JP4146822B2 - 居室の壁の構造及びこれに用いる内装用壁パネル - Google Patents

居室の壁の構造及びこれに用いる内装用壁パネル Download PDF

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Description

本発明は、調湿性能や揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する居室の壁の構造及びこれに用いる内装用壁パネルに関するものである。
近年、住宅の高気密化、高断熱化、接着剤を用いた新建材や接着剤を用いた施工の普及に伴い、シックハウス病が問題となっている。この問題に対して、居室内の空気中に含まれるVOC物質を吸着・分解したり、居室内の湿気を調湿したりするといった、居室内の空気を調整する機能を備えた壁材が提案されている。
例えば、調湿機能を有した内装用壁パネルとして珪藻土を混入した内装用壁パネルが特許文献1や特許文献2により知られており、また、VOC物質を吸着・分解する内装用壁パネルが特許文献3により知られている。
そして、上記特許文献1、特許文献2、特許文献3を用いて居室の壁を形成することで、該壁により居室内の空気の湿気の調湿をしたり、あるいは居室内の空気中のVOC物質を吸着・分解するようになっている。
ところが、上記の特許文献1、特許文献2、特許文献3に示される従来の内装用壁パネルを用いて居室の壁を構成した場合、調湿やVOC物質を吸着・分解する機能を備えた材料は一般的に多孔質材料を添加しており、また、表面も多孔質あるいは無数の微細孔を備えて通気性を確保するようになっているので、汚れが付着しやすいものであり、壁の上下方向の中間部分が汚れると、目線に最も近いため、汚れが目立ち、頻繁に汚れを除去する掃除が必要となる。また、壁の上部は手が届かず、壁の汚れを除去し難いという問題がある。
また、内装用の壁材として汚れが付き難いものや除去しやすいものとしてウレタン塗料で塗装したり、UV塗料で塗装して緻密な膜を表面に設けた耐汚染性壁材も提案されている。
しかし、この緻密な膜を表面に設けた耐汚染性壁材には調湿やVOC物質を吸着・分解等の室内空気の調整機能はない。
登録実用新案第3085582号公報 特開2002−138624号公報 特開2001−64073号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、最も目立つ壁の上下方向の中間部分や掃除がし難い上部においては汚れが付き難くて長期間綺麗な外観を維持でき、目立ち難い壁の下部において調湿やVOC物質を吸着・分解等の室内空気の調整機能があると共に汚れが付着しても掃除がし易い居室の壁の構造及びこれに用いる内装用壁パネルを提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明に係る居室の壁の構造は、居室1の壁2の上下方向の中間部及び上部の表面が耐汚染性を有する耐汚染性壁部3となり、且つ、壁2の下部が調湿性又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する室内空気調整用壁部4となっていることを特徴とするものである。
このような構成とすることで、居室1内において目線に近くて最も汚れが目立ちやすい壁2の上下方向の中間部及び中間部に比べると汚れが目立ち難いが汚れを除去するための掃除がしにくい壁の上部がいずれも耐汚染性を有する耐汚染性壁部3であるから、汚れ難く、一方、揮発性有機化合物(VOC)、例えばホルムアルデヒドは空気よりも僅かに比重が重いため居室1の下部に溜まりやすくて壁2の下部に付着しやすく、また、居室1の下部は中間部や上部に比べて相対湿度が高くて壁2の下部にカビが発生し易いが、上記のように壁2の下部を調湿性又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する室内空気調整用壁部4により構成することで、壁2の下部の室内空気調整用壁部4により有害物質である揮発性有機化合物の除去や調湿作用を効果的におこなって室内空気の調整を行うことができ、しかも、壁2に調湿性又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する室内空気調整用壁部4を設けたといえども壁2の下部に設けてあるので、壁2の中間部に比べて居室1内にいる人の目線から遠くて汚れが目立ち難く、しかも下部であるため汚れが付着しても簡単に掃除して汚れの除去ができる。
