JP4152700B2 - 車椅子のアームレスト上下摺動構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は高さが調節できる車椅子のアームレスト上下摺動構造に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
近年、使用者の体型に合わせて組み立てられるユニット構造の車椅子(特許2620737号)や例えば図15に示すように車椅子の左右の巾が調節可能にされている車椅子(91)が提供されている(例えば特願2001−325007号)。このような場合、車椅子の左右の巾だけでなくアームレスト(92)の高さが調節できることが望ましい。
【0003】
【従来の技術】
そこで、例えば図16〜図17に示すように座梁フレーム(98)に縦に複数個のロック孔(97a)を有するガイドケース(97)を取付け部材(99)により取付け、該ガイドケース(97)に縦に複数個の係合孔(96a) を有するスライド板(96)を上下摺動可能に挿着し、該スライド板(96)により基台(95)を介してアームレスト(92)を支持する構成が提供されている。この構成では所望のロック孔(97a) と係合孔(96a) とを合わせて係止棒(93)を該ロック孔(97a) と係合孔(96a) に貫通させてスライド板(96)を固定してアームレスト(92)の高さを調節する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような構成では取付け部材(99)やスライド板(96)を備えるため重量が増え、またアームレスト(92)はスライド板(96)およびガイドケース(97)を介して座梁フレーム(98)により支持されるため剛性が弱く不安定になり易かった。また係止棒(98)の挿入、取り外しに手間がかかり不便であるという問題点があった。また係止棒(98)等が外部に露出し、使用上、衣服または手や腕が該係止棒(93)等に引っ掛かったりして危険であり、見栄えも悪くなるという問題点もあった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、車椅子(1) の両側面に取り付けられているアームレストフレーム(4) の上縁にアームレストサポート(65)を配置し、該アームレストサポート(65)の上縁にアームレスト(5) を支持した構成であって、該アームレストフレーム(4) の上辺は前側フレーム(41f) と後側フレーム(41r) とに分割され、該前側フレーム(41f) と後側フレーム(41r) の間にはガイド(61)が支持されており、該ガイド(61)にはスライド部材(62)が上下摺動可能に取り付けられ、該スライド部材(62)上縁に該アームレストサポート(65)が支持されて、該スライド部材(62)は所定の上下摺動位置で固定可能とされる車椅子のアームレスト上下摺動構造であって、該ガイド(61)は平形筒状であり、該ガイド(61)内側には複数個のロック孔(68a) を縦列したロック受け金具(68)が装着されており、該スライド部材(62)は該ガイド(61)に適嵌する形状の平形筒状であり、該スライド部材(62)にはリンク杆(63)の中間部が回動可能に取り付けられており、該リンク杆(63)の先端部にはピン(64)が枢着されており、該ガイド(61)の内側には前面または後面には該ピン(64)が嵌合するロック受け金具(68)のロック孔(68a) の複数個が上下方向で配設され、該リンク杆(63)の根端部は該アームレストサポート(65)に前後スライド可能に取り付けられているスライド杆(66)に枢着されている車椅子のアームレスト上下摺動構造を提供するものである
該アームレストフレーム(4)の後端は車椅子背もたれのフレーム(2a)に回動可能かつ着脱可能に取り付けられていることが望ましい。
【0006】
【作用】
本発明のアームレストフレーム(4) にはガイド(61)が取り付けられており、該ガイド(61)にはスライド部材(62)が上下摺動可能かつ固定可能に取り付けられているので、該スライド部材(62)を上下摺動および固定して所望の上下位置に調節できる。アームレスト(5) は該スライド部材(62)上縁に該アームレストサポート(65)を介して支持されているので、該アームレスト(5) を所望の高さに調節できる。
