JP4144260B2

JP4144260B2 - Cutting performance improving decorative sheet

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Publication number: JP4144260B2
Application number: JP2002157474A
Authority: JP
Inventors: 浩一佐川; 勝之新名; 生眞西村; 秀樹山本
Original assignee: Toppan Inc
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 2002-05-30
Filing date: 2002-05-30
Publication date: 2008-09-03
Anticipated expiration: 2022-05-30
Also published as: JP2003340977A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に建築物の内装、建具、家具等等の表面装飾等に用いられる化粧板を製造するための非塩化ビニル系の化粧シート、及びその化粧シートを化粧板用基材に積層した非塩化ビニル系の化粧板に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、例えば建築内装用の扉、クローゼット、キッチン扉、内壁材、家電用表装材などに用いられてきた化粧板の表面に使用されている化粧シートは、印刷適性が良い、可塑剤添加により硬軟の度合いの調節が可能で用途に合わせた固さを選択できる、エンボス加工性が良い、ラミネート時の層間の接着強度が強い、切削性が良く、化粧シートを利用した化粧板にルーター加工等の切削加工を施した場合にもバリ・ヒゲ・膜浮き等が目立たない、等々の利点があるポリ塩化ビニルシートに木目柄や抽象柄等を印刷したポリ塩化ビニル系の化粧シートが一般的に広く使用されてきた。
【０００３】
しかしながら、上述のポリ塩化ビニル系の化粧シートは、燃焼した場合に有害なガスが発生する恐れがあり、廃棄物の燃焼処理時の人的影響や、環境保全への危惧から、ポリ塩化ビニル系の化粧シートに代わる、燃焼した場合にも有毒なガスが発生しない材料を用いた化粧シートの開発が、ユーザーから強く求められている。
【０００４】
そこで近年では、ポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート系、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、アクリル系など非塩化ビニル系の樹脂や紙などを、単層シートか又は複数のシートの積層によって成る非塩化ビニル系の化粧シートが、ポリ塩化ビニル系の化粧シートの代替として使用されるようになってきている。
【０００５】
しかしながら、ポリオレフィン等の非塩化ビニル系の化粧シートを用いて化粧板用基材に積層して化粧板にした場合の化粧板の切削性は、化粧シートを構成する樹脂が本来持つところの機械物性が、ポリ塩化ビニル系樹脂とは異なっているために、非塩化ビニル系化粧シートにおいては、ポリ塩化ビニル系化粧シートと比べて遜色ない切削性を実現することが、これまでは困難であった。
ここでいう化粧板の切削性とは、木質等の有機系の化粧板用基材や無機系の化粧板用基材の表面に化粧シートを積層した化粧板に対して、その化粧シート積層面側からルーター等で切削加工を行った場合の切削面及びその周辺部の切削状態の良否を表すもので、バリ・ヒゲ・膜浮き、等々が無いものを切削性が良いとしている。
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は、係る従来技術の欠点に鑑みてなされたもので、非塩化ビニル系の化粧シート及び該化粧シートを用いて製造された化粧板において、非塩化ビニル系の化粧シートを、木質等の有機系の基材や無機系の基材の表面に積層した化粧板を、化粧シート積層面側からルーター加工等の切削加工を行った場合に、良好な切削性が得られるようにすることを課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明において前記課題を達成するために、まず請求項１に係る発明は、ポリプロピレンを主体とした樹脂１００重量部に対して石油樹脂成分１０重量部を添加した樹脂よりなる厚さ８０μｍの基材シート上に、少なくともインキ層、厚み７０μｍのポリエチレンテレフタレート系樹脂シートよりなる透明非塩化ビニル系樹脂層、厚み６μｍのウレタン系の表面保護層が積層され装飾処理が施された複層構成である化粧シートにおいて、引張速度が５０ｍｍ／ｍｉｎの引張試験により得られる横軸Ｘに歪みｘ、縦軸Ｙに応力ｆ（ｘ）を取ったグラフで表される前記化粧シートに関する応力−歪み曲線において、その降伏点ａと降伏点以降に応力が低下から増大に転ずる点ｃとの間の中間点ｂの曲線の応力−歪み曲線の勾配ｒ＝ｄｆ（ｘb ）／ｄｘが、−９．０×１０^７Ｎ／ｍ^２であり、かつ、前記引張試験により得られる応力−歪み曲線の原点Ｏから降伏点ａまでの区間の曲線と、降伏点ａから横軸Ｘに下した垂線と、横軸Ｘとで囲まれる図形の面積ｓ（ｓ＝∫_０ ^Ｘａ［ｆ（ｘ）］ｄｘ）が、２．０×１０^４Ｎ・ｍ／ｍ^２であることを特徴とする切削性向上化粧シートである。
【００１０】
本発明の請求項２に係る発明は、上記請求項１に係る切削性向上化粧シートが、化粧板用の基材に積層されてなることを特徴とする化粧板である。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の切削性向上化粧シートを、その発明の実施の形態に沿って以下に詳細に説明すれば、図１は引張試験を行った時の一般的な応力−歪み（ひずみ）曲線を示す曲線グラフである。
【００１２】
引張試験とは、試験片に決められた速度を定常的に与えて、その試験片に掛かる応力と、その試験片の歪み（ひずみ）を測定する試験方法である。応力−歪み曲線とは、前記引張試験を行ったときに、縦軸に試験片にかかる応力を取り、横軸には引っ張りにより試験片に生じる歪みを取った際に得られる曲線である。
【００１３】
応力は、試験片にかかる荷重を、その試験片の引っ張り前の断面積で割った値によって規定される。また歪みは、通常は測定片の引張測定中の長さと引っ張り前の初期長さとの比で求められるが、物性を比較する上では、単に引張測定前のシート長さと、引張測定中のシート長さとの差（引張速度と測定経過時間との積に等しい）を歪みの代用特性としても差し支えないので、今回は便宜上、これを横軸の値とする。
【００１４】
また、応力−歪み曲線の形状は、通常引張速度に依存するので、引張試験を行う際は、引張速度を統一する必要がある。本発明においては、全ての引張試験の引張速度を５０ｍｍ／ｍｉｎで行ったが、物性の比較を目的とするのであれば、引張速度は必ずしもこの値に限るものではなく、おおよそ２００ｍｍ／ｍｉｎ以下の範囲であればよい。一般的な応力−歪み曲線の形を図１に示す。
