JP4149422B2 - 木材の保存処理液及び保存処理方法 - Google Patents

木材の保存処理液及び保存処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、木材の保存処理液及びこれを用いた木材の保存処理方法に関する。
特許文献1には、揮発性有機溶媒に不揮発性の木材保存用薬剤を溶解した溶液を用いて、含浸タンクの中で木材の保存処理を行う技術が開示されている。この木材保存処理法は、木材を密閉型含浸タンク内に配置して含浸タンクを減圧し、保存用薬剤を含有した溶液を、木材に含浸せしめるように、含浸タンク内に導入し、余剰の溶液を排出した後に、木材中の溶媒を蒸気化して木材から溶媒を抽出するように木材を加熱し、溶媒含有蒸気を含浸タンクから排出する工程を含んでいる。この方法によれば、処理後の木材の含水率が低くなり、乾燥工程を不要にすることができる利点があり、木材保存用薬剤の処理においても、これを回収して再使用するので、廃液処理の問題を回避できるという利点がある。しかし、木材の加熱が含浸タンクに加熱した気体を供給することによって行われており、木材の内部の温度が周囲の温度より低く、内部温度を周囲温度と同じ程度にするには時間がかかり、また、木材内部まで浸透した溶媒を蒸発除去させるのに時間がかかるという問題点があった。
特許文献2には、含浸タンクを用いて木材に含浸した保存用薬剤含有溶液の溶媒を蒸発除去する際に、高周波加熱を利用することにより、木材の周囲だけでなく、木材の内部まで短時間で十分な温度に加熱できる木材の保存処理方法及び装置が開示されている。
特公平1−36401号公報 特開平10−146805号公報
従来の含浸タンクを用いて保存用薬剤含有溶液の溶媒を蒸気化して木材を加熱する木材保存処理方法は、揮発性有機溶媒として塩化メチレンやトリクロロトリフルオロエタンなどを使用するものである。これらの揮発性有機溶媒は、他のハロゲン化されていない揮発性有機溶媒と較べて、引火点を持たないために、取り扱いが容易で火災の心配がなく、さらに揮発性に優れているために乾燥に要する時間が短いという優れた特性を有していた。
しかし、塩化メチレンには、大気汚染や地下水汚染などの環境への悪影響があり、さらに人に対する発ガン性の疑いがあることをはじめとした毒性の問題がある。トリクロロトリフルオロエタンの具体例としては1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンがあり、これはオゾン層破壊の原因物質であるとされ、先進国では既に生産が中止されている。
従って本発明の目的は、大気汚染や地下水汚染などの環境への悪影響がなく、発ガン性や、オゾン層破壊の原因物質とはならない揮発性有機溶媒を使用した木材保存処理液及びこれを用いた木材保存処理方法を提供することである。
本発明は揮発性有機溶媒として、ハイドロクロロフルオロカーボン及びハイドロフルオロエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用する事により上記目的が達成しうるとの知見に基づいて完成されたものである。本発明は以下に示す木材の保存処理液及び木材の保存処理方法を提供するものである。
1.不揮発性の木材保存用薬剤を揮発性有機溶媒に溶解した溶液からなる木材保存処理液において、前記揮発性有機溶媒がハイドロクロロフルオロカーボン、及びハイドロフルオロエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする木材の保存処理液。
2.揮発性有機溶媒がハイドロクロロフルオロカーボンを含み、該ハイドロクロロフルオロカーボンが、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、及び1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1記載の木材の保存処理液。
3.ハイドロクロロフルオロカーボンが、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンの混合物である上記2記載の木材の保存処理液。
4.揮発性有機溶媒がハイドロフルオロエーテルを含み、該ハイドロフルオロエーテルが、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、及びメトキシノナフルオロブタンからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1記載の木材の保存処理液。
5.ハイドロフルオロエーテルが、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタンである上記4記載の木材の保存処理液。
6.木材保存用薬剤を木材に含浸させる木材の保存処理方法であって、上記1〜5のいずれか1項記載の木材の保存処理液を使用することを特徴とする方法。
