JP4151800B2 - ノイラミン酸化合物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体内で優れたシアリダーゼ阻害活性を有し、ウイルス感染症(好適にはインフルエンザ)の治療若しくは予防(好適には治療)に有効なノイラミン酸化合物またはその薬理上許容される塩に関する。
【0002】
【従来の技術】
インフルエンザは、ウィルスの感染により引き起こされる疾病である。このウィルスが増殖する過程の一つに、細胞表面に出芽した子ウィルスが細胞から離脱する過程がある。該子ウィルスは、子ウィルス表面のヘマグルチニンを介して、細胞表面のシアル酸と結合している。該シアル酸を子ウィルス表面のシアリダーゼが分解することで、子ウィルスは細胞から離脱し、周辺の細胞に二次感染することとなる。従って、シアリダーゼを阻害することにより、子ウィルスの細胞表面からの離脱が阻止でき、二次感染を防止することができる。よって、シアリダーゼの阻害作用を有する物質は、インフルエンザの治療又は予防(好適には治療)に有効であると考えられる。
【0003】
シアリダーゼ阻害活性を有しシアル酸(ノイラミン酸)骨格を有する化合物としては、WO91/16320(特表平5−507068号)に記載されたものが知られている。そのうち、次式で示される化合物A(GG−167)は、インフルエンザの治療薬として開発が進められている。
【0004】
【化2】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、WO91/16320(特表平5−507068号)に記載された化合物A(GG−167)に比べて優れたインフルエンザ感染治療効果を有する誘導体の合成とその薬理活性について鋭意研究を行なった。その結果、化合物Aの7、8及び/又は9位の水酸基のアシル誘導体及び1位のカルボキシル基のエステル誘導体が、生体内で化合物Aと同様に優れたウイルス複製阻害活性及びシアリダーゼ阻害活性を示し、更に、インフルエンザウイルスを感染させたマウスに投与すると化合物Aに比べて優れた感染治療効果を示し、従って、抗インフルエンザ薬として有用であることを見出し本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のノイラミン酸化合物は、一般式
【0007】
【化3】
【0008】
[式中、R1はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1乃至4個のアルキル基を示し、R2、R3及びR4は同一又は異なって水素原子又は炭素数3乃至25個の脂肪族アシル基を示し、Wは水素原子又はエステル残基を示す。但し、R1がメチル基であり、かつ、R2、R3、R4及びWが水素原子である場合を除く。]
を有する。
【0009】
上記一般式(1)において:
R1の「ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1乃至4個のアルキル基」の「炭素数1乃至4個のアルキル基」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、tert-ブチル基があげられ、好適にはメチル基である。
【0010】
R1の「ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1乃至4個のアルキル基」の「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素、塩素、臭素原子があげられ、好適にはフッ素原子である。
【0011】
R1の「ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1乃至4個のアルキル基」の「ハロゲン原子で置換された炭素数1乃至4個のアルキル基」としては、例えばモノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、1−フルオロプロピル、2−フルオロプロピル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、モノクロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、1−クロロプロピル、2−クロロプロピル、3−クロロプロピル、4−クロロブチル、モノブロモメチル、1−ブロモエチル、2−ブロモエチル、1−ブロモプロピル、2−ブロモプロピル、3−ブロモプロピル、4−ブロモブチル、フロロクロロメチル基等があげられ、好適にはフッ素原子で置換されたメチル基であり、更に好適にはモノフルオロメチル又はジフルオロメチル基である。
【0012】
従って、R1の「ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1乃至4個のアルキル基」全体として、好適にはフッ素原子で置換されていてもよいメチル基であり、更に好適には、メチル、モノフルオロメチルまたはジフルオロメチル基であり、最も好適にはメチル基である。
【0013】
R2、R3及びR4の「炭素数3乃至25個の脂肪族アシル基」としては、例えば、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ピバロイル、バレリル、イソバレリル、オクタノイル、ノニルカルボニル、デシルカルボニル、3−メチルノニルカルボニル、8−メチルノニルカルボニル、3−エチルオクチルカルボニル、3,7−ジメチルオクチルカルボニル、ウンデシルカルボニル、ドデシルカルボニル、トリデシルカルボニル、テトラデシルカルボニル、ペンタデシルカルボニル、ヘキサデシルカルボニル、1−メチルペンタデシルカルボニル、14−メチルペンタデシルカルボニル、13,13−ジメチルテトラデシルカルボニル、ヘプタデシルカルボニル、15−メチルヘキサデシルカルボニル、オクタデシルカルボニル、1−メチルヘプタデシルカルボニル、ノナデシルカルボニル、アイコシルカルボニル、トリコシルカルボニル、テトラコシルカルボニルのようなアルキルカルボニル基があげられ、これらのうち好適には炭素数6乃至25個の脂肪族アシル基であり、更に好適には炭素数6乃至20個の脂肪族アシル基であり、特に好適にはヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、パルミトイル又はステアロイル基である。
【0014】
R2、R3又はR4全体としては、それぞれ、好適には水素原子又は炭素数6乃至25個の脂肪族アシル基であり、更に好適には水素原子又は炭素数6乃至20個の脂肪族アシル基であり、特に好適には水素原子、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、パルミトイル又はステアロイル基である。
【0015】
R2、R3およびR4の組み合わせとしては、
(a)R2が炭素数3乃至25の脂肪族アシル基(好適には炭素数6乃至25個の脂肪族アシル基であり、更に好適には炭素数6乃至20個の脂肪族アシル基であり、特に好適にはヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、パルミトイル又はステアロイル基)であり、R3およびR4が水素原子である組み合わせ、
(b)R3が炭素数3乃至25の脂肪族アシル基(好適には炭素数6乃至25個の脂肪族アシル基であり、更に好適には炭素数6乃至20個の脂肪族アシル基であり、特に好適にはヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、パルミトイル又はステアロイル基)であり、R2およびR4が水素原子である組み合わせ、
(c)R4が炭素数3乃至25の脂肪族アシル基(好適には炭素数6乃至25個の脂肪族アシル基であり、更に好適には炭素数6乃至20個の脂肪族アシル基であり、特に好適にはヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、パルミトイル又はステアロイル基)であり、R2およびR3が水素原子である組み合わせ、
(d)R2およびR3が炭素数3乃至25の脂肪族アシル基(好適には炭素数6乃至25個の脂肪族アシル基であり、更に好適には炭素数6乃至20個の脂肪族アシル基であり、特に好適にはヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、パルミトイル又はステアロイル基)であり、R4が水素原子である組み合わせ、
(e)R2およびR4が炭素数3乃至25の脂肪族アシル基(好適には炭素数6乃至25個の脂肪族アシル基であり、更に好適には炭素数6乃至20個の脂肪族アシル基であり、特に好適にはヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、パルミトイル又はステアロイル基)であり、R3が水素原子である組み合わせ、
(f)R3およびR4が炭素数3乃至25の脂肪族アシル基(好適には炭素数6乃至25個の脂肪族アシル基であり、更に好適には炭素数6乃至20個の脂肪族アシル基であり、特に好適にはヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、パルミトイル又はステアロイル基)であり、R2が水素原子である組み合わせ、
(g)R2、R3およびR4が炭素数3乃至25の脂肪族アシル基(好適には炭素数6乃至25個の脂肪族アシル基であり、更に好適には炭素数6乃至20個の脂肪族アシル基であり、特に好適にはヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、パルミトイル又はステアロイル基)である組み合わせ、
(h)R2、R3およびR4が水素原子である組み合わせ、
をあげることができる。
【0016】
これらの組み合わせうち、好適なものとして、(a)または(h)の組み合わせを挙げることができる。
【0017】
Wの「エステル残基」としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルヘプチル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、1−プロピルブチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5−メチルヘプチル、6−メチルヘプチル、1−プロピルペンチル、2−エチルヘキシル、5,5−ジメチルヘキシル、ノニル、3−メチルオクチル、4−メチルオクチル、5−メチルオクチル、6−メチルオクチル、1−プロピルヘキシル、2−エチルヘプチル、6,6−ジメチルヘプチル、デシル、1−メチルノニル、3−メチルノニル、8−メチルノニル、3−エチルオクチル、3,7−ジメチルオクチル、7,7−ジメチルオクチル、ウンデシル、4,8−ジメチルノニル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、3,7,11−トリメチルドデシル、ヘキサデシル、4,8,12−トリメチルトリデシル、1−メチルペンタデシル、14−メチルペンタデシル、13,13−ジメチルテトラデシル、ヘプタデシル、15−メチルヘキサデシル、オクタデシル、1−メチルヘプタデシル、ノナデシル、アイコシル、3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル、ヘナイコシル、ドコシル、トリコシル及びテトラコシル基のような「アルキル基」;エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−エチル−2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、1−メチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルのような「アルケニル基」;エチニル、2−プロピニル、1−メチル−2−プロピニル、2−メチル−2−プロピニル、2−エチル−2−プロピニル、2−ブチニル、1−メチル−2−ブチニル、2−メチル−2−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、1−エチル−3−ブチニル、2−ペンチニル、1−メチル−2−ペンチニル、2−メチル−2−ペンチニル、3−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルのような「アルキニル基」;トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−ブロモエチル、2−クロロエチル、2−フルオロエチル、2−ヨードエチル、3−クロロプロピル、4−フルオロブチル、6−ヨードヘキシル、2,2−ジブロモエチルのような「ハロゲノ低級アルキル基」;2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3,4−ジヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチルのような「ヒドロキシ低級アルキル基」;アセチルメチルのような「脂肪族アシル低級アルキル基」;ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、6−フェニルヘキシル、α−ナフチルジフェニルメチル、9−アンスリルメチルのような「1乃至3個のアリ−ルで置換された低級アルキル基」;4−メチルベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、3,4,5−トリメチルベンジル、4−メトキシベンジル、4−メトキシフェニルジフェニルメチル、2−ニトロベンジル、4−ニトロベンジル、4−クロロベンジル、4−ブロモベンジル、4−シアノベンジル、4−シアノベンジルジフェニルメチル、ビス(2−ニトロフェニル)メチル、ピペロニル、4−メトキシカルボニルベンジルのような「低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ、アルコキシカルボニルでアリ−ル環が置換されたアラルキル基」;トリメチルシリル、トリエチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、メチルジイソプロピルシリル、メチルジtert−ブチルシリル、トリイソプロピルシリル、メチルジフェニルシリル、イソプロピルジフェニルシリル、ブチルジフェニルシリル、フェニルジイソプロピルシリルのような「トリ(アルキル及び/又はフェニル)シリル基」;「生体内で加水分解のような生物学的方法により開裂し得る保護基」、すなわち、人体内で加水分解されて、フリーの酸又はその塩を生成するエステル、例えば、メトキシメチル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−(イソプロポキシ)エチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、1,1−ジメチル−1−メトキシメチル、エトキシメチル、n−プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、n−ブトキシメチル、tert−ブトキシメチルのような「低級アルコキシ低級アルキル基」;2−メトキシエトキシメチルのような「低級アルコキシ化低級アルコキシ低級アルキル基」;フェノキシメチルのような「アリールオキシ低級アルキル基」;2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチルのような「ハロゲン化低級アルコキシ低級アルキル基」;メトキシカルボニルメチルのような「低級アルコキシカルボニル低級アルキル基」;シアノメチル、2−シアノエチルのような「シアノ低級アルキル基」;メチルチオメチル、エチルチオメチルのような「低級アルキルチオメチル基」;フェニルチオメチル、ナフチルチオメチルのような「アリールチオメチル基」;2−メタンスルホニルエチル、2−トリフルオロメタンスルホニルエチルのような「ハロゲンで置換されてもよい低級アルキルスルホニル低級アルキル基」;2−ベンゼンスルホニルエチル、2−トルエンスルホニルエチルのような「アリールスルホニル低級アルキル基」;ホルミルオキシメチル、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、バレリルオキシメチル、イソバレリルオキシメチル、ヘキサノイルオキシメチル、1−ホルミルオキシエチル、1−アセトキシエチル、1−プロピオニルオキシエチル、1−ブチリルオキシエチル、1−ピバロイルオキシエチル、1−バレリルオキシエチル、1−イソバレリルオキシエチル、1−ヘキサノイルオキシエチル、2−ホルミルオキシエチル、2−アセトキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、2−ピバロイルオキシエチル、2−バレリルオキシエチル、2−イソバレリルオキシエチル、2−ヘキサノイルオキシエチル、1−ホルミルオキシプロピル、1−アセトキシプロピル、1−プロピオニルオキシプロピル、1−ブチリルオキシプロピル、1−ピバロイルオキシプロピル、1−バレリルオキシプロピル、1−イソバレリルオキシプロピル、1−ヘキサノイルオキシプロピル、1−アセトキシブチル、1−プロピオニルオキシブチル、1−ブチリルオキシブチル、1−ピバロイルオキシブチル、1−アセトキシペンチル、1−プロピオニルオキシペンチル、1−ブチリルオキシペンチル、1−ピバロイルオキシペンチル、1−ピバロイルオキシヘキシルのような「脂肪族アシルオキシ低級アルキル基」;シクロペンタノイルオキシメチル、シクロヘキサノイルオキシメチル、1−シクロペンタノイルオキシエチル、1−シクロヘキサノイルオキシエチル、1−シクロペンタノイルオキシプロピル、1−シクロヘキサノイルオキシプロピル、1−シクロペンタノイルオキシブチル、1−シクロヘキサノイルオキシブチルのような「シクロアルキルカルボニルオキシ低級アルキル基」;ベンゾイルオキシメチルのような「芳香族アシルオキシ低級アルキル基」;メトキシカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシメチル、プロポキシカルボニルオキシメチル、イソプロポキシカルボニルオキシメチル、ブトキシカルボニルオキシメチル、イソブトキシカルボニルオキシメチル、ペンチルオキシカルボニルオキシメチル、ヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ(シクロヘキシル)メチル、1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、1−プロポキシカルボニルオキシエチル、1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル、1−ブトキシカルボニルオキシエチル、1−イソブトキシカルボニルオキシエチル、1−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチル、1−ペンチルオキシカルボニルオキシエチル、1−ヘキシルオキシカルボニルオキシエチル、1−シクロペンチルオキシカルボニルオキシエチル、1−シクロペンチルオキシカルボニルオキシプロピル、1−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシプロピル、1−シクロペンチルオキシカルボニルオキシブチル、1−シクロヘキシルオキシカルボニルオキシブチル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、2−メトキシカルボニルオキシエチル、2−エトキシカルボニルオキシエチル、2−プロポキシカルボニルオキシエチル、2−イソプロポキシカルボニルオキシエチル、2−ブトキシカルボニルオキシエチル、2−イソブトキシカルボニルオキシエチル、2−ペンチルオキシカルボニルオキシエチル、2−ヘキシルオキシカルボニルオキシエチル、1−メトキシカルボニルオキシプロピル、1−エトキシカルボニルオキシプロピル、1−プロポキシカルボニルオキシプロピル、1−イソプロポキシカルボニルオキシプロピル、1−ブトキシカルボニルオキシプロピル、1−イソブトキシカルボニルオキシプロピル、1−ペンチルオキシカルボニルオキシプロピル、1−ヘキシルオキシカルボニルオキシプロピル、1−メトキシカルボニルオキシブチル、1−エトキシカルボニルオキシブチル、1−プロポキシカルボニルオキシブチル、1−イソプロポキシカルボニルオキシブチル、1−ブトキシカルボニルオキシブチル、1−イソブトキシカルボニルオキシブチル、1−メトキシカルボニルオキシペンチル、1−エトキシカルボニルオキシペンチル、1−メトキシカルボニルオキシヘキシル、1−エトキシカルボニルオキシヘキシルのような「(アルコキシカルボニルオキシ)アルキル基」;(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、[5−(4−メチルフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル、[5−(4−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル、[5−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル、[5−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル、(2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−エチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−プロピル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−イソプロピル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルのような「オキソジオキソレニルメチル基」;フタリジル、ジメチルフタリジル、ジメトキシフタリジルのような「フタリジル基」;フェニル、インダニルのような「アリール基」;及びカルボキシメチルのような「カルボキシアルキル基」をあげることができ、これらのうち好適には「アルキル基」であり、更に好適には炭素数1乃至18個のアルキル基である。
【0018】
R2、R3またはR4のひとつ以上が、炭素数3乃至25個の脂肪族アシル基である場合、Wの「エステル残基」は、好適には炭素数1乃至18個のアルキル基である。この場合、W全体としては、好適には水素原子又は炭素数1乃至18個のアルキル基であり、更に好適には水素原子である。
【0019】
R2、R3及びR4が全て水素原子である場合、Wの「エステル残基」は、好適には炭素数1乃至18個のアルキル基であり、更に好適には炭素数6乃至18個のアルキル基である。この場合、W全体としては、好適にはエステル残基であり、更に好適には炭素数6乃至18個のアルキル基である。
【0020】
「その薬理上許容される塩」としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩のようなアリ−ルスルホン酸塩、酢酸、トリフルオロ酢酸塩、りんご酸、フマ−ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩があげられ、好適にはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩並びに酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩のような有機酸塩及び塩酸塩、硫酸塩のような無機酸塩である。
【0021】
本発明の化合物のうち、好適なものとしては、以下の化合物をあげることができる。
