JP4154197B2 - 位置検出方法、位置検出装置及び露光装置 - Google Patents
位置検出方法、位置検出装置及び露光装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、半導体露光装置におけるウエハやレチクルのアライメントに有効な位置検出方法および位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル等の表示素子、磁気ヘッド等の検出素子、或いはCCD等の撮像素子などの各種デバイスの製造に利用される投影型露光装置においては、当該デバイスの回路の微細化及び高密度化に伴い、レチクル面上の回路パターンをウエハ面上により高い解像力で投影露光できることが要求されている。
【0003】
回路パターンの投影解像力は投影光学系の開口数(NA:Numeral Aperture)と露光波長に依存するので、高解像度化の方法としては、投影光学系のNAを大きくする方法や露光波長をより短波長化する方法が採用されている。後者の方法に関し、露光光源は、g線からi線に移行し、更にi線からエキシマレーザに移行しつつある。また、エキシマレーザにおいても、その発振波長が248nm及び193nmの露光装置が既に実用化され使用されている。
【0004】
現在では発振波長を更に短波長化した、波長157nmのVUVの露光方式、波長13nm付近のEUV露光方式が次世代の露光方式の候補として検討されている。
【0005】
また、半導体デバイスの製造プロセスも多様化しており、露光装置の深度不足の問題を解決する平坦化技術として、CMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセス等の技術導入も行われている。
【0006】
また、半導体デバイスの構造や材料も多種多様であり、例えば、GaAs、InP等の化合物を組み合わせて構成したP-HEMT(Pseudomorphic High Electron Mobility Transistor)やM-HEMT(Metamorphe-HEMT)や、SiGe、SiGeC等を使用したHBT(Heterojunction Bipolar Transistor)が提案されている。
【0007】
一方、回路パターンの微細化に伴い、回路パターンが形成されているレチクルとそれが投影されるウエハとを高精度にアライメントすることも要求されており、その必要精度は回路線幅の1/3であり、例えば、現状の180nmデザインにおける必要精度はその1/3の60nmである。
【0008】
露光装置におけるアライメントは、レチクル上の回路パターンと同時にアライメントマークをウエハ上に露光転写し、次のレチクルの回路パターンをウエハ上に露光する際に、前記アライメントマークの位置を光学的に検出して、レチクルに対してウエハを位置決めすることにより行われる。アライメントマークの検出手段としては、顕微鏡によりアライメントマークを拡大して撮像し、そのマーク像の位置を検出する方法や、回折格子をアライメントマークとして用いて、その回折光を干渉させた干渉信号の位相を検出して、回折格子の位置を検出する方法等がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような半導体産業の現状において、露光装置を使用する上で、次工程の設計パターンとウエハに既存する回路パターンとをアライメントする重ね合わせ精度を向上させることは、半導体素子の性能および製造の歩留まりを向上させるために必須の課題と言える。しかしながら、CMPプロセスなど特殊な半導体製造技術の導入により、回路パターンの構造は良いが、ウエハ間やショット間でアライメントマークの形状にばらつきが発生し、アライメント精度を劣化させる問題が多発している。
【0010】
これは、回路パターンの微細化に伴い、回路パターンとアライメントマークの線幅の差が大きくなって、成膜や、エッチング、CMPなどのプロセス条件が微細な回路パターン(線幅0.1-0.15μm)に最適化されるため、線幅の大きなアライメントマーク(線幅0.6-4.0μm)では、そのプロセス条件が外れるために生じる場合が多い。
【0011】
アライメントマークの線幅を回路パターンの線幅に合わせようとすると、アライメントに用いる検出光学系の分解能が足りないため、信号強度またはコントラストが減少し、アライメントマークの検出信号の安定性が悪化する。回路パターンと同等の線幅のアライメントマークを検出できる検出光学系にするには、大きなNA、短い波長の光源が必要となり、投影光学系並みの検出光学系になり、装置コストが上がるなど別の問題も新たに発生する。
【0012】
現在、このような状況になった場合には、プロセスの条件を変更して、アライメントマークと回路パターンの双方で適切な条件になるように、試行錯誤で条件設定を行ったり、線幅の異なるアライメントマークを何種類か作り込んで露光評価し、最も良いと思われる線幅のアライメントマークを用いるようにしている。
【0013】
したがって、最適な条件(パラメータ)を決定するまでに膨大な時間を要していた。また、一旦パラメータが決定された後であっても、例えばプロセスエラーが発生した場合には、それに応じた製造プロセスの変更に伴って露光装置のパラメータを再度変更する必要が生じる場合があり、この場合にも膨大な時間を要する。
【0014】
更に今後は、回路パターンの微細化が進むと共に、新たな半導体プロセスの導入や、ウエハ径の300mm化(大径化)などにより、回路パターンとアライメントマークの双方をウエハ全面で欠陥無く作り込むことが益々困難になると予想される。
【0015】
