JP4151781B2 - ピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築、土木工事における流動性の乏しい低スランプのコンクリートや土砂の圧送、あるいは、下水処理場やし尿処理場における低含水率の脱水汚泥の圧送等に用いられる揺動管方式のピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、揺動管方式のピストンポンプは、図５及び図６に示すように、ホッパー１の背壁１Ｂの下部に左右一対の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒを設け、ホッパー１の背部には、吸込吐出口１Ｌ、１Ｒにそれぞれ一端が開口したポンプシリンダ４Ｌ、４Ｒを取付けている。ポンプシリンダ４Ｌ、４Ｒ内には、それぞれ搬送ピストン７を備えており、この搬送ピストン７は、駆動シリンダ６Ｌ、６Ｒによって交互に往復動されるようになっている。ポンプシリンダ４Ｌ、４Ｒと駆動シリンダ６Ｌ、６Ｒとの接合部には水封箱５が設けられている。
【０００３】
ホッパー１内には、揺動管２が設置されている。この揺動管２は、基端部２Ｂがホッパー１の前壁１Ｆに回動可能に支持されており、揺動管２の中間部には、ホッパー１の背壁１Ｂに回動可能に支持された揺動管軸１０の一端が固定されている。揺動管軸１０の回転中心と揺動管２の基端部２Ｂの回転中心とは同一線Ｏ上にある。ホッパー１の背壁１Ｂ外に延出した揺動管軸１０の他端には、切換レバー１１が固着され、この切換レバー１１とホッパー１との間に切換シリンダ１２Ｌ、１２Ｒが取付けられていて、切換シリンダ１２Ｌ、１２Ｒの一方が伸長するとき他方が縮小するようになっている。
【０００４】
切換シリンダ１２Ｌ、１２Ｒが伸縮すると、揺動管軸１０が回動して、揺動管２は左右に揺動され、揺動管２の先端部２Ｔが交互に左右の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒに臨む位置へ移動する。
ホッパー１の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒの周囲の揺動管２の先端部２Ｔが摺接する部分には、吸込吐出口１Ｌ、１Ｒを形成する左右一対の開口を備えた交換可能なめがね板８が取付けられている。また、揺動管２の先端部２Ｔは、めがね板８に圧接されて摺動するので、交換可能なウェアプレート３が取付けられている。このめがね板８とウェアプレート３とには、耐摩耗材が使用される。
【０００５】
揺動管２の基端部２Ｂには、輸送管（図示略）が接続される。土砂等の輸送対象物を輸送するときには、ホッパー１内に輸送対象物が投入される。そこで、一方（例えば右側）の搬送ピストン７を後退させてポンプシリンダ４Ｒ内に輸送対象物を吸込んだ後、揺動管２を揺動させて先端部２Ｔをそのポンプシリンダ４Ｒ側の吸込吐出口１Ｒに臨ませ、搬送ピストン７を前進させてポンプシリンダ４Ｒ内の輸送対象物を揺動管２から輸送管へ吐出する。一方のポンプシリンダ４Ｒが吐出行程にあるとき、他方のポンプシリンダ４Ｌでは搬送ピストン７を後退させてポンプシリンダ４Ｌ内に輸送対象物を吸込む。
【０００６】
次に、揺動管２を揺動させて先端部２Ｔを他方のポンプシリンダ４Ｌ側の吸込吐出口１Ｌに臨ませ、搬送ピストン７を前進させてポンプシリンダ４Ｌ内の輸送対象物を揺動管２から吐出する。この吸込行程と吐出行程とを左右交互に行うことにより継続的に輸送対象物を輸送する。
上記の揺動管方式のピストンポンプでは揺動管２を揺動させて先端部２Ｔを左側の吸込吐出口１Ｌから右側の吸込吐出口１Ｒへ、または、右側の吸込吐出口１Ｒから左側の吸込吐出口１Ｌへ切換える途中で左右の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒが揺動管２を介して連通する状態が生じる。このとき、輸送対象物の一部が、高圧な吐出側のポンプシリンダから低圧のポンプシリンダへ瞬間的に逆流するため、ピストンポンプは容積効率が低下し、振動や衝撃が発生するおそれがある。また、このような逆流が生じるピストンポンプは並列運転ができない。
【０００７】
