JP4148445B2 - ねじ締め装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークにねじを締め付けるねじ締め装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワークにねじを締付ける場合には、従来からモータの駆動を受けて回転するドライバビットを備えたねじ締めツールと、このねじ締めツールをドライバビットの軸線方向に往復移動させる往復移動手段と、ドライバビットの回転角度を検出可能なエンコーダとを有するねじ締め機が用いられている。このねじ締め機は、ドライバビットの回転角度を検出することによりねじがどれだけワークにねじ込まれたかを識別する所謂角度法によりねじをワークに締め付けるように成されたものであり、モータの駆動によりドライバビットを回転駆動してドライバビットに係合させたねじをワークにねじ込み、ドライバビットの回転角度が予め設定された回転角度に達するとモータの駆動を停止してねじ締め作業を完了するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のねじ締め機は角度法によりねじ締めを行うものであるため、撓み等の弾性変形を起こし易いワーク等に対して正しくねじを締め付けることができない問題が発生している。すなわち、通常、ねじを締め付ける場合には、所定の推力でねじをワークに押し付けながらねじ込みが行われるのであるが、この推力の影響でワークが弾性変形してしまい、この弾性変形によりワークにおけるねじの着座面がドライバビットの回転角度によって予定される正規の位置からねじの螺入進行方向にずれてしまうことになる。このため、所定の回転角度までドライバビットを回転させただけでは、ねじが完全にワークに締め込まれていない状態となってしまうのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題に鑑みて創成されたものであり、ねじの頭部に係合可能なドライバビットを回転駆動するように構成されたねじ締めツールと、このねじ締めツールを往復移動させるとともにねじ締めツールを通じてねじに推力を作用させる往復移動手段とを備えたねじ締め装置であって、前記ねじ締めツールの移動位置を検出可能な位置検出手段と、前記位置検出手段によって検出されるねじ締めツールの移動位置に応じてねじ締めツールを通じてねじに作用する推力を変更するよう前記往復移動手段を制御するとともに、ねじ着座面が正規の位置からずれていない状態でのねじ締めツールのねじ締め完了時の移動位置である基準位置と、この基準位置を過ぎたねじ締めツールの移動位置である目標位置とを予め設定し、目標位置を最終到達位置として前記往復移動手段を駆動してねじ締めツールを移動させる制御を行う制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
なお、前記制御手段は、基準位置と、基準位置からねじ締め過程の特徴点までの距離とからねじ締めツールに作用する推力を変更する位置となる推力切換ポイントを算出し、前記目標位置をねじ締めツールの最終到達位置として前記往復移動手段を駆動してねじ締めツールを移動させるとともに、その過程で前記位置検出手段の信号によりねじ締めツールが推力切換ポイントに達したことを検出し、その推力切換ポイントに対応するねじ締め推力パラメータにより往復移動手段を制御してねじ締め推力の制御を行うものであることが好ましい。
また、前記制御手段は、ねじのねじ締め過程における推力切換ポイントの内から締付けているねじの種類に応じてそのねじに必要な推力切換ポイントを判断し、当該必要な推力切換ポイントに対応するねじ締め推力パラメータに基づいて往復移動手段を制御してねじ締め推力の制御を行うものであることが好ましい。
さらに、前記往復移動手段は、移動用モータと、この移動用モータの駆動を受けて作動することでねじ締めツールを移動させるボールねじ機構とを有し、また前記制御手段は、基準位置に所定の幅を持たせるための完了幅を設定可能であり、ねじの締め付けにともなってねじ締めツールの移動量が0になるか、ねじ締めツールが目標位置に達するかすると、前記移動用モータを速度0および制限トルク0で駆動し、前記完了幅によって規定される範囲内にねじ締めツールが停止したか否かを確認するものであることが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、1はねじ締め装置であり、ビット回転駆動用モータ11(以下、回転用モータ11という)の出力軸11aにドライバビット12を連結して成るねじ締めツール10と、このねじ締めツール10を前記ドライバビット12の軸線方向に往復移動可能に保持する往復移動手段20と、これらの制御手段30とを備えている。
【0006】
前記ねじ締めツール10においては、回転用モータ11の出力軸11aとドライバビット12とが直結される構造になっており、回転用モータ11に対してドライバビット12が軸方向に移動(緩衝動作)できないように構成されている。また、ドライバビット12はねじを吸着保持できるよう、磁化されたものが採用されている。
【0007】