【0022】
(1) R1が、フッ素原子で置換されていてもよいメチル基である化合物、
(2) R1が、メチル、モノフルオロメチルまたはジフルオロメチル基である化合物、
(3) R1が、メチル基である化合物、
(4) R2が、水素原子又は炭素数6乃至25個の脂肪族アシル基である化合物、
(5) R2が、水素原子又は炭素数6乃至20個の脂肪族アシル基である化合物、
(6) R2が、水素原子、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、パルミトイル又はステアロイル基である化合物、
(7) R3が、水素原子又は炭素数6乃至25個の脂肪族アシル基である化合物、
(8) R3が、水素原子又は炭素数6乃至20個の脂肪族アシル基である化合物、
(9) R3が、水素原子、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、パルミトイル又はステアロイル基である化合物、
(10) R4が、水素原子又は炭素数6乃至25個の脂肪族アシル基である化合物、
(11) R4が、水素原子又は炭素数6乃至20個の脂肪族アシル基である化合物、
(12) R4が、水素原子、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、パルミトイル又はステアロイル基である化合物、
(13) R2が、炭素数3乃至25個の脂肪族アシル基であり、R3及びR4が水素原子である化合物、
(14) R2が、炭素数6乃至25個の脂肪族アシル基であり、R3及びR4が水素原子である化合物、
(15) R2が、炭素数6乃至20個の脂肪族アシル基であり、R3及びR4が水素原子である化合物、
(16) R2が、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、パルミトイル又はステアロイル基であり、R3及びR4が水素原子である化合物、
(17) Wが、水素原子又は炭素数1乃至18個のアルキル基である化合物、
(18) Wが、水素原子である化合物、
(19) Wが、エステル残基である化合物、
(20) Wが、炭素数6乃至18個のアルキル基である化合物。
【0023】
また、上記(1)乃至(20)の化合物において選択された置換基R1、R2、R3、R4及びWを組み合わせて得られる化合物は更に好適であり、例えば、以下の化合物をあげることができる。
【0024】
(21) R2、R3及びR4が水素原子であり、Wがエステル残基である化合物、
(22) R2、R3及びR4が水素原子であり、Wが炭素数6乃至18個のアルキル基である化合物、
(23) R1がフッ素原子で置換されていてもよいメチル基であり、R2が炭素数3乃至25個の脂肪族アシル基であり、R3及びR4が水素原子であり、Wが水素原子又はエステル残基である化合物、
(24) R1がメチル基であり、R2が炭素数6乃至25個の脂肪族アシル基であり、R3及びR4が水素原子であり、Wが水素原子又は炭素数1乃至18個のアルキル基である化合物、
(25) R1がメチル基であり、R2が炭素数6乃至20個の脂肪族アシル基であり、R3、R4及びWが水素原子である化合物、
(26) R1がフッ素原子で置換されていてもよいメチル基であり、R2、R3及びR4が水素原子であり、Wがエステル残基である化合物、
(27) R1がメチル基であり、R2、R3及びR4が水素原子であり、Wが炭素数6乃至18個のアルキル基である化合物。
【0025】
以下に本発明の化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
【表1】
【0027】
【化4】
【0028】
上記例示化合物のうち、好適なものとしては、36,37,38,38a,39,39a,40,40a,41,41a,42,42a,43,43a,44,44a,45,45a,45b,45c,87,87a,87b,87c,87d,87e,87f,87g,88,88a,89,90,91,92,92a,93,94,94a,94b,214,215,216,217,218,219,220,221,222,223,265,266,267,268,269,270,271,272,393,394,395,396,397,398,399,400,401,402,444,445,446,447,448,449,450及び451の化合物を挙げることができる。
【0029】
さらに好適には、36,37,38,38a,39,39a,40,40a,41,41a,42,42a,43,43a,44,44a,45,45a,45b,45c,87,87a,87b,87c,87d,87e,87f,87g,88,88a,89,90,91,92,92a,93,94,94a,94b,219,220,221,222,269,270,271,272,398,399,400,401,448,449,450及び451の化合物を挙げることができる。
【0030】
最も好適には、以下の化合物を挙げることができる。
【0031】
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−ヘキサノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(例示化合物36)
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−オクタノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(例示化合物38)
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−デカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(例示化合物39)
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−ドデカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(例示化合物40)
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−ミリストイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(例示化合物41)
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−パルミトイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(例示化合物42)
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−ステアロイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(例示化合物43)
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ヘキシル(例示化合物87)
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ミリスチル(例示化合物88)
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸セチル(例示化合物89)
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ステアリル(例示化合物91)
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の化合物(1)の製造方法を記載する。
【0033】
本発明の化合物(1)は、以下に示すA、BまたはC法に記載された方法により、製造することができる。また、化合物(1)は後述のJ法によっても製造することができる。
【0034】
A及びB法で用いる原料化合物(2)は、以下に示すD法、E法、F法又はG法に記載された方法により製造することができる。また、C法で用いる原料化合物(5)は、以下に示すH法に記載された方法により製造することができる。
【0035】
A乃至J法の工程表で用いるR1、R2、R2a、R2b、R3、R3a、R4、R4a、R6、R7、R8、W、Wa、Me、Ac及びBocの意義は以下の通りである。
【0036】
すなわち、R1、R2、R3、R4及びWは前述のものと同意義を示し、
R2aは前述のR2と同意義を示すか又は水酸基の保護基(好適には、t−ブチルジメチルシリル基又はR3aの水酸基の保護基と一緒になってイソプロピリデン基)を示し、
R2bは水酸基の保護基(好適には、t−ブチルジメチルシリル基)を示し、
R3aは前述のR3と同意義を示すか又は水酸基の保護基(好適には、t−ブチルジメチルシリル基又はR2aの水酸基の保護基と一緒になってイソプロピリデン基)を示し、
R4aは前述のR4と同意義を示すか又は保護された水酸基(好適には、t−ブチルジメチルシリルオキシ基)を示し、
R6、R7及びR8は同一又は異なって炭素数3乃至25個の脂肪族アシル基を示し、
Waは前述のWと同意義を示すか又はカルボキシル基の保護基(好適には、メチル、エチル、ベンジル、アリル、メトキシメチル、メチルチオメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメトキシ又はジフェニルメチル基であり、さらに好適にはメチル、ベンジル又はジフェニルメチル基である)を示し、
Acはアセチル基を示し、
Bocはt−ブトキシカルボニル基を示し、
Meはメチル基を示す。
【0037】
以下、各方法について、その詳細を述べる。
【0038】
(A法)
【0039】
【化5】
【0040】
A法は、後述する方法により容易に入手し得る原料化合物(2)に、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルチオウレアを反応させて得られる化合物(3)の保護基を除去することにより、本発明の化合物(1)を製造する方法である。
【0041】
(A−1工程)
本工程は、不活性溶剤中、塩基及び塩化第二水銀の存在下、化合物(2)に、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルチオウレアを反応させて、化合物(3)を製造する工程である。
【0042】
使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドのようなアミド類があげられ、好適にはアミド類(特にN,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド)である。
【0043】
使用される塩基としては、トリエチルアミン、ジメチルアミノピリジンのような有機塩基が好適である。
【0044】
反応温度は、通常−10乃至50℃であり、好適には10乃至30℃である。
反応時間は、使用される原料、塩基、反応温度等により異なるが、通常1時間乃至24時間であり、好適には5乃至10時間である。
【0045】
反応終了後、例えば、反応液を減圧下ろ過して、不溶物を除き、水と酢酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。必要なら、さらに再結晶や各種クロマトグラフィーにより、目的物を精製することができる。
【0046】
(A−2工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(3)に、tert−ブトキシカルボニル基の除去のための試薬を反応させて、本発明の化合物(1)を製造する工程である。
【0047】
使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく、好適には、メタノール、エタノールのようなアルコール類、水又はこれらの混合溶剤である。
【0048】
除去に用いる試薬としては、酸が好適であり、その酸としては、通常の反応において酸触媒として使用されるものであれば特に限定はないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、燐酸のような無機酸又は酢酸、蟻酸、蓚酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸のような有機酸等のブレンステッド酸或いは塩化亜鉛、四塩化スズ、ボロントリクロリド、ボロントリフルオリド、ボロントリブロミドのようなルイス酸又は、酸性イオン交換樹脂をあげることができ、好適には有機酸(特に酢酸、トリフルオロ酢酸)である。
【0049】
反応温度は、通常−10乃至50℃であり、好適には10乃至30℃である。反応時間は、使用される原料、塩基、反応温度等により異なるが、通常15分乃至10時間であり、好適には1乃至5時間である。
【0050】
反応終了後、例えば、反応液を中和し、溶剤を減圧下留去して得られる残渣をシリカゲルクロマトにより精製することにより、目的物を得ることができる。
【0051】
なお、R2a、R3a又はR4aが水酸基の保護基であるか、あるいは、Waがカルボキシル基の保護基の場合には、さらにそれらの除去を行うことにより本発明の化合物(1)が得られる。
【0052】
保護基の除去方法は、保護基の種類により異なるが、通常用いる方法、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis, Second Edition (1991年、Green 等)に記載された方法で行うことができる。
【0053】
水酸基の保護基がtert-ブチルジメチルシリル基のようなトリアルキルシリル基の場合には、好適には、水及びテトラヒドロフランの混液中酢酸を用いるか、テトラヒドロフラン中テトラブチルアンモニウムフルオリドを用いる。
【0054】
水酸基の保護基がイソプロピリデン基の場合には、後述するE−2又はE−4工程の方法を用いる。
【0055】
カルボキシル基の保護基がジフェニルメチル基の場合には、接触還元を行うか、酢酸、トリフルオロ酢酸のような酸を用いるか、トリフルオロボラン−ジエチルエーテル錯体を用いる。
【0056】
カルボキシル基の保護基がベンジル基の場合には、接触還元を行ない、保護基がメチル基の場合には加水分解を行なう。
【0057】
(B法)
【0058】
【化6】
【0059】
B法は、後述する方法により容易に入手し得る原料化合物(2)に、シアノ化剤を反応した後、アンモニアを反応し、さらに所望により、保護基を除去することにより、本発明の化合物(1)を製造する方法である。
【0060】
(B−1工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(2)に、シアノ化剤を反応して、化合物(4)を製造する工程である。
【0061】
使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はなく、例えばメタノ−ル、エタノ−ル、n-プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、n-ブタノ−ル、イソブタノ−ル、t-ブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブのようなアルコ−ル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホランのようなスルホキシド類があげられ、好適には、アルコール類(特にメタノール)である。
【0062】
使用されるシアノ化剤としては、臭化シアンが好適であり、塩基として酢酸ナトリウムを同時に用いる。
【0063】
反応温度は、通常−10乃至50℃であり、好適には10乃至40℃である。
反応時間は、使用される原料、塩基、反応温度等により異なるが、通常15分乃至10時間であり、好適には1乃至5時間である。
【0064】
反応終了後、例えば、溶剤を留去して得られる残渣を、再結晶、シリカゲルクロマト等により精製することにより、目的物を得ることができる。
【0065】
(B−2工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(4)に、アンモニアを反応して、本発明の化合物(1)を製造する工程である。
【0066】
使用される溶剤としては、反応に影響を与えなければ特に限定はないが、アルコール類(特にメタノール)が好適である。
【0067】
反応温度は、通常−10乃至50℃であり、好適には10乃至40℃である。
反応時間は、使用される原料、塩基、反応温度等により異なるが、通常15分乃至10時間であり、好適には1乃至5時間である。
【0068】
反応終了後、例えば、溶剤を留去して得られる残渣を再結晶、シリカゲルクロマト等により精製することにより、目的物を得ることができる。
【0069】
なお、R2a、R3a又はR4aが水酸基の保護基であるか、あるいは、Waがカルボキシル基の保護基の場合には、A法と同様に、さらにそれらの除去を行うことにより本発明の化合物が得られる。
【0070】
(C法)
【0071】
【化7】
【0072】
C法は、後述する方法により容易に入手し得る原料化合物(5)の水酸基の一部又は全部をアシル化し、次いで得られる化合物の保護基を除去することにより本発明の化合物(1)を製造する方法である。
【0073】
(C−1工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(5)に、所望のアシル基を導入して、化合物(6)を製造する工程である。
【0074】
アシル化の方法には、以下のような方法1乃至3がある。
【0075】
<方法1>
一般式 RCO−Hal を有する化合物、又は、一般式 RCO−O−COR を有する化合物
[上記式中、
Rは、アルキル基を示し、Hal は、脱離基を示すが、斯かる脱離基とは、通常、求核残基として脱離する基であれば特に限定はないが、好適には、塩素、臭素、沃素のようなハロゲン原子;メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシのような低級アルコキシカルボニルオキシ基;クロロアセチルオキシ、ジクロロアセチルオキシ、トリクロロアセチルオキシ、トリフルオロアセチルオキシのようなハロゲン化アルキルカルボニルオキシ基;メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシのような低級アルカンスルホニルオキシ基;トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ペンタフルオロエタンスルホニルオキシのようなハロゲノ低級アルカンスルホニルオキシ基;ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、p−ニトロベンゼンスルホニルオキシのようなアリ−ルスルホニルオキシ基を挙げることができ、更に好適には、ハロゲン原子,ハロゲノ低級アルカンスルホニルオキシ基、及び、アリ−ルスルホニルオキシ基である。]と、化合物(5)とを、溶剤中、塩基の存在又は非存在下に、反応させる方法である。
【0076】
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類を挙げることができる。
【0077】
使用される塩基としては、通常の反応において塩基として使用されるものであれば、特に限定はないが、好適には、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンのような有機塩基類を挙げることができる。
【0078】
尚、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、4−ピロリジノピリジンは、他の塩基と組み合わせて、触媒量を用いることもでき、又、反応を効果的に行わせるために、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリドのような第4級アンモニウム塩類、ジベンゾ−18−クラウン−6のようなクラウンエーテル類等を添加することもできる。
【0079】
反応温度は、通常、−20℃乃至使用する溶媒の還流温度で行なわれるが、好適には、0℃乃至使用する溶媒の還流温度である。
【0080】
反応時間は、主に反応温度、原料化合物、使用される塩基又は使用される溶媒の種類によって異なるが、通常、10分間乃至3日間であり、好適には、1時間乃至6時間である。
【0081】
<方法2>
一般式 RCOOH を有する化合物[上記式中、Rは、前記と同意義を示す。]と、化合物(5)とを、溶剤中、「エステル化剤」及び触媒量の塩基の存在又は非存在下に、反応させる方法である。
【0082】
使用される「エステル化剤」としては、縮合剤;クロロ蟻酸メチル、クロロ蟻酸エチルのようなハロゲン化蟻酸エステル;シアノ燐酸ジエチルのようなシアノ燐酸ジエステルを挙げることができ、斯かる「縮合剤」としては、例えば、N−ヒドロキシサクシイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドのようなN−ヒドロキシ誘導体;2,2’−ジピリジルジサルファイドのようなジサルファイド化合物類;N,N’−ジサクシンイミジルカ−ボネートのようなコハク酸化合物類;N,N’−ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィニッククロライドのようなホスフィニッククロライド化合物類;N,N’−ジサクシンイミジルオキザレート(DSO)、N,N’−ジフタールイミドオキザレート(DPO)、N,N’−ビス(ノルボルネニルサクシンイミジル)オキザレート(BNO)、1,1’−ビス(ベンゾトリアゾリル)オキザレート(BBTO)、1,1’−ビス(6−クロロベンゾトリアゾリル)オキザレート(BCTO)、1,1’−ビス(6−トリフルオロメチルベンゾトリアゾリル)オキザレート(BTBO)のようなオキザレート誘導体;トリフェニルホスフィンのようなトリアリールホスフィン類、アゾジカルボン酸ジエチル−トリフェニルホスフィンのようなアゾジカルボン酸ジ低級アルキル−トリアリールホスフィン類等のトリアリールホスフィン類;N−エチル−5−フェニルイソオキサゾリウム−3’−スルホナートのようなN−低級アルキル−5−アリールイソオキサゾリウム−3’−スルホナート類;N’,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のようなN’,N’−ジシクロアルキルカルボジイミド類、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAPC)等のカルボジイミド誘導体;ジ−2−ピリジルジセレニドのようなジヘテロアリールジセレニド類;p−ニトロベンゼンスルホニルトリアゾリドのようなアリールスルホニルトリアゾリド類;2−クロル−1−メチルピリジニウム ヨーダイドのような2−ハロ−1−低級アルキルピリジニウム ハライド類;ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)のようなジアリールホスホリルアジド類;1,1’−オキザリルジイミダゾ−ル、N,N’−カルボニルジイミダゾ−ルのようなイミダゾール誘導体を挙げることができるが、好適には、ジアリールホスホリルアジド類である。
【0083】
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類を挙げることができる。
【0084】
使用される塩基としては、上記<方法1>において記載したのと同様の塩基を使用することができる。
【0085】
反応温度は、−20℃乃至80℃で行なわれるが、好適には、0℃乃至室温である。
【0086】