【００１５】
本発明の化粧シートにおいては、ポリ塩化ビニル系の化粧シートを用いた化粧板と同等レベルの切削性を実現するために、図１に示す一般的な応力−歪み曲線に関して、まず降伏点ａと、その降伏点ａ以降に応力が低下から増大に転ずる点ｃとの間の曲線上の中間点ｂにおける応力−歪み曲線の接線の勾配ｒ（ｒ＝ｄｆ（ｘｂ）／ｄｘ）が、−３．５×１０⁷Ｎ／ｍ²以下の範囲にある必要があることを発見した。
【００１６】
また、同じく応力−歪み曲線に関して、弾性域から降伏点ａまでの間の面積ｓを、２．０×１０⁴Ｎ・ｍ／ｍ²以下の範囲に抑えることが必要であることを発見した。
【００１７】
ここで弾性域とは、図１において直線ｄにて示される、引張荷重試験初期の測定値に基づいて得られる応力−歪み曲線が線形状態にある領域のことである。
【００１８】
ここで、引張荷重試験により得られる横軸Ｘに歪み量ｘ（ｘa 、ｘb 、ｘc 、・・・・・）、及び縦軸Ｙに応力ｆ（ｘ）（ｆ（ｘa)、ｆ（ｘb)、ｆ（ｘc)、・・・・・）を取ったグラフで表した応力−歪み曲線において、原点Ｏから降伏点ａまでの曲線区間と、降伏点ａから横軸Ｘに下した垂線と、横軸Ｘとで囲まれる図形の面積ｓ（ｓ＝∫₀ ^xa［ｆ（ｘ）］ｄｘ）は、縦軸Ｙが単位断面積あたりに掛かる力ｆ（ｘ）、横軸Ｘが化粧シートが受ける変位量ｘであるから、単位断面積あたりの切削時のエネルギーと考えることも可能である。
【００１９】
こうして面積ｓを単位断面積あたりの切削時のエネルギーと考えた場合、切削性が良い化粧シートとは、例えば、その化粧シートを化粧板用基材面に貼り合わせて積層して得られる化粧板を、その化粧シートの積層面側から切削した際に、単位断面積当たりの切削時のエネルギーが小さいシート、言い換えれば、切削時にかかる負荷が小さいシートということになる。
【００２０】
続いて、図２を参照しながら、本発明の切削性向上化粧シートについて、その構成の形態を説明する。図２は、本発明で規定された化粧シートの様態の中で、もっとも単純な単層構造の化粧シートを示す断面図である。
【００２１】
図２に示す例では、化粧シートは、ポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート系、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、アクリル系等の樹脂からなる基材シート１の表面に、装飾のための木目柄や抽象柄等のインキ層２が積層されているものである。
【００２２】
この図２に示す例では、インキ層２は基材シート１の表面にあるが、基材シート層１の透明性が高い場合には、主にインキ層２の柄が磨耗や紫外線等により劣化するのを防ぐために、インキ層２を基材シート１の裏面に配しても良い。またこの場合には、基材シート１には、木材等の質感・意匠感を出すために、エンボス加工などにより、凹凸の付いた模様が施されていても良い。
【００２３】
また公知のワイピング法によって凹凸の凹部（導管部）に着色部（図示せず）が形成されていても良い。ワイピング法とは、凹凸部全面に着色インキを塗工して、その後に、凸部に付着している着色インキを掻き取り、凹部のみに着色インキを残留させる方法で、ドクターブレード法、ロールコート法などがあるが、どの方法を用いても良い。
【００２４】
また、前述したような、透明な基材シート１の裏面にインキ層２があるような構成の場合には、当該基材シート１による化粧シートを、木質等の有機系の基材や無機系の化粧板用基材に貼り合せた時、その化粧板用基材の色調（色味）がインキを通して透けて見えるのを防ぐため、前記基材シート１の裏面に設けたインキ層２面にベタの隠蔽層の印刷を行うのが一般的である。
【００２５】
本発明の切削性向上化粧シートに前記基材シート１として使用される単層の基材シートを作製する方法としては、Ｔダイ押出し法やカレンダー法などがあるが、その方法については特に規定されるものではなく用途に応じて使い分けをすればよい。また使用するシートは、延伸・未延伸シートのいずれでも良い。また本発明の切削性向上化粧シートに使用するインキ層２は、木目柄、抽象柄、石目柄、布目柄、文字、記号、ベタ等々の模様を有し、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷、等の公知の印刷技法を用いて形成されるもので、どの方式を使用するかは、特に規定されるものではないが、通常の化粧シートの印刷においては、グラビア印刷を用いることが多い。またインキの種類は、溶剤系と水系の２種類に大別されるが、所望とする発色が得られ、かつ基材シート１、あるいは木質等の有機系基材や無機系の化粧板用基材との密着性が充分であれば、どちらを選んでも差し支えない。
【００２６】
図３は、本発明で規定された切削性向上化粧シートの様態の中で、様々な用途に一般的に広く用いられている複層シート構造の切削性向上化粧シートを示す断面図である。
【００２７】
図３に示す例では、基材シート１上にインキ層２が積層されているところまでは、単層構造の切削性向上化粧シートと同じ構造であるが、複層の場合は基材シート１に紙を用いても良い。また複層構造の切削性向上化粧シートの場合には、主にインキ層２の模様柄が、磨耗や紫外線等により退色したり劣化したりするのを防ぐために、インキ層２の表面に透明非塩化ビニル系樹脂層３が積層されており、さらにその上には透明な表面保護層４が積層されている。透明非塩化ビニル系樹脂層３と透明な表面保護層４には、木材等の質感を出すために、エンボス加工などにより凹凸模様４ａなど凹凸加工が施されていても良い。
【００２８】
本発明で使用される上記透明非塩化ビニル系樹脂層３は、ポリ塩化ビニル系シートと同等以上の物性を有していれば、特に規定されるものではないが、コスト面や、その他を考慮した場合、ポリプロピレンを主体とした樹脂であることが望ましい。
【００２９】
この層の厚みとしては、通常３０〜２００ｍｍ程度にすることが多いが、その範囲内に限定される必要は必ずしもない。透明非塩化ビニル系樹脂層３には、エンボス加工等によって作製した装飾のための凹凸があってもよい。また前記した公知のワイピング法によって、凹凸の凹部（導管部）に着色部が形成されていても良い。
【００３０】
また切削性向上化粧シート自体に、耐熱性、硬度、耐衝撃性、低温加工性等の機能が要求される場合には、透明非塩化ビニル系樹脂層３のベースとなるポリプロピレンもホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー等を任意に選定したものであって構わない。また通常は、これら透明非塩化ビニル系樹脂層３には、得られた製品の熱酸化を防止するための酸化防止剤や、得られた製品の紫外線による劣化を防ぐための紫外線吸収剤及び光安定剤等々の添加剤が適宜添加される。これらの添加剤の種類及び量に関しては、特に規定されるものではなく、一般に使用されているものの組み合わせで充分である。
【００３１】
前記の様に、複層タイプのシートを作製する方法としては、Ｔダイ押出しラミネーション法（共押出しラミネーションを含む）、ドライラミネーション等、従来から公知の様々な方法があり、用途に応じて、いずれの方法を用いても差し支えない。
