JP4146604B2 - 塵芥収集車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般の産業廃棄物又は街路樹の剪定で出された枝葉を破砕してドラム内に収容し、所定の場所で排出させる塵芥収集車に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、産業廃棄物や街路樹の枝葉をチップ状にした塵芥等を回収する塵芥収集車としてはシャシー上に回転ドラムを回転自在に搭載し、このドラムの内周面に軸方向に沿う螺旋状のブレードを設け、ドラムの正転時にドラムの後方開口部から投入した塵芥をブレードを介してドラムの前方に送り込んで多数収容させる。次いで、この塵芥を所定の廃棄物所まで搬送した後、この場所でドラムを逆転させることによりドラム内の塵芥をブレードを介して送り出し、ドラムの後方開口部から排出させるものが知られている。
【0003】
他方、塵芥を破砕する破砕機付きのカバーをドラムの後部に設けたものとしては、例えば、特開平8−225101号公報に開示されたような塵芥収集車が開発されている。
【0004】
この塵芥収集車は、回転ドラムをシャシー上にダンプ可能に結合し、又、このドラムには後方開口部に対向する破砕機付きのカバーを開閉自在に設けたものである。
【0005】
この塵芥収集車は、破砕機で破砕した塵芥をブレードを介してドラム内に収容し、排出時にはカバーを開くとともにドラムをダンプしながらドラムの後方開口部から所定の場所に塵芥を排出するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにドラムの後方開口部を開放したままの塵芥収集車は、ドラムの後方が開放されているため、ドラムの後方まで塵芥を収容するとこの塵芥が後方開口部からあふれ出てしまい、特に、車両の走行中に道路上等に落下するおそれがある。このことからドラム内に収容する塵芥はドラム内の後方開口部近くまで収容することができず、収容効率が悪くなる。更に、後方開口部から収容された塵芥の粉じんが外部に排出される不具合もある。
【0007】
他方、破砕機付のカバーを設けた上記塵芥収集車は、ドラムの後方にカバーを設けたことにより収容した塵芥が外部にあふれ出ることが防止されるから塵芥の収容効率を高めることが出来る反面、塵芥の排出時にドラムをダンプさせる機構とカバーを開かせる機構が必要となり、構造が複雑となり、塵芥の排出作業が面倒でコストアップとなり、経済性において不利である。
【0008】
そこで、本発明の目的は、塵芥のドラム内における収容効率を高めることができると共にドラムをダンプさせたり、カバーを開閉させる機構が不要となり、構造が簡単で作業性が良く、経済性にもすぐれている塵芥収集車を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の手段は、内周面に軸方向に沿う螺旋状のブレードを設けたドラムがシャシー上に回転自在に搭載され、ドラムの後方開口部から投入された塵芥をドラムの正転時にブレードを介してドラム内前方に送り込み、ドラムの逆転時にドラム内の塵芥をブレードを介してドラム後方に送り出して開口部から外部に排出する塵芥収集車において、シャシー上に環状の支持枠を固定し、この支持枠にドラムの後部を回転自在に嵌合させ、更に支持枠の後部外面に板状のカバーを固定し、このカバーの下方側に塵芥投入口を設けると共に上方側に塵芥排出用の開口窓を形成したことを特徴とするものである。
【0010】
この場合、支持枠が断面コ字状の枠体からなり、当該枠体内にドラムの後部に形成したリングを回転自在に嵌合させ、更に枠体の全部外面に押え板を介してシールを結合させているのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図にもとづいて説明するが、本発明に係る塵芥収集車は、街路樹の剪定で出された枝葉を破砕機でチップ状に破砕し、これをドラム内にブレードを介して送って収容し、更に所定の廃棄場所まで輸送した後に排出させるのに適しているが、同じように破砕機で一般の産業廃棄物を破砕して同様にドラム内に収容し、更に排出させる場合にも使用可能である。
【0012】
本発明に係る塵芥収集車は、図1に示すように、車両Aのシャシー1にローラ2を介して正転方向又は逆転方向に回転自在に搭載した貯留ドラム3を備え、ドラム3内には公知のドラムと同じように内周面に軸方向に沿う螺旋状のブレードが設けられている。
【0013】