この問題を解決するために、図７、図８に示すように、めがね板８の左右の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒの間隔をウェアプレート３の開口部１３の幅以上とし、ウェアプレート３の開口部１３の両端にめがね板８の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒの幅以上のシール部１４を設けたピストンポンプの逆流防止装置が提案されている（特許文献１参照）。
【０００８】
このピストンポンプの逆流防止装置によれば、揺動管２を揺動させて先端部２Ｔを左側の吸込吐出口１Ｌから右側の吸込吐出口１Ｒへ、または、右側の吸込吐出口１Ｒから左側の吸込吐出口１Ｌへ、即ちウェアプレート３を図８（ａ）の位置から図８（ｃ）の位置へ、または、図８（ｃ）の位置から図８（ａ）の位置へ、切換える途中、図８（ｂ）の位置に達しても左右の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒが連通する状態が生じることはなく、逆流を防止することができる。
【０００９】
【特許文献１】
特開２００２−２１３３４８号公報（第５頁、図２）
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の揺動管方式のピストンポンプの逆流防止装置では、ウェアプレート３を揺動管２の先端部２Ｔに装着するとき、図９、図１０に示すように、揺動管２の先端部２Ｔとウェアプレート３の嵌め合い部分に設けたキー溝１８、１９に固定キー２１を挿入して位置決めを行い、ウェアプレート３を揺動管２の先端部２Ｔに嵌合する構造であったため、ウェアプレート３を揺動管２の先端部２Ｔに取付けるときには固定キー２１が見えない状態で作業しなければならず、また、ウェアプレート３が重量物であるため、ウェアプレート３の装着は困難な作業となっていた。
【００１１】
本発明は、揺動管方式のピストンポンプの逆流防止装置における上記問題を解決するものであって、ウェアプレート３の揺動管２の先端部２Ｔへの装着作業を簡便でしかもに確実に行うことのできるピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造を提供することを目的とする。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明では、揺動管方式のピストンポンプのめがね板の左右の吸込吐出口の間隔をウェアプレートの開口部の幅以上とし、ウェアプレートの開口部の両側にめがね板の吸込吐出口の幅以上のシール部を設けたピストンポンプの逆流防止装置において、揺動管の先端部とウェアプレートの開口部の両側に、ウェアプレートの装着時にガイドロッドを挿入してウェアプレートの揺動管への取付けを案内すると共に、取付後に固定ピンを挿入してウェアプレートを揺動管に固定するための貫通孔を設けることにより上記課題を解決している。
【００１３】
このピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造によれば、ウェアプレートの装着時には、貫通孔にガイドロッドを挿入して、ウェアプレートの揺動管への取付けを案内することにより、ウェアプレートの揺動管への取付けを簡便に行うことができる。そして、ウェアプレートを揺動管に取付後、貫通孔からガイドロッドを取り外し、貫通孔に固定ピンを挿入することで、ウェアプレートを揺動管の先端部に確実に固定することができる。
【００１４】
また、分解組立時のウェアプレートの揺動管からの取外しも、貫通孔の固定ピンを抜き出し、ガイドロッドを挿入することで簡単に行うことができる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の実施の一形態であるピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造を示すホッパーの要部縦断面図、図２はめがね板を取り外した状態を示すホッパーの背面図である。
ここで、ピストンポンプの基本的構成は、図５及び図６に示す従来のものと同様であって、ホッパー１の背壁１Ｂの下部に左右一対の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒを設け、ホッパー１の背部には、吸込吐出口１Ｌ、１Ｒにそれぞれ一端が開口したポンプシリンダ４Ｌ、４Ｒを取付けている。ポンプシリンダ４Ｌ、４Ｒ内には、それぞれ搬送ピストン７を備えており、この搬送ピストン７は、駆動シリンダ６Ｌ、６Ｒによって交互に往復動されるようになっている。ポンプシリンダ４Ｌ、４Ｒと駆動シリンダ６Ｌ、６Ｒとの接合部には水封箱５が設けられている。
