JP4153144B2 - 塗布具付き容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布具と払拭部とを有する塗布具付き容器に関し、特に、ラメ材入りマスカラを睫毛に塗布するための塗布具付き容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、マスカラやアイライナー等のアイメークアップ用の化粧料が収容される容器は、化粧料を収容する容器本体とその容器本体を密閉する蓋体とで構成される。また、この蓋体には容器本体に収容された化粧料を取り出しこれを睫毛や眉等に塗布するための塗布具が設けられている(以下、このような容器を塗布具付き容器という。)。
【0003】
この塗布具付き容器には、使用時に塗布具に付着する余剰の化粧料を払拭し、適正量とするために、容器本体の開口部に払拭部が設けられている。そして、容器本体から塗布具を取り出す際に、塗布具が払拭部に擦りつけられることによって塗布具に付着した余剰の化粧料が払拭され、使用する化粧料が適正な量に調整される。
【0004】
例えば、化粧料としてマスカラを使用する場合、このような塗布具付き容器として、従来、図5に示すタイプや図6に示すタイプのものが用いられる。
【0005】
図5の塗布具付き容器1aの場合、塗布具2は、蓋体を兼用する柄部3と、軸部4と、軸部4に延出し軸部4より細径の芯線5aに樹脂製の短繊維5bが植毛されたブラシ状の塗布部5とで構成される。この場合、各短繊維5bの先端部を包摂する外周面の径d1は軸部4の径d2よりも大きく形成されている。一方、容器本体6は、樹脂製の有底円筒状であり、容器本体6の開口部には容器底部に向けて収縮して突設された略円錐状の軟質ゴム製のしごき(払拭部)7が設けられ、しごきの先端部は塗布具2の軸部4の径よりわずかに小さい径の開口部7aが形成され、この開口部7aは外力に応じて拡縮可能とされている。この場合、より拡縮自在とするために、開口部7aに容器底部に向けてスリットが形成されたものもある。
【0006】
塗布具2は、しごき7の開口部7aを挿通してマスカラの入った容器本体6に塗布部5および軸部4が収容されている。そして、マスカラが塗布部5および軸部4の外周全面に付着した塗布具2を容器本体6から引き出す際に、まず、軸部4の外周がしごき7の開口部7aに擦りつけられて軸部4に付着した余剰のマスカラが擦り落され、軸部4の外周には殆どマスカラの付着がない状態とされる。さらに、塗布部5がしごき7の位置に至ると、塗布部5の外形形状に倣って変形したしごき7の開口部7aに塗布部5の外周が擦りつけられて塗布部5の外周に付着した余剰のマスカラが擦り落され、塗布部5の短繊維5b間の隙間や短繊維5bの表面に所定量のマスカラが保持される。
【0007】
また、図6の塗布具付き容器1bの場合、図5の塗布具付き容器1aと異なる点は、塗布具2の塗布部5が図5のブラシ状の形状に代えて基部5cに多数の櫛歯5dが立設された櫛状に形成されていることである。なお、この場合、櫛状の塗布部5で睫毛を梳き易いように塗布部5は軸部4の端部において図6中上方に折れ曲がった状態に取り付けられている。
【0008】
図6の塗布具付き容器1bの場合においても上記図5の塗布具付き容器1aの場合と同様に作用し、しごき7が塗布具2の形状に倣って自在に変形するために、塗布部5の主として側面に付着した余剰のマスカラが擦り落され、櫛歯5d間の隙間に所定量のマスカラが保持される。
【0009】
上記の塗布具付き容器1a、1bに収容されるマスカラには、固形状と液状のものとがあるが前者の固形状のものについては最近は殆ど使用されておらず、後者の液状のものが多く使用されている。液状のマスカラには、油系と水系とがあり、使用者の好みに応じて使い分けられる。
【0010】
ところで、マスカラの中味として、睫毛を輝いて見せるために、金属光沢を有するラメ材を含むいわゆるラメ材入りマスカラが用いられることも多い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のラメ材入りマスカラを睫毛に塗布する場合、睫毛全体を輝いてみせるためには、睫毛にラメ材を確実に付着させた状態でマスカラを均一に塗布する必要がある。
【0012】
しかしながら、上記した従来の塗布具付き容器1a、1bでは、いずれも必ずしも好適な使用感を得ることができない。
【0013】