本発明は、上記の背景に鑑みてなされ、その目的は、ウエハ上に形成されるアライメントマークの位置に誤差があった場合でも当該マークの検出精度を劣化させることなく、高精度に検出できる位置検出方法および位置検出装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明の位置検出方法は、物体の複数の位置検出マークからの光を受光して当該物体の位置を検出する位置検出方法において、前記受光した光から前記位置検出マークごとの像情報を得る像情報取得工程と、複数の算出処理を持ち、当該複数の算出処理のそれぞれを用いて前記像情報から前記位置検出マークごとの位置情報を算出する位置情報算出工程と、前記各位置情報に対応する位置検出マークの基準位置に対する誤差の情報を算出する誤差情報算出工程と、前記複数の位置検出マークと前記複数の算出処理との全ての組み合わせに関して、前記誤差の情報から所定の誤差成分を除去した残留誤差の情報を算出する残留誤差情報算出工程と、前記位置検出マークごとに、前記残留誤差が最小となる算出処理を前記複数の算出処理から求め、当該位置検出マークとそれに対応する算出処理との組み合わせを記憶する記憶工程と、前記位置検出マークとそれに対応する算出処理との組み合わせの条件で算出された誤差の情報に基づいて前記物体の位置を検出する位置検出工程とを有する。
【0017】
本発明の位置検出装置は、物体の複数の位置検出マークからの光を受光して当該物体の位置を検出する位置検出装置において、前記受光した光から前記位置検出マークごとの像情報を得る像情報取得部と、複数の算出処理を持ち、当該複数の算出処理のそれぞれを用いて前記像情報から前記位置検出マークごとの位置情報を算出する位置情報算出部と、前記各位置情報に対応する位置検出マークの基準位置に対する誤差の情報を算出する誤差情報算出部と、前記複数の位置検出マークと前記複数の算出処理との全ての組み合わせに関して、前記誤差の情報から所定の誤差成分を除去した残留誤差の情報を算出する残留誤差情報算出部と、前記位置検出マークごとに、前記残留誤差が最小となる算出処理を前記複数の算出処理から求め、当該位置検出マークとそれに対応する算出処理との組み合わせを記憶する記憶部と、前記位置検出マークとそれに対応する算出処理との組み合わせの条件で算出された誤差の情報に基づいて前記物体の位置を検出する位置検出部とを有する。
【0018】
本発明の露光装置は、上記位置検出装置により検出した位置情報に基づいて前記物体を位置決めするために駆動されるステージ装置を備え、当該ステージ装置は前記物体としての基板または原版あるいはその双方を位置決めする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明する。
[露光装置の概略構成]
図1は、本実施形態の半導体露光装置の概略図である。
【0024】
図1において、半導体露光装置1(以下、露光装置1とも呼ぶ)は、所定の回路パターンが形成されたレチクル10を縮小投影する縮小投影光学系11と前工程で下地パターンおよびアライメントマークの形成されたウエハ12を保持するウエハチャック13とウエハ12を所定の位置(アライメント位置)に位置決めするウエハステージ14と、ウエハ12上に形成されたアライメントマーク位置を検出するアライメント検出光学系(アライメントスコープ)15を備える。
【0025】
次に、アライメント検出光学系15によるアライメントマークの検出原理について説明する。
【0026】
図2は、アライメント検出光学系15の主要な構成要素を示す概略図である。
【0027】
図2において、光源18からの照明光は、ビームスプリッタ19で反射されてレンズ20に入射し、レンズ20からウエハ12上のアライメントマーク30を照明する。アライメントマーク30からの回折光は、レンズ20、ビームスプリッタ19、レンズ21を通って、ビームスプリッタ22で分割され、それぞれイメージセンサ23,24で受光される。ここで、アライメントマーク30は、レンズ20,21により100倍程度の結像倍率で拡大され、イメージセンサ23,24に結像される。イメージセンサ23,24はそれぞれ、アライメントマーク30のX方向の位置ずれ検出、アライメントマーク30のY方向の位置ずれ検出に用いられ、光軸に対して略90度回転させた状態で配置されている。なお、図示していないが、アライメントマークの検出方向に対して垂直方向にのみパワーを持つシリンドリカルレンズが設けられ、当該レンズにより当該マーク検出方向に対して垂直方向に集光されることによって光学的に積分されて平均化される。
【0028】
イメージセンサ23,24は、アライメントマーク30の光学像を光電変換した撮像信号を信号処理部16に送出し、信号処理部16ではこの撮像信号に基づいてアライメントマーク30の位置情報を算出し、中央演算処理装置17では信号処理部16で算出された位置情報からウエハの位置ずれを補正するようにウエハステージ14を位置決めする。
[第1実施形態]
次に、第1実施形態のアライメントマーク位置の検出方法を説明する。
【0029】
尚、上記X方向とY方向のアライメントマーク位置の検出原理は同じなのでX方向のマーク位置検出方法についてのみ説明する。
【0030】
アライメントマーク30としては、図3または図4に示す形状のマークが用いられ、図3ではマーク検出方向であるX方向に4μm、当該マーク検出方向に略直交するY方向に20μmの矩形のマークがX方向に等間隔で20μmピッチで4本並べて配列されている。マーク部の断面はエッチングにより凹状をなしている。なお、実際には、マーク部上にレジストが塗布されているが図示を省略している。一方、図4に示すマークは、図3のマーク外形に対して0.6μmの線幅の輪郭部分を形成した形状となっている。
【0031】
図3と図4のいずれのアライメントマークを用いても、アライメント検出光学系15のレンズのNAに入らない大きな角度となり、マーク部におけるエッジ部での散乱光の発生やエッジ部での散乱光での干渉によって、イメージセンサ23で撮像された像情報は図5に示す如くなる。また、図3のアライメントマークではそのエッジ部が暗く、図4のアライメントマークでは凹部が暗く又は明るくなる。これは、明視野画像で多く観察される像の特徴である。
