JPH09183027A - ねじ締め装置 - Google Patents

ねじ締め装置

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JPH09183027A
JPH09183027A JP81896A JP81896A JPH09183027A JP H09183027 A JPH09183027 A JP H09183027A JP 81896 A JP81896 A JP 81896A JP 81896 A JP81896 A JP 81896A JP H09183027 A JPH09183027 A JP H09183027A
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screw
rotation
torque
tightening
rotation torque
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JP81896A
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English (en)
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Kimimoto Moriya
公基 守屋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】小型のねじであってもそのばらつきによる影響
を受けることなく、ねじの締め付け不良の検出を行うこ
とができるねじ締め装置を提供すること。 【解決手段】ねじ孔にねじを締め付けるねじ締め装置1
0において、上記ねじに係合し回転力を与えるドライバ
ビット25を回転駆動するDCサーボモータ21と、D
Cサーボモータ21の回転トルクを検出するシーケンサ
33と、シーケンサ33により検出された上記回転トル
クが所定の第1回転トルクに達してから上記第1回転ト
ルクよりも高い第2回転トルクに達するまでの上記ねじ
の回転量を検出するシーケンサ33と、シーケンサ33
により検出された上記回転量に基づいて上記ねじの締付
け不良を判定するシーケンサ33とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ねじ孔にねじを締
め付けるねじ締め装置に関し、特にハードディスクドラ
イブ等の精密組立に用いる小径ねじを締める際に、ねじ
浮き等のねじ締め不良を検出することができるものに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から電動モータを用いてねじ孔にね
じを締め付けるねじ締め装置が用いられている。このよ
うなねじ締め装置においては、ねじの締め付けを行う際
に何らかの理由でねじがねじ孔に完全にはねじ込まれ
ず、浮いた状態で固定されるねじ浮き等の不良を検出す
る機構が設けられているものがあった。
【0003】例えば、特開平4−115837号公報に
記載されているネジの締付け不良検出装置では、ねじの
ねじ締め方向の移動速度を時間あたりのドライバビット
の回転量から計算し、その移動速度が許容範囲内にある
か否かを判定してねじの締付け不良を検出するようにし
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したネジの締付け
不良検出装置では、ねじを締め付ける際の締付けトルク
を検出していないため、ねじ孔が設けられている部材が
脆い材質の場合等の締付けトルクが重要な場合には適用
できない。
【0005】また、ドライバビットの移動距離と移動時
間でねじ締めを管理するようにしているため、小径のね
じの場合では、移動距離や移動時間の値がドライバビッ
トの回転開始位置やねじの大きさのばらつきによる影響
を受け易くなる。このため、ねじ締めの良否判定の基準
があいまいになり、ねじ締めの不良を高精度に検出する
ことができなかった。
【0006】そこで本発明は、ねじ孔にねじを締め付け
る際に、ねじの締付けトルクを設定した値とすることが
できるとともに、小型のねじであってもそのばらつきに
よる影響を受けることなく、ねじ浮き等のねじの締め付
