JP4576786B2

JP4576786B2 - Decorative sheet and decorative board

Info

Publication number: JP4576786B2
Application number: JP2002243082A
Authority: JP
Inventors: 浩一佐川; 勝之新名; 誠治佐野
Original assignee: Toppan Inc
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 2002-08-23
Filing date: 2002-08-23
Publication date: 2010-11-10
Anticipated expiration: 2022-08-23
Also published as: JP2004082367A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に住宅等建築物の内外装剤や造作材・建具等の建築資材等の表面装飾等に用いられる化粧シート、およびこの化粧シートと化粧板用基材が接着層を介して接着した化粧板に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、主に住宅等建築物の内外装剤や造作材・建具等の建築資材等の表面装飾等に用いられてきた化粧シートは、印刷適性が良い、可塑剤添加により硬軟の度合いの調節が可能で用途に合わせた固さを選択できる、エンボス加工性が良い、ラミネート時の層間の接着強度が強い、切削性が良く、化粧シートを利用した化粧板にルーター加工等の切削加工を施した場合にもバリ・ヒゲ・膜浮き等が目立たない、等々の利点がある、ポリ塩化ビニルシートに木目柄や抽象柄等を印刷した、ポリ塩化ビニル系化粧シートが広く一般的に使用されてきた。
【０００３】
しかしながら、上述のポリ塩化ビニル系化粧シートは、燃焼した場合に有害なガスが発生する恐れがあり、廃棄物の燃焼処理時の人的影響や環境保全への危惧から、ポリ塩化ビニル系化粧シートに代わる、燃焼した場合にも有毒なガスが発生しない材料を用いた化粧シートの開発がユーザーから強く求められていた。
【０００４】
そこで近年では、ポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート系、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、アクリル系などの樹脂や紙などを、単層か、または複数のシートの積層よって成る非塩化ビニル系化粧シートが、ポリ塩化ビニル系化粧シートの代替として使用されるようになってきており、かつ耐熱性・耐傷性に優れ、汎用性があり価格も安価なポリオレフィン系化粧シートが、より一般的に用いられている。
【０００５】
しかしながら、ポリオレフィン等の非塩化ビニル系化粧シートを化粧板にした場合の切削性は、シートを構成する樹脂が本来持つ機械物性がポリ塩化ビニル系樹脂とは異なっている為に、特にポリオレフィン系の樹脂を使用した化粧シートにおいて、ポリ塩化ビニル系化粧シートと比べて遜色ない切削性を実現することは、これまで困難であった。
【０００６】
ここでいう切削性とは、木質等の有機系基材や無機系の基材の表面に、該化粧シートを積層した化粧板を電動鋸やルーター等の切削工具を用いて穴あけ加工、正寸カット、溝加工等を行った場合の、切削面及びその周辺部の切削の状態を表すもので、バリ・ヒゲ・膜浮き、等々が無いものを、切削性が良いとしている。
【０００７】
これまでは、かかる問題を解決する為に、切削工具の刃を頻繁に交換したり、切削加工後に、切削部に付着したバリ・ヒゲ・膜浮き等の除去作業（トリミング）を行ったりする方法が採られているが、いずれも生産性の低下や製造原価の上昇などの問題が生じていた。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、係る従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、木質等の有機系基材や無機系の基材の表面にポリオレフィン系の化粧シートを積層された化粧板等において、この化粧板等を電動鋸やルーター等の切削工具を用いて穴あけ加工、正寸カット、溝加工等を行った場合に、切削面及びその周辺部において良好な切削性が得られるようにする事を課題とする。
【０００９】
具体的には、総厚の薄膜化の効果により切削加工時にかかる負荷が低減し、切れ易くなるとともに、切削加工時のシート内部の温度上昇が抑えられ、樹脂の軟化が少なく引き伸ばされにくくなるポリオレフィン系の化粧シートが求められていた。加えて、化粧シートからのバリ・ヒゲ・膜浮き等が発生しにくく、また発生したとしても非常に短かくなる化粧シートや、貼り合わせた化粧板が求められていた。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明において前記課題を解決するために、まず請求項１の発明では、少なくとも、基材シート層、透明ポリオレフィン樹脂層、ポリウレタン系の表面保護層を有する装飾処理が施された化粧シートであって、該透明ポリオレフィン樹脂層はアイソタクティシティ（沸騰デカン抽出残率）が９５％以上であり、ＪＩＳＫ６７６０に規定されるＭＦＲ（メルトフローレート）が２ｇ／１０ｍｉｎ以上４０ｇ／１０ｍｉｎ以下である高結晶ホモポリプロピレン樹脂を含む層であり、且つ、該表面保護層の厚みが６μｍ以上９μｍ以下であり、該透明ポリオレフィン樹脂層の厚みが３５μｍ以上５０μｍ以下であり、該化粧シートの総厚が１００μｍ以上１３０μｍ以下であり、引張速度が５０ｍｍ／ｍｉｎでの引張試験により得られる、縦軸に荷重、横軸に変位量を取ったグラフで表した曲線における、原点から降伏点までの区間と、降伏点から横軸に下した垂線と、横軸とで囲まれる図形の面積が、１．０×１０^６Ｎ・ｍ^２以上１．２×１０ ^６Ｎ・ｍ^２以下の範囲にあることを特徴とする化粧シートとしたものである。
【００１１】
請求項２の発明では、請求項１に記載の化粧シートと化粧板用基材が接着層を介して接着していることを特徴とする化粧板としたものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の化粧シートや、この化粧シートを用いた化粧板の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図１〜４は、それぞれ本発明の化粧シートの各種実施形態を示す断面図である。
【００１５】
図１は、本発明で規定された切削性向上化粧シートの様態の中でもっとも単純な、単層ポリオレフィンシート上に模様層及び表面保護層を有する層構成の切削性向上化粧シートの示す断面図である。
【００１６】
図１に示す例では、切削性向上化粧シートは、ポリオレフィン系の樹脂などからなる基材シート層１の表面に、装飾の為の木目柄や抽象柄等の模様層２が積層されていて、さらにその最表層部に、切削性向上化粧シートの耐候性、耐汚染性、耐傷性の向上及び、切削性向上化粧シートに所定の艶を持たせる為に、表面保護層３が積層されている。
【００１７】
表面保護層３の成分については、所望する物性（例えば耐候性、耐汚染性、耐傷性、艶、及び透明非塩化ビニル系樹脂層との密着等）が充分に備わっていれば、特に規定されるものではないが、ポリウレタン系であることが、より望ましい。
【００１８】
ここでもし、基材シート層１の透明性が高い場合には、図２に示すように模様層２を基材シート層１の裏面に配しても良い。これにより、模様層２の柄が磨耗や紫外線等により劣化するのを防止したり、樹脂表面に木材等の質感・意匠感を出す為の、エンボス加工などによる凹凸模様を施すことが可能になるといった効果が得られる。
