JP4148566B2 - ディスペンサー用液体収納バッグ及びこのバッグを収納する個装容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、濃縮飲料液を収納するバッグ、特に、BIB(Bag In Box)ディスペンサーに装着して使用されるディスペンサー用液体収納バッグ及びこのバッグを収納する個装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ウーロン茶やシロップ等を供給する業務用のディスペンサーでは、ウーロン茶やシロップ等の濃縮飲料液を収納したバッグや容器をディスペンサーに装着し、バッグや容器から濃縮飲料液を導出し、水等で薄めて供給している。
【0003】
かかるディスペンサーには、バッグに形成された計量部の容積を変化させて所定量の濃縮液を導出するピンチメカ式ディスペンサーと、チューブを扱いて濃縮液を導出するチューブポンプ式ディスペンサーとの2種類の方式がある。
【0004】
図7(a)に示すように、ピンチメカ式ディスペンサーに用いる従来の液体収納バッグ51は、容器本体53と計量部55とを備えており、計量部55の先端に、端部を閉塞した供給口部57を備えており、装着時には、供給口部57の閉塞端部を切り取って、供給口を開けるようになっている。
【0005】
また、図7(b)に示すように、チューブポンプ式ディスペンサーに用いる容器では、中にバッグ61を収納したボックス容器(外装ダンボール)63からバッグ61に接続されたチューブ65を引き出した構成になっている。このチューブ65は、ディスペンサーの扱き駆動部にセットされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術では、ピンチメカ式ディスペンサー用のバッグを装着方式の異なるチューブポンプ式ディスペンサーに用いることができない。同様に、チューブポンプ式ディスペンサー用の容器を装着方式の異なるピンチメカ式のディスペンサーに用いることができないため、ディスペンサーの種類に合わせて容器を変えなければならないという不都合がある。
【0007】
このように、ディスペンサーの種類に合わせて容器を変更しなければならないと、容器のコストが高くなるばかりでなく、容器毎に濃縮飲料液の充填設備も異なるため充填設備が複雑なり、また、容器の種類も異なるために容器の管理も複雑になるという不都合がある。
【0008】
そこで、本発明は、ディスペンサーの種類に関わらず共通して使用可能な、ディスペンサー用液体収納バッグ及びこのバッグを収納する個装容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、液体が収納されるバッグ本体と、供給口部と、バッグ本体と供給口部との間に設けられ容積変化により所定容量を計量する計量部と、供給口部に基端が連通状態で接続され先端が閉じた可撓性のチューブとを備え、供給口部を切断して可撓性チューブを切り落とすことにより供給口部からバッグ本体の液体を導出可能であり、可撓性チューブの先端を切断することにより可撓性チューブからバック本体の液体を導出可能としてあることを特徴とする。
【0010】
この請求項1に記載の発明によれば、ピンチメカ式ディスペンサーに用いる場合には、供給口部を切断してチューブを切り落とし、同時に供給口を開放して、ディスペンサーに装着する。従って、供給口部を切り落とすだけで容易にピンチメカ式ディスペンサー用に用いることができる。一方、チューブポンプ式ディスペンサーに装着する場合には、チューブの先端を切断等により開口してチューブをチューブポンプ式ディスペンサーの扱き機構に取り付ける。このように、一つのバッグがディスペンサーの種類にかかわらず共通して使用可能である。これにより、容器は一種類で済むので製造コストを低減でき、飲料液の充填設備も共通できるので設備が簡易であり、また、容器の管理も簡単になる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記バッグは、後縁側に係止部を備え、この係止部はディスペンサーに設けられた係合部に係止可能であることを特徴とする。
【0012】
この請求項2に記載の発明では、液体収納バッグを各ディスペンサーに装着するときには、ディスペンサーに予め設けられている係合部に係止させるだけで簡単に装着することができる。尚、係合部としては、例えば、鍵状の突起であり、係止部としては、例えば、孔を用いることができ、また、両者を鍵状の金具等としてもよい。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のディスペンサー用液体収納バッグを収納する容器であって、一側壁に形成するべき開口に沿ってミシン目を備え、開口を開けてチューブを取り出すことを特徴とする。
【0014】
この請求項3に記載の発明では、ディスペンサーの種類によっては、特に、チューブメカ式ディスペンサーの場合には、スペースに液体収納容器を設置する構成になっている場合が多いので、このスペースに設置可能な個装容器にバッグを収納しておけば、個装容器のままスペースに装着できる。尚、チューブは、個装容器から外に取り出す必要があるので、装着時には、ミシン目を切り開いて開口部を開けてその開口からチューブを外に導出する。即ち、装着前は開口部を開けないで蓋をした状態にして置くことによって、搬送や運搬時に個装容器内に収納されているバッグの損傷を防止できる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のディスペンサー用液体収納バッグを収納する容器であって、一側壁にチューブ取りだし用の開口を備えることを特徴とする。