また、本発明の内装用壁パネルは、居室の壁と同じ上下長さを有し且つ調湿性を有する多孔質材料を含有する基材5の表面の上下方向の中間部及び上部に耐汚染性塗装層6を形成し、基材5の表面の下部に通気性塗装層7又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗装層を形成して成ることを特徴とするものである。
このような構成とすることで、簡単な層構造の一枚ものの内装用壁パネル10を施工するだけで、上記した中間部、上部に汚れが付き難く、下部において効果的に揮発性有機化合物の除去や調湿作用を効果的におこなって室内空気の調整ができると共に汚れの除去が簡単となるという作用を有する壁2を形成することが可能となる
また、内装用壁パネルが、居室の壁と同じ上下長さを有する無機質基材8の表面の上下方向の中間部及び上部に耐汚染性塗装層6を形成し、無機質基材8の表面の下部に調湿性を有する多孔質材料を含有する下地材9を積層すると共に該下地材9の表面に通気性塗装層7又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗装層を形成して成ることを特徴とするものであってもよい。
このような構成とすることで、一枚ものの内装用壁パネル10を施工するだけで、上記した中間部、上部に汚れが付き難く、下部において効果的に揮発性有機化合物の除去や調湿作用を効果的におこなって室内空気の調整ができると共に汚れの除去が簡単となるという作用を有する壁2を形成することが可能となり、更に、コストの高い調湿性を有する多孔質材料を含有する下地材9が無機質基材8の表面の下部に設けるだけでよいので、低コストとなる。
また、内装用壁パネル10における耐汚染性塗装層6と、通気性塗装層7又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗装層との、色又は模様又は光沢又は表面の突出状態又はこれらの2つ以上の組み合わせ状態を異ならせて外観が変えてあることが好ましい。
このような構成とすることで、中間部、上部と下部とで機能が異なる一枚ものの内装用壁パネル10を施工する際に天地の区別が容易につき、誤って上下逆に施工するおそれがなく、また、下部の表面が中間部及び上部と異なった外観となることで、下部が腰壁として外観され、意匠性も向上し、商品価値の高い内装用壁パネル10を提供できる。
本発明の居室の壁の構造は、居室内において目線に近くて最も汚れが目立ちやすい壁の上下方向の中間部及び中間部に比べると汚れが目立ち難いが汚れを除去するための掃除がしにくい壁の上部がいずれも汚れ難く、一方、揮発性有機化合物(VOC)溜まりやすく、湿気でカビが発生し易い壁の下部において効果的に有害物質である揮発性有機化合物の除去や調湿作用して室内空気の調整を行うことができると共にこの壁の下部に調湿性又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する室内空気調整用壁部を設けたといえども壁下部であるため、壁の中間部に比べて居室内にいる人の目線から遠くて汚れが目立ち難く、しかも下部であるため汚れが付着しても簡単に掃除して汚れの除去ができ、これらの結果、壁の上下方向の全体を長期間綺麗に保つことができると共に効果的に有害物質である揮発性有機化合物の除去や調湿作用をして室内空気の調整を行うことができるものである。
また、本発明の内装用壁パネルは上記のような作用を有する壁の下部、中間部、上部を一枚ものの内装用壁パネルの施工で実現できるものである。更に、簡単な構成で天地を間違うことなく施工できる内装用壁パネルを提供できるものである。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
建物の居室1の壁2は上下方向の中間部及び上部(図1において壁2の中間部と上部とをXで示している)の表面が耐汚染性を有する耐汚染性壁部3となっており、壁2の下部(図1において壁2の下部をYで示している)が調湿性又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する室内空気調整用壁部4となっている。
耐汚染性壁部3は例えば表面にウレタン塗料を塗装したりUV塗料を塗装したりして表面に緻密な膜を形成することにより汚れが付着し難い層を形成することで構成してある。
室内空気調整用壁部4は室内空気の調湿をしたり、あるいは、室内空気中に含まれるホルムアルデヒドのような揮発性有機化合物(VOC)を吸着・分解する機能を有している。室内空気調整用壁部4としては、例えば、珪藻土、アロフェン、ゼオライト等の調湿性、吸着性を有する多孔性材料を含有した調湿機能を有した層や、揮発性有機化合物(VOC)を吸着・分解する機能を有する塗料を塗装した層等により構成してある。
