JP4146646B2 - 難燃性電解液および非水電解質二次電池 - Google Patents

難燃性電解液および非水電解質二次電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のリン系難燃剤が添加されてなる難燃性の電解液およびそれを用いた非水電解質二次電池に関する。更に詳しくは、本発明は特定のリン系難燃剤の添加でサイクル特性が極めて良好な非水電解質二次電池用電解液およびそれを用いた電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノート型パソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのポータブル機器の普及に伴い、使い捨ての一次電池に替わって、リチウム電池などの二次電池が脚光を浴びている。リチウム電池はそのエネルギー密度が高い点で非常に有用であり、各社にて盛んに検討が行われているが、充放電を繰り返すことにより、電解液中に溶け出したリチウムが負極表面に均一に析出せずに局所的に析出し、そこを成長核としてリチウムが樹枝(デンドライト)状に成長して、やがて正極と短絡し、ショートを引き起こし、場合によっては発火するという問題がある。
【0003】
また、非水電解質二次電池に電解液として使用されている非水系の化合物としては、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどのカーボネート系化合物、ならびにγ−ブチロラクトンおよびジメトキシエタンなどの有機溶媒が挙げられるが、これらは非常に燃えやすい化合物であるため、ショートなどにより火災の原因となる恐れがある。
【0004】
このような問題を解決するために、電解液を難燃化することが検討されている。例えば、特開平4−184870号公報、特開平10−50342号公報、特開平11−233141号公報などには、各種リン酸エステルを電解液に添加することにより電解液を難燃化することが提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの従来技術に従って電解液にリン酸エステルを添加すると、リン酸エステルと負極材料との反応によって放電容量が低下する結果、充分な放電容量が得られなかったり、サイクル特性が低下してしまい、二次電池として使用可能なサイクル数が低下してしまうという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた難燃性を有し、かつ非水電解質二次電池のサイクル特性などの負極特性の低下が少ない難燃性電解液、およびこの難燃性電解液を使用した、特性が極めて良好な非水電解質二次電池を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、特定のリン系難燃剤を使用することにより、優れた難燃性を電解質に付与し、ショート等による火災を防止することができ、サイクル特性の良好な難燃性電解液として極めて有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明によれば、以下の電解液、二次電池および非水二次電池用難燃剤が提供される。
【0009】
(1) 電解質溶媒と、
一般式(I):
【0010】
【化5】
Figure 0004146646
(式中、R1はC1〜C4の直鎖または枝分かれを有するアルキル基を示す)
で表されるホスホネートと、
一般式(II):
【0011】
【化6】
Figure 0004146646
(式中、R2〜R4は同一または異なってC1〜C4の直鎖または枝分かれを有するアルキル基を示す)
で表されるホスフェートとを含有する、難燃性電解液。
【0012】
(2) ホスホネートとホスフェートとの混合比が10/90〜90/10(重量/重量)である、上記項(1)に記載の難燃性電解液。
【0013】
(3) R1がメチル基またはエチル基である、上記項(1)に記載の難燃性電解液。
【0014】
(4) 上記項(1)〜(3)のいずれか1項に記載の難燃性電解液を含有する非水電解質二次電池。
【0015】
(5) 非水二次電池電解質用難燃剤であって、
一般式(I):
【0016】
【化7】
Figure 0004146646
(式中、R1はC1〜C4の直鎖または枝分かれを有するアルキル基を示す)
で表されるホスホネートと、
一般式(II):
【0017】
【化8】
Figure 0004146646
(式中、R2〜R4は同一または異なってC1〜C4の直鎖または枝分かれを有するアルキル基を示す)
で表されるホスフェートとを含有する、難燃剤。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の難燃剤は、一般式(I)で表されるホスホネートおよび一般式(II)で表されるホスフェートが混合された難燃剤である。本発明の難燃性電解液は、この難燃剤が添加された電解液である。本発明の難燃性電解液は、上記難燃剤と有機溶媒との混合物であって、通常はさらに電解質塩を含む。また、本発明の非水電解質二次電池は、この電解液を含む電池である。
【0019】
なお、本明細書中においては、上記一般式(I)で表されるホスホネートを、「ホスホネート化合物(I)」ともいう。また、上記一般式(II)で表されるホスフェートを、「ホスフェート化合物(II)」ともいう。