【００１９】
また公知のワイピング法によって、図３に示すように、凹凸の凹部（導管部）に着色部４が形成されていても良い。ワイピング法とは、凹凸部全面に着色インキを塗工し、その後凸部のインキをかき取り、凹部のみに着色インキを残留させる方法で、ドクターブレード法、ロールコート法などがあるが、どの方法を用いても良い。
【００２０】
前記した図２および図３に示すような、基材シート層１の裏面に模様層２があるような構成の場合には、当該シートを木質等の有機系基材や無機系の基材に貼り合せた時に基材の色みが模様層２を通して透けて見えるのを防ぐ為、最裏面にベタの隠蔽層５を設けるのが一般的である。
【００２１】
本発明で使用される単層のシートを作製する方法としては、Ｔダイ押出し法やカレンダー法などがあるが、その方法については特に規定されるものではなく、用途に応じて使い分けをすればよい。また使用するシートは、延伸・未延伸シートのいずれでも良い。
【００２２】
また本発明の模様層２は、木目柄、抽象柄、石目柄、布目柄、文字、記号、ベタ等々の模様を有し、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷、等の公知の印刷技法を用いて形成されるもので、どの方式を使用するかは特に規定されるものではないが、通常の化粧シートの印刷においては、グラビア印刷を用いることが多い。またインキの種類は、溶剤系と水系の２種類に大別されるが、欲する発色が得られていて、かつ基材シート層１及び木質等の有機系基材や無機系の基材との密着性が充分であれば、どちらを選んでも差し支えない。
【００２３】
図４は、本発明で規定された切削性向上化粧シートの様態の中で、様々な用途に広く一般的に用いられている、複層構造の切削性向上化粧シートを示す断面図である。基材シート１上に模様層２が積層されているところまでは単層構造の切削性向上化粧シートと同じ構造であるが、複層の場合には、基材シート１にポリオレフィン系樹脂以外に、ポリエチレンテレフタレート系、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、アクリル系、紙、等々を用いても良い。また複層構造の切削性向上化粧シートの場合には、主に模様層の模様柄が、磨耗や紫外線等により退色したり劣化したりするのを防ぐ為に、基材シート層１と透明ポリオレフィン樹脂層６との中間に積層されており、さらに透明ポリオレフィン樹脂層６の上には、透明な表面保護層３が積層されている。透明ポリオレフィン樹脂層６には、木材等の質感を出す為に、エンボス加工などにより凹凸の加工が施されていても良い。また導管の着色部４は、意匠感などの必要性に応じて用いても差し支えない。
【００２４】
本発明の切削性向上化粧シートにおける第一の特徴として、上記図１〜４に示す構成の化粧シートの総厚が１３０μｍ以下の範囲内に抑えられており、かつ最表層部に積層された表面保護層の厚みが４μｍ以上（より好ましくは７μｍ以上）としている。従来は化粧シートの総厚は１５０μｍ〜３００μｍ程度、表面保護層が３〜６μｍ程度であったのに対して、総厚でこれよりも薄い１２０μｍ以下、表面保護層で４μｍ以上（より好ましくは７μｍ以上）の範囲としたことで、総厚の薄膜化の効果により切削加工時にかかる負荷が低減し、切れ易くなるとともに、切削加工時の摩擦熱が速やかに基材へ伝達されて散逸する為、シート内部の温度上昇が抑えられ、樹脂の軟化が少なく引き伸ばされにくくなる。加えて表面保護層の厚膜化の効果により、この表面保護層の硬度が増し、化粧シートを構成する樹脂の伸びを抑制する。そしてこれらの結果として、化粧シートからのバリ・ヒゲ・膜浮き等が発生しにくく、また発生したとしても非常に短かくなる。
【００２５】
通常の化粧シートにおいては、化粧シートに耐候性を付与するために、表面保護層及び透明ポリオレフィン系樹脂中への紫外線吸収剤及び光安定剤の添加が広く一般的に用いられている。単に樹脂総厚の薄膜化だけでは、それに伴い透明ポリオレフィン樹脂中の紫外線吸収剤及び光安定剤の絶対量が減ってしまうが、表面保護層の厚膜化によって、透明ポリオレフィン樹脂薄膜化により減少した紫外線吸収剤及び光安定剤の量を補填されるので、従来の化粧シートと比較して同等以上の耐候性を得ることができる。
【００２６】
また、本発明の切削性向上化粧シートにおける第二の特徴として、切削性向上化粧シートの表面保護層に接する透明ポリオレフィン樹脂層の厚みが５０μｍ以下であることとしている。総厚を薄膜化することと同時に、透明ポリオレフィン樹脂層の厚みも薄膜化することにより、前記の薄膜化の効果がより顕著に現れる。
【００２７】
また、本発明の切削性向上化粧シートにおける第三の特徴として、引張速度が２００ｍｍ／ｍｉｎ以下の範囲での引張試験により得られる、縦軸に荷重、横軸に変位量を取ったグラフで表した曲線における、原点から降伏点までの区間と、降伏点から横軸に下した垂線と、横軸とで囲まれる図形の面積が、４．０×１０⁷Ｎ・ｍ²以下の範囲としている。引張試験とは、試験片に一定速度で引張の力を加える試験のことである。通常引張試験の結果は引張速度に依存するため、引張試験を行う際は、引張速度を統一する必要がある。本発明においては、すべての引張試験の引張速度を５０ｍｍ／ｍｉｎで行ったが、物性の比較を目的とするのであれば、引張速度は必ずしもこの値に限るものではなく、おおよそ２００ｍｍ／ｍｉｎ以下の範囲であればよい。図５に、引張試験から得られる、縦軸に荷重ｆ（Ｘ）、横軸に変位量ｘを取った曲線の代表的な例を示す。
【００２８】
この引張試験から得られる曲線における原点から降伏点までの区間と、降伏点から横軸に下した垂線と、横軸とで囲まれる図形の面積ｄは、縦軸が力、横軸が試験片の変位量であるから、切削時のエネルギーと考えることも可能である。こうして面積ｄを切削時のエネルギーと考えた場合、切削性が良いシートとは、切削時のエネルギーが小さいシート、言い換えれば、切削時にかかる負荷が小さいシートという事になる。またこの面積ｄは、荷重ｆ（ｘ）を０から降伏点から横軸に下した垂線と横軸との交点ｃまでの区間の積分値として表現できる。
【００２９】
前記したように、化粧シートに耐候性を付与するために、表面保護層及び透明ポリオレフィン系樹脂中への紫外線吸収剤及び光安定剤の添加は広く一般的な手法である。紫外線吸収剤としては、所望する紫外線吸収効果を有する範囲内で、かつ化粧シートの耐候性以外の特性に大きな影響を与えない範囲であれば、特にその成分や添加量に制限はないが、例えば、２−［２−ヒドロキシ−３，５−ビス（α、α−ジメチルベンジル）フェニル］−２Ｈ−ベンゾトリアゾール、２−（３−ｔ−ブチル−５−メチル−２−ヒドロキシフェニル）−５−クロロベンゾトリアゾール、２−（３、５−ｔ−ブチル−２−ヒドロキシフェニル）−５−クロロベンゾトリアゾール、２−（２−ヒドロキシ−５−ｔ−オクチルフェニル）−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、２−ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン、２，２’−ジヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、２−（４，６−ジフェニル−１，３，５−トリアジン−２−イル）−５−［（ヘキシル）オキシ］−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、酸化セリウム、酸化チタン等の無機系紫外線吸収剤等の中から１種あるいは１種以上を任意に組み合わせて添加することが可能である。