【0032】
さて、このように撮像されたアライメントマークの像情報は信号処理部16により以下のように処理される。
【0033】
本実施形態のイメージセンサ23,24は、アライメントマーク30の1次元の線画像情報又は2次元画像情報を取り込むCCDカメラである。
【0034】
本実施形態におけるアライメントマークの位置情報の算出には、テンプレートマッチング法が用いられる。テンプレートマッチング法は、図6のSで示す像情報を表す撮像信号と予め装置側で持っているテンプレート(図6のT)との相関演算を行うもので、最も相関の高い位置情報をアライメントマークの中心位置として検出する。図6のEで示す相関値の関数においてピーク画素から左右に数画素の領域の重心画素位置を求めることにより、1/10から1/50画素の分解能を達成できる。
【0035】
テンプレートマッチングに用いられる算術式は下記式1で表される。
【0036】
【数2】
【0037】
ここで、Sはイメージセンサで検知した撮像信号、Tはテンプレート、Eは相関結果である。
【0038】
信号S、テンプレートT、相関値Eの関係を図示すると図6に示す如くなる。図6では4本のアライメントマークのうち、1本のアライメントマークの像情報に関する処理を示している。以下同様に他の3本のアライメントマークの像情報についても、テンプレートマッチング法によりイメージセンサにより検知された各像情報から各位置情報が検出される。
【0039】
先ず、テンプレートマッチング法により、アライメントマークの像情報の位置情報X1(n),X2(n),X3(n),X4(n)を求める(単位は画素)。ここでnはテンプレート番号である。その後、各アライメントマークの平均位置を下記式2から求める。
Xa(n)=[X1(n)+X2(n)+X3(n)+X4(n)]/4・・・(2)
各イメージセンサの撮像信号からアライメントマーク30の位置ずれXw(n)は、アライメントスコープ15の結像倍率をM、イメージセンサ23のアライメントマークの検出方向の画素ピッチをPxとすると、
Xw(n)=Xa(n)/(Px・M)・・・(3)
として求められる。
【0040】
図7は、半導体製造プロセスのある工程で取得した実際のアライメントマークの撮像信号波形を示し、ウエハ上のショット位置により、1本のアライメントマーク(バーマーク)の両端部に対応して2つの極小値を持つ信号(ダブルピーク信号)とアライメントマークの中心付近のみ極小値を持つ信号(シングルピーク信号)が混在している。
【0041】
この場合、図8に示すように、ダブルピーク信号に対してはダブルピークに適したテンプレートAを用い、一方、シングルピーク信号に対してはシングルピークに適したテンプレートBを用いることでマーク位置を高精度に検出できる。
【0042】
本実施形態では、上記のように算出されたアライメントマークの像情報に対して2種類のテンプレートA(テンプレート番号1)とテンプレートB(テンプレート番号2)を用いて、上記式1、2、3から夫々のテンプレート(テンプレート番号n)で算出したアライメントマークの位置情報から位置ずれXw(n)を求め、信号処理部16内のメモリに一時的に記録させる。
【0043】
続いて、上記のように算出されたアライメントマークの位置ずれからウエハをアライメントする方法について説明する。
【0044】
本実施形態ではグローバルアライメント(AGA)を適用している。グローバルアライメントでは、ウエハ上の全チップ(ショット)の内、数ショットを選択して(選択したショットをサンプルショットと呼ぶ)、そのショット内にあるアライメントマークの位置情報が検出される。
【0045】
図9は、上記露光装置1のウエハステージのxy座標系に対して、ウエハ上のショット配列がずれている様子を示し、ウエハの位置ずれとしては、x方向のシフトSxと、y方向のシフトSyと、x軸に対する傾きθxと、y軸に対する傾きθyと、x方向の倍率Bxと、y方向の倍率Byとの6つのパラメータで記述できる。なお、各倍率Bx、Byは露光装置のウエハステージの送り方向を基準にウエハの伸縮を表し、このウエハの伸縮は半導体プロセスの成膜やエッチングにより引き起こされる。
【0046】
ここで、上記のように検出されたAGAの各サンプルショットの位置情報をAi(iは検出ショットNo.)、すなわち、
【0047】
【数3】
とし、サンプルショットのアライメントマーク設計位置座標をDiとして、
【0048】
【数4】
と記述する。
【0049】
AGAでは、先に示したウエハの位置ずれを表す6つのパラメータ(Sx、Sy、θx、θy、Bx、By)を用いて、以下の1次の座標変換D'iを行う。
【0050】
【数5】
【0051】
上記式6では、簡単のためθx、θy、Bx、Byは微小量であるためcosθ=1、sinθ=θ、θx*Bx=θx、θy*By=θy等の近似式が用いられる。
【0052】
図10には、上記式8の1次の座標変換を行う様子を示している。Wで示す位置にウエハ上のアライメントマークがあり、設計上の位置であるMの位置からAiだけずれており、座標変換D'iを行うとウエハ上のアライメントマークの位置ずれ(残留誤差)Riは下記式7で算出される。
【0053】
Ri=(Di+Ai)-D'i・・・(7)
AGAでは各サンプルショットでの残留誤差Riが最小になるように最小2乗法を適用して、残留誤差Riの平均2乗和が最小となるAGAパラメータ(Sx、Sy、θx、θy、Bx、By)を算出する。
【0054】
【数6】
【0055】
上記式8,9に、各サンプルショットでのアライメントマークの位置情報(xi,yi)、及びアライメントマーク設計位置(Xi,Yi)を代入して、AGAパラメータ(Sx、Sy、θx、θy、Bx、By)を求め、更に、上記式7から残留誤差Riを求める。これらの演算を全てのサンプルショット*信号処理(テンプレートAとB)について行う。すなわち、図11に示すように256通りの条件でAGAパラメータと残留誤差が算出され、これら算出結果が組合せNo.別にメモリ上に格納される。