7.木材を密閉型含浸タンク内に配置して該含浸タンクを減圧し、不揮発性保存用薬剤を揮発性有機溶媒に溶解した溶液を含浸タンク内に充満するまで導入し、次に、含浸タンクから前記溶液を排出し、再度、含浸タンクを減圧し、減圧中の前記含浸タンク内で、木材を直接高周波加熱して木材中の溶媒を蒸気化し、含浸タンクの底部に溜まる前記溶媒の蒸気を、該含浸タンク底部において、直接冷却して液化させ、前記液化した溶媒を含浸タンクから排出する工程を含む上記6記載の木材の保存処理方法。
8.含浸タンク内に残留する溶媒含有蒸気を、コンデンサーに吸引し、前記コンデンサーを密閉して該コンデンサー内で溶媒含有蒸気を液化して排出する工程をさらに含む上記7記載の木材の保存処理方法。
9.コンデンサー内の溶媒含有蒸気の液化及び排出の後、コンデンサーを減圧し、含浸タンクに残留する溶媒含有蒸気をコンデンサー内に吸引し、コンデンサーを密閉して該コンデンサー内で溶媒含有蒸気を液化して排出する工程をさらに含む上記8記載の木材の保存処理方法。
上記のように、本発明の木材保存用処理液は、特定の有機溶媒を使用しているため、大気汚染や地下水汚染などの環境への悪影響がなく、発ガン性もなく、オゾン層破壊の原因物質ともならないため安全に使用することができる。また本発明の木材保存処理方法では木材の加熱が高周波加熱を用いた直接加熱で行われるので、木材内部の温度が周囲の温度より高くなり、木材に含浸した保存用処理液中の揮発性有機溶媒は内部で容易に蒸気化して気体となり、短時間で溶媒の除去が行われる。また、含浸タンク内での直接加熱のため、熱損失も少なく、処理液の回収率も向上する。
本発明の木材保存処理液は、揮発性有機溶媒に可溶性の、任意の不揮発性の木材保存用薬剤を溶解させたものである。本発明に使用される木材保存用薬剤は特に限定されず、例えば、従来慣用されている木材保存用薬剤のほか、これと同等の木材保存性を有し、好ましくはさらに低毒性の薬剤が挙げられる。以下に具体例を示す。これらは、1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
ジデシルジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、N,N−ジデシル−N−メチル−ポリオキシエチル−アンモニウムプロピオネート、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、バーサチック酸亜鉛、3−ブロモ−2,3−ジョード−2−プロペニルエチルカルボナート、p−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルホルマール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、N−アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド、2−(4−チアゾリル)−1H−ベンツイミダゾール、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾアチアゾール、(2RS,3RS;2RS,3RS)−2−(4−クロロフェニル−3−シクロプロピル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン2−オール、1−[{2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル}メチル]1H−1,2,4−トリアゾールと1−[{2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル}メチル]−1H−1,3,4−トリアゾールの混合物、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、メチレンビスチオシアネート、2−フェニルフェノール、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、トリス−(N−シクロヘキシルジアゼニウムジオキシ)−アルミニウム、N−シクロヘキシル−N−メトキシ−2,5−ジメチル−3−フランカルボキサミド、O,O−ジエチル−O−(α−シアノベンジリデンアミノ)チオホスフェート、O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオエート、O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)チオホスフェート、O,O−ジエチル−O−(3−オキシ−2−フェニル−2Hピリダジン−6−イル)ホスホロチオエート、O,O−ジエチル−O−2,4−ジクロロフェニルチオホスフェート、O−{(E)−2−イソプロポキシカルボニル−1−メチルビニル]−O−メチルエチルホスホラミドチオエート、2−クロロ−1−(2,4,5−トリクロロフェニル)ビニルメチルホスフェート、1−ナフチル−N−メチルカーバメート、2−sec−ブチルフェニル−N−メチルカーバメ−ト、2−イソプロポキシフェニル−N−メチルカーバメート、3−フェノキシベンジル−dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル=(1R,3R)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートと(R)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル=(1S,3S)−3−(2,2,−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートの1:1混合物、2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシリックアシドシアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル、(2−メチル[1,1−ビフェニル]−3−イル)メチル3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、α−シアノ(4−フルオロ−3−フェノキシ)ベンジル=2−(2,2−ジクロロビニル)−3,3−ジメチルシクロプロパン−1−カルボキシラート、α−シアノ−3−フェノキシベンジル−2,2−ジメチル−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチル)シクロプロパンカルボキシラート、2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエーテル、(4−エトキシフェニル)[3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル](ジメチル)シラン、1,3,5−トリ−n−プロピル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、1−[(6’−クロロ−3’−ピリジル)メチル]イミダゾリジン−2−(N−ニトロ)イミン、(E)−N1[6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−N2−シアノ)−N1−メチルアセトアミジン、4−ブロモ−2,5−ジクロロフェノール、カプリン酸、オタタクロロジプロピルエーテル、2−(ボルナン−2−イルオキシ)エチル=チオシアナート、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2,2,1]−ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド。
特に好ましいものとしては、例えば(2RS,3RS;2RS,3RS)−2−(4−クロロフェニル−3−シクロプロピル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン2−オール(例えば、フマキラートータルシステムより市販のシプロコナゾール)などのアゾール化合物;1−[(6’−クロロ−3’−ピリジル)メチル]イミダゾリジン−2−(N−ニトロ)イミン(例えば、ランクセス株式会社から市販のイミダクロプリド)などのネオニコチノイド化合物;クロロフェニルヨードプロパルギルホルマール(例えば長瀬産業より市販のIF−1000)などの有機沃素化合物;例えば三共製薬より市販のキシラザンなどのヒドロキシルアミン化合物;例えばベンツイミダゾール化合物;例えばナフテン酸銅、8−オキシキノリン銅などの有機銅化合物;例えばナフテン酸亜鉛などの有機亜鉛化合物;例えば武田薬品より市販のフオキシムなどの有機リン化合物;例えば住友化学より市販のパーメスリンなどのピレスロイド系化合物などの防虫剤などが挙げられる。これらは、1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
これら保存用薬剤の含有量は木材保存処理液中、通常0.002〜30質量%、好ましくは0.01〜20質量%程度である。
本発明の木材保存処理液に使用される揮発性有機溶媒は前記有機薬剤を溶解し、かつ、常温常圧では揮発性の液体であって蒸発及び凝縮による回収に適したものでなければならない。また、木材の保存処理は一般に密閉系で実施されるものの、揮発性有機溶媒の使用量の多いことを考慮すると環境に対して影響の少ない揮発性有機溶媒を使用することが好適である。このような揮発性有機溶媒として本発明の木材保存処理液は、ハイドロクロロフルオロカーボン及びハイドロフルオロエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することを特徴とする。
ハイドロクロロフルオロカーボンの具体例としては、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンなどが挙げられ、ハイドロフルオロエーテルの具体例としては、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタンや、メトキシノナフルオロブタンなどが挙げられる。これらの中でも、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタンや、これらの混合されたものがさらに好ましい。
