JP4151479B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用の各種部品に用いられる溶融亜鉛めっき鋼板に関し、特に、板厚が2.0mm以下の熱延鋼板を原板とした伸びフランジ性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用部品、中でも衝突部材としてのメンバー、フレーム類は、高い強度と優れた耐衝突特性が要求される。また、これらの部品は、その多くが、スプリングバックによる形状不良を抑えるために、ブランク後、しわ抑え力を付与しないで加工するいわゆるフォーム成形が行われるため、加工によって局部的に大きなフランジ歪が発生する。そのため、これら部品の素材には、曲げ加工性だけでなく、他部品の素材よりも優れた伸びフランジ性が要求される。さらにこれらの部品には、優れた耐食性が求められることが多いため、防錆処理を施した鋼板、特にGA(合金化溶融亜鉛めっき鋼板)やGI(非合金化溶融亜鉛めっき鋼板)が多く用いられている。
【0003】
従来、防錆処理を施した鋼板の原板には、上記要求に適応するものとして、引張強度TSが590MPa以下のいわゆる中・高強度の冷延鋼板が用いられてきた。しかし、近年の自動車部品に対するコスト低減の要請から、その素材となる鋼板にも、製造コストの低減が求められている。また、昨今の熱延技術の進歩により、熱延鋼板の形状や寸法精度の向上が著しい。このような背景から、防錆処理鋼板の原板として、冷延鋼板と比較して低廉な熱延鋼板を採用することが検討されている。
【0004】
しかしながら、メンバーやフレーム類は、剪断した端面が厳しい伸びフランジ成形を受けることが多いため、従来の熱延鋼板を原板とした溶融亜鉛めっき鋼板では、厳しいフランジ加工に耐えられない。そこで、原板となる熱延鋼板の伸びフランジ性を改善する技術が検討されている。例えば、特許文献1には、破壊の起点となる析出物の形態を制御することにより伸びフランジ性を改善する技術が開示されている。しかし、この技術は、いわゆる軟鋼板を対象としているため、得られる鋼板は、強度が低くて強度−延性バランスに劣る他、B添加が必須であり、伸びフランジ性も十分ではないという問題がある。
【0005】
また、延性を改善するために、強度と延性のバランスが良好なDP鋼(Dual Phase鋼)等の複合組織鋼板が開発されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、複合組織鋼板は、引張変形における延性は良好であるが、伸びフランジ性が劣るという基本的な問題点がある。さらに、この複合組織の高強度鋼板は、強化機構が主に変態組織によるものであるため、引張強度が590MPa以下の中強度の鋼板を安定して製造することは難しく、材質の変動が大きいという問題点がある。さらに、この鋼板は、Si等の合金成分を多量に含有するため、溶融亜鉛めっき鋼板の原板として用いることは容易ではない。
【0006】
【特許文献1】
特開平9− 41041号公報
【特許文献2】
特開平5−179345号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来技術で製造した熱延鋼板を原板とする溶融亜鉛めっき鋼板は、伸びフランジ性が十分ではないという問題がある。それでも、鋼板の板厚が2.0mm超えの場合には、比較的良好な伸びフランジ性を確保することができるが、板厚が2.0mm以下、特に1.8mm以下となると、伸びフランジ性が急激に劣化する傾向にあり、そのことが熱延鋼板を溶融亜鉛めっき鋼板の原板として採用する上で大きな障害となっている。また、本発明の対象としている自動車部品は、衝突時のエネルギー吸収に影響するいわゆる重要保安部品であることから、材質の変動が小さく品質が安定していることが求められている。
【0008】
