JP4146916B2 - 画像入力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学顕微鏡で観察する厚みのある被写物体の各高さ位置のそれぞれの合焦面での画像を加算して焦点深度が拡大された画像(以下、高深度画像という)を生成する画像入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
被写物体の入力画像を用いて、この被写物体を画像解析するような場合、入力画像として、明るく高解像で、さらに焦点深度の深い画像であることが要求される。
【0003】
そこで、このように解像度に優れ、しかも高倍率で明るい画像を光学的に取り込むには、開口数の大きな光学素子を用いた結像光学系が用いられている。
【0004】
ところが、レンズに代表される結像光学素子は、開口数が大きくなると焦点深度が浅くなるため、大きな倍率を確保するために開口の大きい結像光学素子を使用すると、焦点深度が浅くなることから、仮に、厚みのある被写物体で、光軸方向に異なる高さ位置が存在するような場合には、一つの高さ位置にしかピントを合わせることができず、その他の部分の画像はぼけてしまう。
【0005】
そこで、従来から顕微鏡、カメラ、内視鏡などの画像機器を利用する分野では、被写物体の異なる高さ位置の全てに焦点が合うように焦点深度を深くする手段が種々考えられている。
【0006】
一例として、特開平5−313068号公報は、マルチエリア測距装置なるもので、各エリア内の空間周波数特性を、レンズ駆動装置でレンズを駆動して物体面における合焦位置を変えながら測定し、各物体までの距離を予め測定した後(前処理)、視野内の複数枚の物体面の像の空間周波数的特性が、累積加算された画像の各エリアにおいて最も均一に近くなるような画像を、レンズ駆動装置でレンズを駆動して累積加算して合成する(後処理)技術が開示されている。
【0007】
また、特開昭60−68312号公報には、撮影視野内の試料の最も凸なる部分の合焦位置から、最も凹なる部分の合焦位置の間で合焦位置を移動し、フィルム上で光量を順次積算する事で、焦点深度が拡大された画像を構築する技術が開示されている。
【0008】
さらに、特開平1−309478号公報には、光学系の合焦位置を、適当に設定した距離間隔および距離範囲で離散的に変えながら、画像を取り込み積算していく技術やTVカメラの受光素子部に画像が蓄積される時間の間で、試料の合焦面を、フォーカスレベル駆動装置によって連続的に変えて画像を取り込み積算していく技術が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平5−313068号公報に開示されるものは、画像を取り込む動作の前に、予め、予想される物体の合焦範囲でレンズを駆動して、空間周波数特性を測定しなければならないため、高深度画像を構築するまでに余分な時間が必要となる問題があり、また、特開昭60−68312号公報に開示されるものは、試料の最も凸なる部分と最も凹なる部分を始めに設定しなくてはならないため、操作が煩わしい上にその分時間がかかるという問題があり、さらに特開平1−309478号公報に開示されるものは、予め設定した距離間隔および距離範囲が試料ごとに異なる場合、試料を変えるたびに設定し直さなければならないので、操作が面倒になるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、操作が簡単で、しかも速やかに被写物体に応じて最適で良好な高深度画像を構築できる画像入力装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、被写物体を撮像する撮像手段と、この撮像手段に対する上記被写物体の合焦位置を移動させる合焦位置移動手段と、この合焦位置移動手段により移動される上記被写物体の上記撮像手段より撮像される画像を加算する画像加算手段と、上記撮像手段により撮像される上記被写物体の画像のコントラスト値を演算するコントラスト演算手段と、コントラスト値の変化状態が増加傾向となる方向を判断し、上記合焦位置移動手段によりコントラスト値の変化状態が増加となる方向に合焦位置を移動させ、上記コントラスト演算手段により演算されるコントラスト値が予め設定した所定値より大きい地点をスタート位置とし、コントラスト値の変化の度合が一定以上であることを判断し、以後上記合焦位置移動手段によりコントラスト値の変化状態が増加となる方向に合焦位置を移動させながら継続して上記画像加算手段への画像加算を指示し、コントラスト値がピーク値を超えて予め設定した所定値以下となった地点をエンド位置として上記画像加算手段での画像加算を停止させる制御手段とにより構成している。
【0013】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記撮像手段で撮像した画像を記憶する記憶手段と、上記合焦位置移動手段による合焦点の移動によって上記撮像手段で得られる画像に生じるぶれ量を検出する検出手段と、この検出手段で検出したぶれ量により上記記憶手段の書込み、読出しアドレスを制御するアドレス制御手段とをさらに具備し、上記画像加算手段は、上記アドレス制御手段のアドレス制御により上記記憶手段より読出した画像に上記撮像手段で得た画像を加算し、該加算された画像を上記記憶手段に書込むようにしている。
【0016】
この結果、請求項1記載の発明によれば、被写物体の異なる合焦位置での撮像画像のコントラスト値が所定の変化を呈する時点から画像加算を行なうようにできるので、コントラスト値が急激に増加する安定した画像領域を選択して画像加算を行なうようにでき、被写物体に応じて最適で良好な高深度画像を速やかに構築できる。また、従来に見られる事前に被写物体に応じた種々の条件を設定するなどの作業を必要としないので、操作も簡単にできる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の作用に加えて、高深度画像を自動的に構築する際に、観察標本を載置したステージに移動によるぶれが生じた場合でも、ぶれを生じない場合と同様にコントラスト計算を行ない、正確な合焦範囲を決定することができると共に、この決定した合焦範囲によって画像の取り込入力時に画像の積算に対してもぶれ補正を行なって、正確な画像をぶれなく入力し、良好な高深度画像を取得することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明が適用される画像入力装置の概略構成を示している。この場合、画像入力装置は、撮像手段1、装置本体2、テレビモニター3および操作部4から構成している。
【0023】
撮像手段1は、光学顕微鏡101による被写物体の観察像を撮像するもので、ここでは、光学顕微鏡101のステージ102に載置される被写物体としての標本の観察像を中間倍率レンズ103を通してCCDカメラ104で撮像するようにしている。この場合、光学顕微鏡101のステージ102は、ステージ駆動回路105により光軸方向、つまり上下方向に移動可能にしている。
【0024】
装置本体2は、画像入力手段としての画像取り込み回路201、画像加算記憶手段としての画像加算回路202、加算メモリ203、コントラスト演算手段としてのコントラスト計算用メモリ204、DSP205、中央制御手段としてのCPU206、加算された画像に回復処理を施すための空間フィルタ回路207、空間フィルタ回路207で回復処理された画像を表示、記憶するための表示メモリ208、テレビモニター3に画像を表示するための画像表示回路209を有している。この場合、撮像手段1のCCDカメラ104の映像出力端子に画像取り込み回路201を接続し、画像取り込み回路201の出力端子を画像加算回路202の2つある入力の内の一方とコントラスト計算用メモリ204にそれぞれ接続している。コントラスト計算用メモリ204には、DSP205を接続し、このDSP205には、CPU206を接続している。また、画像加算回路202の出力端子には、加算メモリ203を接続し、この加算メモリ203の出力端子には、空間フィルタ回路207の入力端子と画像加算回路202のもう一方の入力端子を接続している。空間フィルタ回路207の出力端子には、表示メモリ208の入力端子を接続し、その出力端子には、画像表示回路209の入力端子を接続している。そして、この画像表示回路209の出力端子には、テレビモニター3を接続している。また、CPU206には、画像加算回路202、加算メモリ203、空間フィルタ回路207、表示メモリ208および画像表示回路209を接続し、さらに、上述した撮像手段1に対する合焦位置移動手段としてのステージ駆動回路105、操作部4を接続している。