これらは、フッ素化された溶媒の特徴である低表面張力、低粘度という特徴を持ち、木材組織のような細かい部分にも浸透しやすい。さらに上記例示した揮発性有機溶媒は、室温で取り扱いが容易であり、かつ揮発性に優れている沸点を持ち、前記不揮発性薬剤に対する溶解性にも優れるという特徴を持っている。またこれらの溶媒は、安定性に優れ、蒸留などの回収操作により分解することがなく、再利用することができる。
本発明の木材保存処理液に使用する揮発性有機溶媒は、ハイドロクロロフルオロカーボン及び/又はハイドロフルオロエーテルのみからなることが好ましいが、各種の目的に応じてその他の各種成分を含有させることができる。例えば、溶解力を高めるために、または揮発速度を調節するために、上記以外の有機溶媒(以下、他の有機溶媒という。)をさらに含有させることができる。
他の有機溶媒の好ましい例としては、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エーテル類(ただし、ハイドロフルオロエーテル類を除く。)、エステル類、及びハロゲン化炭化水素類(ただし、ハイドロクロロフルオロカーボン類を除く。)からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。本発明の木材保存処理液に使用する揮発性有機溶媒が、他の有機溶媒を含む場合、溶媒全量に対する他の有機溶媒の含有割合は、40質量%以下、好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。他の有機溶媒の含有量の下限は、該他の有機溶媒を添加する目的を達成し得る最低限の量である。本発明の揮発性有機溶媒に共沸組成が存在する場合には、その共沸組成での使用が好ましい。
炭化水素類としては、炭素数5〜15の鎖状または環状の飽和または不飽和炭化水素類が好ましく、具体的には、n−ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、n−へブタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,4−ジメチルペンタン、n−オクタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,3−ジメチルヘキサン、2−メチル−3−エチルペンタン、3−メチル−3−エチルペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルペンタン、2−メチルヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、n−デカン、n−ドデカン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−へキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ビシクロヘキサン、シクロヘキセン、α−ピネン、ジペンテン、デカリン、テトラリン、アミルナフタレン等が挙げられる。より好ましくは、n−ペンタン、シクロペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−へブタンが挙げられる。
アルコール類としては、炭素数1〜16の鎖状または環状の飽和または不飽和アルコール類が好ましく、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−へキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−へプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−へキサノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、α−テルピネオール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、ノニルアルコール、テトラデシルアルコール等が挙げられる。なかでもメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。
ケトン類としては、炭素数3〜9の鎖状または環状の飽和または不飽和ケトン類が好ましく、具体的にはアセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、3−へプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、メシチルオキシド、ホロン、2−オクタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、2,4−ペンタンジオン、2,5−へキサンジオン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン等が挙げられる。なかでもアセトン、メチルエチルケトンが好ましい。