本発明の目的は、板厚2.0mm以下の熱延鋼板をめっき原板として用いても、伸びフランジ性が良好な中・高強度の溶融亜鉛めっき鋼板とその有利な製造方法を提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、従来技術が抱える上記問題点を解決するために、成分組成と熱延条件を広範囲に変化させた熱延鋼板を原板として各種溶融亜鉛めっき鋼板を製造し、素材の成分組成や熱延条件が伸びフランジ性に及ぼす影響を調査した。その結果、鋼板の成分組成を従来の鋼板に比べてより厳密に制御するとともに、熱間粗圧延、仕上圧延の圧延条件や温度条件、巻取条件を最適化して鋼板組織をより均一微細化し、さらに溶融亜鉛めっき前の焼鈍条件を最適化することにより、板厚2.0mm以下の熱延鋼板を原板として用いても伸びフランジ性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を製造できることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、C:0.01〜0.15mass%、Si:0.05mass%以下、Mn:0.2〜1.5mass%、P:0.02mass%以下、S:0.003mass%以下、Al:0.10mass%以下、N:0.010mass%以下、残部がFeおよび不可避的不純物からなる板厚2.0mm以下の熱延鋼板表面に溶融亜鉛めっきしたものであって、板厚の95%以上が等軸粒からなりかつ該等軸粒の平均結晶粒径が20μm以下である組織を有することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板である。
【0011】
なお、本発明の鋼板は、上記成分組成に加えてさらに、下記▲1▼〜▲3▼群のうちの1種以上を含有することが好ましい。
▲1▼ Cu,Ni,Cr,Moをのいずれか1種または2種以上合計で1.0mass%以下
▲2▼ Nb,Ti,Vをのいずれか1種または2種以上合計で0.1mass%以下
▲3▼ Ca:0.10mass%以下およびREM:0.10mass%以下のいずれか1種または2種
【0012】
また、本発明は、C:0.01〜0.15mass%、Si:0.05mass%以下、Mn:0.2〜1.5mass%、P:0.02mass%以下、S:0.003mass%以下、Al:0.10mass%以下、N:0.010mass%以下、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、全圧下率80%以上の粗圧延の後、全圧下率85%以上、仕上温度840℃以上かつ仕上圧延入側と出側の温度差70℃以上とする仕上圧延を行い、700℃以下で巻き取って得た板厚2.0mm以下の熱延鋼板を、700〜850℃に加熱した後、溶融亜鉛めっきを行うことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提案する。
【0013】
なお、本発明の製造方法は、上記成分組成に加えてさらに、下記▲1▼〜▲3▼群のうちの1種以上を含有することが好ましい。
▲1▼ Cu,Ni,Cr,Moのいずれか1種または2種以上を合計で1.0mass%以下
▲2▼ Nb,Ti,Vのいずれか1種または2種以上を合計で0.1mass%以下
▲3▼ Ca:0.10mass%以下およびREM:0.10mass%以下のいずれか1種または2種
【0014】
【発明の実施の形態】
上述したように、本発明は、板厚が2.0mm以下の熱延鋼板を素材とした溶融亜鉛めっき鋼板を対象とする。というのは、自動車のメンバーやフレーム類は、強度部材であることから、その素材となる鋼板には板厚が1.0〜3.2mmのものが一般に用いられているが、鋼板の板厚が2.0mmを超えて厚い場合には、熱延温度を確保し易く、微細な組織を得やすいことから、比較的良好な伸びフランジ性を得ることができる。しかし、板厚が2.0mm以下に薄くなると、微細な均一組織を得ることができなくなり、その結果、伸びフランジ性も急激に劣化する傾向にあるからである。
【0015】
また、上記用途に用いられる鋼板に求められる伸びフランジ性は、穴拡げ率にして50%以上であることが必要である。この穴拡げ率50%以上という値は、実部品を対象にした事前の実験により、これ以上の特性であれば実用上問題なく使用できることを確認し決定した基準値である。ここで、上記穴拡げ率とは、日本鉄鋼連盟規格JFST1001に定められた穴拡げ試験に準拠して求めたものである。この試験は、用意した試験片に、打ち抜きにより、穴径d0が10mmφ、クリアランスが板厚の12.5%の初期穴を設けた後、60°の円錐ポンチを初期穴に装入して穴径を拡げ、発生した亀裂が板厚を貫通する時の穴径d(mm)を求め、これらd0,dの値から、次式を用いて穴拡げ率λ(%)を算出するものである。