前記往復移動手段20は、ACサーボモータである移動用モータ21と、この移動用モータ21の出力軸21aの回転量を検出可能な位置検出手段の一例であるエンコーダ22と、前記移動用モータ21の駆動を受けて作動するボールねじ機構23と、このボールねじ機構23の軸受部23bに連結されたテーブル24とから成る推力付与手段を有している。この往復移動手段20におけるボールねじ機構23は、ボールねじ軸23aに軸受部23bを螺合させて成る一般的なものであり、移動用モータ21の駆動を受けてボールねじ軸23aが回転することにより、軸受部23bと前記テーブル24とをボールねじ軸23aの延びる方向に一体に移動させ得るように構成されている。
【0008】
一方、前記制御手段30は、前記回転用モータ11の駆動を制御するねじ締めツールコントローラ40(以下、ツールコントローラ40という)と、前記移動用モータ21の駆動を制御するサーボ駆動コントローラ50(以下、サーボコントローラ50という)と、これらコントローラ40,50からの信号に基づいて演算処理を行う制御部60とを備えている。
【0009】
前記ツールコントローラ40は、回転用モータ11と接続されており、この回転用モータ11の負荷電流値に応じて回転用モータ11の駆動/停止を切り換えるように構成されている。つまり、ねじの締付け時には、締付けトルクの増大に比例して増加する回転用モータ11の負荷電流値により、ねじが所定の締付けトルクまで締め付けられたか否かを判断し、これが所定の値になると、回転用モータ11の駆動を停止するように構成されている。
【0010】
また、前記サーボコントローラ50は、往復移動手段20における移動用モータ21およびエンコーダ22と接続されており、エンコーダ22の出力するパルス信号(移動用モータ21の回転角度)とボールねじ軸23aのリードとから軸受部23bの移動量、すなわちねじ締めツール10の移動位置、を判別するようになっている。そして、このねじ締めツール10の移動位置に応じて移動用モータ21の駆動を制御するように構成されている。
【0011】
ワークにねじ込まれるねじは、ワークに予め形成されためねじにねじ込まれる一般的なねじ(以下、一般ねじという)と、ワークに予め形成された下穴にめねじを成形しながらねじ込まれるめねじ成形タイプのねじ(以下、タッピンねじという)と、ワークに下穴とめねじとを成形しながらねじ込まれる下穴・めねじ成形タイプのねじ(以下、ドリルねじという)とに大別することができる。そして、これらのねじを締め付ける作業の過程を分析すると、その過程でのねじ締めツール10の移動位置にねじの種類に応じた特徴点があることがわかる。この特徴点をまとめたのが、図2であるが、同図に示すように、ねじ締め作業過程におけるねじ締めツール10の移動位置の特徴点としては、
O点:原点
A点:作業中のねじ締めツール10の待機位置
B点:ねじ先端がワークに当接する手前までねじを移動させた時の位置=ねじ込み開始前の所定位置
C点:ドリルねじのねじ込みにおいて、ワークに下穴成形を終える位置までドリルねじをねじ込んだ時の位置
D点:ドリルねじおよびタッピンねじのねじ込みにおいて、下穴へのめねじ成形(タップ加工)が終わる位置までドリルねじまたはタッピンねじをねじ込んだときの位置
E点:ねじの頭部座面がワークに着座する付近までねじをねじ込んだ時の位置
F点:ワークに撓み等が発生していない正規の状態でのねじ締め完了位置
G点:ねじ締めツールを最終的に到達させる目標位置であって、ねじ締め装置からねじに付与される推力等によりワークが撓んだ場合等のワーク表面のF点からのずれ量等を考慮した位置
がある。この内、ねじ締めツール10の作業中待機位置A点は、同一形状の複数のワークに対して順次ねじ締めを行う場合や、一つのワークに対して複数のねじを締め付ける場合等において、ねじ締めツール10の原点(O点)復帰を制限し、速やかに次のねじ締めポイントへのねじ締め動作に移行できるように設定されるものである。
【0012】
本ねじ締め装置では、前記ねじ締め過程上の特徴点を推力および速度の切換ポイントとし、これら切換ポイントの内、ねじの種類に応じて必要なポイントを設定してねじ締めを行う。そのために必要な制御パラメータは、図3に示すように、前記制御部60における例えばハードディスク装置、メモリ装置等の記憶部(図示せず)に備えられた寸法データ設定テーブル、トルク制御テーブル、速度テーブル、ねじ締めポイントテーブルの各テーブルに設定される。
【0013】
前記寸法データ設定テーブルには、図3(a)に示すように、ねじ種コード、ねじ長さ、ねじ穴手前オフセット、F−C間距離、F−D間距離、F−E間距離およびF−G間距離の各フィールドが設けられており、ねじ種コード毎に、ねじの長さ、ねじ穴手前のオフセット量、F点からC点までの距離、F点からD点までの距離、F点からE点までの距離およびF点からG点までの距離を各設定できるようになっている。ここで、ねじ長さとは、ねじの頭部を除いた軸方向の長さ、すなわち所謂ねじの首下長さを示し、また、ねじ穴手前オフセットとは、B点からワーク表面までの任意の距離を示す。B点は、このねじ長さとねじ穴手前オフセットとを加算することにより設定され、その設定位置は、ワーク表面からねじ穴手前オフセット分離れた位置となる。
【0014】
