JP4147069B2 - 圧電素子制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1の電極と第2の電極間に電界を加えることにより変位を生ずる圧電素子を制御する圧電素子制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電素子は、例えば微小位置決め等において使用されるが、電圧駆動すると図8(a)に示すようなヒステリシスを発生することが知られており、精度良く制御駆動することはほとんど困難である。このため圧電素子を精度良く駆動する場合は、静電容量センサなどの変位センサを設け、この変位センサの変位情報に基づいて圧電素子を制御する方法が一般的である。
【0003】
しかしながら最近の傾向として、機構の小型化、低価格化が市場から求められており、静電容量センサなどの外部変位センサに頼らない圧電素子の駆動/制御方法が望まれている。外部変位センサに頼らない圧電素子の駆動/制御方法としては、圧電素子に蓄積する電荷量を制御する方法が良く知られている。圧電素子に蓄積される電荷量は圧電素子の変位量とほぼ線形の関係をもち、図8(b)に示すようにヒステリシスは著しく減少するからである。
【0004】
その一例としては特開昭63−204673号公報に開示されたものがある。これは、圧電素子に蓄積される電荷量を検出し、それを変位センサとして用いる方法であり、以下にその構成及び動作原理について簡単に説明する。
【0005】
図9は、特開昭63−204673号公報に開示された従来の圧電素子制御装置の構成を示す図である。図9において、第1の電極と第2の電極を有する圧電素子10は、電界を印加されると変位を生じる素子であり、ここでは、その静電容量をCP (静電容量は変位状態に応じて若干変動するが、ここでの説明では変動しないものとして差し支えない)とする。
【0006】
一方、電荷検出回路20は、演算増幅器21と、静電容量CS(>CP)を有するコンデンサ22と、反転回路23とから構成される。より詳細には、演算増幅器21の負極性入力端は前記圧電素子10の第2の電極に接続され、正極性入力端は基準電位124に接続され、出力端は反転回路23に接続されるとともに、コンデンサ22を介して演算増幅器21の負極性入力端に接続されている。
【0007】
なお、ここでの反転回路23は、駆動信号VINと演算増幅器21の出力信号の位相が180度ずれる(反転する)ので、それを一致させるために設けられる。
【0008】
さて、ここで圧電素子10に駆動信号VINを印加すると、圧電素子10には変位Xが生じる。この変位Xと圧電素子10に蓄積される電荷量Qには、
【数3】
なる関係が成り立つ。
【0009】
このとき、反転回路23の出力VOUT は、圧電素子10とコンデンサ22のインピーダンスをそれぞれ、
【数4】
【0010】
【数5】
【0011】
となるので、反転回路23の出力VOUT(あるいは演算増幅器21の出力でもよい)を、圧電素子10の変位を示す変位信号として用いることが可能である。したがって、反転回路23の出力VOUT(あるいは演算増幅器21の出力でもよい)を用いて圧電素子10の制御を行えば、圧電素子10を精度良くコントロールすることが可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記した従来の電荷量制御法には次の問題がある。
【0013】
圧電素子10のインピーダンスは式(2)に示すものとなると前述したが、圧電素子10の機械的共振周波数(角振動数ωK )の近傍におけるインピーダンスは、
【数6】
となる。これは、圧電素子10の機械的共振周波数(角振動数ωK )の近傍では、圧電素子10の等価回路は図10に示すように、機械的共振の等価回路(抵抗成分R1 、容量成分C1 、インダクタンス成分L1 の直列回路)が静電容量CPに付加されたものとなるからである。
【0014】
【数7】
となり、駆動信号VINに圧電素子10の機械的共振周波数成分が含まれている場合は、電荷検出回路20が機械的共振周波数成分を増幅させてしまい、制御が困難になるという問題がある。そればかりかコンデンサ22などの電子部品に過電圧が印加される可能性もある。