λ={(d−d0)/d0}×100(%)
【0016】
次に、本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の原板となる熱延鋼板の成分組成を、上記範囲に限定する理由について説明する。
C:0.01〜0.15mass%
Cは、強化元素として必須の元素である。しかし、Cが0.15mass%を超えると、鋼中炭化物の分率が増加することに起因して、鋼板の延性、さらには成形性が悪化するため好ましくない。特に、本発明における重要な特性である伸びフランジ性の低下が著しい。さらに、Cが0.15mass%を超えると、スポット溶接性、アーク溶接性などの溶接性が大きく低下するという問題がある。そのため、Cの含有量は0.15mass%以下に制限する必要がある。成形性をより向上させるためには0.10mass%以下が好ましく、特に良好な延性が必要な場合には0.08mass%以下がより好ましい。一方、Cが0.01mass%未満となると、結晶粒が粗大化し、本発明の重要な要件である粒径が20μm以下の微細結晶粒を得ることが難しくなる。また、溶接熱影響部(HAZ)の組織が粗大化する傾向があり、強度部品としての信頼性の点からは問題がある。従って、Cの含有量は、0.01〜0.15mass%の範囲に制限する。
【0017】
Si:0.05mass%以下
Siは、含有量が0.05mass%を上回ると、熱間圧延時の変形抵抗が増加して、圧延負荷が増大するため0.05mass%以下に制限する。さらに、Siは、溶融亜鉛めっきの密着性を劣化させる元素であることから、その含有量は低いほどよく、0.03mass%以下とすることが好ましい。
【0018】
Mn:0.2〜1.5mass%
Mnは、結晶粒を微細化すると共に、熱間圧延時のγ→α変態点を低下させるので、変態点以上での仕上圧延を容易にする。しかし、0.2mass%未満では、この効果が小さく、一方、1.5mass%を超えると逆にめっき性が低下する。そこで、Mnの含有量は0.2〜1.5mass%の範囲に制限する。好ましくは、0.3〜1.2mass%である。
【0019】
P:0.02mass%以下
Pは、多量に含有すると鋼を脆化させる。また、鋼中に偏析する傾向が強く、この偏析したPは、鋼板の伸びフランジ性を悪化させる他、溶接部の脆化を引き起こす。そのためPの含有量は低いほど好ましく、0.02mass%以下に制限する。なお、上記の特性が特に重要視される用途では、Pの含有量は0.005mass%以下とするのが好ましい。
【0020】
S:0.003mass%以下
Sは、鋼中に介在物として存在して、鋼板の延性を減少させると共に、耐食性の劣化をもたらす元素であるため、その上限を0.003mass%に制限する。特に、良好な加工性が要求される用途には、0.002mass%以下とすることが望ましい。
【0021】
Al:0.10mass%以下
Alは、鋼の脱酸元素として添加され、鋼の清浄度を向上させるのに有用な元素である。また、鋼の組織を微細化するのにも有効な元素であり、この観点からは0.01mass%以上含有することが好ましい。しかし、Al含有量が多くなり過ぎると、表面性状の悪化につながる他、本発明の目的である良好な伸びフランジ性を確保することが難しくなる。そのため、Al含有量の上限は0.10mass%とする。材質の安定性という観点からは、0.020〜0.080mass%の範囲に制限することが好ましい。
【0022】
N:0.010mass%以下
Nは、通常の製造方法で含有される量であれば実用上は問題はなく、概ね0.010mass%以下に制限することにより安定した機械的特性を得ることができる。
【0023】
本発明は、上述した必須成分に加えてさらに、以下の成分を添加することができる。
Cu,Ni,Cr,Moのいずれか1種または2種以上を合計で1.0mass%以下