また、前記トルクテーブルには、図3(b)に示すように、トルクコード、第1制限トルク、第2制限トルク、第3制限トルク、第4制限トルク、第5制限トルクの各フィールドが設けられており、トルクコード毎に、A−B点間での移動用モータ21の駆動トルクである第1制限トルク、B−C点間での移動用モータ21の駆動トルクである第2制限トルク、C−D点間での移動用モータ21の駆動トルクである第3制限トルク、D−E点間での移動用モータ21の駆動トルクである第4制限トルク、E−F(またはG)点間での移動用モータ21の駆動トルクである第5制限トルクをそれぞれ設定できる。これらの制限トルクで移動用モータ21が駆動されることにより、ねじ締めツール10を通じてねじに付与される推力は制限トルクに応じて変更されることとなる。つまり、本実施の形態では、このトルクテーブルに設定される各制限トルクのパラメータが、特許請求の範囲に記載されたねじ締め推力パラメータに対応する。
【0015】
また、前記速度テーブルには、図3(c)に示すように、速度コード、第1速度、第2速度、第3速度の各フィールドが設けられており、これらのフィールドには、速度コードに応じて、A−B点間での移動速度である第1速度、B−F(またはG)点間での移動速度である第2速度および原点からA点へ移動する時またはF点(またはG点)からA点(または原点)に復動する時の移動速度である第3速度をそれぞれ設定できるようになっている。
【0016】
また、ねじ種登録テーブルには、図3(d)に示すように、ねじ種コード、ねじ種類の各フィールドが設けられており、ねじ種コードフィールドには、前述の寸法データ設定テーブルにおけるねじ種コードと同じねじ種コードが登録され、ねじ種類フィールドには、一般ねじ、タッピンねじ、ドリルねじといった所定のねじの大別種類が設定される。このねじ種登録テーブルは、前記寸法データ設定テーブルとねじ種コードをキーとしてリレーションシップが組まれている。これにより、ねじ締め制御において、ねじ締めポイントテーブルの所定のレコードのデータを取得する際、寸法データ設定テーブルを通じてねじ種登録テーブルが参照され、寸法データ設定テーブルのねじ種コードに応じたねじの種類データを取得することができる。
【0017】
また、前記ねじ締めポイントテーブルは、ワーク上のねじを締め付ける位置毎に異なるねじ締め情報を設定するために設けられているものであり、図3(e)に示すように、最大99箇所のねじ締めポイントについて、A点位置データ、F点位置データ、ねじ寸法、制限トルク、速度、完了幅(+)および完了幅(−)の各フィールドにパラメータを設定できるようになっている。A点位置データのフィールドに入力されるデータは待機位置パラメータであり、ここには原点(O点)からA点までの距離が入力設定される。また、F点位置データのフィールドにはA点からF点までの距離が入力設定される。さらに、完了幅(+)、完了幅(−)の各フィールドには、F点およびG点にそれぞれ所定の許容範囲を持たせるための寸法数値が設定される。
【0018】
前記ねじ締めポイントテーブルは、前記寸法データ設定テーブルのねじ種コード、トルクテーブルのトルクコード、速度テーブルの速度コードをそれぞれキーとして、各テーブルとリレーションシップが組まれている。これにより、前述の「ねじ寸法」フィールドにはねじ種コード、「制限トルク」フィールドにはトルクコード、「速度」フィールドには速度コード、の各キーをそれぞれ設定しておくことにより、ねじ締め制御時、寸法データ設定テーブル、トルクテーブル、速度テーブルのそれぞれにおける対応レコード、すなわち、ねじ締めポイントテーブルに設定されたキーと同一のキーがあるレコード、の値が参照され取得されるようになっている。なお、本実施の形態では、99箇所のねじ締めポイントを設定するようにしているが、設定可能なねじ締めポイント数はこれに限定されるものではない。
【0019】
制御部60は、図4および図5に示すように、
S001:ねじ締めスタート信号を待つ。
S002:ツールコントローラ40へトルクチャンネル(以下、トルクCHという)を指定するとともに、サーボコントローラ50へねじ締めポイントコードを出力し、これを保持する。
S003:ツールコントローラ40、サーボコントローラ50へそれぞれスタート信号を出力する。
S004:ツールコントローラ40からOK信号またはNG信号の内の何れかが入力されるのを待つ。
S005:ツールコントローラ40からの信号がNG信号なら、S014にジャンプする。
S006:サーボコントローラ50からF点完了信号、G点完了信号またはNG信号の内の何れかが入力されるのを待つ。
S007:サーボコントローラ50からの信号がF点完了信号またはG点完了信号でない場合(NG信号の場合)、S015にジャンプする。
S008:完了信号がF点完了信号でない場合(G点完了信号である場合)、S015にジャンプする。
S009:表示部(図示せず)にねじ締めOK表示指令信号およびねじ高さOK表示指令信号を出力する。
S010:全てのねじ締めが完了したか否かを確認し、していない場合はS016にジャンプする。
S011:サーボコントローラ50に原点復帰信号を出力する。
S012:サーボコントローラ50から原点復帰完了信号が入力されるのを待つ。
S013:エンド。
S014:表示部にねじ締めNG表示指令信号を出力し、S010にジャンプする。
S015:表示部にねじ締めOK表示指令信号およびねじ高さNG表示指令信号を出力し、S010にジャンプする。
S016:サーボコントローラ50にA点復帰信号を出力する。
S017:サーボコントローラ50からA点復帰完了信号が入力されるのを待ち、入力されたらS002にジャンプする。
の各ステップで成るメイン制御処理を実行する。
【0020】
また、ツールコントローラ40は、図6に示すように、
