JP4145345B1 - 厚膜半田層付き金属条の製造方法及び該方法により製造した厚膜半田層付き金属条 - Google Patents

厚膜半田層付き金属条の製造方法及び該方法により製造した厚膜半田層付き金属条 Download PDF

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Abstract

【課題】半田層の厚み寸法が50μmより厚くしかも長手方向の厚み寸法のバラツキが小さい厚膜半田層付き金属条の製造方法を提供することにある。
【解決手段】下地メッキ層付き金属条1の一部の領域1Aを加熱した状態を維持して、溶融半田供給装置15と下地メッキ層付き金属条1との間に長手方向LDに沿う相対的な動きを生じさせながら、下地メッキ層5の上に溶融半田供給装置15から溶融半田13を載せて、金属条3の上に厚膜半田層9を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属条に厚膜の半田層が形成された厚膜半田層付き金属条の製造方法及びその製造方法により製造した厚膜半田層付き金属条に関するものである。
特開平06−49614号公報(特許文献1)には、表面にフラックスを塗布した銅合金材を溶融半田槽に浸漬して溶融半田メッキ技術により厚膜半田層を形成する技術が開示されている。さらに、特開平11−300471号公報(特許文献2)には、金属条に下地メッキとして電気メッキを施した後に溶融メッキを施して金属条の上に半田層を形成する技術が開示されている。この技術では、下地メッキの上に溶融メッキにより溶融半田を付着させて、金属条に比較的多めの半田(厚み寸法が10〜50μmの半田層)を予め付着させている。この技術を用いると、実装時に半田を供給せずに部品に付着した半田のみで、半田付けを完了できる。
特開平06−49614号公報 特開平11−300471号公報
小型ヒューズ等の電子部品の用途では、厚膜の半田層(厚み寸法が50μmより厚い半田層)を形成することが要求されるケースがある。しかしながら、溶融半田浴に浸漬する溶融半田メッキ技術を用いて半田層を形成する場合(特許文献1参照)では、浸漬した金属条を引き出す際のメッキ面の向きが半田浴に垂直となる。そのため半田が固まるまでの過程で重力などの影響を受けるために、50μmを超える厚膜の半田層を形成することができない。なお、予め下地メッキを施しておいてから溶融メッキにより半田層を形成すると(特許文献2参照)、厚み寸法が50μmを超える比較的厚い半田層を形成することができるが、長手方向の厚み寸法のバラツキが大きくなる。半田層の長手方向の厚み寸法のバラツキが大きい半田層付き金属条から製造した小型ヒューズでは、実装後に溶断特性等の不具合を生じさせるおそれがある。またこのような半田層付き金属条から製造した端子金具では、半田付け不良が発生するおそれがある。そのため、50μmを超える厚膜の半田層を形成するには、プレス成形後のベースとなる個別の部品ごとに半田を乗せていく必要があり、非常に手間がかかるものとなっていた。
本発明の目的は、半田層の厚み寸法が50μmより厚く、しかも長手方向の厚み寸法のバラツキが小さい厚膜半田層付き金属条の製造方法及び該方法により製造した厚膜半田層付き金属条を提供することにある。
本発明の厚膜半田層付き金属条の製造方法では、まず下地メッキ層付き金属条を用意する。この下地メッキ層付き金属条は、第1の幅寸法を有する金属条の一方の表面に、下地メッキ層が形成されて構成されている。金属条の金属材としては、比較的半田付け性の良い金属材(各種銅合金、純ニッケル、銅−ニッケル合金等)を用いることができる。金属条の金属材として、半田付け性が良くない金属材(鉄、ステンレス鋼等)を用いる場合は、事前に金属条にニッケルメッキを施しておくのが好ましい。金属条に形成された下地メッキ層は、金属条の第1の幅寸法よりも短い第2の幅寸法を有しており、金属条の長手方向に添ってストライプ状に延びている。なお、ストライプ状に形成された下地メッキ層は、一本の下地メッキ層として形成してもよく、また複数本の下地メッキ層として形成してもよい。下地メッキ層の成分としては、Sn、Sn−Pb系合金、Sn−Cu系合金、Sn−Ag系合金、Sn−Ag−Cu系合金、Sn−Ag−Bi合金等を用いることができる。しかしながら下地メッキ層は、後述の厚膜半田層と同じ成分にするのが好ましい。下地メッキ層は、溶融メッキまたは電気メッキにより金属条の一方の表面に形成することができる。この下地メッキ層は、後述の溶融半田(または後述のワイヤ状半田金属が加熱溶融したもの)が金属条と接合することを容易にする。また、この下地メッキ層が存在することにより、溶融半田が下地メッキ層付き金属条の下地メッキ層以外の部分に拡がるのを防止することができる。