Cu,Ni,CrおよびMoは、強化元素として有効な元素であり、伸びフランジ性を損なうことなく、鋼板の強度(降伏応力:YS,引張強度:TS)を増加することができる。いずれの元素も0.02mass%以上の含有量で上記の望ましい強化効果が得られるため、いずれか1種または2種以上を合計で0.02mass%以上含有することが望ましい。また、これらの効果は、相加的であり相殺されることはない。しかしながら、合計の含有量が1.0mass%を超えると、熱間変形抵抗が増大し、板厚が薄い熱延鋼板の製造が困難となる。よって、これらの含有量の合計は1.0mass%以下であることが好ましい。
【0024】
Nb,Ti,Vのいずれか1種または2種以上を合計で0.1mass%以下
Nb,TiおよびVは、強化元素として有効な元素であり、組織を微細化することにより伸びフランジ性を低下させることなく鋼板の強度を増加させることができる。このような効果を発現するためには、Nb,Ti,Vのいずれか1種または2種以上を合計で0.005mass%以上含有することが好ましい。しかし、合計の含有量が0.1mass%を超えると、上述したCu等と同様に、鋼板の変形抵抗を増大させるほか、機械的性質の面内異方性を大きくするので、プレス成形上望ましくない。したがって、これら元素の含有量は合計で0.1mass%以下に制限することが好ましい。
【0025】
Ca:0.10mass%以下およびREM:0.10mass%以下のいずれか1種または2種
CaおよびREMは、介在物の形態制御に有効な元素であり、これらの1種または2種を添加することにより、伸びフランジ性を著しく改善することができる。この効果を発現するためには0.005mass%以上含有することが好ましい。しかし、0.10mass%を超えて含有しても、その効果が飽和し、却って表面欠陥を生ずるなどの問題があるので、上限は0.10mass%とするのが好ましい。なおここで、REMとは、La,Ceの他、Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu等を意味する。
【0026】
次に、溶融亜鉛めっき鋼板の原板となる熱延鋼板の組織について説明する。
板厚の薄い熱延鋼板は、熱延温度の低下により、その表裏面に圧延で展伸した異常な結晶粒が現れやすい。このような結晶粒を有する組織は、引張特性に及ぼす悪影響は小さいため、今まで特に問題とされることはなかった。しかし、伸びフランジ性に対しては、これらの異常組織は極めて有害であることが発明者らの研究により明らかになった。これらの組織が板厚の5%未満、即ち板厚の95%以上が正常な等軸粒からなる組織であれば、安定して高い伸びフランジ性を確保することができる。さらに、上記等軸粒の平均結晶粒径が20μm以下である場合には、より優れた伸びフランジ性が得られることがわかった。これらのことから、本発明の熱延鋼板の組織は、板厚の95%以上が等軸粒からなり、かつ該等軸粒の平均粒径が20μm以下である必要がある。ここで、本発明における等軸粒とは、圧延方向に平行な板厚断面の結晶粒を観察した時に、次式で定義されるアスペクト比が1.5以下であるものを意味する。
アスペクト比=(圧延方向の粒径)/(板厚方向の粒径)
なおここで、圧延方向の粒径、板厚方向の粒径とは、各々の方向での最大の粒長さを意味する。
【0027】
次に、本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法について説明する。
スラブの製造
上記成分組成に調整された鋼を通常の転炉や電気炉等で溶製し、必要により真空脱ガス処理等を施した後、鋳造して鋼スラブとする。スラブの製造方法は、成分のマクロ偏析を防止するためには連続鋳造法が望ましいが、造塊−分塊圧延法、薄スラブ鋳造法で製造してもよい。
【0028】
スラブ加熱
上記製造したスラブは、その後、熱間圧延により熱延鋼板とするが、この際のスラブ加熱には、いったん室温まで冷却した後、再度、加熱炉で加熱する従来法の他、冷却しないで温片のまま加熱炉に装入するあるいは僅かの保熱を行ったのち直ちに圧延する直送圧延や直接圧延などの省エネルギープロセスを適用することができる。スラブ加熱温度は、熱間圧延前の初期状態として均一なオーステナイト組織とするために、1000℃以上とすることが好ましい。上限は特に規制されないが、酸化ロスの増大などから1280℃以下とすることが望ましい。
【0029】
粗圧延および仕上圧延における圧下率