【0020】
(難燃剤)
本発明の難燃剤は、ホスホネート化合物(I)およびホスフェート化合物(II)が混合された、混合物からなる難燃剤である。本発明の難燃剤は、公知の非水二次電解質に使用できる。本発明の難燃剤は、液体電解質に好ましく使用されるが、液体電解質以外の性状の電解質に使用しても良い。液体以外の電解質としては、例えば、ゲル電解質が挙げられる。ゲル電解質の例としては例えば、ポリフッ化ビニリデンを主体としてポリマーマトリックスとするゲル電解質、PEO(ポリエチレンオキサイド)を主体としてポリマーマトリックスとするゲル電解質、およびPMMA(ポリメチルメタクリレート)を主体としてポリマーマトリックスとするゲル電解質などが挙げられる。
【0021】
上記ホスホネート化合物(I)の具体例としては、ネオペンチルグリコールメチルホスホネート、ネオペンチルグリコールエチルホスホネート、ネオペンチルグリコール−n−プロピルホスホネート、ネオペンチルグリコール−iso−プロピルホスホネート、ネオペンチルグリコール−n−ブチルホスホネート、ネオペンチルグリコール−iso−ブチルホスホネート、ネオペンチルグリコール−t−ブチルホスホネートなどが挙げられる。好ましくは、ネオペンチルグリコールメチルホスホネート、ネオペンチルグリコールエチルホスホネートであり、より好ましくは、ネオペンチルグリコールメチルホスホネートである。
【0022】
上記ホスフェート化合物(II)の具体例としては、トリメチルホスフェート、エチルジメチルホスフェート、ジエチルメチルホスフェート、トリエチルホスフェートなどが挙げられる。好ましくは、トリメチルホスフェートである。
【0023】
電解液中のホスホネート化合物(I)とホスフェート化合物(II)との混合物の使用量は、電解液中のホスホネート化合物(I)とホスフェート化合物(II)との混合物の含有率として5重量%以上であることが好ましい。また、60重量%以下であることが好ましく、50重量%以下であることがより好ましく、30重量%以下であることがさらに好ましい。ホスホネート化合物(I)とホスフェート化合物(II)との混合物の含有率が少なすぎる場合には、充分な難燃化効果が得られにくい。また、ホスホネート化合物(I)とホスフェート化合物(II)との混合物の含有率が多すぎる場合には、サイクル特性が低下しやすい。
【0024】
ホスホネート化合物(I)とホスフェート化合物(II)との混合物中のホスホネート化合物(I)の比率は、1重量%以上であることが好ましく、3重量%以上であることがより好ましく、5重量%以上であることがさらに好ましく、10重量%以上であることが特に好ましい。またホスホネート化合物(I)とホスフェート化合物(II)との混合物中のホスフェート化合物(II)の比率は、99重量%以下であることが好ましく、97重量%以下であることがより好ましく、95重量%以下であることがさらに好ましく、90重量%以下であることがいっそう好ましく、80重量%以下であることが特に好ましい。1つの好ましい実施態様では、難燃剤中のホスホネート化合物(I)とホスフェート化合物(II)との混合比率は、10/90〜90/10(重量/重量)の範囲である。
【0025】
難燃剤中のホスホネート化合物(I)の比率が低すぎる場合には、充分なサイクル特性が得られにくい。また、ホスホネート化合物(I)の比率が高すぎる場合には、電解液の充分な難燃性が得られにくい。
【0026】
難燃剤中のホスフェート化合物(II)の比率が低すぎる場合には、電解液の充分な難燃性が得られにくい。また、ホスフェート化合物(II)の比率が高すぎる場合には、充分なサイクル特性が得られにくい。
【0027】
上記ホスホネート化合物(I)の合成方法は、特に限定されるものではなく、有機リン化合物の分野の一般的な公知の合成方法により得ることができる。
【0028】
上記ホスフェート化合物(II)の合成方法は、特に限定されるものではなく、有機リン化合物の分野の一般的な公知の合成方法により得ることができる。
【0029】
(電解液)
本発明の電解液には、通常は、電解質塩が添加される。使用可能な電解質塩には特に限定はなく、通常の二次電池に使用され得る任意の電解質塩が本発明の電解液に使用され得る。例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、CF3SO3Li、N(CF3SO22Li、C(CF3SO23Li、LiI、LiAlCl4、NaClO4、NaBF4、NaI等が挙げられる。二次電池の性能のバランスの点で、LiPF6およびLiBF4が好適である。
【0030】
上記電解質塩の電解液中の濃度は、0.1モル/リットル以上であることが好ましく、0.3モル/リットル以上であることがより好ましい。また、2.0モル/リットル以下であることが好ましく、1.5モル/リットル以下であることがさらに好ましい。濃度が低すぎる場合には、充分な出力特性が得られにくい。また、濃度が高すぎる場合には、電解液の安定性を損ないやすく、また導電率も低下することがある。
【0031】