【００３０】
光安定剤も所望する紫外線吸収効果を有する範囲内で、かつ化粧シートの耐候性以外の特性に大きな影響を与えない範囲であれば、特にその成分や添加量に制限はない。例えばコハク酸ジメチル・１−（２−ヒドロキシエチル）−４−ヒドロキシ−２，２，６，６−テトラメチルピペリジン、ポリ［｛６−（１，１，３，３−テトラメチルブチル）アミノ−１，３，５−トリアジン−２，４ジイル｝｛（２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジル）イミノ｝ヘキサメチレン｛（２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジル）イミノ｝］、Ｎ，Ｎ’−ビス（３−アミノプロピル）エチレンジアミン・２，４−ビス［Ｎ−ブチル−Ｎ−（１，２，２，６，６−ペンタメチル−４ピペリジル）アミノ］−６−クロロ−１，３，５−トリアジン、ビス（２，２，６，６−テトラメチル−４−ピペリジル）セバケート、２−（３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシベンジル）−２−ｎ−ブチルマロン酸ビス（１，２，２，６，６−ペンタメチル−４−ピペリジル）、テトラキス（１，２，２，６，６−ペンタメチル−４−ピペリジル）１，２，３，４−ブタンテトラカルボキシラート等のヒンダードアミン系光安定剤、２，４−ジ−ｔ−ブチルフェニル−３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系光安定剤、ビス−（２，２，６，６−テトラメチル−１−（オクチルキシ）−４−ピペリジニル）エステル等のアミノエーテル型の光安定剤等の中から１種あるいは１種以上を任意に組み合わせて使用することが可能である。また大塚化学（株）製の特許公開公報「特開平９−２７８８３５号」に記載されているような、紫外線吸収剤あるいは光安定剤とポリプロピレンを架橋したグラフトポリマーを耐候マスターバッチとして添加することも可能である。
【００３１】
その他にも必要に応じて、熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤等が添加される。熱安定剤は、ペンタエリスリチル−テトラキス［３−（３、５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシフェニル）］−プロピオネート、２、４−ビス−（ｎ−オクチルチオ）−６−（４−ヒドロキシ−３，５−ジ−ｔ−ブチルアニリノ）−１，３，５−トリアジン、オクタデシル−３−（３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシフェニル）プロピオネート、１，３，５−トリメチル−２，４，６−トリス（３，５−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシベンジル）ベンゼン、１，３，５−トリス（４−ｔ−ブチル−３−ヒドロキシ−２，６−ジメチルベンジル）イソシアヌル酸等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、２，２’−メチレンビス（４−エチル−６−ｔ−ブチルフェノール）、２，２’−メチレンビス（４−メチル−６−ｔ−ブチルフェノール）等のフェノール系酸化防止剤、トリス（２，４−ジ−ｔ−ブチルフェニル）フォスファイトに代表される燐系酸化防止剤等の中から１種、あるは１種以上組み合わせて使用可能である。
【００３２】
難燃剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機系化合物や燐酸エステル系の難燃剤等があるが、特に成分に限定は無い。但し、環境を考慮した非塩化ビニル製シートであるならば、ハロゲン系の難燃剤の使用は考慮する必要がある。
【００３３】
ブロッキング防止剤は珪酸アルミニウム、酸化珪素、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム等の無機系ブロッキング防止剤、脂肪酸アミドのような有機系ブロッキング防止剤等が任意に添加される。
【００３４】
複層タイプのシートを作製する方法としては、Ｔダイ押出しラミネーション法（共押出しラミネーションを含む）、ドライラミネーション等、従来から公知の様々な方法があり、用途に応じて、いずれの方法を用いても差し支えない。
【００３５】
本発明の化粧シートにおいては、木質等の有機系基材や無機系の基材との密着強度を向上させるために、必要に応じて、基材１の裏面にプライマー層を設けても良い。このプライマー層に関しても、基材との充分な密着強度が得られており、かつ積層時の基材シートと木質等の有機系基材や無機系の基材との間でのシートの浮き等が発生しなければ、特に規定されるものではないが、ポリウレタン系のものを使用するのが望ましい。
【００３６】
この様な化粧シートは、主に住宅等建築物の内外装剤や造作材・建具等の建築資材等の表面装飾等に用いられる場合に効果が高いが、その代表例としてこの化粧シートと化粧板用基材が接着層を介して接着した化粧板とするものが、図６に示す様に挙げられる。
【００３７】
この場合の化粧板用基材８としては、合板や中密繊維ボードなどの木質の他、無機系基材などを用いる事が可能である。
【００３８】
ここで使用されるプライマー層７の材料も基本的には基材シート層、模様層、表面保護層等と同じものでよいが、シート裏面に施されるためウエブ状で巻き取りを行うことを考慮するとブロッキングを避けてかつ下層の接着剤との密着を高めるために、シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機充填剤を添加させても良い。塗布厚みは、基材との密着を確保することが目的であるので、０．１μｍ〜３μｍが妥当である。また、密着性をさらに向上させるために、その表面に層を設ける前に、前述したような表面処理を施すとなおよい。
【００３９】
なお、これまで列記した各層に関しては、層間の密着強度を向上させるために、必要に応じてコロナ処理、オゾン処理等の酸化処理が施してあっても差し支えない。
【００４０】
【実施例】
以下、本発明の切削性向上化粧シートの実施例及び比較例により、更に説明を行う。
【００４１】
〔実施例１〕
アイソタクティシティ（沸騰デカン抽出残率）が９５％以上であり、ＪＩＳＫ６７６０に規定されるＭＦＲ（メルトフローレート）が２ｇ／１０ｍｉｎ以上４０ｇ／１０ｍｉｎ以下である高結晶ホモポリプロピレン樹脂を、ポリエチレン系の接着性樹脂（製品名ＱＦ５５１、三井株式会社製）と共に、共押出しラミネーション法を用いて、グラビア印刷法により木質柄模様を施した、厚み約７０μｍのポリエチレン系の基材シート上に、厚み３５μｍ、６０μｍ、８０μｍで積層した。模様層と接着性樹脂層との間には、２液のウレタン系のアンカーコート樹脂（製品名タケラックＡ−５２０、三井武田ケミカル株式会社製）を、４：１の割合で配合して１μ厚塗布し、さらに、アンカーコート層と接着性樹脂層との間にオゾン処理を施すことにより、層間の密着強度を高めた。また最表層部に厚み３μｍ、４．５μｍ、６μｍ、９μｍに変化させたポリウレタン系の表面保護層を積層した。このシートにおいて、単層の時と同じく５０ｍｍ／ｍｉｎの引張速度で引張試験を行い、面積ｄを求めた。さらに、化粧シート裏面にコロナ処理を行い、中密繊維ボード基材（製品名ネルソンパイン、住友林業株式会社製）膜厚２．５ｍｍにＢＡ−１０（中央理化株式会社製：製品名）を用いて貼り付けて、切削性の確認を行った。以下にその結果を示す。
【００４２】
【表１】

【００４３】
ＰＰ：ポリプロピレン
