JP4151218B2 - 遊技板用釘調整装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、雀球遊技機、スマートボール遊技機等、遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機の遊技板に対し、釘調整を行うための遊技板用釘調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように弾球遊技機の遊技板には多数の障害釘が打ち付けられているが、自動釘打ち装置の普及によりそのような障害釘の釘打ち作業はほぼ完全に自動化されている。
【0003】
前記障害釘の間隔は遊技球がぎりぎり通過可能な広さに設定されている部分があり、障害釘の傾き具合が悪いと遊技球が通らない。障害釘を設計通りに正確に打ち込むには、自動釘打ち装置の精度を現在より飛躍的に高める必要があるが、技術面やコスト面での困難性があり釘打ち精度が十分とは言えない。従って自動釘打ち装置で釘打ちした遊技板は、障害釘同士の間に球詰まりする可能性があるため、製造メーカーが遊技場に技術者を派遣し、遊技板を遊技場に設置してから1台ずつ釘調整を行うようにしている。なお、ここでいう釘調整は遊技板を使用可能にする最低限の作業であり、出玉率を調整するために行う営業上の釘調整とは異なる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来方法で製造された遊技板は、遊技場で釘調整を行う必要があったため、次のような問題点があった。すなわち、第1に全ての現場に少なくとも1人の技術者を派遣する必要があるため余分な人件費が掛かる、第2に1人の技術者が1つの遊技板の釘調整ポイントの全てについて理解し記憶する必要があるため学習面での負担が大きく且つ調整ミスが起きやすい、第3に技術者がガラス扉を開閉しながら遊技機間を移動する必要があるため肉体的な疲労度が大きい。
【0005】
【課題を解決するための手段】
表面の遊技領域に遊技球の動きに変化を与える多数の障害釘を設けてなる遊技板のその 障害釘を調整するための遊技板用釘調整装置であって、
前記遊技板を起立姿勢にして遊技領域を有する表面と平行な方向に横送り可能に支持すると共にその遊技板の釘調整を手作業で且つ流れ作業で行えるようにした1つのコンベアと、
前記コンベヤと背中合わせの状態に設置され、前記コンベヤと同じく、遊技板を起立姿勢にして遊技領域を有する表面と平行な方向に横送り可能に支持すると共にその遊技板の釘調整を手作業で且つ流れ作業で行えるようにしたもう1つのコンベヤと、
前記1つのコンベアの終端に接続され、起立姿勢と背側を下にする水平姿勢とに変動可能な1つの揺動コンベヤと、
前記もう1つのコンベヤの終端に接続され、起立姿勢と背側を下にする水平姿勢とに変動可能であり、水平姿勢になった状態で前記揺動コンベヤが水平姿勢にあるときその横に並んで連続するように配設されたもう1つの揺動コンベヤと、
前記2つの揺動コンベアが水平姿勢になった状態でその下流に連続するように配置した1つの合流コンベアと、を有し、
前記2つのコンベアで釘調整された遊技板を起立姿勢にある各揺動コンベアに保持させ、そのまま揺動コンベアを水平に回動させ、各揺動コンベアの遊技板を合流コンベアに流して合流させるようにした遊技板用釘調整装置を提供する。
【0006】
遊技板の製造ラインに手作業での釘調整を可能にした遊技板用釘調整装置を組み入れることにより、自動釘打ち装置の精度不足をカバーして完成度の高い遊技板を製造することができる。そして本発明の釘調整装置は、2つのコンベアで別々に釘調整した遊技板を合流コンベア上で合流させるようにしたため、工場内の狭いスペースが有効に活用できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、図1は釘調整装置の一部正面図、図2は釘調整装置の側面図、図3は釘調整装置の終端部分を示す斜視図、図4は遊技板の正面図、図5は製造ラインの要部を示す概略の平面図である。
【0008】
例えばパチンコ機の遊技板1は、木製の合板の表面に合成樹脂製(例えばメラミン樹脂)の化粧板を貼着してなり、図4に示したように、遊技領域2を円形に囲ったガイドレール3と、遊技球の動きに変化を与える障害釘4,4…と、遊技球を受け入れる入賞装置5等が設けられている。
【0009】
この遊技板1を製造するための製造ラインは、複数の自動釘打ち装置(図示せず)を並べた釘打ち工程6と、ガイドレール3を取り付けるレール取付工程7(図5参照。)と、入賞装置5を取り付ける入賞装置取付工程(図示せず)と、遊技板1の裏面に種々の部品を取り付ける裏部品取付工程(図示せず)等で構成されている。なお、前記各工程で使用する各装置は全て公知であり、また、本発明の要部でもないため説明を省略する。