け不良の検出を行うことができるねじ締め装置を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、請求項1に記載された発明は、ねじ孔
にねじを締め付けるねじ締め装置において、上記ねじに
係合し回転力を与えるドライバビットと、このドライバ
ビットを回転駆動する電動モータと、この電動モータの
回転トルクを検出する回転トルク検出手段と、この回転
トルク検出手段により検出された上記回転トルクが所定
の第1回転トルクに達してから上記第1回転トルクより
も高い第2回転トルクに達するまでの上記ねじの回転量
を検出する回転量検出手段と、この回転量検出手段によ
り検出された上記回転量に基づいて上記ねじの締付け不
良を判定する第1判定手段とを備えるようにした。
【0008】請求項2に記載された発明では、請求項1
に記載された発明において、上記第1の回転トルクは上
記ねじのねじ頭が上記ねじ孔の開口部周縁と接した際の
回転トルクであることが好ましい。
【0009】請求項3に記載された発明では、請求項1
に記載された発明において、上記第1の回転トルクは上
記ねじの先端部が上記ねじ孔の底部と接した際の回転ト
ルクであることが好ましい。
【0010】請求項4に記載された発明では、請求項1
に記載された発明において、上記第2の回転トルクは上
記ねじを上記ねじ孔に所定の締付け状態で締め付ける回
転トルクであることが好ましい。
【0011】請求項5に記載された発明では、請求項1
に記載された発明において、ねじ締め開始から上記回転
トルク検出手段により検出された上記回転トルクが上記
第1回転トルクに達するまでの上記電動モータの回転時
間を計測する第1時間計測手段と、この第1時間計測手
段により計測された上記電動モータの回転時間に基づい
て上記ねじの締付け不良を判定する第2判定手段とを備
えていることが好ましい。
【0012】請求項6に記載された発明では、請求項1
に記載された発明において、上記回転トルク検出手段に
より検出された上記回転トルクが上記第1回転トルクか
ら上記第2回転トルクに達するまでの上記電動モータの
回転時間を計測する第2時間計測手段と、この第2時間
計測手段により計測された上記電動モータの回転時間に
基づいて上記ねじの締付け不良を判定する第3判定手段
とを備えていることが好ましい。
【0013】上記手段を講じた結果、次のような作用が
生じる。すなわち、請求項1に記載された発明では、ね
じを回転させるドライバビットを回転駆動するための電
動モータの回転トルクを回転トルク検出手段により検出
する。この電動モータの回転トルクが所定の第1回転ト
ルクに達してから第1回転トルクよりも高い第2回転ト
ルクに達するまでのねじの回転量を回転量検出手段によ
り検出する。ねじの締付け不良が発生している場合には
検出された回転量が通常の回転量とは異なるので第1判
定手段によりねじの締付け不良と判定することができ
る。
【0014】請求項2に記載された発明では、第1の回
転トルクをねじのねじ頭がねじ孔の開口部周縁と接した
際の回転トルクとすることで、回転量検出手段による回
転量検出開始のタイミングを明確にすることができる。
【0015】請求項3に記載された発明では、第1の回
転トルクはねじの先端部がねじ孔の底部と接した際の回
転トルクとすることで、回転量検出手段による回転量検
出開始のタイミングを明確にすることができる。
【0016】請求項4に記載された発明では、第2の回
転トルクはねじをねじ孔に所定の締付け状態で締め付け
る回転トルクとすることで、回転量検出手段による回転
量検出終了のタイミングを明確にすることができる。
【0017】請求項5に記載された発明では、ねじ締め
開始から回転トルク検出手段により検出された回転トル
クが第1回転トルクに達するまでの電動モータの回転時
間を第1時間計測手段により計測する。ねじの締付け不
良が発生している場合にはこの電動モータの回転時間が
標準的な回転時間とは異なるので第2判定手段によりね
じの締付け不良を判定することができる。
【0018】請求項6に記載された発明では、回転トル
ク検出手段により検出された回転トルクが第1回転トル
クから第2回転トルクに達するまでの電動モータの回転
時間を第2時間計測手段により計測する。ねじの締付け
不良が発生している場合にはこの電動モータの回転時間
が標準的な回転時間とは異なるので第3判定手段により
ねじの締付け不良を判定することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態に係る
ねじ締め装置10の構成を示す概略図、図2はこのねじ
締め装置10に組み込まれたシーケンサ33における制
御方法を示す動作フロー図である。また、図3はこのね
じ締め装置10によりねじ締めを行うねじSとワークW
に設けられたねじ孔Qを示す断面図である。
【0020】ねじ締め装置10は、図1に示すようにね
じ締め機構部20とねじ締め制御部30とから構成され
ている。ねじ締め機構部20は、DCサーボモータ(電
動モータ)21と、このDCサーボモータ21の出力軸
21aと後述するギアボックス23の入力軸23aとを
結合するカップリング22と、その入力軸23aの回転
を減速し、出力軸23bから出力するギアボックス23
と、このギアボックス23の出力軸23bに取り付けら
れ後述するドライバビット25を脱着自在に保持するチ
ャック24とを備えている。なお、このチャック24に
はドライバビット25が取り付けられている。
【0021】DCサーボモータ21にはその出力軸21
aの回転量を検出するエンコーダ21bが設けられてい
る。また、ギアボックス23には出力軸23bをその軸
心線方向に沿って移動自在に支持することによってドラ
イバビット25が受ける力を逃がすドライバビット逃げ
機構(不図示)を備えている。
【0022】ねじ締め制御部30は、f/V変換器31
と、ねじ締めコントローラ32と、シーケンサ33と、
これらf/V変換器31、ねじ締めコントローラ32及
びシーケンサ33に電力を供給するDC電源34とを備
えている。
【0023】f/V変換器31は、上述したエンコーダ
21bの出力パルス信号pからDCサーボモータ21の
出力軸21aの回転周波数fを検出し、回転周波数fに
比例した電圧Vをねじ締めコントローラ32に出力する
ととも、出力パルス信号pの電圧レベルを12Vに変換
して出力パルス信号Pとしてシーケンサ33に出力す
る。
【0024】ねじ締めコントローラ32は、設定された
回転速度及び回転トルクに基づいてDCサーボモータ2
1を駆動制御する。すなわち、DCサーボモータ21の
回転周波数に比例してf/V変換器31から出力される
電圧Vに基づいて速度フィードバック制御を行い、DC
サーボモータ21の出力電流に基づいてトルクフィード
バック制御を行う。
【0025】ねじ締めコントローラ32においては、D
Cサーボモータ21の目標回転速度及び目標回転トルク
をそれぞれ2段階に設定することができる。すなわち、
目標回転速度は低速と高速に、目標回転トルクは仮締め
用トルクと本締め用設定に設定可能である。
【0026】低速の回転速度においては、ねじSをねじ
孔Qのねじ部Qaに容易に噛み合わせることが可能であ
る。また、高速の回転速度においては、ねじSをねじ孔
Qに効率よくねじ込むことが可能である。一方、仮締め
用トルクとは、最大回転トルクを低トルク(第1回転ト
ルク)とするものであり、また、本締め用トルクとは、
最大回転トルクを高トルク(第2回転トルク)とするも
のである。
【0027】これら回転速度及び回転トルクの設定は、
ねじ締めコントローラ32内部に設けられた可変抵抗
(不図示)をシーケンサ33からの指令により所定のタ
イミングで切り替えることにより行う。なお、DCサー
ボモータ21の回転方向もシーケンサ33からの指令に
よりねじ締めコントローラ32を介して切り替えること
ができる。
【0028】シーケンサ33は予め決められた動作フロ
ー、f/V変換器31及びねじ締めコントローラ32の
出力に基づいて上述したような指令を所定のタイミング
でねじ締めコントローラ32に出力する機能、ねじ締め
不良を判定する機能及び一定時間を計測するディレイタ
イマ、経過時間を計測するタイマとを有している。
【0029】次にシーケンサ33におけるねじ締めコン
トローラ32への制御及び不良判定について図2の動作
フロー図を参照して説明する。すなわち、シーケンサ3
3は外部から作業開始の信号を受けると、最初に上述し
た低速、低トルクの設定をねじ締めコントローラ32へ
指令する(ST1)。ここからディレイタイマにより所
定の時間τ1を計測する(ST2)。