【0015】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、駆動信号に圧電素子の機械的共振周波数成分が含まれている場合でも圧電素子の機械的共振周波数成分を増幅させることなく、安定した制御が可能な圧電素子制御装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る圧電素子制御装置は、第1の電極と第2の電極を有し、前記第1の電極と前記第2の電極間に電界を加えることにより変位を生ずる圧電素子と、少なくともコンデンサと演算増幅器とを備え、前記圧電素子の変位に対応した信号を出力する積分回路と、前記圧電素子の第2の電極と前記積分回路との間で、前記圧電素子に直列接続された抵抗素子と、を具備し、前記抵抗素子の抵抗値R M は、前記圧電素子の静電容量C P と、前記圧電素子の機械的1次共振角振動数ω K との間で、
【数4】
なる関係を有する。
【0017】
また、本発明の第2の実施形態に係る圧電素子制御装置は、第1の電極と第2の電極を有し、前記第1の電極と前記第2の電極間に電界を加えることにより変位を生ずる圧電素子と、少なくともコンデンサと演算増幅器とを備え、前記圧電素子の変位に対応した信号を出力する積分回路と、前記圧電素子の第2の電極と前記積分回路との間で、前記圧電素子に直列接続された抵抗素子と、を具備し、前記抵抗素子の抵抗値R M は、前記圧電素子の静電容量C P と、前記圧電素子の機械的1次共振角振動数ω K との間で、
【数5】
なる関係を有する。
【0018】
また、本発明の第3の実施形態に係る圧電素子制御装置は、第1の電極と第2の電極を有し、前記第1の電極と前記第2の電極間に電界を加えることにより変位を生ずる圧電素子と、前記圧電素子の第2の電極と基準電位との間に接続され、コンデンサと抵抗素子とから構成される直列回路と、負極性入力端が前記圧電素子の第2の電極に接続され、正極性入力端に駆動信号が入力され、出力端が前記圧電素子の第1の電極に接続された演算増幅器と、を具備し、前記抵抗素子の抵抗値R L は、前記圧電素子の静電容量C P と、前記コンデンサの静電容量C S と、前記圧電素子の機械的1次反共振角振動数ω HK における前記圧電素子のインピーダンスZ P (ω HK )との間で、
【数6】
なる関係を有する。
【0020】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の概略を説明する。本発明の第1の構成に係る圧電素子制御装置は、第1の電極と第2の電極を有し、前記第1の電極と前記第2の電極間に電界を加えることにより変位を生ずる圧電素子と、少なくともコンデンサと演算増幅器とを備え、前記圧電素子の変位に対応した信号を出力する積分回路と、前記圧電素子の第2の電極と前記積分回路との間で、前記圧電素子に直列接続された抵抗素子とを具備する。
【0021】
上記した第1の構成によれば、圧電素子を変位させるべく圧電素子の第1の電極に駆動信号を印加すると、圧電素子にはその変位状態に応じた電荷が蓄積される。同時にコンデンサにも圧電素子と同量の電荷が蓄積され、積分回路は圧電素子の変位状態に対応した信号を出力する。このとき、圧電素子には直列に抵抗素子が接続されているので、駆動信号に圧電素子の機械的共振周波数成分が含まれている場合でも、圧電素子の機械的共振周波数成分を増幅させることなく安定して圧電素子の変位状態を得ることができる。
【0022】
また、本発明の第2の構成に係る圧電素子制御装置は、第1の構成に係る圧電素子制御装置に係わり、前記抵抗素子の抵抗値RM は、前記圧電素子の静電容量CP と、前記圧電素子の機械的1次共振角振動数ωK とに
【数10】
なる関係がある。
【0023】
上記した第2の構成によれば、より確実に、圧電素子の機械的共振周波数成分を増幅させることなく安定して圧電素子の変位状態を得ることができる。
【0024】
さらに、本発明の第3の構成に係る圧電素子制御装置は、第1の電極と第2の電極を有し、前記第1の電極と前記第2の電極間に電界を加えることにより変位を生ずる圧電素子と、前記圧電素子の第2の電極と基準電位との間に接続され、コンデンサと抵抗素子とから構成される直列回路と、負極性入力端が前記圧電素子の第2の電極に接続され、正極性入力端に駆動信号が入力され、出力端が前記圧電素子の第1の電極に接続された演算増幅器とを具備する。
【0025】
上記した第3の構成によれば、圧電素子を変位させるべく演算増幅器の正極性入力端に駆動信号を印加すると、コンデンサには駆動信号に比例した電荷量が蓄積される。同時に圧電素子にもコンデンサと同量の電荷が蓄積され、圧電素子は駆動信号に比例した変位を発生させる。このとき、コンデンサには直列に抵抗素子が接続されているので、駆動信号に圧電素子の機械的共振周波数成分が含まれている場合でも、圧電素子の機械的共振周波数成分を増幅させることなく安定して圧電素子を変位させることができる。