反応時間は、主に反応温度、原料化合物、反応試薬又は使用される溶媒の種類によって異なるが、通常、10分間乃至3日間で、好適には、30分間乃至1日間である。
【0087】
<方法3>
一般式 RCOOH を有する化合物[上記式中、Rは、前記と同意義を示す。]と、化合物(5)とを、溶剤中で、塩化燐酸ジエチルのようなハロゲン化燐酸ジアルキルエステル類及び塩基の存在下に、反応させる方法である。
【0088】
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチルのようなエステル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類を挙げることができる。
【0089】
使用される塩基としては、上記<方法1>において記載したのと同様の塩基を使用することができる。
【0090】
反応温度は、0℃乃至使用される溶媒の還流温度で行なわれるが、好適には、室温乃至50℃である。
【0091】
反応時間は、主に反応温度、原料化合物、反応試薬又は使用される溶媒の種類によって異なるが、通常、10分間乃至3日間で、好適には、30分間乃至1日間である。
【0092】
上記の<方法1>、<方法2>及び<方法3>において、使用するアシル化剤の化合物(5)に対する当量を適宜調整することにより、化合物(5)にアシル基が1乃至3個導入された化合物(6)を得ることができる。
【0093】
反応終了後、本反応の目的化合物(6)は常法に従って、反応混合物から採取される。
【0094】
例えば、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、水と酢酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、水洗後、目的化合物を含む有機層を分離し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。
【0095】
得られた目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈殿、又は、通常、有機化合物の分離精製に慣用されている方法、例えば、シリカゲル、アルミナ、マグネシウムーシリカゲル系のフロリジルのような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー法;セファデックスLH−20(ファルマシア社製)、アンバーライトXAD−11(ローム・アンド・ハース社製)、ダイヤイオンHP−20(三菱化学社製)ような担体を用いた分配カラムクロマトグラフィー等の合成吸着剤を使用する方法、又は、シリカゲル若しくはアルキル化シリカゲルによる順相・逆相カラムクロマトグラフィー法(好適には、高速液体クロマトグラフィーである。)を適宜組合せ、適切な溶離剤で溶出することによって分離、精製することができる。
【0096】
(C−2工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(6)におけるt−ブトキシカルボニル基を除去して、本発明の化合物(1)を製造する工程である。
【0097】
なお、本工程は、A−2工程と同様にして行うことができる。
【0098】
また、Waがカルボキシル基の保護基の場合には、A−2工程と同様にして、さらにそれらの除去を行うことにより本発明の化合物(1)が得られる。
【0099】
(D法)
【0100】
【化8】
【0101】
D法は、後述する方法により容易に入手し得る原料化合物(7)を用いて、A法及びB法の原料化合物の1つである化合物(2a)を製造する方法である。
【0102】
(D−1工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(7)に、塩基を反応させて、化合物(8)を製造する工程である。
【0103】
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;メタノ−ルがあげられ、好適にはハロゲン化炭化水素類又はメタノールである。
【0104】
使用される塩基としては、他の官能基(例えば、メチルエステル)に影響を与えないものであれば、特に限定はないが、好適には、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシドのようなアルカリ金属メトキシド類である。
【0105】
反応温度は、通常−10乃至50℃であり、好適には10乃至30℃である。反応時間は、使用される原料、塩基、反応温度等により異なるが、通常15分乃至10時間であり、好適には1乃至5時間である。
【0106】
反応終了後、例えば、反応液を塩酸/ジオキサン溶液で中和し、溶剤を減圧下留去して得られる残渣をシリカゲルクロマトにより精製することにより、目的物を得ることができる。
【0107】
(D−2工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(8)に、イソプロピリデン基を導入する試薬を反応させて、化合物(9)を製造する工程である。
【0108】
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えばヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンのようなケトン類があげられ、好適にはケトン類(特にアセトン)が好適である。
【0109】
使用される試薬としては、2,2−ジメトキシプロパンが好適であり、通常p−トルエンスルホン酸等の酸を触媒として用いる。
【0110】
反応温度は、通常−10乃至50℃であり、好適には10乃至30℃である。反応時間は、使用される原料、塩基、反応温度等により異なるが、通常15分乃至10時間であり、好適には1乃至5時間である。
【0111】
反応終了後、例えば、反応液に酢酸エチルのような水と混合しない溶剤と炭酸水素ナトリウム水を加え、目的物を酢酸エチル等で抽出し、溶剤を留去することにより目的物を得ることができる。必要なら、さらに再結晶や各種クロマトグラフィーにより、目的物を精製することができる。
【0112】
(D−3工程)
本工程は、所望により、1)カルボン酸メチル部分のメチル基を他のエステル残基で置換するか、2)カルボン酸メチル部分を加水分解するか、又は、3)2)の加水分解工程の後に、カルボキシル基の保護基又はエステル残基を導入する工程である。
【0113】
(エステル交換)
本工程は、不活性溶剤中、塩基の存在下、化合物(9)に、所望のエステル基を得ることができるアルコールを反応させて、化合物(10)を製造する工程である。
【0114】
使用される溶剤としては、反応を阻害しないものであれば、特に限定はないが、例えばヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;メタノ−ル、エタノ−ル、n-プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、n-ブタノ−ル、イソブタノ−ル、t-ブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブのようなアルコ−ル類があげられ、好適には、所望のエステル基を形成するアルコールを溶媒として用いるのがよい。
【0115】
使用される塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、4−N,N−ジメチルアミノピリジンのような有機塩基が好適である。
【0116】
反応終了後、例えば、反応液を酸で中和し、酢酸エチルのような水と混合しない溶剤を加え、目的物を酢酸エチル等で抽出し、洗浄後、溶剤を留去することにより目的物を得ることができる。必要なら、さらに再結晶や各種クロマトグラフィーにより、目的物を精製することができる。
【0117】
(ジフェニルメチル化)
本工程は、不活性溶剤中、ルイス酸の存在下、化合物(9)に、ジフェニルジアゾメタンを反応させて、化合物(10)を製造する工程である。
【0118】
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば、特に限定はないが、好適には、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、イソアミルアルコール、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブのようなアルコール類があげられ、さらに好適には、アルコール類(特にメタノール)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン)及びこれらの混合溶剤が挙げられる。
【0119】
使用されるルイス酸としては、好適にはトリフルオロボラン−エーテル錯体である。
【0120】
反応温度は、通常、0乃至50℃であり、好適には、室温である。
【0121】
反応時間は、出発物質、ルイス酸、反応時間により異なるが、通常、10分乃至5時間であり、好適には、1乃至3時間である。
【0122】
反応終了後、例えば、溶剤を留去し、再結晶又はクロマトグラフィにより精製することにより、目的物を得ることができる。
【0123】
(加水分解)
本工程は、不活性溶剤中、塩基の存在下、化合物(9)を加水分解して、Waが水素原子である化合物(10)を製造する工程である。
【0124】
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えばベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン類;水又はこれら有機溶剤と水との混合溶剤等があげられる。使用される塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩等があげられる。
【0125】
反応温度は、通常−10乃至50℃であり、好適には10乃至30℃である。反応時間は、使用される原料、塩基、反応温度等により異なるが、通常15分乃至10時間であり、好適には1乃至5時間である。
【0126】
反応終了後、例えば、反応液を冷却し、希塩酸等を用いて弱酸性にした後、反応液に酢酸エチルのような水と混合しない溶剤を加え、目的物を酢酸エチル等で抽出し、溶剤を留去することにより目的物を得ることができる。必要なら、さらに再結晶や各種クロマトグラフィーにより、目的物を精製することができる。
【0127】
(カルボキシル基の保護基又はエステル残基の導入)
本工程は、Waが水素原子である化合物(9)の1位カルボキシル基に保護基又はエステル残基を導入し化合物(10)を製造する工程である。
【0128】
保護基又はエステル残基の導入は、エステル残基又は保護基の種類によって異なるが、有機合成化学の分野において一般に用いられている方法、例えば、 Protective Groups in Organic Synthesis, Second Edition (1991年、Green 等)に記載された方法によって達成することができる。
【0129】
(D−4工程)
本工程は、不活性溶剤中、還元剤を用いて、化合物(10)から化合物(2a)を製造する工程である。
【0130】
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;メタノ−ル、エタノ−ル、n-プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、n-ブタノ−ル、イソブタノ−ル、t-ブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブのようなアルコ−ル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンのようなケトン類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホランのようなスルホキシド類;酢酸のような脂肪酸及びこれらと水との混合溶媒があげられ、好適にはアルコール類(特にメタノール)、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエ−テル類、酢酸のような脂肪酸又はこれらの有機溶媒と水との混合溶媒である。
【0131】
使用される還元剤としては、水素ガス存在下に、パラジウム炭素、白金、ラネ−ニッケルのような触媒を用いるのがよく、特にリンドラー触媒(Pd−BaSO4又はPd−CaCO3とキノリン又は酢酸第1鉛を組み合わせて用いる)が好適である。
【0132】
反応温度は、通常−10乃至50℃であり、好適には10乃至30℃である。
反応時間は、使用される原料、塩基、反応温度等により異なるが、通常15分乃至10時間であり、好適には1乃至5時間である。
【0133】
反応終了後、例えば、反応液を減圧下ろ過して、触媒を除き、溶剤を減圧下留去することにより目的物を得ることができる。必要なら、さらに再結晶や各種クロマトグラフィーにより、目的物を精製することができる。
【0134】
(E法)
【0135】
【化9】
【0136】
E法は、前述した方法により容易に入手し得る原料化合物(10)を用いて、A法及びB法の原料化合物の1つである化合物(2b)又は(2c)を製造する方法である。
【0137】
(E−1工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(10)に、所望のアシル基を導入して、化合物(12)を製造する工程である。
【0138】
なお、本工程は、前述のC−1工程と同様にして行うことができる。
【0139】
(E−2工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(12)を、イソプロピリデン基を除去して、化合物(13)を製造する工程である。
【0140】
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、メチレンクロリド、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類である。
【0141】
除去に用いる試薬としては、酸が好適であり、その酸としては、通常の反応において、酸触媒として使用されるものであれば特に限定はないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、燐酸のような無機酸又は蟻酸、蓚酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸のような有機酸等のブレンステッド酸或いは塩化亜鉛、四塩化スズ、ボロントリクロリド、ボロントリフルオリド、ボロントリブロミドのようなルイス酸又は、酸性イオン交換樹脂をあげることができ、好適には有機酸(特にトリフルオロ酢酸)である。
【0142】
反応温度は、通常−10乃至50℃であり、好適には10乃至30℃である。反応時間は、使用される原料、塩基、反応温度等により異なるが、通常15分乃至10時間であり、好適には1乃至5時間である。
【0143】
反応終了後、例えば、反応液を中和し、溶剤を減圧下留去して得られる残渣をシリカゲルクロマトにより精製することにより、目的物を得ることができる。
【0144】
なお、本工程において、7位のアシル基(R6)は9位に転移する。
【0145】
(E−3工程)
本工程は、不活性溶剤中、還元剤を用いて、化合物(13)から目的の原料化合物(2b)を製造する工程である。
【0146】
なお、本工程は、前述のD−4工程と同様にして行うことができる。
【0147】
(E−4工程)
本工程は、不活性溶剤中、酸触媒の存在下、化合物(12)を、イソプロピリデン基を除去する試薬で処理して、本発明の化合物(14)を製造する工程である。
【0148】
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、酢酸(同時に酸触媒としても利用される)及び水の混合溶剤が好適である。
【0149】
反応温度は、通常10乃至70℃であり、好適には30乃至60℃である。
【0150】
反応時間は、使用される原料、塩基、反応温度等により異なるが、通常15分乃至24時間であり、好適には10乃至20時間である。
【0151】
反応終了後、例えば、溶剤を減圧下留去し、反応液に酢酸エチルのような水と混合しない溶剤と炭酸水素ナトリウム水を加え、目的物を酢酸エチル等で抽出し、溶剤を留去することにより目的物を得ることができる。必要なら、さらに再結晶や各種クロマトグラフィーにより、目的物を精製することができる。
【0152】
(E−5)
本工程は、不活性溶剤中、還元剤を用いて、化合物(14)から目的の原料化合物(2c)を製造する工程である。
【0153】
なお、本工程は、前述のD−4工程と同様にして行うことができる。
【0154】
(F法)
【0155】
【化10】
【0156】
F法は、前述した方法により容易に入手し得る原料化合物(14)を用いて、A法及びB法の原料化合物の1つである化合物(2d)又は(2e)を製造する方法である。
【0157】
(F−1工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(14)に、水酸基を保護する試薬を反応させて、化合物(15)を製造する工程である。
【0158】
保護基としては、特に限定はないが、tert−ブチルジメチルシリル基又はtert−ブチルジフェニルシリル基が好適である。
【0159】
シリル化は通常の方法により行うことができる。例えば、ジメチルホルムアミド中、トリエチルアミンや4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジンのような塩基の存在下に、tert−ブチルジメチルシリルハライド(特にクロリド)を反応させることにより行うことができる。
【0160】
反応温度は、通常−10乃至50℃であり、好適には10乃至40℃である。
反応時間は、使用される原料、塩基、反応温度等により異なるが、通常15分乃至24時間であり、好適には10乃至20時間である。
【0161】
反応終了後、例えば、反応液に酢酸エチルのような水と混合しない溶剤と炭酸水素ナトリウム水を加え、目的物を酢酸エチル等で抽出し、溶剤を留去することにより目的物を得ることができる。必要なら、さらに再結晶や各種クロマトグラフィーにより、目的物を精製することができる。
【0162】
(F−2工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(15)に、所望のアシル基を導入して、化合物(16)を製造する工程である。
【0163】
なお、本工程は、C−1工程と同様にして行うことができる。
【0164】
(F−3工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(16)に、水酸基の保護基(好適にはtert−ブチルジメチルシリル基又はtert−ブチルジフェニルシリル基)を除去する試薬を反応して、化合物(17)を製造する工程である。
【0165】
使用される溶剤としては、好適には、メタノール、エタノールのようなアルコール類、水又はこれらの混合溶剤である。
【0166】
除去に用いる試薬としては、酸が好適であり、その酸としては、通常の反応において酸触媒として使用されるものであれば特に限定はないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、燐酸のような無機酸又は酢酸、蟻酸、蓚酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸のような有機酸等のブレンステッド酸或いは塩化亜鉛、四塩化スズ、ボロントリクロリド、ボロントリフルオリド、ボロントリブロミドのようなルイス酸又は、酸性イオン交換樹脂をあげることができ、好適には有機酸(特に酢酸、トリフルオロ酢酸である。
【0167】
所望により、テトラブチルアンモニウムフルオリドのようなフッ素イオンを生じる試薬を使用することもできる。
【0168】
反応温度は、通常−10乃至50℃であり、好適には10乃至30℃である。
反応時間は、使用される原料、塩基、反応温度等により異なるが、通常15分乃至10時間であり、好適には1乃至5時間である。
【0169】
反応終了後、例えば、反応液を中和し、溶剤を減圧下留去して得られる残渣をシリカゲルクロマトにより精製することにより、目的物を得ることができる。
【0170】
なお、本工程において、8位のアシル基(R7)は9位に転移する。
【0171】
(F−4工程)
本工程は、所望により、化合物(17)の8位の水酸基を、1)保護するか、又は、2)所望のアシル基を導入して、化合物(18)を製造する工程である。
(アシル基の導入)
本工程は、C−1工程と同様にして行うことができる。
【0172】
(保護基の導入)
保護基としては、tert- ブチルジメチルシリル基が好適であり、その保護基はメチレンクロリド中、tert- ブチルジメチルシリルトリフレート及びルチジンを用いて行う。
【0173】
(F−5工程)
本工程は、不活性溶剤中、還元剤を用いて、化合物(18)から目的の原料化合物(2d)を製造する工程である。
【0174】
なお、本工程は、D−4工程と同様にして行うことができる。
【0175】
(F−6工程)
本工程は、不活性溶剤中、還元剤を用いて、化合物(16)から目的の原料化合物(2e)を製造する工程である。
【0176】
なお、本工程は、D−4工程と同様にして行うことができる。
【0177】
(G法)
【0178】
【化11】
【0179】
G法は、前述の化合物(13)又は(14)を用いて、A法又はB法の原料化合物の1つである化合物(2f)又は(2g)を製造する方法である。
【0180】
(G−1工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(13)に、所望のアシル基を導入して、化合物(19)を製造する工程である。
【0181】
なお、本工程は、C−1工程と同様にして行うことができる。
【0182】
(G−2工程)
本工程は、不活性溶剤中、還元剤を用いて、化合物(19)から目的の原料化合物(2f)を製造する工程である。
【0183】
なお、本工程は、D−4工程と同様にして行うことができる。
【0184】
(G−3工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(14)に、所望のアシル基を導入して、化合物(20)を製造する工程である。
【0185】
なお、本工程は、C−1工程と同様にして行うことができる。
【0186】
(G−4工程)
本工程は、不活性溶剤中、還元剤を用いて、化合物(20)から目的の原料化合物(2g)を製造する工程である。
【0187】
なお、本工程は、D−4工程と同様にして行うことができる。
【0188】
(H法)
【0189】
【化12】
【0190】
H法は、Carbohydrate Research, 83,163-169(1980) 又はWO95/32955に記載された公知の化合物(26)を用いて、C法の原料化合物である化合物(5)を製造する方法である。
【0191】
(H−1工程)
本工程は、不活性溶剤中、公知の化合物(26)に、アジド化剤を反応させて、化合物(27)を製造する工程である。
【0192】
使用される溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;エ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエ−テル類又はアセトニトリルのようなニトリル類を挙げることができる。
【0193】