エーテル類としては、炭素数2〜8の鎖状または環状の飽和または不飽和エーテル類が好ましく、具体的にはジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アニソール、フェネトール、メチルアニソール、ジオキサン、フラン、メチルフラン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。より好ましくは、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジオキサン、テトラヒドロフランが挙げられる。
エステル類としては、炭素数2〜19の鎖状または環状の飽和または不飽和エステル類が好ましく、具体的にはギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸メトキシブチル、酢酸sec−へキシル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、イソ酪酸イソブチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸ベンジル、γ−ブチロラクトン、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、シュウ酸ジペンチル、マロン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、酒石酸ジブチル、クエン酸トリブチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル等が挙げられる。なかでも酢酸メチル、酢酸エチルが好ましい。
ハロゲン化炭化水素類としては、炭素数1〜6の飽和または不飽和の塩素化または塩素化フッ素化炭化水素類が好ましく、具体的には塩化メチレン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタンが挙げられる。
さらに、主として安定性を高めるために、例えば以下に挙げる化合物の1種または2種以上を揮発性有機溶媒全量に対して0.001〜5質量%の範囲で本発明の木材保存処理液に配合できる。
ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物類。ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン等のアミン類。フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、チモール、p−t−ブチルフェノール、t−ブチルカテコール、カテコール、イソオイゲノール、o−メトキシフェノール、ピスフェノールA、サリチル酸イソアミル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸メチル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等のフェノール類。2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−[(N,N−ビス−2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類。
以下、図1及び図2を参照しながら、本発明の木材保存処理方法の構成及びその操作の一例を説明する。なお、図1は、本発明に係る木材保存処理方法の一例を実施する装置1の全体構成図であり、図2は、本発明方法を用いて木材を内部に装入して木材保存用薬剤を含有した処理液を導入することによって、木材の保存処理を行う本発明方法の一例を実施する密閉型含浸タンク2の略横断面図である。
図1に示す木材の保存処理装置は、不揮発性保存用薬剤を揮発性有機溶媒に溶解した溶液を収容した処理液タンクと、該処理液タンクに、該タンクからの溶液の供給を受け入れるように接続されており、木材を中に配置して密閉するように構成された含浸タンクと、該含浸タンクを減圧する真空手段と、前記含浸タンク内の木材を加熱するために、電極板が前記含浸タンクに、該タンク中の木材に接触するように設けられている高周波加熱装置とを備え、前記高周波加熱装置は、含浸タンク内が前記真空手段によって一定の真空度まで吸引された状態で動作して、木材を含浸タンク内において直接高周波加熱して木材中の溶媒を蒸気化し、更に、前記含浸タンクの底部に設けられ、前記高周波加熱装置によって蒸気化されて含浸タンク底部に溜まる溶媒蒸気を、直接冷却して液化する冷却管と、前記液化した溶媒を含浸タンクから排出する手段とを備えている。このような装置を用いることにより、木材の内部温度を溶媒の沸点又はそれ以上にすることができ、溶媒が木材の内部から蒸気化するので、溶媒の除去の時間が短縮され、熱損失も少なくなり、処理液の回収率も向上する。そして、従来の木材保存処理装置に必要であった外部ヒータが不要になるので、含浸タンクの回りの気体の還流のための設備が不要になって、含浸タンク回りの設備がコンパクトになる。