【0056】
続いて、図11から残留誤差が最小となる組合せNo.を選択し、そのAGAパラメータに基づいて各ショットの位置決めを行い、レチクル上のパターンをウエハ上に露光転写する。
【0057】
残留誤差が最小となる組合せを用いる理由は、残留誤差は半導体プロセスにより引き起こされた非線型な歪みとアライメントマークの検出誤差の和になり、同一ウエハでは非線型な歪み成分は略一定なので、残留誤差が小さくなるほどアライメントマークの検出精度が向上するからである。なお、残留残差量が小さい方から10通り程度の組合せNo.の算出結果を求めて、その平均値をAGAの位置補正に使用してもよい。
【0058】
最後に、図12のフローチャートを参照して、本実施形態のアライメントマークの位置検出方法について説明する。
【0059】
図12において、ステップS50でウエハ上のどのショットをAGAにおけるアライメントマークの検出ショットにするかを設定する。
【0060】
続いて、ステップS51で信号処理を設定する(本実施形態では、テンプレートAとテンプレートBを用いたテンプレートマッチング法を適用)。
【0061】
ステップS52でウエハステージ上に搭載されたウエハ上のサンプルショット内のアライメントマークをアライメント検出光学系の下に位置決めする。
【0062】
ステップS53ではアライメント検出光学系からアライメントマークの像情報を取得・算出する。
【0063】
ステップS54ではステップS53で取得したアライメントマークの像情報からステップS51で設定された信号処理により位置ずれ量を算出する。
【0064】
ステップS55では、ステップS51で設定された全ての信号処理について位置ずれ量を算出したかを判断し、未算出の信号処理があるならば(ステップS55でNO)、ステップS54にリターンし、残った信号処理により位置ずれ量を算出する。
【0065】
ステップS55で全ての信号処理を終了したならば(ステップS55でYES)、ステップS56において、ステップS50で設定されたサンプルショットのうち、検出すべきサンプルショットがまだ有るか判断し、まだ有るならば(ステップS56でNO)、ステップS52にリターンし、ステップS50で設定された全てのサンプルショットについて上記ステップS52〜S55の処理を行う。
【0066】
ステップS56で全てのサンプルショットを終了したならば(ステップS56でYES)、ステップS57において、残留誤差Riが最小となるショット(アライメントマーク)と信号処理との組合せを求めて、ステップS58でその最小となる組合せの条件で算出されたAGAパラメータに基づいてウエハステージによりウエハを投影光学系に位置決めし、ステップS59でレチクル上のパターンがウエハ上に露光転写される。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のアライメントマーク位置の検出方法について説明する。
【0067】
アライメントマーク形状およびアライメントマーク検出光学系は第1実施形態と同様のものが用いられ、アライメントマークの位置情報を算出する処理が第1実施形態と異なる。図13は、図5のアライメントマークの像情報の一部を拡大して示し、検出信号波形の左半分を横軸の中心から折り返した対称性を持つテンプレートを示している。
【0068】
【数7】
【0069】
上記式10は検出信号波形の左半分を上記対称性を持つテンプレートと見なしたときの相関値である。最も相関の高い位置情報をアライメントマークの中心位置として検出する。相関値の関数において、ピーク画素から左右に数画素の領域の重心画素位置情報を求めることにより、1/10から1/50画素の分解能を達成できる。なお、上記式10および図13において、係数a,bの代わりに、処理ウインドウの位置Cと処理ウインドウの幅Wを変数に用いることもできる。すなわち、a=C-W/2、b=C-W/2の関係式が成り立つ。
【0070】
以下同様に他の3本のアライメントマークの像情報についても、各マークの位置情報が検出される。その後、上記式2から各マークの平均位置Xa(n)を算出し、上記式3からウエハ上のアライメントマークの位置ずれXw(n)を算出する。本実施形態では、上記のように取得されたアライメントマークの像情報に対して複数のウインドウ幅Wでアライメントマークの位置ずれXw(n)を求め、信号処理部16内のメモリ上に一時的に格納する。全てのサンプルショットで検出信号を取得し、上記式8,9に、各サンプルショットでの位置情報(xi,yi)及びアライメントマーク設計位置(Xi,Yi)を代入して、AGAパラメータ(Sx、Sy、θx、θy、Bx、By)を求め、更に上記式7から残留誤差Riを求める。これらを全てのサンプルショット*処理ウインドウ幅Wについて行い、組合せNo.別にその結果がメモリ上に格納される。
【0071】
続いて、残留誤差が最小となる組合せNo.を選択し、そのAGAパラメータに基づいて各ショットの位置決めを行い、レチクル上のパターンをウエハ上に露光転写するる。
【0072】
なお、第1実施形態と異なる信号処理例として処理ウインドウ幅Wを変数にした信号処理について示したが、ウインドウの位置Cを変数にして、複数のウインドウ位置を用いて位置ずれを検出しても良く、更には、(C,W)の2つの変数を同時に変数として用いてもよい。
【0073】
このように、残留誤差Riが最小となるようなショットと信号処理の組合せを求めることにより、ウエハ上のショットに応じてそれぞれ最適な位置決めが自動的に選択され、ウエハプロセスおけるアライメントマークの検出誤差の低減を図ることができる。
