JP4153738B2 - 収容ユニット用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、機器が収容される収容ユニット内を空調する収容ユニット用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
機器たとえば通信機器を屋外に設置する場合、機器を風雨や太陽光から守るため、収容ユニット(シェルタともいう)に機器が収容される。この収容ユニットはメンテナンス用の扉を有しているが、その扉は通常は閉じられているため、機器の発熱で収容ユニット内が高温度に上昇してしまう。
そこで、空気調和機を設置して収容ユニット内に冷却用空気を供給し、収容ユニット内を冷却して機器の発熱による温度上昇を抑える必要がある。設置される空気調和機として、収容ユニット内に設けられる室内ユニットおよび収容ユニット外に設けられる室外ユニットにより構成され、冷房およびその他の運転が可能な汎用型のたとえば業務用エアコンが用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
収容ユニット内に供給される冷却用空気は、機器から熱を奪うだけでなく、機器の筐体面や収容ユニットの内壁面に当たってその部位を冷却する。このため、機器の筐体面や収容ユニットの内壁面に厄介な結露が生じることがある。
【0004】
結露を防ぐ手段として、空気調和機における圧縮機の運転周波数を制御し、室内ユニットの吹出風の温度を調節する方法がある。
【0005】
ただし、空気調和機における圧縮機の運転周波数を外部から直接的に操作することは不可能であり、このため結露を防止しようとしても、その実現はなかなか難しいのが実情である。
【0006】
この発明は上記の事情を考慮したもので、その目的は、収容ユニット内の結露を確実に防止することができる信頼性にすぐれた収容ユニット用空調装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の収容ユニット用空調装置は、空気調和機の室内熱交換器を通った冷却用空気を通信機器が収容された収容ユニット内に供給し、その収容ユニット内の温度と設定値との差に応じて能力を制御する。そして、空気調和機における室内熱交換器の温度を検知し、その検知温度の情報および収容ユニット内の温度の情報をコントローラに供給する。コントローラは、通信機器の結露を防止するために収容ユニット内の温度が低くなるほど高くなる室内熱交換器の温度の目標値を設定し、その目標値と温度検知手段の検知温度との関係に応じて上記設定値を定め、その設定値への変更指令を空気調和機に送る。この変更指令により、設定値が変化して、空気調和機の能力が変化する。
【0010】
【発明の実施の形態】
[1]以下、この発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。 図1において、1は収容ユニットで、作業員出入用の扉2を開閉自在に有している。この収容ユニット1内に通信機器3が設置されている。通信機器3は、例えば公衆無線電話回線の中継用機器であり、運転に伴って発熱する発熱源を筐体内に有している。
【0011】
収容ユニット1内には、通信機器3のほかに、室内ユニット4が設置されている。この室内ユニット4は、収容ユニット1の天井面(あるいは壁面など)に取付けられ、冷媒管(複数本の冷媒管)5および電気ケーブル6を介して収容ユニット1外の室外ユニット7に接続されている。
【0012】
室内ユニット4は、室内熱交換器11、室内ファン12、室内温度センサ13、熱交換器温度センサ14、室内制御器15、ワイヤード式のリモートコントロール装置(以下、リモコンという)16などを有している。室内ファン12は、収容ユニット1内の空気を吸込み、その吸込空気を室内熱交換器11に通して収容ユニット1内に吹出す。室内温度センサ13は、室内ファン12により室内ユニット4に取込まれて室内熱交換器11に吸込まれる吸込空気温度Taをユニット内温度として検知する。
熱交換器温度センサ14は、室内熱交換器11の温度Tcを例えば冷凍サイクル保護のためのレリース制御用(運転周波数低減用)に検知することなどを本来の目的としているが、熱交換器温度Tcと当該室内ユニット4から吹出される冷却用空気の温度との相関関係が強いことから、冷却用空気の温度検知手段としても機能する。
【0013】
室内制御器15は、上記電気ケーブル6を介して室外ユニット7とのデータ送受信を行いながら、当該空気調和機の全般にわたる制御を行う。リモコン16は、運転モード(冷房/暖房/送風)の切替、室内温度設定値Tsの初期設定、運転の開始/停止などの各種操作を行うために用意されている。
【0014】