図1記載の装置をさらに詳細に説明する。図1において、木材保存処理装置1の含浸タンク2は、被処理木材3を収容することのできる空間を内部に形成する。この含浸タンク2は、例えば、ステンレス製もしくは接液部をステンレス製とし、処理すべき木材の寸法に応じて適宜の大きさを有するものである。また内部に複数本、或いは多数本の木材3を装入して処理することができるようにすることもできる。含浸タンク2には、蓋5が設けられ、処理すべき木材3を内部に装入するとき開き、被処理木材3を収容した状態で閉じて密閉する。図2に示すように、含浸タンク2内には、被処理木材3の装入のための台車6が設けられ、木材の装入及び取り出しを容易にしている。また、含浸タンク2内には、装入後の木材3の固定のために、木材3を上方から押圧するプレス装置7が設けられている。更に、台車6の上面及びプレス装置7の下面には、それぞれ、高周波加熱装置(後述)の電極板9及び10が、収容した木材3に接触するように配置されている。なお、図示の例では、木材3の中間高さ位置にもう1つの電極板11が配置されている。これらの電極板9、10、11には、リード線13が接続されている。
再び、図1を参照すると、前記した各種の不揮発性の木材保存用薬剤を前記した揮発性有機溶媒に溶かした木材保存処理液を収容して、その処理液を含浸タンク2に供給するための処理液タンク14が、ポンプ15及び弁16を経由して含浸タンク2に連結されている。また、含浸タンク2には、内部の気圧を減じ、含浸タンク内の蒸気を排出するための真空ポンプ17(図1の右端側参照)が連結されている。すなわち、含浸タンク2の気体は、排気口18及び弁19を通ってコンデンサー21を経由し、更にコンデンサー21の排気口22及び弁23を通って、真空ポンプ17に至り、真空ポンプ17によって排気される。なお、この真空ポンプ17からの排気は、大気へ排出するのではなく、ガスタンク等に回収して、木材保存処理装置内で、再利用を図るのが望ましい。
含浸タンク2と真空ポンプ17との間に設けられたコンデンサー21は、含浸タンク2から排出された蒸気から液化するためのもので、処理液を含浸した木材から蒸発した揮発性有機溶媒をコンデンサー21内で液化する。液状の揮発性有機溶媒は、弁25を経由して回収タンク26に送られて回収される。回収タンク26は、含浸タンク2内の余剰の処理液を返液するため、含浸タンク2の排液口27に弁29を介して連結されている。この回収タンク26に収容された処理液は、弁30、32及びポンプ36を介して薬剤混合タンク38に送られ、ここで木材保存用薬剤及び揮発性有機溶媒を混合調整した後、弁39及びポンプ40を介して処理液タンク14に戻して再利用を図っている。
更に、木材保存処理装置1には、高周波加熱装置31が設けられている。この高周波加熱装置31は、被処理木材3を高周波加熱するのに適した構成になっており、制御パネルから、周波数(例えば、7.6MHz〜22MHz)や電力(10Kw〜100Kw)や時間をオペレータが設定できるようになっている。高周波加熱装置31の出力は、配管33に収容されたリード線13を経由して、含浸タンク2の中の電極板9、10、11(図2)に供給され、木材3を直接内部から高周波加熱する。
なお、含浸タンク2、コンデンサー21及び回収タンク26には、冷凍機34からポンプ35を経由して冷却液が供給されており、コンデンサー21及び回収タンク26を冷却し、含浸タンク2も必要に応じて冷却される。特に、本発明においては、含浸タンク2の底部に冷却管37が配管されている。揮発性有機溶媒蒸気は空気より重く(空気密度1に対して約7)、含浸タンクの底部に溜まる傾向にあり、含浸タンク2の底部の冷却管37は、含浸タンク内の揮発性有機溶媒蒸気の大部分を液化することができる。このように本発明では、含浸タンク2の底部で揮発性有機溶媒蒸気を直接冷却するため、液化の効率がよく、従来の回収用管路を用いる方式のものと比較すると格段に効率が高い。
木材保存処理装置1の操作において、含浸タンク2の台車6に木材3を載せて含浸タンク内に装入する。この装入の際、装入木材の量に応じて、木材2の中間高さ位置に、図2の電極11を配置することができる(この中間の電極11を配置する場合、この電極11を共通電極とし、他の電極9及び10を反対電極として使用するのが好ましい)。木材3の装入の後、プレス装置7によって、木材3を上から押さえて固定する。また、電極9、10及び11へのリード線13の接続も確認する。次に、蓋5を閉じて含浸タンク2を密閉した後、弁16、29を閉じておき、また、真空ポンプ17に通じる弁19と弁23を開き且つ弁25を閉じて真空ポンプ17を駆動して含浸タンク2内を減圧する。含浸タンク2内の減圧度は、樹種、形状によって異なるが通常700mmHg(真空度)以下にすることが好ましい。