【００１６】
ホッパー１内には、揺動管２が設置されている。この揺動管２は、基端部２Ｂがホッパー１の前壁１Ｆに回動可能に支持されており、揺動管２の中間部には、ホッパー１の背壁１Ｂに回動可能に支持された揺動管軸１０の一端が固定されている。揺動管軸１０の回転中心と揺動管２の基端部２Ｂの回転中心とは同一線Ｏ上にある。ホッパー１の背壁１Ｂ外に延出した揺動管軸１０の他端には、切換レバー１１が固着され、この切換レバー１１とホッパー１との間に切換シリンダ１２Ｌ、１２Ｒが取付けられていて、切換シリンダ１２Ｌ、１２Ｒの一方が伸長するとき他方が縮小するようになっている。
【００１７】
切換シリンダ１２Ｌ、１２Ｒが伸縮すると、揺動管軸１０が回動して、揺動管２は左右に揺動され、揺動管２の先端部２Ｔが交互に左右の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒに臨む位置へ移動する。
ホッパー１の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒの周囲の揺動管２の先端部２Ｔが摺接する部分には、吸込吐出口１Ｌ、１Ｒを形成する左右一対の開口を備えた交換可能なめがね板８が取付けられている。また、揺動管２の先端部２Ｔは、めがね板８に圧接されて摺動するので、交換可能なウェアプレート３が取付けられている。このめがね板８とウェアプレート３とには、耐摩耗材が使用される。揺動管２の基端部２Ｂには、輸送管（図示略）が接続される。
【００１８】
ピストンポンプは、図７及び図８に示すものと同様の逆流防止装置を備えている。即ち、めがね板８の左右の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒの間隔をウェアプレート３の開口部１３の幅以上とし、ウェアプレート３の開口部１３の両端にめがね板８の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒの幅以上のシール部１４が設けられている。
揺動管２の先端部２Ｔとウェアプレート３の開口部１３の左右両側には、図１及び図２に示すように、揺動管貫通孔２Ａとウェアプレート貫通孔３Ａとが設けられている。揺動管貫通孔２Ａは前方（図１上左方）が小径となっている。
【００１９】
揺動管２にウェアプレート３を装着する場合には、図３に示すように、左右の揺動管貫通孔２Ａにそれぞれガイドロット４１の一端を挿入し、このガイドロット４１をウェアプレート貫通孔３Ａに挿通し、ガイドロット４１の他端をガイドロッド固定治具４２で保持する。
なお、ガイドロッド固定治具４２は、図４に示すように、支持台４２の上端に左右のウェアプレート貫通孔３Ａ間の距離と等しい間隔で保持溝４４が設けられており、ガイドロット４１を簡単に着脱できるようになっている。
【００２０】
それから、ウェアプレート３をガイドロット４１に沿って揺動管２側（図３上左側）へ移動させ、揺動管２の先端部２Ｔに取付ける。
ウェアプレート３取付後、ガイドロット４１を揺動管貫通孔２Ａ、ウェアプレート貫通孔３Ａから取り外し、ウェアプレート３側からウェアプレート貫通孔３Ａ、揺動管貫通孔２Ａに固定ピン３１を挿入する。固定ピン３１は揺動管貫通孔２Ａに合わせて先端側を小径としてねじ加工を施しており、揺動管２側からナット３２を螺着することによりウェアプレート３が揺動管２に固定される。
【００２１】
このピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造によれば、ウェアプレート３の装着時には、揺動管貫通孔２Ａ、ウェアプレート貫通孔３Ａにガイドロッド４１を挿入して、ウェアプレート３の揺動管２への取付けを案内することにより、ウェアプレート３の揺動管２への取付けを簡便に行うことができる。ウェアプレート３を揺動管２に取付後、揺動管貫通孔２Ａ、ウェアプレート貫通孔３Ａからガイドロッド４１を取り外し、揺動管貫通孔２Ａ、ウェアプレート貫通孔３Ａに固定ピン３１を挿入することで、ウェアプレート３を揺動管２の先端部２Ｔに確実に固定することができる。
【００２２】
