JP4145668B2 - 油中水型化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は油中水型化粧料において、更に詳しくは、使用感や安定性に優れた油中水型化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より微粒子粉体は凝集力が強く、多量の粉体分散剤を用いてビーズミル等のメディア式湿式分散処理を行い、化粧料に含有しなければならなかった。粉体分散剤として用いられるものは、高い分散性を有する高分子量の界面活性剤が優位に選択され得るが、多量に含有すると使用感触上「べたつき」や「のびの悪さ」等を感じる場合があり、また逆に使用感の向上を目的として、粉体分散剤の含有量を少なくすると、粉体同士が凝集してしまい、その結果、製品の粘度上昇やゲル化、排液などの現象が生じる場合があった。特に油中水型化粧料においては、粉体分散剤を用いると乳化系に影響を及ぼし、乳化時の乳化不良や、経時での乳化滴の凝集や合一を引き起こす事があった。
【0003】
近年、日焼け止め化粧料等においてSPF値(紫外線防御指数)の高い商品が上市されているが、それらは紫外線吸収剤と酸化チタンや酸化亜鉛などの微粒子粉体を併用して含有させている場合が多く、SPF値を向上させる為、微粒子粉体を高分散させた状態で含有させているのがほとんどである。また、微粒子粉体を含有させる場合、水系に分散させると使用感触上「きしみ感」等を感じる場合があり、油系に分散させる方が、感触上好ましい。油系に微粒子粉体を分散させる技術については、旧来より様々な提案がなされてきており、表面処理粉体とシリコーン油と特定のシリコーン系界面活性剤の組合せで安定な油中水型エマルジョンを得る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、安定性や使用感において十分な効果を得られない場合があった。また有機ケイ素化合物により表面処理された微粒子粉体とシリコーンオイルと長鎖アルキル含有の特定シリコーン系界面活性剤の組合せで使用感に優れ、安定な油中水型エマルジョンを得る方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、特定の界面活性剤が必須となり、使用感の調整などに制約を受けてしまう場合があった。また、アルキル変性ジメチルポリシロキサンは、粉体の分散性向上を目的に化粧料に配合されていた(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−215615号公報
【特許文献2】
特開2001−278737号公報
【特許文献3】
特開平11−180831号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有機ケイ素化合物により表面処理された微粒子粉体を配合し、のびが軽く、べたつきの無い使用感に優れた、経時安定性の良好な油中水型化粧料を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる事情に鑑み、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定量の有機ケイ素化合物で表面処理した微粒子粉体、シリコーンオイル、特定の親油型界面活性剤、特定のアルキル変性ジメチルポリシロキサン及び水を含有する油中水型化粧料が、使用感(のびの軽さ、べたつきの無さ)に優れ、経時安定性も良好なことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、(a)表面処理される前の微粒子粉体(母粉体)の質量に対して10〜30質量%の有機ケイ素化合物で表面処理された微粒子粉体、(b)シリコーンオイル、(c)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体およびPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンから選ばれたHLB2〜7のシリコーン系親油型界面活性剤、(d)下記一般式(1)又は(2)で表されるアルキル変性ジメチルポリシロキサン、(e)水を含有する油中水型化粧料である。
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】
[式中、R1〜R4は同一又は異なっていても良く、CnH2n+1O−又はCnH2n+1−(nは1〜26の整数である)で表わされるものであり、p、q、rは各々1〜1500の整数、q+rは2〜2000の範囲である。但し、R1=R2、R3=R4の場合は、R1〜R4がCH3−のものを除く。]
