JP4149395B2 - 粒子密度分布測定装置 - Google Patents
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Description
一方、半導体装置において反応性プラズマを用いて処理(プラズマ処理)されるSiウエハやフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板等は、大型化の一途をたどっている。これに対応してプラズマ処理を行なう処理装置の減圧処理室も大型化され、この減圧処理室内において、基板の加工精度に大きな影響を与える反応性プラズマ中のラジカルやイオンを均一に生成させて基板に精度の高いプラズマ処理を行なう必要性が増大している。このため、減圧処理室内でプラズマ流体が均一に生成しているか否かを知りすばやく制御できるように、プラズマ流体中の粒子密度分布を精度高く測定することが望まれている。
当該測定装置は、レーザ光出力部から出射したレーザ光を反射し、その反射方向を可変に制御する可動ミラーと、可動ミラーで反射したレーザ光を反射する、複数の位置に配置したミラーとを有する。また、プラズマ源が供給された処理室(測定室)内にミラーの配置位置に応じて異なる光路を形成するように構成されている。そして、可動ミラーを制御してレーザ光を向けるミラーを順次変えてプラズマの生成された処理室内を横切るレーザ光の光路を変えることにより、これらの各光路を通ってきたレーザ光を順次検出部で受光して、例えば反応性プラズマ中のラジカルに吸収されて減衰したレーザ光の減衰量の分布を求める。これにより、レーザ光の減衰量の分布に基づいて粒子密度分布を算出する。
また、例えば半導体プロセス処理装置でプラズマ処理されるSi基板は円形状のSiウエハであるので、半導体プロセス処理装置に設けられ、エッチング等に用いられる電極も円形形状の場合が多い。したがって、発生するプラズマの粒子密度分布も同心円に沿って略同じ粒子密度となる。このため、前記公報で指摘するようにアーベル変換等を行なって粒子密度分布を求めることができる。しかし、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板は矩形形状のものが多く、これに対応して上記電極は矩形形状となっている。したがって、発生するプラズマ流体の粒子密度分布は同心円状の粒子密度分布を仮定することはできない。
前記測定対象粒子はプラズマ流体中の粒子であり、前記信号処理手段は、前記処理室内のプラズマ流体中の粒子の、非同心円の分布形状を成す粒子密度分布を求めるものであり、前記信号処理手段は、前記受光信号から前記光路上に位置する測定対象粒子の密度分布であって、前記光走査中の光走査位置によって変動する平均粒子密度分布を、前記光路の向きを変えた状態で光走査する毎に前記受光信号から所定の位置を中心とする極座標系上で求め、この求められた、光路の向きが互いに異なる複数の平均粒子密度分布から下記式に従って直交座標系上の2次元の粒子密度分布を求めることを特徴とする粒子密度分布測定装置を提供する。
但し、p(x,y)は2次元粒子密度分布であり、p ave (X,θ)は、角度θを一定にして光走査を行うことにより得られるラジカルやイオン等の平均粒子密度分布であり、Xは走査方向の測定位置であり、Uはフーリエ空間における三角関数を、jは虚数を表し、wは走査方向の限界測定位置を表す。
また、前記光走査手段は、前記光路の向きを一定の角度ずつ変え、前記光路の向きを変える度に光走査するのが好ましい。
前記光走査手段は、例えば、前記光照射手段および前記受光手段を同一方向に平行に移動させる平行移動手段と、前記照射光の光路の向きを変えるために前記光照射手段の向きを変えかつ前記光路の向きに応じて前記受光手段の向きを変える回転手段と、を有する。
図1は、本発明の粒子密度分布測定装置の一形態であるプラズマ粒子密度分布測定装置(以降、測定装置という)10を誘導結合型プラズマ処理装置(以降、処理装置という)40に適用したシステムの概略構成図である。
チャンバ42は壁面54によって囲まれて形成され、壁面54の一部分が透明性を有する窓部材55によってチャンバ42の周りを取り巻くように設けられている。
高周波電極44は、コイル状に電力線が巻き回されて形成され、石英板56によってチャンバ42と隔てられている。高周波電極44はマッチングボックス58を介して矩形形状の高周波電源60と接続されている。
ガス供給口50は反応性ガスをチャンバ42に供給する部分で、反応性ガス供給装置64と接続されている。排気口52は真空ポンプ66と接続されチャンバ42内を減圧する部分であり、除害装置68と接続されている。
図2は、測定装置10の構成図であり、処理装置40のチャンバ42を図1中の左右方向に切断した状態で、図1中の上方向から見た断面図である。