【００３２】
Ｔダイ押出しラミネーションによるシート作製とは、押出し機から、スクリューを使って熱融解した樹脂をフィードし、Ｔダイを通して基材となるシート上に樹脂を積層していく方法である。特に、基材シート１上に２層以上を積層する場合には、２種類以上の熱融解された樹脂が別々の押出し機から同時にフィードされ、Ｔダイの中または外でこれらの樹脂を積層することにより、複層のシートが層間に接着剤を使用することなく作製できる。この製法においては、層間の密着強度を得るために、必要に応じて、アンカーコート層を用いる、接着性樹脂層を用いる、あるいはコロナ処理、オゾン処理等の酸化処理を行う等々の処理を行なう。
【００３３】
ドライラミネーションとは、積層する片方のシートに、水性または有機溶剤で溶解させた接着剤を公知のコーティング技法を用いて均一に塗布し、乾燥オーブン中で溶剤分を蒸発・乾燥させた後、乾燥粘着状態になったところで、他方のシートを貼り合わせ、４０〜１００℃に加熱した金属ロールとゴムロールとで圧着ラミネートする方法である。ドライラミネーションに使用する接着剤としては、ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、エポキシ系、ゴム系、エマルジョン系、ウレタン系等があるが、本発明の切削性向上化粧シートにおいては、ウレタン系の接着剤が適している。
【００３４】
本発明で使用される表面保護層４は、化粧シート及び化粧シートを用いて作製される化粧板の耐候性、耐汚染性、耐傷性の向上、及び化粧シートに所定の艶を持たせるために用いられている。また、前記のワイピング等の技法により、導管部に着色が施されている場合には、この着色インキ保護の役割も果たす。この層の成分及び厚みに関しても、耐候性、耐汚染性、艶、及び透明非塩化ビニル系樹脂層との密着等が充分にあれば、特に規定されるものではない。
【００３５】
本発明の切削性向上化粧シートにおいては、木質等の有機系基材や無機系の化粧板用基材との密着強度を向上させるために、必要に応じて、基材シート１の裏面にプライマー層を設けても良い。このプライマー層に関しても、化粧板用基材との充分な密着強度が得られており、かつ積層時の基材シート１と木質等の有機系基材や無機系の化粧板用基材との間でのシート１の浮き等が発生しなければ、特に規定されるものではないがポリウレタン系のものを使用するのが望ましい。
【００３６】
これまで列記した各層に関しては、層間の密着強度を向上させるために、必要に応じてコロナ処理、オゾン処理等の酸化処理が施してあっても差し支えない。
【００３７】
これまでに列記した構成の切削性向上化粧シートで、前記した勾配ｒが、−３．５×１０⁷Ｎ／ｍ²以下であり、かつ面積ｓが、２．０×１０⁴Ｎ・ｍ／ｍ²以下にある化粧シートであれば、この化粧シートの切削性は良いと言えるが、単層または複層のうちの１つ以上の層に、たとえばポリオレフィン系の樹脂が使用されている場合などでは、この数値を超えることがあり得る。その場合の対策としては、ポリオレフィン系の樹脂１００重量部に対して、脂肪族系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂等の石油樹脂の成分か、またはアルコン等を１〜５０重量部添加すればよい。
【００３８】
【実施例】
以下、本発明の切削性向上化粧シートの具体的実施例及び比較例について更に説明する。
【００３９】
＜参考例１＞
ポリプロピレンを主体とした樹脂１００重量部に対して、石油樹脂成分１０重量部をマスターバッチ方式によって添加し、Ｔダイ押出し法によって厚み７０μｍの単層シート（図２の単層シート１参照）を作製した。このシートにおいて、前記引張荷重試験を５０ｍｍ／ｍｉｎの引張速度で行い、得られた応力−歪み曲線の形状から、同じく前記の勾配ｒと面積ｓを求めた。さらに、このシートの表面にグラビア印刷法により木質柄模様のインキ層２を施して、図２に示すような石油樹脂成分添加のＰＰ系単層化粧シートによる本発明の切削性向上化粧シートを得た。
得られた切削性向上化粧シートの裏面にコロナ処理及びプライマー層の積層を行った後、化粧板用基材としての木質系の基材上に、この化粧シートを、その裏面側を貼り合わせ積層して化粧板を作成した。そして、この化粧板に対して、その化粧シートの積層面側からルーター切削加工を行ない、その切削性の確認を行った。
【００４０】
＜実施例１＞
上記参考例１と同様のポリプロピレンを主体とした樹脂１００重量部に対して石油樹脂成分１０重量部をマスターバッチ方式によって添加した樹脂（基材シート１用樹脂）を、ポリエチレン系の接着性樹脂と共に、共押出しラミネーション法を用いて、グラビア印刷法により木質柄模様のインキ層２を施した厚み約７０μｍのポリエチレンテレフタレート系樹脂シート（透明非塩化ビニル系樹脂層３）上に８０μｍの厚みで積層し、図３に示したような基材シート１と接着性樹脂とインキ層２と透明非塩化ビニル系樹脂層３からなる複層シートを得た。
前記インキ層２と前記接着性樹脂による接着性樹脂層との間には、２液のウレタン系アンカーコート樹脂を塗布し、さらに、アンカーコート層と接着性樹脂層との間にオゾン処理を施すことにより、層間の密着強度を高めた。また、得られた上記積層シートの最表層部（透明非塩化ビニル系樹脂層３）面に、厚み約６μｍのウレタン系の表面保護層４を積層して、図３に示すような石油樹脂成分添加の複層化粧シートによる本発明の切削性向上化粧シートを得た。
この化粧シートにおいて、単層の時と同じく５０ｍｍ／ｍｉｎの引張速度で引張荷重試験を行い、応力−歪み曲線の形状から勾配ｒと面積ｄを求めた。さらに得られた化粧シート裏面の基材シート１にコロナ処理及びプライマー層の積層を行った後、化粧板用基材としてのＭＤＦ基材上に、この化粧シートの基材シート１側を貼り合わせて化粧板を作成した。そして、この化粧板に対して、その化粧シートの積層面側からルーター切削加工を行ない、その切削性の確認を行った。
【００４１】
＜比較例１＞
それぞれ厚み７０μｍのポリ塩化ビニルの単層化粧シートと、ポリエチレンを主体とした石油樹脂成分未添加のＰＥ系単層化粧シートと、ポリプロピレンを主体とした石油樹脂成分未添加のＰＰ系単層化粧シートを、それぞれ用意して、同じく前記の引張荷重試験で得られる応力−歪み曲線から、それぞれ単層化粧シートの勾配ｒと面積ｄを求めた。さらに、これらの単層化粧シートの裏面に、コロナ処理及びプライマー層の積層を行った後、化粧板用基材としての木質系の基材上に、それぞれシートを貼り合わせて、比較例としての化粧板を作成した。そして、この化粧板に対して、その化粧シートの積層面側からルーター切削加工を行ない、その切削性の確認を行った。
【００４２】
＜比較例２＞