また、分解組立時のウェアプレート３の揺動管２からの取外しも、揺動管貫通孔２Ａ、ウェアプレート貫通孔３Ａから固定ピン３１を抜き出し、ガイドロッド４１を挿入することで簡単に行うことができる。
【００２３】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造によれば、ウェアプレートの揺動管への装着作業を簡便で確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態であるピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造を示すホッパーの要部縦断面図である。
【図２】めがね板を取り外した状態を示すホッパーの背面図である。
【図３】ウェアプレートの揺動管への装着作業の説明図である。
【図４】ガイドロッド固定治具の構成を示す背面図である。
【図５】従来のピストンポンプの構成を示す平面図である。
【図６】従来のピストンポンプの構成を示す要部縦断面図である。
【図７】従来のピストンポンプの逆流防止装置の構成図である。
【図８】従来のピストンポンプの逆流防止装置の作用の説明図である。
【図９】従来のピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造を示すホッパーの要部縦断面図である。
【図１０ 】従来のピストンポンプの逆流防止装置のめがね板を取り外した状態を示すホッパーの背面図である。
【符号の説明】
１ ホッパー
１Ｂ 背壁
１Ｆ 前壁
１Ｌ、１Ｒ 吸込吐出口
２ 揺動管
２Ａ 揺動管貫通孔
２Ｂ 基端部
２Ｔ 先端部
３ ウェアプレート
３Ａ ウェアプレート貫通孔
４Ｌ、４Ｒ ポンプシリンダ
８ めがね板
１０ 揺動軸
１３ 開口部
１４ シール部
３１ 固定ピン
３２ ナット
４１ ガイドロッド
４２ ガイドロッド固定治具
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築、土木工事における流動性の乏しい低スランプのコンクリートや土砂の圧送、あるいは、下水処理場やし尿処理場における低含水率の脱水汚泥の圧送等に用いられる揺動管方式のピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、揺動管方式のピストンポンプは、図５及び図６に示すように、ホッパー１の背壁１Ｂの下部に左右一対の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒを設け、ホッパー１の背部には、吸込吐出口１Ｌ、１Ｒにそれぞれ一端が開口したポンプシリンダ４Ｌ、４Ｒを取付けている。ポンプシリンダ４Ｌ、４Ｒ内には、それぞれ搬送ピストン７を備えており、この搬送ピストン７は、駆動シリンダ６Ｌ、６Ｒによって交互に往復動されるようになっている。ポンプシリンダ４Ｌ、４Ｒと駆動シリンダ６Ｌ、６Ｒとの接合部には水封箱５が設けられている。
【０００３】
ホッパー１内には、揺動管２が設置されている。この揺動管２は、基端部２Ｂがホッパー１の前壁１Ｆに回動可能に支持されており、揺動管２の中間部には、ホッパー１の背壁１Ｂに回動可能に支持された揺動管軸１０の一端が固定されている。揺動管軸１０の回転中心と揺動管２の基端部２Ｂの回転中心とは同一線Ｏ上にある。ホッパー１の背壁１Ｂ外に延出した揺動管軸１０の他端には、切換レバー１１が固着され、この切換レバー１１とホッパー１との間に切換シリンダ１２Ｌ、１２Ｒが取付けられていて、切換シリンダ１２Ｌ、１２Ｒの一方が伸長するとき他方が縮小するようになっている。
【０００４】
切換シリンダ１２Ｌ、１２Ｒが伸縮すると、揺動管軸１０が回動して、揺動管２は左右に揺動され、揺動管２の先端部２Ｔが交互に左右の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒに臨む位置へ移動する。
ホッパー１の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒの周囲の揺動管２の先端部２Ｔが摺接する部分には、吸込吐出口１Ｌ、１Ｒを形成する左右一対の開口を備えた交換可能なめがね板８が取付けられている。また、揺動管２の先端部２Ｔは、めがね板８に圧接されて摺動するので、交換可能なウェアプレート３が取付けられている。このめがね板８とウェアプレート３とには、耐摩耗材が使用される。