【0026】
加えて、本発明の第4の構成に係る圧電素子制御装置は、第3の構成に係る圧電素子制御装置に係わり、前記抵抗素子の抵抗値RL は、前記圧電素子の静電容量CP と、前記コンデンサの静電容量CS と、前記圧電素子の機械的1次反共振角振動数ωHKにおける前記圧電素子のインピーダンスZP (ωHK)とに、
【数11】
なる関係がある。
【0027】
上記した第4の構成によれば、より確実に、圧電素子の機械的共振周波数成分を増幅させることなく安定して圧電素子を変位させることができる。
【0028】
(第1実施の形態)
以下、本発明の第1実施の形態に係る圧電素子制御装置の構成及び動作原理について詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の第1実施の形態に係る圧電素子制御装置の構成を示す図である。図1において、第1の電極と第2の電極を有する圧電素子110は、電界を印加されると変位を生じる素子であり、ここでは、その静電容量をCP(静電容量は変位状態に応じて若干変動するが、ここでの説明では変動しないものとして差し支えない)とする。
【0030】
前記圧電素子110と直列に抵抗素子130が接続され、この抵抗素子130は電荷検出回路120に接続されている。電荷検出回路120は、演算増幅器121と、静電容量CS(>CP)を有するコンデンサ122と、反転回路123とから構成される。より詳細には、演算増幅器121の負極性入力端は前記抵抗素子130に接続され、正極性入力端は基準電位124に接続され、出力端は反転回路123に接続されるとともに、コンデンサ122を介して演算増幅器121の負極性入力端に接続されている。
【0031】
ここでの反転回路123は、駆動信号VINと演算増幅器121の出力信号の位相が180度ずれる(反転する)ので、それを一致させるために設けられる。上記反転回路123は無くても効果は同じである。また、コンデンサ122の静電容量CS は、演算増幅器121の出力が圧電素子110への印加電圧の数10分の1となるように上記CP の数10倍に設定されている。
【0032】
上記抵抗素子130の抵抗値RMは、圧電素子110の機械的1次共振角振動数ωK のおよそ2/3程度の周波数ωM を決め、その周波数における圧電素子110のインピーダンスの大きさZP (ωM )と一致するように、
【数12】
なる値に設定されている。
【0033】
圧電素子110の機械的1次共振角振動数ωK 近傍における圧電素子110と抵抗素子130の直列回路の等価回路は図2に示すものとなり、そのインピーダンスの大きさは、
【数13】
となる。従って、圧電素子110と抵抗素子130の直列回路のインピーダンス特性は図3に示すようになる。
【0034】
さて、ここで圧電素子110の第1の電極に駆動信号VINを印加すると、圧電素子110には変位Xが生じる。この変位Xと圧電素子110に蓄積された電荷量Qには、式(1)に示す関係が成り立つ。
【0035】
そして駆動信号VINの周波数ωがωM 以下(圧電素子110の機械的共振角振動数ωK よりも小さい)の場合は、圧電素子110の反転回路123の出力VOUT は、圧電素子110とコンデンサ122のインピーダンスがそれぞれ式(2)、式(3)となるため、式(4)に表される通りになる。
【0036】
従って、式(1)と式(4)より式(5)が成り立ち、反転回路123の出力VOUT (あるいは演算増幅器121の出力でもよい)は圧電素子110の変位を示す変位信号として用いることが可能となる。そして反転回路123の出力VOUT (あるいは演算増幅器121の出力でもよい)を用いて圧電素子110の制御を行えば、圧電素子110を精度良くコントロールすることが可能となる。
【0037】
一方、駆動信号VINの周波数ωがωM 以上(圧電素子110の機械的共振角振動数ωK 近傍以上)の場合は、圧電素子110の反転回路123の出力VOUT は、圧電素子110とコンデンサ122のインピーダンスがそれぞれ式(2)、式(9)下段となるため、
【数14】
が成り立つ。この式(11)より、駆動信号VINに圧電素子110の機械的共振周波数成分が含まれている場合の機械的共振周波数成分の増幅を防止していることがわかる。
