段の回転に応じて変化する光強度とを関連づけて記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された回転角度と光強度に基づき、前記光透過層の主軸の方向、および複屈折を求める演算手段と
    を有し、
    前記光ディスクを回転することによって、前記光ディスクの同一半径の円周上の各位置において、前記偏光手段の回転角度と、該回転角度に応じた光強度とを測定し、関連づけて記憶し、
    前記記憶された光強度から最大値、最小値を求め、該最大値、最小値に対応する回転角度から45度の方向に対応する方向を主軸の方向として決定し、
    前記決定された主軸の方向から45度の方向にある測定位置に関する光強度を検索し、該検索された光強度に基づいて複屈折を演算する複屈折測定装置。
  2. 光透過層を有する光ディスクを回転する回転手段と、
    円偏光のレーザ光を前記光透過層の測定位置に照射するレーザ光提供手段と、
    前記光ディスクから反射する前記レーザ光の進行方向を軸として回転するとともに、前記レーザ光のうち、所定の偏光方向のレーザ光のみを通過させる偏光手段と、
    前記偏光手段を通過したレーザ光の光強度を検出する光強度検出手段と
    前記偏光手段の回転角度と、前記偏光手段の回転に応じて変化する光強度とを関連づけて記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された回転角度と光強度に基づき、前記光透過層の主軸の方向、および複屈折を求める演算手段と
    を有し、
    前記光透過層の表面とほぼ垂直な第1の角度で前記レーザ光を照射するとともに、前記光ディスクを回転することによって、前記光ディスクの同一半径の円周上の各位置において、前記偏光手段の回転角度と、該回転角度に応じた光強度とを測定し、関連づけて記憶し、
    前記記憶された光強度から最大値、最小値を求め、該最大値、最小値に対応する回転角度から45度の方向に対応する方向を主軸の方向として決定し、
    前記光透過層に対して前記第1の角度より斜めの第2の角度で前記レーザ光を照射するとともに、前記光ディスクを回転することによって、前記光ディスクの同一半径の円周上の各位置において、前記偏光手段の回転角度と、該回転角度に応じた光強度とを測定し、関連づけて記憶し、
    前記決定された主軸の方向から45度の方向にある測定位置に関する光強度を、前記第2の角度で前記レーザ光を照射することにより測定した光強度から検索し、該検索された光強度に基づいて複屈折を演算する複屈折測定装置。
  3. 請求項1または2に記載の複屈折測定装置において、
    前記光ディスクを回転させることによって、前記光透過層の所定半径の円周上に位置する各測定位置における主軸の方向を、連続的に決定する複屈折測定装置。
  4. 光透過層を有する光ディスクを回転し、円偏光のレーザ光を前記光透過層の測定位置に照射、前記光ディスクから反射する前記レーザ光の進行方向を軸として偏光手段を回転 するとともに、前記レーザ光のうち、所定の偏光方向のレーザ光のみを通過さ、前記偏光手段を通過したレーザ光の光強度を検出前記光ディスクの同一半径の円周上の各位置において、前記偏光手段の回転角度と、該回転角度に応じた光強度とを測定し、関連づけて記憶するステップと、
    前記記憶された光強度から最大値、最小値を求め、該最大値、最小値に対応する回転角度から45度の方向に対応する方向を主軸の方向として決定するステップと、
    前記決定された主軸の方向から45度の方向にある測定位置に関する光強度を検索し、該検索された光強度に基づいて複屈折を演算するステップと
    を備える複屈折測定方法。
  5. 光透過層を有する光ディスクを回転し、前記光透過層の表面とほぼ垂直な第1の角度で円偏光のレーザ光を前記光透過層の測定位置に照射、前記光ディスクから反射する前記レーザ光の進行方向を軸として偏光手段を回転するとともに、前記レーザ光のうち、所定の偏光方向のレーザ光のみを通過さ、前記偏光手段を通過したレーザ光の光強度を検出前記光ディスクの同一半径の円周上の各位置において、前記偏光手段の回転角度と、該回転角度に応じた光強度とを測定し、関連づけて記憶するステップと、
    前記記憶された光強度から最大値、最小値を求め、該最大値、最小値に対応する回転角度から45度の方向に対応する方向を主軸の方向として決定するステップと、
    光透過層を有する光ディスクを回転し、前記光透過層に対して前記第1の角度より斜めの第2の角度で円偏光のレーザ光を前記光透過層の測定位置に照射し、前記光ディスクから反射する前記レーザ光の進行方向を軸として前記偏光手段を回転するとともに、前記レーザ光のうち、所定の偏光方向のレーザ光のみを通過させ、前記偏光手段を通過したレーザ光の光強度を検出し、前記光ディスクの同一半径の円周上の各位置において、前記偏光手段の回転角度と、該回転角度に応じた光強度とを測定し、関連づけて記憶するステップと、
    前記決定された主軸の方向から45度の方向にある測定位置に関する光強度を、前記第2の角度で前記レーザ光を照射することにより測定した光強度から検索し、該検索された光強度に基づいて複屈折を演算するステップと
    を備える複屈折測定方法。
  6. 請求項4または5に記載の複屈折測定方法において、
    前記光透過層を回転させることによって、前記光透過層の所定半径の円周上に位置する各測定位置における主軸の方向を、連続的に決定する複屈折測定方法。
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