使用される試薬としては、通常、アジド化に使用されるものであれば特に限定はないが、好適には、ジフェニル燐酸アジドのようなジアリール燐酸アジド誘導体;トリメチルシリルアジド、トリエチルシリルアジドのようなトリアルキルシリルアジド類又はアジ化ナトリウム、アジ化カリウムのようなアジ化アルカリ金属塩類を挙げることができ、好適にはアジ化ナトリウムである。
【0194】
反応温度は、通常−10乃至50℃であり、好適には10乃至30℃である。
反応時間は、使用される原料、塩基、反応温度等により異なるが、通常15分乃至10時間であり、好適には1乃至5時間である。
【0195】
反応終了後、例えば、反応液を塩酸/ジオキサン溶液で中和し、溶剤を減圧下留去して得られる残渣をシリカゲルクロマトにより精製することにより、目的物を得ることができる。
【0196】
(H−2工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(27)に、t−ブトキシカルボニル化剤を反応させて、化合物(28)を製造する工程である。
【0197】
t−ブトキシカルボニル化は、不活性溶剤中(例えば、ベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、ジメチルホルムアミドのようなアミド類)、塩基(例えば、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン)の存在下、ジ−tert−ブチルジカーボネート又は、2−(tert−ブトキシカルボニルオキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリルを反応させることにより行うことができる。
【0198】
反応終了後、反応液を中和し、溶剤等を減圧下留去し、酢酸エチルのような水と混合しない溶剤と水を加え、目的物を酢酸エチル等で抽出し、溶剤を留去することにより目的物を得ることができる。必要なら、さらに再結晶や各種クロマトグラフィーにより、目的物を精製することができる。
【0199】
(H−3工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(28)に、塩基を反応して、化合物(29)を製造する工程である。
【0200】
なお、本工程は、D−1工程と同様にして行うことができる。
【0201】
(H−4工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(29)をアセチル化する工程である。
【0202】
アセチル化は、水酸基を保護するために行う通常の方法により行われる。例えば、1)ピリジン中、無水酢酸を反応させる、又は、2)メチレンクロリド中、塩基触媒(例えば、トリエチルアミン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン)の存在下、アセチルハライド(特にクロリド)を反応させることにより行うことができる。
【0203】
反応終了後、溶剤等を減圧下留去し、酢酸エチルのような水と混合しない溶剤と炭酸水素ナトリウム水を加え、目的物を酢酸エチル等で抽出し、溶剤を留去することにより目的物を得ることができる。必要なら、さらに再結晶や各種クロマトグラフィーにより、目的物を精製することができる。
(H−5工程)
本工程は、不活性溶剤中、第H−4工程で得られる化合物を、t−ブトキシカルボニル基を除去する試薬で処理して、化合物(30)を製造する工程である。
t−ブトキシカルボニル基の除去は通常の方法により行われる。
【0204】
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適には、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチルのようなエステル類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホランのようなスルホキシド類があげられ、好適にはハロゲン化炭化水素類(特にメチレンクロリド)である。
【0205】
使用される試薬としては、通常用いられるものであれば特に制限はないが、好適には塩酸である。
【0206】
反応温度は、通常−10乃至50℃であり、好適には10乃至30℃である。反応時間は、使用される原料、塩基、反応温度等により異なるが、通常15分乃至24時間であり、好適には1乃至10時間である。
【0207】
反応終了後、例えば、溶剤等を減圧下留去し、反応液に酢酸エチルのような水と混合しない溶剤と炭酸水素ナトリウム水を加え、目的物を酢酸エチル等で抽出し、溶剤を留去することにより目的物を得ることができる。必要なら、さらに再結晶や各種クロマトグラフィーにより、目的物を精製することができる。
【0208】
(H−6工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(30)に、所望のアシル基を導入し、化合物(7)を製造する工程である。
【0209】
なお、本工程は、C−1工程と同様にして行うことができる。
【0210】
(H−7工程)
本工程は、不活性溶剤中、還元剤を用いて、化合物(7)から化合物(32)を製造する工程である。
【0211】
なお、本工程は、D−4工程と同様にして行うことができる。
【0212】
(H−8工程)
本工程は、不活性溶剤中、塩基及び塩化第二水銀の存在下、化合物(32)に、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルチオウレアを反応させて、化合物(33)を製造する工程である。
【0213】
なお、本工程は、A−1工程と同様にして行うことができる。
【0214】
(H−9工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(33)に、塩基を反応させて、化合物(34)を製造する工程である。
【0215】
なお、本工程は、D−1工程と同様にして行うことができる。
【0216】
(H−10工程)エステル交換、加水分解、保護又はエステル化
本工程は、所望により、1)カルボン酸メチル部分のメチル基を他のエステル残基で置換するか、2)カルボン酸メチル部分を加水分解するか、又は、3)2)の加水分解工程の後に、カルボキシル基の保護基又はエステル残基を導入する工程である。
【0217】
なお、本工程は、D−3工程と同様にして行うことができる。
【0218】
本発明の化合物(1)は、上記にあげた以外の方法によっても、製造することができる。特に、場合により上記のA乃至H法の工程の順序を入れ換えることにより、本発明の化合物(1)を製造することも可能である。例えば、本発明の化合物(1)は、D法で中間体として得られる化合物(10)を用いて、以下に示すJ法によっても製造することができる。
【0219】
(J法)
【0220】
【化13】
【0221】
(J−1工程)
本工程は、必要に応じて行なう工程であって、不活性溶剤中、化合物(10)に所望のアシル基を導入して、化合物(35)を製造する工程である。
【0222】
本工程は、前述のC−1工程と同様にして行なうことができる。
【0223】
(J−2工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(35)に還元剤を作用させて、化合物(36)を製造する工程である。
【0224】
本工程は、前述のD−4工程と同様にして行なうことができる。
【0225】
(J−3工程)
本工程は、不活性溶剤中、塩基及び塩化第二水銀の存在下、化合物(36)に、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルチオウレアを反応させて、化合物(37)を製造する工程である。
【0226】
本工程は、前述のA−1工程と同様にして行なうことができる。
【0227】
(J−4工程)
本工程は、必要に応じて行なう工程であって、化合物(37)のカルボキシル基の保護基を除去し、化合物(38)を製造する工程である。
【0228】
保護基の除去方法は、保護基の種類により異なるが、通常用いる方法、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis, Second Edition (1991年、Green 等)に記載された方法で行うことができる。
【0229】
保護基がジフェニルメチル基の場合には、接触還元を行うか、酢酸、トリフルオロ酢酸のような酸を用いるか、トリフルオロボラン−ジエチルエーテル錯体を用いる。
【0230】
カルボン酸の保護基がベンジル基の場合には、接触還元を行ない、保護基がメチル、エチルのようなアルキル基の場合には加水分解を行なう。
【0231】
(J−5工程)
本工程は、不活性溶剤中、化合物(38)に、tert−ブトキシカルボニル基及びイソプロピリデン基の除去のための試薬を反応して、本発明の化合物(1j)を製造する工程である。
【0232】
本工程は、E−2工程と同様にして行なうことができる。
【0233】
このようにして得られるノイラミン酸化合物(1)又はその塩は、必要に応じてその他の薬理上許容される塩に変換することができる。
【0234】
本発明のノイラミン酸化合物(1)は、生体内に存在する加水分解酵素により加水分解を受け、優れたウイルス複製阻害活性及びシアリダーゼ阻害活性を示す。また、インフルエンザウイルスに感染したマウスに投与すると、WO91/16320(特表平5−507068号)に記載された化合物A(GG−167)と比較して、優れた感染治療効果を示す。従って、本発明のノイラミン酸化合物(1)はウイルス感染症(好ましくはインフルエンザ)の治療剤又は予防剤(好ましくは治療剤)として有用である。
【0235】
本発明のノイラミン酸化合物(1)の投与形態としては、例えば、水剤、水性共溶媒溶剤等の液剤、エアロゾール剤、散剤等による経口投与又は鼻内投与を挙げることができ、これらの製剤のうち、水剤および水性共溶媒溶剤等の液剤は精製水、薬理上許容される有機溶剤(例えば、エタノール、プロピレングリコール、PEG400等)、安定剤(メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸等)を用いて周知の方法により製造され、エアロゾール剤は、各種フロンガスおよび窒素ガス等の噴射剤、レシチン等の界面活性剤を用いて周知の方法により製造され、散剤は賦形剤(例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニット、ソルビットのような糖類;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α澱粉、デキストリン、カルボキシメチルデンプンのような澱粉類;結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース類;アラビアゴム;デキストラン;プルランのような有機系賦形剤:及び、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩類;燐酸カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤を挙げることができる。)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DL−ロイシン;脂肪酸ナトリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;及び、上記澱粉類を挙げることができる。)、安定剤(メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及び、ソルビン酸を挙げることができる。)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができる。)、希釈剤等用いて周知の方法で製造される。
【0236】
その主薬の使用量は症状、年齢、投与方法等により異なるが、例えば、水剤の場合には、主薬として、1日当り、下限として0.1mg(好ましくは、1mg)、上限として、1000mg(好ましくは、500mg)を、乾燥粉末の場合には、主薬として、1日当り、下限として0.1mg(好ましくは、1mg)、上限として、1000mg(好ましくは、500mg)を、エアロゾール剤の場合には、主薬として、1回当り、下限として0.1mg(好ましくは、1mg)、上限として、1000mg(好ましくは、500mg)を、1日当り1乃至数回、症状に応じて投与することが望ましい。
【0237】
以下に実施例、製剤例及び試験例をあげて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0238】
【実施例】
【0239】
【実施例1】
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ミリスチル トリフルオロ酢酸塩(E8)(例示化合物番号88)
【0240】
【化14】
【0241】
i) 5−アセトアミド−4−アジド−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E3)
5−アセトアミド−7,8,9−トリ−O−アセチル−4−アジド−2,3,4,5−テトラデオキシ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E1)(Mark von Itzstein et al., Carbohydr. Res., 244, 181-185(1993) 及び Carbohydr. Res., 259, 293-299(1993)記載の方法で合成)1.3g(2.8 mmol)を室温下、メタノール26ml(20 倍量)に溶解し、同条件下、触媒量のナトリウムメトキシドを系内に加え、そのまま1時間撹袢した。反応終了確認後、系内にダウエックス-50x8(H+)を加え、中和した後、反応液を濾過し、濾物をメタノールで洗浄した。濾液及び洗液を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(キーゼルゲル60, 100g, 塩化メチレン:メタノール=5:1)で精製し、化合物(E2)を620mg(収率:66%)の淡黄色固体として得た。
【0242】
Rf値 : 0.3(塩化メチレン:メタノール=5:1)。
【0243】
得られた化合物(E2)580mg(1.8 mmol) を室温下、アセトン29ml(50 倍量)に溶解し、続いて、氷冷下、2,2-ジメトキシプロパン0.7ml(5.2mmol)及びDL-10-カンファースルホン酸 42mg(0.18mmol) を系内に加え、室温下、1時間撹袢した。反応終了確認後、系内にトリエチルアミンを注加し、中和した後、反応液を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(キーゼルゲル60, 60g,ベンゼン:アセトニトリル = 1 : 1) にて精製し、標記化合物(E3)を540mg(収率: 84% )の白色固体として得た。
【0244】
Rf 値 : 0.76(ベンゼン:アセトニトリル = 1 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 5.97(1H, d, J=2.4Hz), 5.63(1H, d, J=7.1Hz), 4.36(1H, ddd, J=7.9, 6.4, 4.8Hz), 4.30-4.00(6H, m), 3.81(3H, s), 3.57(1H, dd, J=7.9, 5.3Hz), 2.12(3H, s), 1.40(3H, s), 1.36(3H, s);
[α]D 24=+122.4°(c=1.0, CHCl3)。
【0245】
ii) 5−アセトアミド−4−アジド−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(E4)
化合物(E3)460mg(1.2 mmol) を室温下、メタノール24ml(30 倍量) に溶解し、続いて、室温にて1M−水酸化ナトリウム水溶液2.9ml(1.4mmol)を系内に加え、室温下、1時間撹袢した。反応終了確認後、系内にDowex-50W を加え、中和した後、反応液を濾過し、濾物をメタノールで洗浄した。濾液及び洗液を合わせて、減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(キーゼルゲル60, 60g,酢酸エチル:2-プロパノール:水 = 2 : 2 : 1) にて精製し、標記化合物(E4) 0.44g( 収率 : 100%)の白色固体として得た。
【0246】
Rf 値 : 0.25 ( 酢酸エチル:2- プロパノール : 水 = 5 : 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD, TMS): δ(ppm) 5.72(1H, d, J=2.1Hz), 4.37(1H, dt, J=8.8, 5.5Hz), 4.27(1H, dd, J=6.9, 1.4Hz), 4.20-4.04(3H, m), 4.00(1H, dd, J=8.8, 5.0Hz), 3.54(1H, d, J=8.8Hz), 2.03(3H, s), 1.37(3H, s), 1.32(3H, s);
[α]D 24= +43.4°(c=0.53, MeOH)。
【0247】
iii) 5−アセトアミド−4−アジド−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ミリスチル(E5)
化合物(E4)460mg (1.2 mmol)、ミリスチルアルコール530mg(2.5mmol)及び2-ブロモ-1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート510mg(1.9mmol)をホルムアミド22ml(50 倍量) に溶解した。続いて、系内にトリノルマルブチルアミン0.9ml(3.8mmol)を注加し、50℃の油浴にて6 時間撹袢した。反応液を酢酸エチルと飽和食塩水で分液後、水層を酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (キーゼルゲル60, 100g, ベンゼン:酢酸エチル = 1 : 1) で精製し、標記化合物(E5)を0.19g(収率 : 28%) の白色固体として得た。
Rf 値 : 0.4( ベンゼン : 酢酸エチル = 1 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 5.95(1H, d, J=2.4Hz), 5.60(1H, d, J=7.0Hz), 4.36(1H, dt, J=7.7, 5.7Hz), 4.30-4.00(8H, m), 3.58(1H, d, J=7.7Hz), 2.12(3H, s), 1.69(2H, quintet, J=6.3Hz), 1.40(3H, s), 1.35(3H, s), 1.26(22H, bs), 0.88(3H, t, J=6.3Hz);
[α]D 24= +83.3°(c=0.54, CHCl3)。
【0248】
iv) 5−アセトアミド−4−アミノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ミリスチル(E6)
化合物(E5)134mg(0.24 mmol)を室温下、エタノール6.7ml(50倍量) に溶解し、続いて、室温下、リンドラー触媒47mg(0.35 倍量) を系内に加え、1気圧水素雰囲気下、室温で2時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を濾過し、濾物をエタノールで洗浄し、濾液及び洗液を合わせて減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (キーゼルゲル60, 60g, 酢酸エチル:2-プロパノール : 水 = 5 : 2 : 1)にて精製し、標記化合物(E6)を0.11g(収率 : 88%) の白色固体として得た。
【0249】
Rf 値 : 0.28 ( 酢酸エチル : 2- プロパノール : 水 = 8 : 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD, TMS): δ(ppm) 5.93(1H, d, J=2.6Hz), 4.31(1H, quintet, J=6.9Hz), 4.23-3.93(5H, m), 3.88(1H, t, J=9.0Hz), 3.67-3.50(2H, m), 2.05(3H, s), 1.68(2H, quintet, J=8.1Hz), 1.37(3H, s), 1.33(3H, s), 1.27(22H, bs), 0.88(3H, t, J=8.1Hz)。
【0250】
v)5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ミリスチル(E7)
化合物(E6)110mg(0.21 mmol)、N,N'-ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素72mg(0.26mmol)及びトリエチルアミン80ml(0.57mmol)を室温下、ジメチルホルムアミド22ml(50 倍量) に溶解した。続いて、系内に塩化水銀70.5mg (0.26mmol)を氷冷下加え、室温で2時間撹袢した。反応液を酢酸エチルで希釈後、セライトを用いて濾過し、濾物を酢酸エチルで洗浄した。得られた濾液及び洗液を合わせて酢酸エチル及び飽和食塩水を加えて分液後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 100g, ヘキサン:酢酸エチル = 3 : 2) にて精製し、標記化合物(E7)を120mg(収率 : 71%) の白色固体として得た。
【0251】
Rf 値 : 0.65(ヘキサン : 酢酸エチル = 3 : 2);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 11.4(1H, s), 8.63 (1H, d, J=7.8Hz), 7.99(1H, d, J=4.8Hz), 5.78(1H, d, J=2.4Hz), 5.32(1H, d, J=4.4Hz), 5.14(1H, tt, J=7.8, 1.6Hz), 4.40(1H, dt, J=10.6, 4.8Hz), 4.33-3.90(6H, m), 3.52(1H, dd, J=8.7, 3.9Hz), 2.02(3H, s), 1.64(2H, m), 1.52(9H, s), 1.49(9H, s), 1.43(3H, s), 1.36(3H, s), 1.26(22H, bs), 0.88(3H, t, J=6.7Hz);
[α]D 24= -20.9°(c:0.58, CHCl3)。
【0252】
vi) 5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ミリスチル トリフルオロ酢酸塩(E8)
化合物(E7)84mg(0.11 mmol) を室温下、塩化メチレン4.7ml(50倍量) に溶解し、続いて、室温でトリフルオロ酢酸0.85ml(10 倍量) を系内に加え、室温で22時間攪拌した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 15g, 酢酸エチル : 2- プロパノール : 水 = 8 : 2 : 1) にて精製し、標記化合物(E8)を82mg( 収率 : 88%) の白色固体として得た。
【0253】