熱間圧延における圧下率は、本発明の重要な要件の一つであり、粗圧延における全圧下率を80%以上とし、仕上圧延における全圧下率を85%以上とする必要がある。各圧下率を上記範囲に制御することにより、仕上圧延前の組織を板厚方向で均一かつ微細なものとし、さらに、仕上圧延でも、粗圧延で得られた組織をさらに均一かつ微細なものとすることができる。上記の粗圧延と仕上圧延の圧下率は各々必須な条件であり、両者が同時に満足されて初めて、本発明の目標である均一かつ微細な組織ひいては優れた伸びフランジ性に代表される望ましい特性を有する熱延鋼板を得ることができる。
【0030】
仕上圧延温度
仕上圧延温度は、均一微細な熱延母板組織を得るためには、840℃以上とする必要がある。仕上圧延温度が840℃を下回ると、特に温度の低下が大きい鋼板表裏面では、変態点以下で圧延される部分が局部的に発生し、異常粒が生成して鋼板組織が不均一となる。この異常粒を有する組織は、溶融亜鉛めっきラインにおける加熱後も消滅せずに残留し、伸びフランジ性を著しく劣化させる。従って、仕上圧延温度は840℃以上とする必要がある。さらに機械的性質を向上させるには、850℃以上であることが望ましい。上限温度は特に規制されないが、過度に高い温度で圧延すると、スケール疵などの発生が懸念されるため、1000℃以下に制御することが好ましい。
【0031】
仕上圧延入側と出側の温度差
本発明においては、従来のような仕上圧延温度すなわち仕上圧延最終スタンドの出側温度の制御だけでなく、仕上圧延の入側と出側の温度差を制御することが重要な要件である。すなわち、840℃以上の仕上圧延温度で圧延しても、仕上圧延最初のスタンド入側温度との差が70℃未満である場合には、優れた伸びフランジ性を得ることはできない。この詳細な機構は明確にはなっていないが、
1)圧延中の加工発熱により見かけ上高い温度で圧延されていても、実質的な圧延は変態点以下の温度で行われている
2)入側温度を一定以上にしないと、仕上圧延中における加工・再結晶・粒成長が進まず、組織の均一微細化が促進されない
3)仕上圧延入側と出側の温度差が70℃未満では、伸びフランジ性に不利な特異な再結晶集合組織が形成される
ことなどが考えられる。
【0032】
熱延終了後の冷却
熱延後の冷却条件は、特に限定はしないが、均一で微細な組織を得るためには、圧延終了後、速やかに水冷を行い、平均冷却速度を40℃/sec以上とすること好ましい。なお、冷却速度が早すぎると、材質の均一性と形状の均一性が得られなくなるので、300℃/sec以下の冷却速度とすることが好ましい。
【0033】
巻取温度
熱延後の巻取温度は、高くなり過ぎると、鋼板の長手方向、幅方向の全域にわたって均一な機械的特性を得ることが難しくなる。しかし、700℃以下であれば、ほぼ均一な特性を得ることができるので、巻取温度は700℃以下に制限する。一方、下限の温度は、材質上は厳しく限定する必要はないが、200℃を下回ると、材質の均一性が低下する傾向にあり、さらに鋼板形状も乱れるため200℃以上とすることが好ましい。なお、より均一な材質を求める場合には300℃以上とすることが望ましい。
【0034】
溶融亜鉛めっき
溶融亜鉛めっきは、前記のように熱間圧延し、巻き取って得た板厚2.0mm以下の熱延鋼板を、700〜850℃の温度に加熱し、冷却したのちに行う。加熱温度が、700℃未満では、めっきが付着しないいわゆる不めっきが発生するので好ましくない。一方、850℃を超えると、組織が粗大化し、伸びフランジ性が低下する。そのため、本発明では、溶融亜鉛めっき前の加熱温度は700〜850℃に制限する。なお、熱間圧延において均一微細化された鋼板組織は、溶融亜鉛めっき処理前の加熱温度が上記範囲であれば、ほぼそのままの状態に維持される。また、前記めっき前の加熱および溶融亜鉛めっきは、連続溶融亜鉛めっきラインにて行うことが好ましい。
【0035】
なお、溶融亜鉛めっきの前に行われる熱延鋼板の脱スケールは、表面のスケールが極めて薄い場合は、例えば溶融亜鉛めっきライン入側で酸洗処理して行う方法、あるいは酸洗せずにそのまま焼鈍して還元する方法を採用することができる。しかし、めっき密着性の観点からは、通常の酸洗処理を行ってから、加熱、溶融亜鉛めっきを行うことが好ましい。なお、溶融亜鉛めっき後の鋼板は、要求特性に応じて、さらに450〜550℃に加熱保持して合金化処理し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板とすることができる。また、必要に応じて、溶融亜鉛めっき後、あるいは合金化処理後、スキンパス圧延を行ってもよい。さらに、本発明は、溶融亜鉛めっき以外の鋼板、例えばAl−Zn合金等のめっき鋼板にも適用することができる。