ＰＥ：ポリエチレン
切削性の評価は、全条件のサンプルを、良いほうから順に◎、○、△、×の順に層別して順位付けを行った。
【００４４】
表１を見てわかる通り、化粧シートの総厚が１３０μｍ以上で、かつ表面保護層厚みが４μｍ以上ある条件（No.４、５、７、９）の切削性は、一番悪いNo.５でも○〜△の評価である。また化粧シートの総厚が１３０μｍ以上で、表面保護層厚みが７μｍ以上あるNo.１０は、切削性が◎と最も良い。さらにNo.４、５、７、９のうち、透明ポリオレフィン樹脂（表１の「▲２▼ホモＰＰ＋ＰＥ接着性樹脂の厚み」に相当）の厚みが５０μｍ以下である条件（No.４、７、９）は、最も悪い評価でも○であり、更なる切削性の良化傾向が見られる。また、同じくNo.４、５、７、９のうち、面積ｄが４．０×１０⁷以下のである条件（No.７、９）は、もっとも悪い評価でも◎〜○であり、更に切削性良化の傾向が見られている。
【００４５】
【発明の効果】
本発明の化粧シートを、化粧板の表層部に使用することにより、従来のポリオレフィン系化粧シートを等用いた化粧板と比べて、よりバリやヒゲ、膜浮き等の少ない、切削性の優れた化粧板になる。更に、切削性が良くなることにより、切削部の処理に費やす手間や時間を省ける為、コスト削減効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】化粧シートの代表的な構成を示す断面図である。
【図２】図１の例とは別な、化粧シートの代表的な構成を示す断面図である。
【図３】図１、２の例とは別な、化粧シートの代表的な構成を示す断面図である。
【図４】図１、２、３の例とは別な、化粧シートの代表的な構成を示す断面図である。
【図５】引張試験から得られる曲線の代表的な形状と、本発明で規定する面積ｄを定義する説明図である。
【図６】図１の化粧シートを用いた化粧板の代表的な構成を示す断面図である。
【符号の説明】
１基材シート層
２模様層
３表面保護層
４導管着色部
５隠蔽層
６透明ポリオレフィン層
７プライマー層
８化粧板用基材
ａ弾性域の、応力−ひずみ曲線の勾配
ｂ降伏点
ｃ降伏点から横軸に降ろした垂線との交点
ｄ原点から降伏点までの区間と、降伏点から横軸に下した垂線と、横軸とで囲まれる図形の面積[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention mainly relates to a decorative sheet used for surface decoration such as interior / exterior agents for buildings such as houses and building materials such as construction materials and fittings, and the decorative sheet and base material for decorative plate are disposed via an adhesive layer. The present invention relates to a bonded decorative board.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, decorative sheets that have been used mainly for surface decorations such as interior and exterior materials for buildings such as houses and building materials such as construction materials and fittings, etc. have good printability, and the degree of hardness can be adjusted by adding plasticizers. Possible to select the hardness according to the application, good embossability, strong adhesive strength between layers when laminating, good machinability, and decorative sheet using decorative sheet was subjected to cutting processing such as router processing In some cases, there are advantages such as invisible burr, whiskers, film floating, etc. Polyvinyl chloride decorative sheets printed with a grain pattern or abstract pattern on a polyvinyl chloride sheet have been widely used. .
[0003]
However, the above-mentioned polyvinyl chloride-based decorative sheet may generate harmful gas when burned. Due to human influences during the combustion process of waste and concerns about environmental conservation, the polyvinyl chloride-based decorative sheet Instead of users, the development of decorative sheets using materials that do not generate toxic gas when burned has been strongly demanded by users.
[0004]
Therefore, in recent years, non-vinyl chloride decorative sheets made of polyolefin, polyethylene terephthalate, polyester, polyvinyl alcohol, acrylic resin, paper, etc., which are made of a single layer or a laminate of a plurality of sheets, have become polychlorinated. A polyolefin-based decorative sheet that has come to be used as a substitute for a vinyl-based decorative sheet, has excellent heat resistance and scratch resistance, is versatile, and inexpensive, is more commonly used.
[0005]