該アームレストフレーム(4)の上辺は前側フレーム(41f) と後側フレーム(41r) とに分割され、ガイド(61)が該前側フレーム(41f) と後側フレーム(41r) の間に支持されているので、アームレスト部(3) の側面には突出する部材がなく、衣服や手が引っ掛かかったり、巻き込まれることがなく、見栄えもよい。
【0007】
該ガイド(61)は平形筒状であり、該ガイド(61)内側には複数個のロック孔(68a) を縦列したロック受け金具(68)が装着されており、該スライド部材(62)は該ガイド(61)に適嵌する形状の平形筒状であり、該スライド部材(62)にはリンク杆(63)の中間部が回動可能に取り付けられており、該リンク杆(63)の先端部にはピン(64)が枢着されており、該ガイド(61)の内側には前面または後面には該ピン(64)が嵌合するロック受け金具(68)のロック孔(68a) の複数個が上下方向で配設され、該リンク杆(63)の根端部は該アームレストサポート(65)に前後スライド可能に取り付けられている構成では、スライド杆(66)を前後に摺動させると、該スライド杆(66)の先端に枢着されたリンク杆(63)が回動し、該リンク杆(63)の先端に枢着されたピン(64)がロック受け金具(68)のロック孔(68a) に嵌合したり、外れたりする。したがってスライド杆(66)を前後摺動させることによりスライド部材(62)を固定したり解除できる。そしてロック孔(68a) は複数個が上下方向で配設されているので、ピン(64)を所望のロック孔(68a) に嵌合させてスライド部材(62)を固定できる。したがって該スライド部材(62)の上端にアームレストサポート(65)を介して支持されたアームレスト(5) の高さをスライド杆(66)を前後に摺動させて調節できる。
【0008】
また該スライド部材(62)は平形筒状であるので、強度が高く軽量であり上下摺動に力が要らず、アームレスト上下摺動構造による重量の増加も抑制できる。
さらに該スライド杆(66)はアームレストサポート(65)に内挿されているので使用者が座ったままでも動かすことができる。したがってアームレスト(5) の高さ調節が簡単にできる。
またロック受け金具(68)およびリンク杆(63)やピン(64)等がガイド内側に装着されて外部に露出しないので見栄えがよい。
【0009】
該アームレストフレーム(4)の後端が車椅子背もたれのフレーム(2a)に回動可能かつ着脱可能に取り付けられていると、該アームレスト(3) を例えば車椅子(1) からベッド等に移動する場合に使用者や介助人の邪魔にならないように回動して跳ね上げることが出来、さらに該アームレスト(3) を跳ね上げ状態にしても使用者や介助人に干渉する場合やベッド等が干渉してアームレスト(3) を回動させることが出来ない場合には該アームレスト(3) を完全に車椅子(1) 両側から取り外すことが出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明を図1〜図9に示す一実施例によって説明すれば、図1および図2に示す車椅子(1) は左右一対の側枠(2) と該側枠(2) を連結する前後一対のX枠(26)と、該左右一対の即枠(2) の座梁フレーム(2b)間に差し渡されている座部(23)と、該座部(23)の両側に配置されている一対のアームレスト部(3) と、該左右一対の側枠(2) の背もたれフレーム(2a)間に差し渡されている背もたれ部(22)と、該左右一対の側枠(2) の背もたれフレーム(2a)の上端部をそれぞれ屈曲して形成されている把手部(21)と、該左右一対の側枠(2) の全部から下方に屈曲して差し出されているフットレスト支持フレーム(24)と、該フットレスト支持フレーム(24)の下端に横軸(24a) を介して跳ね上げ可能に枢着されているフットレスト(11)と、該左右一対の側枠(2) の前側側枠フレーム(2c)の下端に左右回動可能に取り付けられた軸受(25)に回転可能に支持されている前輪(12)と、該左右一対の側枠(2) の後側の下端に軸(27)を介して回動可能に取り付けられている後輪(13)とからなる。
