JPH11191430A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

Info

Publication number
JPH11191430A
JPH11191430A JP9360581A JP36058197A JPH11191430A JP H11191430 A JPH11191430 A JP H11191430A JP 9360581 A JP9360581 A JP 9360581A JP 36058197 A JP36058197 A JP 36058197A JP H11191430 A JPH11191430 A JP H11191430A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbonate
secondary battery
aqueous electrolyte
electrolyte secondary
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9360581A
Other languages
English (en)
Inventor
Miho Ito
みほ 伊藤
Kyohei Usami
恭平 宇佐美
Naohiro Kubota
直宏 久保田
Nobuya Mashita
伸弥 真下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Asahi Denka Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Asahi Denka Kogyo KK filed Critical Denso Corp
Priority to JP9360581A priority Critical patent/JPH11191430A/ja
Publication of JPH11191430A publication Critical patent/JPH11191430A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】難燃性の高い電解液を備え、高い放電電圧と大
きな電池容量とを有するなど電池性能に優れている非水
電解液二次電池を提供する。 【解決手段】本発明の非水電解液二次電池は、鎖状カー
ボネート及び環状カーボネートの少なくとも一種と、ト
リエチルホスフェートと、を溶媒として含有する電解液
を備え、該電解液に該トリエチルホスフェートが該溶媒
の全体量に対して25〜50体積%含まれていることを
特徴とする。好ましくはエチレンカーボネートを用い
る。更にエチレンカーボネートと、エチレンカーボネー
トよりドナー数が低く、かつ粘性の低いプロピオンカー
ボネートジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、エチルメチルカーボネートを用いることがより好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解液を備え
る非水電解液二次電池に関し、携帯用電子機器や電気自
動車などのバッテリーとして利用することができる。
【0002】
【従来の技術】エネルギー問題及び環境問題を背景に、
電力をより有効に活用する技術が求められている。その
ためには、多量の電気を蓄え、かつ効率的にその蓄えた
電気を取り出すことができる電気貯蔵手段が必要であ
る。こうした電気の貯蔵手段としては、大きな電池容量
と高い放電電圧をもち、かつ繰り返し充放電を行うこと
ができる二次電池が最適である。
【0003】このような二次電池として、リチウムイオ
ン二次電池に代表される非水電解液二次電池がある。非
水電解液二次電池は、電解液の溶媒に有機溶媒を用いて
いるため、電解液が水溶液である電池に比べて電解液の
漏れが生じにくいという長所をもつ。特にリチウムイオ
ン二次電池は、高寿命で安全性が高いため、実用的に優
れているとして携帯用電子機器や電気自動車などのバッ
テリーなどへの利用が期待されている。
【0004】このような非水電解液二次電池の電解液に
は、従来より、エチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネ
ートなどが有機溶媒として用いられている。こうしたカ
ーボネート系の有機溶媒を用いた電池は、高い放電電圧
と大きな電池容量とをもつなど電池性能に優れている。
しかしながら、カーボネート系の有機溶媒は引火点が比
較的低いため、こうしたカーボネート系の有機溶媒を用
いた電解液は難燃性が低い。
【0005】そこで、電解液に難燃性をもたせるため
に、溶媒として鎖状アルキルホスフェートや環状ホスフ
ェートなど比較的高い引火点をもつリン酸エステルを用
いることが提案されている(特開平4−184870号
公報及び特開平8−111238号公報など)。しかし
ながら、リン酸エステルを溶媒の主要な成分とすると、
充電時に負極界面で正常な電極反応とは異なった副反応
が生じて電池性能が低下するという問題がある。このこ