【0025】
テレビモニター3は、装置本体2で加工された画像を画像表示回路209を介して表示するものである。操作部4は、動作の開始設定を始めとする各種の制御のための操作を行なうもので、例えば、図2(a)(b)に示すように顕微鏡101のステージ102を光軸方向に上下させるための焦準ハンドル401、レディーLED402、高深度画像を構築する動作を開始するための開始ボタン403およびコントラストレベルを決定するためのコントララストレベル調整ツマミ404を有している。
【0026】
次に、以上のように構成した実施の形態の動作を説明する。
【0027】
いま、光学顕微鏡101のステージ102に載置される標本の観察像を中間倍率レンズ103を通してCCDカメラ104で撮像すると、この映像信号は、装置本体2の画像取り込み回路201でアナログ信号からデジタル信号に変換され、デジタル画像データとして画像加算回路202とコントラスト計算用メモリ204に順次送られる。
【0028】
コントラスト計算用メモリ204の画像データは、DSP205により読出され、画像コントラストが求められる。この場合、図3に示すように画像データの画面11の中央の縦横のライン12、13と対角線上のライン14、15について、それぞれのコントラストを計算し、画面11全体のコントラスト値を求めるようにする。また、コントラスト値のS/Nを向上するため、フィールド(1)で記憶された画素(図示の斜線を付した丸)のうち、図3の(a)〜(d)に示すように画面11の中央の縦横のライン12、13、対角線上のライン14、15のそれぞれの4画素(図示の黒丸)を1ブロックとみなし、これら4画素の平均をそのブロックの平均画素データとしてから、隣り合うブロックの平均画素データの差の2乗を全ブロックで加算して画面11のコントラスト値を求めるようにしている。つまり、CCDカメラ104は、一般的にインターレース走査方式を取っており、1画面分の映像信号は、2枚のフィールド(1)、(2)に分けられるが、DSP205では、これを利用して、始めのフィールド(1)が終了したことを確認した後、このフィールド(1)の画像データにより、図3の(a)〜(d)で示す各ライン12〜15でのコントラスト値を求めている。
【0029】
そして、DSP205は、コントラスト計算が終了すると、図4に示すように垂直同期信号Vに対応するフィールド(1)、(2)のうち、フィールド(2)の期間中にCPU206に対して、コントラスト計算が終了したことを知らせるDSP割り込み信号を発生する。
【0030】
一方、画像加算回路202では、加算メモリ203から読出した画像データと画像取り込み回路201により取り込まれた画像データとの間での加算処理が行なわれ、この加算された画像データは、再び、加算メモリ203に格納される。そして、加算メモリ203から読出された画像データは、空間フィルタ回路207に入力される。空間フィルタ回路207では、例えば7×7画素サイズまでの2次元の画像処理が施され、画像の回復が行なわれ、その後、画像データは、表示のため表示メモリ208に一時格納された後、画像表示回路209によって映像信号に変換され、テレビモニター3に表示される。
【0031】
この状態で、操作部4のコントラストレベル調整ツマミ404により事前に設定された高深度画像構築を開始するコントラストレベルと、DSP205が求めたコントラスト値のレベルがCPU206で比較され、DSP205のコントラスト値のレベルの方が高いと判断されると、レディーLED402が点灯され、高深度画像を得るための開始ボタン403の使用が許可されるようになる。
【0032】
次に、このような高深度画像を得るための動作をさらに説明する。
【0033】
この場合、使用者は、誤動作を防止するため、始めの1回だけ操作部4のコントラストレベル調整ツマミ404を操作して、高深度画像を構築する動作(以下、A動作という)が開始できるコントラストレベル(以下、スタートレベルという)を設定する。
【0034】
このスタートレベルの設定は、顕微鏡101のステージ102に観察したい標本を載置し、操作部4の焦準ハンドル401を回して標本にピントを合わせた後、コントラストレベル調整ツマミ404を操作し、レディLED402が点灯する位置にすることで完了する。この場合、確実に標本にピントが合っている必要はなく、おおむね、標本が認識できる程度で十分である。
【0035】
仮に、この設定により、標本にピントが合っていない場合には、レディLED402は、点灯せず、操作部4の開始ボタン403を押してもA動作を開始することができなくなる。これにより、万が一、標本に対して大きくピントがずれている場合は、A動作を開始することがなくなり、以後説明する、A動作の基本となるアルゴリズムの誤動作を防止することができる。また、ピントが大きく外れている状態では、前後の標本画像を加算し、高深度画像を構築しても何も意味を持たないことも、理解できる。
【0036】
この状態から、操作部4のレディLED402が点灯するところまで、顕微鏡101のステージ102を操作部4の焦準ハンドル401の操作により移動させ、ステージ102を操作部4の焦準ハンドル401で移動した後、開始ボタン403を押し操作する。
【0037】
すると、図6に示すように、ステップ601で、A動作を実行するためのV′の割り込みを許可し、ステップ602で、V′の割り込み処理ルーチン内で使用する変数をmode=1、stutas=1に初期化する。なお、このV′の割り込みは、図4に示すようにフィールド(1)、(2)の垂直同期信号Vのうち、フィールド(1)の垂直同期信号Vに同期して行なわれる。
【0038】
そして、これ以後、V′の割り込み処理ルーチンに記述された図7〜図11に示すアルゴリズムに従って、A動作が実行される。
【0039】
なお、ステージ102を上から下まで移動した時のコントラスト値の変化は、おおむね、図5のようになるものとする
図8〜図11は、図7のフローチャートに示す処理1〜処理3に対応したものである。そして、図7に示すルーチンは、V′の割込み毎に呼び出されるため、何回目の呼び出しかを表す変数としてstatusを使用している。このstutusは、処理1〜処理3の中で1加算され、次の割り込み時の呼び出しに備える。また、例外として、statusを加算せずに次の割り込み時の呼び出しを待てば、もう一度、同じ処理を行なうことができる。
【0040】
まず、ステップ701のmode=1で、ステップ702の処理1が呼び出される。この処理1は、図8および図9に示すフローチャートが実行される。この処理1の概要は、ステージ102を上下のいずれかに移動し、標本画像に十分ピントが合っていないステージ位置(以後、ステージ位置という)を決定することである。
【0041】
最初に、status=1で、30μm/secの一定速度でステージ102を下方向に移動開始し、各種の変数を初期化する(ステップ801〜803)。ここで、一つ前のコントラスト値beforeCと現在のコントラスト値nowCが等しければ、statusをインクリメントし、Err=1でなければ、次の割り込みを待ち、Err=1ならば、ステージ停止、V′の割り込みを禁止し(ステップ804〜806)、A動作が成功しなかったことを使用者に知らせるようになる。
【0042】
次に、status=2がないのでstatus=3まで処理は待たされる。これは、statua=1でステージ102の移動を開始して十分にステージ102が安定して移動するまでのウェイトを置くためである。
【0043】
status=3で、現在のコントラスト値nowCをスタート時のコントラスト値startCに格納し、nowCが、画像がない時のコントラスト値nonimgCより小さいかどうか判断し、小さければ、後述するステップ826以降の処理に移行し、現在のステージ位置をスタート位置とする処理を行なう(ステップ807〜809)。また、そうでなければ、上述のステップ804〜806の処理に移行する。
【0044】