本発明の電解液に用いられる有機溶媒としては特に限定はなく、二次電池用電解液に用いられる従来公知の有機溶媒が用いられる。具体的には、例えば、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、エチレングリコールジメチルカーボネート、プロピレングリコールジメチルカーボネート、エチレングリコールジエチルカーボネート、ビニレンカーボネートなどのカーボネート類;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソールなどのエーテル類;3−メチルスルホランなどのスルホラン類;1,3−ジオキソランなどのジオキソラン類;4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類;1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
上記有機溶媒の中でも、カーボネート類またはラクトン類が好ましく、例えば、カーボネート類としてはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートなど、またラクトン類としてはγ−ブチロラクトンなどが好ましい。
【0033】
電解液の含水率は、低く制御されることが好ましい。含水率が高い電解液をリチウム電池に用いると、水と充電生成物との不可逆的な反応により、電池の放電容量が低下しやすく、また充放電サイクル特性が低下しやすい。従って、本発明の電解液の含水率は、好ましくは、500ppm以下であり、より好ましくは100ppm以下であり、さらに好ましくは、50ppm以下であり、いっそう好ましくは20ppm以下であり、特に好ましくは10ppm以下である。電解液の含水率を低下させる方法としては、従来公知の任意の乾燥方法で電解液の各材料を乾燥させることができる。例えば、ホスホネート化合物(I)およびホスフェート化合物(II)を、蒸留するかまたは乾燥剤などを用いて乾燥するなどの方法により、容易に含水量を調整することができる。もちろん、各材料が混合されて得られた電解液を、乾燥剤などを用いて乾燥してもよい。
【0034】
本発明の電解液は、公知の非水電解質二次電池に使用され得る。特に、本発明の電解液は、負極特性が良好であるので、従来技術に従った電解液にこれらリン酸エステルを添加することで難燃性を有し、良好なサイクル特性が得られる非水電解質二次電池として有用である。特に本発明によれば、従来技術における、電解液にリン酸エステルを添加すると、リン酸エステルと負極材料との反応によって放電容量が低下する結果、充分な放電容量が得られなかったり、サイクル特性が低下してしまい、二次電池として使用可能なサイクル数が低下してしまうという欠点が改良される。
【0035】
(電池)
本発明の非水電解質二次電池は、電解液として上述した難燃性の電解液を用いたものである。この二次電池を構成する正極、負極、集電体等の材料については、物性を損なわない限りにおいて特に制限はなく、任意の従来公知の非水電解質二次電池用の材料が使用可能である。正極活物質としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24などが挙げられる。集電体としてはAlやステンレス等が挙げられる。集電体の上に正極活物質を含む合剤を圧着塗布することにより正極が得られる。負極活物質としては、天然グラファイト、球状あるいは繊維状人造黒鉛、低結晶性炭素、金属−炭素複合材料など従来公知の炭素質材料や金属リチウム等が挙げられる。
【0036】
本発明の非水電解質二次電池の形状には特に制限はなく、偏平(ボタン)型、円筒型、角型など種々の形状の電池として使用できる。
【0037】
本発明の二次電池用非水電解液は、アルカリ金属塩(特にリチウム塩)を支持電解質とするいずれのタイプの二次電池にも適用される。二次電池の種類としては、携帯電話やノート型パソコン等の機器に使用されるような小型電池、電力需要負荷平坦化に使用されるような2〜3kwhの定置型電池、ならびに電気自動車やハイブリッド自動車等の移動体用に使用される二次電池が挙げられる。
【0038】
本発明の電解液を用いた電池の一例であるコイン型電池について、図1を参照して説明する。この電池は、断面円形状の正極缶2に収容された正極1と、断面円形状の負極缶4に収容され、セパレータ5を介して正極1に対向して配置される負極3とを有する。正極缶2と負極缶4との間は、周縁部の封口ガスケット6を介して封止され、かつ電気的に絶縁されている。セパレータ5には空隙部分があり、空隙部分には電解液が含まれている。電解液中の電解質イオンは、セパレータ5の空隙部分を介して、正極1と負極3との間を移動可能である。
【0039】
負極3、正極1、セパレータ5、負極缶4、正極缶2および封口ガスケット6には、それぞれリチウム二次電池用の材料として従来公知の任意の材料が使用可能である。
【0040】
セパレータは、空隙部分があって、電解質イオンを透過できる絶縁性材料であればよく、オレフィン系ポリマー製の多孔質膜などが使用可能である。
【0041】
【実施例】
本発明を以下の実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の範囲が限定されるものではない。
【0042】
電解液の難燃性および電池性能は、以下の方法で評価した。
【0043】
(電解液の難燃性評価)