室外ユニット7は、収容ユニット1の外壁面に設けられた支持板上に設置され、図示していないが圧縮機、四方弁、室外熱交換器、膨張弁、室外ファンを有するとともに、室外制御器17を有している。この室外ユニット7の圧縮機、四方弁、室外熱交換器、膨張弁および室内ユニット4の室内熱交換器11が上記冷媒管5で接続されることにより、冷房運転および暖房運転が可能なヒートポンプ式冷凍サイクルが構成されている。
【0015】
この室内ユニット4および室外ユニット7からなる空気調和機は、いわゆる業務用エアコンとして多数台が製造・販売されている汎用型のもので、室内温度センサ13で検知される吸込空気温度(ユニット内温度)Taがリモコン16の操作による設定値Tsとなるように能力(圧縮機の運転周波数F)を制御する。
【0016】
一方、収容ユニット1の壁面に外気導入ファン20が設けられている。この外気導入ファン20は、収容ユニット1内の温度を検知する温度センサ21を付属して備え、その温度センサ21の検知温度が異常上昇(例えば41℃以上)した場合に動作し、収容ユニット1内に外気を導入する。
【0017】
収容ユニット1内の壁面に集中コントローラ30が取付けられ、この集中コントローラ30と室内ユニット4の室内制御器15とが信号線31により接続されている。
【0018】
集中コントローラ30は、少なくとも空気調和機の情報(運転状態、吸込空気温度Ta、熱交換器温度Tcなど)を管理局50のサーバ51に報知する報知機能を有しており、報知用の情報を付属の通信機32により通信回線40を介して管理局50のサーバ51に送信する。
【0019】
また、集中コントローラ30は、報知機能のほかに、少なくとも空気調和機に関する制御機能として次の(1)〜(3)の手段を備えている。
(1)熱交換器温度センサ14で検知される熱交換器温度Tcに応じて空気調和機の設定値Tsを制御する露付防止用の制御手段。
(2)空気調和機が冷房以外の状態にあるとき、収容ユニット内温度Taが所定値Tx以上になると、空気調和機の冷房運転を設定する制御手段。
【0020】
(3)空気調和機の運転が停止したとき、その空気調和機の送風をたとえば15分間実行させる制御手段。
【0021】
つぎに、上記の構成の作用を図2のフローチャートを参照しながら説明する。
収容ユニット1に通信機器3が収容されて通信機器3の運用が開始されるのと同時に、リモコン16で空気調和機の電源オン操作および冷房運転の開始操作が作業員により行われる。これにより、空気調和機の冷房運転が開始され、室内ユニット4から冷却用空気が吹出される。吹出された冷却用空気は、収容ユニット1内の空間を流れて通信機器3の筐体に流入し、筐体内の発熱源から熱を奪う。熱を奪って温度上昇した冷却用空気は通信機器3の筐体から排出され、室内ユニット4に吸込まれて再び冷却用の空気となる。
【0022】
空気調和機では、室内温度センサ13の検知温度(吸込空気温度)Taと設定値Tsとの差に応じて、圧縮機の運転周波数Fが制御される。すなわち、図3に示すように、検知温度Taが設定値Tsを中心とする所定範囲よりも高いところでは、検知温度Taが高いほど運転周波数Fが高めに設定されて冷房能力が増大される。検知温度Taが設定値Tsを中心とする所定範囲に収まると、そのときの運転周波数Fがそのまま保持される。検知温度Taが所定範囲よりも低いところでは、検知温度Taが低いほど運転周波数Fが低めに設定されて冷房能力が減少される。
【0023】
空気調和機の電源オン時(ステップ101のYES)、設定値Tsとして初期値たとえば37℃を設定するための指令が集中コントローラ30から室内制御器15に送られる(ステップ102)。この初期値37℃の設定は、電源オンから一定時間たとえば6分間が経過するまで、以下の制御にかかわらず保持される。
【0024】
空気調和機の情報として、空気調和機の状態、室内温度センサ13の検知温度(吸込空気温度)Ta、熱交換器温度センサ14の検知温度(熱交換器温度)Tcなどが集中コントローラ30により監視されており(ステップ103)、その監視結果が集中コントローラ30から管理局50に報知される(ステップ104)。
【0025】
集中コントローラ30には、図4に示すようなTcm設定条件のデータテーブルが予め記憶されている。このデータテーブルがユニット内温度Taに基づいて参照されることにより、熱交換器温度Tcに対する露付防止用の目標値(許容下限値)Tcmが設定される(ステップ105)。すなわち、吸込空気温度Taが低くなるほど、高めの目標値Tcmが設定される。なお、Tcm設定条件のデータテーブルは、収容ユニット1の設置場所の環境、室内温度センサ13の設置場所、空気調和機の据付け条件などに応じて適宜に変更される。
【0026】