すなわち、図5の塗布具付き容器1aと図6の塗布具付き容器1bとを比較すると、前者の塗布具付き容器1aの場合、塗布具2へのマスカラの付着量は比較的充分な量確保され、睫毛に充分な量マスカラを塗布することができるものの、睫毛を梳いた際にうまく梳いてさばくことができず、マスカラが睫毛を固めたり玉になってついたりする不具合が起こり得る。また、このとき、梳いてさばく動作を必要以上に繰り返すと、付着したラメ材が剥離するおそれがある。これに対して後者の塗布具付き容器1bの場合、睫毛を梳いた際にうまく梳いてさばくことができるものの、塗布具2へのマスカラの付着量が比較的少ないため、睫毛に充分な量塗布することできず、このため、睫毛に対するラメ材の付着量が少なくなるおそれがある。
【0014】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、化粧料、特に、ラメ材入りマスカラのラメ材を確実に付着させた状態で均一に塗布して、輝きのあるメークを施すことができる塗布具付き容器を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る塗布具付き容器は、一端部が閉塞されて有底円筒状に形成され化粧料を収容するための容器本体と、該容器本体から化粧料を取り出して塗布するための塗布具と、該容器本体の他端部である開口部に設けられ該塗布具に付着した化粧料の一部を擦り落すための払拭部とを有する塗布具付き容器において、該塗布具は、柄部と、該柄部に延出した断面形状が円状の軸部と、該軸部に延出した基部および該基部に多数立設し該軸部の軸線に直角な方向の断面形状が山形状の櫛歯部を有する櫛部とを含み、該軸部および該櫛部は同軸に設けられ、該櫛部は該軸線に直角な方向の断面形状における幅が該軸部の径と同一の部分を含むとともに、該同一の部分以外の部分の幅が該軸部の径よりも小さく形成され、該払拭部は、該軸部および該櫛部を挿脱可能に摺接する円状の開口が形成された開口部を有し、該櫛部を挿脱する際に該開口部の原形状が維持される剛性材料で形成されてなることを特徴とする。
【0016】
ここで、払拭部の剛性の度合いは、櫛部の剛性を勘案した上で、実験等により、櫛部を挿脱する際に開口部の原形状が維持される範囲内で適宜設定することができる。また、容器本体の形状は円筒状であると好適であるが、楕円筒状や中空の直方体状であってもよい。また、払拭部の開口形状は軸部の断面形状と同じ円状であると好適であるが、これに限らず、楕円状や矩形状等の他の形状を排除するものではない。なお、塗布具は、柄部、軸部および櫛部を一体的に形成したものであってもよく、また、相互に着脱可能に形成したものであってもよい。
【0017】
これにより、塗布具を容器本体から引き出す際、まず、軸部が、対応する形状に形成された払拭部の開口部の開口に擦りつけられることにより軸部の外周に付着した化粧料が略全量擦り取られて櫛部の側に押し遣られる。ついで、櫛部が、払拭部の開口に擦りつけられることにより軸部から移動してきた化粧料および軸部の径と同一の寸法の幅を有する櫛部の部分の外側に付着した化粧料が軸部の径より小さい寸法の幅を有する櫛部の部分の外側に回り込んで付着し、その状態で櫛部が払拭部から引き抜かれる。したがって、櫛部には従来の塗布具の塗布部よりも多くの量の化粧料を付着させることができるため、従来よりも多量の化粧料を塗布することができるとともに、このとき、塗布具の塗布部が櫛状に形成されているため、化粧料を均一に塗布することができる。
【0018】
この場合、前記塗布具の前記櫛部は、前記基部を下にし前記櫛歯部を上に向けて配置した状態における前記軸線に直角な方向の該櫛部の断面形状が、滴下するしずく状に形成されてなると、流線状に形成された基部の外周が払拭部の開口部と広い範囲で摺接するため基部に付着した余剰の化粧料を確実に擦り落すことができて、塗布具取り扱い上好ましく、また、櫛歯部が山形であるため、うまく梳いてさばくことができる。
【0019】
また、この場合、前記払拭部は、樹脂材料により形成されてなると、塗布具を傷つけない程度の柔らかさと塗布具の余剰の化粧料を確実に擦り落すことが出来る程度の硬さを兼ね備えた材料を容易に選択することができ、好適である。但し、これに限らず、払拭部は硬質ゴムや金属等の材料を用いて形成してもよい。
【0020】
また、本発明に係る塗布具付き容器において、前記容器本体に収容される化粧料は、平均粒径が5〜5000μmのパール材を1〜15%、より好適には3〜10%含む構成とすると、このパール材を確実に付着した状態で均一に化粧料を塗布して、輝きのあるメークを施すことができる。なお、パール材の配合量の%は重量%である。
