JP4145070B2 - 書画カメラ装置を用いたプレゼンテーション方法 - Google Patents

書画カメラ装置を用いたプレゼンテーション方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テーブルや原稿台等に置かれた原稿等の書画を撮影し、その撮像が投影手段によりスクリーンに表示される書画カメラ装置と、これを用いたプレゼンテーション方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクリーンに映した映像に対して、プレゼンターが指示棒あるいはレーザポインタ等によりポイントを指示しながら説明や講演等を行うプレゼンテーションにおいて、画像をスクリーンに映す手段の一つとして、書画カメラ装置が用いられている。書画カメラ装置は、例えば特開平11−252454号公報等で周知のように、原稿台にセットされた原稿等の書画をビデオカメラ等の動画用のカメラで撮影する構成であり、カメラによる撮像が液晶プロジェクタ等の投影装置からスクリーンに投影される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら昨今では、上記公報等で知られる書画カメラ装置のように、単にカメラで撮影した原稿を投影装置でスクリーンに映すだけではなく、カメラの特性を生かした機能をさらに付加することによってプレゼンテーションの多様性を広げることや、より充実したプレゼンテーションの展開が要望されている。
【0004】
よって本発明は、プレゼンテーションの多様性が広がったり、そのプレゼンテーションをより充実させたりすることを可能とする書画カメラ装置を用いたプレゼンテーション方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の書画カメラ装置は、原稿台に載置された原稿の書画を撮影するカメラを備え、カメラによる撮像が投影手段によってスクリーン手段に投影される書画カメラ装置において、カメラで撮影した発光する指示マークをポイント画像としてスクリーン手段に投影する制御手段と、原稿台の原稿を所定の位置にセットするための位置決め手段とを備えたことを特徴としている。
【0006】
本発明の書画カメラ装置によれば、カメラで撮影した指示マークの動作を画像としてスクリーン手段に反映させることができる。このような動作を応用することにより、プレゼンテーションの多様性が広がったり、そのプレゼンテーションをより充実させたりすることが可能となる。発光する指示マークはLED等の可視光でもよく、赤外光等の特定波長光である不可視光であってもよい。不可視光の場合は、その光を撮影可能とするフィルタを切換え可能にカメラに具備させ、指示マークを撮影する時にはそのフィルタを使用する。
【0007】
上記本発明の書画カメラ装置の応用例としては、次のような本発明のプレゼンテーション方法が挙げられる。すなわち、原稿台に載置された原稿の書画を撮影するカメラと、カメラで撮影した発光する指示マークをポイント画像としてスクリーン手段に投影する制御手段と、原稿台の前記原稿を所定の位置にセットするための位置決め手段とを備え、カメラによる撮像が投影手段によってスクリーン手段に投影される書画カメラ装置を用いたプレゼンテーション方法であって、投影手段は、カメラの画角内にセットされるとともに点字が付加された点字原稿に対応する画像をスクリーン手段に投影しながら、カメラは、指示マークを装着した指で点字原稿を読む動作を撮影し、投影手段は、カメラで撮影される指示マークをポイント画像としてスクリーン手段に投影する。
【0008】
このプレゼンテーション方法によれば、視覚障害者が指示マークを装着した指で点字原稿をなぞって読むことにより、指示マークの動きがポイント画像としてスクリーン手段に投影される。すなわち、視覚障害者であっても、スクリーン手段への投影画像にポイントを指示しながらプレゼンテーションを行うことができる。なお、指示マークをポイント画像としてスクリーン手段に投影させる場合には、指示する位置のみで的確にポイント画像を表示するために、別途スイッチを設け、このスイッチをONにしたときに実際にポイント画像が表示されるようにするとよい。そのスイッチは、例えば、ポイント画像を投影する回路をON/OFFするもの等が挙げられる。
【0009】
このプレゼンテーション方法では、点字原稿、書画カメラ装置に設けられた位置決め手段によって定位置にセットされることにより、点字原稿とスクリーン手段への投影画像との位置関係が整合し、指示マークによるポイント画像を適正な位置に投影することが容易となる。なお、本発明で言う点字原稿は、投影画像と同一の画像(文字や図面等)が印字されており、その画像の例えば下に画像の内容を表す点字が付加されているものでもよいが、特に画像が印字されておらず点字のみのものでもよい。点字原稿が点字のみの場合は、点字に対応する画像を投影手段からスクリーン手段に投影すればよい。