【0030】この後、ねじ締めコントローラ32へ高速
回転、低トルクの設定を指令する(ST3)。一方、ね
じ締めコントローラ32からの信号に基づいてDCサー
ボモータ21の回転トルクが上述した第1回転トルクT
1に達したか否かを判定する(ST4)。
【0031】ここで、第1回転トルクT1に達していな
い場合にはタイマによって時間が計測される(ST
5)。予めタイマに設定されていた時間t1を越えた場
合にはオーバータイムエラーとなりねじ締めを中止する
(ST6)。
【0032】一方、第1回転トルクT1に達していた場
合には、シーケンサ33はf/V変換器31から出力さ
れたパルスPに基づいてドライバビット25の回転量の
計測を開始する(ST7)とともに、ねじ締めコントロ
ーラ32に対して高速回転、高トルクの設定を行う(S
T8)。
【0033】次に、ねじ締めコントローラ32からの信
号に基づいてDCサーボモータ21の回転トルクが上述
した第2回転トルクT2に達したか否かを判定する(S
T9)。
【0034】ここで、第2回転トルクT2に達していな
い場合にはタイマによって時間が計測される(ST1
0)。予めタイマに設定されていた時間t2を越えた場
合にはオーバータイムエラーとなりねじ締めを中止する
(ST11)。
【0035】第2回転トルクT2に達していた場合に
は、ディレイタイマにより所定時間τ2経過後(ST1
2)、シーケンサ33によるドライバビット25の回転
量の計測を停止する(ST13)。
【0036】ここで、回転量が許容範囲にあるか否かが
判定され(ST14)、許容範囲外の場合にはねじ締め
不良のエラーが出力される(ST15)。一方、回転量
が許容範囲内である場合には、ねじ締めが正常に終了す
る(ST16)。
【0037】なお、第1回転トルクT1、第2回転トル
クT2、ディレイタイマ時間τ1,τ2、タイマ時間t
1,t2及び回転量の許容範囲はそれぞれ使用するねじ
S及びねじ孔Qの形状及びワークWの材質等によって異
なり、実験的に決定される。
【0038】図3中Sはねじ、Saはねじ座金、Sbは
ねじ先端、Qはねじ孔、Qaはねじ部、Qbはねじ孔底
部、Wはねじ孔Qが形成されたワークを示している。こ
のように構成されたねじ締め装置10は、次のようにし
てねじ孔QへのねじSのねじ締めを行う。なお、ねじ締
めは大きく分けて仮締め工程と本締め工程の2工程によ
り行われる。また、図4は正常なねじ締めを行ったとき
のDCサーボモータ21の回転トルク変化を示すグラフ
である。
【0039】最初に図3の(a),(b)に示すように
ねじ締めが正常に行われる場合について説明する。ここ
で、ねじS及びねじ孔Qの大きさ・形状・材質等に合わ
せて低速回転・高速回転の回転数、第1回転トルクT
1、第2回転トルクT2、ディレイタイマ時間τ1,τ
2、タイマ時間t1,t2及び回転量の許容範囲をそれ
ぞれ設定する。
【0040】仮締め工程では、予めドライバビット25
先端にねじSをねじ供給装置(不図示)により供給し、
ねじSのねじ先端Sbをねじ孔Qに位置決めする。外部
作業開始信号をシーケンサ33に送ることにより、シー
ケンサ33はST1に基づいてねじ締めコントローラ3
2にDCサーボモータ21を低速回転、低トルクで駆動
するように指令を行う。そして、ねじ締めコントローラ
32ではDCサーボモータ21に所定の電力を供給し、
図3中矢印r方向に低速回転、低トルクで回転を開始さ
せる。これによりねじ孔Qのねじ部QaにねじSが螺合
する。
【0041】次にシーケンサ33はST2に基づいて所
定時間τ1を計測した後、ST3に基づいてねじ締めコ
ントローラ32に高速回転、低トルクで駆動するように
指令を行う。ねじ締めコントローラ32はその指令に基
づきモータ電圧を変化させて回転速度を高める。これに
よりねじSはねじ孔Q内に進行する。
【0042】同時にシーケンサ33はST4に基づいて
ねじ締めコントローラ32からの後述する信号の入力を
待つ待機状態となる。なお、シーケンサ33は上述した
信号が入力するまでの間は、ST5に進み、時間を計測
する。
【0043】ねじ締めコントローラ32はDCサーボモ
ータ21の回転トルクをモータ出力電流から逐次検出す
る。上述したねじSの進行によりねじ座金Saがワーク
W表面に当接することで摺動を開始し、回転トルクが設