S101:制御部60からスタート信号が入力されるのを待つ。
S102:制御部60から送られたトルクCHを読み込み、同トルクCHに予め設定された最終締付けトルクに相当する完了電流値を設定する。
S103:回転用モータ11に駆動信号を出力する。(回転用モータ11が駆動、同時にタイマスタート)
S104:サーボコントローラ50からねじの種類を読み込む。
S105:ねじの種類がタッピンねじまたはドリルねじの場合S112にジャンプする。
S106:回転用モータ11の負荷電流値が完了電流値に達する(トルクアップする)か、タイマがタイムアップするかの何れかを待つ。
S107:回転用モータ11に停止信号を出力する。(回転用モータ11停止)
S108:トルクアップしていない場合(タイマがタイムアップした場合)には、S111にジャンプする。
S109:制御部60にOK信号を出力する。
S110:エンド。
S111:制御部60にNG信号を出力し、S110にジャンプする。
S112:タイマがタイムアップしている場合はS111へジャンプする。
S113:サーボコントローラ50からねじ締めツール10の移動位置を読み込む。
S114:ねじ締めツール10がD点に到達している場合はS106にジャンプし、到達していない場合はS112にジャンプする。
の各ステップで成るツールコントローラ制御処理を実行する。
【0021】
また、サーボコントローラ50は、図7ないし図10に示すように、
S201:制御部60からスタート信号が入力されるのを待つ。
S202:制御部60から送られたねじ締めポイントコードを読み込み、同コードに基づいてねじ締めポイントテーブル、寸法データ設定テーブル、トルクテーブル、速度テーブル、ねじ種登録テーブルの各対応レコードのデータ(制御パラメータ)を設定する。
S203:制御パラメータに基づき、B点、C点、D点、E点、G点をそれぞれ算出する。
S204:A点位置データに基づき、定格トルク値、第3速度で移動用モータ21を駆動する。
S205:所定時間内にエンコーダ22から入力されるパルス信号数の増減値が0の場合(ねじ締めツール10が移動できず、移動用モータ21がストールして回転しなくなっている場合)、S226にジャンプする。
S206:エンコーダ22からのパルス信号を監視してA点に到達したか否かを確認し、到達していない場合はS205にジャンプする。
S207:第1速度、第1制限トルクで移動用モータ21を駆動する。
S208:所定時間内にエンコーダ22から入力されるパルス信号数の増減値が0の場合(ねじ締めツール10が移動できず、移動用モータ21がストールして回転しなくなっている場合)、S226にジャンプする。
S209:エンコーダ22からのパルス信号を監視してB点に到達したか否かを確認し、到達していない場合はS208にジャンプする。
S210:第2速度、第2制限トルクで移動用モータ21を駆動する。これにより、速度がねじ締め用に減速されるとともに、ねじ締めツール10を通じてねじに付与される推力が変更される。
S211:ねじの種類がドリルねじでない場合(一般ねじか、タッピンねじの場合)、S215にジャンプする。
S212:所定時間内にエンコーダ22から入力されるパルス信号数の増減値が0の場合(ねじ締めツール10が移動できず、移動用モータ21がストールして回転しなくなっている場合)、S226にジャンプする。
S213:エンコーダ22からのパルス信号を監視してC点に到達したか否かを確認し、到達していない場合はS212にジャンプする。
S214:第3制限トルクで移動用モータ21を駆動する。これにより推力が変更される。
S215:ねじの種類がドリルねじまたはタッピンねじでない場合(一般ねじの場合)、S219にジャンプする。
S216:所定時間内にエンコーダ22から入力されるパルス信号数の増減値が0の場合(ねじ締めツール10が移動できず、移動用モータ21がストールして回転しなくなっている場合)、S226にジャンプする。
S217:エンコーダ22からのパルス信号を監視してD点に到達したか否かを確認し、到達していない場合はS216にジャンプする。
S218:第4制限トルクで移動用モータ21を駆動する。これにより推力が変更される。
S219:所定時間内にエンコーダ22から入力されるパルス信号数の増減値が0の場合、S226にジャンプする。
S220:エンコーダ22からのパルス信号を監視してE点に到達したか否かを確認し、到達していない場合はS219にジャンプする。
S221:第5制限トルクで移動用モータ21を駆動する。これにより推力が変更される。
S222:所定時間内にエンコーダ22から入力されるパルス信号数の増減値が0になる(移動用モータ21が停止する)か、もしくはG点へ到達するのを待つ。
S223:速度0(ゼロ)、制限トルク0(ゼロ)で移動用モータ21を駆動する。
S224:エンコーダ22からのパルス信号により、F点の前後に完了幅(+)、完了幅(−)の各値を設定した所定の範囲内でねじ締めツール10が停止したか否かを確認し、範囲内で停止している場合はS233にジャンプする。
S225:エンコーダ22からのパルス信号により、G点の前後に完了幅(+)、完了幅(−)の各値を設定した所定の範囲内にねじ締めツール10が停止したか否かを確認し、範囲内で停止している場合はS234にジャンプする。
S226:制御部60にNG信号を出力する。
S227:制御部60からA点復帰信号または原点復帰信号が入力されるのを待つ。