また、居室1の天井11は下面が耐汚染性を有する耐汚染性天井部12により構成してあり、例えば、天井材の下面にウレタン塗料やUV塗料を塗装して天井材の下面に緻密な膜を形成することにより汚れが付着し難い耐汚染性層を形成している。
上記のような構成において、図1に示すように、居室1の壁2の上下方向の中間部、上部の表面が耐汚染性を有する耐汚染性壁部3となっており、更に天井11の下面が耐汚染性を有する耐汚染性天井部12によりなっているので、居室1内において目線に近く、汚れが目立ちやすい壁2の上下方向の中間部と、手が届き難くて汚れが除去し難い壁2の上部と、天井11とは汚れ難くなっている。
一方、居室1内において、壁2の下部が上記のように調湿性又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する室内空気調整用壁部4となっているので、壁2の下部において室内空気を調湿したり、あるいは、揮発性有機化合物を吸着・分解するといった室内空気の調整を行うものである。この場合、室内空間の下部は相対湿度が高くてカビが発生し易いという傾向にあり、また、新建材や接着剤などから発生するホルムアルデヒドなどは空気よりも僅かに比重が重いため居室1内の室内空間の下部に溜まり易いので、上記のように壁2の下部において調湿や揮発性有機化合物の吸着・分解を効果的に行って室内空気の調整を行うことができるものである。また、調湿性又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する室内空気調整用壁部4は多孔であるため汚れが付着しやすいが、壁2の下部に設けてあるので、壁2の中間部に比べて居室1内にいる人の目線から遠くて汚れが目立ち難いものであり、しかも壁2の下部であるため汚れが付着しても簡単に掃除して汚れの除去ができる。
したがって、居室1の壁2全体、天井11全体を綺麗に保つことができるものである。
ところで、上記のような構成の壁2は、壁2の上下方向を形成するに当たって、室内空気調整用壁部4となった下部、耐汚染性壁部3となった中間部及び上部が上下方向において一体となった内装用壁パネルにより形成してもよく、また、耐汚染性壁部3となった下部用の内装用壁パネルと、これとは別体の耐汚染性壁部3となった中間部及び上部が一体になった内装用壁パネルとの2種類の内装用壁パネルにより構成してもよい。
以下、上記の壁2に使用する内装用壁パネル10として、室内空気調整用壁部4となった下部、耐汚染性壁部3となった中間部、上部とが上下方向において一体となった一枚ものの内装用壁パネル10の例につき説明する。
図2には室内空気調整用壁部4となった下部、耐汚染性壁部3となった中間部、上部とが上下方向において一体となった内装用壁パネル10の一実施形態が示してある。
本実施形態における内装用壁パネル10は、上下方向の長さが居室1の壁2の上下方向の長さと同じ長さ(つまり床から天井までの長さ)の板状をした基材5により主体が構成してあり、該基材5は調湿性を有する多孔質材料を含有するものである。基材5としては、例えば、セメント、消石灰、スラグ、フライアッシュ、珪砂などの水硬性材料60〜80重量%、珪藻土、アロフェン、ゼオライトなどの多孔質で調湿性、吸着性を有する多孔質材料を10〜30重量%、パルプ3〜10重量%、合成繊維0〜1重量%の配合割合となったものである。
この基材5の表面の上下方向の中間部及び上部には耐汚染性塗装層6を形成してある。耐汚染性塗装層6は、例えば、ウレタン塗料やアクリル系UV塗料を塗装して表面に緻密な膜を形成することで構成される。ウレタン塗料を塗装して耐汚染性塗装層6を形成する場合、例えば日本ペイント社製の「リノール」を使用し、乾燥状態で10〜50g/mとなるように塗装することで耐汚染性塗装層6を形成する。また、UV塗料を塗装して耐汚染性塗装層6を形成する場合、例えば日本ペイント社製の「UVコート60」を使用し、乾燥状態で20〜100g/mとなるように塗装することで耐汚染性塗装層6を形成する。
基材5の表面の下部には通気性塗料を塗装した通気性塗装層7又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料を塗装した塗装層を形成してある。
通気性塗料としては、例えば、アクリルウレタン樹脂に体質顔料として炭酸カルシウムやタルクを混合したものである。具体例としては、アクリルウレタン樹脂100重量部、体質顔料として炭酸カルシウムやタルクを20〜60重量部混合したもので、体質顔料として炭酸カルシウムやタルクを20〜60重量部混合することでポーラスとなって通気性を有する通気性塗装層7を形成することができる。