なお、用意した下地メッキ層付き金属条に、下地メッキ層を覆うようにフラックス層を形成してもよい。フラックス層の形成は、下地メッキ層付き金属条の下地メッキ層の上にフラックスを塗布するか、または糸半田等にフラックスを塗布して後述の溶融半田を載せることにより行うことができる。塗布するフラックスとしては、水洗などで容易に除去でき、半田付け時の熱で焼き付くことが無いような無機系の水溶性フラックスを使用することが好ましい。
次に、下地メッキ層付き金属条の一部の領域を、金属条の一方の表面を上に向けた状態で加熱する。そして、金属条の一方の表面を上に向けて加熱した状態を維持して、この一部の領域に在る下地メッキ層の上に溶融半田供給装置から溶融半田を載せて、金属条の上に厚膜半田層を形成する。溶融半田の供給は、下地メッキ層付き金属条の一部の領域を加熱した状態を維持して、溶融半田供給装置と下地メッキ層付き金属条との間に長手方向に沿う相対的な動きを生じさせながら行う。溶融半田の成分としては、例えば、Sn、Sn−Pb系合金、Sn−Cu系合金、Sn−Ag系合金、Sn−Ag−Cu系合金、Sn−Ag−Bi合金等を用いることができる。
本発明の厚膜半田層付き金属条の製造方法のように、一部の領域を、金属条の一方の表面を上に向けて加熱した状態を維持して、溶融半田供給装置と下地メッキ層付き金属条との間に長手方向に沿う相対的な動きを生じさせながら、一部の領域に在る下地メッキ層の上に溶融半田供給装置から溶融半田を載せて、金属条の上に厚膜の半田層を形成すると、金属条の上に形成された半田層の平均厚み寸法を50μmより厚くすることができ、しかも半田層の長手方向の最大厚み寸法のバラツキを従来よりも小さくすることができる。また、金属条と厚膜半田層の間に拡散層(金属間化合物層)が形成されるため、半田層の平均厚み寸法が50μmを超えるような厚膜の半田層の密着性を向上させることができる。なお、下地メッキ層を溶融メッキで形成した場合は、そのメッキ過程において拡散層または金属間化合物層が形成され、電気メッキで形成した場合は、溶融半田層を形成する過程で拡散層または金属間化合物層が形成される。なお、最大厚み寸法とは、厚膜半田層の幅方向に測定した厚み寸法の最大値であり、平均厚み寸法とは、最大厚み寸法を厚膜半田層の長手方向に平均した平均値である。
本発明の製造方法では、溶融半田を下地メッキ層の上に載せた後も、下地メッキ層の上の溶融半田の形状が安定するまで厚膜半田層が載せられた下地メッキ層付き金属条の一部の領域の加熱を継続するのが好ましい。このように加熱を継続すると、表面張力により溶融半田の形状が安定して、厚膜半田層の長手方向の最大厚み寸法のバラツキがより小さい厚膜の半田層を形成することができる。
なお、下地メッキ層付き金属条の一部の領域の加熱作業は、加熱装置からの熱(例えば、放射熱及び/または熱伝導)により下地メッキ層付き金属条の一部の領域を加熱するように行う。この場合、下地メッキ層付き金属条の下地メッキ層が形成されている表面または該表面と反対側の裏面のいずれを加熱しても良い。なお、下地メッキ層付き金属条の下地メッキ層が形成されている表面と反対側の裏面を加熱すれば、加熱装置が下地メッキ層付き金属条の下地メッキ層が形成された表面と反対側に配置されるため、下地メッキ層付き金属条の下地メッキ層が形成された表面で行われる溶融半田を載せる作業を妨げることなく加熱作業を行うことができる。