【0016】
この請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の発明と同様に、ディスペンサーの種類によっては、直方体形状のスペースに液体収納容器を設置する構成になっている場合が多いので、個装容器にバッグを収納しておけば、個装容器のままスペースに装着できる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、個装容器が硬質材料製であることを特徴とする。
【0018】
この請求項5に記載の発明では、個装容器が硬質材料でできているので、複数回数の使用が可能であり、且つ運搬用の容器としてもそのまま使用できるので、外装を必要としない。これにより、コストの低減を図ることができると共に運搬が容易であり、且つ運搬時の包装も簡易にすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面の図1〜図6を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。まず、図1〜図4を参照して本発明の第1実施の形態を説明する。
【0020】
第1実施の形態にかかるディスペンサー用液体収納バッグ(以下、単に「バッグ」とする。)1は、樹脂フィルム製であり、シロップ等の濃縮飲料液を収納したものである。
【0021】
このバッグ1は、概して、バッグ本体3と、計量部5と、供給口部7と、チューブ9とから構成されており、バッグ本体3と計量部5と供給口部7とは、樹脂フィルムにより一体に成形されている。チューブ9の基端部9aは供給口部7に溶着されている。
【0022】
樹脂フィルムとしては、可撓性を有する軟質樹脂フィルムが使用され、本実施の形態では、3層構造であり、内側及び外側をPE(ポリエチレン)、中間層をEVOH(エチレン・ビニール・アルコール共重合体)またはアルミニウム金属箔等で構成している。この中間層は、バリヤ層として機能するものである。このように、軟質の樹脂フィルムを用いることによって、バッグ1は使用後は、容量を小さくして廃棄できるので、廃棄処理が容易である。
【0023】
バッグ本体3の容量及び形状等は、特に限定されないが、本実施の形態では、平面が略四角形状で、例えば3リットル収納する容積を有している。バッグ本体3の略中央には充填口11が設けられており、ここから濃縮飲料液が注入されるようになっており、充填口11は、キャップ13により閉じられている。
【0024】
バッグ本体3の周縁部の後側(供給口部7に対向する側)には、係止孔(係止部)15が形成されており、ディスペンサー側に直接又は、バッグ収納トレー(図示略)に予め設けられた係合部にバッグ1を係止するようになっている。
【0025】
計量部5は、ピンチメカ式ディスペンサーに装着された際に、ディスペンサーの計量ユニット25(図3参照)に位置し、計量部5の容積を収縮また拡大させて所定量、例えば、約10〜50ccを計量して供給口部7に送る。この計量部5は、バッグ本体3の巾の1/2〜1/3程度の巾寸法が望ましい。
【0026】
供給口部7は、計量部5から突設しており、この供給口部7には、チューブ9の基端部9aが熱溶着等により接続されている。チューブ9は、ゴム製であり、その先端9bは溶着等により閉塞されている。
【0027】
個装容器17は、本実施の形態ではいわゆるカートンであり、直方体形状の箱型に形成された段ボール等の紙製である。上述したバッグ1は、濃縮飲料液を充填後、個装容器17内に収納して出荷する。個装容器17の一側面には、円形状のミシン目18が形成されており、個装容器17のままディスペンサーに装着する場合には、このミシン目18に沿って切り取り、円状の開口19を開ける。この開口19からチューブ9を外に引き出すようになっている。尚、符号20は蓋である。
【0028】
次に、本実施の形態の作用を説明する。バッグ1に濃縮飲料液を充填した後、出荷時には個装容器17内にバッグ1を納めて、輸送する。出荷時や輸送時には不定形のバッグ1を直方体形状の個装容器に収納しているので、取り扱いが容易である。また、個装容器17により輸送等の時にバッグ1が直接物に当たって損傷するのを防止する。
【0029】
そして、図3に示すように、ディスペンサーがピンチメカ式ディスペンサー21である場合には、個装容器17からバッグ1を取りだして、係止部15をディスペンサー21に設けられている係合部(図示せず)に係合させ、供給口部7を下に吊り下げる。更に、計量部5をディスペンサー21の計量ユニット25に装着し、供給口部7を注ぎ口27に取り付ける。
【0030】
一方、図4に示すように、ディスペンサーがチューブメカ式ディスペンサー29の場合には、個装容器17に形成されたミシン目18に沿って側壁を切り取り、開口19を形成し、この開口19からチューブ9を外側に引き出し、その閉塞されている先端9bを切り取る。一方、ディスペンサー29には、個装容器17がそのまま収納できる収納スペース30が形成されているので、チューブ9を下に向けた状態で収納スペース30に個装容器17を設置する。更に、チューブ9を扱き駆動機構31にセットする。
【0031】
即ち、本実施の形態では、図2に示すように、バッグ1は、ピンチメカ式ディスペンサー21に装着する場合には、装着の際に、符号(a)で示すように供給口部7を切断し、チューブポンプ式ディスペンサー29に装着する場合には、符号(b)で示すように、チューブ9の先端9bを鋏等で切断する。このように、ディスペンサーへの装着時に切断位置を変えるだけで、容易に異なる種類のディスペンサーに装着することができる。