通気性塗料としては、例えば、アクリルウレタン樹脂に体質顔料として炭酸カルシウムやタルクを混合したものであり、アクリルウレタン樹脂100重量部、体質顔料として炭酸カルシウムやタルクを20〜60重量部混合することでポーラスとなって通気性を有するものを例示することができる。
また、揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料としては、三木理研工業社製の「リケンレジンFC」や大塚化学社製の「ケムキャッチ」等を挙げることができ、これらはいずれも尿素系のものである。この「リケンレジンFC」や大塚化学社製の「ケムキャッチ」を吹き付けなどで塗布するとポーラスとなって通気性を有する塗装層となる。
そして、基材5の表面の下部に図2の実施形態のように通気性塗料を塗布して通気性塗装層7のみを形成したり、あるいは、図示を省略しているが、揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料を塗布して揮発性有機化合物を吸着・分解する塗装層を形成したり、あるいは、図示を省略しているが、揮発性有機化合物を吸着・分解する塗装層が通気性を有している場合には、該揮発性有機化合物を吸着・分解する通気性を有する塗装層と、これとは別の通気性塗装層7を重ねて形成したりする。
ここで、基材5の表面の下部に通気性塗料を塗装した場合には、通気性塗装層7から湿気が通気して調湿性を有する多孔質材料を含有する基材5に吸湿されたり、逆に基材5から通気性塗装層7を通気して湿気が室内に放湿されたりするものであり、したがって、この通気性塗装層7および通気性塗装層7の裏面の調湿性を有する基材5の下部の部分が内装用壁パネル10の下部における室内空気調整用壁部4を構成している。この場合、基材5の上下方向の中間部、上部においても調湿性を有する多孔質材料を含んでいるので、この部分においても表面下部の通気性塗装層7を介して湿気の吸放出ができて調湿機能があるので、より、調湿効果が期待できるものであるが、基材5の全体にわたって調湿性を有する多孔質材料を含有するものにのみ限定されず、基材5の下部にのみ調湿性を有する多孔質材料を含有するものであってもよい。
また、基材5の表面の下部に揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料により塗装層を形成した場合にはこの部分が内装用壁パネル10の下部における室内空気調整用壁部4を構成することになる。また、揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料として上記したようにポーラスで通気性を有する塗装層を形成するようなものを使用した場合は、該揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料が通気性塗料を兼用し、揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料により上記のように揮発性有機化合物を吸着・分解するだけでなく、通気をして湿気が通気して調湿性を有する多孔質材料を含有する基材5に吸湿されたり、逆に基材5から通気性塗装層7を通気して湿気が室内に放湿されたりする。
また、揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料として上記したようにポーラスで通気性を有する塗装となるものを使用する場合、更に、揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料の表面側又は裏面側別の通気性塗料を重ねて塗装してもよい。
しかして、本実施形態の内装用壁パネル10は、一枚の内装用壁パネル10を施工するのみで、居室1の壁2の下部、中間部、上部を一度に構成でき、これを横方向に複数並べるように施工していくことにより上記した作用を有する居室1の壁2を簡単に形成することができるものである。
次に、内装用壁パネル10の他の実施形態を図3に基いて説明する。
本実施形態における内装用壁パネル10は、上下方向の長さが居室1の壁2の上下方向の長さと同じ長さ(つまり床から天井までの長さ)の板状をした無機質基材8により主体が構成してあり、該無機質基材8は例えばセメント、消石灰、スラグ、フライアッシュ、珪砂などの水硬性材料90〜97重量%、パルプ3〜10重量%、合成繊維0〜1重量%の配合割合となったものである。無機質基材8の表面下部は後方に凹んだ段面部13となっている。