とは、負極に炭素材料を用いたリチウムイオン二次電池
において顕著に現れ、充電時においては、負極表面の副
反応によってリチウムイオンが負極にインターカレーシ
ョンすることが難しくなる。その結果、電池容量が大幅
に低下してしまう。
【0006】一方、特開平6−283205号公報に
は、電池としての性能を維持し、難燃性を付与するため
には、1〜20体積%でリン酸エステルを添加すること
が提案されている。しかし、リン酸エステルを少量添加
しただけでは、電解液の難燃性を充分に向上させること
ができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、難燃性の高い電解液を備え、
高い放電電圧と大きな電池容量とを有するなど電池性能
に優れている非水電解液二次電池を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するべく、鎖状カーボネート及び環状カーボネート
のうちの少なくとも一種と、トリエチルホスフェート
と、を溶媒として含有する電解液を備える非水電解液二
次電池において、トリエチルホスフェートの含有量を変
えて試行実験を行った。
【0009】その結果、電解液の溶媒の全体量を100
体積%とすると、トリエチルホスフェートの含有量が2
5体積%未満では、電解液の難燃性を充分に向上させる
ことができないことがわかった。一方、トリエチルホス
フェートの含有量が50体積%を超えると、電池の充電
時に負極界面で正常な電極反応とは異なった副反応が生
じて充分に優れた電池性能を得ることができないことが
わかった。そしてついに、トリエチルホスフェートの含
有量を25〜50体積%の範囲内にすることにより、電
解液の難燃性が高くなり、かつこの電解液を備えた非水
電解液二次電池が高い放電電圧と大きな電池容量とを有
するなど電池性能に優れていることを見いだした。
【0010】本発明は以上の知見に基づいてなされたな
されたものである。すなわち、本発明の非水電解液二次
電池は、鎖状カーボネート及び環状カーボネートのうち
の少なくとも一種と、トリエチルホスフェートと、を溶
媒として含有する電解液を備え、該電解液に該トリエチ
ルホスフェートが該溶媒の全体量に対して25〜50体
積%含まれていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の非水電解液二次電池で
は、電解液の他は公知の非水電解液二次電池と同じ形態
を採用することができる。従って、電池の構造及び形状
については、公知のコイン型電池、ボタン型電池、円筒
型電池及び角型電池等の電池と同じにすることができ、
その正極、負極、セパレータ及び電池容器等の材料にも
公知の材料を用いることができる。また、本発明の非水
電解液二次電池の製造方法についても電解液の調製の他
は、公知の非水電解液二次電池の製造方法で製造するこ
とができる。
【0012】本発明の非水電解液二次電池の電解液は、
鎖状カーボネート及び環状カーボネートのうちの少なく
とも一種と、トリエチルホスフェートとを溶媒として含
有し、電解液にトリエチルホスフェートが溶媒の全体量
に対して25〜50体積%含まれていれば特に限定され
るものではないが、以下のような電解液を用いることが
好適である。
【0013】前記鎖状カーボネート及び環状カーボネー
トの少なくとも一種は、エチレンカーボネートであるこ
とが好ましい。この電解液を用いた電池は、放電電圧及
び電池容量などの電池性能において、他の鎖状カーボネ
ート及び環状カーボネートを用いたものよりも優れてい
る。エチレンカーボネートはリチウムイオンに溶媒和し
やすい物質である。それゆえ、エチレンカーボネート以
外の溶媒要素による負極表面での不安定な副反応を抑制
することができる。
【0014】このとき、前記エチレンカーボネートは5
0体積%以下含まれていることが好ましい。このように
エチレンカーボネートの含有量を限定することにより、
放電電圧及び電池容量などの電池性能をより一層向上さ
せることができる。また、前記鎖状カーボネート及び環
状カーボネートの少なくとも一種は、前記エチレンカー
ボネートと、エチレンカーボネートよりドナー数が低
く、かつ粘性の低いカーボネートであることが好まし
い。このような電解液を用いることにより、放電電圧、
電池容量、充放電効率及び低温特性などの電池性能を向
上させることができる。
【0015】ここでドナー数とは、ある分子のドナーと
しての性質を溶媒には無関係な量として表したもので、
供与性とも呼ばれる。ドナー数は、基準のアクセプター
としてジクロロエタン中10-3MのSbCl3を選び、
ドナーとの反応のモルエンタルピー値として定義され
る。このドナー数は、リチウムイオンの溶媒和のし易さ
を表す指標にもなる。このドナー数は、その溶媒中にお
けるNaClO422Na−NMRの化学シフトから
間接的に推定されたものでもよい(Erlich& P
opou,J.Am.Chem.Soc.93,562
0(1971))。
【0016】エチレンカーボネートのドナー数は16.