【0038】
以上より、第1実施の形態の圧電素子制御装置においては、駆動信号VINの周波数ωがωM 以下(圧電素子110の機械的共振角振動数ωK よりも小さい)の場合は、反転回路123の出力VOUT (あるいは演算増幅器121の出力でもよい)を圧電素子110の変位を示す変位信号として用いることができ、駆動信号VINの周波数ωがωM 以上(圧電素子10の機械的共振角振動数ωK 近傍以上)の場合は、機械的共振周波数成分の増幅を防止することができる。
【0039】
(第2実施の形態)
以下に、図4〜図7を参照して本発明の第2実施の形態について説明する。
【0040】
図4は、特開昭63−204672号公報に示された従来の圧電素子制御装置の構成を示す図である。
【0041】
圧電素子110は、第1の電極と第2の電極を有し、前記第1の電極と前記第2の電極間に電界を加えることにより変位を生ずる。圧電素子110は静電容量CP を有する。圧電素子110の第2の電極と基準電位125との間には、容量CSのコンデンサ122が接続されている。ここでCS は、圧電素子110への印加電圧が駆動信号VINの数10倍となるようCP の数10倍に設定されている。
【0042】
演算増幅器としての差動増幅アンプ140は、圧電素子110に電荷を注入するためのものであり、負極性入力端(−)が圧電素子110の第2の電極に接続され、正極性入力端(+)に駆動信号VINが入力され、出力端が圧電素子110の第1の電極に接続されている。
【0043】
さて、差動増幅アンプ140に駆動信号VINを印加すると、圧電素子110の両端に印加される電圧VP は、式(2)、式(3)より、
【数15】
となる。
【0044】
ところで、圧電素子110の変位Xと蓄積される電荷Qには、
【数16】
が成り立ち、従って駆動信号VINにより圧電素子110を精度良くコントロールすることが可能となる。
【0045】
しかしながら従来の電荷素子制御方式には次の問題がある。
【0046】
圧電素子110のインピーダンスは式(2)に示すものになると前述したが、圧電素子110の機械的反共振周波数(角振動数ωHK)の近傍では、
【数17】
となる。これは、圧電素子110の機械的反共振周波数(角振動数ωHK)の近傍では、圧電素子110の等価回路は、図10に示すように、機械的共振の等価回路(抵抗成分R1 、容量成分C1 、インダクタンス成分L1 の直列回路)が付加されたものとなるからである。
【0047】
【数18】
となる。これより、駆動信号VINに圧電素子110の機械的反共振周波数成分が含まれている場合は、圧電素子110の両端で機械的反共振周波数成分を増幅させてしまい、制御が困難になるという問題がある。そればかりか圧電素子110や差動増幅アンプ140に過電圧が印加される可能性もある。
【0048】
そこで第2実施の形態では以下の方法によって上記の問題を解決している。
【0049】
図6は、本発明の第2実施の形態に係る圧電素子制御装置の構成を示す図である。図6において、第1の電極と第2の電極を有する圧電素子110は静電容量CP を有し、電極間に電界を加えることにより変位を生ずる。容量CS のコンデンサ122と抵抗素子150とを直列に接続した直列回路は、圧電素子110の第2の電極と基準電位との間に接続される。ここでCS は、圧電素子110への印加電圧が駆動信号VINの数10倍となるようCP の数10倍に設定されている。
【0050】
圧電素子110に電荷を注入するための差動増幅アンプ140は、負極性入力端(−)が圧電素子110の第2の電極に接続され、正極性入力端(+)に駆動信号VINが入力され、出力端が圧電素子110の第1の電極に接続される。
【0051】
ここで、抵抗素子50の抵抗の大きさRL は、圧電素子10の機械的1次反共振角振動数ωHKにおけるインピーダンスをZP (ωHK)とすると、
【数19】
なる値に設定されている。
【0052】
次に、本発明の第2実施の形態に係る圧電素子制御装置の動作原理について詳細に説明する。
【0053】
圧電素子110の機械的1次反共振角振動数ωHK近傍におけるコンデンサ122と抵抗素子150が成す直列回路のインピーダンスの大きさは、
【数20】
【0054】
従って、コンデンサ122と抵抗素子150の直列回路のインピーダンス特性は図7に示すようになる。
【0055】
さてここで圧電素子110に変位を生じさせるべく差動増幅アンプ140に駆動信号VINを印加したとする。