そして、熱交換器温度Tcおよび目標値Tcmの関係に応じて空気調和機の設定値Tsが設定され、その設定値Tsへの変更指令が集中コントローラ30から室内制御器15に送られる。この変更指令により、空気調和機の設定値Tsが実際に変更される(ステップ106)。
すなわち、図5のTs変更条件に示すように、熱交換器温度Tcが目標値Tcmより高いPゾーンに在れば、結露の可能性が無いとの判断の下に、設定値Tsが所定時間たとえば数十秒毎に1Kずつ、徐々に下げられていく。この設定値Tsの低下により、圧縮機の運転周波数Fが上昇方向に制御され、冷房能力が増大される。なお、設定値Tsの下降限界として37℃が定められている。
熱交換器温度Tcが目標値Tcm以下のRゾーンに低下すると、結露の可能性が有るとの判断の下に、設定値Tsが所定時間毎に1Kずつ、徐々に上げられていく。この設定値Tsの上昇により、運転周波数Fが下降方向に制御され、冷房能力が減少される。この冷房能力の減少により、室内ユニット4から吹出される冷却用空気の温度低下が抑制され、通信機器3の筐体や収容ユニット1の内壁面への結露が防止される。なお、設定値Tsの上昇限界として40℃が定められている。
その後、熱交換器温度Tcが目標値Tcmより高くて“Tcm+2K”よりも低いQゾーンに入ると、そのときの設定値Tsが保持される。
【0027】
以上のように、収容ユニット1内の結露の可能性を室内ユニット4から吹出される冷却用空気と相関関係が強い熱交換器温度Tcから判別し、結露の可能性が無い場合は設定値Tsを下げてできるだけ冷房能力を増大させ、結露の可能性が有る場合は設定値Tsを上げて冷房能力を減少させることにより、収容ユニット1内を十分に冷却しながら、収容ユニット1内の結露を確実に防止することができる。
【0028】
メンテナンスのために作業員が扉2を開けて湿った外気が収容ユニット1内に流入した場合でも、室内ユニット4から吹出される冷却用空気が収容ユニット1内を循環し、冷却作用および結露防止の両方を満足する冷房が継続される。
【0029】
とくに、設定値Tsの変更という間接的な操作によって運転周波数Fを制御するので、室内ユニット4および室外ユニット7の既存の制御プログラムには何ら手を加える必要がなく、多数台が製造・販売されている汎用タイプの業務用空気調和機を露付き防止に有効に活用することができる。収容ユニットを専用に冷却する空気調和機を開発する場合に比べ、コストを大幅に低減することができる。
【0030】
しかも、設定値Tsの変更という間接的な操作によって運転周波数Fを制御するので、空気調和機に冷凍サイクル保護用のレリース制御(運転周波数制御)が存在する場合には、そのレリース制御を優先的に機能させることができ、空気調和機の運転および安全に関して高い信頼性を保つことができる。
【0031】
Ts変更に関する集中コントローラ30および空気調和機の制御体系を参考として図6に示している。
【0032】
一方、通信機器3のメンテナンスなどに際し、作業員のリモコン操作により、空気調和機で冷房以外の運転(暖房運転、送風運転、除湿運転等)が実行されることがある。たとえば、冬季のように外気温度が低い場合、暖房運転が実行されることがある。この場合、メンテナンスの終了後に作業員がリモコン操作によって冷房運転を再設定してくれればよいが、再設定がなされないまま作業員が収容ユニット1を去り、冷房以外の運転がいつまでも継続してしまうことが考えられる。
【0033】
このような冷房以外の運転が実行された場合には(ステップ107のYES)、ユニット内温度Taと設定値(例えば37℃)Txとが比較される(ステップ108)。冷房以外の運転が実行されたまま、ユニット内温度Taが設定値Tx以上に上昇すると(ステップ108のYES)、集中コントローラ30から室内ユニット4に対し冷房運転の設定が指令される(ステップ109)。この指令により、冷房運転が再開される。
【0034】
また、メンテナンス時の作業員のリモコン操作により、空気調和機の運転が停止されることがある。この運転停止に際しては(ステップ110のYES)、室内ファン12を15分間運転させるための指令が集中コントローラ30から室内ユニット4に出される(ステップ111)。この指令により室内ユニット4からの送風が継続し、今まで冷風が当たっていたところに継続して風が当たることになるので、結露を防ぐことができる。
【0035】
この室内ファン12の運転中、あるいは15分間が経過して室内ファン12が停止した後、検知温度Taが設定値Tx以上に上昇した場合には(ステップ108のYES)、上記同様、冷房運転の設定が集中コントローラ30から室内ユニット4に指令される(ステップ109)。この指令により、冷房運転が再開される。
【0036】