【0010】
しかして前記遊技板1の製造ラインの途中には、図5に示したように遊技板1の釘調整を手作業で行うための釘調整工程8が組み入れられている。
【0011】
この釘調整工程8は、図1〜図3に示した釘調整装置9で構成されている。釘調整装置9は、遊技板1を斜めの起立姿勢に支持して手動で横送りする形式の2つのコンベア10A,10Bと、釘調整ポイントを記載した複数枚の表示板11,11…で概略構成される。2つのコンベア10A,10Bは、機台12上に背中合わせの状態に設置されているのであって、上下に並設した2本のレール部材13a,13bに遊技板1の横送りを軽やかにするローラー14,14…が取り付けられている。
【0012】
各コンベア10A,10Bの前のスペースは作業者領域15になっており、その作業者領域15に作業用の椅子16が並べられている。作業者領域15は適当数に区分けされていて各領域毎に担当する釘調整ポイントが割り付けられている。そして、レール部材13aの上方に各領域毎に対応する表示板11が掲示されており、その表示板11に各領域が担当する釘調整ポイントが指示されている。
【0013】
前記表示板11は、例えば図4の遊技板1の正面図を描き、調整対象となる釘を色分けするなど、一見して釘調整ポイントが判るように工夫してある。また、表示板11を液晶等の画像表示装置で形成し、コンピューター制御で釘調整ポイントを表示するようにしてもよい。そうした場合には機種の変更への対応が迅速且つ容易であり、従って異機種の遊技板1の割り込み等にも柔軟に対応することができる。
【0014】
なお、コンベア10A,10Bには作業者毎に対応させて上のレール部材13aに遊技板1の上辺を押さえるストッパー17が設けられており、一方、機台12と一体に設けた棚板構造の工具受け18にスイッチ19が設けられている。そして、このスイッチ19のON操作でストッパー17が作動して遊技板1がコンベア10A,10B上にロックされ、スイッチ19のOFF操作でストッパー17によるロックが解除される。
【0015】
一方、コンベア10A,10Bの終端には図3に示した合流装置20が接続されている。この合流装置20は、コンベア10Aの終端に接続する揺動コンベア21aと、コンベア10Bの終端に接続する揺動コンベア21bと、合流後の遊技板1を搬送するローラー式の合流コンベア21cで構成される。
【0016】
揺動コンベア21a,21bは、コンベア10A,10Bから送られる起立姿勢の遊技板1をその起立姿勢のまま受け入れる上下のガイド部材22,22と、遊技板1を水平に寝かせた状態で搬送可能なローラーコンベア23と、出没式のストッパー手段24とから概略構成される。そして、下のガイド部材22の下面に突設した軸受25,25に、合流装置20の機台20aの軸受26,26間に差し渡した回転軸27を通して揺動自在とし、図示しない適宜な揺動駆動手段(例えばエアシリンダ等)により起立姿勢と水平姿勢を切り替える。
【0017】
2つの揺動コンベア21a,21bは互い違いの位置に配設されており、両者が水平になった状態で夫々のローラーコンベア23と前記合流コンベア21cが繋がって1つの連続した搬送経路を構成する。なお、合流コンベア21cに合流した遊技板1は適宜次の工程に移動する。
【0018】
次に本発明の釘調整装置9による障害釘4の調整方法について説明する。先ず、釘調整装置9の始端部には自動釘打ち工程6とレール取付工程7を経て障害釘4とガイドレール3が取り付けられた状態の遊技板1が積み上げられている。一方、釘調整装置9の作業者領域15には所定の位置に作業者が並んでいて、釘調整に必要な工具(例えばゲージ棒(丸軸の両端に遊技球を固定した釘間隔測定用のゲージ)やハンマー等)を持って遊技板1が来るのを待っている。作業者領域15は例えば6区分というように複数に区分けして各領域毎に担当する釘調整ポイントが割り付けられており、各領域に夫々が担当する釘調整ポイントを記載した表示板11が掲示されている。
【0019】
そして、コンベア10A又はコンベア10Bの先頭にいる作業者が遊技板1をコンベア10A,10Bにセットして自己の担当する部分の釘調整を行う。このとき工具受け18のスイッチ19をONにしてストッパー17を作動させると、遊技板1がコンベア10A,10B上にロックされるから作業が行いやすい。
【0020】
次に釘調整が終わった遊技板1を横にスライドさせて隣の領域に送り、その領域の作業者が担当部分の釘調整を行って横に送る、という作業を繰り返し、遊技板1がコンベア10A,10Bの終端に至ったときには必要な釘調整が完了している。
【0021】