【０００５】
揺動管２の基端部２Ｂには、輸送管（図示略）が接続される。土砂等の輸送対象物を輸送するときには、ホッパー１内に輸送対象物が投入される。そこで、一方（例えば右側）の搬送ピストン７を後退させてポンプシリンダ４Ｒ内に輸送対象物を吸込んだ後、揺動管２を揺動させて先端部２Ｔをそのポンプシリンダ４Ｒ側の吸込吐出口１Ｒに臨ませ、搬送ピストン７を前進させてポンプシリンダ４Ｒ内の輸送対象物を揺動管２から輸送管へ吐出する。一方のポンプシリンダ４Ｒが吐出行程にあるとき、他方のポンプシリンダ４Ｌでは搬送ピストン７を後退させてポンプシリンダ４Ｌ内に輸送対象物を吸込む。
【０００６】
次に、揺動管２を揺動させて先端部２Ｔを他方のポンプシリンダ４Ｌ側の吸込吐出口１Ｌに臨ませ、搬送ピストン７を前進させてポンプシリンダ４Ｌ内の輸送対象物を揺動管２から吐出する。この吸込行程と吐出行程とを左右交互に行うことにより継続的に輸送対象物を輸送する。
上記の揺動管方式のピストンポンプでは揺動管２を揺動させて先端部２Ｔを左側の吸込吐出口１Ｌから右側の吸込吐出口１Ｒへ、または、右側の吸込吐出口１Ｒから左側の吸込吐出口１Ｌへ切換える途中で左右の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒが揺動管２を介して連通する状態が生じる。このとき、輸送対象物の一部が、高圧な吐出側のポンプシリンダから低圧のポンプシリンダへ瞬間的に逆流するため、ピストンポンプは容積効率が低下し、振動や衝撃が発生するおそれがある。また、このような逆流が生じるピストンポンプは並列運転ができない。
【０００７】
この問題を解決するために、図７、図８に示すように、めがね板８の左右の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒの間隔をウェアプレート３の開口部１３の幅以上とし、ウェアプレート３の開口部１３の両端にめがね板８の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒの幅以上のシール部１４を設けたピストンポンプの逆流防止装置が提案されている（特許文献１参照）。
【０００８】
このピストンポンプの逆流防止装置によれば、揺動管２を揺動させて先端部２Ｔを左側の吸込吐出口１Ｌから右側の吸込吐出口１Ｒへ、または、右側の吸込吐出口１Ｒから左側の吸込吐出口１Ｌへ、即ちウェアプレート３を図８（ａ）の位置から図８（ｃ）の位置へ、または、図８（ｃ）の位置から図８（ａ）の位置へ、切換える途中、図８（ｂ）の位置に達しても左右の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒが連通する状態が生じることはなく、逆流を防止することができる。
【０００９】
【特許文献１】
特開２００２−２１３３４８号公報（第５頁、図２）
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の揺動管方式のピストンポンプの逆流防止装置では、ウェアプレート３を揺動管２の先端部２Ｔに装着するとき、図９、図１０に示すように、揺動管２の先端部２Ｔとウェアプレート３の嵌め合い部分に設けたキー溝１８、１９に固定キー２１を挿入して位置決めを行い、ウェアプレート３を揺動管２の先端部２Ｔに嵌合する構造であったため、ウェアプレート３を揺動管２の先端部２Ｔに取付けるときには固定キー２１が見えない状態で作業しなければならず、また、ウェアプレート３が重量物であるため、ウェアプレート３の装着は困難な作業となっていた。
【００１１】
本発明は、揺動管方式のピストンポンプの逆流防止装置における上記問題を解決するものであって、ウェアプレート３の揺動管２の先端部２Ｔへの装着作業を簡便でしかもに確実に行うことのできるピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造を提供することを目的とする。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明では、揺動管方式のピストンポンプのめがね板の左右の吸込吐出口の間隔をウェアプレートの開口部の幅以上とし、ウェアプレートの開口部の両側にめがね板の吸込吐出口の幅以上のシール部を設けたピストンポンプの逆流防止装置において、揺動管の先端部とウェアプレートの開口部の両側に、ウェアプレートの装着時にガイドロッドを挿入してウェアプレートの揺動管への取付けを案内すると共に、取付後に固定ピンを挿入してウェアプレートを揺動管に固定するための貫通孔を設けることにより上記課題を解決している。