次に、status=4で、一つ前のコントラスト値beforeCとnowCを比較して、nowCが大きい時は、次のstatus=6にすぐ移行できるようにstatusを1加算して、変数を初期化する(ステップ810〜813)。nowCの方が小さい時は、現時点よりステージ102のどちらの方向に標本のコントラストの最大点があるかを示す変数PKDIRをPKDIR=0として、ステージ102の移動を停止し、今までとは逆の上の方向に30μm/secでステージ102の移動を開始し、変数を初期化する(ステップ814、813)。そして、上述のステップ804〜806の処理に移行する。
【0045】
このstatus=4では、一つ前のコントラスト値と現在のコントラスト値を比較することでステージ102の現在位置が、図5に示すコントラストカーブのどちらかの斜面にいるのかを判定している。
【0046】
次に、status=6で、cntが15より小さく、nowCとnonimgCを比較してnowCが小さければ、後述するステップ826以降の処理に移行し、また、nowCとbeforeCを比較してnowCが小さく、かつ、beforeC−nowCと標本にピントがかなり合っていない時のコントラスト値unfoucCを比較して、unfoucCが大きければ、npcntを1加算し(ステップ815〜821)、そして、npcntが2以上になれば、ステップ804〜806の処理に移行する。一方、nowCとbeforeCを比較してnowCが大きく、beforeC−nowCと標本にピントがかなり合っていない時のコントラスト値unfoucCを比較して、unfoucCが小さければ、npcntを0とし、cntを1加算し、statusを1減算して (ステップ822、823)、ステップ804〜806の処理に移行する。さらに、cntが15を越える時は、Errを1とし(ステップ824)、後述するステップ826以降の処理に移行する。
【0047】
このstatus=6では、そのステージ位置でのコントラストの微分係数がunfoucC以下、つまり、コントラストカーブが緩やかになってきたことを確認している。
【0048】
そして、status=7では、ステージ102の移動を止め、nowCとCCDカメラ104が汚れている時のコントラスト値ccdCを比較して、nowCが大きければ、エラーとしてエラー処理を行なうための変数Errを1とする(ステップ825〜828)。そうでなければ、現在のコントラスト値nowCをスタート位置のコントラスト値startCとする(ステップ829、830)。ここで、ccdCは、CCDカメラ104に汚れがあり、全体のコントラストレベルが高い時にエラーとする働きがある。そして、ステップ804〜806の処理に移行する。
【0049】
つまり、かかる処理1では、図5に示す(1)にステージ102が合った場合は、(2)の位置までステージ102を移動し、また、同図(4)にステージ15が合った場合は、(5)の位置までステージ102を移動するようにしている。つまり、処理1では、一旦コントラストが低くなる方向を検出し、その方向にステージ102を移動させ、その後の移動に備えるようにしているので、ステージ102が無駄に移動するのを防止できる。
【0050】
次に、図7に戻って、処理1がエラーなく終了すると、ret=1を判断し、、mode=mode+1、status=1として(ステップ703、704)、処理2を呼び出すようになる。この場合、コントラスト値のピークMaxCよりnowCが小さければ、処理を終了し、また、コントラスト値のピークMaxCよりnowCが大きければ、MaxC=nowCとして、処理を終了する(ステップ705、706)。
【0051】
ステップ707のmode=2では、ステップ708の処理2が呼び出される。この処理2は、図10に示すフローチャートが実行される。この処理2の概要は、ステージ102をゆっくり移動し、高深度画像を構築するために画像の加算を開始するステージ位置を決定することである。
【0052】
まず、status=1で、処理1で求めたPKDIRに従って、ステージ102の移動方向を決める。ここで、PKDIRが0ならば、標本のコントラストのピークは、下にステージ102を移動する方向にあり、また、1ならば、上に移動する方向にあることを示すので、これらに従って、ステージ102を移動させる(ステップ1001〜1004)。この時、ステージ102の移動速度は、V′の割込みがインターレース走査の2倍の周期で発生すること、つまり、1/30sec毎、さらに対物レンズの焦点深度を、約0.4μm程度として、CCDカメラ104で1画面の映像を0.4μmピッチで撮影するために下式より、
12μm/sec=0.4μm×30画面/sec
としている。そして、変数を初期化する(ステップ1005)。
【0053】
ここで、一つ前のコントラスト値beforeCと現在のコントラスト値nowCが等しければ、statusをインクリメントし、Err=1でなければ、次の割り込みを待ち、Err=1ならば、ステージ停止、V′の割り込みを禁止し(ステップ1006〜1008)、A動作が成功しなかったことを使用者に知らせるようになる。
【0054】
次に、status=3で、cntが31より小さく、nowCがstartCより大きく、nowC−beforeC、つまり、微分係数が100を超えた場合には、次の処理に移行出来るようになっている。そうでない場合は、cntを1加算してエラー処理に備え、statusを1減算し、もう一度、status=3の処理を実行可能にしている(ステップ1009〜1013)。そして、ステップ1006〜1008の処理に移行する。また、cntが31を越える時は、条件に合わないとしてErrを1とし(ステップ1014)、ステップ1006〜1008の処理に移行する。
【0055】
ここで、status=1からstatus=3に飛んでいるのは、ステージ102が完全に動き出すのを確認するとともに、一定速度運動に入るまでのウェイトである。
【0056】
次に、status=4で、画像の加算処理を開始するとともに変数を初期化し、処理2を終了する(ステップ1015、1016)。
【0057】
次に、図7に戻って、処理2がエラーなく終了すると、ret=1を判断し、、mode=mode+1、statsu=1として(ステップ709、710)、処理3を呼び出すようになる。
【0058】
ステップ711のmode=3では、ステップ712の処理3が呼び出される。この処理3は、図11に示すフローチャートが実行される。この処理3の概要は、処理2で開始された画像の加算処理を、図5に示すコントラストカーブを低コントラスト側からコントラストのピークを超えて再度低コントラスト側にきた時、適切に終了させることである。
【0059】
まず、status=1で、nowCとbeforeCを比較してコントラストの変化が下がっていく方向にくるのを待つ(ステップ1101)。nowCの方が大きい時はまだ、コントラストのカーブの上りにいることを示し、小さくなった時、下りにいることを判断する。ここで、nowCがstartCよりも小さくなったのであれば、直ちに、statusを1加算して次の処理へ移行する(ステップ1104)。そうでなければ、確実にコントラストが下がっている事を確認するために、連続で4回下がっていることをnpcntでカウントする。さらに、4回連続で下がって、コントラスト値のピークMaxCとstartCの差の1/2(=tmp)より、nowCが小さければ、次の処理に移行する(ステップ1105〜1107、ステップ1104)。また、ステップ1102で、nowCがbeforeCより大きいままならば、npcntを0にして、cntを1加算、statusを1減算して、次の処理へ移行し(ステップ1108、1109)、また、ステップ1105で、npcntが3以下またはステップ1107で、tmpよりnowCが大きければ、ステップ1110で、npcntを1加算し、ステップ1109に進むようになる。
【0060】
次に、statsu=3で、画像の加算処理とステージ102の移動を停止し(ステップ1011〜1013)、V′の割り込みを禁止して処理3を終了する。
【0061】
この処理3では、画像の加算処理の終了をコントラスト値のピークMaxCとstsrtCの差の1/2より、nowCが小さいという条件で判断しているので、無駄に低コントラストな画像を加算することがなくなり、高深度画像の画質を劣化させることはない。
【0062】
このようにして、処理1〜処理3までをエラーなく終了したならば、加算メモリ203の加算画像を、空間フィルタ回路207に送り、対物レンズの特性やCCDカメラ104のサイズ、顕微鏡101とCCDカメラ104の間の中間倍率レンズ103等の結像光学系の特性より求められる2次元の画像処理フィルタ係数によって、画像の回復処理を行なう。この際、加算メモリ203から画像データをノンインターレース走査形式で読出し、空間フィルタ回路207で処理すれば、画質を劣化させることなく処理できる。