4である。このエチレンカーボネートよりドナー数の低
いカーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及
びエチルメチルカーボネートなどのアルキルカーボネー
ト類を挙げることができる。これらのアルキルカーボネ
ート類は15付近のドナー数をもつ。
【0017】このように、エチレンカーボネートと併用
するカーボネート化合物として、エチレンカーボネート
よりドナー数の小さい化合物を選択することにより、エ
チレンカーボネートをさらに選択的にリチウムイオンと
溶媒和させることができる。それゆえ、エチレンカーボ
ネート以外の溶媒要素による負極表面での不安定な副反
応をさらに抑制することができる。
【0018】中でもプロピレンカーボネート、ジメチル
カーボネート、ジエチルカーボネート及びエチルメチル
カーボネートは、ドナー数及び粘性の両方においてエチ
レンカーボネートより低く、特に好ましいものである。
このとき、前記エチレンカーボネートよりドナー数が低
く、かつ粘性の低い鎖状カーボネート及び環状カーボネ
ートの少なくとも一種は、25体積%以下含まれている
ことが好ましい。エチレンカーボネートよりドナー数が
低く、かつ粘性の低いカーボネートの含有量をこのよう
に限定することにより、放電電圧、電池容量、充放電効
率及び低温特性などの電池性能をより一層向上させるこ
とができる。
【0019】一方、電解液の電解質については特に限定
されるものではないが、LiPF6、LiBF4、LiC
lO4及びLiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の
誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF32及び
LiN(SO3CF33から選ばれる有機塩、並びに該
有機塩の誘導体の少なくとも一種であることが好まし
い。この電解液を用いた電池は、放電電圧及び電池容量
などの電池性能において、他の電解質を溶解させた電解
液を用いたものよりもさらに優れている。
【0020】また、正極及び負極については前述したよ
うに特に限定されるものではないが、リチウムイオンを
放出できる正極と、該正極から放出されたリチウムイオ
ンを吸蔵及び放出できる炭素材料よりなる負極と、を備
えることが好ましい。このような電池はリチウムイオン
二次電池と一般的に呼ばれ、高寿命で安全性が高い。こ
のとき、正極については、リチウムイオンを放出できれ
ば特に限定されることがなく、公知の電極を用いること
ができる。例えば、LiMn24を正極活物質として含
む電極を用いることができる。
【0021】また、負極については、正極から放出され
たリチウムイオンを吸蔵及び放出できる炭素材料よりな
るものであれば特に限定されるものではなく、公知の電
極を用いることができる。このような炭素材料として
は、結晶性の高い天然黒鉛や人造黒鉛を用いることがで
き、粉末性のものを公知の製造方法で形成したものを用
いることができる。また、粉末性の炭素材料の粒子形状
についても特に限定されるものではなく、球状、鱗片状
及び繊維状などの形状をもつものを用いることができ
る。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)本実施例の非水電解質二次電池は、図1に
模式的に示すように、リチウムイオンを放出できる正極
1と、正極1から放出されたリチウムイオンを吸蔵及び
放出できる炭素材料よりなる負極2と、電解液3、3と
を備えるコイン型のリチウムイオン二次電池である。こ
の電池では、正極1、負極2及び非水電解液3がステン
レスよりそれぞれなる正極ケース4および負極ケース5
内にポリプロピレンよりなるガスケット6、6を介して
密封されている。正極1と負極2との間にはポリエチレ
ン製のフィルムよりなるセパレータ7が介在している。
【0023】正極1は、アルミニウムよりなる正極集電
体1aの表面上にLiMn24を正極活物質としてもつ
ものである。正極1は次のようにして形成したものであ
る。90重量部のLiMn24と10重量部のポリフッ
化ビニリデンとの混合物にN−メチル−2−ピロリドン
を加えて混練し、スラリーを得た。このスラリーを正極
集電体に塗布して乾燥させ、さらにプレス成形を行って
正極1を得た。
【0024】負極2は、銅よりなる負極集電体2aの表
面上に炭素材料を負極活物質としてもつものである。こ
の負極2は次のようにして形成したものである。先ず、
90重量部の炭素粉末と10重量部のポリフッ化ビニリ
デンとの混合物にN−メチル−2−ピロリドンを加えて
混練し、スラリーを得た。このスラリーを負極集電体に
塗布して乾燥させ、さらにプレス成形を行って負極2を
得た。
【0025】非水電解液3は、エチレンカーボネート
(EC)とトリエチルホスフェートとをそれぞれ等体積
ずつ混合して得た溶媒に、電解質としてLiPF6を1
モル/リットルの濃度で溶解して調製した。すなわち、
この非水電解液3は、トリエチルホスフェートが溶媒の
全体量に対して50体積%含まれているものであり、鎖
状カーボネート及び環状カーボネートのうちの少なくと
も一種としてエチレンカーボネートを採用し、かつエチ
レンカーボネートの含有量を50体積%としたものであ
る。
【0026】本実施例の非水電解液二次電池は、以上の
ようにして得られた正極1、負極2及び非水電解液3を
用いて次のようにして作製した。先ず、正極1及び負極