定された第1回転トルクT1に達した時点でシーケンサ
33に信号を出力する。シーケンサ33では上記信号が
入力した時点で後述するST7へ進む。ここで仮締め工
程を終了する。
【0044】次に本締め工程では、シーケンサ33はS
T7に基づいて、f/V変換器31から出力されたパル
スPを計測することによって、ドライバビット25の回
転量の計測を開始する。
【0045】続いてシーケンサ33はST8に基づい
て、ねじ締めコントローラ32に対し本締め用のモータ
回転設定(高速回転、高トルク)を指示する。ねじ締め
コントローラ32はDCサーボモータ21への供給電圧
を大きくしてゆく。これによりねじSはねじ孔Qに強い
力で締め付けられていく。
【0046】同時にシーケンサ33はST9に基づいて
ねじ締めコントローラ32からの後述する信号の入力を
待つ待機状態となる。なお、シーケンサ33は上述した
信号が入力するまでの間は、ST10に進み、時間を計
測する。
【0047】ねじ締めコントローラ32はDCサーボモ
ータ21の回転トルクをモータ出力電流から逐次検出す
る。ねじSはねじ孔Qへの締め付け力は次第に高まり、
回転トルクが設定された第2回転トルクT2に達した時
点でシーケンサ33に信号を出力する。シーケンサ33
では上記信号が入力した時点で後述するST12へ進
む。
【0048】シーケンサ33はST12に基づいて、所
定時間τ2の間待機することによりねじSがねじ孔Qに
完全に締め付けられた状態になった後、ST13に基づ
いてねじ締めコントローラ32に回転停止を指令する。
これによりねじ締めコントローラ32はDCサーボモー
タ21の回転を停止させる。
【0049】次にシーケンサ33によりST14に基づ
いて、計測された回転量が予め設定された回転量範囲内
にあるか否かの判定を行う。正常なねじ締めの場合であ
るので、回転量は設定された図5中θで示す標準回転量
範囲にあり、ねじ締めは正常に終了する。なお、図5で
は横軸が回転量、縦軸が実験による頻度を示している。
【0050】一方、ねじ締め異常の場合について図6の
(a),(b)及び図7の(a),(b)に基づいて説
明する。本ねじ締め装置10では次のような3つの場合
にねじ締め異常を検知する。
【0051】第1例として、ST5において設定された
時間t1を超えるような場合、すなわち、ドライバビッ
ト25を回転させても第1回転トルクT1に達しない場
合には、ST16に進み、オーバータイムエラーとな
る。これは、図6の(a)に示すように、ねじSとねじ
孔Qの位置が合わず、ねじ込まれないことにより回転ト
ルクが第1回転トルクT1まで上昇しない場合等に発生
する。
【0052】第2例として、ST10において設定され
た時間t2を超えるような場合、すなわち、第2回転ト
ルクT2に達しない場合には、ST11に進み、オーバ
ータイムエラーとなる。これは、図6の(b)に示すよ
うに、何らかの理由により適正なサイズのねじSよりも
小さいねじS′がドライバビット25に供給された場合
等に生ずる。すなわち、ねじS′の座金S′aがワーク
Wに摺動するため第1回転トルクT1に時間t1以内に
達するものの、ねじ締めが実際には行われないため、第
2回転トルクT2に達せずST11においてオーバータ
イムエラーとなる。
【0053】第3例として、ST14において回転量が
標準回転量範囲を外れた場合、すなわち、図7の(a)
に示すように、何らかの理由により適正なサイズのねじ
Sよりも長いねじS″がドライバビット25に供給され
た場合等において生ずる。すなわち、ねじS″のねじ先
端S″bがねじ孔Qの底部Qbに摺動するため第1回転
トルクT1に時間t1内に達し、ねじ締めの進行によっ
て第2回転トルクT2に時間t2内に達するのでオーバ
ータイムエラーとならない。しかし、回転量が図5中
θ′に示すように標準回転量範囲よりも大きくなる。こ
のため、ST14においてねじ浮きが発生したとしてね
じ締め不良と判定される。
【0054】また、図7の(b)に示すように、正常な
サイズのねじSが供給された場合であっても何らの理由
でねじSが途中で進行しなくなったりする場合でも、回
転量が標準回転量範囲よりも大きくなるので、ST14
においてねじ浮きが発生したとしてねじ締め不良と判定
される。