【0011】
図3に示すように該アームレスト部(3) は、アームレストフレーム(4)と該アームレストフレーム(4) の上縁にスライド部材(62)を介して取り付けられているアームレストサポート(65)と該アームレストサポート(65)の上縁に取り付けられているアームレスト(5) とからなる。該アームレストフレーム(4) は略横L字形パイプのフレーム本体(41)と該フレーム本体(41)根端部から下方に延設されている略縦L字形の後縁フレーム(42)とからなり、該フレーム本体(41)の上辺は略中央部で前側パイプフレーム(41f) と後側パイプフレーム(41r) とに分割され、平形筒状のガイド(61)が該ガイド(61)の上部前後端に設けられた一対の嵌合凸部(61c,61c) が該前側パイプフレーム(41f) と後側パイプフレーム(41r) に嵌合内挿して該前側パイプフレーム(41f) と後側パイプフレーム(41r) の間に支持されている。また該ガイド(61)の底面は図3ロに示すように断面弓形に凹面(61b) を形成し、該凹面(61b) は側枠(2) の座梁フレーム(2b)に座部(23)を介して当接係合している。したがって該ガイド(61)は該前側パイプフレーム(41f)と後側パイプフレーム(41r) および座梁フレーム(2b)の3点を連結し該アームレスト部(3) の剛性を高めるとともに、ガイド(61)の安定して支持される。
さらに該ガイド(61)の前後には前側遮板(43)と後側遮板(44)とが張設されている。したがって、アームレスト部(3) の側面には突出する部材がなく、衣服や手が引っ掛かかったり、巻き込まれることがなく、見栄えもよい。
【0012】
該ガイド(61)の上面には略長楕円形の開口部(61a) が設けられており、該ガイドの内側の後壁には図4に示す例えば7個のロック孔(68a) を縦列したロック受け金具(68)が装着されている。該開口部(61a) には該開口部(61a) に略適嵌する横断面形状を有するスライドパイプ(62)が上下摺動可能に嵌挿されており、該スライドパイプ(62)の上端にはアームレストサポート(5) が取り付けられている。
【0013】
該スライドパイプ(62)の後側側面にはロック受け金具(68)のロック孔(68a) に対応する7個のロック孔(62a) が設けられ、また内側の一側面には図5〜図7に示すようにリンク杆(63)の中間部が軸(63p) を介して回動可能に取り付けられている。該リンク杆(63)の下端にはピン(64)が枢着され、該ピン(64)は該ロック孔(62a) およびロック受け金具(68)のロック孔(68a) のうちのそれぞれ選択された一つに嵌合している。
【0014】
また該スライドパイプ(62)の上端にはシリンダー状のアームレストサポート(65)が取り付けられており、該リンク杆(63)の上端は該アームレストサポート(65)の下面に設けられた孔(66c) を貫通して、該アームレストサポート(65)内においてスライド杆(66)の先端にブラケット(66b) と軸(66p) により枢着されている。
【0015】
該スライド杆(66)は芯棒本体(66a) と該芯棒本体(66a) の中間部が拡径されて形成された摺動ガイド(66g) とからなり、該摺動ガイド(66g) の根端側には該芯棒(66a) を先端側(ロック方向、図5矢印イ)に付勢する押スプリング(66s) および固定ガイド(66z) が嵌着されている。この状態で該芯棒(66a) はアームレストサポート(65)内に挿入され、該芯棒(66a) の先端にはアームレストサポート(65)の外側においてノブ(67)が取り付けられている。
【0016】
該アームレスト部(3)は、該アームレストフレーム本体(41)の前下端部(41a) が側枠(2) の前側側枠フレーム(2c)に、該アームレストフレーム本体(41)の後端が側枠(2) の背もたれフレーム(2a)にそれぞれ連結されて固定されている。