ドラム3の後方開口部には固定カバー4が対向して設けられている。固定カバー4には後述するように、塵芥投入口と塵芥排出用の開口窓が形成されている。塵芥投入口に破砕機を設け、この破砕機に対向して蓋とガイドを兼ねたシュート5を設けたホッパー6が設けられ、更に、塵芥排出用の開口窓に対向してフローガイド7が設けられている。
【0014】
これにより、例えば、街路樹を剪定した枝葉を蓋5を開いてホッパー6内に押し込み、これを破砕機でチップ状に破砕した後にドラム3を正転させながら投入口よりドラム3内にブレードを介して収容された塵芥は所定場所まで輸送された後、ドラム3を逆転し、ブレードで開口窓側に送り出され、次いでフローガイド7を介して外部に排出されるようになっている。
【0015】
以下、図2乃至図4にもとづいて各機構の構造を詳細に説明すると、車両Aのシャシー1には一対のローラ2,2が設けられ、このローラ2,2上に支持リング8を介してドラム3が正転方向,逆転方向に回転自在に搭載されている。
【0016】
ドラム3は、公知のようにその内周面に軸方向に沿う螺旋状のブレード9が設けられ、このブレード9がドラム3の回転時に塵芥を前方又は後方に送るようにしている。
【0017】
ドラム3の後方開口部10の中央にはブレード11を内周に備えたシートパイプ12が一体に設けられている。シャーシ1にはこれに直交するブラケット13が固定され、このブラケット13には環状の支持枠14がブラケット15,15を介して固定されている。支持枠14は、二つに分割された断面コ字状の枠体14aからなり、この枠体14a内にドラム3の後部に形成した突状リング16を回転自在に嵌合させている。
【0018】
枠体14aの前方外面にはゴム等からなる環状シール17が止め具と環状の押え板18を介して固定され、ドラム3内の粉じん等が外部に漏れないようにしている。
【0019】
枠体14aの後方外面にはドラム3の開口部10に対向する板状の固定カバー4をボルト等の止め具を介して固定し、この固定カバー4でドラム3の開口部10を封じている。
【0020】
固定カバー4には下方の塵芥投入口19と左側上方の塵芥排出用の開口窓20と、上方ののぞき窓21とを形成し、それぞれドラム3内に対向させている。のぞき窓21はドラム3内を点検する開口部であり、通常はキヤップ22で閉じられている。
【0021】
塵芥投入口19内には上下二つのスクレバー23を備えた枠体24が挿入して結合され、枠体24の外周には押え板25で支持されたシール26が配設されている。更にスクレバー23より後方には上下2枚のカッター27,28を設けた破砕機29が配設されている。破砕機29は、枠体30と枠体30内の上下に設けたカッター27,28とカッター27,28の軸を回転駆動するモータ31とからなり、枠体30はシャシー1上に固定されている。
【0022】
更に破砕機29の後方にはこれに対向してホッパー6が起伏自在に設けられている。この為、剪定された枝葉等がシュート5よりホツパー6から手動等で破砕機29に押し込まれるとこの破砕機29のカッター27,28がこの枝葉をチップ状に破砕してスクレバー23側に押し出し、スクレバー23上のチップは、次々と投入口19を介してシートパイプ12内に送り込まれ、更にドラム3の正転に伴ってブレード9によりドラム3の前方に圧縮されながら収容される。
【0023】
ホッパー6は、先細の筒部本体32と、筒部本体32の前方に形成した開口部33と後方に形成した開口部34と、筒部本体32の後端下部にヒンジ35を介して回転自在に結合した蓋とガイドを兼ねたシュート5とから構成されている。ホッパー6は、通常シャシー1側に起立する支柱Pに対してブラケットbを介して結合されている。
【0024】
更に、ホッパー6の筒部本体32の下面にはブラケット36が下方に向けて設けられ、このブラケット36はシャシー1上に設けた脚37に回転自在にヒンジ結合され、これによりホッパー6全体が起伏自在にシャシー1に取付けられている。
【0025】
ホッパー6は、破砕機29に対向して設けても良いが破砕機29とを点検する都合上起伏自在に設け、点検時ホッパー6を後方に回転させて破砕機29を見ることができるようにしている。
【0026】
更に、ホッパー6の筒部本体32は短かくても良いが、剪定された枝のように一般の塵芥より長い塵芥の場合にはホッパー6からはみ出してしまうおそれがある為、この筒部本体32を長くするのが好ましい。
【0027】
ところが、逆にこの筒部本体32が長くなると手動で枝等を破砕機29側に押し込む際に手が届かなくなる不具合がある。そこで本発明では、筒部本体32を短く成形すると共にこの筒部本体32にシュート5をヒンジ結合させ、通常はこのシュート5で筒部本体32の入口を封じると共に枝等を差し込む場合には図4に示すようにシュート5を水平位置まで回転し、このシュート5をガイドとして利用して枝等を案内させ、枝等が地上に落下しないようにしている。又、枝等を必要に応じて筒部本体32内に押し込む場合には筒部本体32が短かい分手動で奥深くまで押し込むことができる。