S228:復帰信号が原点復帰信号の場合はS235にジャンプする。
S229:移動用モータ21に逆転駆動信号を出力し、第3速度、定格トルク値で移動用モータ21を逆転駆動させる。
S230:エンコーダ22からのパルス信号を監視してA点到達を待つ。
S231:移動用モータ21に停止信号を出力するとともに、制御部60へA点復帰完了信号を出力する。
S232:エンド。
S233:制御部60へF点完了信号を出力し、S227にジャンプする。
S234:制御部60へG点完了信号を出力し、S227にジャンプする。
S235:移動用モータ21に逆転駆動信号を出力し、第3速度、定格トルク値で移動用モータ21を逆転駆動させる。
S236:エンコーダ22からのパルス信号を監視して原点到達を待つ。
S237:移動用モータ21に停止信号を出力するとともに、制御部60へ原点復帰完了信号を出力した後、S232にジャンプする。
の各ステップで成るサーボコントローラ制御処理を実行する。なお、この図7ないし図10においては省略したが、このサーボコントローラ制御処理においては、エラー発生時等における制御部60からの復帰信号入力が常時監視されており、復帰信号が入力された場合には、処理を中止してステップS228からの処理に移行するようになっている。
【0022】
次に、図2ないし図12に基づいて本ねじ締め装置によるねじ締め作業を説明すると、本ねじ締め装置によりねじを締め付ける場合には、予め制御部60の寸法データ設定テーブル、トルクテーブル、速度テーブル、ねじ種登録テーブルおよびねじ締めポイントテーブルに必要な制御パラメータを設定する。この時、締付け対象がタッピンねじであって、C点での推力変更が不要になる場合には、トルクテーブルにおける第3制限トルクの設定は省略することができ、また、一般ねじの場合には、C点およびD点での推力変更が不要になるため、トルクテーブルにおける第3制限トルクおよび第4制限トルクの設定を省略することができる。なお、この制御パラメータの入力設定は、制御手段30に備えられたテンキー等の操作部(図示せず)から行う。
【0023】
締め付けるねじの種類およびワークのねじ締めポイントに対応した制御パラメータを設定した後、制御手段30の図示しないスタートスイッチが押されると、図示しないロボットの作動によりねじ締め装置1がワークにおける最初のねじ締め位置の上方に位置決めされる。ロボットは、予め設定されているティーチングプログラムと、ねじ締め装置1からのねじ締め作業完了信号とに従い、以後、ワークに設けられる複数のねじ締め位置に順次ねじ締め装置1を位置決めするものである。その後、制御部60にはねじ締めスタート信号が入力され、これに応じてツールコントローラ40にはトルクCH、サーボコントローラ50にはねじ締めポイントコードがそれぞれ指定されるとともに、ツールコントローラ40、サーボコントローラ50にそれぞれスタート信号が出力される。なお、ねじ締めポイントコードは、ねじ締めポイントテーブルのポイント番号を示すものであり、制御サイクル毎にねじ締めポイントテーブルのパラメータが設定されているレコードのポイント番号が昇順に指定される。
【0024】
ツールコントローラ40においては、制御部60から指定されたトルクCHに予め登録されている完了電流値が内部設定されるとともに、回転用モータ11に駆動信号が出力される。これにより、ねじ締めツール10の回転用モータ11が駆動し、ドライバビット12を回転させる。
【0025】
また、サーボコントローラ50においては、制御部60から指定されたねじ締めポイントコードと一致するポイント番号を持つレコードがねじ締めポイントテーブルの中から選択され、同レコードの制御パラメータが取得される。この時、詳細な制御パラメータは、リレーションが組まれている寸法データ設定テーブル、トルクテーブル、速度テーブル、ねじ種登録テーブルの対応レコードからそれぞれ取得される。そして、取得された制御パラメータの内、F点位置データ、F−C間距離、F−D間距離、F−E間距離、F−G間距離、ねじ穴手前オフセット、ねじ長さに基づいて、推力および速度の各切換ポイントとなるB点、C点、D点、E点およびねじ締めツール10の最終的な到達位置(目標位置)とされるG点が算出される。なお、これらの各点はF点位置データを基準に算出される。つまり、本実施の形態ではF点をねじ締め完了の基準位置として、ここを過ぎた目標位置たるG点および推力切換ポイントたるB,C,D,Eの各点がサーボコントローラ50で設定されるのである。このことから明らかなように、本実施の形態においては、前述のF−C間距離、F−D間距離、F−E間距離、ねじ穴手前オフセットが特許請求の範囲に記載されている寸法パラメータを成している。
【0026】
前述のように推力および速度の切換ポイントが算出されて後、移動用モータ21はモータ本来の定格トルク値と第3速度で回転駆動される。これにより、ボールねじ機構23が作動し、テーブル24およびねじ締めツール10をA点に移動させる。こうしてねじ締めツール10がA点に到達すると、次に移動用モータ21は第1制限トルクと第1速度で回転駆動される。これにより、ボールねじ機構23が作動し、ドライバビット12の先端前方方向へテーブル24およびねじ締めツール10を高速で前進移動させる。この過程で、ドライバビット12先端にはねじが係合保持される。なお、ねじについては、予めドライバビット12の移動路上にねじ一時保持手段(図示せず)によって保持しておく。