この無機質基材8の表面の上下方向の中間部及び上部には耐汚染性塗装層6を形成してある。耐汚染性塗装層6は、例えば、ウレタン塗料やアクリル系UV塗料を塗装することで形成される。ウレタン塗料を塗装して耐汚染性塗装層6を形成する場合、例えば日本ペイント社製の「リノール」を使用し、乾燥状態で10〜50g/mとなるように塗装することで耐汚染性塗装層6を形成する。また、UV塗料を塗装して耐汚染性塗装層6を形成する場合、例えば日本ペイント社製の「UVコート60」を使用し、乾燥状態で20〜100g/mとなるように塗装することで耐汚染性塗装層6を形成する。
無機質基材8の表面下部の段面部13には、調湿性を有する多孔質材料を含有する下地材9を積層する。調湿性を有する多孔質材料を含有する下地材9は、例えば、セメント、消石灰、スラグ、フライアッシュ、珪砂などの水硬性材料60〜80重量%、珪藻土、アロフェン、ゼオライトなどの多孔質で調湿性、吸着性を有する多孔質材料を10〜30重量%、パルプ3〜10重量%、合成繊維0〜1重量%の配合割合となったもので、板状に成形してあって段面部13に取着してある。
上記無機質基材8の表面下部の段面部13に取着した調湿性を有する多孔質材料を含有する下地材9の表面には通気性塗料を塗装した通気性塗装層7又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料を塗装した塗装層を形成してある。
通気性塗料としては、例えば、アクリルウレタン樹脂に体質顔料として炭酸カルシウムやタルクを混合したものである。具体例としては、アクリルウレタン樹脂100重量部、体質顔料として炭酸カルシウムやタルクを20〜60重量部混合したもので、体質顔料として炭酸カルシウムやタルクを20〜60重量部混合することでポーラスとなって通気性を有する通気性塗装層7を形成することができる。
また、揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料としては、三木理研工業社製の「リケンレジンFC」や大塚化学社製の「ケムキャッチ」等のものが用いられ、いずれも尿素系のものである。この「リケンレジンFC」や大塚化学社製の「ケムキャッチ」を吹き付けなどで塗布するとポーラスとなって通気性を有する塗装層を形成できる。
そして、基材5の表面の下部に図3の実施形態のように通気性塗料を塗布して通気性塗装層7のみを形成したり、あるいは、図示を省略しているが、揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料を塗布して揮発性有機化合物を吸着・分解する塗装層を形成したり、あるいは、図示を省略しているが、揮発性有機化合物を吸着・分解する塗装層が通気性を有している場合には、該揮発性有機化合物を吸着・分解する塗装層と、これとは別の通気性塗装層7を重ねて形成したりする。
下地材9の表面の下部に通気性塗料を塗装した場合には、通気性塗装層7から湿気が通気して調湿性を有する多孔質材料を含有する下地材9に吸湿されたり、逆に下地材9から通気性塗装層7を通気して湿気が室内に放湿されたりするものであり、したがって、この部分が内装用壁パネル10の下部における室内空気調整用壁部4を構成している。
また、下地材9の表面の下部に揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料を塗装した塗装層を形成した場合にはこの部分が内装用壁パネル10の下部における室内空気調整用壁部4を構成することになる。また、揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料として上記したようにポーラスで通気性を有する塗装層を形成するようなものを使用した場合は、該揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料が通気性塗料を兼用し、揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料により上記のように揮発性有機化合物を吸着・分解するだけでなく、通気をして湿気が通気して調湿性を有する多孔質材料を含有する基材5に吸湿されたり、逆に基材5から通気性塗装層7を通気して湿気が室内に放湿されたりする。
また、揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料として上記したようにポーラスで通気性を有する塗装となるものを使用する場合、更に、揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗料の表面側又は裏面側別の通気性塗料を重ねて塗装してもよい。