【0021】
ここで、パール材とは、メークアップ化粧料に配合される原料のうち光沢を有する有色粉粒状あるいは有色直方体状の原料をいい、天然あるいは合成の顔料や後述するラメ材を含む概念である。
【0022】
前記パール材は、ラメ材であり、また、前記化粧料は、マスカラであると、いわゆるラメ材入りマスカラを好適に塗布して、輝きのあるアイメークを施すことができる。
【0023】
ここで、ラメ材とは、金属光沢を有する略直方体状原料であり、アクリル系やポリエステル系等の樹脂フィルムに金属光沢のある色を着色し、これを細かに裁断したものをいう。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明に係る塗布具付き容器の好適な実施の形態(以下、本実施の形態例という。)について、図を参照して、以下に説明する。
【0025】
本実施の形態例に係る塗布具付き容器は、化粧料(中味)としてラメ材入りマスカラを容器本体に収容し、塗布具を用いて睫毛に塗布するためのものである。
ラメ材入りマスカラは、例えば、デキストリンやポリアクリル酸類等の増粘材を10〜15%程度含む水系マスカラの処方中に金属光沢を有する、一辺が5〜200μm程度の略直方体状のラメ材を好適には3〜10%程度加えたものである。したがって、この場合、ラメ材は、平均粒径換算でも約5〜200μm程度である。
【0026】
塗布具付き容器10は、図1(b)の一部破断した側面図に示すように、容器本体12と、塗布具14とで略構成される。
【0027】
容器本体12は、例えば、透明な樹脂材料を用いて、一端部が閉塞して底部とされ、他端部が縮径されるとともに開口部12aを有する段差のある円筒状に形成されている(図1(a)参照)。開口部12aの外周にはねじが切られている。なお、容器本体10の材料として金属類を用いてもよい。
【0028】
一方開口部12aの内側には、容器本体12の底側に向けて(図1(b)中X1方向に向けて)先端部が円錐状に縮径された円筒状のしごき(払拭部)16が固着されている。しごき16は、例えば、軟質ポリエチレン樹脂材料を用いて形成され、縮径された円錐状先端部である開口部16aは円状の開口を有する。図2に示すように、開口部16aの開口の径D1は後述する塗布具14を挿脱可能に摺接するのに適した、塗布具14の軸部20の径D2よりも僅かに大きな寸法とされている。
【0029】
軟質ポリエチレン樹脂材料からなるしごき16は、軟質ゴム等との比較において剛性材料であるといってよく、加えた荷重に対する変形量が小さい。したがって、しごきに軟質ゴム材料を用いた場合は、例えば、塗布具14の柄部18を図1(b)中下側(Y2方向)に傾けた状態で容器本体12から引き出すときに、開口部16aが塗布具14の各部の形状に倣って変形するとともに、さらに、Y1−Y2方向に変形するが、一方、本発明の開口部16aの形状は挿脱する塗布具14の軸部20、櫛部22の形状変化に倣って変化することは殆どなく、また、塗布具14の引き出し方向に沿って変化することも殆どない。
【0030】
なお、開口部16aの開口の形状は、円に代えて楕円あるいは矩形であってもよく、この場合、容器本体12および塗布具14の形状を考慮し、本発明の効果を奏することを実験等により確認した上で所望の形状さらには所望の寸法を適宜設定することができる。
【0031】
塗布具14は、例えば、ポリブチレンテレフタレート樹脂材料を用いて形成され、柄部18と、軸部20と、櫛部22とで構成される。なお、塗布具14は、金属等の他の材料を用いて形成してもよい。
【0032】
柄部18は、使用者が手指で塗布具14を把持するための部分であり、この場合、内蓋18aおよび外蓋18bからなり容器本体12の開口部12aを閉塞するための蓋体を兼用した構成とされ、柄部18の内蓋18aの内側に形成したねじと容器本体12の開口部12aの外側に形成した前記ねじとが係合する。
【0033】
軸部20は、円柱状、すなわち、断面形状が円状に形成され、この場合、柄部18の端部に柄部18と同軸に軸部20の一端部が固着され、図1(b)中X1方向に延出している。図2に示す軸部20の径D2は、上記したようにしごき16の開口の径D1より僅かに小さい寸法とされている。
【0034】