【0010】
また、上記プレゼンテーション方法では、書画カメラ装置に設けられた読取手段は、点字原稿に付加されたデータ固有情報を読み取り、書画カメラ装置に設けられた制御手段は、読取手段が読み取ったデータ固有情報に応じた点字原稿に対応する画像を、投影手段からスクリーン手段に投影することを含む。この場合、点字原稿に設けられたデータ固有情報を読取手段に読み取らせると、点字原稿に対応する画像が自動的に投影手段からスクリーン手段に投影される。すなわち、点字原稿を置き換えるだけで、スクリーン手段への投影画像のページの切換えが可能となり、用いる点字原稿がスクリーン手段への投影画像と食い違うといった不備が防がれる。
【0011】
上記データ固有情報としては、バーコード、二次元バーコード、文字、記号等の視覚的に認識可能な表記情報を用いることができる。このような表記情報をデータ固有情報とした場合、上記読取手段はその表記情報を撮像する撮像手段であり、その撮像手段としては、書画カメラ装置のカメラを用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
図1は、一実施形態の書画カメラ装置を備えたプレゼンテーションシステムの全体を概略的に示している。このシステムは、プレゼンターが視覚障害者であることを前提としており、1はスクリーン(スクリーン手段)、2はスクリーン1に液晶画像を投影する液晶プロジェクタ(投影手段)、3は制御演算部、4はパソコンである。パソコン4では画像のデータが生成され、その画像データおよび各種コマンドが、パソコン4から制御演算部3に入力される。そして、制御演算部3で処理された画像データが液晶プロジェクタ2に入力され、その画像データに基づく画像が液晶プロジェクタ2からスクリーン1に投影される。
【0013】
図1で符号5は書画カメラ装置である。この書画カメラ装置5は、図2に示すように、原稿台51と、この原稿台51にアーム52を介して支持されたカメラ53とを備えている。上記制御演算部3は原稿台51の内部に収容されており、液晶プロジェクタ2およびパソコン4は制御演算部3に接続されている。カメラ53は、原稿台51にセットされた原稿を撮影し、その撮像は液晶プロジェクタ2からスクリーン1に投影される。液晶プロジェクタ2からは、パソコン4側とカメラ53側の画像のいずれか、またはそれに上記制御演算部3によってポイント画像などが合成された画像が投影され、その切換えは、パソコン4からのコマンドあるいは原稿台51に設けられるスイッチ等によってなされる。
【0014】
カメラ53のレンズの前方には、赤外光のみを撮影可能とするフィルタ(図示略)が、レンズにかかる状態と外れる状態とに切換え可能に設けられている。その切換えは、手動か、もしくは原稿台51に設けられるスイッチ等によって電動的になされる。
【0015】
図2に示すように、視覚障害者であるプレゼンター(図2では手のみを示している)Pは、手の指に不可視光である赤外光を発光する発光指輪(指示マーク)6をはめてプレゼンテーションを行う。発光指輪6は、図3に示すように、赤外光を発光するLED等からなる発光部61がリング62に設けられたもので、図示せぬスイッチによって発光部が発光する。
【0016】
原稿台51には、図4に示すように、原稿(図4では点字原稿7)を定位置にセットするためのL字状のガイド(位置決め手段)54が設けられており、このガイド54に原稿の一角を突き当てることにより、原稿は常に定位置にセットされる。カメラ53の画角の一角も、ガイド54に一致するように設定される。点字原稿7には、通常の文字や図面等の画像に対して点字71が付加されており、右上には、その原稿固有のバーコード(データ固有情報)Bが設けられている。バーコードBは、点字原稿7に直接印字したり、バーコードBが印字されたシールを点字原稿7に貼るなどの方法で、点字原稿7に設けられる。プレゼンターは発光部61を上にして発光指輪6をはめ、点字71をなぞって読むことによりプレゼンテーションを行う。
【0017】
制御演算部3は、一般的な画像解析の手法により、カメラ53の画角に対してXY座標を設定しており、原稿台51にセットされた点字原稿7上で移動する発光指輪(厳密には発光部61)6の位置が、常にカメラ53で撮影されるとともに制御演算部3に入力される。制御演算部3は、カメラ53の画角の座標上における発光指輪6の座標を逐一算出する。そして、制御演算部3は、パソコン4の画像データと発光指輪6の座標データを処理し、パソコン4の画像における算出した発光指輪6の座標に、ポイント画像を合成する。原稿台51には、ポイント画像を投影させるか否かのスイッチ56が設けられており、このスイッチ56を押したONの状態の時のみ、発光する発光指輪6によるポイント画像が投影される。
【0018】