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態のアライメントマーク位置の検出方法について説明する。
【0074】
アライメントマーク形状およびアライメント検出光学系は第1実施形態と同様のものが用いられ、アライメントマークの位置情報を算出する処理が第1、第2実施形態と異なる。
【0075】
図14は第3実施形態のアライメントマークの像情報の信号処理を説明する図であり、検出信号波形における波形の傾きが最大となる位置からアライメントマークの位置情報を算出する。
【0076】
先ず、検出信号を検出方向に微分する。ここでは、各画素±2画素分の計5画素分の領域で波形の傾きを求める。この微分された信号では、プラスとマイナス側にそれぞれ2つの計4つの極値が発生する。この極値の位置(P1、P2、P3、P4)を算出する場合、それぞれの極値を示す画素から数画素分の微分信号を用い、関数近似を行うことにより、1/10から1/50画素の分解能で極値の位置情報を検出できる。この微分信号で求めた極値P1は、左側の信号の外側の最大スロープ位置Loutに対応し、P2は左側の信号の内側の最大スロープ位置Linに対応し、P3は右側の信号の内側の最大スロープ位置Rinに対応し、P4は右側の信号の外側の最大スロープ位置Routに対応している。ここで、外側の信号スロープから求めたLout位置とRout位置の中心位置Mout=(Lout+Rout)/2を算出することにより、外側の信号スロープを用いたアライメントマークの位置情報を算出することができる。
【0077】
同様に、内側の信号から求めたLin位置とRin位置の中心位置Min=(Lin+Rin)/2を算出することにより、内側の信号スロープを用いたアライメントマークの位置情報を算出することができる。このように、1つのアライメントマークの検出信号から2つの異なる信号処理によって、アライメントマークの像情報から位置情報Mout,Minの2種類の算出結果を得ることができる。アライメントマークは図3または図4のように、4本のマークで構成されているため、それぞれのマークの像情報を同様に信号処理して、上記式2より、4本のマークの平均位置をXa(n)求める。ここでnは1または2で、それぞれMoutから求めた結果、Minから求めた結果に対応する。続いて、上記式3からウエハ上のアライメントマーク30の位置ずれXw(n)を求める。全てのサンプルショットで検出信号を取得し、上記式8,9に、各サンプルショットでの位置情報(xi,yi)、及びアライメントマーク設計位置(Xi,Yi)を代入して、AGAパラメータ(Sx、Sy、θx、θy、Bx、By)を求め、更に上記式7より、残留誤差Riを求める。この計算を全てのサンプルショットについて行い、組合せNo.別にその結果がメモリ上に格納される。
【0078】
続いて、残留誤差が最小となる組合せNo.を選択し、そのAGAパラメータに基づいて各ショットの位置決めを行い、レチクル上のパターンをウエハ上に露光転写する。
【0079】
なお、4本のマークの信号処理において、本実施形態では外側の信号スロープから求めた各マークの平均位置と内側の信号スロープから求めた各マークの平均位置を用いたが、この平均位置を求める際に、4本の各マーク毎に外側の信号スロープ、内側の信号スロープの組合せの平均位置Xa(n)を用いても良い。この場合の信号処理数nは16通りになる。
【0080】
このように、AGAの残留誤差Riが最小となるようなショットと信号処理の組合せを求めることにより、ウエハ上のショットに応じてそれぞれ最適な位置決めが自動的に選択され、ウエハプロセスによるアライメントマークの検出誤差の低減が図られる。
【0081】
以上説明したように、本実施形態では、ウエハ上の複数のサンプルショット内のアライメントマークの位置情報を算出する際に、複数の信号処理を用いて位置情報を算出し、AGAの残留誤差Riが最小となるようなサンプルショットと信号処理の組合せを求める。
【0082】
なお、アライメントマークの位置情報を算出するための信号処理は、本例で述べた信号処理に限定されることなく、スライス法など公知の他の信号処理を用いても同様の効果を奏することは明らかである。
[半導体生産システム]
次に、上記説明した位置検出装置を有する露光装置を利用した半導体等のデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産システムの例を説明する。これは、半導体製造工場に設置された製造装置のトラブル対応や定期メンテナンス、若しくはソフトウェア提供等の保守サービスを、製造工場外のコンピュータネットワーク等を利用して行うものである。
【0083】
図15は、全体システムをある角度から切り出して表現したものである。図中、101は半導体デバイスの製造装置を提供するベンダ(装置供給メーカ)の事業所である。製造装置の実例として、半導体製造工場で使用する各種プロセス用の半導体製造装置、例えば、前工程用機器(露光装置、レジスト処理装置、エッチング装置等のリソグラフィ装置、熱処理装置、成膜装置、平坦化装置等)や後工程用機器(組立て装置、検査装置等)を想定している。事業所101内には、製造装置の保守データベースを提供するホスト管理システム108、複数の操作端末コンピュータ110、これらを結んでイントラネット等を構築するローカルエリアネットワーク(LAN)109を備える。ホスト管理システム108は、LAN109を事業所の外部ネットワークであるインターネット105に接続するためのゲートウェイと、外部からのアクセスを制限するセキュリティ機能を備える。
【0084】