However, when the non-vinyl chloride decorative sheet such as polyolefin is used as a decorative sheet, the machinability of the resin constituting the sheet is different from that of the polyvinyl chloride resin. In a decorative sheet using a resin, it has been difficult to realize a machinability comparable to that of a polyvinyl chloride decorative sheet.
[0006]
The machinability as used herein refers to a decorative board in which the decorative sheet is laminated on the surface of an organic base material such as wood or an inorganic base material using a cutting tool such as an electric saw or a router. This represents the cutting state of the cutting surface and its peripheral part when cutting, grooving, etc., and is free of burrs, whiskers, film floats, etc., and has good cutting properties.
[0007]
In the past, in order to solve such problems, the blades of the cutting tool are frequently replaced, and after cutting, removal work (trimming) such as burrs, whiskers, and film floating attached to the cutting part is performed. However, in each case, problems such as a decrease in productivity and an increase in manufacturing costs have occurred.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the disadvantages of the related art, and the object is to laminate a polyolefin-based decorative sheet on the surface of an organic base material such as wood or an inorganic base material. In the case of a decorative plate, etc., when the decorative plate or the like is subjected to drilling, exact cutting, grooving, etc. using a cutting tool such as an electric saw or a router, good cutting performance is obtained on the cutting surface and its peripheral portion. The challenge is to make it possible.
[0009]
Specifically, the effect of reducing the total thickness reduces the load applied during cutting, makes it easier to cut, suppresses the temperature rise inside the sheet during cutting, reduces the softening of the resin, and makes it difficult to stretch There was a need for a decorative decorative sheet. In addition, there has been a demand for a decorative sheet that is less likely to cause burrs, whiskers, film floating, and the like from the decorative sheet, and to be extremely short, or a laminated decorative board.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems in the present invention, first of all, in the invention of claim 1, a decorative sheet having at least a base material sheet layer, a transparent polyolefin resin layer, and a polyurethane-based surface protective layer is provided. The transparent polyolefin resin layer has an isotacticity (boiling decane extraction residual ratio) of 95% or more, and a high crystal homogeneity having an MFR (melt flow rate) defined by JIS K6760 of 2 g / 10 min to 40 g / 10 min. It is a layer containing a polypropylene resin, the thickness of the surface protective layer is from 6 μm to 9 μm, the thickness of the transparent polyolefin resin layer is from 35 μm to 50 μm, and the total thickness of the decorative sheet is from 100 μm to 130 μm Obtained by a tensile test at a tensile speed of 50 mm / min, the load on the vertical axis, The area of the figure surrounded by the section from the origin to the yield point, the perpendicular line from the yield point to the horizontal axis, and the horizontal axis in the curve represented by the graph with the displacement on the horizontal axis is 1.0 ×. The decorative sheet is characterized by being in the range of 10 ⁶ N · m ^{2 to} 1.2 × 10 ⁶ N · m ² .