【0055】このほか、ねじSがねじ孔Qに斜めにねじ
込まれたり、ねじSやねじ孔Qが壊れたりする場合も考
えられるが、いずれの場合であってもオーバータイムエ
ラーか回転量が標準回転量範囲を外れるため、ねじ締め
不良として検知することができる。
【0056】図8の(a)は別のねじGとねじ孔Hの例
を示す断面図である。このようにねじGがねじ孔Hに比
べて長い止めねじタイプであっても、ねじGのねじ先端
Gaがねじ孔Hの底部Haに当接した時点で発生する回
転トルクを第1回転トルクとして設定することにより同
様にねじ締めを行うことができる。
【0057】また、図8の(b)に示すようにねじSを
貫通型のねじ孔Q′にねじ込む場合でも上述した図3の
場合と同様にしてねじ締めを行うことができる。上述し
たように本実施の形態に係るねじ締め装置10によれ
ば、本締め時のドライバビットの回転量の違いによって
ねじ浮き等の不良を検出できる。この方法によれば、小
径のねじ等の形状のばらつきがあっても、予め正常なね
じ締め時のデータがわかっていれば、ねじ浮き等のねじ
締め不良を検出できる。
【0058】また、回転トルクが第2回転トルクに達し
たことだけを検出したのでは、ねじ浮きが発生したこと
を検出することができないが、本装置10では回転量を
計測しているため、より正確なねじ締め不良を検出する
ことができる。
【0059】さらに、第1回転トルク及び第2回転トル
クに達するまでの時間を監視し、オーバータイムエラー
としてねじ締めを中断するので、短時間でねじ締め不良
を発見でき、生産効率を向上させることができる。
【0060】なお、本発明は上述した実施の形態に限定
されるものではない。すなわち上記実施の形態では、ね
じ締め異常をモータトルクが設定値に達するまでの時間
で判断しているが、これをドライバビットの回転量の大
小で判断するようにしてもよい。また、エンコーダを採
用しているが、タコジェネレータ付きのモータを用い、
回転速度から回転量を検知する場合についても本締め時
のドライバビットの回転量でねじ浮きの検出を行うよう
にしてもよい。さらに、シーケンサを用いているが、同
じ機能をマイクロコンピュータ、若しくはパーソナルコ
ンピュータを用いて実現するようにしてもよい。さらに
また、ねじ締め異常が発生したときに、ドライバビット
を逆転させて一旦ねじを緩め、再びねじ締めを行う機能
を追加するようにしてもよい。このほか本発明の要旨を
逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論であ
る。
【0061】
【発明の効果】請求項1に記載された発明によれば、電
動モータの回転トルクが所定の第1回転トルクに達して
から第1回転トルクよりも高い第2回転トルクに達する
までのねじの回転量を回転量検出手段により検出し、こ
の回転量と通常の回転量とを比較することで、ねじの締
付け不良を判定することができる。
【0062】請求項2に記載された発明によれば、第1
の回転トルクをねじのねじ頭がねじ孔の開口部周縁と接
した際の回転トルクとすることで、回転量検出手段によ
る回転量検出開始のタイミングを明確にすることができ
る。
【0063】請求項3に記載された発明によれば、第1
の回転トルクはねじの先端部がねじ孔の底部と接した際
の回転トルクとすることで、回転量検出手段による回転
量検出開始のタイミングを明確にすることができる。
【0064】請求項4に記載された発明によれば、第2
の回転トルクはねじをねじ孔に所定の締付け状態で締め
付ける回転トルクとすることで、回転量検出手段による
回転量検出終了のタイミングを明確にすることができ
る。
【0065】請求項5に記載された発明によれば、ねじ
締め開始から回転トルク検出手段により検出された回転
トルクが第1回転トルクに達するまでの電動モータの回
転時間を第1時間計測手段により計測し、この回転時間
と標準的な回転時間とを比較することによりねじの締付
け不良を判定することができる。
【0066】請求項6に記載された発明によれば、回転
トルク検出手段により検出された回転トルクが第1回転
トルクから第2回転トルクに達するまでの電動モータの
回転時間を第2時間計測手段により計測し、この回転時
間と標準的な回転時間とを比較することによりねじの締