Rf 値 : 0.6( 酢酸エチル : 2- プロパノール : 水 = 8 : 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD): d(ppm) 5.83(1H, d, J=2.7Hz), 4.44(1H, dd, J=9.0, 2.7Hz), 4.38(1H, dd, J=9.0, <1Hz), 4.18(2H, t, J=6.2Hz), 4.17(1H, t, J=9.0Hz), 3.90-3.74(2H, m), 3.68(1H, dd, J=12.0, 4.5Hz), 3.65(1H, d, J=9.0Hz), 1.99(3H, s), 1.67(2H, quintet, J=6.2Hz), 1.26(24H, bs), 0.87(3H, t, J=6.2Hz);
FAB-MS(positive): 529(M+H)+;
HR-MS: Calcd. for C26H49N4O7, 529.3597, Found 529.3605 (M+H)+。
【0254】
【実施例2】
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ヘキシル トリフルオロ酢酸塩(E12)(例示化合物番号87)
【0255】
【化15】
【0256】
i) 5−アセトアミド−4−アジド−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ヘキシル(E9)
化合物(E4)940mg (2.6mmol) 、1-ヘキサノール0.66ml(5.3mmol) 及び2-ブロモ-1−エチルピリジニウムテトラフルオロボラート1.1g(4.0mml)を室温下、ジメチルホルムアミド47ml(50 倍量) に溶解した。続いて、系内にトリノルマルブチルアミン1.9ml(8.0mmol)を注加し、50℃の油浴にて6 時間撹袢した。反応液に酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、得られた有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 150g、ベンゼン: アセトニトリル = 2 : 1) にて精製し、標記化合物(E9)を560mg(収率 : 44%) の淡茶色固体として得た。
【0257】
Rf 値 : 0.43(ベンゼン :アセトニトリル = 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 6.53(1H, d, J=6.9Hz), 5.92(1H, d, J=2.5Hz), 4.48(1H, bs), 4.41-4.29(2H, m), 4.24-4.00(7H, m), 3.63(1H, bd, J=7.3Hz), 1.70(2H, quintet, J=6.5Hz), 1.40(3H, s), 1.35(9H, bs), 1.30(3H, s), 0.89(3H, t, J=6.5Hz);
[α]D 24=+8°(c=0.4, CHCl3)。
【0258】
ii) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ヘキシル(E11)
化合物(E9)533mg(1.1 mmol) を室温下、エタノール25ml(50 倍量) に溶解し、続いて、室温にてリンドラー触媒190mg(0.35倍量) を系内に加え、1気圧水素雰囲気下、室温で2.5 時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を濾過し、濾物をエタノールで洗浄し、濾液及び洗液を合わせて減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 50g, 酢酸エチル : 2- プロパノール : = 5 : 2 : 1) にて精製し、標記化合物(E10)を303mg(収率 : 60%) の淡茶色フォーム状固体として得た。
【0259】
Rf 値 : 0.44(酢酸エチル : 2- プロパノール : 水 = 5 : 2 : 1) 。
【0260】
得られた化合物(E10)290mg(0.63 mmol)、N,N'-ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素210mg(0.75mmol) 及びトリエチルアミン0.22ml(1.6mmol) を室温下、ジメチルホルムアミド15ml(50 倍量) に溶解した。続いて、系内に塩化水銀220mg(0.8mmol)を氷冷下添加し、室温で2時間撹袢した。反応液を酢酸エチルにて希釈後、セライトを用いて濾過し、濾物を酢酸エチルにて洗浄した。得られた濾液及び洗液を合わせて酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、水層を酢酸エチルにて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥濾過後減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 75g, ヘキサン :酢酸エチル = 1 : 1) にて精製し、目的化合物(E11)を273mg(収率 : 66%) の白色固体として得た。
【0261】
Rf 値 : 0.38(ベンゼン : 酢酸エチル = 5 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 11.4(1H, s), 8.64(1H, d, J=7.7Hz), 7.99(1H, d, J=4.7Hz), 5.78(1H, d, J=2.4Hz), 5.33(1H, d, J=4.4Hz), 5.14(1H, tt, J=7.9, <1Hz), 4.40(1H, dt, J=7.8, 5.7Hz), 4.23-3.90(7H, m), 3.51(1H, dd, J=8.2, 4.5Hz), 2.01(3H, s), 1.68(2H, quintet, J=6.4Hz), 1.51(9H, s), 1.49(9H, s), 1.43(3H, s), 1.36(3H, s), 1.35-1.20(6H, m), 0.89(3H, t, J=6.4Hz);
[α]D 24= -22.0°(c:0.5, CHCl3)。
【0262】
iii) 5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ヘキシル トリフルオロ酢酸塩(E12)
化合物(E11)158mg(0.24 mmol)を室温下、塩化メチレン8.0ml(50倍量) に溶解し、続いて、室温でトリフルオロ酢酸1.6ml(10倍量) を系内に加え、室温にて18時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 15g, 酢酸エチル : 2- プロパノール : 水 = 5 : 2 : 1) にて精製し、標記化合物(E12)を155mg ( 収率 : 100%)の白色固体として得た。
【0263】
Rf 値 : 0.8( 酢酸エチル : 2- プロパノール : 水 = 5 : 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD):δ(ppm) 5.94(1H, d, J=2.4Hz), 4.46(1H, dd, J=9.3, 2.4Hz), 4.38(1H, dd, J=10.4, 1.3Hz), 4.20(1H, t, J=9.3Hz), 4.20(2H, t, J=6.2Hz), 3.91-3.76(2H, m), 3.66(1H, bd, J=9.3Hz), 3.61(1H, dd, J=12.5, 6.3Hz), 1.97(3H, s), 1.63(2H, quintet, J=6.3Hz), 1.40-1.10(6H, m), 0.80(3H, t, J=6.3Hz);
[α]D 24= +18.1°(c=0.48, CHCl3) 。
【0264】
【実施例3】
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−ミリストイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸
トリフルオロ酢酸塩(E17)(例示化合物番号41)
【0265】
【化16】
【0266】
i) 5−アセトアミド−4−アジド−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−ミリストイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン-2−エノピラノソン酸メチル(E13)
化合物(E3)61mg(0.16mmol)を室温下、塩化メチレン3.0ml(50倍量) に溶解し、続いて、氷冷下にて塩化ミリストイル54ml(0.2mmol) 、4-ジメチルアミノピリジン24.1mg(0.2mmol) を系内に加え、室温で30分撹袢した。次にトリエチルアミン27ml(0.2mmol) を室温にて注加し、そのまま6 時間撹袢した。反応終了確認後、系内にメタノールを注加し30分間撹袢した。次に反応液に酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 15g 、ベンゼン: 酢酸エチル = 1 : 1) にて精製し、目的化合物(E13)を70mg( 収率 : 74%) の無色透明シロップとして得た。
【0267】
Rf 値 : 0.42 ( ベンゼン : 酢酸エチル = 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 5.95(1H, d, J=2.7Hz), 5.88(1H, d, J=7.9Hz), 5.35(1H, dd, J=6.0, 1.8Hz), 4.80(1H, dd, J=9.1, 2.7Hz), 4.71(1H, dd, J=10.5, 1.8Hz), 4.39(1H, q, J=6.0Hz), 4.14(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 4.71(1H, dd, J=10.5, 1.8Hz), 4.39(1H, q, J=6.0Hz), 4.14(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 3.945(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 3.81(3H, s), 3.45(1H, ddd, J=10.5, 9.1, 7.9Hz), 2.41(1H, t, J=7.5Hz), 2.39(1H, t, J=7.5Hz), 2.02(3H, s), 1.63(2H, quintet, J=7.5Hz), 1.37(3H, s), 1.35(3H, s), 1.26(20H, s), 0.88(3H, t, J=7.5Hz)。
【0268】
ii) 5−アセトアミド−4−アミノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−ミリストイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E14)
化合物(E13)70mg(0.12 mmol) を室温でエタノール3.5ml(50倍量) に溶解し、続いて、室温でリンドラー触媒25mg(0.35 倍量) を系内に加え、1気圧水素雰囲気下、室温で1.5 時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を濾過し、濾物をエタノールで洗浄し、濾液及び洗液を合わせて減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 15g, 酢酸エチル : 2- プロパノール :水 = 5 : 2 : 1) にて精製し、標記化合物(E14)を57mg( 収率 : 84%) の白色固体として得た。
【0269】
Rf 値 : 0.49 ( 塩化メチレン : メタノール = 10 : 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD, TMS): δ(ppm) 5.94(1H, d, J=2.4Hz), 5.42(1H, dd, J=4.7, 1.8Hz), 4.39(1H, dt, J=7.1, 6.0Hz), 4.18(1H, dd, J=9.5, 1.6Hz), 4.14(1H, dd, J=8.7, 6.4Hz), 3.93(1H, dd, J=8.7, 6.4Hz), 3.87(1H, t, J=9.5Hz), 3.78(3H, s), 3.44(1H, dd, J=9.5, 2.4Hz), 2.35(2H, q, J=7.3Hz), 1.94(3H, s), 1.60(2H, quintet, J=7.3Hz), 1.32(3H, s), 1.31(3H, s), 1.27(20H, s), 0.88(3H, t, J=7.3Hz)。
【0270】
iii) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−ミリストイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E15)
化合物(E14)57mg(0.1mmol) 、N,N'- ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素34mg(0.12mmol)及びトリエチルアミン35ml(0.25mmol)を室温下、ジメチルホルムアミド28ml(50 倍量) に溶解した。続いて、系内に塩化水銀35mg (0.13mmol)を氷冷下添加し、室温で2 時間撹袢した。反応液に酢酸エチルを加えて希釈後、セライトを用いて濾過し、濾物を酢酸エチルで洗浄した。得られた濾液及び洗液を合わせて酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 15g, ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1) にて精製し、標記化合物(E15)を75mg( 収率 : 100%)の無色透明シロップとして得た。
【0271】
Rf 値 : 0.33(ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 11.4(1H, s), 8.46(1H, d, J=8.7Hz), 6.06(1H, d, J=8.7Hz), 5.88(1H, d, J=2.4Hz), 5.37(1H, dd, J=6.4, 1.5Hz), 5.15(1H, dt, J=8.7, 2.4Hz), 4.38(1H, q, J=6.4Hz), 4.28(1H, dd, J=8.7, 1.5Hz), 4.23(1H, t, J=8.7Hz), 4.10(1H, dd, J=9.6, 6.4Hz), 3.95(1H, dd, J=9.6, 6.4Hz), 3.80(3H, s), 2.453(1H, dt, J=16.0, 7.5Hz), 2.33(1H, dt, J=16.0, 7.5Hz), 1.87(3H, s), 1.61(2H, quintet, J=7.5Hz), 1.49(9H, s), 1.48(9H, s), 1.38(3H, s), 1.35(3H, s), 1.25(20H, bs), 0.88(3H, t, J=7.5Hz) 。
【0272】
iv) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−ミリストイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(E16)
化合物(E15)51mg(0.07 mmol )を、メタノール2ml(40倍量) 及び水0.5ml (10倍量) の混液に溶解し、室温にて水酸化リチウム1水和物3.3mg (0.078mmol)を系内に加え、室温下で8時間撹袢した。反応終了確認後、系内にDowex-50W を添加し中和した後、反応液を濾過し、濾物をメタノールにて洗浄した。濾液及び洗液を合わせて減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (キーゼルゲル 60, 60g, 酢酸エチル : 2- プロパノール : 水 = 10 : 2 : 1)にて精製し、目的化合物(E16)を33mg( 収率 : 66%) の白色固体として得た。
【0273】
Rf 値 : 0.45 ( 塩化メチレン : メタノール = 10 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS):δ(ppm) 11.4 (1H, s), 8.48(1H, d, J=8.0Hz), 6.31(1H, dull s), 5.90(1H, bs), 5.30(1H, bs), 5.10(1H, bs), 4.60-3.30(7H, m), 2.48(1H, dt, J=13.5, 6.5Hz), 2.32(1H, dt, J=13.5, 6.5Hz), 1.88(3H, s), 1.60(2H, quintet, J=6.5Hz), 1.48(18H, s), 1.39(3H, s), 1.37(3H, s), 1.25(20H, bs), 0.88(3H, t, J=6.5Hz)。
【0274】
v) 5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−ミリストイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸 トリフルオロ酢酸塩(E17)
化合物(E16)33mg(0.046 mmol)を室温下、塩化メチレン1.6ml(50倍量) に溶解し、続いて、室温でトリフルオロ酢酸60ml(10 倍量) を系内に加え、室温で22時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(キーゼルゲル60, 5g, 2-プロパノール : 水 = 5 : 1) にて精製し、標記化合物(E17)を30mg( 収率 : 84%) の淡黄色固体として得た。
【0275】
Rf 値 : 0.4(2-プロパノール : 水 = 5 : 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD): δ(ppm) 5.63(1H, d, J=2.3Hz), 4.49(1H, dd, J=9.3, 2.3Hz), 4.39(1H, d, J=10.6Hz), 4.25-4.00(4H, m), 3.77(1H, d, J=9.3Hz), 2.36(2H, t, J=7.4Hz), 1.92(3H, s), 1.70-1.50(2H, m), 1.30(20H, bs), 0.90(3H, t, J=7.4Hz);
FAB-MS(positive): 543(M+H)+;
HR-MS Calcd. for C26H47O8N4, 543.3378, Found 543.3412 (M+H)+;
[α]D 24= +25°(c=0.12, MeOH)。
【0276】
【実施例4】
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−ヘキサノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸トリフルオロ酢酸塩(E22)(例示化合物番号36)
【0277】
【化17】
【0278】
i) 5−アセトアミド−4−アジド−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−ヘキサノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E18)
化合物(E3)270mg(0.73mmol) を室温下、塩化メチレン13.5ml(50 倍量) に溶解し、続いて、氷冷下塩化ヘキサノイル0.14ml(1.0mmol) 及び4-ジメチルアミノピリジン110mg(0.9mmol)を系内に加え、室温で30分撹袢した。次にトリエチルアミン0.13ml(0.9mmol) を室温下注加し、そのまま19時間撹袢した。反応終了確認後、系内にメタノールを注加し30分間撹袢した。次に反応液に酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 75g 、ベンゼン: 酢酸エチル = 1 : 1) にて精製し、標記化合物(E18)を220mg(収率 : 74%) の無色透明シロップとして得た。
【0279】
Rf : 0.45(ベンゼン : 酢酸エチル = 1 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 6.11(1H, d, J=8.0Hz), 5.95(1H, d, J=2.6Hz), 5.38(1H, d, J=5.3, 2.0Hz), 4.69(1H, dd, J=9.2, 2.6Hz), 4.65(1H, dd, J=10.6, 2.0Hz), 4.38(1H, q, J=5.5Hz), 4.14(1H, dd, J=9.5, 5.5Hz), 3.95(1H, dd, J=9.5, 5.4Hz), 3.81(3H, s), 3.59(1H, ddd, J=10.6, 9.2, 8.0Hz), 2.44(1H, dt, J=15.9, 7.4Hz), 2.36(1H, dt, J=15.9, 7.4Hz), 2.01(3H, s), 1.64(2H, quintet, J=7.4Hz), 1.37(3H, s), 1.35(3H, s), 1.35-1.30(4H, m). 0.90(3H, t, J=7.4Hz);
[α]D 24= +94.3°(c:0.35, CHCl3) 。
【0280】
ii) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−ヘキサノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E20)
化合物(E18)190mg(0.41 mmol)を室温下、エタノール9.3ml(50倍量) に溶解し、続いて、室温でリンドラー触媒70mg(0.38 倍量) を系内に加え、1気圧水素雰囲気下、室温で2.5 時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を濾過し、濾物をエタノールで洗浄し、濾液及び洗液を合わせて減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 60g, 酢酸エチル : 2-プロパノール : 水 = 5 : 2 : 1) にて精製し、化合物(E19)を140mg (収率 : 80%) の淡黄色フォーム状固体として得た。
【0281】
Rf 値 : 0.4( 酢酸エチル : 2-プロパノール : = 5 : 2 : 1);
得られた化合物(E19)140mg(0.3mmol)、N,N'−ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素120mg(0.43mmol) 及びトリエチルアミン0.12ml(0.86mmol)を室温下、ジメチルホルムアミド7ml(50倍量) に溶解した。続いて、系内に塩化水銀110mg(0.41mmol) を氷冷下添加し、室温で1.5 時間撹袢した。反応液に酢酸エチルを加えて希釈後、セライトを用いて濾過し、濾物を酢酸エチルで洗浄した。得られた濾液及び洗液を合わせて酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 50g, ベンゼン : 酢酸エチル = 3 : 1) にて精製し、標記化合物(E20)を220mg(収率 : 100%)の白色フォーム状固体として得た。
【0282】