【0032】
次に、図5を参照して本発明の第2実施の形態を説明する。尚、以下に説明する実施の形態では、上述した第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には、同一の符号を付することによって、その部分の詳細な説明を省略する。
【0033】
この第2実施の形態の個装容器35は、硬質材料製のものを使用しており、開口37を予め形成している。硬質材料としては、金属や硬質プラスチック等が用いられる。また、個装容器35は蓋をしていない構成である。
【0034】
このように、個装容器35を硬質材料で形成しているので、出荷時や輸送時には、段ボール等の外装を施すことなく、そのまま積み重ねることができ、輸送等が容易である。また、複数回の再使用ができるため、コストを削減できるほか、廃棄処理が必要ないので、環境問題の点でも優れる。尚、符号39は、取手である。
【0035】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【0036】
例えば、開口37は、側面に設けることに限らず、図6に示すように、底面側に設けてもよく、配置する使用に合わせて変更可能である。
【0037】
また、チューブポンプ式ディスペンサー29への装着は、個装容器17の状態で収納したが、ピンチメカ式ディスペンサー21と同様に、ディスペンサー29に予め係合部を形成しておき、バッグ1を個装容器から取り出してバッグの係止部15を係合部に係止して吊り下げるものであってもよい。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、バッグが、バッグ本体にチューブを設けた構成であるから、一つのバッグがディスペンサーの種類にかかわらず共通して使用可能である。これにより、容器は一種類で済むので製造コストを低減でき、飲料液の充填設備も共通できるので設備が簡易であり、また、容器の管理も簡単になる。
【0039】
請求項2に記載の発明によれば、液体収納バッグは係止部を備える構成であるからディスペンサーに予め設けられている係合部に係止させるだけで簡単に装着することができる。
【0040】
請求項3に記載の発明によれば、液体収納バッグを略直方体形状の個装容器に収納する構成であるから、必要に応じて、個装容器のままディスペンサーに装着できる。また、開口を形成する領域にミシン目を有するから、搬送や運搬時に個装容器内に収納されているバッグの損傷を防止できる。
【0041】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同様に、液体収納バッグを略直方体形状の個装容器に収納する構成であるから、必要に応じて、個装容器のままディスペンサーに装着できる。
【0042】
請求項5に記載の発明によれば、個装容器が硬質材料でできているので、複数回数の使用が可能であり、且つ運搬用の容器としても外装することなく、そのまま積み重ね等ができ、コストの低減を図ることができると共に運搬が容易であり、且つ運搬時の包装も簡易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施の形態に係るディスペンサー用液体収納バッグ及び個装容器を示す斜視図である。
【図2】 図1に示す符号A部分を拡大して示す斜視図である。
【図3】 液体収納バッグをピンチメカ式ディスペンサーに装着した状態を概略的に示す斜視図である。
【図4】 個装容器とチューブポンプ式ディスペンサーとの関係を説明する図である。
【図5】 本発明の第2実施の形態にかかるバッグと個装容器との斜視図である。
【図6】 本発明の変形例にかかる個装容器の斜視図である。
【図7】 従来の図であり、(a)はピンチメカ式ディスペンサー用のバッグであり、(b)はチューブポンプ式ディスペンサーである。
【符号の説明】
1 バッグ(ディスペンサー用液体収納バッグ)
3 バッグ本体
5 計量部
7 供給口部
9 チューブ
15 係止孔(係止部)
17 個装容器
18 ミシン目
19、37 開口

Claims (5)

  1. 液体が収納されるバッグ本体と、供給口部と、バッグ本体と供給口部との間に設けられ容積変化により所定容量を計量する計量部と、供給口部に基端が連通状態で接続され先端が閉じた可撓性のチューブとを備え、供給口部を切断して可撓性チューブを切り落とすことにより供給口部からバッグ本体の液体を導出可能であり、可撓性チューブの先端を切断することにより可撓性チューブからバック本体の液体を導出可能としてあることを特徴とするディスペンサー用液体収納バッグ。
  2. 前記バッグは、後縁側に係止部を備え、この係止部はディスペンサーに設けられた係合部に係止可能であることを特徴とする請求項1に記載のディスペンサー用液体収納バッグ。
  3. 請求項1または2に記載のディスペンサー用液体収納バッグを収納する容器であって、一側壁に形成するべき開口に沿ってミシン目を備え、開口を開けてチューブを取り出すことを特徴とする個装容器。
  4. 請求項1または2に記載のディスペンサー用液体収納バッグを収納する容器であって、一側壁にチューブ取りだし用の開口を備えることを特徴とする個装容器。
  5. 硬質材料製であることを特徴とする請求項4に記載の個装容器。
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