更に、(a)成分中の有機ケイ素化合物が反応性アルキルポリシロキサンである油中水型化粧料である。更に、(a)成分中の有機ケイ素化合物が反応性アルキルポリシロキサン、及びメチルハイドロジェンポリシロキサンである油中水型化粧料である。更に、(a)成分の表面処理微粒子粉体を油中水型化粧料の全質量に対して1〜50質量%含有する油中水型化粧料である。更に、(a)成分の表面処理微粒子粉体が更に脂肪酸により表面処理されている油中水型化粧料である。更に、(a)成分の表面処理微粒子粉体が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムから選ばれる一種又は二種以上である油中水型化粧料である。更に、(b)成分のシリコーンオイルが揮発性のシリコーンオイルである油中水型化粧料である。更に、(a)成分と(d)成分の配合質量比が、(a)/(d)=10〜1であるの油中水型化粧料である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について説明する。
本発明に用いられる成分(a)の有機ケイ素化合物で表面処理された微粒子粉体は、主に油系中に含有されるものであり、その目的は粉体の種類によって異なるが、紫外線の防御効果、着色、感触調整等を目的とするものである。また本発明において、表面処理とは、微粒子粉体の粒子表面を有機ケイ素化合物で被覆することを意味する。
【0012】
本発明に用いられる成分(a)の有機ケイ素化合物で表面処理された微粒子粉体において、処理される粉体(母粉体)としては、平均粒子径が1〜500nmの範囲にあるものであれば特に限定されるものではなく、好ましい平均粒子径の範囲は5〜100nmである。本発明に用いられる粉体を具体的に例示するのであれば、紫外線の防御効果のある微粒子粉体として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等が挙げられ、また着色剤として、酸化鉄等、感触調整剤として、無水シリカ、硫酸バリウム等が挙げられる。これらの粉体の形状としては、球状、針状、紡錘状、板状、薄片状等が挙げられる。また針状、紡錘状、板状、薄片状の粉体の平均粒子径については、最も長い辺の平均長を示す。これらの中でも有機ケイ素化合物による処理効果の高い微粒子粉体としては、表面活性の強い、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムを例示する事ができる。またこれらの粉体は表面活性を低減させる事を目的として、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の無機成分により処理されていても良い。これらの有機ケイ素化合物で表面処理された微粒子粉体は、必要に応じて一種、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また粉体の平均粒子径の測定方法としては、例えば、電子顕微鏡写真による微粒子粉体の長さの測定や、コールターカウンター(コールターエレクトロニクス社製)などの市販の粒径測定器で求めることができる。
【0013】
本発明に用いられる成分(a)の有機ケイ素化合物で表面処理された微粒子粉体の表面処理量は、表面処理される前の微粒子粉体(母粉体)の質量に対して10〜30質量%(以下、単に「%」と記す。)であり、より好ましくは13〜20%である。有機ケイ素化合物の処理量としては、表面処理される前の微粒子粉体(母粉体)の質量に対して10%未満では、粉体の分散媒への「ぬれ」が悪く、十分な分散性を得ることが出来ない場合があり、表面処理される前の微粒子粉体(母粉体)の質量に対して30%を超える場合には、過剰な有機ケイ素化合物が、系全体の経時安定性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0014】
本発明に用いられる成分(a)の有機ケイ素化合物としては、アルコキシ変性ポリシロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。より具体的に例示するのであれば、特開平11−148028号公報に記載の下記一般式(3)により表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン、及び特開平7−196946号公報記載の下記一般式(4)により表される反応性アルキルポリシロキサンが挙げられる。反応性アルキルポリシロキサンとしては、具体的には、ジメチルポリシロキシシラザン、α−モノアルコキシポリジメチルシロキサン、α−ジアルコキシポリジメチルシロキサン及びα−トリアルコキシポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。またこれらの有機ケイ素化合物の中でも、より優れた粉体の分散性及び経時安定性を得るには、反応性アルキルポリシロキサンであることが好ましく、更に優れた効果を得るには、反応性アルキルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンとを併用することがより好ましい。これらの有機ケイ素化合物は必要に応じて、一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】
【化5】
【0016】
(m、nはそれぞれ正の整数で、m+n=7〜50、m:n=1:0.2〜1:4)
【0017】
【化6】
【0018】