パソコン4には、点字原稿7に対応する画像データが、バーコードBと関連付けて登録されている。書画カメラ装置50のアーム52には、ガイド54に突き当てられて原稿台51にセットされた点字原稿7のバーコードBを読み取るバーコードリーダー(読取手段)55が取り付けられている。このバーコードリーダー55が読み取った固有の情報すなわち点字原稿7の情報は、制御演算部3を介してパソコン4に供給される。そしてパソコン4は、その情報を認識すると、登録されている画像の中からバーコードBに関連付けられた画像データを検索して制御演算部3に出力し、その画像データに基づく画像が液晶プロジェクタ2からスクリーン1に投影される。すなわち、原稿台51に点字原稿7をセットすると、その点字原稿7に対応する画像がスクリーン1に投影されるのである。
【0019】
次に、上記システムの動作を説明する。本システムは、以下のように「プレゼンターによるスクリーンへのポイント指示」と、「原稿台上の原稿のスクリーンへの投影」の2つの動作を行うことができる。
【0020】
(1)プレゼンターによるスクリーンへのポイント指示
図5のフローチャートを参照してプレゼンターPによるスクリーン1へのポイント指示の動作を説明する。
まず初期設定のステップS1として、カメラ53のレンズに赤外光のみを透過するフィルタをかけるとともに、液晶プロジェクタ2からの投影画像をパソコン4側に設定する。次いで、プレゼンターPは点字原稿7を原稿台51のガイド54に突き当てて所定位置にセットする(ステップS2)。すると、バーコードリーダー55がバーコードBを読み取り(ステップS3)、パソコン4がバーコードBに基づく固有の情報を認識する(ステップS4)。そして、登録された点字原稿7の画像の中からバーコードBに関連付けられた画像データを検索し(ステップS5)、その画像データを制御演算部3に出力する(ステップS6)。
【0021】
次に、プレゼンターPは指にはめた発光指輪6の発光部61を発光させ、原稿台51にセットした点字原稿7を、発光指輪6をはめた指でなぞって読んでいく(ステップS7)。発光指輪6の位置は、常にカメラ53により撮影されるとともに制御演算部3に入力され、制御演算部3は、カメラ53の画角に対して設定した座標上での発光指輪6の座標を算出する(ステップS8)。さらに制御演算部3は、発光指輪6の座標をスクリーン1上の座標に変換し、ポイント画像の座標を生成する(ステップS9)。
【0022】
パソコン4から制御演算部3に出力されている画像データは、スクリーン1に投影されるポイント画像を含まない画像データである。そして、ポイント画像を投影させる場合は、スイッチ56を押してONとし、その時、制御演算部3は、その画像における上記ポイント画像の座標の位置に所定のポイント画像を合成する(ステップS10)。こうして、画像データが生成される。この画像データは液晶プロジェクタ2に出力され、液晶プロジェクタ2は、パソコン4の画像にポイント画像が合成された画像をスクリーン1に投影する(ステップS11)。これにより、点字原稿7上の発光指輪6の位置に対応するスクリーン1上の点にポイント画像が投影される。
【0023】
次に、図6を参照して、パソコン4に登録された複数の画像データをページ順に出力する連続投影用ソフトを利用して、画像を順次出力させる場合の動作を説明する。この場合、パソコン4は登録された複数の画像データをページ順に出力する連続投影用ソフト15cを備え、さらに、これら画像データから1つのページを指定するページ情報コード発生部を備えている。この場合のバーコード等のデータ固有情報は、ページを何ページ送るか、あるいは戻すかを算出する情報であり、その情報はページ情報コード発生部に供給され、さらに、データ固有情報に応じたページ情報コードが連続投影用ソフトに供給される。
【0024】
図6に示すように、ステップS1〜ステップS4は上記動作と同様であり、次のステップS5で、バーコードに基づくデータ固有情報に応じ、ページを切り換えるページ情報(何ページ送るか、あるいは戻すかの情報)コードを連続投影用ソフトに送る。以降は上記ステップS6〜ステップS11と同様であって、ステップS11でページ情報コードに対応したページが投影される。
【0025】
(2)原稿台上の原稿のスクリーンへの投影
原稿台51にセットした他の原稿をスクリーン1に投影するには、液晶プロジェクタ2から投影される画像をカメラ53側に切換える。これによって、原稿台51にセットされた原稿の画像が液晶プロジェクタ2からスクリーン1に投影される。この動作は、例えば上記プレゼンテーション中においてパソコン4に登録されていないデータが印字された原稿をスクリーン1に投影する場合などに行われる。
【0026】
以上のように、本実施形態によれば、視覚障害者が発光指輪6をはめた指で点字原稿7をなぞって読むことにより、発光指輪6の動きがポイント画像としてスクリーン1に投影される。したがって、視覚障害者であっても、スクリーン1への投影画像にポイントを指示しながらプレゼンテーションを行うことができる。また、点字原稿7を、原稿台51に設けたガイド54によって定位置にセットすることにより、点字原稿7とスクリーン1への投影画像との位置関係が整合し、発光指輪6によるポイント画像を適正な位置に投影することが容易となる。