Rf 値 : 0.5( ベンゼン : 酢酸エチル = 3 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 11.4(1H, s), 8.46(1H, d, J=8.7Hz), 5.97(1H, d, J=8.7Hz), 5.88(1H, d, J=2.3Hz), 5.37(1H, dd, J=6.3, 1.6Hz), 5.15(1H, dt, J=8.7, 2.3Hz), 4.37(1H, q, J=6.4Hz), 4.29(1H, dd, J=8.7, 1.5Hz), 4.24(1H, t, J=8.7Hz), 4.11(1H, dd, J=8.8, 6.4Hz), 3.96(1H, dd, J=8.8, 6.4Hz), 3.81(3H, s), 2.46(1H, dt, J=15.9, 7.4Hz), 2.33(1H, dt, J=15.9, 7.4Hz), 1.88(3H, s), 1.70-1.50(2H, m), 1.49(9H, s), 1.48(9H, s), 1.38(3H, s), 1.37(3H, s), 1.40-1.25(4H, m), 0.89(3H, t, J=7.4Hz);
[α]D 24= -28.3°(c=0.4, CHCl3)。
【0283】
iii) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−ヘキサノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(E21)
化合物(E20)180mg(0.26 mmol)をメタノール10.8ml(60 倍量) 及び水1.8ml(10倍量) の混液に溶解し、室温で水酸化リチウム1水和物12mg (0.29mmol)を系内に加え、室温下で17時間攪拌した。反応終了確認後、系内にDowex-50W を添加し中和した後、反応液を濾過し、濾物をメタノールで洗浄した。濾液及び洗液を合わせて減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル 60, 50g, 塩化メチレン : メタノール = 10 : 1)にて精製し、標記化合物(E21)を0.13g(収率 : 75%) の白色フォーム状固体として得た。
【0284】
Rf 値 : 0.24 ( 塩化メチレン : メタノール = 10 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS):δ(ppm) 11.4(1H, bs), 8.52(1H, bs), 5.95(2H, bs), 5.32(1H, bs), 5.15(1H, bs), 4.60-4.10(3H, m), 3.95(1H, bs), 2.70-2.20(2H, m), 1.89(3H, s), 1.75-1.00(28H, m), 0.85(3H, m) 。
【0285】
iv) 5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−ヘキサノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸 トリフルオロ酢酸塩(E22)
化合物(E21)95mg(0.15 mmol) を室温下、塩化メチレン4.8ml(50倍量) に溶解し、続いて、室温にてトリフルオロ酢酸0.95ml(10 倍量) を系内に加え、室温で4.5 間撹袢した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 20g, 酢酸エチル : 2- プロパノール : 水 = 4 : 2 : 1) にて精製し、目的化合物(E22)を54mg (収率 : 57%) の白色固体として得た。
【0286】
Rf 値 : 0.3( 酢酸エチル : 2- プロパノール : 水 = 4 : 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD):δ(ppm) 5.53(1H, d, J=2.2Hz), 4.50-4.00(6H, m), 3.59(1H, d, J=9.2Hz), 2.35(2H, t, J=7.5Hz), 2.01(3H, s), 1.70-1.50(2H, m), 1.40-1.20(4H, m), 0.91(3H, t, J=7.5Hz);
IR(KBr) (cm-1) 3333, 1665, 1617, 1401, 1385, 1176;
FAB-MS(positive) 431(M+H)+;
HR-MS Calcd. for C18H31N4O8 431.2165, Found 431.2125(M+H)+;
[α]D 24=+29°(c=0.2, MeOH) 。
【0287】
【実施例5】
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−オクタノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸トリフルオロ酢酸塩(E27)(例示化合物番号38)
【0288】
【化18】
【0289】
i) 5−アセトアミド−4−アジド−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−ミリストイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン-2−エノピラノソン酸メチル(E23)
化合物(E3)185mg(0.5 mmol)を室温下、塩化メチレ5.0ml に溶解し、続いて、氷冷下にて塩化オクタノイル132μl(0.75mmol) 、4-ジメチルアミノピリジン91mg(0.75mmol) を系内に加え、室温で30分撹袢した。次にトリエチルアミン104μl(0.75mmol) を室温にて注加し、そのまま6 時間撹袢した。反応終了確認後、系内にメタノールを注加し30分間撹袢した。次に反応液に酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 塩化メチレン: メタノール = 50 : 1) にて精製し、目的化合物(E23)を150mg( 収率 : 64%) の無色透明シロップとして得た。
【0290】
Rf 値 : 0.50 ( 塩化メチレン : メタノール = 20 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 5.95(1H, d, J=2.7Hz), 5.88(1H, d, J=7.9Hz), 5.35(1H, dd, J=6.0, 1.8Hz), 4.80(1H, dd, J=9.1, 2.7Hz), 4.71(1H, dd, J=10.5, 1.8Hz), 4.39(1H, q, J=6.0Hz), 4.14(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 4.71(1H, dd, J=10.5, 1.8Hz), 4.39(1H, q, J=6.0Hz), 4.14(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 3.945(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 3.81(3H, s), 3.45(1H, ddd, J=10.5, 9.1, 7.9Hz), 2.41(1H, t, J=7.5Hz), 2.39(1H, t, J=7.5Hz), 2.02(3H, s), 1.63(2H, quintet, J=7.5Hz), 1.37(3H, s), 1.35(3H, s), 1.26(8H, s), 0.88(3H, t, J=7.5Hz)。
【0291】
ii) 5−アセトアミド−4−アミノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−オクタノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E24)
化合物(E23)130mg(0.28 mmol) を室温でエタノール6.0mlに溶解し、続いて、室温でリンドラー触媒46mg(0.35 倍量) を系内に加え、1気圧水素雰囲気下、室温で1.5 時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を濾過し、濾物をエタノールで洗浄し、濾液及び洗液を合わせて減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 15g, 酢酸エチル : 2- プロパノール :水 = 5 : 2 : 1) にて精製し、標記化合物(E24)を95mg( 収率 : 77%) の白色固体として得た。
【0292】
Rf 値 : 0.35 ( nーヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD, TMS): δ(ppm) 5.94(1H, d, J=2.4Hz), 5.42(1H, dd, J=4.7, 1.8Hz), 4.39(1H, dt, J=7.1, 6.0Hz), 4.18(1H, dd, J=9.5, 1.6Hz), 4.14(1H, dd, J=8.7, 6.4Hz), 3.93(1H, dd, J=8.7, 6.4Hz), 3.87(1H, t, J=9.5Hz), 3.78(3H, s), 3.44(1H, dd, J=9.5, 2.4Hz), 2.35(2H, q, J=7.3Hz), 1.94(3H, s), 1.60(2H, quintet, J=7.3Hz), 1.32(3H, s), 1.31(3H, s), 1.27(8H, s), 0.88(3H, t, J=7.3Hz)。
【0293】
iii) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−オクタノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E25)
化合物(E24)90mg(0.2mmol) 、N,N'- ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素83mg(0.30mmol)及びトリエチルアミン84μl(0.25mmol)を室温下、ジメチルホルムアミド5mlに溶解した。続いて、系内に塩化水銀82mg (0.30mmol)を氷冷下添加し、室温で2 時間撹袢した。反応液に酢酸エチルを加えて希釈後、セライトを用いて濾過し、濾物を酢酸エチルで洗浄した。得られた濾液及び洗液を合わせて酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 15g, ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1) にて精製し、標記化合物(E25)を120mg( 収率 : 88%)の無色透明シロップとして得た。
【0294】
Rf 値 : 0.30(ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 11.4(1H, s), 8.46(1H, d, J=8.7Hz), 6.06(1H, d, J=8.7Hz), 5.88(1H, d, J=2.4Hz), 5.37(1H, dd, J=6.4, 1.5Hz), 5.15(1H, dt, J=8.7, 2.4Hz), 4.38(1H, q, J=6.4Hz), 4.28(1H, dd, J=8.7, 1.5Hz), 4.23(1H, t, J=8.7Hz), 4.10(1H, dd, J=9.6, 6.4Hz), 3.95(1H, dd, J=9.6, 6.4Hz), 3.80(3H, s), 2.453(1H, dt, J=16.0, 7.5Hz), 2.33(1H, dt, J=16.0, 7.5Hz), 1.87(3H, s), 1.61(2H, quintet, J=7.5Hz), 1.49(9H, s), 1.48(9H, s), 1.38(3H, s), 1.35(3H, s), 1.25(8H, bs), 0.88(3H, t, J=7.5Hz) 。
iv) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−オクタノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(E26)
化合物(E25)100mg(0.15 mmol )を、メタノール4ml(40倍量) 及び水1ml (10倍量) の混液に溶解し、室温にて水酸化リチウム1水和物7.0mg (0.165mmol)を系内に加え、室温下で8時間撹袢した。反応終了確認後、系内にDowex-50W を添加し中和した後、反応液を濾過し、濾物をメタノールにて洗浄した。濾液及び洗液を合わせて減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (キーゼルゲル 60, 酢酸エチル : 2- プロパノール : 水 = 10 : 2 : 1)にて精製し、目的化合物(E26)を56mg( 収率 : 56%) の白色固体として得た。
【0295】
Rf 値 : 0.35 ( 塩化メチレン : メタノール = 10 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS):δ(ppm) 11.4 (1H, s), 8.48(1H, d, J=8.0Hz), 6.31(1H, dull s), 5.90(1H, bs), 5.30(1H, bs), 5.10(1H, bs), 4.60-3.30(7H, m), 2.48(1H, dt, J=13.5, 6.5Hz), 2.32(1H, dt, J=13.5, 6.5Hz), 1.88(3H, s), 1.60(2H, quintet, J=6.5Hz), 1.48(18H, s), 1.39(3H, s), 1.37(3H, s), 1.25(8H, bs), 0.88(3H, t, J=6.5Hz)。
【0296】
v) 5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−オクタノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸 トリフルオロ酢酸塩(E27)
化合物(E26)50mg(0.075 mmol)を室温下、塩化メチレン3ml(50倍量) に溶解し、続いて、室温でトリフルオロ酢酸1ml(10 倍量) を系内に加え、室温で22時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(キーゼルゲル60, 5g, 2-プロパノール : 水 = 5 : 1) にて精製し、標記化合物(E27)を38mg( 収率 : 88%) の淡黄色固体として得た。
【0297】
Rf 値 : 0.3(2-プロパノール : 水 = 5 : 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD): δ(ppm) 5.55(1H, bs), 4.40-4.10(7H, m), 3.65(1H, d, J=9.0Hz), 2.36(2H, t, J=7.0Hz), 2.00(3H, s), 1.70-1.50(2H, m), 1.30(8H, bs), 0.90(3H, t, J=7.0Hz);
FAB-MS(positive): 459(M+H)+;
[α]D 24= +19.2°(c=0.26, MeOH)。
【0298】
【実施例6】
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−デカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸 トリフルオロ酢酸塩(E32)(例示化合物番号39)
【0299】
【化19】
【0300】
i) 5−アセトアミド−4−アジド−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−デカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン-2−エノピラノソン酸メチル(E28)
化合物(E3)214mg(0.58 mmol)を室温下、塩化メチレ6.0ml に溶解し、続いて、氷冷下にて塩化デカノイル152μl(0.87mmol) 、4-ジメチルアミノピリジン106mg(0.87mmol) を系内に加え、室温で30分撹袢した。次にトリエチルアミン106μl(0.87mmol) を室温にて注加し、そのまま6 時間撹袢した。反応終了確認後、系内にメタノールを注加し30分間撹袢した。次に反応液に酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 塩化メチレン: メタノール = 50 : 1) にて精製し、目的化合物(E28)を180mg( 収率 : 63%) の無色透明シロップとして得た。
【0301】
Rf 値 : 0.56 ( 塩化メチレン : メタノール = 20: 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 5.95(1H, d, J=2.7Hz), 5.88(1H, d, J=7.9Hz), 5.35(1H, dd, J=6.0, 1.8Hz), 4.80(1H, dd, J=9.1, 2.7Hz), 4.71(1H, dd, J=10.5, 1.8Hz), 4.39(1H, q, J=6.0Hz), 4.14(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 4.71(1H, dd, J=10.5, 1.8Hz), 4.39(1H, q, J=6.0Hz), 4.14(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 3.945(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 3.81(3H, s), 3.45(1H, ddd, J=10.5, 9.1, 7.9Hz), 2.41(1H, t, J=7.5Hz), 2.39(1H, t, J=7.5Hz), 2.02(3H, s), 1.63(2H, quintet, J=7.5Hz), 1.37(3H, s), 1.35(3H, s), 1.26(12H, s), 0.88(3H, t, J=7.5Hz)。
【0302】
ii) 5−アセトアミド−4−アミノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−デカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E29)
化合物(E28)170mg(0.32 mmol) を室温でエタノール10mlに溶解し、続いて、室温でリンドラー触媒60mg(0.35 倍量) を系内に加え、1気圧水素雰囲気下、室温で1.5 時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を濾過し、濾物をエタノールで洗浄し、濾液及び洗液を合わせて減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 15g, 酢酸エチル : 2- プロパノール :水 = 5 : 2 : 1) にて精製し、標記化合物(E29)を120mg( 収率 : 80%) の白色固体として得た。
【0303】
Rf 値 : 0.40 ( nーヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD, TMS): δ(ppm) 5.94(1H, d, J=2.4Hz), 5.42(1H, dd, J=4.7, 1.8Hz), 4.39(1H, dt, J=7.1, 6.0Hz), 4.18(1H, dd, J=9.5, 1.6Hz), 4.14(1H, dd, J=8.7, 6.4Hz), 3.93(1H, dd, J=8.7, 6.4Hz), 3.87(1H, t, J=9.5Hz), 3.78(3H, s), 3.44(1H, dd, J=9.5, 2.4Hz), 2.35(2H, q, J=7.3Hz), 1.94(3H, s), 1.60(2H, quintet, J=7.3Hz), 1.32(3H, s), 1.31(3H, s), 1.27(12H, s), 0.88(3H, t, J=7.3Hz)。
【0304】
iii) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−デカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E30)
化合物(E29)100mg(0.21mmol) 、N,N'- ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素87mg(0.31mmol)及びトリエチルアミン87μl(0.63mmol)を室温下、ジメチルホルムアミド5mlに溶解した。続いて、系内に塩化水銀84mg (0.31mmol)を氷冷下添加し、室温で2 時間撹袢した。反応液に酢酸エチルを加えて希釈後、セライトを用いて濾過し、濾物を酢酸エチルで洗浄した。得られた濾液及び洗液を合わせて酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1) にて精製し、標記化合物(E30)を120mg( 収率 : 87%)の無色透明シロップとして得た。
【0305】
Rf 値 : 0.30(ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 11.4(1H, s), 8.46(1H, d, J=8.7Hz), 6.06(1H, d, J=8.7Hz), 5.88(1H, d, J=2.4Hz), 5.37(1H, dd, J=6.4, 1.5Hz), 5.15(1H, dt, J=8.7, 2.4Hz), 4.38(1H, q, J=6.4Hz), 4.28(1H, dd, J=8.7, 1.5Hz), 4.23(1H, t, J=8.7Hz), 4.10(1H, dd, J=9.6, 6.4Hz), 3.95(1H, dd, J=9.6, 6.4Hz), 3.80(3H, s), 2.453(1H, dt, J=16.0, 7.5Hz), 2.33(1H, dt, J=16.0, 7.5Hz), 1.87(3H, s), 1.61(2H, quintet, J=7.5Hz), 1.49(9H, s), 1.48(9H, s), 1.38(3H, s), 1.35(3H, s), 1.25(12H, bs), 0.88(3H, t, J=7.5Hz) 。
【0306】
iv) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−デカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(E31)
化合物(E30)100mg(0.14 mmol )を、メタノール4ml(40倍量) 及び水1ml (10倍量) の混液に溶解し、室温にて水酸化リチウム1水和物6.5mg (0.154mmol)を系内に加え、室温下で8時間撹袢した。反応終了確認後、系内にDowex-50W を添加し中和した後、反応液を濾過し、濾物をメタノールにて洗浄した。濾液及び洗液を合わせて減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (キーゼルゲル 60, 酢酸エチル : 2- プロパノール : 水 = 10 : 2 : 1)にて精製し、目的化合物(E31)を53mg( 収率 : 55%) の白色固体として得た。