溶融半田供給装置は、ワイヤ状半田金属を発熱手段に送給して、ワイヤ状半田金属を発熱手段の熱により連続的に溶融させることにより溶融半田を供給するように構成することができる。半田層の平均厚み寸法は、ワイヤ状半田金属の送給速度を変えることにより、制御することが出来る。また、ワイヤ状半田金属の送給速度を変えずに、下地メッキ層付き金属条(または厚膜半田層が形成された金属条)の送り速度を変えること、または、送給するワイヤ状半田金属の直径寸法を変えることで、半田層の平均厚み寸法を制御しても良い。発熱手段としては、例えば半田ごてを用いることができる。発熱手段の発熱温度は、高温にしすぎると半田ごての先にフラックス成分の劣化物などの異物が堆積しやすいため、400℃以下で使用することが望ましい。また半田ごての代わりにハロゲンヒータなどの非接触式の加熱装置を用いても良い。ワイヤ状半田金属を用いると、下地メッキ層付き金属条の下地メッキ層の上に溶融半田を連続的に載せる作業が容易になる。また、半田の供給量が制御し易くなるため、半田層の平均厚み寸法を制御することが容易になる。
本発明の製造方法で得られる厚膜半田層付き金属条の厚膜半田層は、厚膜半田層の平均厚み寸法をtとすると、50μm<t≦500μmの範囲の平均厚み寸法に調整することができる。なおt>500μmの平均厚み寸法については、用途が限られるため本発明では考慮していないが、特にt≦500μmの平均厚み寸法に限定するものではない。このような、平均厚み寸法の厚膜半田層を有する厚膜半田層付き金属条の厚膜半田層は、小型ヒューズ等の電子部品の材料として用いることができる。
本発明によれば、下地メッキ層付き金属条の一部の領域を、金属条の一方の表面を上に向けて加熱した状態を維持して、溶融半田供給装置と下地メッキ層付き金属条との間に長手方向に沿う相対的な動きを生じさせながら、下地メッキ層付き金属条の一部の領域に在る下地メッキ層の上に溶融半田供給装置から溶融半田を載せて、金属条の上に厚膜の半田層を形成するため、金属条の上に形成された半田層の平均厚み寸法を50μmより厚くすることができ、しかも半田層の長手方向の最大厚み寸法のバラツキを従来よりも小さくすることができる。
以下、図面を参照して本発明の厚膜半田層付き金属条の製造方法の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1(A)乃至(D)は、本実施の形態の厚膜半田層付き金属条の製造方法の工程を示す図である。図2(A)は、図1(B)乃至(C)の工程で下地メッキ層の上に溶融半田を供給する状態を示す斜視図であり、図2(B)は図2(A)をIIIBの矢印で示す方向に視た図である。本実施の形態の製造方法では、まず図1(A)に示すように下地メッキ層付き金属条1を用意する。下地メッキ層付き金属条1は、帯板状の金属条3と金属条3の一方の表面の中央領域3aに溶融メッキで形成された下地メッキ層5とから構成されている。金属条3は第1の幅寸法b1を有しており、下地メッキ層5は金属条3の第1の幅寸法b1よりも短い第2の幅寸法b2を有している。金属条3に形成された下地メッキ層5は、金属条3の長手方向に添ってストライプ状に1本の層をなして延びている。下地メッキ層付き金属条1は、ロール状に巻回されている。本実施の形態では、金属条3の金属材として、半田付け性が良好なリン青銅系の銅合金を用いる。金属条3の寸法は、幅22mm、厚さ0.1mmとなっている。また、下地メッキ層5の成分としては、後述する溶融半田の成分と同じ成分(Sn−0.7Cu)である。下地メッキの平均厚み寸法は、6〜10μmとなっている。
本実施の形態の製造方法では、図1(B)に示すように、図1(A)で用意した下地メッキ層付き金属条1を下地メッキ層5が上に向くように図示しない送り装置を用いて搬送しながら、下地メッキ層付き金属条1の一方の表面1Aの上に下地メッキ層5を覆うようにフラックス層7を形成する。具体的には、フラックス層7の幅寸法が、第1の幅寸法b1よりも短くかつ第2の幅寸法b2よりも長い幅寸法となるように、下地メッキ層付き金属条1の下地メッキ層5の上にフラックスを塗布して形成する。本実施の形態では、無機系の水溶性フラックス(ハロゲン系フラックス)を使用する。無機系の水溶性フラックスを用いると、水洗等で容易に除去でき、また後述の溶融半田13を載せる際の焼き付きを防ぐことができる。