[0011]
According to a second aspect of the present invention, there is provided a decorative board characterized in that the decorative sheet according to the first aspect and the base material for the decorative board are bonded via an adhesive layer .
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of a decorative sheet of the present invention and a decorative plate using the decorative sheet will be described in detail with reference to the drawings. 1 to 4 are cross-sectional views showing various embodiments of the decorative sheet of the present invention.
[0015]
FIG. 1 is a sectional view showing a machinability improving decorative sheet having a layer structure having a pattern layer and a surface protective layer on a single-layer polyolefin sheet, which is the simplest aspect of the machinability improving decorative sheet defined in the present invention. It is.
[0016]
In the example shown in FIG. 1, the machinability improving decorative sheet is formed by laminating a pattern layer 2 such as a decorative grain pattern or abstract pattern on the surface of a base material sheet layer 1 made of a polyolefin-based resin, Further, the surface protective layer 3 is laminated on the outermost layer portion in order to improve the weather resistance, stain resistance, and scratch resistance of the machinability improving decorative sheet and to give the machinability improving decorative sheet a predetermined gloss. .
[0017]
The components of the surface protective layer 3 are particularly defined as long as the desired physical properties (for example, weather resistance, stain resistance, scratch resistance, gloss, adhesion with a transparent non-vinyl chloride resin layer, etc.) are sufficiently provided. Although not intended, a polyurethane system is more desirable.
[0018]
Here, when the transparency of the base sheet 1 is high, the pattern layer 2 may be disposed on the back surface of the base sheet 1 as shown in FIG. As a result, it is possible to prevent the pattern of the pattern layer 2 from being deteriorated due to wear or ultraviolet rays, or to give the resin surface a concavo-convex pattern by embossing or the like to give a texture or design feeling of wood or the like. The effect is obtained.
[0019]
Moreover, as shown in FIG. 3, the coloring part 4 may be formed in the uneven | corrugated recessed part (conduit part) by the well-known wiping method. The wiping method is a method in which colored ink is applied to the entire surface of the concavo-convex portion, then the ink on the convex portion is scraped off and the colored ink is left only on the concave portion. There are doctor blade method, roll coating method, etc. May be used.
[0020]
In the case where the pattern layer 2 is on the back surface of the base sheet layer 1 as shown in FIGS. 2 and 3, the sheet is used as an organic base material such as wood or an inorganic base material. In order to prevent the color of the base material from being seen through the pattern layer 2 when bonded, it is common to provide a solid concealing layer 5 on the back surface.
[0021]
As a method for producing a single-layer sheet used in the present invention, there are a T-die extrusion method and a calendering method, but the method is not particularly defined and may be properly used depending on the application. . The sheet used may be either a stretched or unstretched sheet.
[0022]
The pattern layer 2 of the present invention has a pattern of wood grain, abstract pattern, stone pattern, cloth pattern, letters, symbols, solids, etc., and gravure printing, offset printing, silk screen printing, transfer printing from a transfer sheet These are formed using a known printing technique, and it is not particularly defined which method is used, but gravure printing is often used for printing a normal decorative sheet. Ink types are broadly classified into two types, solvent-based and water-based, but the desired color is obtained, and the substrate sheet layer 1 and the organic substrate such as wood and the inorganic substrate are used. If the adhesion is sufficient, either one can be selected.
[0023]
FIG. 4 is a cross-sectional view showing a multi-layered machinability-enhancing decorative sheet widely used in various applications among the machinability-enhancing decorative sheets defined in the present invention. Up to the point where the pattern layer 2 is laminated on the base sheet 1, the structure is the same as that of the single-layered machinability improving decorative sheet. Polyethylene terephthalate, polyester, polyvinyl alcohol, acrylic, paper, etc. may be used. In the case of a decorative sheet having a multi-layer structure, the base sheet layer 1 and the transparent polyolefin are mainly used to prevent the pattern of the pattern layer from fading or deteriorating due to wear or ultraviolet rays. A transparent surface protective layer 3 is laminated on the transparent polyolefin resin layer 6. The transparent polyolefin resin layer 6 may be subjected to uneven processing by embossing or the like in order to give a texture such as wood. Further, the colored portion 4 of the conduit may be used according to the necessity such as a design feeling.
[0024]
As a first feature of the cutting performance improving decorative sheet of the present invention, the total thickness of the decorative sheet having the structure shown in FIGS. 1 to 4 is suppressed within a range of 130 μm or less, and the surface is laminated on the outermost layer portion. The thickness of the protective layer is 4 μm or more (more preferably 7 μm or more). Conventionally, the total thickness of the decorative sheet is about 150 μm to 300 μm and the surface protective layer is about 3 to 6 μm, whereas the total thickness is 120 μm or thinner, and the surface protective layer is 4 μm or larger (more preferably 7 μm). With the above range, the load applied during the cutting process is reduced due to the effect of thinning the total thickness, it becomes easier to cut, and the frictional heat during the cutting process is quickly transmitted to the base material and dissipated. The temperature rise inside the sheet is suppressed, and the resin is less softened and hardly stretched. In addition, due to the effect of increasing the thickness of the surface protective layer, the hardness of the surface protective layer increases and the elongation of the resin constituting the decorative sheet is suppressed. As a result, burrs, whiskers, film floating, etc. from the decorative sheet are less likely to occur, and even if they occur, they are very short.