含浸タンク2内が所定の真空度に到達した後、暫くその状態に保持して木材3中の気体を除去し、次いで弁23及び弁19を閉じ、弁16を開き、ポンプ15を駆動して、処理液を処理液タンク14から含浸タンク2に供給して、その処理液を含浸タンク2内に充満させ、更に、好ましくは加圧状態にする。木材3を処理液に(加圧状態で)一定時間浸し続けて、処理液を木材に十分に含浸させる。この時間は樹種や形状によって異なり、普通約10〜180分程度である。
含浸の終了後、ポンプ15の運転を停止して弁16を閉じ、弁29を開き、含浸タンク2内にある過剰または残余の処理液を回収タンク26に返液する。また、木材3からの溶液の液ダレ回収も行う。返液の後、再度、弁29を閉じ、弁25を閉じ、弁19を開いたままにして、弁23を開く。この状態で真空ポンプ17を駆動して含浸タンク2を真空吸引して減圧する。なお、真空ポンプ17から排出される気体には揮発性有機溶媒の蒸気が含まれるので、その排気をガスタンク等に回収して、木材保存処理装置内で、再利用を図るのが望ましい。
一定の真空度まで吸引した後、高周波加熱装置31を動作させて、電極板9及び11間並びに電極板10及び11間に、それぞれ、高周波電力を供給して、電極間の木材3を直接高周波加熱する。よく知られているように、高周波加熱は木材3を内部から加熱するので、その加熱温度は周囲よりも内部の方が高くなる。木材3は、揮発性有機溶媒を蒸発させるのに必要な温度、例えば、30℃〜60℃になるように加熱される。加熱された木材3は、その内部の方から揮発性有機溶媒が蒸発し始め、続いて蒸発が木材周囲からも行われ、木材保存用薬剤が注入された木材から溶媒を抽出することができる。なお、減圧下での沸点低下により木材への悪影響(割れ、曲がり等)を抑制することができる。発生した溶媒蒸気は空気より重いので、含浸タンク2の底部に溜まり、ここで、冷却管37によって冷却されて液化する。
このようにして、含浸タンク2内の揮発性有機溶媒蒸気の大部分を液化することができる。含浸タンク2内に揮発性有機溶媒蒸気が発生した後、弁19及び弁25を閉じ、弁23を開放したままにして真空ポンプ17の駆動を続け、コンデンサー21を真空吸引して、コンデンサー21を減圧する。次いで、弁23を閉じ、弁19を開くことによって、含浸タンク2内にまだ残留している揮発性有機溶媒蒸気をコンデンサー21に吸引させる。吸引後、弁19、弁23及び弁25を閉じて、コンデンサー21を密閉する。この密閉によって、溶媒蒸気が蒸気のままコンデンサー21を通過するのを防止することができる。コンデンサー21に密閉された溶媒蒸気は、冷却液によって冷却されて、凝縮されて液化する。液化した後、弁25を開放すると、液化した揮発性有機溶媒が回収タンク26に回収される。含浸タンク2内に揮発性有機溶媒蒸気がまだ残留する場合には、コンデンサー21への真空吸引、コンデンサー21の密閉及び揮発性有機溶媒蒸気の液化、及び液化した溶媒の回収のステップを繰り返せばよい。
このようにして、含浸タンク2内の溶媒蒸気の濃度を排出管理濃度以下に落とすことができる。なお、回収タンク26の弁29は通常時閉じており、回収時開放するようになっている。回収タンク26に回収された揮発性有機溶媒は、弁30、32の開放及びポンプ36の駆動によって、薬剤混合タンク38へ送られ、木材保存用薬剤及び揮発性有機溶媒が混合され調整された後、弁39、ポンプ40を介して処理液タンク14に戻されて、再利用される。このようにして、含浸タンク2内で発生した有機溶媒蒸気を含有する気体は、含浸タンク2内で大部分が液化されて回収タンク26に回収され、残留した有機溶媒蒸気を含有する気体も、含浸タンク2→コンデンサー21→回収タンク26の順に回収され、回収タンク26から薬剤混合タンク38を介して処理液タンク14へ戻される。
木材保存用薬剤(シプロコナゾール:(2RS,3RS;2RS,3RS)−2−(4−クロロフェニル−3−シシクロプロピル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン2−オールとイミダクロプリド:1−[(6’−クロロ−3’−ピリジル)メチル]イミダゾリジン−2−(N−ニトロ)イミン)を、下記の揮発性有機溶媒に溶解し、シプロコナゾール0.02質量%及びイミダクロプリド0.01質量%を含有する木材保存処理液を調製した。この3種類の木材保存処理液を使用し、図1、図2に示す木材処理装置により、以下の条件で木材を処理し、木材保存処理液の注入性、及び溶媒回収時間を塩化メチレンの場合と比較した。結果を表1に示す。
(A)塩化メチレン
(B)3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンの混合溶媒(質量比43:57)(商品名:アサヒクリンAK−255、旭硝子株式会社製、以下、AK−225と云う。)
(C)1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン(商品名: S7、ダイキン工業株式会社製、以下、S7と云う。)
木材処理条件
JIS A 9002に準じて行った。
前排気 0.08MPa 30分