付け不良を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すねじ締め装置の構成
を示す概略図。
【図2】同装置に組み込まれたシーケンサ33の動作フ
ローを示す図。
【図3】同装置によるねじ締めが行われるねじとねじ孔
とを示す断面図。
【図4】同装置に組み込まれた電動モータの回転トルク
の時間変化を示すグラフ。
【図5】同装置に組み込まれたドライバビットの回転量
を示すグラフ。
【図6】ねじの締付け不良の例を示すねじとねじ孔を示
す断面図。
【図7】ねじの締付け不良の別の例を示すねじとねじ孔
を示す断面図。
【図8】同装置による別のねじとねじ孔との関係を示す
断面図。
【符号の説明】
10…ねじ締め装置 20…ねじ締め機構部 21…DCサーボモータ 21b…エンコーダ 23…ギアボックス 25…ドライバビット 30…ねじ締め制御部 31…f/V変換器 32…ねじ締めコントローラ 33…シーケンサ 34…DC電源

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ねじ孔にねじを締め付けるねじ締め装置に
    おいて、 上記ねじに係合し回転力を与えるドライバビットと、 このドライバビットを回転駆動する電動モータと、 この電動モータの回転トルクを検出する回転トルク検出
    手段と、 この回転トルク検出手段により検出された上記回転トル
    クが所定の第1回転トルクに達してから上記第1回転ト
    ルクよりも高い第2回転トルクに達するまでの上記ねじ
    の回転量を検出する回転量検出手段と、 この回転量検出手段により検出された上記回転量に基づ
    いて上記ねじの締付け不良を判定する第1判定手段とを
    備えていることを特徴とするねじ締め装置。
  2. 【請求項2】上記第1の回転トルクは上記ねじのねじ頭
    が上記ねじ孔の開口部周縁と接した際の回転トルクであ
    ることを特徴とする請求項1に記載のねじ締め装置。
  3. 【請求項3】上記第1の回転トルクは上記ねじの先端部
    が上記ねじ孔の底部と接した際の回転トルクであること
    を特徴とする請求項1に記載のねじ締め装置。
  4. 【請求項4】上記第2の回転トルクは上記ねじを上記ね
    じ孔に所定の締付け状態で締め付ける回転トルクである
    ことを特徴とする請求項1に記載のねじ締め装置。
  5. 【請求項5】ねじ締め開始から上記回転トルク検出手段
    により検出された上記回転トルクが上記第1回転トルク
    に達するまでの上記電動モータの回転時間を計測する第
    1時間計測手段と、 この第1時間計測手段により計測された上記電動モータ
    の回転時間に基づいて上記ねじの締付け不良を判定する
    第2判定手段とを備えていることを特徴とする請求項1
    に記載のねじ締め装置。
  6. 【請求項6】上記回転トルク検出手段により検出された
    上記回転トルクが上記第1回転トルクから上記第2回転
    トルクに達するまでの上記電動モータの回転時間を計測
    する第2時間計測手段と、 この第2時間計測手段により計測された上記電動モータ
    の回転時間に基づいて上記ねじの締付け不良を判定する
    第3判定手段とを備えていることを特徴とする請求項1
    に記載のねじ締め装置。
JP81896A 1996-01-08 1996-01-08 ねじ締め装置 Pending JPH09183027A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019150922A (ja) * 2018-03-05 2019-09-12 富士電機株式会社 ねじ締め判定装置及びねじ締め判定システム
JP2019188503A (ja) * 2018-04-21 2019-10-31 日東精工株式会社 ねじ締めロボット

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JP2019150922A (ja) * 2018-03-05 2019-09-12 富士電機株式会社 ねじ締め判定装置及びねじ締め判定システム
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