[0025]
In a normal decorative sheet, in order to impart weather resistance to the decorative sheet, the addition of an ultraviolet absorber and a light stabilizer to the surface protective layer and the transparent polyolefin-based resin is widely used. If the total thickness of the resin is simply reduced, the absolute amount of UV absorbers and light stabilizers in the transparent polyolefin resin is reduced accordingly. However, as the surface protective layer is increased, the thickness of the transparent polyolefin resin is reduced. Since the amount of the ultraviolet absorber and the light stabilizer is compensated, the weather resistance equal to or higher than that of the conventional decorative sheet can be obtained.
[0026]
Further, as a second feature of the machinability improving decorative sheet of the present invention, the thickness of the transparent polyolefin resin layer in contact with the surface protective layer of the machinability improving decorative sheet is 50 μm or less. Simultaneously with reducing the total thickness, the thickness of the transparent polyolefin resin layer is also reduced, so that the effect of reducing the thickness becomes more prominent.
[0027]
The third feature of the decorative sheet for improving machinability of the present invention is a graph obtained by a tensile test in a range where the tensile speed is 200 mm / min or less, with a load on the vertical axis and a displacement on the horizontal axis. The area of the figure surrounded by the section from the origin to the yield point, the perpendicular line from the yield point to the horizontal axis, and the horizontal axis in the curved line is 4.0 × 10 ⁷ N · m ² or less. . A tensile test is a test in which a tensile force is applied to a test piece at a constant speed. Usually, the result of the tensile test depends on the tensile speed, so when performing the tensile test, it is necessary to unify the tensile speed. In the present invention, the tensile speeds of all tensile tests were performed at 50 mm / min. However, for the purpose of comparison of physical properties, the tensile speed is not necessarily limited to this value, and is approximately 200 mm / min or less. Any range is acceptable. FIG. 5 shows a typical example of a curve obtained from the tensile test, with the load f (X) on the vertical axis and the displacement x on the horizontal axis.
[0028]
The area d of the figure surrounded by the section from the origin to the yield point on the curve obtained from this tensile test, the perpendicular line extending from the yield point to the horizontal axis, and the horizontal axis is the force on the vertical axis and the test piece on the horizontal axis. Therefore, it can be considered as energy at the time of cutting. Thus, when the area d is considered as energy at the time of cutting, a sheet having good machinability is a sheet having low energy at cutting, in other words, a sheet having a small load applied at the time of cutting. The area d can be expressed as an integral value of a section from the load f (x) from 0 to the intersection c between the vertical line from the yield point to the horizontal axis and the horizontal axis.
[0029]
As described above, in order to impart weather resistance to the decorative sheet, the addition of an ultraviolet absorber and a light stabilizer to the surface protective layer and the transparent polyolefin resin is a widely general technique. As the ultraviolet absorber, as long as it has a desired ultraviolet absorption effect and does not significantly affect the properties other than the weather resistance of the decorative sheet, there are no particular restrictions on its components and addition amount, for example, 2- [2-hydroxy-3,5-bis (α, α-dimethylbenzyl) phenyl] -2H-benzotriazole, 2- (3-t-butyl-5-methyl-2-hydroxyphenyl) -5 Benzotriazole ultraviolet rays such as chlorobenzotriazole, 2- (3,5-t-butyl-2-hydroxyphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2- (2-hydroxy-5-t-octylphenyl) -benzotriazole Absorbents, 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone, 2,2'-dihydroxy-4-methoxybenzophenone and other benzophenone purple Linear absorbers, triazine ultraviolet absorbers such as 2- (4,6-diphenyl-1,3,5-triazin-2-yl) -5-[(hexyl) oxy] -phenol, cerium oxide, titanium oxide, etc. It is possible to add one or more of these inorganic ultraviolet absorbers in any combination.
[0030]
The light stabilizer is not particularly limited as long as it has a desired ultraviolet absorption effect and does not significantly affect the properties other than the weather resistance of the decorative sheet. For example, dimethyl succinate 1- (2-hydroxyethyl) -4-hydroxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine, poly [{6- (1,1,3,3-tetramethylbutyl) amino- 1,3,5-triazine-2,4diyl} {(2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) imino} hexamethylene {(2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) ) Imino}], N, N′-bis (3-aminopropyl) ethylenediamine · 2,4-bis [N-butyl-N- (1,2,2,6,6-pentamethyl-4piperidyl) amino] — 6-chloro-1,3,5-triazine, bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) sebacate, 2- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzyl)- 2-n-butyl malonate bis ( Hindered amines such as 1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) and tetrakis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) 1,2,3,4-butanetetracarboxylate Light stabilizers, benzoate light stabilizers such as 2,4-di-t-butylphenyl-3,5-di-t-butyl-4-hydroxybenzoate, bis- (2,2,6,6-tetra Among amino ether type light stabilizers such as methyl-1- (octyloxy) -4-piperidinyl) ester, one or more kinds can be used in any combination. Further, a graft polymer obtained by crosslinking a UV absorber or a light stabilizer and polypropylene as described in a patent publication “JP-A-9-278835” manufactured by Otsuka Chemical Co., Ltd. may be added as a weatherproof masterbatch. Is possible.
[0031]
In addition, a heat stabilizer, a flame retardant, an antiblocking agent, etc. are added as needed. The heat stabilizer is pentaerythrityl-tetrakis [3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl)]-propionate, 2,4-bis- (n-octylthio) -6- (4- Hydroxy-3,5-di-t-butylanilino) -1,3,5-triazine, octadecyl-3- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, 1,3,5-trimethyl -2,4,6-tris (3,5-t-butyl-4-hydroxybenzyl) benzene, 1,3,5-tris (4-t-butyl-3-hydroxy-2,6-dimethylbenzyl) isocyanur Hindered phenolic antioxidants such as acids, 2,2'-methylenebis (4-ethyl-6-tert-butylphenol), 2,2'-methylenebis (4-methyl-6-tert-butylphenol) ) And the like, and phosphorous antioxidants typified by tris (2,4-di-t-butylphenyl) phosphite, etc., or a combination of one or more can be used. is there.