【0056】
駆動信号VINの周波数ωがωL 以下(圧電素子110の機械的反共振角振動数ωHKよりも小さい)の場合は、圧電素子110の両端の電圧VP は、圧電素子110とコンデンサ122のインピーダンスがそれぞれ式(2)、式(3)となるため、式(12)に表される通りになる。従って、式(13)より式(14)が成り立ち、駆動信号VINにより圧電素子110を精度良くコントロールすることが可能となる。
【0057】
一方、駆動信号VINの周波数ωがωL 以上の場合は、圧電素子110の両端の電圧VP は、圧電素子110とコンデンサ122のインピーダンスがそれぞれ式(2)、式(18)下段となるため、
【数21】
【0058】
【数22】
【0059】
となり、駆動信号VINに圧電素子110の機械的反共振周波数成分が含まれている場合の機械的反共振周波数成分の増幅を防止していることがわかる。
【0060】
以上より、第2実施の形態に係る圧電素子制御装置においては、駆動信号VINの周波数ωがωL 以下(圧電素子110の機械的共振角振動数ωHK近傍よりも小さい)の場合は、駆動信号VINと圧電素子110の変位は式(14)の関係となるので、圧電素子110を精度良くコントロールすることができる。一方、駆動信号VINの周波数ωがωL 以上(圧電素子110の機械的共振角振動数ωK 近傍以上)の場合は、機械的反共振周波数成分の増幅を防止することができる。
【0061】
【発明の効果】
請求項1または請求項2に記載の発明によれば、駆動信号に圧電素子の機械的共振周波数成分が含まれている場合に生じる圧電素子の機械的共振周波数成分の増幅を防止することができ、その結果、安定した制御が可能な圧電素子制御装置を提供することができる。加えて、より確実に、圧電素子の機械的共振周波数成分を増幅させることなく安定して圧電素子の変位状態を得ることができる。
【0062】
請求項3に記載の発明によれば、駆動電圧に圧電素子の機械的共振周波数成分が含まれている場合でも、圧電素子の機械的共振周波数成分を増幅させることなく安定して圧電素子を変位させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る圧電素子制御装置の構成を示す図である。
【図2】圧電素子110の機械的1次共振角振動数ωK 近傍における圧電素子110と抵抗素子130の直列回路の等価回路を示す図である。
【図3】圧電素子110と抵抗素子130の直列回路のインピーダンス特性を示す図である。
【図4】従来の圧電素子制御装置の構成を示す図(その1)である。
【図5】コンデンサ22のインピーダンス特性を示す式(3)、圧電素子10のインピーダンス特性を示す式(2)「ωがωHK近傍でない」、式(6)「ωがωHK近傍」をグラフにした図である。
【図6】本発明の第2実施の形態に係る圧電素子制御装置の構成を示す図である。
【図7】コンデンサ122と抵抗素子150の直列回路のインピーダンス特性を示す図である。
【図8】圧電素子を電圧駆動したときのヒステリシスについて説明するための図である。
【図9】従来の圧電素子制御装置の構成を示す図(その2)である。
【図10】圧電素子10の機械的共振周波数(角振動数ωK )の近傍における圧電素子10の等価回路を示す図である。
【図11】コンデンサ22のインピーダンス特性を示す式(3)、圧電素子10のインピーダンス特性を示す式(2)「ωがωHK近傍でない」、式(6)「ωがωHK近傍」をグラフにした図である。
【符号の説明】
110 圧電素子
120 電荷検出回路
121 演算増幅器
122 コンデンサ
123 反転回路
130 抵抗素子
Claims (3)
- 第1の電極と第2の電極を有し、前記第1の電極と前記第2の電極間に電界を加えることにより変位を生ずる圧電素子と、前記圧電素子の第2の電極と基準電位との間に接続され、コンデンサと抵抗素子とから構成される直列回路と、負極性入力端が前記圧電素子の第2の電極に接続され、正極性入力端に駆動信号が入力され、出力端が前記圧電素子の第1の電極に接続された演算増幅器と、を具備し、前記抵抗素子の抵抗値R L は、前記圧電素子の静電容量C P と、前記コンデンサの静電容量C S と、前記圧電素子の機械的1次反共振角振動数ω HK における前記圧電素子のインピーダンスZ P (ω HK )との間で、
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