一方、102〜104は、製造装置のユーザとしての半導体製造メーカの製造工場である。製造工場102〜104は、互いに異なるメーカに属する工場であってもよいし、同一のメーカに属する工場(例えば、前工程用の工場、後工程用の工場等)であってもよい。各工場102〜104内には、夫々、複数の製造装置106と、それらを結んでイントラネット等を構築するローカルエリアネットワーク(LAN)111と、各製造装置106の稼動状況を監視する監視装置としてホスト管理システム107とが設けられている。各工場102〜104に設けられたホスト管理システム107は、各工場内のLAN111を工場の外部ネットワークであるインターネット105に接続するためのゲートウェイを備える。これにより各工場のLAN111からインターネット105を介してベンダ101側のホスト管理システム108にアクセスが可能となり、ホスト管理システム108のセキュリティ機能によって限られたユーザだけがアクセスが許可となっている。具体的には、インターネット105を介して、各製造装置106の稼動状況を示すステータス情報(例えば、トラブルが発生した製造装置の症状)を工場側からベンダ側に通知する他、その通知に対応する応答情報(例えば、トラブルに対する対処方法を指示する情報、対処用のソフトウェアやデータ)や、最新のソフトウェア、ヘルプ情報等の保守情報をベンダ側から受け取ることができる。各工場102〜104とベンダ101との間のデータ通信及び各工場内のLAN111でのデータ通信には、インターネットで一般的に使用されている通信プロトコル(TCP/IP)が使用される。なお、工場外の外部ネットワークとしてインターネットを利用する代わりに、第三者からのアクセスができずにセキュリティの高い専用線ネットワーク(ISDN等)を利用することもできる。また、ホスト管理システムはベンダが提供するものに限らずユーザがデータベースを構築して外部ネットワーク上に置き、ユーザの複数の工場から該データベースへのアクセスを許可するようにしてもよい。
【0085】
さて、図16は、本実施形態の全体システムを図15とは別の角度から切り出して表現した概念図である。先の例では、それぞれが製造装置を備えた複数のユーザ工場と、該製造装置のベンダの管理システムとを外部ネットワークで接続して、該外部ネットワークを介して各工場の生産管理や少なくとも1台の製造装置の情報をデータ通信するものであった。これに対し本例は、複数のベンダの製造装置を備えた工場と、該複数の製造装置のそれぞれのベンダの管理システムとを工場外の外部ネットワークで接続して、各製造装置の保守情報をデータ通信するものである。図中、201は製造装置ユーザ(半導体デバイス製造メーカ)の製造工場であり、工場の製造ラインには各種プロセスを行う製造装置、ここでは例として露光装置202、レジスト処理装置203、成膜処理装置204が導入されている。なお、図16では、製造工場201は1つだけ描いているが、実際は複数の工場が同様にネットワーク化されている。工場内の各装置はLAN206で接続されてイントラネット等を構成し、ホスト管理システム205で製造ラインの稼動管理がされている。一方、露光装置メーカ210、レジスト処理装置メーカ220、成膜装置メーカ230等、ベンダ(装置供給メーカ)の各事業所には、それぞれ供給した機器の遠隔保守を行うためのホスト管理システム211,221,231を備え、これらは上述したように保守データベースと外部ネットワークのゲートウェイを備える。ユーザの製造工場内の各装置を管理するホスト管理システム205と、各装置のベンダの管理システム211,221,231とは、外部ネットワーク200であるインターネット若しくは専用線ネットワークによって接続されている。このシステムにおいて、製造ラインの一連の製造機器の中のどれかにトラブルが起きると、製造ラインの稼動が休止してしまうが、トラブルが起きた機器のベンダからインターネット200を介した遠隔保守を受けることで迅速な対応が可能で、製造ラインの休止を最小限に抑えることができる。
【0086】
半導体製造工場に設置された各製造装置はそれぞれ、ディスプレイと、ネットワークインタフェースと、記憶装置にストアされたネットワークアクセス用ソフトウェアならびに装置動作用のソフトウェアを実行するコンピュータを備える。記憶装置としては内蔵メモリやハードディスク、若しくはネットワークファイルサーバ等である。上記ネットワークアクセス用ソフトウェアは、専用又は汎用のウェブブラウザを含み、例えば図17に一例を示す様な画面のユーザインタフェースをディスプレイ上に提供する。各工場で製造装置を管理するオペレータは、画面を参照しながら、製造装置の機種401、シリアルナンバー402、トラブルの件名403、発生日404、緊急度405、症状406、対処法407、経過408等の情報を画面上の入力項目に入力する。入力された情報はインターネットを介して保守データベースに送信され、その結果の適切な保守情報が保守データベースから返信されディスプレイ上に提示される。また、ウェブブラウザが提供するユーザインタフェースは、さらに図示の毎くハイパーリンク機能410,411,412を実現し、オペレータは各項目の更に詳細な情報にアクセスしたり、ベンダが提供するソフトウェアライブラリから製造装置に使用する最新バージョンのソフトウェアを引出したり、工場のオペレータの参考に供する操作ガイド(ヘルプ情報)を引出したりすることができる。ここで、保守データベースが提供する保守情報には、上記説明した本発明に関する情報も含まれ、また前記ソフトウェアライブラリは本発明を実現するための最新のソフトウェアも提供する。
【0087】