【0028】
次に、フローガイド7は、開口部38を備えた長方形状の枠体39と、枠体39の下部に斜め下方に向けて設けたシュート40と、枠体39とシュート40とを覆って固定したハウジング41と、ハウジング41の上部に設けたのぞき窓用の蓋42とで構成され、更にハウジング41の下部にヒンジを介して排出用のシュートを兼ねた蓋43を設けている。
【0029】
枠体39は、固定カバー4の外面に固定し、開口部38を固定カバー4の開口窓20に対向させている。これにより蓋43をヒンジを介して下方に回転して開いておき、ドラム3を逆転させた時ドラム3内のチップ等の塵芥がブレード9で押し出され、開口窓20−開口部38−シュート40−蓋43を介して外部に排出される。
【0030】
フローガイド7に蓋43を設けておくことによりチップ等をスムースに且つ均一に排出できると共に蓋43の長さ分車両の後方にチップ等を導き出すことが可能となり、蓋43の長さ分、例えば、大きな穴等からなる塵芥廃棄場所の縁から遠くの位置に車両を停車できる。従って、この停車位置で蓋43を介してチップ等を排出できるのであやまって車両が穴にすべり落ちる等の危険を防止できる。
【0031】
更に、ハウジング41は塵芥の粉じん等が外部に飛散するのを防止できる効果があり、外観上も好ましいものである。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果がある。
【0033】
(1) 各請求項の発明によれば、ドラムの後方開口部に対向する板状のカバーを固定したので、ドラム内に収容した塵芥の粉じんが外部に飛散するのが防止される。又ドラムの後方開口部近くまで収容された塵芥はこの固定カバーで支えられるのでドラムの開口部から塵芥が外部にあふれ出るのが防止され、固定カバーの位置まで塵芥を収容できるので収容効率を著しく向上できる。
【0034】
(2) 同じく、カバーにはその上方に塵芥排出用の開口窓を形成しているので、ドラムの逆転時にブレードで押し出された塵芥がこの開口窓から外部に排出できるので、わざわざカバーを開いたり、ドラムをダンプさせる必要が無い。この為カバーを開閉する機械やドラムをダンプさせる機構が必要でなく、構造が簡単であり、コストダウンを図れる。又カバーを開閉したり、ドラムをダンプさせる必要がなくなるから塵芥の投入,排出の作業性が著しく向上する。
【0035】
(3) 同じく、カバーにはその上方側に開口窓を形成しているので、塵芥を高い位置から排出でき、一度に多量の塵芥を同じ位置に排出できる。即ち、開口窓から地上までの距離を長くでき、地上に山盛となった塵芥がすぐ開口窓近くまで盛り上がるのをさけることができる。
【0036】
(4) 請求項2の発明によれば、ドラムを回転自在に支持する枠体がシールで封じられているから塵芥による粉じん等の漏れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塵芥収集車の斜視図である。
【図2】本発明に係る塵芥収集車の分解斜視図である。
【図3】図1の塵芥収集車におけるカバ一部の拡大背面図である。
【図4】図1の塵芥収集車におけるホッパー部の拡大正面図である。
【符号の説明】
1 シャシー
3 ドラム
4 カバー
9 ブレード
10 開口部
14 支持枠
14a 枠体
16 リング
17 シール
18 押え板
19 塵芥投入口
20 開口窓
Claims (2)
- 内周面に軸方向に沿う螺旋状のブレードを設けたドラムがシャシー上に回転自在に搭載され、ドラムの後方開口部から投入された塵芥をドラムの正転時にブレードを介してドラム内前方に送り込み、ドラムの逆転時にドラム内の塵芥をブレードを介してドラム後方に送り出して開口部から外部に排出する塵芥収集車において、シャシー上に環状の支持枠を固定し、この支持枠にドラムの後部を回転自在に嵌合させ、更に支持枠の後部外面に板状のカバーを固定し、このカバーの下方側に塵芥投入口を設けると共に上方側に塵芥排出用の開口窓を形成したことを特徴とする塵芥収集車。
- 支持枠が断面コ字状の枠体からなり、当該枠体内にドラムの後部に形成したリングを回転自在に嵌合させ、更に枠体の前部外面に押え板を介してシールを結合させている請求項1の塵芥収集車。
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