(Rは互いに独立してアルキル基(メチル、エチル、プロピル等)を表し、Xはアミノ水素基(NH,NH2)、ハロゲン原子、水酸基またはアルコキシ基を表し、Yは直接結合、または二価の炭化水素基(メチレン、エチレン、ブチレン等)を表し、それらの水素原子はその他の置換基により置換されていてもよく、pは1〜3の整数を表し、そしてqは25〜100の整数を表す)
【0019】
本発明において、表面処理とは、微粒子粉体の粒子表面を有機ケイ素化合物で被覆することであるが、本発明の成分(a)の有機ケイ素化合物で表面処理された微粒子粉体の製造方法については、通常の粉体の表面処理方法を用いることができ、具体的な方法としては、特開平11−148028号公報及び特開平7−196946号公報に記載された方法に準じて製造することができる。
【0020】
本発明の成分(a)においては、通常化粧品に用いられるシリコーンオイル以外の油剤との相溶性の更なる向上を目的として有機ケイ素化合物処理剤とともに脂肪酸による粉体表面処理を行うことも可能である。脂肪酸による表面処理は、微粒子粉体に対して、有機ケイ素化合物による処理の前でも、後でも、あるいは同時でも構わない。
【0021】
本発明の成分(a)に用いられる脂肪酸を具体的に例示するのであれば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等を挙げることができ、その処理量は、脂肪酸/微粒子粉体の質量比で、脂肪酸/微粒子粉体=0.1/10〜1/5であれば、より優れた効果を期待できる。これらの脂肪酸は必要に応じて、一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また脂肪酸による粉体表面処理を行う場合は、微粒子粉体に対する有機ケイ素化合物を含めた総処理量として、総処理量/微粒子粉体の質量比で、総処理量/微粒子粉体=11/100〜50/100であることが好ましい。
【0022】
本発明の油中水型化粧料に用いられる成分(a)の有機ケイ素化合物表面処理微粒子粉体の含有量は、特に限定されるものではないが、油中水型化粧料の全質量に対して1〜50%が好ましく、より好ましくは5〜30%である。
【0023】
本発明に用いられる成分(b)のシリコーンオイルは、成分(a)の粉体の分散性を向上させる事及びのび広がりの良さやべたつきの無さなどの使用感向上を目的として含有されるものであり、具体的に例示するのであれば、直鎖型ジメチルポリシロキサン、分岐型ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、パーフルオロポリシロキサン等であり、なかでも、分散向上性を得られやすいという観点から、粉体に処理される有機ケイ素化合物と親和性の高い揮発性の環状、分岐型あるいは直鎖型のジメチルポリシロキサンを好ましいものとして挙げる事ができる。これらのシリコーンオイルは必要に応じて一種、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。成分(b)のシリコーンオイルの含有量は、特に限定されるものではないが、油中水型化粧料の全質量に対して1〜50%が好ましく、より好ましくは5〜30%である。
【0024】
本発明に用いられる成分(c)のポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体およびPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンから選ばれたHLB2〜7のシリコーン系親油型界面活性剤は、油中水型化粧料の乳化剤として含有されるものである。また成分(c)のHLB2〜7のシリコーン系親油型界面活性剤は、成分(a)の有機ケイ素化合物表面処理微粒子粉体の分散安定性向上に寄与し、油中水型化粧料の経時安定性を著しく向上させる。更に、使用時のべたつきの無さなどの使用感向上にも寄与する。経時安定性及び使用感向上効果の観点から、シリコーン系界面活性剤が好ましい。ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体としては、KF−6015、KF−6016、KF−6017(信越化学工業社製)、ポリ(オキシエチレン・オキプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体としては、ABIL−EM97(ゴールドシュミット社製)、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンとしては、KF−6028(信越化学工業社製)などの市販品を使用することができる。これらの中でも、経時安定性及び使用感向上効果の観点から、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンがより好ましい。これらの成分(c)のHLB2〜7のシリコーン系親油型界面活性剤は、必要に応じて一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。
【0025】