測定装置10は、チャンバ42の外側から窓部材55を介してチャンバ42内を横切るように照射光を照射する光照射ユニット12と、照射光の光路上に設けられ、照射光を受ける受光ユニット14と、光照射ユニット12と受光ユニット14の向き及び位置を変えて光路がチャンバ42内を横切って移動するように光走査する光走査機構16と、光走査して得られる受光信号を取得し、この受光信号を用いてラジカルやイオン等の粒子密度分布を求める制御・処理部18と、を有する。
測定装置10は、1つの光照射ユニット12および1つの受光ユニット14を対として、2対設けられ、一方の対はチャンバ42を挟んで図2中の上下方向に配置され、他方の対はチャンバ42を挟んで図2中の左右方向に配置される。
光源部13は、2つの光照射ユニット12に対応して2つ設けられている。光源部13に用いられるランプとして例えばホロカソードランプが挙げられる。プラズマ処理が基板にシリコン酸化膜を形成する成膜処理の場合、シリコン原子の検出のためにケイ素(シリコン)のホロカソードランプが好適に用いられる。
一方、受光ユニット14は、チャンバ42を横切って到来した照射光を受けるユニットで、図示されない集光レンズを介して光ファイバケーブル14aに導かれるように構成されている。2つの受光ユニット14から延びる2つの光ファイバケーブル14aは1つの計測ユニット15と接続されている。
分光された照射光は、光電子倍増管15bにて光電信号(受光信号)として出力される。受光信号は照射光の光強度に応じた出力レベルを有する。
光照射ユニット12は基台20の上に回転機構22を介して設けられ、回転機構22の図示されない駆動モータが駆動することで、光照射ユニット12を図3中のR方向に自在に向きを変えるように構成されている。移動機構24は、チャンバ42の壁面54に沿って延びるスライドレール26と、基台20の下部に設けられたスライドレール26と協働して基台20の移動をS方向に規制するブラケット28とを有する。基台20は、基台20に設けられた図示されない駆動モータの駆動によりスライドレール26に沿って自在に移動する。回転機構22および移動機構24の各駆動モータは、制御線12bを介して制御・処理部18と接続され、制御・処理部18からの制御信号に応じて回転および移動が制御される。
すなわち、光走査機構16は、光照射ユニット12からの照射光の光路の向きを一定としかつ所定の平面(図2中の紙面)に沿って光路を移動させることによりチャンバ42内を光走査するとともに、さらに光走査する平面内で光路の向きを変え、光路の向きを変える度にチャンバ42内の光走査を行う光走査手段を形成する。
図4(a)に示すように、光照射ユニット12と受光ユニット14とが対向した状態で同一速度で同一方向(図中、上方向)に移動する(光路と直交する方向に移動する)ことにより、図4(a)中の上下方向に光走査することができる。また、光照射ユニット12および受光ユニット14を図4(b)に示すようにそれぞれ反時計回りに角度θ度回転させて向きを変え、光照射ユニット12からの照射光を受光ユニット14で受けることができるように位置を移動し、この状態で、同一速度で同一方向(図中、上方向)に移動する。これにより、図4(b)中に示すように左傾斜方向に光走査することができる。すなわち、図4(c)に示すように、向きの異なる光走査を行うことができる。光走査は、例えば128箇所の測定位置で行う。
制御部18aは、光源部13の光のオン/オフを制御するとともに、光照射ユニット12および受光ユニット14の移動および向きを制御し、また、計測ユニット15の各種設定を指示する制御信号を生成して、各ユニットに供給する部分である。
計測ユニット15から出力された受光信号は、増幅器18cにて増幅された後、A/D変換器18dにて所定のサンプリング周期でA/D変換されてデジタル信号とされて信号処理部18bに供給される。信号処理部18bは、このデジタル信号とされた受光信号に対して信号処理を行う処理モジュールである。
信号処理部18bは、コンピュータ等のプロセサを実行することによってソフトウェア処理されるソフトウェアモジュールであってもよいし、予め回路として組み込まれたものであってもよい。
以下、この算出方法について詳細に説明する。
光照射ユニット12から出射した照射光の光強度をI0として受光ユニット14で受ける照射光の光強度をIAとすると、下記式(1)によって表すことができる。ここで、g(ν)は光照射ユニット12から出射する照射光の分光スペクトル分布であり、f(ν)は受光ユニット14で受ける被測定スペクトル線の分光スペクトル分布である。また、lは吸収長さ(光路中のプラズマ流体の長さ)、k0は吸収係数である。
ここで、wは走査方向の限界測定位置を表し、Uはフーリエ空間における三角関数を、jは虚数を表す。