【0027】
ねじ締めツール10が前進してB点に到達すると、これを受けて移動用モータ21が第2制限トルクと第2速度で駆動されるよう移動用モータ21の駆動切換が行われる。これにより、ねじ締めツール10の下降速度は、ねじの種類に関係なく所定の低速度に切り換えられ、ねじ先端が高速でワークに衝突してワークおよびねじを破損してしまう不具合が防止される。
【0028】
第2制限トルク以降の制限トルクは、ねじの種類に応じてその設定内容が異なる。したがって、それらの制限トルクで移動用モータ21が駆動されることによってねじ締めツール10からねじに負荷される推力もねじの種類に応じて異なるものとなる。そこで、ここからは、ねじの種類毎にB点以降のねじ締め動作について、それぞれ最も一般的な例を紹介していくこととする。
【0029】
◎一般ねじの場合(図11(a)及び図12(a)参照)
一般ねじの場合、予めワークにはめねじが形成されているので、最初からねじを高い推力で押圧しておかなくても、ワークにねじを螺入していくことができる。逆に、最初からあまり高い推力を負荷すると、ねじまたはめねじの破壊を招く恐れがある。したがって、一般ねじの場合、第2制限トルクは比較的低い値に設定され、よって、ねじにはねじ締めツール10を通じて低推力が負荷される。この時、ドライバビット12は回転用モータ11の駆動で回転しているため、ねじは低推力が負荷された状態でワークにねじ込まれる。
【0030】
この一般ねじの場合、ねじ締めの過程で、下穴成形、めねじ成形は共に存在しないため、C点、D点は設定されず(図8のS211およびS215参照)、ねじがE点に達した時点、つまり、ねじがワークに着座する付近位置に達した時点、で次の推力への切換が行われる。
【0031】
ねじ締めツール10がE点に達して後、すなわちねじがワーク表面に着座する付近までねじ込まれて後は、締付けトルクの増大にともなってドライバビット12がねじの頭部から外れてしまう現象(以下、この現象をカムアウトと称する)が生じやすくなる。したがって、このカムアウトを防止するため、ねじ締めツール10がE点に到達すると、移動用モータ21が第5制限トルクにより駆動され、これによってねじには高推力が負荷される。
【0032】
◎タッピンねじの場合(図11(b)及び図12(b)参照)
タッピンねじの場合、ワークへのねじ込み開始直後から予め成形されている下穴にめねじが成形され始め、これによって締付けトルクが増大する。この締付けトルクによるカムアウトを防止するため、タッピンねじの場合には、第2制限トルクが一般ねじの場合よりも高めの値に設定され、これにより、ねじにはねじ締めツール10を通じて中推力が負荷される。なお、このタッピンねじの場合、ねじ締めの過程で、下穴成形は必要ないため、C点は設定されない(図8のS211参照)。
【0033】
ねじ締めツール10がD点に到達すると、すなわちねじがワークの下穴にめねじを成形し終わる位置までねじ込まれると、移動用モータ21は第4制限トルクで駆動される。これにより、ねじにはねじ締めツール10を通じて低推力が負荷される。ねじ締めツール10がD点に達して後E点に達するまでの間は、ワークにめねじを成形し終わっているので、締付けトルクも低い。したがって、D点からE点までの間は、一般ねじと同様に低推力でねじ込むのが最適なのである。ただし、下穴が有底である場合等には、ねじを締め終わるまでめねじ成形が継続されるため、D点で推力を低推力に切換えることは好ましくない。この場合には、E点まで同じ中推力が維持されるか、あるいはD点で高推力に切り換えられるよう、第4制限トルクを設定しておくのがよい。こうして、ねじ締めツール10ががE点に達して後は、一般ねじの場合と同様に高推力がねじに負荷されてねじの締め付けが行われる。
【0034】
◎ドリルねじの場合(図11(c)及び図12(c)参照)
ドリルねじの場合、ワークへのねじ込み開始直後から下穴が成形され始めるため、この時に最終締付けトルクよりも大きな締付けトルクが発生する。従って、ドリルねじの場合には、第2制限トルクが他の制限トルクと比べて最も高い値に設定される。よって、B点を過ぎると、ドリルねじにはねじ締めツール10を通じて超高推力が負荷される。これにより、下穴成形時に発生する締付けトルクによってドライバビット12がカムアウトするのを防止しつつ良好に下穴成形を行うことができる。
【0035】
ねじ締めツールがC点に到達すると、すなわちドリルねじがワークに下穴を成形し終わる位置までねじ込まれると、次に制限トルクは第3制限トルクに切り換えられる。ここからは下穴にめねじを成形する工程になるため、この第3制限トルクで移動用モータ21が駆動されることにより、ねじには前述のタッピンねじの場合と同様、中推力が負荷される。これにより、ドライバビット12のカムアウトを防止しつつ良好なめねじ成形を行うことができる。この後の推力変更は、基本的にタッピンねじと同様であるが、このドリルねじを締付ける際にも、ワークが厚い場合にはC点およびD点で各適用される第3,第4制限トルク値を中推力以上の高い推力が負荷される値に設定しておくとよい。
【0036】