【００１３】
このピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造によれば、ウェアプレートの装着時には、貫通孔にガイドロッドを挿入して、ウェアプレートの揺動管への取付けを案内することにより、ウェアプレートの揺動管への取付けを簡便に行うことができる。そして、ウェアプレートを揺動管に取付後、貫通孔からガイドロッドを取り外し、貫通孔に固定ピンを挿入することで、ウェアプレートを揺動管の先端部に確実に固定することができる。
【００１４】
また、分解組立時のウェアプレートの揺動管からの取外しも、貫通孔の固定ピンを抜き出し、ガイドロッドを挿入することで簡単に行うことができる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
図１は本発明の実施の一形態であるピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造を示すホッパーの要部縦断面図、図２はめがね板を取り外した状態を示すホッパーの背面図である。
ここで、ピストンポンプの基本的構成は、図５及び図６に示す従来のものと同様であって、ホッパー１の背壁１Ｂの下部に左右一対の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒを設け、ホッパー１の背部には、吸込吐出口１Ｌ、１Ｒにそれぞれ一端が開口したポンプシリンダ４Ｌ、４Ｒを取付けている。ポンプシリンダ４Ｌ、４Ｒ内には、それぞれ搬送ピストン７を備えており、この搬送ピストン７は、駆動シリンダ６Ｌ、６Ｒによって交互に往復動されるようになっている。ポンプシリンダ４Ｌ、４Ｒと駆動シリンダ６Ｌ、６Ｒとの接合部には水封箱５が設けられている。
【００１６】
ホッパー１内には、揺動管２が設置されている。この揺動管２は、基端部２Ｂがホッパー１の前壁１Ｆに回動可能に支持されており、揺動管２の中間部には、ホッパー１の背壁１Ｂに回動可能に支持された揺動管軸１０の一端が固定されている。揺動管軸１０の回転中心と揺動管２の基端部２Ｂの回転中心とは同一線Ｏ上にある。ホッパー１の背壁１Ｂ外に延出した揺動管軸１０の他端には、切換レバー１１が固着され、この切換レバー１１とホッパー１との間に切換シリンダ１２Ｌ、１２Ｒが取付けられていて、切換シリンダ１２Ｌ、１２Ｒの一方が伸長するとき他方が縮小するようになっている。
【００１７】
切換シリンダ１２Ｌ、１２Ｒが伸縮すると、揺動管軸１０が回動して、揺動管２は左右に揺動され、揺動管２の先端部２Ｔが交互に左右の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒに臨む位置へ移動する。
ホッパー１の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒの周囲の揺動管２の先端部２Ｔが摺接する部分には、吸込吐出口１Ｌ、１Ｒを形成する左右一対の開口を備えた交換可能なめがね板８が取付けられている。また、揺動管２の先端部２Ｔは、めがね板８に圧接されて摺動するので、交換可能なウェアプレート３が取付けられている。このめがね板８とウェアプレート３とには、耐摩耗材が使用される。揺動管２の基端部２Ｂには、輸送管（図示略）が接続される。
【００１８】
ピストンポンプは、図７及び図８に示すものと同様の逆流防止装置を備えている。即ち、めがね板８の左右の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒの間隔をウェアプレート３の開口部１３の幅以上とし、ウェアプレート３の開口部１３の両端にめがね板８の吸込吐出口１Ｌ、１Ｒの幅以上のシール部１４が設けられている。
揺動管２の先端部２Ｔとウェアプレート３の開口部１３の左右両側には、図１及び図２に示すように、揺動管貫通孔２Ａとウェアプレート貫通孔３Ａとが設けられている。揺動管貫通孔２Ａは前方（図１上左方）が小径となっている。
【００１９】