すなわち図8に示すように該アームレストフレーム本体(41)の前下端部(41a) は平坦状に潰され、嵌着溝(41b) が下縁から形成されており、左右一対のボルト(41c) によってロック孔(46a) を有し下縁が外側に屈曲されているロック片(46)の上縁部が該前下端部(41a) に枢着されており、該ロック片(46)は該ボルト(41c) の外側に嵌着されているスプリング(41d) によって内側に付勢されており、一方側枠(2) の前側側枠フレーム(2c)には係合ボルト(2A)が突設されている。そして該アームレストフレーム本体(41)の前下端部(41a) の嵌着溝(41d) に前側側枠フレーム(2c)の係合ボルト(2A)に係合して、該アームレストフレーム本体(41)の前下端部(41a) は前側側枠フレーム(2c)に固定されている。
【0017】
また図9に示すように該アームレストフレーム本体(41)の後端にはブラケット(47)が装着され、背もたれフレーム(2a)にはブラケット(29)が形成され、該ブラケット(47)にはキー溝(47k) が、該ブラケット(29)にはキー溝(29k) がそれぞれ設けられ、該キー溝(47k) とキー溝(29k) を重ね合わせてキー(48)を差込回して、該アームレストフレーム本体(41)後端は背もたれフレーム(2a)に固定されている。
【0018】
上記構成において、アームレストフレーム本体(41)は略横L字形のフレームであるので、車椅子(1) の使用者は該フレーム本体(41)の上辺と前辺とによって安定に支持されている。また該アームレスト部(3) の遮板(43,44) によって使用者の着衣がアームレスト(3) からはみだして後輪(13)等にまきこまれることは確実に防止される。
【0019】
該車椅子(1) のアームレスト(5) の高さを使用者に合わせて調節するには、ノブ(67)を後側に引く(図5矢印ロ方向)。そうするとスライド杆(66a) を介してリンク杆(63)の上端は後側に引かれ、リンク杆(63)は軸(63p) を支点にロック解除方向(図5矢印ハ方向)に回動し、該リンク杆(63)の下端は前方に移動し、該リンク杆(63)の下端に枢着されているピン(64)はロック受け金具(68)のロック孔(68a) から解離し、該スライドパイプ(62)のロックが解除される。したがって該スライドパイプ(62)は上下摺動可能になる。
【0020】
そこで該スライドパイプ(62)を上下に摺動させてアームレスト(5) を使用者の体型に適合した所望の高さに調節し、ノブ(67)を元に戻す。該スライド杆(66)は摺動ガイド(66g) および固定ガイド(66z) を介して押スプリング(66s) により付勢され前方に自然にスライドし、該スライド杆(66)を介して該リンク杆(63)は軸(63p) を支点にロック方向(図5矢印ニ方向)に回動し、ピン(64)の先端はロック受け金具(68)に当接する。この状態で該スライドパイプ(62)を上下に摺動させて、該ピン(64)の位置をロック孔(68a) に合わせてピン(64)をロック孔(68a) に嵌合する。このとき該ピン(64)はリンク杆(63)の先端に枢着されているので、該ピン(64)の先端は上下に摺動し、ロックおよび解離は無理なく行える。
【0021】
該車椅子(1) に人が左右いずれかの側から乗降する場合には、該アームレストフレーム(4) の前下端部の平坦部(51a) の嵌着溝(51b) に側枠(2) に係合している係合ボルト( 2A)を、ロック片(53)のロック孔(53i) を外側に指で開いて該ロック孔(53i)から係合ボルト(2A)をはずしてから、該アームレスト部(3) を少し持ち上げて該係合ボルト(2A)から嵌着溝(51b) をはずし、該アームレスト部(3) を背もたれフレーム(2a)を中心として側方へ回動させる。こうすればアームレスト部(3) が邪魔にならず、例えば病人や老人等が車椅子からベッドへ移ることが極めて容易に出来る。
【0022】