【0027】
また、点字原稿7に設けたバーコードBをバーコードリーダー55で読み取り、バーコードBに基づく固有の情報に応じた点字原稿7に対応する画像を、パソコン4からスクリーン1に投影させることができる。このため、点字原稿7を置き換えるだけで、スクリーン1への投影画像のページの切換えが可能となり、また、原稿台51にセットした点字原稿7がスクリーン1への投影画像と食い違うといった不備が防がれる。
【0028】
なお、上記実施形態では、発光指輪6の発光部61は不可視光である赤外光が発光し、この赤外光を撮影可能とするためにカメラ53には赤外光透過のフィルタが切換え可能に設けられているが、発光部61は可視光であってもよく、その場合にはカメラ53にフィルタを設ける必要がない。不可視光である場合は発光指輪6の動きが見えず、聴衆がそれに惑わされることがないといった利点がある。また、点字原稿7としては、例えばパソコン4に登録された画像データと同一の画像に説明用の点字が付加されたものが用いられるが、画像は無く点字のみのものでもよい。点字原稿が点字のみの場合は、点字に対応する画像をスクリーン手段に投影すればよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、カメラで撮影した指示マークの動作を画像としてスクリーン手段に反映させることができ、この動作を応用することにより、プレゼンテーションの多様性が広がったり、そのプレゼンテーションをより充実させたりすることが可能となるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る書画カメラ装置が適用されたプレゼンテーションシステムの概略図である。
【図2】 プレゼンテーションシステムの概略を示す斜視図である。
【図3】 一実施形態に係る発光指輪の斜視図である。
【図4】 原稿台にセットされる点字原稿の平面図である。
【図5】 プレゼンテーションシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】 プレゼンテーションシステムの動作の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…スクリーン(スクリーン手段)、2…液晶プロジェクタ(投影手段)、
5…書画カメラ装置、6…発光指輪(指示マーク)、7…点字原稿、
51…原稿台、53…カメラ、54…ガイド(位置決め手段)、
55…バーコードリーダー(読取手段)、71…点字、
B…バーコード(データ固有情報)、P…プレゼンター。

Claims (6)

  1. 原稿台に載置された原稿の書画を撮影するカメラと、前記カメラで撮影した発光する指示マークをポイント画像として前記スクリーン手段に投影する制御手段と、前記原稿台の前記原稿を所定の位置にセットするための位置決め手段とを備え、前記カメラによる撮像が投影手段によってスクリーン手段に投影される書画カメラ装置を用いたプレゼンテーション方法であって、
    前記投影手段は、前記カメラの画角内にセットされるとともに点字が付加された点字原稿に対応する画像を前記スクリーン手段に投影しながら、前記カメラは、前記指示マークを装着した指で点字原稿を読む動作を撮影し、前記投影手段は、前記カメラで撮影される指示マークをポイント画像としてスクリーン手段に投影することを特徴とする書画カメラ装置を用いたプレゼンテーション方法。
  2. 前記カメラには、特定波長光のみを撮影可能とするフィルタが切換え可能に具備され、前記指示マークは当該特定波長光の発光であることを特徴とする請求項1に記載の書画カメラ装置を用いたプレゼンテーション方法
  3. 前記点字原稿は、前記書画カメラ装置に設けた位置決め手段によって定位置にセットされることを特徴とする請求項1または2に記載の書画カメラ装置を用いたプレゼンテーション方法。
  4. 前記書画カメラ装置に設けた読取手段は、前記点字原稿に付加したデータ固有情報を読み取り、前記書画カメラ装置に設けた制御手段は、前記読取手段が読み取ったデータ固有情報に応じた点字原稿に対応する画像を、前記投影手段から前記スクリーン手段に投影することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の書画カメラ装置を用いたプレゼンテーション方法。
  5. 前記データ固有情報は、バーコード、二次元バーコード、文字、記号等の視覚的に認識可能な表記情報であり、前記読取手段はその表記情報を撮像する撮像手段であることを特徴とする請求項に記載の書画カメラ装置を用いたプレゼンテーション方法。
  6. 前記撮像手段が前記カメラであることを特徴とする請求項に記載の書画カメラ装置を用いたプレゼンテーション方法。
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