比較例２の（１）として総厚１５０μｍポリ塩化ビニルの基材シートを用いた複層化粧シートと、（２）として共押出しラミネーション法を用いて積層された表層から順に厚み約７０μｍのポリプロピレン系樹脂層と厚み約１０μｍのポリエチレン系接着性樹脂層とアンカーコート層とインキ層と基材シートとして石油樹脂未添加の厚み約７０μｍのポリエチレンテレフタレート樹脂層とからなる石油樹脂未添加のＰＰ／ＰＥＴ系複層化粧シートと、（３）として同じく共押出しラミネーション法を用いて積層された表層から順に厚み約７０μｍのポリプロピレン系の層と厚み約１０μｍのポリエチレン系の接着性樹脂層とアンカーコート層とインキ層と基材シートとして石油樹脂未添加の厚み約７０μｍのポリプロピレン層とからなる石油樹脂未添加のＰＰ／ＰＰ系複層化粧シートと、（４）として同じく共押出しラミネーション法を用いて積層された表層から順に厚み約７０μｍのポリプロピレン系の層と厚み約１０μｍのポリエチレン系の接着性樹脂層とアンカーコート層とインキ層と基材シートとして石油樹脂未添加の厚み約７０μｍのポリエチレン層とからなる石油樹脂未添加のＰＰ／ＰＥ系複層化粧シートをそれぞれ用意し、これらの複層化粧シート最表層部に、厚み６μｍの表面保護層を積層した。
これらの複層化粧シートにおいて、５０ｍｍ／ｍｉｎの引張速度で引張荷重試験を行い、応力−歪み曲線の形状から勾配ｒと面積ｄを求めた。さらに、それら複層化粧シート裏面にコロナ処理及びプライマー層の積層を行った後、化粧板用基材としてのＭＤＦ基材上に、これら化粧シートの基材シート側を貼り合わせて化粧板を作成した。そして、この化粧板に対して、その化粧シートの積層面側からルーター切削加工を行ない、その切削性の確認を行った。
【００４３】
【表１】

【００４４】
表１は、参考例１、比較例１で得られた化粧板について、その勾配ｒ、面積ｄ及び切削性に関する評価結果を一覧表にしたものである。
【００４５】
表１を見てわかる通り、勾配ｒが−３．５×１０^７Ｎ／ｍ^２以下であり、また面積ｄが、２．０×１０^４Ｎ・ｍ／ｍ²以下の範囲にある、比較例１の（１）ポリ塩化ビニルの単層化粧シート、及び参考例１の石油樹脂成分添加のＰＰ系単層化粧シートの切削性は良好であり、逆に勾配ｒと面積ｄが上記範囲を満たしていない比較例１の（２）石油樹脂成分未添加のＰＥ系単層化粧シート、（３）石油樹脂成分未添加のＰＰ系単層化粧シートの切削性は悪い。
【００４６】
また表１を見てわかる通り、勾配ｒが−３．５×１０^７Ｎ／ｍ^２以下であり、また面積ｄが、２．０×１０^４Ｎ・ｍ／ｍ^２以下の範囲にある、比較例２の（１）ポリ塩化ビニル複層化粧シート、及び実施例１の石油樹脂添加のポリプロピレン系樹脂とポリエチレンテレフタレート系樹脂のＰＰ／ＰＥＴ複層化粧シートの切削性は良好であり、逆に勾配ｒと面積ｄが上記範囲を満たしていない比較例２の（２）〜（４）の石油樹脂未添加の化粧シートの切削性は悪い結果となった。
【００４７】
【発明の効果】
本発明の切削性向上化粧シートは、非塩化ビニル系の化粧シートであり、化粧板用基材に貼り合わせて化粧板とした場合に、従来のポリオレフィン系化粧シート等を貼り合わせた非塩化ビニル系の化粧板と比べて、バリやヒゲ、膜浮き等の少ない、切削性の優れた化粧板として製造できる効果がある。
【００４８】
更に、本発明の切削性向上化粧シートは、塩化ビニル系の化粧シート及び化粧板と同様の良好な切削性が得られ、切削部の処理に費やす手間や時間を省けるため、コスト削減効果が得られ、また従来のポリ塩化ビニル系の化粧シート及び化粧板と比較して、燃焼した場合の有害ガスの発生する恐れが無く、また廃棄物の燃焼処理時の人的悪影響が無く、環境保全に良好な効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】応力−歪み曲線の代表的な形状と本発明で規定する面積ｓを定義する説明図。
【図２】本発明の切削性向上化粧シートにおける単層化粧シートの代表的な構成を示す側断面図。
【図３】本発明の切削性向上化粧シートにおける複層化粧シートの代表的な構成を示す側断面図。
【符号の説明】
１…基材シート２…インキ層３…透明非塩化ビニル系樹脂層
４…表面保護層ｘ…歪み量ｆ（ｘ）…応力
ａ…降伏点（ｘa ，ｆ（ｘa ））
ｂ…降伏点ａと降伏点以降に応力が低下から増大に転ずる点ｃとの間の中間点
ｃ…降伏点ａ以降に応力が低下から増大に転ずる点
ｄ…弾性域の応力−歪み曲線の勾配
ｅ…中間点ｂの接線
ｓ…応力−歪み曲線における原点Ｏから歪み量ｘa までの図形面積
ｒ…接線ｅのｙ／ｘ勾配値
ｘa …降伏点ａの歪み量
ｘb …中間点ｂの歪み量
ｘc …降伏点ａ以降に応力が低下から増大に転ずる点ｃの歪み量[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a non-vinyl chloride decorative sheet for producing a decorative sheet used mainly for interior decoration of buildings, fittings, furniture, etc., and the decorative sheet laminated on a decorative sheet substrate It relates to a non-vinyl chloride decorative board.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, for example, decorative sheets used on the surfaces of decorative boards that have been used for doors, closets, kitchen doors, interior wall materials, home appliances for home appliances, etc., have good printability and are hardened by adding a plasticizer. The degree of embossing can be adjusted, the hardness can be selected according to the application, the embossability is good, the adhesive strength between layers at the time of lamination is strong, the machinability is good, and the decorative board using the decorative sheet is processed with router Polyvinyl chloride decorative sheets printed with a wood grain pattern or abstract pattern on a polyvinyl chloride sheet that has advantages such as burr, whiskers, and film lift are not noticeable even when machined. Have been used.