本発明に用いられる成分(c)のHLB2〜7のシリコーン系親油型界面活性剤の含有量は、特に限定されるものではないが、油中水型化粧料の全質量に対して0.1〜10%が好ましく、より好ましくは1〜5%である。
【0026】
本発明において、HLBとは、界面活性剤の親水性と親油性のバランスを表す値であり、具体的には、下記の川上の式で求めることができる。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)
(ここでMwは親水基部の分子量、Moは親油基部の分子量をそれぞれ表す。)
【0027】
本発明に用いられる成分(d)のアルキル変性ジメチルポリシロキサンは、成分(a)の有機ケイ素化合物表面処理微粒子粉体の分散性を向上させ、油中水型化粧料の経時安定性を著しく向上させる。更に、成分(d)のアルキル変性ジメチルポリシロキサンと成分(b)のHLB2〜7のシリコーン系親油型界面活性剤を併用することにより、経時安定性及び使用感を相乗的に向上させることが可能となる。
【0028】
本発明に用いられる成分(d)のアルキル変性ジメチルポリシロキサンは、上記一般式(1)又は(2)で表されるものである。それらの中でも、R1〜R4がC16H33O−、C18H37O−、C20H41O−、C22H45O−、CH3−、C16H33−、C18H37−、C20H41−、C22H45−(但し、R1=R2、R3=R4の場合は、R1〜R4がCH3−のものを除く)のいずれかであるものが、微粒子粉体の分散性向上や、油中水型化粧料の経時安定性向上などの優れた効果を得るにはより好ましい。また成分(d)のアルキル変性ジメチルポリシロキサンの平均分子量は特に限定されるものではないが、優れた分散性、経時安定性を得るためには、500〜25000が好ましく、より好ましくは、800〜15000である。それらの市販品としては、例えばステアロキシメチルポリシロキサンとしてABIL WAX2434、ベヘノキシジメチコンとしてABIL WAX2440、ステアリルジメチコンとしてABIL WAX9800、セチルジメチコンとしてABIL WAX9801、ABIL WAX9840(いずれもゴールドシュミット社製)等が挙げられる。これらの成分(d)のアルキル変性ジメチルポリシロキサンは、必要に応じて一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。
【0029】
本発明に用いられる成分(d)のアルキル変性ジメチルポリシロキサンの含有量は、特に限定されるものではないが、優れた粉体の分散性、経時安定性を得るためには、成分(a)と成分(d)の配合質量比が、(a)/(d)=10〜1であることが好ましく、(a)/(d)=8〜2がより好ましい。
【0030】
本発明に用いられる成分(e)の水は、油中水型化粧料を構成する上で必須の成分であり、水性成分の溶媒、及び感触上の水々しさを得る事を目的として含有されるものである。
【0031】
本発明の油中水型化粧料は、上記必須成分に加え、更に通常の化粧料に用いられる成分、具体的には、上述以外の界面活性剤、水溶性高分子、多価アルコ−ル、低級アルコ−ル、酸化防止剤、殺菌剤、防腐剤、香料、pH調整剤、ワックス、油系ゲル化剤、美容成分等を本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。本発明の油中水型化粧料は、通常の化粧料を製造する方法にて得られるものであり、その製造方法は、特に限定されるものではない。例えば、有機ケイ素化合物で表面処理された微粒子粉体、シリコーンオイル、HLB2〜7のシリコーン系親油性界面活性剤及びアルキル変性ジメチルポリシロキサンを含有する油系に水系を添加混合することにより油中水型化粧料を得ることができる。
【0032】
本発明の油中水型化粧料は、上記必須成分の組合せを用いた時にのみ、優れた効果が得られるものである。すなわち、特定比率で表面処理された微粒子粉体である成分(a)は、成分(b)であるシリコーンオイルを含む油系中に、容易に分散が可能である。また成分(c)のHLB2〜7のシリコーン系親油型界面活性剤は、成分(a)、(b)を含む油系中に水系成分を適度に乳化することが可能である。また成分(d)のアルキル変性ジメチルポリシロキサンを併用することにより、感触を損なうことなく、成分(a)の油系への分散性が著しく向上し、更に経時安定性も向上させることが可能となる。つまり、本発明の油中水型化粧料は、本組合せを用いた時にのみ、使用時ののびが軽く、使用後のべたつきを感じる事もなく、さらに経時安定性が良好であり、他の組合せでは成し得ない優れた機能を有するものである。
【0033】
本発明の油中水型化粧料は、乳化一層タイプ、または長時間静置時は二層タイプに外観上分離する場合もあるが、使用時に軽くシェーキングすることにより、再分散性に優れるものである。また本発明の油中水型化粧料は、美容液、日焼け止め料、マッサージ料、メイクアップ料、メイクアップ用下地料等に適用することができる。
【0034】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによりなんら制約されるものではない。
【0035】