ただし、空気調和機の運転停止が異常によるものであれば、15分間の運転指令が出ても室内ファン12が動作しなかったり、冷房運転の設定指令が出ても冷房運転が再開されない事態となり、そのままでは収容ユニット1内の温度がどんどん上昇してしまう。
収容ユニット1内の温度が41℃以上に異常上昇すると、外気導入ファン20が動作し、外気が収容ユニット1内に導入される。この外気導入により、収容ユニット1内の異常温度上昇が抑制される。
【0037】
空気調和機の異常による運転停止は集中コントローラ30で監視されており(ステップ103)、その監視結果が外部の管理局50に報知される(ステップ104)。この報知に基づき、作業員が収容ユニット1に出向き、作業員による必要な処置が行われる。
【0038】
なお、室内温度センサ13で検知される吸込空気温度Taをユニット内温度として使用したが、図1に破線で示すように、室内ユニット4の室内制御器15から導出される延長式の室内温度センサ18を室内ユニット4から通信機器3に向かって流れる冷却用空気の流路に取付け、通信機器3の筐体に当たる直前の冷却用空気の温度Ta´をその室内温度センサ18で検知し、その検知温度Ta´をユニット内温度として使用するようにしても、同様に実施することができる。この場合、図4に示すTcm設定条件のデータテーブルにおける吸込空気温度Taが冷却用空気温度Ta´に置き換わった形のTa´専用のデータテーブルを用意すればよい。
【0039】
延長式の室内温度センサ18は、室内制御器15にコネクタ接続されている室内温度センサ13を取外し、その室内温度センサ13に替えて室内制御器15にコネクタ接続するだけの簡単な操作で差し替えが完了する。
【0040】
[2]第2の実施形態について説明する。
図7に示すように、収容ユニット1内の例えば床面に循環用ファン19が設置され、その循環ファン19が集中コントローラ30に信号線接続されている。
集中コントローラ30は、第1の実施形態における(3)の手段に代えて、次の(3a)を有している。
(3a)空気調和機の運転が停止したとき、循環用ファン19をたとえば15分間運転させる制御手段。
【0041】
このような構成によれば、メンテナンス時の作業員のリモコン操作によって空気調和機の運転が停止された場合でも、循環用ファン19が15分間運転して収容ユニット1内の空気が循環する。これにより、今まで冷風が当たっていたところに継続して風が当たることになるので、結露を防ぐことができる。
【0042】
空気調和機の運転停止が異常によるもので、空気調和機の送風が不可能な状況であっても、それにかかわらず、収容ユニット1内の空気を確実に循環させて収容ユニット1内の温度上昇を抑えることができる。
他の構成および作用効果は第1の実施形態と同じである。
【0043】
[3]第3の実施形態について説明する。
第1の実施形態では熱交換器温度センサ14の検知温度Tcを露付防止制御に用いたが、この第3の実施形態では、図8に示すように室内ユニット4から通信機器3に向かって流れる冷却用空気の流路に温度センサ60が設けられ、その温度センサ60の検知温度Tbおよび室内温度センサ13の検知温度(吸込空気温度)Taが露付防止制御に用いられる。温度センサ60の検知温度Tbは、通信機器3の筐体に当たる直前の冷却用空気の温度である。
【0044】
集中コントローラ30は、第1の実施形態における(1)の手段に代えて、次の(1a)を有している。
(1a)温度センサ60の検知温度Tbおよび室内温度センサ13の検知温度(吸込空気温度)Taに応じて空気調和機の設定値Tsを制御する露付防止用の制御手段。
この場合、集中コントローラ30にTbm設定条件のデータテーブルが予め記憶され、そのデータテーブルが吸込空気温度Taに基づいて参照されることにより、検知温度Tbに関する露付防止用の目標値(許容下限値)Tbmが設定される。すなわち、吸込空気温度Taが低くなるほど、高めの目標値Tbmが設定される。なお、Tbm設定条件のデータテーブルは、収容ユニット1の設置場所の環境、温度センサ60の設置場所、室内温度センサ13の設置場所、空気調和機の据付け条件などに応じて適宜に変更される。
【0045】
そして、検知温度Tbおよび目標値Tbmの関係に応じて空気調和機の設定値Tsが設定され、その設定値Tsへの変更指令が集中コントローラ30から室内制御器15に送られる。この変更指令により、空気調和機の設定値Tsが実際に変更される。このTs変更条件は、図5における熱交換器温度Tcを検知温度Tbと置換え、目標値TcmをTbmと置き換えて見ることにより、第1の実施形態におけるTs変更条件と同じパターンになる。
【0046】