[0003]
However, the above-mentioned polyvinyl chloride-based decorative sheet may generate harmful gases when burned. Due to human influence during the combustion process of waste and concerns about environmental conservation, the polyvinyl chloride-based decorative sheet Instead of these decorative sheets, the development of decorative sheets using materials that do not generate toxic gas when burned is strongly demanded by users.
[0004]
Therefore, in recent years, non-vinyl chloride-based makeup made of non-vinyl chloride resin or paper such as polyolefin, polyethylene terephthalate, polyester, polyvinyl alcohol, acrylic, etc., which is a single layer sheet or a laminate of a plurality of sheets. Sheets are being used as an alternative to polyvinyl chloride decorative sheets.
[0005]
However, when a non-vinyl chloride decorative sheet such as polyolefin is used to laminate a decorative sheet base material, the decorative sheet has a machinability that is inherent to the resin that constitutes the decorative sheet. However, because it is different from polyvinyl chloride resin, it has been difficult to achieve cutting performance comparable to that of polyvinyl chloride decorative sheets in non-vinyl chloride decorative sheets. .
The machinability of the decorative board here refers to the decorative sheet laminate surface of a decorative board laminated with a decorative sheet on the surface of an organic decorative board base material such as wood or an inorganic decorative board base material. It represents the quality of the cutting surface and its peripheral part when cutting with a router or the like from the side, and the one with no burrs, whiskers, film floats, etc. has good cutting properties.
[Problems to be solved by the invention]
[0006]
The present invention has been made in view of the drawbacks of the related art, and in a decorative sheet made of non-vinyl chloride and a decorative sheet manufactured using the decorative sheet, the non-vinyl chloride decorative sheet is made of wood or the like. To make it possible to obtain good machinability when a decorative board laminated on the surface of an organic or inorganic base material is subjected to a cutting process such as router processing from the decorative sheet lamination surface side. Let it be an issue.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object in the present invention, first, the invention according to claim 1 is a substrate having a thickness of 80 μm made of a resin obtained by adding 10 parts by weight of a petroleum resin component to 100 parts by weight of a resin mainly composed of polypropylene. A makeup having a multilayer structure in which at least an ink layer, a transparent non-vinyl chloride resin layer made of a polyethylene terephthalate resin sheet having a thickness of 70 μm, and a urethane surface protective layer having a thickness of 6 μm are laminated on the sheet and decorated. In the stress-strain curve for the decorative sheet represented by a graph in which the horizontal axis X is obtained by a tensile test with a tensile speed of 50 mm / min and the horizontal axis X is strain x and the vertical axis Y is stress f (x). The slope r = df (xb) / d of the stress-strain curve of the curve at the intermediate point b between the yield point a and the point c at which the stress changes from decrease to increase after the yield point. But - 9.0 a × 10 7 ^{N /} m ^2, and the tension is obtained by the test stress - and the curve of from the origin O of the strain curve up to the yield point section a, the horizontal axis X from the yield point a and the perpendicular to beat, and wherein the area of a figure surrounded by the horizontal axis _{^{X s (s = ∫ 0 Xa}} [f (x)] dx) is a ^{2.0 × 10 4 N · m /} m 2 This is a decorative sheet with improved machinability.
[0010]
The invention according to claim 2 of the present invention is a decorative board in which the cutability improving decorative sheet according to claim 1 is laminated on a base material for a decorative board.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The cutting performance improving decorative sheet of the present invention will be described in detail below in accordance with an embodiment of the present invention. FIG. 1 is a curve showing a general stress-strain (strain) curve when a tensile test is performed. It is a graph.
[0012]
The tensile test is a test method in which a constant speed is given to a test piece, and the stress applied to the test piece and the strain (strain) of the test piece are measured. The stress-strain curve is a curve obtained when the stress applied to the test piece is taken on the vertical axis and the strain generated in the test piece is taken on the horizontal axis when the tensile test is performed.
[0013]
The stress is defined by a value obtained by dividing the load applied to the test piece by the cross-sectional area before the test piece is pulled. The strain is usually determined by the ratio of the length of the measurement piece during the tensile measurement to the initial length before the tension. For comparison of physical properties, the sheet length before the tensile measurement and the sheet length during the tensile measurement are simply calculated. (This is equal to the product of the tensile speed and the measurement elapsed time) can be used as a substitute characteristic of strain.
[0014]
Further, since the shape of the stress-strain curve usually depends on the tensile speed, it is necessary to unify the tensile speed when performing a tensile test. In the present invention, the tensile speeds of all tensile tests were performed at 50 mm / min. However, if the purpose is to compare physical properties, the tensile speed is not necessarily limited to this value, and is approximately 200 mm / min or less. Any range is acceptable. A typical stress-strain curve is shown in FIG.
[0015]
In the decorative sheet of the present invention, in order to achieve the same level of machinability as a decorative sheet using a polyvinyl chloride decorative sheet, first, regarding the general stress-strain curve shown in FIG. The slope r (r = df (xb) / dx) of the tangent line of the stress-strain curve at the intermediate point b on the curve between the yield point a and the point c at which the stress changes from decreasing to increasing is −3. It was discovered that it must be in the range of 5 × 10 ⁷ N / m ² or less.
[0016]
Similarly, regarding the stress-strain curve, it was discovered that the area s from the elastic region to the yield point a needs to be suppressed to a range of 2.0 × 10 ⁴ N · m / m ² or less.