2をそれぞれ正極ケース4および負極ケース5に溶接
し、これらの溶接体の間にセパレータ7を挟んで重ね合
わせた。続いて非水電解液3、3を所定場所に注入した
後、ガスケット6、6で密封して本実施例の非水電解液
二次電池を完成した。 (実施例2)EC、プロピレンカーボネート(PC)及
びトリエチルホスフェートをそれぞれ等体積ずつ混合し
て得た溶媒に、電解質としてLiPF6を1モル/リッ
トルの濃度で溶解して非水電解液を調製した。この非水
電解液を用いて、実施例1の非水電解液二次電池と同様
の電池を作製した。 (実施例3)EC、PC及びトリエチルホスフェートを
それぞれ50体積%、25体積%及び25体積%の割合
で混合して得た溶媒に、電解質としてLiPF6を1モ
ル/リットルの濃度で溶解して非水電解液を調製した。
この非水電解液を用いて、実施例1の非水電解液二次電
池と同様の電池を作製した。 (実施例4)EC、ジメチルカーボネート(DMC)及
びトリエチルホスフェートをそれぞれ50体積%、25
体積%及び25体積%の割合で混合して得た溶媒に、電
解質としてLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解
して非水電解液を調製した。この非水電解液を用いて、
実施例1の非水電解液二次電池と同様の電池を作製し
た。 (実施例5)EC、ジエチルカーボネート(DEC)及
びトリエチルホスフェートをそれぞれ50体積%、25
体積%及び25体積%の割合で混合して得た溶媒に、電
解質としてLiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解
して非水電解液を調製した。この非水電解液を用いて、
実施例1の非水電解液二次電池と同様の電池を作製し
た。 (実施例6)EC、エチルメチルカーボネート(EM
C)及びトリエチルホスフェートをそれぞれ50体積
%、25体積%及び25体積%の割合で混合して得た溶
媒に、電解質としてLiPF6を1モル/リットルの濃
度で溶解して非水電解液を調製した。この非水電解液を
用いて、実施例1の非水電解液二次電池と同様の電池を
作製した。 (比較例1)EC、DECをそれぞれ等体積ずつ混合し
て得た溶媒に、電解質としてLiPF6を1モル/リッ
トルの濃度で溶解して非水電解液を調製した。この非水
電解液を用いて、実施例1の非水電解液二次電池と同様
の電池を作製した。 (比較例2)EC、PCをそれぞれ等体積ずつ混合して
得た溶媒に、電解質としてLiPF 6を1モル/リット
ルの濃度で溶解して非水電解液を調製した。この非水電
解液を用いて、実施例1の非水電解液二次電池と同様の
電池を作製した。 (比較例3)トリエチルホスフェートのみからなる溶媒
に、電解質としてLiPF6を1モル/リットルの濃度
で溶解して非水電解液を調製した。この非水電解液を用
いて、実施例1の非水電解液二次電池と同様の電池を作
製した。 (比較例4)EC及びトリエチルホスフェートをそれぞ
れ30体積%及び70体積%の割合で混合して得た溶媒
に、電解質としてLiPF6を1モル/リットルの濃度
で溶解して非水電解液を調製した。この非水電解液を用
いて、実施例1の非水電解液二次電池と同様の電池を作
製した。 (比較例5)EC、PC及びトリエチルホスフェートを
それぞれ40体積%、40体積%及び20体積%の割合
で混合して得た溶媒に、電解質としてLiPF6を1モ
ル/リットルの濃度で溶解して非水電解液を調製した。
この非水電解液を用いて、実施例1の非水電解液二次電
池と同様の電池を作製した。 (電解液の難燃性の評価)実施例1〜6及び比較例1〜
5で調製された各電解液の難燃性を調べるために、次の
ような燃焼速度試験を実施した。
【0027】先ず、各電解液に、幅15mm、長さ32
0mmに裁断した厚さ0.04mmのセパレータ用マニ
ラ紙をそれぞれ浸漬し、マニラ紙に電解液を含浸させ
た。その後、各電解液からマニラ紙をそれぞれ引き上げ
て大気中で3分間垂直につり下げ、マニラ紙に余分に付
いた電解液を滴下させて除いた。次に、支持針を有して
マニラ紙を刺し並べることができるサンプル台を用意
し、先のようにして電解液を含浸させた各マニラ紙を2
5mm間隔でサンプル台の支持針に刺して水平に固定し
た。このサンプル台を250mm×250mm×500
mmの金属製の箱に入れ、その一端にライターで着火し
た。
【0028】このとき、マニラ紙の長手方向に燃焼が移
っていく速度(以下、単に燃焼速度と呼ぶことにする)
を測定し、電解液の難燃性を評価した。各電解液の燃焼
速度の測定結果を表1に示した。なお、表1には溶媒の
組成比も併せて示した。
【0029】
【表1】
【0030】(電池の放電充放電効率の評価)実施例1
〜6及び比較例1〜5の各非水電解液二次電池につい
て、次のようにして充放電試験を行った。1mA/cm
2 の定電流、4.2Vの定電圧で合計4時間充電した
後、0.25〜4mA/cm2 の定電流で終止電圧を
3.0Vとする放電を行った。このときの1サイクル目
の放電容量を測定した。各電池の放電容量の測定結果を
表1に併せて示す。
【0031】先ず、比較例について説明する。表1に示
したように、比較例1、比較例2及び比較例5の各電池
においては、それらの放電容量は1.12〜1.77と
比較的高いものの、燃焼速度が1.4〜6.9mm/s
と高く、電解液の難燃性が低いことがわかる。一方、比
較例3及び比較例4の電池では、電解液の燃焼速度がい
ずれも0mm/sであって難燃性に優れているものの、