櫛部22は、軸部20と同軸に一体的に形成される。櫛部22は、軸部20に図1(b)中X1方向に延出する基部24と、基部24に図1(b)中Y1方向に多数立設した櫛歯部26a〜26nとで構成される。言いかえれば、櫛部22は、軸スリット状に形成されている。櫛部22は、図1(b)中X1方向側からみた断面形状、すなわち、軸部20の軸線に直角な方向の断面形状が、図1(b)中Y1方向からY2方向に向けて滴下するしずく状、あるいは涙(tear or teardrop)状に形成されている(図1(a)、図2の部分図II−II参照)。すなわち、櫛部22の断面形状は、基部24の外周が流線形あるいは略半円状であり、櫛歯部26a〜26nの外周が、図1(b)中Y1方向に隆起した山形状である。
【0035】
上記した断面形状を有する櫛部22は、図2の部分図II−IIに示すように、櫛歯部26i(26a〜26n)の高さ方向に向けた長さ、言いかえれば、断面形状における幅W1が最大寸法を有し、この幅W1は軸部20の径D2と略同一である。一方、櫛歯部26a〜26nの高さ方向以外の方向の長さ、言いかえれば、断面形状における、例えば、幅W2は、幅W1よりも小さい。
【0036】
上記のように構成される塗布具付き容器10の作用効果について以下説明する。
【0037】
ラメ材入りマスカラを塗布しないとき、塗布具付き容器10は、ラメ材入りマスカラを収容した容器本体12を塗布具14の柄部18で閉塞し、櫛部22および軸部20の一部をラメ材入りマスカラ中に浸漬した状態とされている。
【0038】
このとき、塗布具14の軸部20の長さ方向の一部は、図3(a)に示すように、断面形状円状の外周の全面に参照符号28で示すラメ材入りマスカラが略一定の厚みT1で付着した状態とされている。一方、櫛部22も、図4(a)に示すように、断面形状しずく状の外周の全面ににラメ材入りマスカラ28が略一定の厚みT2で付着した状態とされている。すなわち、櫛部22は、基部24の背部N(図2II−IIおよび図4(a)中下方向端部)および櫛歯部26a〜26nの頂部P(図2II−IIおよび図4(a)中上方向端部)ならびに左右側面部S1、S2(図2II−IIおよび図4(a)中左右両側)にいずれもラメ材入りマスカラ28が略同一の厚みT2で均一に付着した状態にある。また、図示しないが各櫛歯部26a〜26n間の隙間にもラメ材入りマスカラ28が付着し、保持されている。なお、厚みT1と厚みT2は略同じである。
【0039】
ラメ材入りマスカラ28を塗布するとき、塗布具付き容器10は、塗布具14の柄部18を手指で把持され、図1中X2方向に、塗布具14が、軸部20、櫛部22の順に容器本体12から引き抜かれる。
【0040】
まず、塗布具14は軸部20の外周がしごき16の開口部16aの開口に摺動し、軸部20に付着したラメ材入りマスカラ28が、図1中X1方向に擦り取られて、押し遣られる。このとき、図3(b)に示すように、軸部20の外周からラメ材入りマスカラ28が略全量剥離し、櫛部22の外周に押しやられるとともに、ラメ材入りマスカラ28の一部は直接にあるいは内壁を伝って容器本体12内に落下する。軸部20は、外周にラメ材入りマスカラ28の付着が殆どない状態とされる。
【0041】
ついで、塗布具14は櫛部22の外周がしごき16の開口部16aの開口に摺動し、櫛部22の外周に付着したラメ材入りマスカラ28が、図1中X1方向に擦り取られる。このとき、図4(b)に示すように、基部24の背部Nおよび櫛歯部26a〜26nの頂部Pに付着したラメ材入りマスカラ28が略剥離し、図4(b)中矢印で示すように、左右側面部S1、S2に回り込むとともに、ラメ材入りマスカラ28の一部は直接にあるいは内壁を伝って容器本体12内に落下する。
したがって、塗布具14は、軸部20および櫛部22の基部24の背部Nおよび櫛歯部26a〜26nの頂部Pに付着したラメ材入りマスカラ28が確実に除去されて、ラメ材入りマスカラ28の付着のない状態とされる。一方、しごき16によって擦り取られた軸部20および櫛部22の余剰のラメ材入りマスカラ28が塗布具14から完全に取り除かれることなく櫛部22の左右側面部S1、S2に付着し、保持されるため、塗布具14は、櫛部22の左右側面部S1、S2およびしごき16に触れることのない櫛歯部26aから26n間の隙間に多量のラメ材入りマスカラ28が付着した状態とされる。
【0042】
このようなラメ材入りマスカラ28付着状態にある塗布具14を用いてラメ材入りマスカラ28を睫毛に塗布すると、従来よりも多くのラメ材入りマスカラ28を塗布することができるとともに、このとき、櫛部22により、化粧料を均一に塗布することができる。したがって、ラメ材が睫毛によく載った状態でうまく梳いてさばくことができ、輝いたアイメークを施すことができる。