[0017]
Here, the elastic region is a region where the stress-strain curve obtained based on the measured value at the initial stage of the tensile load test, indicated by the straight line d in FIG. 1, is in a linear state.
[0018]
Here, the horizontal axis X obtained by the tensile load test is the strain amount x (xa, xb, xc,...), And the vertical axis Y is the stress f (x) (f (xa), f (xb). , F (xc),..., In a stress-strain curve represented by a graph, a curve section from the origin O to the yield point a, a perpendicular line extending from the yield point a to the horizontal axis X, The area s (s = ∫ ₀ ^xa [f (x)] dx) of the figure surrounded by the horizontal axis X is that the vertical axis Y is the force f (x) applied per unit sectional area, and the horizontal axis X is the decorative sheet. Since the displacement amount x is received, it can be considered as energy at the time of cutting per unit cross-sectional area.
[0019]
Thus, when the area s is considered as energy at the time of cutting per unit cross-sectional area, a decorative sheet having good machinability is, for example, a decorative sheet obtained by laminating the decorative sheet on a decorative sheet base material surface Is cut from the laminated surface side of the decorative sheet, it is a sheet having a small energy per unit cross-sectional area, in other words, a sheet having a small load applied during the cutting.
[0020]
Then, the form of the structure is demonstrated about the cutting property improvement decorative sheet of this invention, referring FIG. FIG. 2 is a cross-sectional view showing the simplest single-layered decorative sheet among the decorative sheet modes defined in the present invention.
[0021]
In the example shown in FIG. 2, the decorative sheet has a wood grain pattern or an abstract pattern for decoration on the surface of the base material sheet 1 made of a resin such as polyolefin, polyethylene terephthalate, polyester, polyvinyl alcohol, or acrylic. The ink layer 2 is laminated.
[0022]
In the example shown in FIG. 2, the ink layer 2 is on the surface of the base sheet 1, but when the base sheet layer 1 is highly transparent, the pattern of the ink layer 2 is mainly deteriorated due to wear or ultraviolet rays. In order to prevent this, the ink layer 2 may be disposed on the back surface of the base sheet 1. In this case, the substrate sheet 1 may be provided with an uneven pattern by embossing or the like in order to give a feeling of texture and design such as wood.
[0023]
Moreover, the coloring part (not shown) may be formed in the uneven | corrugated recessed part (conduit part) by the well-known wiping method. The wiping method is a method in which colored ink is applied to the entire surface of the concavo-convex portion, then the colored ink adhering to the convex portion is scraped, and the colored ink remains only in the concave portion. The doctor blade method, roll coating There are methods, but any method may be used.
[0024]
Further, in the case where the ink layer 2 is provided on the back surface of the transparent base material sheet 1 as described above, the decorative sheet made of the base material sheet 1 is made of an organic base material such as wood or an inorganic base material. In order to prevent the color tone (color tone) of the decorative board base material from being seen through the ink when it is bonded to the decorative board base material, the ink layer 2 provided on the back surface of the base material sheet 1 is used. It is common to print a solid concealing layer.
[0025]
As a method for producing a single-layer base sheet used as the base sheet 1 in the machinability improving decorative sheet of the present invention, there are a T-die extrusion method, a calendar method, and the like. What is necessary is just to use properly according to a use rather than a thing. The sheet used may be either a stretched or unstretched sheet. The ink layer 2 used in the cutting sheet for improving machinability of the present invention has a pattern of wood grain, abstract pattern, stone pattern, cloth pattern, letters, symbols, solids, etc., and gravure printing, offset printing, silk screen It is formed using a known printing technique such as printing, transfer printing from a transfer sheet, etc., which method is used is not particularly specified, but in normal decorative sheet printing, Gravure printing is often used. There are two types of ink, solvent-based and water-based, but the desired color can be obtained, and the base sheet 1 or an organic base such as wood or an inorganic decorative board base. Either one can be selected as long as the adhesion to the material is sufficient.
[0026]
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a multi-layer sheet structure-cutting decorative sheet that is generally widely used for various applications in the form of the cutting-improving decorative sheet defined in the present invention.
[0027]
In the example shown in FIG. 3, the structure is the same as that of the single-layered machinability improving decorative sheet up to the point where the ink layer 2 is laminated on the base material sheet 1. Alternatively, paper may be used. In the case of a decorative sheet with improved machinability having a multi-layer structure, the surface of the ink layer 2 is mainly transparent to prevent the pattern of the ink layer 2 from fading or deteriorating due to wear or ultraviolet rays. A vinyl chloride resin layer 3 is laminated, and a transparent surface protective layer 4 is further laminated thereon. The transparent non-vinyl chloride resin layer 3 and the transparent surface protective layer 4 may be subjected to uneven processing such as an uneven pattern 4a by embossing or the like in order to give a texture such as wood.
[0028]
The transparent non-vinyl chloride resin layer 3 used in the present invention is not particularly defined as long as it has physical properties equivalent to or higher than those of the polyvinyl chloride sheet, but costs and other considerations are taken into consideration. In this case, it is desirable that the resin is mainly made of polypropylene.
[0029]
The thickness of this layer is usually about 30 to 200 mm, but is not necessarily limited to the range. The transparent non-vinyl chloride resin layer 3 may have irregularities for decoration made by embossing or the like. Moreover, the coloring part may be formed in the uneven | corrugated recessed part (conduit part) by the above-mentioned well-known wiping method.
[0030]
When the decorative sheet for improving machinability itself is required to have functions such as heat resistance, hardness, impact resistance, and low-temperature workability, the polypropylene used as the base of the transparent non-vinyl chloride resin layer 3 is also a homopolymer, a random Copolymers, block copolymers and the like may be arbitrarily selected. Usually, the transparent non-vinyl chloride resin layer 3 includes an antioxidant for preventing thermal oxidation of the obtained product, an ultraviolet absorber and a light for preventing deterioration of the obtained product due to ultraviolet rays. Additives such as stabilizers are added as appropriate. The types and amounts of these additives are not particularly defined, and combinations of those commonly used are sufficient.
[0031]
As described above, as a method for producing a multilayer sheet, there are various conventionally known methods such as T-die extrusion lamination method (including co-extrusion lamination), dry lamination, and so on. This method can be used.
[0032]
Sheet production by T-die extrusion lamination is a method in which a heat-melted resin is fed from an extruder using a screw and the resin is laminated on a sheet serving as a base material through a T-die. In particular, when two or more layers are laminated on the base sheet 1, two or more types of heat-melted resins are fed simultaneously from different extruders, and these resins are laminated inside or outside the T-die. Thus, a multilayer sheet can be produced without using an adhesive between the layers. In this manufacturing method, in order to obtain adhesion strength between layers, treatments such as using an anchor coat layer, an adhesive resin layer, or performing an oxidation treatment such as a corona treatment or an ozone treatment are performed as necessary.