加 圧 1.0 MPa 1時間
後排気 0.08MPa 30分
処理液温度 18℃
注入性の評価方法
注入前の木材初期質量と、注入後(後排気後)の木材質量を測定し、その差を木材の体積で除して、木材保存処理液注入量を求める。
木材保存処理液注入量(kg/m3
=(注入後質量(kg)−木材初期質量(kg))÷木材体積(m3
塩化メチレンを使用したときの木材保存処理液注入量に対する対象溶媒使用時の木材保存処理液注入量の増加率により注入性を評価した。増加率が大きいほど注入性は良いといえる。
木材保存処理液の溶媒回収率の評価方法
処理液注入直後の木材質量の増加量(A)と、溶媒蒸発処理後の木材質量の増加量(B)との差(A−B)を、処理液注入直後の木材質量の増加量(A)で除して、溶媒回収率を求めた。
溶媒回収率(%)=100×(A−B)/A
A:処理液注入直後の木材質量の増加量(kg)
B:溶媒蒸発処理後の木材質量の増加量(kg)
塩化メチレンを使用したときの溶媒回収率に対する対象溶媒使用時の溶媒回収率の増加率により回収性を評価した。増加率が大きいほど回収性は良いといえる。

Figure 0004149422
表1に示すように、特定の揮発性有機溶媒を用いた本発明の木材保存処理液は、従来使用されている塩化メチレンと比較して、処理液注入量増加率が高く、溶媒回収増加率が高く、作業性に優れていることがわかる。
本発明方法の一例を実施するための木材保存処理装置の全体構成図である。 図1の密閉型含浸タンクの中央横断面図の略図である。
符号の説明
1 木材保存処理装置
2 密閉型含浸タンク
3 被処理木材
5 含浸タンクの蓋
6 台車
7 プレス装置
9、10、11 高周波加熱装置の電極板
13 リード線
14 処理液タンク
15 ポンプ
16、19、23、25、29、30、32、39 弁
17 真空ポンプ
18 排気口
21 コンデンサー
26 回収タンク
31 高周波加熱装置
33 配管
34 冷凍機
35 ポンプ
37 冷却管
38 薬剤混合タンク
40 ポンプ

Claims (9)

  1. 不揮発性の木材保存用薬剤を揮発性有機溶媒に溶解した溶液からなる木材保存処理液において、前記揮発性有機溶媒がハイドロクロロフルオロカーボン、及びハイドロフルオロエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むこと
    該ハイドロクロロフルオロカーボンが、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、及び1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種であること、
    該ハイドロフルオロエーテルが、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタン、及びメトキシノナフルオロブタンからなる群から選ばれる少なくとも1種であること
    を特徴とする木材の保存処理液。
  2. 揮発性有機溶媒がハイドロクロロフルオロカーボンを含む請求項1記載の木材の保存処理液。
  3. ハイドロクロロフルオロカーボンが、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンの混合物である請求項2記載の木材の保存処理液。
  4. 揮発性有機溶媒がハイドロフルオロエーテルを含む請求項1記載の木材の保存処理液。
  5. ハイドロフルオロエーテルが、1,1,2,2−テトラフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)エタンである請求項4記載の木材の保存処理液。
  6. 木材保存用薬剤を木材に含浸させる木材の保存処理方法であって、請求項1〜5のいずれか1項記載の木材の保存処理液を使用することを特徴とする方法。
  7. 木材を密閉型含浸タンク内に配置して該含浸タンクを減圧し、不揮発性保存用薬剤を揮発性有機溶媒に溶解した溶液を含浸タンク内に充満するまで導入し、次に、含浸タンクから前記溶液を排出し、再度、含浸タンクを減圧し、減圧中の前記含浸タンク内で、木材を直接高周波加熱して木材中の溶媒を蒸気化し、含浸タンクの底部に溜まる前記溶媒の蒸気を、該含浸タンク底部において、直接冷却して液化させ、前記液化した溶媒を含浸タンクから排出する工程を含む請求項6記載の木材の保存処理方法。
  8. 含浸タンク内に残留する溶媒含有蒸気を、コンデンサーに吸引し、前記コンデンサーを密閉して該コンデンサー内で溶媒含有蒸気を液化して排出する工程をさらに含む請求項7記載の木材の保存処理方法。
  9. コンデンサー内の溶媒含有蒸気の液化及び排出の後、コンデンサーを減圧し、含浸タンクに残留する溶媒含有蒸気をコンデンサー内に吸引し、コンデンサーを密閉して該コンデンサー内で溶媒含有蒸気を液化して排出する工程をさらに含む請求項8記載の木材の保存処理方法。
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