【0043】
【発明の効果】
請求項1に係る塗布具付き容器によれば、塗布具は、断面形状が円状の軸部と、基部および櫛歯部を有する櫛部とを含み、軸部および櫛部は同軸に設けられ、櫛部は軸線に直角な方向の断面形状における幅が軸部の径と同一の部分を含むとともに、同一の部分以外の部分の幅が軸部の径よりも小さく形成され、払拭部は、軸部および櫛部を挿脱可能に摺接する円状の開口が形成された開口部を有し、軟質ポリエチレン材料を用いて形成されてなるため、従来よりも多量の化粧料を塗布することができるとともに、化粧料を均一に塗布することができる。
【0044】
また、請求項1に係る塗布具付き容器によれば、櫛部は、基部を下にし、櫛歯部を上に向けて配置した状態における軸線に直角な方向の櫛部の断面形状が、滴下するしずく状に形成されてなるため、基部に付着した余剰の化粧料を確実に擦り落すことができて、塗布具取り扱い上好ましく、また、櫛歯部が山形であるため、うまく梳いてさばくことができる。
【0045】
また、請求項1に係る塗布具付き容器によれば、払拭部は、軟質ポリエチレン材料を用いて形成されてなるため、塗布具を傷つけない程度の柔らかさと塗布具の余剰の化粧料を確実に擦り落すことが出来る程度の硬さを兼ね備える。
【0046】
また、請求項2に係る塗布具付き容器によれば、容器本体に収容される化粧料は、平均粒径が5〜5000μmのパール材を1〜15%含む構成であるため、このパール材を確実に付着した状態で均一に化粧料を塗布して、輝きのあるメークを施すことができる。
【0047】
また、請求項3に係る塗布具付き容器によれば、パール材は、ラメ材であり、また、化粧料は、マスカラであるため、いわゆるラメ材入りマスカラを好適に塗布して、輝きのあるアイメークを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態例に係る塗布具付き容器を説明するためのものであり、図1(a)は図1(b)中(a)−(a)線上断面図であり、図1(b)は塗布具付き容器を一部破断して示す側面図である。
【図2】本実施の形態例に係る塗布具付き容器の塗布具およびしごきを一部省略して示す斜視図である。
【図3】本実施の形態例に係る塗布具付き容器の塗布具へのラメ材入りマスカラの付着状態を説明するためのものであり、図3(a)は容器本体中に収容された軸部の断面を示し、図3(b)は容器本体から引き出された軸部の断面を示す。
【図4】本実施の形態例に係る塗布具付き容器の塗布具へのラメ材入りマスカラの付着状態を説明するためのものであり、図4(a)は容器本体中に収容された櫛部の断面を示し、図4(b)は容器本体から引き出された櫛部の断面を示す。
【図5】従来の塗布具付き容器の一例の斜視図である。
【図6】従来の塗布具付き容器の他の一例の斜視図である。
【符号の説明】
10 塗布具付き容器
12 容器本体
12a、16a 開口部
14 塗布具
16 しごき
18 柄部
20 軸部
22 櫛部
24 基部
26a〜26n 櫛歯部
28 ラメ材入りマスカラ
Claims (3)
- 一端部が閉塞されて有底円筒状に形成され化粧料を収容するための容器本体と、
該容器本体から化粧料を取り出して塗布するための塗布具と、
該容器本体の他端部である開口部に設けられ該塗布具に付着した化粧料の一部を擦り落すための払拭部とを有する塗布具付き容器において、
該塗布具は、柄部と、該柄部に延出した断面形状が円状の軸部と、該軸部に延出した基部および該基部に多数立設し該軸部の軸線に直角な方向の断面形状が山形状の櫛歯部を有する櫛部とを含み、
該軸部および該櫛部は同軸に設けられ、
該櫛部は、該基部を下にし、該櫛歯部を上に向けて配置した状態における該軸線に直角な方向の断面形状が、滴下するしずく状に形成され、該軸線に直角な方向の断面形状における幅が該軸部の径と同一の部分を含むとともに、該同一の部分以外の部分の幅が該軸部の径よりも小さく形成され、
該払拭部は、該軸部および該櫛部を挿脱可能に摺接する円状の開口が形成された開口部を有し、軟質ポリエチレン材料を用いて形成されてなることを特徴とする塗布具付き容器。 - 前記容器本体に収容される化粧料は、平均粒径が5〜5000μmのパール材を1〜15%含むことを特徴とする請求項1に記載の塗布具付き容器。
- 前記パール材は、ラメ材であり、前記化粧料は、マスカラであることを特徴とする請求項2に記載の塗布具付き容器。
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