市販されているガラス繊維フィルターを幅5mm、長さ70mmの短冊状に切断し真空乾燥させたもの(シリカゲル)を、調整した電解液中に3分間浸漬させる。その後3分間垂直につり下げて過剰な電解液を除く。このようにして電解液を含浸させたガラスフィルターを長さ方向に水平に固定する。その一端よりライターで5秒間着火し、火源を取り除いた状態から消炎するまでの時間で難燃性を評価した。
【0044】
表1に示す組成の溶媒中に溶質LiPF6を溶解して、溶質濃度が1mol/dm3になるように調整して、電解液を得た。
【0045】
なお、表1中の略号の意味は以下のとおりである。
EC:エチレンカーボネート
DMC:ジメチルカーボネート
NpMPna:ネオペンチルグリコールメチルホスホネート
TEP:トリエチルホスフェート
TMP:トリメチルホスフェート
炭素材料の特性評価用セルを以下のとおりに作成した。まず、粉末にした炭素材料とポリフッ化ビニリデンとN−メチル−2−ピロリドンを混合してスラリー状とした。このスラリーを、集電体としての銅箔に塗布・乾燥後、直径15mmの円板状に打ち抜いて作用極を作成した。対極として、直径15mm、厚さ1mmの金属リチウムを用いた。セパレーターとして、ガラス繊維系のセパレーターを使用した。上述した試験用の電解液をセパレーターにしみ込ませた。
【0046】
評価用セルとしてコイン型セルを準備した。この評価用セルの所定位置に、上記作用極、電解液をしみ込ませたセパレーターおよび対極を順次入れ、封入して炭素材料の評価用セルとした。
【0047】
(サイクル特性の測定)
炭素材料は通常リチウムイオン電池の負極として用い、リチウムイオン電池の充電時には炭素材料にリチウムが吸蔵される。したがって、本発明においては炭素材料評価用セルのサイクル試験においても「充電」を炭素材料の還元、即ち「リチウム吸蔵」の方向に電流を流す意味に用いる。サイクル試験は、充電終止電圧を0V、放電終止電圧を1.5Vに設定し、1/12CmA(12時間率)(試験セルの理論放電容量は1.0〜2.0mAh)の定電流法で充電・放電を繰り返すことにより行い、各サイクルの放電容量を測定した。
【0048】
得られた結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0004146646
【0050】
【発明の効果】
表1のデータに示されるとおり、本発明によれば、ホスホネートとホスフェートの両方を含有する電解液を用いる非水電解質二次電池において優れた難燃性と容量保持率とが両立される。具体的には例えば、トリメチルホスフェート20重量%を用いた比較例4の電解液では、10サイクル後の容量保持率がわずかに25%に過ぎなかったのに対して、実施例1〜5の電解液では10サイクル後で56〜88%という極めて高い容量保持率が得られた。
【0051】
実施例1および2においては特に良好であったので、比較例1および4とともに、50サイクルまで実験を延長した。実施例1および2においては50サイクル後で76〜91%という極めて高い容量保持率が得られた。トリメチルホスフェート20重量%を用いた比較例4の電解液では、50サイクル後の容量保持率がわずかに3%に過ぎなかったのに比べて、ネオペンチルグリコールメチルホスホネートと、トリエチルホスフェートまたはトリメチルホスフェートとを用いた実施例1および2では極めて高い容量保持率が得られていることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の電解液のサイクル特性(1〜50サイクル)を示すグラフである。
【図2】本発明の非水電解液を用いたコイン型電池の一例を示す概略図。
【符号の説明】
1.正極
2.正極缶
3.負極
4.負極缶
5.セパレータ
6.封口ガスケット

Claims (5)

  1. 電解質溶媒として使用される有機溶媒と、
    一般式(I):
    Figure 0004146646
    (式中、RはC〜Cの直鎖または枝分かれを有するアルキル基を示す)
    で表されるホスホネートと、
    一般式(II):
    Figure 0004146646
    (式中、R〜Rは同一または異なってC〜Cの直鎖または枝分かれを有するアルキル基を示す)
    で表されるホスフェートとを含有する、難燃性電解液。
  2. ホスホネートとホスフェートとの混合比が10/90〜90/10(重量/重量)である、請求項1に記載の難燃性電解液。
  3. がメチル基またはエチル基である、請求項1に記載の難燃性電解液。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の難燃性電解液を含有する非水電解質二次電池。
  5. 非水二次電池電解質用難燃剤であって、
    一般式(I):
    Figure 0004146646
    (式中、RはC〜Cの直鎖または枝分かれを有するアルキル基を示す)
    で表されるホスホネートと、
    一般式(II):
    Figure 0004146646
    (式中、R〜Rは同一または異なってC〜Cの直鎖または枝分かれを有するアルキル基を示す)
    で表されるホスフェートとを含有する、難燃剤。
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