【0307】
Rf 値 : 0.38 ( 塩化メチレン : メタノール = 10 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS):δ(ppm) 11.4 (1H, s), 8.48(1H, d, J=8.0Hz), 6.31(1H, dull s), 5.90(1H, bs), 5.30(1H, bs), 5.10(1H, bs), 4.60-3.30(7H, m), 2.48(1H, dt, J=13.5, 6.5Hz), 2.32(1H, dt, J=13.5, 6.5Hz), 1.88(3H, s), 1.60(2H, quintet, J=6.5Hz), 1.48(18H, s), 1.39(3H, s), 1.37(3H, s), 1.25(12H, bs), 0.88(3H, t, J=6.5Hz)。
【0308】
v) 5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−デカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸トリフルオロ酢酸塩(E32)
化合物(E31)40mg(0.057 mmol)を室温下、塩化メチレン3ml(50倍量) に溶解し、続いて、室温でトリフルオロ酢酸1ml(10 倍量) を系内に加え、室温で22時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(キーゼルゲル60, 5g, 2-プロパノール : 水 = 5 : 1) にて精製し、標記化合物(E32)を30mg( 収率 : 87%) の淡黄色固体として得た。
【0309】
Rf 値 : 0.3(2-プロパノール : 水 = 5 : 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD): δ(ppm) 5.55(1H, bs), 4.40-4.10(7H, m), 3.65(1H, d, J=9.0Hz), 2.36(2H, t, J=7.0Hz), 2.00(3H, s), 1.70-1.50(2H, m), 1.30(12H, bs), 0.90(3H, t, J=7.0Hz);
FAB-MS(positive): 487(M+H)+;
[α]D 24= +17.2°(c=0.15, MeOH)。
【0310】
【実施例7】
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−パルミトイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸トリフルオロ酢酸塩(E37)(例示化合物番号42)
【0311】
【化20】
【0312】
i) 5−アセトアミド−4−アジド−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−パルミトイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン-2−エノピラノソン酸メチル(E33)
化合物(E3)1.35g(3.66 mmol)を室温下、塩化メチレ10ml に溶解し、続いて、氷冷下にて塩化パルミトイル1.88ml(6.22mmol) 、4-ジメチルアミノピリジン759mg(4.33mmol) を系内に加え、室温で30分撹袢した。次にトリエチルアミン104μl(6.21mmol) を室温にて注加し、そのまま15 時間撹袢した。反応終了確認後、系内にメタノールを注加し30分間撹袢した。次に反応液に酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, n-ヘキサン: 酢酸エチル = 2 : 1) にて精製し、目的化合物(E33)を1.42g( 収率 : 64%) の無色泡状物質として得た。
【0313】
Rf 値 : 0.53 (n-ヘキサン: 酢酸エチル = 1 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 5.95(1H, d, J=2.7Hz), 5.88(1H, d, J=7.9Hz), 5.35(1H, dd, J=6.0, 1.8Hz), 4.80(1H, dd, J=9.1, 2.7Hz), 4.71(1H, dd, J=10.5, 1.8Hz), 4.39(1H, q, J=6.0Hz), 4.14(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 4.71(1H, dd, J=10.5, 1.8Hz), 4.39(1H, q, J=6.0Hz), 4.14(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 3.945(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 3.81(3H, s), 3.45(1H, ddd, J=10.5, 9.1, 7.9Hz), 2.41(1H, t, J=7.5Hz), 2.39(1H, t, J=7.5Hz), 2.02(3H, s), 1.63(2H, quintet, J=7.5Hz), 1.37(3H, s), 1.35(3H, s), 1.26(24H, s), 0.88(3H, t, J=7.5Hz)。
【0314】
ii) 5−アセトアミド−4−アミノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−パルミトイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E34)
化合物(E33)1.42g(2.34 mmol) を室温でエタノール15mlに溶解し、続いて、室温でリンドラー触媒477mg(0.34 倍量) を系内に加え、1気圧水素雰囲気下、室温で2 時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を濾過し、濾物をエタノールで洗浄し、濾液及び洗液を合わせて減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 15g, 酢酸エチル : メタノール = 10 : 1) にて精製し、標記化合物(E34)を1.16g( 収率 : 85%) の無色泡状物質として得た。
【0315】
Rf 値 : 0.18 (酢酸エチル :メタノール = 5: 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD, TMS): δ(ppm) 5.94(1H, d, J=2.4Hz), 5.42(1H, dd, J=4.7, 1.8Hz), 4.39(1H, dt, J=7.1, 6.0Hz), 4.18(1H, dd, J=9.5, 1.6Hz), 4.14(1H, dd, J=8.7, 6.4Hz), 3.93(1H, dd, J=8.7, 6.4Hz), 3.87(1H, t, J=9.5Hz), 3.78(3H, s), 3.44(1H, dd, J=9.5, 2.4Hz), 2.35(2H, q, J=7.3Hz), 1.94(3H, s), 1.60(2H, quintet, J=7.3Hz), 1.32(3H, s), 1.31(3H, s), 1.27(24H, s), 0.88(3H, t, J=7.3Hz)。
【0316】
iii) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−パルミトイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E35)
化合物(E34)1.16g(2.0mmol) 、N,N'- ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素828mg(2.99mmol)及びトリエチルアミン0.42ml(3.03mmol)を室温下、ジメチルホルムアミド12mlに溶解した。続いて、系内に塩化水銀813mg (2.99mmol)を氷冷下添加し、室温で2 時間撹袢した。反応液に酢酸エチルを加えて希釈後、セライトを用いて濾過し、濾物を酢酸エチルで洗浄した。得られた濾液及び洗液を合わせて酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 15g, ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1) にて精製し、標記化合物(E35)を1.0g( 収率 : 61%)の無色泡状物質として得た。
【0317】
Rf 値 : 0.52(ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 11.4(1H, s), 8.46(1H, d, J=8.7Hz), 6.06(1H, d, J=8.7Hz), 5.88(1H, d, J=2.4Hz), 5.37(1H, dd, J=6.4, 1.5Hz), 5.15(1H, dt, J=8.7, 2.4Hz), 4.38(1H, q, J=6.4Hz), 4.28(1H, dd, J=8.7, 1.5Hz), 4.23(1H, t, J=8.7Hz), 4.10(1H, dd, J=9.6, 6.4Hz), 3.95(1H, dd, J=9.6, 6.4Hz), 3.80(3H, s), 2.453(1H, dt, J=16.0, 7.5Hz), 2.33(1H, dt, J=16.0, 7.5Hz), 1.87(3H, s), 1.61(2H, quintet, J=7.5Hz), 1.49(9H, s), 1.48(9H, s), 1.38(3H, s), 1.35(3H, s), 1.25(24H, bs), 0.88(3H, t, J=7.5Hz) 。
【0318】
iv) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−パルミトイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(E36)
化合物(E35)61mg(0.07 mmol )を、メタノール1.2ml(40倍量) 及び水0.15ml (10倍量) の混液に溶解し、室温にて水酸化リチウム1水和物3.4mg (0.08mmol)を系内に加え、室温下で3時間撹袢した。反応終了確認後、系内にDowex-50W を添加し中和した後、反応液を濾過し、濾物をメタノールにて洗浄した。濾液及び洗液を合わせて減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (キーゼルゲル 60, 酢酸エチル : メタノール = 10 : 1)にて精製し、目的化合物(E36)を33mg( 収率 : 55%) の無色泡状物質として得た。
【0319】
Rf 値 : 0.61 ( 酢酸エチル : メタノール = 5 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS):δ(ppm) 11.4 (1H, s), 8.48(1H, d, J=8.0Hz), 6.31(1H, dull s), 5.90(1H, bs), 5.30(1H, bs), 5.10(1H, bs), 4.60-3.30(7H, m), 2.48(1H, dt, J=13.5, 6.5Hz), 2.32(1H, dt, J=13.5, 6.5Hz), 1.88(3H, s), 1.60(2H, quintet, J=6.5Hz), 1.48(24H, s), 1.39(3H, s), 1.37(3H, s), 1.25(8H, bs), 0.88(3H, t, J=6.5Hz)。
【0320】
v) 5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−パルミトイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸 トリフルオロ酢酸塩(E37)
化合物(E36)289mg(0.36 mmol)を室温下、塩化メチレン3ml(50倍量) に溶解し、続いて、室温でトリフルオロ酢酸1ml(10 倍量) を系内に加え、室温で22時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(キーゼルゲル60, 5g, 酢酸エチル:2-プロパノール : 水 = 5 :2: 1) にて精製し、標記化合物(E37)を206mg( 収率 : 84%) の無色泡状物質として得た。
【0321】
Rf 値 : 0.44(2-プロパノール : 水 = 5 : 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD): δ(ppm) 5.55(1H, bs), 4.40-4.10(7H, m), 3.65(1H, d, J=9.0Hz), 2.36(2H, t, J=7.0Hz), 2.00(3H, s), 1.70-1.50(2H, m), 1.30(24H, bs), 0.90(3H, t, J=7.0Hz);
FAB-MS(positive): 571(M+H)+;
[α]D 24= +18.5°(c=0.12, MeOH)。
【0322】
【実施例8】
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−ドデカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸トリフルオロ酢酸塩(E42)(例示化合物番号40)
【0323】
【化21】
【0324】
i) 5−アセトアミド−4−アジド−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−ドデカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン-2−エノピラノソン酸メチル(E38)
化合物(E3)1.07g(2.89 mmol)を室温下、塩化メチレ11ml に溶解し、続いて、氷冷下にて塩化ドデカノイル1.03ml(4.33mmol) 、4-ジメチルアミノピリジン529mg(4.33mmol) を系内に加え、室温で30分撹袢した。次にトリエチルアミン0.6ml(4.33mmol) を室温にて注加し、そのまま2.5 時間撹袢した。反応終了確認後、系内にメタノールを注加し30分間撹袢した。次に反応液に酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, n-ヘキサン: 酢酸エチル = 2 : 1) にて精製し、目的化合物(E38)を1.07mg( 収率 : 67%) の無色泡状物質として得た。
【0325】
Rf 値 : 0.44 (n-ヘキサン: 酢酸エチル = 1 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 5.95(1H, d, J=2.7Hz), 5.88(1H, d, J=7.9Hz), 5.35(1H, dd, J=6.0, 1.8Hz), 4.80(1H, dd, J=9.1, 2.7Hz), 4.71(1H, dd, J=10.5, 1.8Hz), 4.39(1H, q, J=6.0Hz), 4.14(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 4.71(1H, dd, J=10.5, 1.8Hz), 4.39(1H, q, J=6.0Hz), 4.14(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 3.945(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 3.81(3H, s), 3.45(1H, ddd, J=10.5, 9.1, 7.9Hz), 2.41(1H, t, J=7.5Hz), 2.39(1H, t, J=7.5Hz), 2.02(3H, s), 1.63(2H, quintet, J=7.5Hz), 1.37(3H, s), 1.35(3H, s), 1.26(16H, s), 0.88(3H, t, J=7.5Hz)。
【0326】
ii) 5−アセトアミド−4−アミノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−ドデカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E39)
化合物(E38)1.06g(1.92 mmol) を室温でエタノール10mlに溶解し、続いて、室温でリンドラー触媒353mg(0.33 倍量) を系内に加え、1気圧水素雰囲気下、室温で1.5 時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を濾過し、濾物をエタノールで洗浄し、濾液及び洗液を合わせて減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 15g, 酢酸エチル : メタノール = 5 : 1) にて精製し、標記化合物(E39)を871mg( 収率 : 86%) の無色泡状物質として得た。
【0327】
Rf 値 : 0.36 (酢酸エチル :メタノール = 5: 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD, TMS): δ(ppm) 5.94(1H, d, J=2.4Hz), 5.42(1H, dd, J=4.7, 1.8Hz), 4.39(1H, dt, J=7.1, 6.0Hz), 4.18(1H, dd, J=9.5, 1.6Hz), 4.14(1H, dd, J=8.7, 6.4Hz), 3.93(1H, dd, J=8.7, 6.4Hz), 3.87(1H, t, J=9.5Hz), 3.78(3H, s), 3.44(1H, dd, J=9.5, 2.4Hz), 2.35(2H, q, J=7.3Hz), 1.94(3H, s), 1.60(2H, quintet, J=7.3Hz), 1.32(3H, s), 1.31(3H, s), 1.27(16H, s), 0.88(3H, t, J=7.3Hz)。
【0328】
iii) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−ドデカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E40)
化合物(E39)868mg(1.65mmol) 、N,N'- ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素940mg(3.4mmol)及びトリエチルアミン0.95ml(6.90mmol)を室温下、ジメチルホルムアミド10mlに溶解した。続いて、系内に塩化水銀926mg (3.4mmol)を氷冷下添加し、室温で2 時間撹袢した。反応液に酢酸エチルを加えて希釈後、セライトを用いて濾過し、濾物を酢酸エチルで洗浄した。得られた濾液及び洗液を合わせて酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 15g, ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1) にて精製し、標記化合物(E40)を1.3g( 収率 : 100%)の無色泡状物質として得た。
【0329】
Rf 値 : 0.47(ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 11.4(1H, s), 8.46(1H, d, J=8.7Hz), 6.06(1H, d, J=8.7Hz), 5.88(1H, d, J=2.4Hz), 5.37(1H, dd, J=6.4, 1.5Hz), 5.15(1H, dt, J=8.7, 2.4Hz), 4.38(1H, q, J=6.4Hz), 4.28(1H, dd, J=8.7, 1.5Hz), 4.23(1H, t, J=8.7Hz), 4.10(1H, dd, J=9.6, 6.4Hz), 3.95(1H, dd, J=9.6, 6.4Hz), 3.80(3H, s), 2.453(1H, dt, J=16.0, 7.5Hz), 2.33(1H, dt, J=16.0, 7.5Hz), 1.87(3H, s), 1.61(2H, quintet, J=7.5Hz), 1.49(9H, s), 1.48(9H, s), 1.38(3H, s), 1.35(3H, s), 1.25(16H, bs), 0.88(3H, t, J=7.5Hz) 。
【0330】
iv) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−ドデカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(E41)
化合物(E40)100mg(0.15 mmol )を、メタノール4ml(40倍量) 及び水1ml (10倍量) の混液に溶解し、室温にて水酸化リチウム1水和物7.0mg (0.165mmol)を系内に加え、室温下で8時間撹袢した。反応終了確認後、系内にDowex-50W を添加し中和した後、反応液を濾過し、濾物をメタノールにて洗浄した。濾液及び洗液を合わせて減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (キーゼルゲル 60, 酢酸エチル : 2- プロパノール : 水 = 10 : 2 : 1)にて精製し、目的化合物(E41)を56mg( 収率 : 56%) の白色固体として得た。
【0331】
Rf 値 : 0.35 ( 塩化メチレン : メタノール = 10 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS):δ(ppm) 11.4 (1H, s), 8.48(1H, d, J=8.0Hz), 6.31(1H, dull s), 5.90(1H, bs), 5.30(1H, bs), 5.10(1H, bs), 4.60-3.30(7H, m), 2.48(1H, dt, J=13.5, 6.5Hz), 2.32(1H, dt, J=13.5, 6.5Hz), 1.88(3H, s), 1.60(2H, quintet, J=6.5Hz), 1.48(18H, s), 1.39(3H, s), 1.37(3H, s), 1.25(8H, bs), 0.88(3H, t, J=6.5Hz)。
【0332】
v) 5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−ドデカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸 トリフルオロ酢酸塩(E42)
化合物(E41)50mg(0.075 mmol)を室温下、塩化メチレン3ml(50倍量) に溶解し、続いて、室温でトリフルオロ酢酸1ml(10 倍量) を系内に加え、室温で22時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(キーゼルゲル60, 5g, 2-プロパノール : 水 = 5 : 1) にて精製し、標記化合物(E42)を38mg( 収率 : 88%) の淡黄色固体として得た。
【0333】