【0063】
そして、この空間フィルタ回路207で処理した画像データを、ノンインターレース走査形式で表示メモリ208に格納し、さらに画像表示回路209に送られる。この場合、画像表示回路209では、表示メモリ208から画像データを読出す際にテレビモニター3の表示形式に合わせて、インターレース走査、ノンインターレース走査のいずれかの方式で行なえばよい。
【0064】
従って、このようにすれば、始めにステージ102を少し移動させた時のコントラストの変化から、コントラストカーブのどちら側にいるかをすばやく判断し、コントラストが下がる方向にステージ102を移動し、その後、ステージ102の移動をコントラスト値がピーク値に向かう方向に反転し、この移動で、標本に対する撮像画像のコントラスト値が所定の変化を呈する時点から画像加算回路102により画像加算を行なうようにしたので、合焦位置を全体に渡って移動するような無駄な動きがなくなり、しかも、コントラスト値が急激に増加する安定した画像領域を選択して画像加算を行なうようにできるので、被写物体に応じて最適で良好な高深度画像を速やかに構築できる。また、従来に見られる事前に被写物体に応じた種々の条件を設定するなどの作業を必要としないので、操作の簡単化も実現できる。
【0065】
また、画像の加算の最低条件として、スタート位置を設定しているので、ぼけた画像を取り込むことがなく、所定のコントラスト値以上の画像のみを取り込むようになって、加算画像の画質を劣化させることなく、良好な高深度画像を構築することができる。
【0066】
これにより、光学顕微鏡101を用いた厚みのある標本の各高さ位置に、それぞれ焦点の合った複数枚の入力画像から標本の各高さ位置全てに焦点が合っていて、あたかも焦点深度が拡大されたような高深度画像を安定して得られる。
【0067】
なお、上述した第1の実施の形態では、コントラストを求める際の計算領域として画面11の縦横ライン12、13、対角方向のライン14、15を用いたが、それに限らず、また、コントラストの計算は、飛び飛びの画素を4つまとめて平均を取る方法でS/Nを向上させていたが、これに限らない。さらに、処理1から処理3で用いた定数は、これに限定されない。ステージの駆動速度もこれに限らず、対物レンズの焦点深度を正確に求めておき、対物レンズが変わる度に駆動速度を変えても良い。この装置は、CCDカメラの映像信号の方式は、NTSC、PAL、SECAMなどに制限させる事はなく、それぞれに対応可能である。
【0068】
(第2の実施の形態)
上述した第1の実施の形態では、画像取り込み用のパラメータが固定であったが、この第2の実施の形態では、サンプル毎に画像取り込み用のパラメータを算出することにより、エラーと判断されるようなサンプルの場合でも、画像の取り込みを可能にして、高深度画像を得られるようにしている。
【0069】
図12は、第2の実施の形態の概略構成を示すもので、図1と同一部分には、同符号を付している。
【0070】
この場合、CPU206には、画像取り込み時のパラメータを計算するサンプル登録部210、計算したパラメータを記憶するデータ記憶部211を接続している。ここでのデータ記憶部211には、NVRAMなどの不揮発性のメモリを用いている。
【0071】
また、操作部4は、図13(a)(b)に示すように、顕微鏡101のステージ102を光軸方向に上下させるためのステージ移動用の準焦ハンドル401、レディーLED402、高深度画像を構築する動作を開始するための開始ボタン403、コントラストレベルを決定するためのコントラストレベル調整ツマミ404の他に、画像取り込みをマニュアルで行なうか自動で行なうかを設定するモードセレクトツマミ405およびサンプル登録開始ボタン406を有している。
【0072】
しかして、このような構成において、通常の画像自動取り込みでは、第1の実施の形態で述べたアルゴリズムにより、コントラスト値の計算およびCPU206による画像取り込みの可否の判断が行なわれるが、この際に、コントラストレベルが低すぎると、画像取り込み範囲にサンプル画像がないと判断して、画像取り込みを中止してしまうことがある。
【0073】
そこで、このような場合、使用者は、サンプル登録部210により、以下の方法でサンプルの登録を行ない、画像取り見込みパラメータを再設定し、取り込み範囲を指定し直すことで、サンプル画像の取り込みを可能にしている。
【0074】
まず、サンプル登録は、サンプル登録開始位置から合焦画像がなくなる±20μm の範囲でプリスキャナを行ない、この範囲のコントラストカーブを求める。このコントラストカーブの求め方は、上述した図3の方法が用いられる。
【0075】
そして、DSP205によりコントラスト計算を終了すると、CPU206に対し、図4に示すコントラスト計算が終了したことを知らせるDSP割り込み信号が発生する。
【0076】
このような作業を図14に示すように、サンプル登録開始位置SSから±20μm の範囲内で行ない、コントラスト値を計算し、ワーク用のメモリに格納する。次いで、プリスキャンが終了したならば、図15に示すように計算により得られたコントラストカーブから、コントラスト値が最大になるコントラスト最大値CMAX を求め、さらに、この位置から±15μm の位置のコントラスト値の平均Cnon を画像中に合焦面のない、ぼけ画像のコントラスト値とする。つまり、コントラスト値が、これ以下になる領域は、画面中に合焦面がなく、画面全体がぼけている領域とする。
【0077】
次に、こうして求めた画像のコントラストの最大値CMAX の中間位置Zstart を画像加算開始位置に、Zend を画像加算の終了位置にする(図16)。そして、次回から、このパラメータを用いて画像取り込みを行なうようになる。この計算した画像取り込み用のパラメータは、スイッチなどのチャンネルを切り替えて、データ記録部211に各サンプルごとに保存する。また、サンプルが変わった時には、保存の時と同様にスイッチなどでチャンネルを切り替え、操作部4の開始ボタン404が押されたときにパラメータの読出しを行なって画像取り込みを行ない、複数のサンプルに対しても適応可能にしている。
【0078】
次に、実際にサンプル登録を行なって画像を取り込む方法を説明する。
【0079】
まず、使用者は、始めに1回だけ操作部4のコントラストレベル調整ツマミ404を走査して、高深度画像を構築する動作が開始できるコントラストレベル(以下、スタートレベル)を設定する。この設定は、高深度画像を構築する際に、誤動作を防止するために行なう。なぜなら、CPU206は、コントラスト値が低くなる方向にステージ102を移動させるが、例えばサンプルが無かったり、ピントが合っていなかったりすると、この時得られるコントラストカーブは、まったく無意味になって、誤動作の原因になるためで、これを防止するため、コントラストレベル調整ツマミ404によりスタートレベルをおおむね標本が認識できる位置に設定している。
【0080】
この設定は、ステージ102に観察したい標本を載せ、操作部4の焦準ハンドル401を回し標本にピント合わせをたのち、コントラストレベル調整ツマミ404を回して、レディLED402が点灯する位置にする。この場合、確実に標本にピントが合っている必要はなく、おおむね標本が認識できる程度で十分である。
【0081】
次に、モードセレクトツマミ405により、サンプル登録のチャンネルAUTO1〜AUTO3の内の1つを選んで設定する。なお、モードセレクトツマミ405に書かれている1〜6は、マニュアルの画像取り込みモード時の画像取り込み範囲を示すものである。
【0082】
ここでのサンプル登録では、自動取り込みモードの1〜3(AUTO1〜AUTO3)選択する。そして、登録するチャンネルを決定した後は、サンプル登録開始ボタン406を押す。すると、この位置をサンプル登録開始位置として、サンプル登録が開始される。
【0083】
この場合、図17に示すように、まず、ステップ1701で、CPU206は、ステージ駆動部105により、サンプル登録開始位置から20μm ステージを下げる。次に、ステップ1702で、その位置から上方向に40μm 、すなわちサンプル登録開始位置から±20μm のプリスキャンを行なう。
【0084】