【0036】
ところで、本発明の溶融亜鉛めっき鋼板は、上述したように、主に自動車用の種々の部品に適用される板厚2.0mm以下の薄鋼板である。そのため、鋼板の形状や寸法精度および材質の長手方向、幅方向の均一性への要求は厳しいものがある。これらの要求に応えるためには、熱間圧延工程に、現在、一部で実用化されている連続圧延技術を適用することは極めて有効である。さらに、より材質を均一化するためには、シートバーヒーターあるいはシートバーエッジヒーターを採用し、圧延温度のコイル長手方向、幅方向の均一化を図ることも有効である。また、圧延後の冷却におけるエッジ部の過冷却を防止し、材質を均一化にするために、幅方向に冷却水のマスキングを行うことも有効である。
【0037】
【実施例】
(実施例1) 表1に示す成分組成を含み、残部が実質的にFeからなる鋼を転炉で溶製し、連続鋳造して得た鋼スラブを表2に示す条件で熱間圧延し、さらに酸洗して板厚:1.4〜1.8mmの熱延鋼板とした。これらの鋼板を連続溶融亜鉛めっきライン(CGL)にて加熱後、インラインで溶融亜鉛めっきを施した後、スキンパス圧延を行って溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。なお、一部の熱延鋼板については、溶融亜鉛めっき後、さらに470〜530℃で合金化処理を施した。
【0038】
【表1】
Figure 0004151479
【0039】
【表2】
Figure 0004151479
【0040】
上記のようにして得た溶融亜鉛めっき鋼板について、圧延方向断面について全厚に亘る鋼板組織を光学顕微鏡にて100倍で10視野観察し、等軸粒の占める割合と等軸粒の平均粒径を測定した。ここで等軸粒組織の割合は、上記10視野における全厚に亘る組織写真に対して表面から裏面まで板厚方向に直線を引き、この線分と交わる結晶粒のアスペクト比(圧延方向粒径/板厚方向粒径)を測定し、アスペクト比が1.5以下である結晶粒の割合を求め、その10視野の平均とした。また、平均粒径は、前記10視野におけるアスペクト比が1.5以下である結晶粒の平均粒径をJISG0552に準じて測定し、その10視野の平均とした。
【0041】
さらに、得られた鋼板について、引張特性、伸びフランジ性を調査した。引張特性は、圧延方向に採取したJIS5号試験片を用いて降伏応力(YS)、引張強度(TS)および伸び(El)を求めた。また、伸びフランジ性は、穴拡げ率を先述した日本鉄鋼連盟規格JFST1001に準拠して測定し、評価した。
【0042】
上記測定の結果を表3に示した。この表から、本発明の成分組成と熱延条件で製造された溶融亜鉛めっき鋼板は、鋼板断面の95%以上が平均結晶粒径20μm以下の等軸粒からなる組織となり、その結果、板厚が2.0mm以下であっても穴拡げ率λが50%以上の優れた特性が得られることがわかる。一方、本発明の成分範囲を外れた素材では、たとえ製造条件を本発明の条件としても、良好な穴拡げ性を有する鋼板を得ることはできない。
【0043】
【表3】
Figure 0004151479
【0044】
(実施例2) C:0.08mass%、Si:0.02mass%、Mn:1.4mass%、P:0.003mass%、S:0.001mass%、Al:0.045mass%、N:0.0023mass%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを素材とし、表4に示したように製造条件を種々に変化させて、板厚1.2〜1.4mmの熱延鋼板を製造した後、これらの鋼板を原板として連続溶融亜鉛めっきラインで、加熱とめっき処理あるいはさらに合金化処理を行い、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。得られた鋼板について、実施例1と同様に、鋼板組織および機械的特性についての調査を行った。
【0045】