[0033]
Dry lamination is a method in which an adhesive dissolved in an aqueous or organic solvent is uniformly applied to one of the laminated sheets using a known coating technique, and the solvent is evaporated and dried in a drying oven, followed by drying. When the adhesive state is reached, the other sheet is bonded and pressure-laminated with a metal roll and a rubber roll heated to 40 to 100 ° C. Adhesives used for dry lamination include vinyl-based, acrylic-based, polyamide-based, epoxy-based, rubber-based, emulsion-based, urethane-based, etc., but in the machinability improving decorative sheet of the present invention, urethane-based bonding The agent is suitable.
[0034]
The surface protective layer 4 used in the present invention is for improving the weather resistance, stain resistance, and scratch resistance of a decorative sheet and a decorative sheet produced using the decorative sheet, and giving the decorative sheet a predetermined gloss. It is used. Further, when the conduit portion is colored by the above-described technique such as wiping, it also serves to protect the colored ink. The component and thickness of this layer are not particularly defined as long as they have sufficient weather resistance, stain resistance, gloss, adhesion with a transparent non-vinyl chloride resin layer, and the like.
[0035]
In the machinability improving decorative sheet of the present invention, a primer is provided on the back surface of the base sheet 1 as necessary in order to improve the adhesion strength with an organic base material such as wood or an inorganic base material for decorative board. A layer may be provided. Also with respect to this primer layer, sufficient adhesion strength with the base material for decorative board is obtained, and the base material sheet 1 at the time of lamination and an organic base material such as wood or an inorganic base material for decorative board If the sheet 1 does not float between the two, it is preferable to use a polyurethane-based material, although not particularly specified.
[0036]
Each layer listed so far may be subjected to an oxidation treatment such as corona treatment or ozone treatment as necessary in order to improve the adhesion strength between the layers.
[0037]
In the cutability improving decorative sheets having the configurations listed so far, the gradient r is −3.5 × 10 ⁷ N / m ² or less and the area s is 2.0 × 10 ⁴ N · m /. If the decorative sheet is m ² or less, it can be said that the machinability of the decorative sheet is good. However, for example, a polyolefin-based resin is used in one or more layers of a single layer or multiple layers. Then, this number may be exceeded. In this case, 1 to 50 parts by weight of a component of petroleum resin such as aliphatic resin or dicyclopentadiene resin or alkone may be added to 100 parts by weight of polyolefin resin.
[0038]
【Example】
Hereinafter, specific examples and comparative examples of the machinability improving decorative sheet of the present invention will be further described.
[0039]
< Reference Example 1>
10 parts by weight of a petroleum resin component is added by a master batch method to 100 parts by weight of a resin mainly composed of polypropylene, and a single-layer sheet (see single-layer sheet 1 in FIG. 2 ) having a thickness of 70 μm is produced by a T-die extrusion method. did. In this sheet, the tensile load test was performed at a tensile speed of 50 mm / min, and the gradient r and area s were similarly obtained from the shape of the obtained stress-strain curve. Furthermore, by subjecting the ink layer 2 of the wood pattern pattern by a gravure printing method on the surface of the sheet, to obtain a machinability improvement decorative sheet of the present invention by PP-based single layer decorative sheet petroleum resin component added as shown in FIG. 2 It was.
After the corona treatment and lamination of the primer layer on the back surface of the obtained machinability improving decorative sheet, the decorative sheet is laminated and laminated on the woody base material as a decorative board base material. And made a decorative board. Then, router cutting was performed on the decorative sheet from the laminated surface side of the decorative sheet, and the machinability was confirmed.
[0040]
<Example 1 >
A resin (resin for base sheet 1) in which 10 parts by weight of a petroleum resin component is added by a masterbatch method to 100 parts by weight of a resin mainly composed of polypropylene as in Reference Example 1, together with a polyethylene-based adhesive resin Using a coextrusion lamination method, the laminate is laminated on a polyethylene terephthalate resin sheet (transparent non-vinyl chloride resin layer 3) having a thickness of about 70 μm to which a wood pattern ink layer 2 is applied by a gravure printing method to a thickness of 80 μm. As shown in FIG. 3 , a multilayer sheet composed of the base sheet 1, the adhesive resin, the ink layer 2, and the transparent non-vinyl chloride resin layer 3 was obtained.
A two-component urethane anchor coat resin is applied between the ink layer 2 and the adhesive resin layer made of the adhesive resin, and ozone treatment is applied between the anchor coat layer and the adhesive resin layer. As a result, the adhesion strength between the layers was increased. Further, the outermost layer (the transparent non-vinyl chloride-based resin layer 3) face of the obtained the laminated sheet by laminating a surface protective layer 4 of the urethane having a thickness of about 6 [mu] m, petroleum resin component as shown in FIG. 3 The machinability-enhancing decorative sheet of the present invention was obtained with the additive multilayer decorative sheet.
This decorative sheet was subjected to a tensile load test at a tensile speed of 50 mm / min as in the case of a single layer, and the gradient r and area d were determined from the shape of the stress-strain curve. Further, the corona treatment and the primer layer are laminated on the base sheet 1 on the back of the decorative sheet, and then the base sheet 1 side of the decorative sheet is bonded onto the MDF base as the base for the decorative board. I made a decorative veneer. Then, router cutting was performed on the decorative sheet from the laminated surface side of the decorative sheet, and the machinability was confirmed.
[0041]
<Comparative Example 1>
A single-layer decorative sheet made of polyvinyl chloride having a thickness of 70 μm, a PE-based single-layer decorative sheet mainly composed of polyethylene and not containing a petroleum resin component, and a PP-based single-layer decorative sheet mainly composed of polypropylene and not containing a petroleum resin component. Were prepared, and the gradient r and area d of the single-layer decorative sheet were obtained from the stress-strain curve obtained in the same tensile load test. Furthermore, after performing the corona treatment and the lamination of the primer layer on the back surface of these single-layer decorative sheets, each sheet was laminated on a wooden substrate as a decorative board substrate, A decorative board was created. Then, router cutting was performed on the decorative sheet from the laminated surface side of the decorative sheet, and the machinability was confirmed.