さらに該アームレストフレーム本体(41)の後端のブラケット(47)および背もたれフレーム(2a)のブラケット(29)に差し込まれているキー(48)を回して引き抜き、該アームレストフレーム本体(41)後端と背もたれフレーム(2a)の連結を解除して、該アームレスト部(3) を車椅子(1) から取り外す。したがってベッド等が干渉してアームレスト部(3) が側方に回動させられないときや回動させても依然として該アームレスト部(3) が邪魔なときは、該アームレスト部(3) を完全に車椅子(1) の両側から撤去することができる。
【0023】
アームレスト部(3)を戻すときは、アームレストフレーム本体(41)の後端のブラケット(47)を背もたれフレーム(2a)のブラケット(29)に合わせキー溝(47k,29k) を重ね合わせてキー(48)を差込み抜け止め位置に回して連結する。さらにアームレスト部(3) を若干持ち上げて該アームレストフレーム本体(41)の前下端の平坦部(41a) の嵌着溝(41b) を側枠(2) の前側側枠フレーム(2c)の係合ボルト(2A)に係合させる。該アームレストフレーム本体(41)のボルト(41c) に嵌合されているロック片(46)は下縁部が外側に屈曲されているから、該側枠(2) の係合ボルト(2A)によって外側へ押しのけられて、該係合ボルト(2A)が嵌着溝(41b) に係合し、それから該ロック片(46)はスプリング(41d) の付勢力により内側に戻され、該ロック片(46)のロック孔(46a) に該係合ボルト(2A)が嵌合する。このようにしてアームレスト部(3) は側枠(2) にしっかりと固定される。
【0024】
図10〜図12には他の実施例を示す。本実施例の車椅子(1')の側枠(2) の背もたれフレーム(2a)からは軸(81)が突設され、該軸(81)にはT形カラー(82)が嵌挿され、アームレストフレーム本体(41)は該カラー(82)を介して連結される。図10に示すように該T形カラー(82)は短筒状の回動フレーム(82a) と、該回動フレーム(82a) から延設されているカラー本体(82b) とからなり、該カラー本体(82b) 内面には図11に示すように受止段部(82c) が設けられ、該カラー本体(82b) の中間部にはキー溝(82d) が形成されている。またアームレストフレーム本体(41)の後端部にもキー溝(41k) が設けられている。
【0025】
該T形カラー(82)は、該T形カラー(82)の回動フレーム(82a) が側枠(2) の背もたれフレーム(2a)の軸(81)に垂直回転可能に嵌着され、袋ナット(85)、ワッシャー(84)を介して止着され、該T形カラー(82)のカラー本体(82b) にアームレストフレーム本体(41)の後端が内挿され、受止段部(82c) に受止される。このとき該カラー本体(82b) のキー溝(82k) とアームレストフレーム本体(41)のキー溝(41k) は重なり合うよう設定されており、該キー溝(82k,41k) にキー(83)を差し込んで回し、該アームレストフレーム本体(41)後端は背もたれフレーム(2a)に固定される。
【0026】
該T形カラー(82)は背もたれフレーム(2a)の軸(81)に垂直回転可能に嵌着されているので、該アームレストフレーム本体(41)の前下端部(41a) のロック片(46)のロック孔(46a) を側枠(2) の前側側枠フレーム(2c)の係合ボルト(2A)からはずし、該アームレスト部(3)を持ち上げて上方に回動させれば、該アームレスト部(3) は図12に示すように跳ね上げできる。さらに該アームレストフレーム本体(41)の後端を固定しているキー(83)を回して引き抜けば、該アームレストフレーム本体(41)の後端は背もたれフレーム(2a)から解除され、該アームレスト部(3) を完全に車椅子(1) の両側から撤去することができる。
【0027】
したがって本実施例のアームレスト連結構造によれば、従来、図18に示すように使用者が車椅子(93)からベッド等に移動する場合に、アームレスト(94)が邪魔にならないよう、該アームレスト(94)を例えば側方や上方に回動させることが出来る車椅子(93)が提供されていたが、回動させ跳ね上げたアームレスト(94)は依然として車椅子(93)の両側に存在しているので使用者や介助人の邪魔になったり、またベッド等が干渉して該アームレスト(93)の回動が出来ないことがあるという問題点も解決できる。
【0028】