有機ケイ素化合物表面処理微粒子粉体組成例1〜8を表1に、表面処理粉体を配合した油中水型化粧料の実施例1〜6及び比較例1〜4を表2に示す。得られた油中水型化粧料について経時安定性(ゲル化、粉体の再分散性)、使用感(のびの軽さ、べたつきの無さ)を評価し、結果を表2に併せて示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
<製造方法>
A.成分(1)〜(11)を70℃にて、均一に混合分散する。
B.成分(12)〜(15)を70℃にて、均一に混合する。
C.A成分にB成分を加え乳化し、冷却して油中水型化粧料を得る。
【0039】
(評価方法:経時安定性(ゲル化))
各試料を40℃の恒温槽に3ヶ月間保管し、調製直後の状態を基準として、外観の変化(ゲル化)を以下の(イ)4段階判定基準を用いて判定した。
【0040】
(イ)4段階判定基準
(評価) (判定)
変化なし : ◎
軽微な変化がある : ○
やや変化がある : △
かなり変化がある : ×
【0041】
(評価方法:経時安定性(粉体の再分散性))
各試料を40℃の恒温槽に3ヶ月間保管後、各試料を取り出し軽くシェーキングし、粉体の再分散性について以下の(ロ)3段階判定基準を用いて判定した。
【0042】
(ロ)3段階判定基準
(評価) (判定)
20回以下で再分散した : ◎
20〜40回で再分散した : ○
40回以上で再分散した又は : ×
再分散しない
【0043】
(評価方法:使用感)
専門評価パネル10名により、各試料について、使用感(のびの軽さ、べたつきの無さ)を、下記(ハ)評価基準にて5段階評価し、更に各試料の評点の平均値を(ニ)4段階判定基準を用いて判定した。
【0044】
(ハ)5段階評価基準
(評点): (評価)
4 :非常に良い
3 :良い
2 :変わらない
1 :やや悪い
0 :悪い
(ニ)4段階判定基準
(評点の平均値) :(判定)
3.5以上 : ◎
2.5以上、3.5未満 : ○
1.5以上、2.5未満 : △
1.5未満 : ×
【0045】
表2の結果から明らかなように本発明の実施例1〜6の油中水型化粧料は比較例1〜4と比較してゲル化及び粉体の再分散性などの経時安定性に優れ、且つ使用時ののびが軽く、べたつきも無い優れた油中水型化粧料であった。
【0046】
実施例7:日焼け止め料
(成分) (%)
1.組成例5で得られた粉体 15
2.デカメチルシクロペンタシロキサン 10
3.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 7.5
4.PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(HLB=4)(注2) 5
5.アルキル変性ジメチルポリシロキサン(注3) 5
6.香料 適量
7.リン酸L−アスコルビルマグネシウム 3
8.精製水 残量
9.ジプロピレングリコール 12
10.塩化ナトリウム 1
11.パラベン 0.3
【0047】
<製造方法>
A.成分(1)〜(6)を70℃にて、均一に混合分散する。
B.成分(7)〜(11)を70℃にて、均一に混合する。
C.A成分にB成分を加え乳化し、冷却して日焼け止め料を得る。
【0048】
実施例7で得られた、日焼け止め料は経時安定性に優れ、且つ使用時ののびが軽く、べたつきもなく、粉体の分散が良好なことによる日焼け止め効果も高い、優れた日焼け止め料であった。
【0049】
実施例8:日焼け止め料
(成分) (%)
1.組成例6で得られた粉体 25
2.デカメチルシクロペンタシロキサン 10
3.4−tert−ブチル−4`−メトキシジベンゾイルメタン 5
4.ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体
(HLB=4.5)(注1) 5
5.酢酸dl−α−トコフェロール 0.5
6.アルキル変性ジメチルポリシロキサン(注4) 15
7.香料 適量
8.リン酸L−アスコルビルマグネシウム 2
9.精製水 残量
10.1,3−ブチレングリコール 15
11.塩化ナトリウム 1
12.パラベン 0.3
注4:ABIL WAX2440:ゴールドシュミット社製(ベヘノキシジメチコン、分子量約1200)
【0050】
<製造方法>
A.成分(1)〜(7)を70℃にて、均一に混合分散する。
B.成分(8)〜(12)を70℃にて、均一に混合する。
C.A成分にB成分を加え乳化し、冷却して日焼け止め料を得る。
【0051】
実施例8で得られた、日焼け止め料は経時安定性に優れ、且つ使用時ののびが軽く、べたつきもなく、粉体の分散が良好なことによる日焼け止め効果も高い、優れた日焼け止め料であった。
【0052】
実施例9:乳液
(成分) (%)
1.組成例7で得られた粉体 20
2.ジメチルポリシロキサン 20
3.トリステアリン酸ソルビタン(HLB=2) 0.5
4.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5
5.2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシ
カルボニル)アニリノ]1,3,5−トリアジン 5
6.ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体
(HLB=4.5)(注1) 4
7.アルキル変性ジメチルポリシロキサン(注5) 8
8.パルミチン酸レチノール(1000000IU/g) 0.5
9.香料 適量
10.精製水 残量
11.ジプロピレングリコール 12
12.バラベン 0.3
13.ポリアクリル酸アルキル(注6) 5
注5:ABIL WAX9800:ゴールドシュミット社製(ステアリルジメチコン、分子量約1000)
注6:マツモトマイクロスフェアーM101(松本油脂製薬社製)
【0053】
<製造方法>
A.成分(1)〜(9)を70℃にて、均一に混合分散する。
B.成分(10)〜(13)を70℃にて、均一に混合する。
C.A成分にB成分を加え乳化し、冷却して乳液を得る。
【0054】
実施例9で得られた、乳液は経時安定性に優れ、且つ使用時ののびが軽く、べたつきもない優れた乳液であった。
【0055】
実施例10:ファンデーション
(成分) (%)
1.組成例8で得られた粉体 20
2.デカメチルシクロペンタシロキサン 20
3.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5
4.オキシベンゾン 3
5.4−tert−ブチル−4`−メトキシジベンゾイルメタン 1
6.PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(HLB=4)(注2) 4
7.モノステアリン酸エチレングリコール(HLB=2) 1
8.アルキル変性ジメチルポリシロキサン(注7) 8
9.有機ケイ素化合物処理酸化鉄(注8) 1
10.香料 適量
11.グリチルリチン酸ジカリウム 0.3
12.精製水 残量
13.濃グリセリン 5
14.プロピレングリコール 8
15.バラベン 0.3
注7:ABIL WAX9840:ゴールドシュミット社製(セチルジメチコン、分子量約8000)
注8:(母粉体:反応性アルキルポリシロキサン(α−モノヒドロキシシロキサン(片末端がモノシラノール基))=100:20(質量比)処理)
【0056】
<製造方法>
A.成分(1)〜(10)を70℃にて、均一に混合分散する。
B.成分(11)〜(15)を70℃にて、均一に混合する。
C.A成分にB成分を加え乳化し、冷却してファンデーションを得る。
【0057】
実施例10で得られた、ファンデーションは経時安定性に優れ、且つ使用時ののびが軽く、べたつきもない優れたファンデーションであった。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明の油中水型化粧料は、使用感(のびの軽さ、べたつきの無さ)に優れ、経時安定性も良好なものである。
Claims (8)
- 次の成分(a)〜(e);
(a)表面処理される前の微粒子粉体(母粉体)の質量に対して10〜30質量%の有機ケイ素化合物で表面処理された微粒子粉体
(b)シリコーンオイル
(c)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体およびPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンから選ばれたHLB2〜7のシリコーン系親油型界面活性剤
(d)下記一般式(1)又は(2)で表わされるアルキル変性ジメチルポリシロキサン
(e)水
を含有することを特徴とする油中水型化粧料。 - (a)成分中の有機ケイ素化合物が反応性アルキルポリシロキサンであることを特徴とする請求項1記載の油中水型化粧料。
- (a)成分中の有機ケイ素化合物が反応性アルキルポリシロキサン、及びメチルハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする請求項1または2記載の油中水型化粧料。
- (a)成分の表面処理微粒子粉体を油中水型化粧料の全質量に対して1〜50質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油中水型化粧料。
- (a)成分の表面処理微粒子粉体が更に脂肪酸により表面処理されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の油中水型化粧料。
- (a)成分の表面処理微粒子粉体が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の油中水型化粧料。
- (b)成分のシリコーンオイルが揮発性のシリコーンオイルであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の油中水型化粧料。
- (a)成分と(d)成分の配合質量比が、(a)/(d)=10〜1であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の油中水型化粧料。
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