コンベア10A,10Bの終端には出没式のストッパー28が設けられており、突出状態のストッパー28に当たって遊技板1が停止する。そして、揺動コンベア21a,21bが起立状態で且つ空の状態であることが確認されるとストッパー28が没入し、遊技板1が動いて揺動コンベア21a,21bに入る。一方、揺動コンベア21a,21bにも出没式のストッパー手段24があってそれが突出しているため、揺動コンベア21a,21bに入った前記遊技板1がそのストッパー手段24に当たって止まる。なお、遊技板1を送り出した後のコンベア10A,10Bの終端は、ストッパー28を突出させて次の遊技板1に備える。
【0022】
次に揺動コンベア21a,21bは遊技板1を抱えたまま起立姿勢から水平姿勢に転じ、水平になってからストッパー手段24を下げる。そしてローラーコンベア23を作動させると遊技板1が動いて合流コンベア21cに移る。なお、揺動コンベア21bにある遊技板1はもう一方の揺動コンベア21aを渡って合流コンベア21cに移動する。従って揺動コンベア21bが水平姿勢のときは常に揺動コンベア21aも水平姿勢になっている。
【0023】
次に空になった揺動コンベア21a,21bはストッパー手段24を突出させて元の起立姿勢に戻り、以下この動作を繰り返すことにより2つのコンベア10A,10Bで釘調整した遊技板1を1つの合流コンベア21cに纏める。
【0024】
以上本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば実施形態では入賞装置5と裏部品を取り付ける前の遊技板1に対して釘調整を行うようにしたが、入賞装置5や裏部品を取り付けてから釘調整を行うようにしてもよい。但し、入賞装置5や裏部品を取り付ける前の段階で釘調整を行う場合は、第1に部品点数が少ないから軽量で取り扱いやすい、第2に釘調整の最中に誤って入賞装置5等を傷つけるおそれがない、第3に遊技板1の裏側が平坦であるからコンベア10A,10Bでの移動がスムーズになる、等のメリットがあって好ましい。
【0025】
【発明の効果】
遊技板の製造ラインに手作業での釘調整を可能にした遊技板用釘調整装置を組み入れることにより、自動釘打ち装置の精度不足をカバーして完成度の高い遊技板を製造することができる。そして本発明の釘調整装置は、2つのコンベアで別々に釘調整した遊技板を合流コンベア上で合流させるようにしたため、工場内の狭いスペースが有効に活用できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 釘調整装置の一部正面図である。
【図2】 釘調整装置の側面図である。
【図3】 釘調整装置の終端部分を示す斜視図である。
【図4】 遊技板の正面図である。
【図5】 製造ラインの要部を示す概略の平面図である。
【符号の説明】
1 …遊技板
2 …遊技領域
4 …障害釘
9 …遊技板用釘調整装置
10A,10B…コンベア
21a,21b…揺動コンベア
21c…合流コンベア
Claims (1)
- 表面の遊技領域に遊技球の動きに変化を与える多数の障害釘を設けてなる遊技板のその障害釘を調整するための遊技板用釘調整装置であって、
前記遊技板を起立姿勢にして遊技領域を有する表面と平行な方向に横送り可能に支持すると共にその遊技板の釘調整を手作業で且つ流れ作業で行えるようにした1つのコンベアと、
前記コンベヤと背中合わせの状態に設置され、前記コンベヤと同じく、遊技板を起立姿勢にして遊技領域を有する表面と平行な方向に横送り可能に支持すると共にその遊技板の釘調整を手作業で且つ流れ作業で行えるようにしたもう1つのコンベヤと、
前記1つのコンベアの終端に接続され、起立姿勢と背側を下にする水平姿勢とに変動可能な1つの揺動コンベヤと、
前記もう1つのコンベヤの終端に接続され、起立姿勢と背側を下にする水平姿勢とに変動可能であり、水平姿勢になった状態で前記揺動コンベヤが水平姿勢にあるときその横に並んで連続するように配設されたもう1つの揺動コンベヤと、
前記2つの揺動コンベアが水平姿勢になった状態でその下流に連続するように配置した1つの合流コンベアと、を有し、
前記2つのコンベアで釘調整された遊技板を起立姿勢にある各揺動コンベアに保持させ、そのまま揺動コンベアを水平に回動させ、各揺動コンベアの遊技板を合流コンベアに流して合流させるようにしたことを特徴とする遊技板用釘調整装置。
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- 2000-12-28 JP JP2000403194A patent/JP4151218B2/ja not_active Expired - Fee Related
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