以上のように、ねじの種類に応じて推力と速度の切換ポイントが選択され、これら切換ポイントで速度と推力が変更されてねじの締付けが行われるのであるが、その際、回転用モータ11の負荷電流値を見ることによりねじの締付けトルクの良否が判別される。つまり、回転用モータ11の負荷電流値は、ねじの締付トルクに対応して増減されるため、これを完了電流値と比較することにより、ねじが所定のトルクまで締付けられたかどうかを判別できる。この回転用モータ11の負荷電流値が完了電流値に達すると、回転用モータ11の駆動が停止されるとともに、ツールコントローラ40から制御部60にOK信号が出力される。この時、タイマによる計測時間が経過しても回転用モータ11の負荷電流値が完了電流値に達しない場合には、回転用モータ11の駆動が停止されるとともに、ツールコントローラ40から制御部60にNG信号が送られる。なお、締め付けられるねじがタッピンねじかドリルねじの場合には、下穴およびめねじ成形時にドライバビットに作用する負荷トルクが大きくなり、これによって回転用モータ11の負荷電流値が完了電流値に達し、トルクアップしてしまうことがある。これを防止するため、ツールコントローラ40はねじ締めツール10が点に達するまで回転用モータ11の負荷電流値を完了電流値と比較しない制御を行う。
【0037】
また、サーボコントローラ50においては、エンコーダ22のパルス信号数から移動用モータ21の回転量が0になった(ねじ締めツール10の移動量が0になり停止した)こと、またはねじ締めツール10がG点に到達したことの何れかが判明すると、移動用モータ21が速度0(ゼロ)、制限トルク0(ゼロ)で駆動される。これにより、移動用モータ21の出力軸21aは回転フリーになる。よって、ボールねじ機構23のボールねじ軸23aも回転フリーになり、このため、推力の影響でワークに撓み等の弾性変形が発生している場合には、ワークを反発力により元の状態に戻すことができる。その結果、エンコーダ22のパルス信号数も変化し、ねじ締めツール10の停止位置も適正化される。
【0038】
その後、ねじ締めツール10が停止した位置が制御パラメータの内のF点位置データ、完了幅(+)および完了幅(−)決定されるF点の許容範囲内に収まっている場合には、サーボコントローラ50から制御部60にF点完了信号が送られる。また、ねじ締めツール10がG点の前後に完了幅(+)および完了幅(−)を適用したG点の許容範囲内に到達している場合には、制御部60にG点完了信号が送られる。さらに、ねじ締めツール10の停止位置が前記の何れにも該当しない場合には、制御部60にNG信号が送信される。これらツールコントローラ40およびサーボコントローラ50から入力される各信号を受け、制御部60では、ねじの締付けトルク、ねじ込み高さの良否が判定され、これらに基づいた結果表示がなされる。この時、ねじ締めツール10がF点の許容範囲に到達していない場合は、ねじがワークに着座せずに浮いた状態であり、また、F点の許容範囲を過ぎている場合には、ねじがワークにめり込んでいる状態にある。このため、F点完了信号以外の信号がサーボコントローラ50から発せられた時には、制御部60はねじの締め込み高さ不良と判定し、この結果、表示部にはねじ高さNG表示がなされる。
【0039】
前述のように、最終的なねじの締付け完了位置であるF点を過ぎた所定の位置G点を最終的な到達目標位置としてねじ締めツール10を移動させることにより、推力により撓み等の弾性変形を生ずるワーク、加工誤差の大きいワーク等、ねじをねじ込む時にワークにおけるねじ着座面が正規の位置からねじの螺入進行方向にずれてしまうワークにねじを締め付ける場合にも、撓み等の分、ねじ締めツール10が余分に移動可能となる。よって、撓み等が発生してもねじを正確に締め込むことが可能となる。また、ねじ締めツール10の移動が停止した後に移動用モータ21を速度ゼロ、制限トルクゼロで駆動して推力を除去しているため、ワークが弾性変形したりしている場合には、これを元に戻すことができ、ワークにおける正規のねじ着座面位置に設定される締付け完了位置F点の許容範囲内にねじが締め付けられているか否かを正確にチェックすることができる。
【0040】
前述のようにしてねじ締め作業が完了すると、移動用モータ21は高速で逆転駆動され、これによりねじ締めツール10は待機ポイントA点に復帰して次のねじ締め作業に備えて待機する。このように任意に設定可能な待機位置A点にねじ締めツール10を戻すようにすると、原点O点まで戻す場合に比べ、次のねじ締め作業に移る際のねじ締めツール10の移動量を少なくすることができ、連続的なねじ締め作業を効率よく行うことが可能となる。
【0041】
前述の処理を繰り返し、ねじ締めポイントテーブル中のパラメータが設定されている全てのレコードについてねじ締め作業が完了すると、制御部60からサーボコントローラ50に原点復帰信号が送られ、これを受けてサーボコントローラ50は定格トルク、第3速度(高速)で移動用モータ21を逆転駆動する。これにより、ねじ締めツール10は原点O点に復帰してねじ締め作業を完了する。
【0042】