[0042]
<Comparative example 2>
In Comparative Example 2 (1), a multi-layer decorative sheet using a polyvinyl chloride base sheet having a total thickness of 150 μm, and (2) a polypropylene system having a thickness of about 70 μm in order from the surface layer laminated using the co-extrusion lamination method. PP / PET system with no petroleum resin added, comprising a resin layer, a polyethylene adhesive resin layer with a thickness of about 10 μm, an anchor coat layer, an ink layer, and a polyethylene terephthalate resin layer with a thickness of about 70 μm as a base sheet. A multilayer decorative sheet, a polypropylene layer having a thickness of about 70 μm, a polyethylene adhesive resin layer having a thickness of about 10 μm, an anchor coat layer, and an ink in order from the surface layer laminated using the coextrusion lamination method as (3). Resin comprising a layer and a polypropylene layer having a thickness of about 70 μm with no petroleum resin added as a base sheet An additive PP / PP multilayer decorative sheet, and a polypropylene layer having a thickness of about 70 μm and a polyethylene adhesive resin layer having a thickness of about 10 μm in this order from the surface layer laminated by the same coextrusion lamination method as (4) A PP / PE multi-layer decorative sheet with no petroleum resin added, comprising a polyethylene layer with a thickness of about 70 μm without adding a petroleum resin as a base sheet, an anchor coat layer, an ink layer, and these multi-layer decorative sheets A surface protective layer having a thickness of 6 μm was laminated on the outermost layer.
These multilayer decorative sheets were subjected to a tensile load test at a tensile speed of 50 mm / min, and the gradient r and area d were determined from the shape of the stress-strain curve. Furthermore, after corona treatment and lamination of the primer layer on the back side of these multi-layer decorative sheets, a decorative sheet is prepared by laminating the base sheet side of these decorative sheets on the MDF base material as a decorative sheet base material. did. Then, router cutting was performed on the decorative sheet from the laminated surface side of the decorative sheet, and the machinability was confirmed.
[0043]
[Table 1]

[0044]
Table 1 lists the evaluation results regarding the gradient r, area d, and machinability of the decorative plates obtained in Reference Example 1 and Comparative Example 1.
[0045]
As can be seen from Table 1, the slope r is −3.5 × 10 ⁷ N / m ² or less and the area d is in the range of 2.0 × 10 ⁴ N · m / m ² or less. The machinability of the single-layer decorative sheet of Example 1 (1) polyvinyl chloride and the PP-based single-layer decorative sheet added with the petroleum resin component of Reference Example 1 is good, and conversely, the gradient r and the area d are within the above ranges. The machinability of (2) PE single-layer decorative sheet not added with petroleum resin component, and (3) PP single-layer decorative sheet not added with petroleum resin component is not satisfactory.
[0046]
Further, as can be seen from Table 1, the gradient r is −3.5 × 10 ⁷ N / m ² or less, and the area d is in the range of 2.0 × 10 ⁴ N · m / m ² or less. The machinability of the (1) polyvinyl chloride multilayer decorative sheet of Comparative Example 2 and the PP / PET multilayer decorative sheet of the petroleum resin-added polypropylene resin and polyethylene terephthalate resin of Example 1 is good. The machinability of the decorative sheet to which no petroleum resin was added in Comparative Examples 2 (2) to (4) in which the gradient r and the area d did not satisfy the above range was poor.
[0047]
【The invention's effect】
The machinability improving decorative sheet according to the present invention is a non-vinyl chloride decorative sheet. When a decorative sheet is laminated to a decorative board substrate, a non-vinyl chloride obtained by bonding a conventional polyolefin decorative sheet or the like. There is an effect that it can be manufactured as a decorative board having excellent cutting properties and less burr, whiskers, film float, etc., compared to a decorative decorative board.
[0048]
Furthermore, the machinability improving decorative sheet of the present invention provides the same good machinability as the vinyl chloride decorative sheet and decorative plate, and saves the labor and time spent on the processing of the cutting part, so that the cost reduction effect is obtained. Compared to conventional polyvinyl chloride decorative sheets and panels, there is no risk of generating harmful gases when combusted, and there is no adverse human impact during the combustion process of waste, which helps to preserve the environment. A good effect is exhibited.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram for defining a representative shape of a stress-strain curve and an area s defined by the present invention.
FIG. 2 is a side sectional view showing a typical configuration of a single-layer decorative sheet in the machinability improving decorative sheet of the present invention.
FIG. 3 is a side sectional view showing a typical configuration of a multilayer decorative sheet in the machinability improving decorative sheet of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Base material sheet 2 ... Ink layer 3 ... Transparent non-vinyl chloride resin layer 4 ... Surface protective layer x ... Strain amount f (x) ... Stress a ... Yield point (xa, f (xa))
b: Intermediate point c between the yield point a and the point c where the stress changes from decrease to increase after the yield point d: The point where the stress changes from decrease to increase after the yield point a ... the stress-strain curve of the elastic region Gradient e ... Tangent line s of intermediate point b ... Graphic area r from origin O to strain amount xa in stress-strain curve ... y / x gradient value xa of tangent line e ... Strain amount xb of yield point a ... Strain of intermediate point b Amount xc: Amount of strain at point c after the yield point a where the stress begins to decrease and increases

Claims

On a base sheet having a thickness of 80 μm made of a resin in which 10 parts by weight of a petroleum resin component is added to 100 parts by weight of a resin mainly composed of polypropylene, at least an ink layer and a transparent non-layer consisting of a polyethylene terephthalate resin sheet having a thickness of 70 μm. In a decorative sheet having a multi-layer structure in which a vinyl chloride resin layer and a urethane surface protective layer having a thickness of 6 μm are laminated and decorated, the horizontal axis X obtained by a tensile test with a tensile speed of 50 mm / min is distorted. x, between the yield point a and the point c where the stress turns from increasing to decreasing after the yielding point in the stress-strain curve for the decorative sheet represented by a graph with the stress f (x) on the vertical axis Y stress curve midpoint b - give a ^{^{9.0 × 10 7 N / m 2}} , and, by the tensile test - gradient r = df (xb) / dx strain curve, The stress - and the curve of the section from the origin O of the strain curve up to the yield point a, and the perpendicular to beat the horizontal axis X from the yield point a, the area of a figure surrounded by the horizontal axis _{^{X s (s = ∫ 0 Xa}} [ f (x)] dx) is cut improvement decorative sheet, which is a ^{2.0 × 10 4 N · m /} m 2.

A decorative sheet comprising the decorative sheet for improving machinability according to claim 1 laminated on a base material for a decorative sheet.