そして、ステップ1703で、DSP205は、プリスキャンの間にV´の割り込みがくる度にコントラスト計算用メモリ204から画像データを読出し、画像のコントラスト値を計算し、図4に示すDSP割り込み信号を発生させることで、CPU206に計算が終了したことを知らせる。CPU206は、割り込みを確認すると、ステップ1704で、現在の位置コントラスト値を読み込み、ワークメモリに格納する。
【0085】
このようなステップ1703と1704の動作は、ステップ1705で、上方向への移動距離が40μm になると判断されるまで繰り返す。
【0086】
次に、ステップ1706で、格納されたコントラストデータからコントラストの最大値CMAX を調べ、その座標ZMAX を求め、さらに、ステップ1707で、ZMAX −15μm の位置をZa 、ZMAX +15μm の位置をZb として、ステップ1708で、それぞれの位置コントラスト値の平均値
non =C(Za )+C(Zb )/2
からぼけ画像のコントラストレベルCnon を設定し、さらに、ステップ1709で、CMAX とCnon の平均値
th=(CMAX +Cnon )/2
から画像積算の開始および終了のレベルCthを設定する。
【0087】
そして、これらパラメータが決定すると、ステップ1710で、CPU206により、これらパラメータをデータ記憶部211のNVRAMなどの不揮発性メモリに保存し、サンプル登録を終了する。
【0088】
次に、次回からの画像取り込み方法を図18ににより説明する。
【0089】
まず、使用者は、レディーLED402の点灯する位置から、操作部4の開始ボタン403を押す。すると、ステップ1801で、CPU206は、ステージ駆動部105によりステージ102を下方向に移動する。次に、ステップ1802で、DSP205により、V´の割り込み毎にコントラスト値を計算し、計算が終了すると、ステップ1803で、DSP割り込みを受けてコントラストが減少しているかを調べる。
【0090】
ここで、コントラストが増加しているのであれば、ステップ1804で、ステージ102を上方向に移動させ、ステップ1802に戻る。
【0091】
また、コントラストが減少していれば、ステップ1805で、CPU206により、コントラスト値がCth以下になったかを調べる。ここで、まだCth以上であれば、ステップ1803に戻って、ステージ102の移動を続け、Cth以下になったのであれば、ステージの移動を停止する。
【0092】
そして、今度は、ステップ1806で、ステージ102を逆方向に移動しながら画像積算を開始する。そして、ステップ1807で、V´の立下がり毎にコントラスト値を計算し、ステップ1808で、コントラスト値を監視し、再びCth以下になると、ステップ1809で、ステージ102を停止するとともに、画像取り込みも終了する。
【0093】
これ以降は、第1の実施の形態と同様に、空間フィルタ208による回復処理を行なった後、表示メモリ208に一時記憶された後、画像表示回路209によりアナログの映像信号に変換され、テレビモニター3に表示される。
【0094】
従って、このようにすれば、自動取り込みでは、CCD面の汚れや、標本画像がないと判断してエラーになってしまうようなサンプルに対しても、画像取り込み前にプリサンプルを行ない、そのサンプルのコントラストカーブを用いて画像の取り込み用パラメータを設定できるようにしたので、次回からの画像取り込みに、このパラメータを使うことで、それまでエラーと判断され、最終画像が得られなかったサンプルに対しても、高深度画像が得られるようになる。
【0095】
また、事前にサンプル登録を行なうことにより、その都度、画像取り込みの前処理を行なうプリスキャンやパラメータの計算にかかる時間を短縮でき、さらにサンプル交換の際も、パラメータを切り替えるモードを用意しているので、サンプル交換ごと、電源投入毎のサンプル登録が不要になり、能率のよい、この種の作業を実現できる。
【0096】
さらに、パラメータの書込みに、不揮発性のメモリを用いることで、サンプル登録する回数を最小限にできる。
【0097】
なお、上述した第2の実施の形態でも、コントラストを求める計算領域として対角方向のラインを選んでいるが、これに限らず別の計算方法でも構わない。また、コントラストの計算は、飛び飛びの画素を4つ纏めて平均を取る方法でS/Nを向上させていたが、これに限らない。さらにサンプル登録で用いるプリスキャンの範囲は、±20μm に限定する必要はなく、サンプルのコントラストカーブの特性を認識できる範囲でよい。ぼけ画像のコントラストレベル、画像取り込みレベルを決定する計算式も、今回用いた式に限定する必要はなく、計算に用いる定数も変更して構わない。また操作部の形状、機能も今回のものに限らない。サンプルの登録の方法も、専用の登録ボタンである必要はなく、別のボタンと兼用してもよい。そして、この装置は、CCDカメラの映像信号の方式は、NTSC、PAL、SECAMなどに制限させる事はなく、それぞれに対応可能である。また、標本と対物レンズの距離を調節する方法として、ステージを駆動する方法だけでなく、対物レボルバの駆動によるもの、テレビカメラの撮像素子前の結像レンズ駆動でもよく、駆動方法としても、電磁モータ、超音波モータ、ピエゾ素子などでもよく、その方法は限定されない。
【0098】
(第3の実施の形態)
図19は、本発明が適用される画像入力装置の概略構成を示しており、21が光学顕微鏡本体である。この光学顕微鏡本体21は、ステージ22上に載置した試料標本23の観察像を対物レンズを含む観察光学系を介して顕微鏡観察用テレビカメラ24にて撮像するようにしている。
【0099】
テレビカメラ24にはA/D変換器25を接続しており、このA/D変換器25はテレビカメラ24からのビデオ信号をデジタル信号に変換して加算器26及び輝度メモリ33へ送出する。
【0100】
加算器26は、テレビカメラ24からの入力画像と加算用画像メモリ27に記憶されている画像とを加算するもので、その加算結果は加算用画像メモリ27へ出力される。加算用画像メモリ27は、加算器26で加算された結果を格納するもので、格納内容は上記加算器26と除算器28とに読出される。
【0101】
除算器28は、加算用画像メモリ27に蓄えられた加算画像を加算枚数を除数とした除算を行なって1枚分の画像を得るためのもので、この除算器28で得た画像に対して空間フィルタ29で後述するCPU38に選択された特性の空間周波数フィルタでの回復処理を行ない、回復処理した表示画像データを表示用画像メモリ30に記憶させる。そして、この表示用画像メモリ30に記憶された表示画像データをD/A変換器31が読出してアナログデータに変換し、上記表示部32より表示させる。
【0102】
上記輝度メモリ33は、輝度メモリコントローラ35の制御の下にA/D変換器25から送られてくる輝度データを書込み、DSP(Digital Signal Processor)34へ読出す。
【0103】
DSP34は、輝度メモリ33から読出した輝度データによりコントラスト値の計算を行なうもので、算出したコントラスト値は合焦範囲検出部37へ送出される。
【0104】
合焦範囲検出部37は、計算されたコントラスト値からステージ22の合焦範囲を検出するもので、その検出結果はCPU38へ送られる。
【0105】
CPU38は、装置全体の動作制御を司るもので、特に上記加算器26、空間フィルタ29、輝度メモリコントローラ35、画像メモリコントローラ36、ステージ駆動部39に対して画像処理、像ぶれ補正及び駆動制御のための制御指令を送出し、また操作部43からダイナミックフォーカスを含む装置全体の操作を受付けている。
【0106】
しかして、上記ステージ22にはぶれ検出部としての光学式エンコーダ40を設け、また光学顕微鏡本体21の対物レンズに対応させて対物レンズ情報取得部41を設けている。ここで光学式エンコーダ40は、光学顕微鏡本体21のステージ22に固定して設けられ、ステージ22のX,Y方向へのぶれ量を検出するものであって、検出したぶれ量は像ぶれ補正量計算部42へ送られる。
【0107】
一方、対物レンズ情報取得部41は、現在使用している対物レンズの倍率を読取るもので、読取った対物レンズの倍率情報は同じく像ぶれ補正量計算部42へ送られる。
【0108】
像ぶれ補正量計算部42は、光学式エンコーダ40から検出されたぶれ量と対物レンズ情報取得部41の対物レンズの倍率情報とにより補正画素数を計算するもので、算出した補正画素数情報は上記輝度メモリコントローラ35及び画像メモリコントローラ36へ出力される。
【0109】