揺動管２にウェアプレート３を装着する場合には、図３に示すように、左右の揺動管貫通孔２Ａにそれぞれガイドロット４１の一端を挿入し、このガイドロット４１をウェアプレート貫通孔３Ａに挿通し、ガイドロット４１の他端をガイドロッド固定治具４２で保持する。
なお、ガイドロッド固定治具４２は、図４に示すように、支持台４２の上端に左右のウェアプレート貫通孔３Ａ間の距離と等しい間隔で保持溝４４が設けられており、ガイドロット４１を簡単に着脱できるようになっている。
【００２０】
それから、ウェアプレート３をガイドロット４１に沿って揺動管２側（図３上左側）へ移動させ、揺動管２の先端部２Ｔに取付ける。
ウェアプレート３取付後、ガイドロット４１を揺動管貫通孔２Ａ、ウェアプレート貫通孔３Ａから取り外し、ウェアプレート３側からウェアプレート貫通孔３Ａ、揺動管貫通孔２Ａに固定ピン３１を挿入する。固定ピン３１は揺動管貫通孔２Ａに合わせて先端側を小径としてねじ加工を施しており、揺動管２側からナット３２を螺着することによりウェアプレート３が揺動管２に固定される。
【００２１】
このピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造によれば、ウェアプレート３の装着時には、揺動管貫通孔２Ａ、ウェアプレート貫通孔３Ａにガイドロッド４１を挿入して、ウェアプレート３の揺動管２への取付けを案内することにより、ウェアプレート３の揺動管２への取付けを簡便に行うことができる。ウェアプレート３を揺動管２に取付後、揺動管貫通孔２Ａ、ウェアプレート貫通孔３Ａからガイドロッド４１を取り外し、揺動管貫通孔２Ａ、ウェアプレート貫通孔３Ａに固定ピン３１を挿入することで、ウェアプレート３を揺動管２の先端部２Ｔに確実に固定することができる。
【００２２】
また、分解組立時のウェアプレート３の揺動管２からの取外しも、揺動管貫通孔２Ａ、ウェアプレート貫通孔３Ａから固定ピン３１を抜き出し、ガイドロッド４１を挿入することで簡単に行うことができる。
【００２３】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造によれば、ウェアプレートの揺動管への装着作業を簡便で確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態であるピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造を示すホッパーの要部縦断面図である。
【図２】めがね板を取り外した状態を示すホッパーの背面図である。
【図３】ウェアプレートの揺動管への装着作業の説明図である。
【図４】ガイドロッド固定治具の構成を示す背面図である。
【図５】従来のピストンポンプの構成を示す平面図である。
【図６】従来のピストンポンプの構成を示す要部縦断面図である。
【図７】従来のピストンポンプの逆流防止装置の構成図である。
【図８】従来のピストンポンプの逆流防止装置の作用の説明図である。
【図９】従来のピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造を示すホッパーの要部縦断面図である。
【図１０ 】従来のピストンポンプの逆流防止装置のめがね板を取り外した状態を示すホッパーの背面図である。
【符号の説明】
１ ホッパー
１Ｂ 背壁
１Ｆ 前壁
１Ｌ、１Ｒ 吸込吐出口
２ 揺動管
２Ａ 揺動管貫通孔
２Ｂ 基端部
２Ｔ 先端部
３ ウェアプレート
３Ａ ウェアプレート貫通孔
４Ｌ、４Ｒ ポンプシリンダ
８ めがね板
１０ 揺動軸
１３ 開口部
１４ シール部
３１ 固定ピン
３２ ナット
４１ ガイドロッド
４２ ガイドロッド固定治具
Claims (1)
- 揺動管方式のピストンポンプのめがね板の左右の吸込吐出口の間隔をウェアプレートの開口部の幅以上とし、ウェアプレートの開口部の両側にめがね板の吸込吐出口の幅以上のシール部を設けたピストンポンプの逆流防止装置において、揺動管の先端部とウェアプレートの開口部の両側に、ウェアプレートの装着時にガイドロッドを挿入してウェアプレートの揺動管への取付けを案内すると共に、取付後に固定ピンを挿入してウェアプレートを揺動管に固定するための貫通孔を設けたことを特徴とするピストンポンプの逆流防止装置のウェアプレート装着構造。
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