信号処理部18bでは、従来のように粒子密度分布の対称性や連続性を利用することなく、かつ同心円上で略同じ粒子密度を有するといった粒子密度の分布形状を予め想定することもない。このため、処理装置40における高周波電極44や下部電極基板48が、プラズマ処理対象とする矩形形状の大型の基板に対応して矩形形状を成し、さらにチャンバ42内で発生するプラズマ流体のラジカルやイオン等の密度分布も同心円形状でないとしても、照射光の受光信号を用いて精度の高い粒子密度分布を求めることができる。
また、光走査機構16はコンピュータトモグラフィ装置のように複雑な走査機構でなく、計測装置10を用いて比較的容易に粒子密度分布の計測を行うことができる。また、照射光を用いた非接触計測であるため、質量分析装置やプローブ装置のようにチャンバ42内に入れて計測するものでもないため、チャンバ42内のプラズマ流体の場を乱すこともない。
また、本実施形態における回転機構22は移動機構24の上に設けられ、回転機構22は光走査によって移動するものであるが、本発明においては回転機構が移動機構の上に設けられたものであってもよく、移動機構がチャンバ42の周りを回転するように構成されたもよい。
12 光照射ユニット
12a 光ファイバケーブル
12b 制御線
14 受光ユニット
15 計測ユニット
15a 分光器
15b 光電子倍増管
16 光走査機構
18 制御・処理部
18a 制御部
18b 信号処理部
18c 増幅器
18d A/D変換器
20 基台
22 回転機構
24 移動機構
26 スライドレール
28 ブラケット
40 誘導結合型プラズマ処理装置
42 チャンバ
44 高周波電極
46 載置台
47 基板
48 下部電極
52 排気口
54 壁面
55 窓部材
56 石英板
58,62 マッチングボックス
60,64 高周波電源
66 真空ポンプ
68 除外装置
Claims (5)
- 測定室内の測定対象粒子の粒子密度分布を測定する粒子密度分布測定装置であって、
前記測定室を横切るように照射光を照射する光照射手段と、
前記照射光の光路上に設けられ、測定室を横切った照射光を受ける受光手段と、
前記照射光の光路の向きを一定としかつ所定の平面に沿って前記光路を移動させることにより前記測定室内を光走査するとともに、さらに前記所定の平面内で前記光路の向きを変えた状態で前記光路を移動させることにより前記測定室内を光走査する光走査手段と、
前記光走査手段により光走査して得られる受光信号を取得し、この受光信号を用いて前記測定室内の2次元の粒子密度分布を求める信号処理手段と、を有し、
前記測定対象粒子はプラズマ流体中の粒子であり、前記信号処理手段は、前記処理室内のプラズマ流体中の粒子の、非同心円の分布形状を成す粒子密度分布を求めるものであり、
前記信号処理手段は、前記受光信号から前記光路上に位置する測定対象粒子の密度分布であって、前記光走査中の光走査位置によって変動する平均粒子密度分布を、前記光路の向きを変えた状態で光走査する毎に前記受光信号から所定の位置を中心とする極座標系上で求め、この求められた、光路の向きが互いに異なる複数の平均粒子密度分布から下記式に従って直交座標系上の2次元の粒子密度分布を求めることを特徴とする粒子密度分布測定装置。
但し、p(x,y)は2次元粒子密度分布であり、p ave (X,θ)は、角度θを一定にして光走査を行うことにより得られる平均粒子密度分布であり、Xは走査方向の測定位置であり、Uはフーリエ空間における三角関数を、jは虚数を表し、wは走査方向の限界測定位置を表す。 - 前記信号処理手段は、前記光路上に位置する測定対象粒子が前記照射光を吸収するときの吸収係数の情報を前記受光信号から求め、この求められた吸収係数の情報を用いて前記測定室内の測定対象粒子の前記平均粒子密度分布を求める請求項1に記載の粒子密度分布測定装置。
- 前記光走査手段は、前記光路の向きを一定の角度ずつ変え、前記光路の向きを変える度に光走査する請求項1または2に記載の粒子密度分布測定装置。
- 前記光走査手段は、前記光照射手段および前記受光手段を同一方向に平行に移動させる平行移動手段と、前記照射光の光路の向きを変えるために前記光照射手段の向きを変えかつ前記光路の向きに応じて前記受光手段の向きを変える回転手段と、を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒子密度分布測定装置。
- 前記測定室は、基板をプラズマ処理するために用いる矩形形状の電極が設けられたプラズマ処理室であって、前記処理室内のプラズマ流体中の粒子の粒子密度分布を求める請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子密度分布測定装置。
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