次に、上記説明した生産システムを利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図18は、半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す。ステップS1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップS2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップS3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップS4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップS5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップS4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組立て工程を含む。ステップS6(検査)ではステップS5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップS7)する。前工程と後工程はそれぞれ専用の別の工場で行い、これらの工場毎に上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされる。また、前工程工場と後工程工場との間でも、インターネットまたは専用線ネットワークを介して生産管理や装置保守のための情報がデータ通信される。
【0088】
図19は、上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップS11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップS12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を成膜する。ステップS13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップS15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップS16(露光)では上記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップS17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップS18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップS19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。各工程で使用する製造機器は上記説明した遠隔保守システムによって保守がなされているので、トラブルを未然に防ぐと共に、もしトラブルが発生しても迅速な復旧が可能で、従来に比べて半導体デバイスの生産性を向上させることができる。
【0089】
上記実施形態によれば、プロセス要因でウエハ平面度の欠陥があった場合には、強制露光が可能であることから、エッチング時に、周辺に正常に露光されたショットに及ぼす影響を最小限にすることができるため、ウエハの歩留まりが向上する。
【0090】
チャック要因でウエハ平面度の欠陥があった場合には、フォーカス制御エラーが発生した場所をウエハ枚葉間で記憶する機能を具備しているので、上記効果に加えてウエハチャックの汚染を速やかに発見することができる。
【0091】
また、床からの外乱等の影響でフォーカス制御エラーが発生した場合は、スキャン露光の前であれば露光を中止しリトライする機能を具備しているので、露光不良ショットの率を低減することができ、歩留まりが向上する。
【0092】
さらに、上記リトライや強制露光の判断を自動で行う機能を具備したことにより、オペレータの判断待ちで装置が停止している時間を最小限にすることができ、装置の稼働率が向上する。
【0093】
【他の実施形態】
本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(本発明の位置検出方法)を、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
【0094】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明のクレームでは、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0095】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0096】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
【0097】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明のクレームに含まれるものである。
【0098】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0099】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0100】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、グローバルアライメントを実行する上で、ショット間のアライメントマークの構造にばらつきがある場合においても、そのマーク構造に応じて最適な信号処理方法が自動的に選択されるため、半導体プロセスによるアライメントマークの構造変化などに影響を受けにくなり、アライメント精度を向上させることができ、半導体素子製造工程において歩止まりを向上させることができる。また、アライメントマークの形状を安定化させるために必要だった半導体プロセスの条件だしの時間を短縮化できるため、半導体素子製造の生産性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の半導体露光装置の概略図。
【図2】本実施形態のアライメント検出光学系の概略図。
【図3】第1実施形態のアライメントマーク位置の検出方法を示す図。
【図4】第2実施形態のアライメントマーク位置の検出方法を示す図