輝度メモリコントローラ35は、像ぶれ補正量計算部42で計算された像ぶれ補正量に基づいて輝度メモリ33での書込み、読出しアドレスを制御するものである。
【0110】
また画像メモリコントローラ36は、像ぶれ補正量計算部42で計算された像ぶれ補正量に基づいて上記加算用画像メモリ27での書込み、読出しアドレスを制御するものである。
【0111】
上記ステージ駆動部39は、CPU16からの制御指令により上記ステージ22をZ方向、つまり観察光軸の方向に駆動する。
【0112】
上記のように構成された装置にあって、ぶれ検出とそれに基づく画像の補正、コントラスト値の計算、画像の加算、及び回復処理についてまず処理信号の流れに沿って簡単に説明する。
【0113】
操作部43での操作により画像の取り込みの開始を指示すると、ステージ駆動部39によりステージ22をZ方向に駆動する。そして、テレビカメラ24により試料標本23の画像を得るのに同期して、光学式エンコーダ40でステージ22のX,Y方向へのぶれ量を検出する。
【0114】
検出したぶれ量は像ぶれ補正量計算部42に送られ、ここで対物レンズ情報取得部41により得た対物レンズの倍率情報をもって補正する画素数の計算が行なわれるもので、算出した補正画素数は輝度メモリコントローラ35及び画像メモリコントローラ36に送られる。
【0115】
一方、テレビカメラ24により得た試料標本23の画像はA/D変換器25でデジタル化された後にA/D変換器25と輝度メモリ33に送られる。ここで輝度メモリ33では、上述した如くずれ量に対応した補正画素数が輝度メモリコントローラ35に送られているため、輝度データを書込んだ後、この補正画素数に応じて輝度メモリコントローラ35により読出しアドレス位置が調整、制御されて、記憶されている輝度データが読出されるもので、具体的には例えば図20に示すようなずれを生じたライン12〜15に沿った輝度データをメモリ33に書込んだ上で、上記の輝度メモリコントローラ35によるアドレス調整を行なうことで、ずれの影響を排除した位置で輝度データが読出されるようになるものである。
【0116】
こうして輝度メモリ33から読出された輝度データはDSP34へ送られ、ここでコントラスト値が計算されて、そのコントラスト値から合焦範囲検出部37によりコントラストカーブにおける所定のしきい値Cth以上のコントラストの高い範囲が画像加算を行なうべき合焦範囲として決定され、CPU38に出力される。
【0117】
しかるに、上記合焦範囲では、A/D変換器25より得られるデジタル化された画像が加算器26で加算用画像メモリ27に記憶されているそれ以前に得られた同画像と加算され、その和が加算用画像メモリ27にあらためて記憶されるもので、この際、画像メモリコントローラ36は像ぶれ補正量計算部42からの補正画素数を用いて読出しアドレスを調整し、記憶されていた画像と新しく得た画像とのずれをなくした状態で加算させる。
【0118】
しかして、加算用画像メモリ27に記憶された加算画像は除算器28にて除算され、1枚分の画像とされた後に空間フィルタ29でCPU38から選択された特性の同フィルタを用いて回復処理がなされるもので、回復処理された画像が表示用画像メモリ30に一旦格納された後に読出され、D/A変換器31でアナログ化された後に表示部32で表示出力される。
【0119】
次いで実際の処理内容について図21のフローチャートを参照して説明する。
【0120】
この図21の処理はCPU38の制御の下に行なわれるものであり、処理を開始すると、ステージ駆動部39によってステージ22をZ方向に沿って移動させ、そのときにDSP34、合焦範囲検出部37によって図22に示すようにコントラスト値がしきい値Cth以上となるステージ22のZ方向の位置Za乃至Zbの範囲を取込む。
【0121】
このため、まずステージ駆動部39によりステージ22を下方向に移動させる(ステップA1)。このとき、A/D変換器25から得られるデジタル値のビデオ信号中の垂直同期信号(V)の立下がりタイミング毎に画像のコントラスト値をDSP34で計算させる(ステップA2)。
【0122】
図23はこの時にCPU38が行なうコントラスト値計算のサブルーチンを示すもので、まず始めにステージ22のぶれ量を光学式エンコーダ40によって検出する(ステップB1)。これと共に、対物レンズ情報取得部41によって光学顕微鏡本体21の観察光軸中に挿入されている対物レンズの倍率情報を取得し(ステップB2)、これらを基に像ぶれ補正量計算部42が検出したぶれ量がテレビカメラ24のCCD面上で何画素分に相当するのかを表わす像ぶれ補正量を計算する(ステップB3)。
【0123】
次いで、像ぶれ補正量計算部42が計算により得た像ぶれ補正量を輝度メモリコントローラ35及び画像メモリコントローラ36に送出すると、輝度メモリコントローラ35では輝度メモリ33に書込まれている画像の輝度データが像ぶれの影響を全く含まないように読出しアドレスを調整してDSP34に読出させるもので(ステップB4)、DSP34では像ぶれが全くないが如く処理された輝度データを用いて画像のコントラスト値の計算を行なう(ステップB5)。
【0124】
コントラスト値は、画面上の連続する輝度データを用いて以下の如く計算する。すなわち、コントラスト値を計算するi番目のライン上のj番目の点位置の輝度データをYi,j とすると、そのコントラスト値Ci,j(Zk)は
Ci,j(Zk)=(Yi,j(Zk)−Yi,j-1(Zk))2 …(1)
として、i番目のラインのコントラスト値の総和Ci,j を
【数1】
Figure 0004146916
【0125】
のように求め、さらにすべてのラインのコントラスト値の総和を
【数2】
Figure 0004146916
【0126】
として求める。得たコントラスト値C(Zk)は、図24に示すように像ぶれ量が多く、計算に用いた各ラインの画素数が減少することを考慮して、計算のライン上の画素数で正規化してZ=Zk でのコントラスト値、すなわち
C(Zk)=C(Zk)/Dnum …(4)
(但し、Dnum :計算に用いたライン上の画素数。)
を求め、以上でこの図23のサブルーチンを終了する。
【0127】
こうしてステージ22のぶれ量を補正した画像のコントラスト値の計算が終了すると、図21のメインルーチンに戻り、同DSP34からの割込みを受けるCPU38は、計算したコントラスト値がその前のタイミングで計算したコントラスト値と比して減少しているか否かを判断する(ステップA3)。
【0128】
コントラスト値が減少している場合には、ステージ22の下降によりコントラスト値が減少していることから、図22に示すコントラストカーブ上の左半分にあって、図中に矢印Iで示す方向に移動しているものと判断し、次に計算したコントラスト値がしきい値Cth未満であるか否か判断する(ステップA5)。
【0129】
ここで、計算したコントラスト値がしきい値Cth未満となった場合には、その時点でのステージ22の位置がZaであることとなるので、あらためてステージ駆動部39によりステージ22の移動方向を逆、すなわち上方向に設定した上で(ステップA6)、ステージ22を移動させながらテレビカメラ24で得られる試料標本23の画像による加算を実行する(ステップA7)。
【0130】
図25はこの時にCPU38が行なう画像加算のサブルーチンを示すもので、まず始めに上記図23のコントラスト計算で用いた像ぶれ補正量を像ぶれ補正量計算部42から画像メモリコントローラ36に読込ませ(ステップC1)、この画像メモリコントローラ36で加算用画像メモリ27における画像の読出しアドレスを該像ぶれ補正量を用いて調整して、画像の輝度データが像ぶれの影響を全く含まないように加算器26及び除算器28に読出させる(ステップC2)。
【0131】
次に、テレビカメラ24からA/D変換器25を介して送られてくる新たな画像の加算領域を同じく像ぶれ補正量を用いて調整して決定し(ステップC3)、この新たな画像と加算用画像メモリ27から読出した画像とで加算器26により画像の加算を実行させる(ステップC4)。
【0132】
その後、2つの画像の和として、得られた加算画像を画像メモリコントローラ36により書込みアドレスが調整されながら加算用画像メモリ27に書込み設定され(ステップC5,C6)、以上でこの図25のサブルーチンを終了する。
【0133】
こうして画像の加算実行後、図21のメインルーチンに戻り、再度上記図23で説明した如くA/D変換器25から得られるデジタル値のビデオ信号中の垂直同期信号の立下がりタイミング毎に各画像のコントラスト値をDSP34で計算する(ステップA8)。