次に、図1(C)に示すように、フラックス層7を介して下地メッキ層5の上に溶融半田を載せて厚膜半田層9を形成する。この厚膜半田層9の形成は、図2(A)及び(B)に示すように、フラックス層7を形成した下地メッキ層付き金属条1(図1(B)参照)の一部の領域1aを、下地メッキ層付き金属条1の一方の面1Aを上に向けた状態を維持して、加熱装置11により加熱する。なお、図2(A)及び(B)では、説明を容易にするため、フラックス層7の図示は省略してある。加熱装置11は、図2(B)に示すように、下地メッキ層付き金属条1の下地メッキ層5が形成されている表面1Aと反対側の裏面1Bをこの加熱装置11からの熱(放射熱及び/または熱伝導)により加熱するように配置されている。本実施の形態では、コイル状に形成された発熱用導体11Aに電流を流すことにより、発熱用導体11Aを加熱させ、その熱でケース11Bの加熱面11Cを加熱して、加熱面11Cからの放熱で金属条1を加熱している。なお図2(B)では、加熱面11Cと金属条1の裏面1Bとを非接触状態にしているが、両者を接触状態にしてもよいのは勿論である。加熱装置11をこのように配置すると、加熱装置11が下地メッキ層付き金属条1の裏面1B側に配置されるため、下地メッキ層5が形成された下地メッキ層付き金属条1の表面で行われる後述の溶融半田13を載せる作業を妨げることなく加熱を行うことができる。
そして、加熱された下地メッキ層付き金属条1の一部の領域1aに在るフラックス層7を介して下地メッキ層5の上に溶融半田供給装置15から溶融半田13を供給する。すなわち下地メッキ層5の上に溶融半田13を載せて、金属条3の上に厚膜半田層9を形成する。本実施の形態では、下地メッキ層付き金属条1の一部の領域1aを、下地メッキ層5または表面1Aを上に向けて加熱した状態を維持して、溶融半田供給装置15と下地メッキ層付き金属条1との間に長手方向に沿う(本実施の形態では水平方向に沿う)相対的な動きを生じさせながら溶融半田13の供給を行う。具体的には、加熱装置11及び溶融半田供給装置15が固定された状態で、下地メッキ層付き金属条1(または厚膜半田層9が形成された金属条3)が図2(B)の矢印LDの方向にほぼ水平に移動するようになっている。このように下地メッキ層付き金属条1をほぼ水平に移動させるのは、下地メッキ層付き金属条1が水平面に対してあまりにも大きく傾斜していると、溶融半田13が固化する前に溶融半田13が長手方向(水平方向)に流れ易くなるためである。また、下地メッキ層付き金属条1(または厚膜半田層9が形成された金属条3)を水平に保ってある程度の期間加熱を継続すると、金属条3の表面に50μmを超える厚膜半田層9を確実に形成することができる。なお厚膜半田層9の長手方向と直交する方向に切断したときの断面形状の表面部の形状は、巨視的に見るとドーム形状または幅方向の両側部分の厚み寸法が中央部分の厚み寸法よりも短い形状となる(後述の図3参照)。したがって、本願明細書における厚膜半田層9の平均厚み寸法とは、厚膜半田層9の厚み寸法を幅方向に見たときの厚み寸法の最大値(最大厚み寸法)を、厚膜半田層の長手方向に平均した平均値である。さらに下地メッキ層付き金属条1を表面1Aを上にした状態にすると、下地メッキ層付き金属条1の上から溶融半田を供給することができる。また溶融半田の供給ためにワイヤ状または棒状になった固体状の半田金属を用いることができるため、供給量を制御しやすい。
なお、下地メッキ層付き金属条1(または厚膜半田層9が形成された金属条3)の移動速度は、溶融半田13の供給量(供給速度)または形成する厚膜半田層9の平均厚み寸法との兼ね合いで適宜設定すればよい。本実施の形態では、下地メッキ層付き金属条1(または厚膜半田層9が形成された金属条3)の移動速度は、1.0m/minに設定されている。また、溶融半田13の供給量(供給速度)は、形成する厚膜半田層9の平均厚み寸法または下地メッキ層付き金属条1(または厚膜半田層9が形成された金属条3)の移動速度との兼ね合いで適宜設定すればよい。本実施の形態では、溶融半田13の供給量(供給速度)は、0.13g/sに設定されている。