放電容量がそれぞれ0.04及び0.48と低いことが
わかる。なお、この電解液の燃焼速度が0mm/sとい
うことは、火がマニラ紙を燃え広がることがなかったこ
とを意味している。
【0032】以上の比較例に対し、実施例1〜6の各非
水電解液二次電池は、1.06〜1.77mAhの高い
放電容量をもち、かつそれらの電解液の燃焼速度はいず
れも0mm/sであった。この結果より、実施例1〜6
の各電池は、放電容量及び難燃性においてともに優れて
いることがわかる。すなわち、鎖状カーボネート及び環
状カーボネートの少なくとも一種と、トリエチルホスフ
ェートと、を溶媒として含有する電解液を備えた非水電
解液二次電池においては、トリエチルホスフェートが溶
媒の全体量に対して25〜50体積%含まれている電解
液を用いることにより、難燃性の高い電解液を備え、か
つ高い放電電圧と大きな電池容量とをもつなど電池性能
に優れている電池とすることができる。
【0033】また、実施例1及び実施例2の電池につい
て、それらの放電容量を比較してわかるように、鎖状カ
ーボネート及び環状カーボネートの少なくとも一種とし
て、エチレンカーボネートとともにエチレンカーボネー
トよりドナー数及び粘性の低いPCが溶媒に含まれてい
る電解液を用いることにより、放電容量をさらに大きく
することができる。
【0034】また、実施例2及び実施例3の電池につい
て、それらの放電容量を比較してわかるように、エチレ
ンカーボネートよりドナー数及び粘性の低いカーボネー
トであるPCが溶媒に25体積%以下含まれている電解
液を用いることにより、放電容量をさらに一層大きくす
ることができる。さらに、実施例3及び実施例4〜6の
電池について、それらの放電容量を比較してわかるよう
に、エチレンカーボネートよりドナー数及び粘性の低い
カーボネートとしてPCの代わりにDMC、DEC及び
EMCが含まれていても、実施例3と同様に高い放電容
量が得られる。
【0035】
【効果】本発明の非水電解液二次電池は、難燃性の高い
電解液を備え、高い放電電圧と大きな電池容量とを有す
るなど電池性能に優れている。それゆえ、本発明の非水
電解液二次電池を携帯用電子機器や電気自動車などのバ
ッテリーとして使用すれば、携帯用電子機器や電気自動
車などを高性能に作動できるようになるとともに、従来
の電池を使用していたときよりも安心して使用できるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、実施例1の非水電解質二次電池の構
造を概略的に示す縦断面図である。
【符号の説明】
1:正極 2:負極 3:非水電解液 4:正極ケース
5:負極ケース 6:ガスケット 7:セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 直宏 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 真下 伸弥 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鎖状カーボネート及び環状カーボネートの
    少なくとも一種と、トリエチルホスフェートとを溶媒と
    して含有する電解液を備え、該電解液に該トリエチルホ
    スフェートが該溶媒の全体量に対して25〜50体積%
    含まれていることを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 【請求項2】前記鎖状カーボネート及び環状カーボネー
    トの少なくとも一種は、エチレンカーボネートである請
    求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】前記エチレンカーボネートは、溶媒の全体
    量に対して50体積%以下含まれている請求項2に記載
    の非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】前記鎖状カーボネート及び環状カーボネー
    トの少なくとも一種は、前記エチレンカーボネートと、
    エチレンカーボネートよりドナー数が低く、かつ粘性の
    低いカーボネートである請求項2に記載の非水電解液二
    次電池。
  5. 【請求項5】前記エチレンカーボネートよりドナー数が
    低く、かつ粘性の低いカーボネートは、溶媒の全体量に
    対して25体積%以下含まれている請求項4に記載の非
    水電解液二次電池。
  6. 【請求項6】前記電解液の電解質は、LiPF6、Li
    BF4、LiClO4及びLiAsF6から選ばれる無機
    塩、該無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO
    3CF32及びLiN(SO3CF33から選ばれる有機
    塩、並びに該有機塩の誘導体の少なくとも一種である請
    求項1に記載の非水電解液二次電池。
  7. 【請求項7】リチウムイオンを放出できる正極と、該正
    極から放出されたリチウムイオンを吸蔵及び放出できる
    炭素材料よりなる負極と、を備える請求項1に記載の非
    水電解液二次電池。