【0134】
そして、計算したコントラスト値がしきい値Cth未満となったか否か判断する(ステップA9)。ここで、計算したコントラスト値がしきい値Cth以上であれば、上記ステップA7に戻って、画像の加算処理を繰返し続行する。
【0135】
その後、ステップA9で計算したコントラスト値がしきい値Cth未満となった時点で、ステージ22の移動によりステージ22の位置が上記図22中のZbとなったこととなり、合焦範囲内での画像の加算を終えたこととなるので、ステージ駆動部39によるステージ22の移動を停止すると共に、テレビカメラ24による画像の取込みを終了し(ステップA10)、その時点で加算用画像メモリ27に記憶されている合焦範囲内の多数の画像を加算した加算画像を読出し、除算器28にて画像数で除算して1枚分の画像とした後に空間フィルタ29によって回復処理を行ない(ステップA11)、得られた高深度画像を表示用画像メモリ30に一時記憶させた後にD/A変換器31でアナログ化して表示部32により表示させる。
【0136】
なお、上記ステップA3で、ステージ22を下方向に移動させた際に算出したコントラスト値がその前のタイミングで計算したコントラスト値と比して減少していないと判断した場合には、ステージ22の位置が上記図22に示すコントラストカーブ上の右半分にあることとなるので、ステージ駆動部39によりステージ22を上方向に移動させるものとして移動方向を転換設定した上で(ステップA4)、再びステップA2からの処理に戻り、ステップA2〜A5の処理を繰返し実行して、得られるコントラスト値がしきい値Cth未満となる地点、すなわち図22中のZbの位置までステージ22を移動させる。
【0137】
その後、ステップA6であらためてステージ22を逆方向である下方向に移動させるものとして設定してから、ステップA7〜A9の処理を繰返し実行し、ステージ22を下方向に移動させながら、合焦範囲内で得られる画像を順次加算していく。
【0138】
そして、ステップA9で得られるコントラスト値がしきい値Cth未満となる地点、すなわち図22中のZaの位置までステージ22を移動させた状態で、合焦範囲内での画像の加算を終えたこととなるので、上記と同様にステップA10以下の処理に移行する。
【0139】
以上のように、複数枚の顕微鏡画像を加算処理した後に回復処理して高深度画像を得る過程において、試料標本23を載置したステージ22に移動によるぶれが生じた場合でも、ぶれを生じない場合と同様にコントラスト計算を行ない、正確な合焦範囲を決定することができると共に、この決定した合焦範囲によって画像の取込入力時に画像の加算に対してもぶれ補正を行なって、ぶれの影響を排除した正確な画像を順次加算した上で回復処理し、良好な高深度画像を取得することができる。
【0140】
なお、上記実施の形態において、画像の取込速度に対するステージ22の移動は、無段階に連続して高速移動するものとしてもよいし、ステップ状に画像取込み時のみ停止する如く移動するものとしてもよい。
【0141】
これは、例えばステージ駆動部39をパルスモータで構成してステージ22を高速直線移動させるものとした場合に、テレビカメラ24がNTSC方式では1画面の画像入力を標準ではCCDの1フレーム蓄積時間約1/30[秒]で行なうので、この時間内に所望の合焦面の画像データを入力するべく、すなわち入力する合焦面が光学顕微鏡本体21の対物レンズの特性から導かれる光軸方向の標本焦点深度範囲内を移動している間に画像入力が行なえるように一定速度で駆動するものである。
【0142】
なお、上記テレビカメラ24が撮像する画像のテレビジョン方式は特にNTSC方式に限らず、他のPAL、SECAM、ハイビジョン等の方式であってもよい。
【0143】
また、試料標本23に対する合焦位置を変化させる手段としてステージ駆動部39によりステージ22を移動させるものとして説明したが、要は観察光軸の方向に沿って移動して試料標本23の合焦を行なうことができるのであれば、ステージ22に代えて対物レンズを取付けたレボルバや、テレビカメラ24のCCDの前位置にある結像レンズ等を移動できるものとし、これをパルスモータ、電磁モータ、超音波モータ、あるいはピエゾ素子等により駆動制御するものとしてもよい。
【0144】
さらに、画像のコントラスト値を求める計算領域として対角方向のライン4本を選択するものとしたが、そのラインの本数や方向、他に計算式等に関しても本実施の形態の方法に限定するものではない。
【0145】
また、ぶれ量を検出する検出部に光学式エンコーダ40を用いるものとして説明したが、顕微鏡画像のテレビカメラ24のCCD面上での画素単位の検出精度を有するものであれば、他の検出機構であっても構わない。
【0146】
そして、像ぶれ補正を行なう輝度メモリ33へのアクセスは、輝度メモリコントローラ35による読出しアドレスを調整するものとしたが、書込みアドレスを調整しても、同様に像ぶれ補正を行なうことができるのはいうまでもない。
【0147】
(第4の実施の形態)
次に本発明を顕微鏡用の自動合焦機構に適用した場合の第4の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0148】
図26はその概略構成を示すもので、基本的には上記図19で示したものと同様であるので、同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0149】
しかるに、テレビカメラ24で撮像され、A/D変換器25でデジタル化された画像データは輝度メモリ33と直接表示用画像メモリ30とに与えられる。
【0150】
また、ステージ22にぶれ検出部として設けられる光学式エンコーダ40からのぶれ量と、対物レンズ情報取得部41からの対物レンズの倍率情報とにより補正画素数を計算する像ぶれ補正量計算部42は、算出した補正画素数情報を像ぶれ補正量として輝度メモリコントローラ35及び表示用メモリコントローラ51へ出力する。
【0151】
輝度メモリコントローラ35は、CPU38′の制御の下に像ぶれ補正量計算部42からの像ぶれ補正量に基づいて輝度メモリ33での書込み、読出しアドレスを制御するものである。
【0152】
また表示用メモリコントローラ51は、像ぶれ補正量計算部42からの像ぶれ補正量に基づいて上記表示用画像メモリ30の書込み、読出しアドレスを制御するものである。
【0153】
DSP34で算出された画像のコントラスト値は合焦位置検出部52に送出され、合焦位置検出部52はこのコントラスト値から正確な合焦位置を検出して検出結果をCPU38′へ送出する。
【0154】
CPU38′は、装置全体の動作制御を司るもので、特に上記輝度メモリコントローラ35、表示用メモリコントローラ51、ステージ駆動部39に対して像ぶれ補正及び駆動制御のための制御指令を送出し、また操作部43からオートフォーカスを含む装置全体の操作指示を受付けている。
【0155】
上記のような構成にあって、光学顕微鏡本体21のステージ22上に載置された試料標本23を対物レンズを含む観察光学系を介してテレビカメラ24で撮像する。
【0156】
撮像された試料標本23の画像はA/D変換器25でデジタル化された後に輝度メモリ33及び表示用画像メモリ30へ送られ、輝度メモリ33はこの画像データ(輝度データ)を輝度メモリコントローラ35の制御に基づいて一時記憶し、DSP34へ読出す。
【0157】
DSP34では輝度メモリ33からの輝度データにより該画像のコントラスト値を計算するもので、その計算には、観察者が必要としている領域を画面11の計算領域を図27に示すように設けるものとする。
【0158】
この場合の具体的なコントラスト値の計算については上記図23で説明したものと同様であるものとしてその説明は省略するが、光学式エンコーダ40によりステージ22のぶれ量を検出し、対物レンズの倍率情報を用いて像ぶれ補正量を計算して、算出した像ぶれ補正量を用いて輝度メモリコントローラ35が輝度メモリ33の読出しアドレスを調整する。
【0159】
そして、DSP34により算出したコントラスト値が最大になる位置を合焦位置として検出し、検出結果をCPU38′へ送出するものである。
【0160】
輝度メモリ33での読出しアドレスの調整と同時に、表示用メモリコントローラ51により表示用画像メモリ30の読出しアドレスの調整を行なうことで、加算用画像メモリ27を介して除算器28で表示する試料標本23の画像も、ステージ22でのぶれを排除した精細なものとすることができる。