しかして、本実施形態の内装用壁パネル10は、前述の内装用壁パネル10と同様に、一枚の内装用壁パネル10を施工するのみで、居室1の壁2の下部、中間部、上部を一度に構成でき、これを横方向に複数並べるように施工していくことにより上記した作用を有する居室1の壁2を簡単に形成することができるものである。しかも、本実施形態においては、コストの高い調湿性を有する多孔質材料を含有する下地材9を無機質基材8の表面の下部に設けるだけでよいので、低コストとなる。
次に、内装用壁パネル10の更に他の実施形態を図4により説明する。本実施形態においては、前述の図2や図3に示す内装用壁パネル10において、上下方向の中間部及び上部の表面を構成する耐汚染性塗装層6と、下部の表面を構成する通気性塗装層7又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗装層との、色又は模様又は光沢又は表面の突出状態又はこれらの2つ以上の組み合わせ状態を異ならせることで外観を変えてある。図4(a)は図2に示す内装用壁パネル10に対応し、図4(b)が図3に示す内装用壁パネル10に対応している。図4(a)、(b)のように、内装用壁パネル10の中間部及び上部の外観と、下部の外観とを異ならせることで、内装用壁パネル10の天地(つまりどちらが上でどちらが下か)が一目で判るようにしてあり、これにより、前述のように、中間部、上部と下部とで機能が異なる一枚ものの内装用壁パネル10を施工するに当たって、内装用壁パネル10の天地の区別が容易につき、誤って上下逆に施工するおそれがないものである。しかも、下部の表面が中間部及び上部と異なった外観となることで、下部が腰壁として外観されて腰壁付き内装用壁パネルとなり、意匠性も向上し、商品価値が高くなる。
ここで、本実施形態において内装用壁パネル10の下部の表面に施される模様や、中間部と上部の表面に施される模様としては、印刷や塗装等による模様、プレスや切削等により形成される表面凹凸による模様等何れのものであってもよい。
また、表面の突出状態を異ならせるとは図示を省略しているが内装用壁パネル10の下部の表面を中央部及び上部の表面よりも前方に突出させるか又は後方に凹ませることである。
本発明の壁構造を備えた居室の一例を示す概略断面図である。 同上に使用する内装用壁パネルの一実施形態を示し、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。 同上に使用する内装用壁パネルの他の実施形態を示し、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。 (a)(b)はそれぞれ同上に使用する内装用壁パネルの更に他の実施形態の斜視図である。
符号の説明
1 居室
2 壁
3 耐汚染性壁部
4 室内空気調整用壁部
5 基材
6 耐汚染性塗装層
7 通気性塗装層
8 無機質基材
9 下地材
10 内装用壁パネル

Claims (4)

  1. 居室の壁の上下方向の中間部及び上部の表面が耐汚染性を有する耐汚染性壁部となり、且つ、壁の下部が調湿性又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する室内空気調整用壁部となっていることを特徴とする居室の壁の構造。
  2. 請求項1の居室の壁の構造に用いるための内装用壁パネルであって、居室の壁と同じ上下長さを有し且つ少なくとも下部に調湿性を有する多孔質材料を含んでいる基材の表面の上下方向の中間部及び上部に耐汚染性塗装層を形成し、基材の表面の下部に通気性塗装層又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗装層を形成して成ることを特徴とする内装用壁パネル。
  3. 請求項1の居室の壁の構造に用いるための内装用壁パネルであって、居室の壁と同じ上下長さを有する無機質基材の表面の上下方向の中間部及び上部に耐汚染性塗装層を形成し、無機質基材の表面の下部に調湿性を有する多孔質材料を含有する下地材を積層すると共に該下地材の表面に通気性塗装層又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗装層を形成して成ることを特徴とする内装用壁パネル。
  4. 耐汚染性塗装層と、通気性塗装層又は/及び揮発性有機化合物を吸着・分解する機能を有する塗装層との、色又は模様又は光沢又は表面の突出状態又はこれらの2つ以上の組み合わせ状態を異ならせて外観が変えてあることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の内装用壁パネル。
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