本実施の形態では、溶融半田供給装置15は、ガイド17から供給されたワイヤ状半田金属19を半田ごてからなる発熱手段21に送給して、ワイヤ状半田金属19を発熱手段21の熱により連続的に溶融させることにより溶融半田13を供給する構成を有している。ガイド17は、ワイヤ状半田金属19の供給位置が発熱手段21(半田ごて)の先から逸れないように固定されている。本実施の形態で用いるワイヤ状半田金属の成分は、下地メッキ層の成分と同じSn−0.7Cuを用いる。ワイヤ状半田金属19を用いると、下地メッキ層付き金属条1の下地メッキ層5の上に溶融半田13を載せる作業が容易になる。また、ワイヤ状半田金属19の供給量は制御が可能であるため、厚膜半田層9の平均厚み寸法の制御が容易になる。なお、溶融半田13を供給する方法としては、加熱装置11により下地メッキ層付き金属条1の一部の領域1aを加熱するのと同時に半田金属を加熱して溶融半田を作るようにしてもよい。加熱装置11の加熱を利用して溶融半田13を供給すると、本実施の形態で用いる発熱手段21(半田ごて)を省くことができる。この場合は、発熱手段21(半田ごて)を用いない分だけ、ワイヤ状半田金属19の線形を細くするのが好ましい。このような加熱装置としては、ハロゲンヒータ等の非接触加熱装置を用いることができる。非接触加熱装置を用いる場合には、加熱装置は下地メッキ層付き金属条1の表面1A側から加熱を行う。
本実施の形態では、溶融半田13を下地メッキ層5の上に載せた後も、下地メッキ層5の上の溶融半田13の形状が安定するまで厚膜半田層9が載せられた下地メッキ層付き金属条1の一部の領域1aの加熱を継続する。加熱の継続によって、供給された溶融半田13の形状が、溶融半田の表面張力により、厚膜半田層9の横断面形状(長手方向と直交する方向の断面形状)が安定した形状となり、また厚膜半田層9の長手方向の最大厚み寸法のバラツキが小さくなる。この加熱を継続する期間(加熱装置11の加熱領域の長さ)は、安定した断面形状が得られるまで、下地メッキ層付き金属条1(または厚膜半田層9が形成された金属条3)を加熱できるように定める[図2(B)参照]。
厚膜半田層9が形成された金属条3は、加熱エリアを通過した後は自然冷却される。そして図1(C)に示すようにフラックス層7の一部が残った状態となる。この余分なフラックス層7は、水洗して取り除く。その結果、図1(D)に示す厚膜半田層付き金属条3が得られる。この本実施の形態の厚膜半田層付き金属条3には、図3[図1(D)のII−II線断面図]に誇張して示すように、金属条1の上に厚膜半田層9が形成されている。これを、断面SEM観察により確認したところ、金属条1と厚膜半田層9との間に拡散層(または金属間化合物層)25が形成されていることが確認された。また、厚膜半田層9の最大厚み寸法tmaxを無作為に1点測定したところ、最大厚み寸法tmaxは360μm程度となっていた。このようにして最大厚み寸法tmaxを厚膜半田層9の長手方向に複数測定し、測定したこれら複数のtmaxを平均した平均値tは365μm程度となった。なお、ワイヤ状半田金属の供給量(供給速度)を変えることで、厚膜半田層9の平均厚み寸法tを制御することが可能である。本実施の形態によれば、平均厚み寸法tを、50μm<t≦500μmの範囲に制御することができる。またこの厚膜半田層9は、長手方向の最大厚み寸法のバラツキは従来の製造方法で製造した場合と比べて小さくなっている。長手方向の最大厚み寸法tmaxのバラツキは、±35μm程度であった。この厚膜半田層付き金属条1は、金属条3と厚膜半田層9の間に形成された拡散層(金属間化合物層)25の存在により、密着性が良好なものとなっている。
以下、本発明の厚膜半田層付き金属条について、厚膜半田層の平均厚み寸法t及び最大厚み寸法のバラツキを確認した。本実施の形態では、まず、金属条に形成された厚膜半田層の長手方向に無作為に選択した厚膜半田層上のn箇所(n=10)について、それぞれ両平マイクロメータにより厚膜半田層の幅方向の頂点(最も高い部分)の厚み寸法を測定し、最大厚み寸法tmaxを求めた。そして得られたn箇所(n=10)のtmaxを平均した平均値を平均厚み寸法tとした。また半田層の平均厚み寸法及び最大厚み寸法のバラツキから総合評価も行った。バラツキ評価および総合評価は、それぞれ、良好なものは○、やや良好なものは△、良好でないものは×として行った。なお、最大厚み寸法のバラツキ評価については、長手方向の最大厚み寸法tmaxの標準偏差σt(n=10)が平均厚み寸法に対し、σt≦5%の場合は○、5%<σt≦10%の場合は△、σt>10%の場合は×として評価した。