なお、以上の説明では、G点に到達した場合にはねじの締め込み高さをNGと判定する処理を紹介したが、完了幅(+)または完了幅(−)の設定値をF−G間距離に設定された値よりも大きくすることで、G点到達についてねじの締め込み高さをOKと判定する処理を行うことが可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明のねじ締め装置によれば、ねじ締め完了の基準位置を過ぎた所定の目標位置を設定し、この目標位置を最終的な到達位置としてねじ締めツールを移動させるようになっているため、撓み等の弾性変形を起こし易いワーク等にねじを締め付ける場合、撓み等の弾性変形分を考慮した目標位置を設定し、この目標位置に向かってねじ締めツールを移動させることが可能となる。これにより、撓み等によりねじ着座位置が正規の位置からねじの螺入進行方向にずれたワークに対しても、ねじを着座するまで正確に螺入して締め付けることができる。また、前記目標位置にねじ締めツールを移動させる過程でねじ締め完了の基準位置、ねじの種類およびねじの寸法とに応じて設定される推力切換ポイントで推力を変更するようになっているため、ねじの締付け過程で、そのねじの種類とねじ込み位置とに応じて適正に推力を調整しつつ、推力の影響で撓み等を起こすワークに対しても正確なねじ締めを行うことができるものである。さらに、前記目標位置にねじ締めツールを移動させるとともに、ねじの種類に応じて必要な推力切換ポイントを選択し、その推力切換ポイントに対応するねじ締め推力パラメータ(制限トルク)に基づいて移動用モータを駆動制御することによりねじに作用する推力を変更するものであるため、撓み等を起こすワークに対して一般ねじ、タッピンねじ、ドリルねじ等の締付け形態の異なる各種ねじの締付けを極めて効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るねじ締め装置の概略構造説明図である
【図2】ねじを締め付ける作業の過程における特徴点と移動用モータの駆動切換の関係を示す説明図である。
【図3】制御パラメータを設定登録するための各種テーブルの説明図である。
【図4】制御部のメイン制御処理の前段を示すフローチャートである。
【図5】制御部のメイン制御処理の後段を示すフローチャートである。
【図6】ツールコントローラの制御処理を示すフローチャートである。
【図7】サーボコントローラの制御処理の前段を示すフローチャートである。
【図8】サーボコントローラの制御処理の中段前半を示すフローチャートである。
【図9】サーボコントローラの制御処理の中段後半を示すフローチャートである。
【図10】サーボコントローラの制御処理の後段を示すフローチャートである。
【図11】ねじを締め付ける時の推力変更パターン例をねじ種毎に示した説明図である。
【図12】ねじを締め付ける時の推力と速度の変更パターン例をねじ種毎に示した説明図である。
【符号の説明】
1 ねじ締め装置
10 ねじ締めツール
11 ビット回転駆動用モータ
12 ドライバビット
20 往復移動手段
21 移動用モータ
22 エンコーダ
23 ボールねじ機構
24 テーブル
30 制御手段
40 ねじ締めツールコントローラ
50 サーボ駆動コントローラ
60 制御部

Claims (4)

  1. ねじの頭部に係合可能なドライバビットを回転駆動するように構成されたねじ締めツールと、このねじ締めツールを往復移動させるとともにねじ締めツールを通じてねじに推力を作用させる往復移動手段とを備えたねじ締め装置であって、
    前記ねじ締めツールの移動位置を検出可能な位置検出手段と、
    前記位置検出手段によって検出されるねじ締めツールの移動位置に応じてねじ締めツールを通じてねじに作用する推力を変更するよう前記往復移動手段を制御するとともに、ねじ着座面が正規の位置からずれていない状態でのねじ締めツールのねじ締め完了時の移動位置である基準位置と、この基準位置を過ぎたねじ締めツールの移動位置である目標位置とを予め設定し、目標位置を最終到達位置として前記往復移動手段を駆動してねじ締めツールを移動させる制御を行う制御手段とを備えていることを特徴とするねじ締め装置。
  2. 制御手段は、基準位置と、基準位置からねじ締め過程の特徴点までの距離とからねじ締めツールに作用する推力を変更する位置となる推力切換ポイントを算出し、前記目標位置をねじ締めツールの最終到達位置として前記往復移動手段を駆動してねじ締めツールを移動させるとともに、その過程で前記位置検出手段の信号によりねじ締めツールが推力切換ポイントに達したことを検出し、その推力切換ポイントに対応するねじ締め推力パラメータにより往復移動手段を制御してねじ締め推力の制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のねじ締め装置。
  3. 制御手段は、ねじのねじ締め過程における推力切換ポイントの内から締付けているねじの種類に応じてそのねじに必要な推力切換ポイントを判断し、当該必要な推力切換ポイントに対応するねじ締め推力パラメータに基づいて往復移動手段を制御してねじ締め推力の制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のねじ締め装置。
  4. 往復移動手段は、移動用モータと、この移動用モータの駆動を受けて作動することでねじ締めツールを移動させるボールねじ機構とを有し、
    また制御手段は、基準位置に所定の幅を持たせるための完了幅を設定可能であり、ねじの締め付けにともなってねじ締めツールの移動量が0になるか、ねじ締めツールが目標位置に達するかすると、前記移動用モータを速度0および制限トルク0で駆動し、前記完了幅によって規定される範囲内にねじ締めツールが停止したか否かを確認することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載のねじ締め装置
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