図13および図14には本発明のさらに他の実施例を示す。
本実施例ではスライド板(71)にリンク杆(63)の中間部が軸(63p) により回動可能に枢着されており、該スライド板(71)がガイド(61)に嵌挿され、該スライド板(71)の上端にアームレストサポート(65)が支持されている。該リンク杆(63)の先端にはピン(64)が枢着されており、該ピン(64)がガイド(61)内側に装着されたロック受け金具(68)のロック孔(68a) に嵌合して、該スライド板(71)は固定される。
【0029】
本発明において、ロック受け金具はガイドの前面に取り付けられてもよく、その場合は押スプリングをアームレストサポートの前側に嵌着し、ノブを押してロックを解除する構成にすればよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明の車椅子のアームレスト上下摺動構造は、剛性が高く安全な構造でアームレストの高さを簡単に調節することが出来る。またアームレストを簡単に取り外すことが出来る。
【図面の簡単な説明】
図1〜図9は本発明の一実施例を示すものである。
【図1】 車椅子側面図
【図2】 車椅子正面図
【図3】 イ アームレスト部斜視図
ロ ガイド下部部分断面図
【図4】 ロック受け金具斜視図
【図5】 アームレストサポート支持機構説明斜視図
【図6】 アームレストサポート支持機縦断面図
【図7】 スライドパイプ固定状態のガイド横断面図
【図8】 アームレストフレーム本体前下端取付け分解説明斜視図
【図9】 アームレストフレーム本体後端取付け分解説明斜視図
図10〜図12は本発明の他の実施例を示すものである。
【図10】 アームレストフレームの後端取付け分解説明斜視図
【図11】 アームレストフレームの後端取付け状態断面図
【図12】 車椅子側面図
図13および図14は本発明のさらに他の実施例を示すものである。
【図13】 アームレスト部斜視図
【図14】 アームレストサポート支持機構説明斜視図
【図15】 従来例の車椅子正面図
図16および図17は他の従来例を示すものである。
【図16】 アームレストサポート支持機構斜視図
【図17】 アームレスト支持機構側面図
【図18】 さらに他の従来例の車椅子正面図
【符号の説明】
1 車椅子
2a 背もたれのフレーム
4 アームレストフレーム
5 アームレスト
41f 前側フレーム
41r 後側フレーム
61 ガイド
62 スライド部材(スライドパイプ、スライド板)
63 リンク杆
64 ピン
65 アームレストサポート
66 スライド杆
68 ロック受け金具
68a ロック孔

Claims (2)

  1. 車椅子の両側面に取り付けられているアームレストフレームの上縁にアームレストサポートを配置し、該アームレストサポートの上縁にアームレストを支持した構成であって、該アームレストフレームの上辺は前側フレームと後側フレームとに分割され、該前側フレームと後側フレームの間にはガイドが支持されており、該ガイドにはスライド部材が上下摺動可能に取り付けられ、該スライド部材上縁に該アームレストサポートが支持されて、該スライド部材は所定の上下摺動位置で固定可能とされている車椅子のアームレスト上下摺動構造であって、該ガイドは平形筒状であり、該ガイド内側には複数個のロック孔を縦列したロック受け金具が装着されており、該スライド部材は該ガイドに適嵌する形状の平形筒状であり、該スライド部材にはリンク杆の中間部が回動可能に取り付けられており、該リンク杆の先端部にはピンが枢着されており、該ガイドの内側には前面または後面には該ピンが嵌合するロック受け金具のロック孔の複数個が上下方向で配設され、該リンク杆の根端部は該アームレストサポートに前後スライド可能に取り付けられているスライド杆に枢着されていることを特徴とする車椅子のアームレスト上下摺動構造。
  2. 該アームレストフレームの後端は車椅子背もたれのフレームに回動可能かつ着脱可能に取り付けられている請求項1に記載の車椅子のアームレスト上下摺動構造。
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