実施例及び比較例は、以下の条件に設定した。実施例は、本発明の厚膜半田付き金属条の製造方法を用いて、平均厚み寸法が60μm〜500μmの厚膜半田層を形成したものである。なお実施例1及び2は、同じ半田層の平均厚み寸法を有するが、実施例2は、溶融半田13を下地メッキ層5の上に載せた後は加熱を継続しないものとなっている。また、比較例は、本発明の従来技術(特許文献1及び2)を参考にして、電気メッキ及び/または溶融半田メッキを施したものである。
[実施例1] 半田層の平均厚み寸法 60μm
[実施例2] 半田層の平均厚み寸法 60μm(但し、溶融半田13を下地メッキ層5の上に載せた後は加熱を行わない)
[実施例3] 半田層の平均厚み寸法 350μm
[実施例4] 半田層の平均厚み寸法 500μm
[比較例1] 半田層の平均厚み寸法 10μm(溶融半田めっきのみ)
[比較例2] 半田層の平均厚み寸法 100μm[電気メッキ(下地メッキ)+溶融半田メッキ]
実施例及び比較例について、最大厚み寸法のバラツキ評価及び総合評価を示す結果を表1に示す。
Figure 0004145345
表1より、比較例1及び2の結果(いずれも総合評価は×)に対して、実施例1〜4の結果は(総合評価は○または△)となった。これらの結果は、本発明の厚膜半田層付き金属条の製造方法を用いることにより、金属条に形成された半田層の平均厚み寸法を50μmより厚く(60μm以上に)することができ、また、金属条に形成された半田層の平均厚み寸法が50μmより厚くなっても、厚膜半田層の長手方向の最大厚み寸法のバラツキを小さくすることができる(長手方向の最大厚み寸法tmaxの標準偏差σtが平均厚み寸法に対し≦10%)ことを示している。また、溶融半田を下地メッキ層の上に載せた後も加熱を継続することにより、さらに最大厚み寸法のバラツキが小さくなることを示している(実施例1及び3参照)。したがって、本発明の製造方法を用いて製造した厚膜半田層付き金属条は、溶断特性等の不具合を生じさせるおそれが少なく、プレス成形して小型ヒューズ等の電子部品として用いるのに有効である。
(A)乃至(D)は、本発明の厚膜半田層付き金属条を製造する工程を示す図である。 (A)は図1(B)乃至(C)の工程で下地メッキ層の上に溶融半田を供給する状態を示す斜視図であり、(B)は(A)を矢印IIIBの方向に視た図である。 図1(D)のII−II線断面図である。
符号の説明
1 下地メッキ層付き金属条
1a 下地メッキ層付き金属条の一部の領域
3 金属条
5 下地メッキ層
9 厚膜半田層
11 加熱装置
13 溶融半田
15 溶融半田供給装置
19 ワイヤ状半田金属
21 発熱手段
23 厚膜半田層付き金属条

Claims (4)

  1. 第1の幅寸法を有する金属条の一方の表面に、前記第1の幅寸法よりも短い第2の幅寸法を有し且つ前記金属条の長手方向に添って延びるストライプ状の下地メッキ層が形成された下地メッキ層付き金属条を用意し、
    前記下地メッキ層付き金属条の一部の領域を、前記一方の表面を上に向けた状態で加熱し、
    前記一部の領域を加熱した状態を維持して、溶融半田供給装置と前記下地メッキ層付き金属条との間に、前記長手方向に沿う相対的な動きを生じさせながら、前記一部の領域に在る前記下地メッキ層の上に前記溶融半田供給装置から溶融半田を載せて、前記金属条の上に平均厚み寸法tが50μm<t≦500μmの厚膜半田層を形成し、
    前記溶融半田を前記下地メッキ層の上に載せた後も、前記下地メッキ層の上の前記溶融半田の形状が安定するまで前記厚膜半田層が載せられた前記下地メッキ層付き金属条の前記一部の領域の加熱を継続することを特徴とする厚膜半田層付き金属条の製造方法。
  2. 前記下地メッキ層付き金属条の前記下地メッキ層が形成されている前記表面とは反対側の裏面を加熱装置からの熱により前記加熱を行う請求項1に記載の厚膜半田層付き金属条の製造方法。
  3. 前記溶融半田供給装置は、ワイヤ状半田金属を発熱手段に送給して、前記ワイヤ状半田金属を前記発熱手段の熱により連続的に溶融させることにより前記溶融半田を供給する請求項1に記載の厚膜半田層付き金属条の製造方法。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法により製造された厚膜半田層付き金属条。
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