Rf 値 : 0.3(2-プロパノール : 水 = 5 : 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD): δ(ppm) 5.55(1H, bs), 4.40-4.10(7H, m), 3.65(1H, d, J=9.0Hz), 2.36(2H, t, J=7.0Hz), 2.00(3H, s), 1.70-1.50(2H, m), 1.30(8H, bs), 0.90(3H, t, J=7.0Hz);
FAB-MS(positive): 515(M+H)+;
[α]D 24= +20.5°(c=0.08, MeOH)。
【0334】
【実施例9】
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−オクタデカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸 トリフルオロ酢酸塩(E47)(例示化合物番号43)
【0335】
【化22】
【0336】
i) 5−アセトアミド−4−アジド−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−オクタデカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン-2−エノピラノソン酸メチル(E43)
化合物(E3)1.10g(2.98 mmol)を室温下、塩化メチレ11ml に溶解し、続いて、氷冷下にて塩化ステアロイル1.70ml(5.03mmol) 、4-ジメチルアミノピリジン620mg(5.07mmol) を系内に加え、室温で30分撹袢した。次にトリエチルアミン0.70ml(5.05mmol) を室温にて注加し、そのまま15 時間撹袢した。反応終了確認後、系内にメタノールを注加し30分間撹袢した。次に反応液に酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, n-ヘキサン: 酢酸エチル = 2 : 1) にて精製し、目的化合物(E43)を1.21g( 収率 : 64%) の無色泡状物質として得た。
【0337】
Rf 値 : 0.51 (n-ヘキサン: 酢酸エチル = 1 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 5.95(1H, d, J=2.7Hz), 5.88(1H, d, J=7.9Hz), 5.35(1H, dd, J=6.0, 1.8Hz), 4.80(1H, dd, J=9.1, 2.7Hz), 4.71(1H, dd, J=10.5, 1.8Hz), 4.39(1H, q, J=6.0Hz), 4.14(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 4.71(1H, dd, J=10.5, 1.8Hz), 4.39(1H, q, J=6.0Hz), 4.14(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 3.945(1H, dd, J=8.8, 6.0Hz), 3.81(3H, s), 3.45(1H, ddd, J=10.5, 9.1, 7.9Hz), 2.41(1H, t, J=7.5Hz), 2.39(1H, t, J=7.5Hz), 2.02(3H, s), 1.63(2H, quintet, J=7.5Hz), 1.37(3H, s), 1.35(3H, s), 1.26(28H, s), 0.88(3H, t, J=7.5Hz)。
【0338】
ii) 5−アセトアミド−4−アミノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−オクタデカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E44)
化合物(E43)1.20g(1.88 mmol) を室温でエタノール12mlに溶解し、続いて、室温でリンドラー触媒399mg(0.33 倍量) を系内に加え、1気圧水素雰囲気下、室温で3 時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を濾過し、濾物をエタノールで洗浄し、濾液及び洗液を合わせて減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 15g, 酢酸エチル : メタノール = 10 : 1) にて精製し、標記化合物(E44)を924mg( 収率 : 80%) の無色泡状物質として得た。
【0339】
Rf 値 : 0.37 (酢酸エチル :メタノール = 4: 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD, TMS): δ(ppm) 5.94(1H, d, J=2.4Hz), 5.42(1H, dd, J=4.7, 1.8Hz), 4.39(1H, dt, J=7.1, 6.0Hz), 4.18(1H, dd, J=9.5, 1.6Hz), 4.14(1H, dd, J=8.7, 6.4Hz), 3.93(1H, dd, J=8.7, 6.4Hz), 3.87(1H, t, J=9.5Hz), 3.78(3H, s), 3.44(1H, dd, J=9.5, 2.4Hz), 2.35(2H, q, J=7.3Hz), 1.94(3H, s), 1.60(2H, quintet, J=7.3Hz), 1.32(3H, s), 1.31(3H, s), 1.27(28H, s), 0.88(3H, t, J=7.3Hz)。
【0340】
iii) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−オクタデカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸メチル(E45)
化合物(E44)916mg(1.50mmol) 、N,N'- ビス-tert-ブトキシカルボニルチオ尿素539mg(1.95mmol)及びトリエチルアミン0.27ml(1.95mmol)を室温下、ジメチルホルムアミド12mlに溶解した。続いて、系内に塩化水銀529mg (1.95mmol)を氷冷下添加し、室温で4 時間撹袢した。反応液に酢酸エチルを加えて希釈後、セライトを用いて濾過し、濾物を酢酸エチルで洗浄した。得られた濾液及び洗液を合わせて酢酸エチルと飽和食塩水を加えて分液後、有機層を硫酸マグネシウムにて乾燥し、濾過後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キーゼルゲル60, 15g, ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1) にて精製し、標記化合物(E45)を750mg( 収率 : 59%)の無色泡状物質として得た。
【0341】
Rf 値 : 0.29(ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS): δ(ppm) 11.4(1H, s), 8.46(1H, d, J=8.7Hz), 6.06(1H, d, J=8.7Hz), 5.88(1H, d, J=2.4Hz), 5.37(1H, dd, J=6.4, 1.5Hz), 5.15(1H, dt, J=8.7, 2.4Hz), 4.38(1H, q, J=6.4Hz), 4.28(1H, dd, J=8.7, 1.5Hz), 4.23(1H, t, J=8.7Hz), 4.10(1H, dd, J=9.6, 6.4Hz), 3.95(1H, dd, J=9.6, 6.4Hz), 3.80(3H, s), 2.453(1H, dt, J=16.0, 7.5Hz), 2.33(1H, dt, J=16.0, 7.5Hz), 1.87(3H, s), 1.61(2H, quintet, J=7.5Hz), 1.49(9H, s), 1.48(9H, s), 1.38(3H, s), 1.35(3H, s), 1.25(28H, bs), 0.88(3H, t, J=7.5Hz) 。
【0342】
iv) 5−アセトアミド−4−(N,N’−ビス−tert−ブトキシカルボニル)グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−8,9−O−イソプロピリデン−7−O−オクタデカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(E46)
化合物(E45)741mg(0.87 mmol )を、メタノール15ml 及び水1.5ml の混液に溶解し、室温にて水酸化リチウム1水和物38mg (0.91mmol)を系内に加え、室温下で6時間撹袢した。反応終了確認後、系内に4N-Hclのジオキサン溶液 を添加し中和した後、減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (キーゼルゲル 60, 酢酸エチル : メタノール = 10 : 1)にて精製し、目的化合物(E16)を430mg( 収率 : 59%) の無色泡状物質として得た。
【0343】
Rf 値 : 0.40 ( 酢酸エチル : メタノール = 5 : 1);
1H-NMR (270MHz, CDCl3, TMS):δ(ppm) 11.4 (1H, s), 8.48(1H, d, J=8.0Hz), 6.31(1H, dull s), 5.90(1H, bs), 5.30(1H, bs), 5.10(1H, bs), 4.60-3.30(7H, m), 2.48(1H, dt, J=13.5, 6.5Hz), 2.32(1H, dt, J=13.5, 6.5Hz), 1.88(3H, s), 1.60(2H, quintet, J=6.5Hz), 1.48(24H, s), 1.39(3H, s), 1.37(3H, s), 1.25(28H, bs), 0.88(3H, t, J=6.5Hz)。
【0344】
v) 5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−オクタデカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸 トリフルオロ酢酸塩(E47)
化合物(E46)422mg(0.50 mmol)を室温下、塩化メチレン3ml に溶解し、続いて、室温でトリフルオロ酢酸1ml を系内に加え、室温で22時間撹袢した。反応終了確認後、反応液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(キーゼルゲル60, 5g, 酢酸エチル:2-プロパノール : 水 = 5 :2: 1) にて精製し、標記化合物(E47)をmg( 収率 : 84%) の無色泡状物質として得た。
【0345】
Rf 値 : 0.44(2-プロパノール : 水 = 5 : 1);
1H-NMR (270MHz, CD3OD): δ(ppm) 5.55(1H, bs), 4.40-4.10(7H, m), 3.65(1H, d, J=9.0Hz), 2.36(2H, t, J=7.0Hz), 2.00(3H, s), 1.70-1.50(2H, m), 1.30(28H, bs), 0.90(3H, t, J=7.0Hz);
FAB-MS(positive): 599(M+H)+;
[α]D 24= +19.8°(c=0.15, MeOH)。
【0346】
【実施例10】
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸セチル トリフルオロ酢酸塩(E48)(例示化合物番号89)
【0347】
【化23】
【0348】
ミリスチルアルコールに換えてセチルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、標記化合物を得た。
【0349】
1H-NMR (270MHz, CD3OD): δ(ppm) 5.83(1H, d, J=2.7Hz), 4.44(1H, dd, J=9.0, 2.7Hz), 4.38(1H, dd, J=9.0, <1Hz), 4.18(2H, t, J=6.2Hz), 4.17(1H, t, J=9.0Hz), 3.90-3.74(2H, m), 3.68(1H, dd, J=12.0, 4.5Hz), 3.65(1H, d, J=9.0Hz), 1.99(3H, s), 1.67(2H, quintet, J=6.2Hz), 1.26(28H, bs), 0.87(3H, t, J=6.2Hz)。
【0350】
【実施例11】
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ステアリル トリフルオロ酢酸塩(E49)(例示化合物番号91)
【0351】
【化24】
【0352】
ミリスチルアルコールに換えてステアリルアルコールを用いて、実施例1と同様にして、標記化合物を得た。
【0353】
1H-NMR (270MHz, CD3OD): d(ppm) 5.83(1H, d, J=2.7Hz), 4.44(1H, dd, J=9.0, 2.7Hz), 4.38(1H, dd, J=9.0, <1Hz), 4.18(2H, t, J=6.2Hz), 4.17(1H, t, J=9.0Hz), 3.90-3.74(2H, m), 3.68(1H, dd, J=12.0, 4.5Hz), 3.65(1H, d, J=9.0Hz), 1.99(3H, s), 1.67(2H, quintet, J=6.2Hz), 1.26(32H, bs), 0.87(3H, t, J=6.2Hz)。
【0354】
(製剤例1)
実施例4の化合物が10%(W/W)、塩化ベンザルコニウムが0.04%(W/W)、フェニルエチルアルコールが0.40%(W/W)、精製水が89.56%(W/W)となるように水溶液を調製する。
【0355】
(製剤例2)
実施例4の化合物が10%(W/W)、塩化ベンザルコニウムが0.04%(W/W)、ポリエチレングルコール400が10.0%(W/W)、プロピレングルコールが30%(W/W)、精製水が39.96%(W/W)となるように水性共溶媒溶液を調製する。
【0356】
(製剤例3)
実施例4の化合物が40%(W/W)、ラクトースが60%(W/W)となるように乾燥粉末を調製する。
【0357】
(製剤例4)
実施例4の化合物が10%(W/W)、レシチンが0.5%(W/W)、フロン11が34.5%、フロン12が55%となるようにエアロゾール剤を調製する。
【0358】
(試験例1)
インフルエンザウイルスシアリダーゼ阻害活性
マウス(BALB/C、メス、5乃至6週齢、体重20g)を麻酔下、気道にカニューレを挿入し、0.5mlのリン酸緩衝生理食塩水を注入し、次いで、吸引によりその液を回収する操作を3回行なうことにより、肺洗浄液を得た。1μMの試験化合物(試料)、蛋白質量として10μgの肺洗浄液及びリン酸緩衝生理食塩水を混合し、終体積100μlとし、37℃で1乃至3日加温した。本反応液10μlを採取し、シアリダーゼ酵素としてインフルエンザウイルスA/PR/8/34(5x105プラーク形成ユニット相当)を、基質として0.1mM4−メチルウンベリフェリル−N−アセチル−α−D−ノイラミン酸アンモニウムを用い、40mM塩化カルシウムを含む32.5mM2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸緩衝液(pH6.5)中で、シアリダーゼ反応を行なう。この溶液中に生じる4−メチルウンベリフェロンの蛍光強度を励起波長360nm、測定波長460nmで測定した。一方、種々の濃度の化合物A(GG−167)を試料として上記と同様の反応に付し、濃度阻害曲線を書かせ、その阻害曲線を用いて、試験化合物から肺洗浄液中で生成したシアリダーゼ阻害活性物質の量を、化合物Aの量として、定量した。
【0359】
本発明の化合物は、そのままではインフルエンザウイルスシアリダーゼ阻害活性を示さないが、加水分解酵素を含む生体画分(例えば、マウス肺洗浄液)で処理することにより、化合物Aと同様にインフルエンザウイルスシアリダーゼ阻害活性を示した。
【0360】
(試験例2)
マウス感染治療実験−1
0.42%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液50μl中にマウス馴化インフルエンザウィルスA/PR/8/34株を500pfu(プラーク形成ユニット)含む溶液を調製し、マウス(BALB/C、メス、5〜6週令、20g)に経鼻的に滴下感染した。本発明の化合物を生理食塩水に懸濁し、0.6μmol/kg/50μlの投与量になるよう調製し、ウィルス感染の4時間前、4時間後、17時間後の計3回経鼻的に滴下投与した。試験は各群7又は8匹で行ない、結果は、感染後6日、8日、10日の生存マウス数/試験マウス数で示した。なお、比較化合物として化合物A(GG−167)を用いた。
【0361】
【表2】
感染後10日目において、化合物Aを投与した群は全例が死亡したが、本発明の実施例1又は2の化合物を投与した群は3又は1例が生存した。この結果は、本発明の実施例1又は2の化合物が、化合物Aと比較して、優れたインフルエンザ感染治療効果を有することを示す。
【0362】
(試験例3)
マウス感染治療実験−2
0.42%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液50μl中にマウス馴化インフルエンザウィルスA/PR/8/34株を1500pfu(プラーク形成ユニット)含む溶液を調製し、マウス(BALB/C、メス、5〜6週令、20g)に経鼻的に滴下感染した。本発明の化合物を生理食塩水に懸濁し、0.9μmol/kg/50μlの投与量になるよう調製し、ウィルス感染の4時間前、4時間後、17時間後の計3回経鼻的に滴下投与した。試験は各群7又は8匹で行ない、結果は、感染後8日、10日の生存マウス数/試験マウス数で示した。なお、比較化合物として化合物A(GG−167)を用いた。
【0363】
【表3】
感染後10日目において、化合物Aを投与した群は全例が死亡したが、本発明の実施例1、10又は11の化合物を投与した群は2乃至5例が生存した。この結果は、本発明の実施例1、10又は11の化合物が、化合物Aと比較して、優れたインフルエンザ感染治療効果を有することを示す。
【0364】
(試験例4)
マウス感染治療実験−3
0.42%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液50μl中にマウス馴化インフルエンザウィルスA/PR/8/34株を1500pfu(プラーク形成ユニット)含む溶液を調製し、マウス(BALB/C、メス、5〜6週令、20g)に経鼻的に滴下感染した。本発明の化合物を生理食塩水に懸濁し、0.3μmol/kg/50μlの投与量になるよう調製し、ウィルス感染の4時間前、4時間後、17時間後の計3回経鼻的に滴下投与した。試験は各群10又は11匹で行ない、結果は、感染後6日、8日の生存マウス数/試験マウス数で示した。なお、比較化合物として化合物A(GG−167)を用いた。
【0365】
【表4】
感染後8日目において、化合物Aを投与した群は1例が生存するのみであるが、本発明の実施例3乃至9の化合物を投与した群は2乃至10例が生存した。この結果は、本発明の実施例3乃至9の化合物が、化合物Aと比較して、優れたインフルエンザウイルス感染治療効果を有することを示す。
【0366】
【発明の効果】
本発明のノイラミン酸化合物(1)は、生体内に存在する加水分解酵素により加水分解を受け、優れたウイルス複製阻害活性及びシアリダーゼ阻害活性を示す。また、インフルエンザウイルスに感染したマウスに投与すると、WO91/16320(特表平5−507068号)に記載された化合物A(GG−167)と比較して、優れた感染治療効果を示す。従って、本発明のノイラミン酸化合物(1)はウイルス感染症(好ましくはインフルエンザ)の治療剤又は予防剤(好ましくは治療剤)として有用である。
Claims (9)
- 一般式
- 請求項1に記載された化合物において、R1が、フッ素原子で置換されていてもよいメチル基である化合物又はその薬理上許容される塩。
- 請求項1に記載された化合物において、R1が、メチル、モノフルオロメチルまたはジフルオロメチル基である化合物又はその薬理上許容される塩。
- 請求項1に記載された化合物において、R1が、メチル基である化合物又はその薬理上許容される塩。
- 請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載された化合物において、R2が、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ミリストイル又はステアロイル基であり、R3及びR4が水素原子である化合物又はその薬理上許容される塩。
- 請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載された化合物において、Wが、水素原子である化合物又はその薬理上許容される塩。
- 請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載された化合物において、R2、R3及びR4が水素原子であり、Wが炭素数6乃至18個のアルキル基である化合物又はその薬理上許容される塩。
- 請求項1に記載された化合物において、R1がメチル基であり、R2、R3及びR4が水素原子であり、Wが炭素数6乃至18個のアルキル基である化合物。
- 請求項1に記載された化合物において、下記の化合物群から選択される化合物又はその薬理上許容される塩:
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−ヘキサノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸、
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−オクタノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸、
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−デカノイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸、
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−ミリストイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸、
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−9−O−ステアロイル−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸、
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ヘキシル、
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ミリスチル、
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸セチル、及び
5−アセトアミド−2,3,4,5−テトラデオキシ−4−グアニジノ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸ステアリル。
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