【図5】アライメントマークの検出信号を例示する図。
【図6】第1実施形態のアライメントマーク位置の検出に用いられるテンプレートを示す図。
【図7】ショット間でアライメントマークの検出信号が変化する様子を例示する図。
【図8】第1実施形態のアライメントマーク位置の検出における信号処理を示す図。
【図9】グローバルアライメントを説明する図。
【図10】線形座標変換と残留誤差を示す図。
【図11】第1実施形態のAGAパラメータと残留誤差の算出条件を示す図。
【図12】第1実施形態のアライメントマーク位置の検出手順を示すフローチャート。
【図13】第2実施形態のアライメントマーク位置の検出方法における信号処理を示す図。
【図14】第3実施形態のアライメントマーク位置の検出方法における信号処理を示す図。
【図15】本発明の一実施形態に係る露光装置を含む半導体デバイスの生産システムをある角度から見た概念図。
【図16】本発明の一実施形態に係る露光装置を含む半導体デバイスの生産システムを別の角度から見た概念図。
【図17】本発明の一実施形態に係る露光装置を含む半導体デバイスの生産システムにおけるユーザインタフェースの具体例を示す図。
【図18】本発明の一実施形態に係る露光装置によるデバイスの製造プロセスの流れを説明するフローチャート。
【図19】本発明の一実施形態に係る露光装置によるウエハプロセスを説明する図。
【符号の説明】
1 半導体露光装置
10 レチクル
11 縮小投影光学系
12 ウエハ
13 ウエハチャック
14 ウエハステージ
15 アライメント検出光学系
16 信号処理部
17 中央演算処理装置
18 光源
19,22 ビームスプリッタ
20,21 レンズ
23,24 イメージセンサ
30 アライメントマーク
Claims (9)
- 物体の複数の位置検出マークからの光を受光して当該物体の位置を検出する位置検出方法において、
前記受光した光から前記位置検出マークごとの像情報を得る像情報取得工程と、
複数の算出処理を持ち、当該複数の算出処理のそれぞれを用いて前記像情報から前記位置検出マークごとの位置情報を算出する位置情報算出工程と、
前記各位置情報に対応する位置検出マークの基準位置に対する誤差の情報を算出する誤差情報算出工程と、
前記複数の位置検出マークと前記複数の算出処理との全ての組み合わせに関して、前記誤差の情報から所定の誤差成分を除去した残留誤差の情報を算出する残留誤差情報算出工程と、
前記位置検出マークごとに、前記残留誤差が最小となる算出処理を前記複数の算出処理から求め、当該位置検出マークとそれに対応する算出処理との組み合わせを記憶する記憶工程と、
前記位置検出マークとそれに対応する算出処理との組み合わせの条件で算出された誤差の情報に基づいて前記物体の位置を検出する位置検出工程とを有することを特徴とする位置検出方法。 - 前記記憶工程では、前記残留誤差の平均2乗和が最小となる算出処理を求めることを特徴とする請求項1に記載の位置検出方法。
- 前記位置情報算出工程では、前記複数の算出処理は互いに異なる種類のテンプレートを使用し、前記複数の算出処理のそれぞれは、同じ種類の複数のテンプレートを使用し、前記像情報とその複数のテンプレートのそれぞれとの相関演算を行い、その複数のテンプレートのうち前記像情報と最も相関の高いテンプレートに基づいて、前記位置情報を算出し、
前記記憶工程では、前記位置検出マークごとに、前記残留誤差が最小となる種類のテンプレートを使用する算出処理を前記複数の算出処理から選択することにより、前記残留誤差が最小となる算出処理を求めることを特徴とする請求項1に記載の位置検出方法。 - 前記像情報には、前記1つの位置検出マークの両端部に対応して2つの極小値を持つ第1像情報と前記1つの位置検出マークの中心付近にのみ極小値を持つ第2像情報とが含まれ、
前記位置情報算出工程では、前記複数の算出処理は、その第1及び第2像情報のそれぞれに応じた互いに異なる種類のテンプレートを使用することを特徴とする請求項4に記載の位置検出方法。 - 前記テンプレートは、前記位置検出マークの検出方向に関して対称性を持つ複数のテンプレートを有することを特徴とする請求項5に記載の位置検出方法。
- 前記算出処理は、前記テンプレートに像情報をマッチングさせる方式、前記像情報における画素の重心位置情報から位置情報を算出する方式、前記像情報の微分値から位置情報を算出する方式のいずれか2つ以上を持つことを特徴とする請求項6に記載の位置検出方法。
- 物体の複数の位置検出マークからの光を受光して当該物体の位置を検出する位置検出装置において、
前記受光した光から前記位置検出マークごとの像情報を得る像情報取得部と、
複数の算出処理を持ち、当該複数の算出処理のそれぞれを用いて前記像情報から前記位置検出マークごとの位置情報を算出する位置情報算出部と、
前記各位置情報に対応する位置検出マークの基準位置に対する誤差の情報を算出する誤差情報算出部と、
前記複数の位置検出マークと前記複数の算出処理との全ての組み合わせに関して、前記誤差の情報から所定の誤差成分を除去した残留誤差の情報を算出する残留誤差情報算出部と、
前記位置検出マークごとに、前記残留誤差が最小となる算出処理を前記複数の算出処理から求め、当該位置検出マークとそれに対応する算出処理との組み合わせを記憶する記憶部と、
前記位置検出マークとそれに対応する算出処理との組み合わせの条件で算出された誤差の情報に基づいて前記物体の位置を検出する位置検出部とを有することを特徴とする位置検出装置。 - 請求項8に記載の位置検出装置により検出した位置情報に基づいて前記物体を位置決めするために駆動されるステージ装置を備え、当該ステージ装置は前記物体としての基板または原版あるいはその双方を位置決めすることを特徴とする露光装置。
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