すなわち、検知温度Tbが目標値Tbmより高いPゾーンに在れば、結露の可能性が無いとの判断の下に、設定値Tsが所定時間毎に1Kずつ、徐々に下げられていく。この設定値Tsの低下により、圧縮機の運転周波数Fが上昇方向に制御され、冷房能力が増大される。
検知温度Tbが目標値Tbm以下のRゾーンに低下すると、結露の可能性が有るとの判断の下に、設定値Tsが所定時間毎に1Kずつ、徐々に上げられていく。この設定値Tsの上昇により、運転周波数Fが下降方向に制御され、冷房能力が減少される。この冷房能力の減少により、室内ユニット4から吹出される冷却用空気の温度低下が抑制され、通信機器3の筐体や収容ユニット1の内壁面への結露が防止される。
その後、検知温度Tbが目標値Tbmより高くて“Tbm+2K”よりも低いQゾーンに入ると、そのときの設定値Tsが保持される。
【0047】
以上のように、収容ユニット1内の結露の可能性を通信機器3に向かって流れる冷却用空気の温度Tbから判別し、結露の可能性が無い場合は設定値Tsを下げてできるだけ冷房能力を増大させ、結露の可能性が有る場合は設定値Tsを上げて冷房能力を減少させることにより、収容ユニット1内を十分に冷却しながら、収容ユニット1内の結露を確実に防止することができる。
【0048】
Ts変更に関する集中コントローラ30および空気調和機の制御体系を参考として図9に示している。
他の構成および作用効果は第1の実施形態と同じである。
[4]その他の実施形態
上記各実施形態では、収容ユニット1に収容される機器として通信機器3を例に説明したが、コンピュータや家電機器など発熱を伴うものであれば他の機器が収容される場合についても同様に実施可能である。
その他、この発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、収容ユニット内の結露を確実に防止することができる信頼性にすぐれた収容ユニット用空調装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の構成を断面して示す図。
【図2】第1および第2の実施形態の作用を説明するためのフローチャート。
【図3】各実施形態における空気調和機の通常の運転周波数制御を示す図。
【図4】第1および第2の実施形態のTcm設定条件のデータテーブルのフォーマットを示す図。
【図5】第1および第2の実施形態のTs変更条件を示す図。
【図6】第1および第2の実施形態のTs変更に関する集中コントローラおよび空気調和機の制御体系を示す図。
【図7】第2の実施形態の構成を断面して示す図。
【図8】第3の実施形態の構成を断面して示す図。
【図9】第3の実施形態のTs変更に関する集中コントローラおよび空気調和機の制御体系を示す図。
【符号の説明】
1…収容ユニット、2…扉、3…通信機器(機器)、4…室内ユニット、7…室外ユニット、11…室内熱交換器、12…室内ファン、13…室内温度センサ、14…熱交換器温度センサ、15…室内制御器、16…リモコン、17…室外制御器、18…延長式の室内温度センサ、19…循環用ファン、20…外気導入ファン、21…温度センサ、30…集中コントローラ、31…信号線、32…通信機、40…通信回線、50…管理局、51…サーバ
Claims (3)
- 通信機器が収容される収容ユニット内を空調する収容ユニット用空調装置において、
室内熱交換器を通った冷却用空気を前記収容ユニット内に供給し、その収容ユニット内の温度と設定値との差に応じて能力を制御する空気調和機と、
前記室内熱交換器の温度を検知する温度検知手段と、
前記収容ユニット内の温度の情報および前記温度検知手段の検知温度の情報を受け、前記通信機器の結露を防止するために収容ユニット内の温度が低くなるほど高くなる前記室内熱交換器の温度の目標値を設定し、その目標値と温度検知手段の検知温度との関係に応じて前記設定値を定め、その設定値への変更指令を前記空気調和機に送るコントローラと、
を備えたことを特徴とする収容ユニット用空調装置。 - 請求項1に記載の収容ユニット用空調装置において、
前記収容ユニット内の温度は、前記機器に向かって流れる冷却用空気の温度であることを特徴とする収容ユニット用空調装置。 - 請求項1または2に記載の収容ユニット用空調装置において、
前記コントローラは、前記温度検知手段の検知温度が目標値より高い場合は設定値を下げ、前記温度検知手段の検知温度が目標値以下の場合は設定値を上げ、前記温度検知手段の検知温度が目標値以下から目標値とその目標値に所定値を加えた値の間に変化した時は、前記温度検知手段の検知温度が目標値に所定値を加えた値以上の値に変化するまでそのときの設定値保持することを特徴とする収容ユニット用空調装置。
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