【0161】
なお、上記実施の形態においても、試料標本23に対する合焦位置を変化させる手段としてステージ駆動部39によりステージ22を移動させるものとして説明したが、要は観察光軸の方向に沿って移動して試料標本23の合焦を行なうことができるのであれば、ステージ22に代えて対物レンズを取付けたレボルバや、テレビカメラ24のCCDの前位置にある結像レンズ等を移動できるものとし、これをパルスモータ、電磁モータ、超音波モータ、あるいはピエゾ素子等により駆動制御するものとしてもよい。
【0162】
また、画像のコントラスト値を求める計算領域として対角方向のライン4本を選択するものとしたが、そのラインの本数や方向、他に計算式等に関しても本実施の形態の方法に限定するものではない。
【0163】
さらに、ぶれ量を検出する検出部に光学式エンコーダ40を用いるものとして説明したが、顕微鏡画像のテレビカメラ24のCCD面上での画素単位の検出精度を有するものであれば、他の検出機構であっても構わない。
【0164】
そして、像ぶれ補正を行なう輝度メモリ33へのアクセスは、輝度メモリコントローラ35による読出しアドレスを調整するものとしたが、書込みアドレスを調整しても、同様に像ぶれ補正を行なうことができるのはいうまでもない。
【0165】
その他、本発明は上記第1乃至第4の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【0166】
【発明の効果】
以上、述べたように本発明によれば、コントラスト値が急激に増加する安定した画像領域を選択して画像加算を行うようにできるので、被写物体に応じて最適で良好な高深度画像を速やかに構築できる。また、従来に見られる事前に被写物体に応じた種々の条件を設定するなどの作業を必要としないので、操作も簡単にできる。さらに、画像加算のスタート位置を設定することにより、ぼけた画像を取り込むことがなく、所定のコントラスト値以上の画像のみを取り込むようになるので、加算画像の画質を劣化させることなく、良質な高深度画像を構築することができる。
【0167】
また、自動取り込みアルゴリズムでは、有効な範囲を取り込めなかった標本のうち、コントラストが比較的高いが、パラメータの値がサンプルに対して適当でなく、画像が取り込めない場合や、コントラストが高すぎてCCD上のごみなどと判断してしまうような場合でも、高深度画像が得られる。さらに、マニュアルによる画像取り込みに比べ、画像取り込み位置の調整、サンプルの厚さ調整なども不要になり、能率のよい作業を実現できる。
【0168】
さらに、観察標本を載置したステージに移動によるぶれが生じた場合でも、ぶれを生じない場合と同様にコントラスト計算を行ない、正確な合焦範囲を決定することができると共に、この決定した合焦範囲によって画像の取込入力時に画像の積算に対してもぶれ補正を行なって、正確な合焦範囲をぶれなく入力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態に係る操作部の概略構成を示す図。
【図3】同実施の形態に係る1画面のコントラスト値を求める方法を説明するための図。
【図4】同実施の形態に係るコントラスト計算が終了したことを知らせるDSP割り込み信号のタイミングを説明する図。
【図5】同実施の形態に係るステージを上から下まで移動した時のコントラスト値の変化を示す図。
【図6】同実施の形態に係る動作を説明するためのフローチャート。
【図7】同実施の形態に係る動作を説明するためのフローチャート。
【図8】同実施の形態に係る動作を説明するためのフローチャート。
【図9】同実施の形態に係る動作を説明するためのフローチャート。
【図10】同実施の形態に係る動作を説明するためのフローチャート。
【図11】同実施の形態に係る動作を説明するためのフローチャート。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る概略構成を示すブロック図。
【図13】同実施の形態に係る操作部の概略構成を示す図。
【図14】同実施の形態に係るサンプル登録方法を説明するための図。
【図15】同実施の形態に係るサンプル登録方法を説明するための図。
【図16】同実施の形態に係るサンプル登録方法を説明するための図。
【図17】同実施の形態に係る動作を説明するためのフローチャート。
【図18】同実施の形態に係る動作を説明するためのフローチャート。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係る概略構成を示すブロック図。
【図20】同実施の形態に係る撮像画面中の画像のずれを説明する図。
【図21】同実施の形態に係る動作処理の内容を示すフローチャート。
【図22】同実施の形態に係るステージの位置とコントラスト値の関係を示す図。
【図23】図21の処理中のコントラスト値の計算のサブルーチンを示すフローチャート。
【図24】同実施の形態に係る撮像画面中の画像のずれを説明する図。
【図25】図21の処理中の画像加算のサブルーチンを示すフローチャート。
【図26】本発明の第4の実施の形態に係る概略構成を示すブロック図。
【図27】同実施の形態に係る画像中のコントラスト値の計算方向を示す図。
【符号の説明】
1…撮像手段
101…光学顕微鏡
102…ステージ
103…中間倍率レンズ
104…CCDカメラ
105…ステージ駆動回路
2…装置本体
201…画像取り込み回路
202…画像加算回路
203…加算メモリ
204…コントラスト計算用メモリ
205…DSP
206…CPU
207…空間フィルタ回路
208…表示メモリ
209…画像表示回路
210…サンプル登録部
211…データ記憶部
3…テレビモニター
4…操作部
401…焦準ハンドル
402…レディーLED
403…開始ボタン
404…コントララストレベル調整ツマミ
11…画面
12,13…縦横ライン、
14,15…対角線上のライン。
21…光学顕微鏡本体
22…ステージ
23…試料標本
24…テレビカメラ
25…A/D変換器
26…加算器
27…加算用画像メモリ
28…除算器
29…空間フィルタ
30…表示用画像メモリ
31…D/A変換器
32…表示部
33…輝度メモリ
34…DSP
35…輝度メモリコントローラ
36…画像メモリコントローラ
37…合焦範囲検出部
38…CPU
39…ステージ駆動部
40…光学式エンコーダ
41…対物レンズ情報取得部
42…像ぶれ補正量計算部
43…操作部
51…表示用メモリコントローラ
52…合焦位置検出部

Claims (2)

  1. 被写物体を撮像する撮像手段と、
    この撮像手段に対する上記被写物体の合焦位置を移動させる合焦位置移動手段と、
    この合焦位置移動手段により移動される上記被写物体の上記撮像手段より撮像される画像を加算する画像加算手段と、
    上記撮像手段により撮像される上記被写物体の画像のコントラスト値を演算するコントラスト演算手段と、
    コントラスト値の変化状態が増加傾向となる方向を判断し、上記合焦位置移動手段によりコントラスト値の変化状態が増加となる方向に合焦位置を移動させ、上記コントラスト演算手段により演算されるコントラスト値が予め設定した所定値より大きい地点をスタート位置とし、コントラスト値の変化の度合が一定以上であることを判断し、以後上記合焦位置移動手段によりコントラスト値の変化状態が増加となる方向に合焦位置を移動させながら継続して上記画像加算手段への画像加算を指示し、コントラスト値がピーク値を超えて予め設定した所定値以下となった地点をエンド位置として上記画像加算手段での画像加算を停止させる制御手段と
    を具備したことを特徴とする画像入力装置。
  2. 上記撮像手段で撮像した画像を記憶する記憶手段と、
    上記合焦位置移動手段による合焦点の移動によって上記撮像手段で得られる画像に生じるぶれ量を検出する検出手段と、
    この検出手段で検出したぶれ量により上記記憶手段の書込み、読出しアドレスを制御するアドレス制御手段と
    をさらに具備し、
    上記画像加算手段は、上記アドレス制御手段のアドレス制御により上記記憶手段より読出した画像に上記撮像手段で得た画像を加算し、該加算された画像を上記記憶手段に書込むことを特徴とする請求項1記載の画像入力装置。
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