JP9360581A 1997-12-26 1997-12-26 非水電解液二次電池 Pending JPH11191430A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9360581A JPH11191430A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 非水電解液二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9360581A JPH11191430A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 非水電解液二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11191430A true JPH11191430A (ja) 1999-07-13

Family

ID=18470028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9360581A Pending JPH11191430A (ja) 1997-12-26 1997-12-26 非水電解液二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11191430A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001052736A (ja) * 1999-08-04 2001-02-23 Toyota Central Res & Dev Lab Inc リチウム二次電池
US10069168B2 (en) * 2007-05-21 2018-09-04 Murata Manufacturing Co., Ltd. Electrolytic solution and battery
CN111834672A (zh) * 2020-07-27 2020-10-27 深圳先进技术研究院 阻燃液态电解质、锂电池及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001052736A (ja) * 1999-08-04 2001-02-23 Toyota Central Res & Dev Lab Inc リチウム二次電池
US10069168B2 (en) * 2007-05-21 2018-09-04 Murata Manufacturing Co., Ltd. Electrolytic solution and battery
CN111834672A (zh) * 2020-07-27 2020-10-27 深圳先进技术研究院 阻燃液态电解质、锂电池及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7232356B2 (ja) 再充電可能なバッテリーセル
JP3558007B2 (ja) 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池
CA2196493C (en) Additives for improving cycle life of non-aqueous rechargeable lithium batteries
JP5258353B2 (ja) 非水電解質二次電池
CN100452520C (zh) 不燃性非水电解质溶液及使用该电解质溶液的锂离子电池
US6045948A (en) Additives for improving cycle life of non-aqueous rechargeable lithium batteries
JP4862555B2 (ja) 非水電解液およびそれを具備した電気化学エネルギー蓄積デバイス
KR20110102818A (ko) 비수 전해액 및 이것을 시용한 리튬 2차 전지
JP4138208B2 (ja) リチウム二次電池用電解液及びこれを使用したリチウム二次電池
JP2009105069A (ja) リチウム二次電池用電解液及びこれを含むリチウム二次電池
BR112021015393A2 (pt) Célula de bateria recarregável com despolarizador de eletrodo ativo
JP4190672B2 (ja) 電池用電解液および非水電解質二次電池
JP2000195544A (ja) 非水電解液およびそれを用いた二次電池
JP2000228216A (ja) 非水電解液および非水電解液二次電池
CN105449189A (zh) 锂二次电池
JP2001023688A (ja) 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池
JP4179521B2 (ja) 難燃性電解液及び非水電解液二次電池
JP5068449B2 (ja) リチウム二次電池
JP4146646B2 (ja) 難燃性電解液および非水電解質二次電池
JPH0963643A (ja) リチウム二次電池
JP5110057B2 (ja) リチウム二次電池
JP2001307768A (ja) 非水電解液二次電池
JPH11191430A (ja) 非水電解液二次電池
JP4449269B2 (ja) リチウム電池
JP4237531B2 (ja) リチウム二次電池及びリチウム二次電池の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071129

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080415