【表4】
Figure 0004151479
【0046】
上記試験の結果を表5に示した。表5から、本発明の製造条件に従えば、鋼板組織の95%以上が平均結晶粒径20μm以下の等軸粒からなる組織となり、その結果、板厚が2.0mm以下であっても穴拡げ率λが50%以上の特性が得られる。一方、本発明の製造条件を外れた場合には、穴拡げ率λが50%以上の特性は得られないことがわかる。
【0047】
【表5】
Figure 0004151479
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、板厚2.0mm以下の熱延鋼板を溶融亜鉛めっき鋼板の原板として用いても、伸びフランジ性が良好で品質ばらつきの小さい中・高強度溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができるので、防錆性に優れた中強度から高強度の薄鋼板の各種自動車部品への適用範囲を大きく広げることができる。

Claims (8)

  1. C:0.01〜0.15mass%、Si:0.05mass%以下、
    Mn:0.2〜1.5mass%、P:0.02mass%以下、
    S:0.003mass%以下、Al:0.10mass%以下、
    N:0.010mass%以下、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなる板厚2.0mm以下の熱延鋼板表面に溶融亜鉛めっきしたものであって、板厚の95%以上が等軸粒からなりかつ該等軸粒の平均結晶粒径が20μm以下である組織を有することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 上記成分組成に加えてさらに、Cu,Ni,Cr,Moのいずれか1種または2種以上を合計で1.0mass%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 上記成分組成に加えてさらに、Nb,Ti,Vのいずれか1種または2種以上を合計で0.1mass%以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 上記成分組成に加えてさらに、Ca:0.10mass%以下およびREM:0.10mass%以下のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
  5. C:0.01〜0.15mass%、Si:0.05mass%以下、
    Mn:0.2〜1.5mass%、P:0.02mass%以下、
    S:0.003mass%以下、Al:0.10mass%以下、
    N:0.010mass%以下、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、全圧下率80%以上の粗圧延の後、全圧下率85%以上、仕上温度840℃以上かつ仕上圧延入側と出側の温度差70℃以上とする仕上圧延を行い、700℃以下で巻き取って得た板厚2.0mm以下の熱延鋼板を、700〜850℃に加熱した後、溶融亜鉛めっきを行うことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  6. 上記成分組成に加えてさらに、Cu,Ni,Cr,Moのいずれか1種または2種以上を合計で1.0mass%以下含有することを特徴とする請求項5に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  7. 上記成分組成に加えてさらに、Nb,Ti,Vのいずれか1種または2種以上を合計で0.1mass%以下含有することを特徴とする請求項5または6に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  8. 上記成分組成に加えてさらに、Ca:0.10mass%以下およびREM:0.10mass%以下のいずれか1種または2種を含有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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