[0032]
Examples of the flame retardant include inorganic compounds such as aluminum hydroxide, magnesium hydroxide, calcium carbonate, and magnesium carbonate, and phosphate ester flame retardants, but there are no particular limitations on the components. However, if it is a non-vinyl chloride sheet in consideration of the environment, it is necessary to consider the use of a halogen-based flame retardant.
[0033]
As the anti-blocking agent, an inorganic anti-blocking agent such as aluminum silicate, silicon oxide, hydrotalcite and calcium carbonate, an organic anti-blocking agent such as fatty acid amide, and the like are optionally added.
[0034]
As a method for producing a multilayer sheet, there are various conventionally known methods such as a T-die extrusion lamination method (including co-extrusion lamination), dry lamination, etc., and any method is used depending on the application. There is no problem.
[0035]
In the decorative sheet of the present invention, a primer layer may be provided on the back surface of the base material 1 as necessary in order to improve the adhesion strength with an organic base material such as wood or an inorganic base material. Also for this primer layer, sufficient adhesion strength with the substrate is obtained, and the sheet floats between the substrate sheet at the time of lamination and an organic or inorganic substrate such as wood. If this does not occur, it is not particularly specified, but it is desirable to use a polyurethane-based material.
[0036]
Such a decorative sheet is highly effective when used mainly for surface decorations such as interior / exterior agents for buildings such as houses, building materials such as construction materials and fittings, etc. A decorative board in which a board substrate is bonded through an adhesive layer is exemplified as shown in FIG.
[0037]
In this case, as the base material 8 for the decorative board, it is possible to use an inorganic base material in addition to a wood such as a plywood or a medium density fiber board.
[0038]
The material of the primer layer 7 used here may be basically the same as that of the base sheet layer, the pattern layer, the surface protective layer, etc. In consideration of this, an inorganic filler such as silica, alumina, magnesia, titanium oxide, barium sulfate or the like may be added in order to avoid blocking and enhance adhesion with the lower layer adhesive. The coating thickness is intended to ensure close contact with the base material, so 0.1 μm to 3 μm is appropriate. In order to further improve the adhesion, it is more preferable to perform the surface treatment as described above before providing a layer on the surface.
[0039]
Each layer listed so far may be subjected to oxidation treatment such as corona treatment or ozone treatment as necessary in order to improve the adhesion strength between the layers.
[0040]
【Example】
Hereinafter, the examples and comparative examples of the machinability improving decorative sheet of the present invention will be further described.
[0041]
[Example 1]
A highly crystalline homopolypropylene resin having an isotacticity (boiling decane extraction residual ratio) of 95% or more and an MFR (melt flow rate) defined in JIS K6760 of 2 g / 10 min to 40 g / 10 min Along with an adhesive resin (product name QF551, manufactured by Mitsui Co., Ltd.), using a co-extrusion lamination method, a wood pattern is applied by gravure printing, on a polyethylene base sheet having a thickness of about 70 μm, a thickness of 35 μm, Lamination was performed at 60 μm and 80 μm. Between the pattern layer and the adhesive resin layer, a two-component urethane anchor coat resin (product name Takelac A-520, manufactured by Mitsui Takeda Chemical Co., Ltd.) is blended at a ratio of 4: 1 to a thickness of 1 μm. The adhesion strength between the layers was increased by coating and further applying ozone treatment between the anchor coat layer and the adhesive resin layer. A polyurethane-based surface protective layer having a thickness of 3 μm, 4.5 μm, 6 μm, and 9 μm was laminated on the outermost layer. This sheet was subjected to a tensile test at a tensile speed of 50 mm / min as in the case of a single layer, and an area d was obtained. Furthermore, corona treatment is applied to the back side of the decorative sheet, and BA-10 (Chuo Rika Co., Ltd .: product name) is used with a medium-density fiber board substrate (product name: Nelson Pine, manufactured by Sumitomo Forestry Co., Ltd.) with a film thickness of 2.5 mm. Then, the machinability was confirmed. The results are shown below.
[0042]
[Table 1]

[0043]
Evaluation of PP: polypropylene PE: polyethylene machinability was performed by classifying samples in all conditions in the order of ◎, ○, Δ, × in order from the best.
[0044]
As can be seen from Table 1, the machinability under conditions (No. 4, 5, 7, 9) where the total thickness of the decorative sheet is 130 μm or more and the thickness of the surface protective layer is 4 μm or more is the worst No. 5 However, it is evaluation of (circle)-(triangle | delta). In addition, No. 10 having the total thickness of the decorative sheet of 130 μm or more and the thickness of the surface protective layer of 7 μm or more has the best machinability. Further, among Nos. 4, 5, 7, and 9, the condition (No. 4, 7, 7) in which the thickness of the transparent polyolefin resin (corresponding to “(2) thickness of homo PP + PE adhesive resin” in Table 1) is 50 μm or less. 9) is ◯ even in the worst evaluation, and a tendency to further improve the machinability is observed. Similarly, among Nos. 4, 5, ⁷ , and 9, the conditions (Nos. ^{7 and} 9) in which the area d is 4.0 × 10 ⁷ or less are ◎ to ○ even in the worst evaluation, and further the machinability. There is a trend of improvement.
[0045]
【The invention's effect】
By using the decorative sheet of the present invention for the surface layer part of the decorative board, it has less burrs, whiskers, film floatation, etc., and excellent machinability compared to a decorative board using a conventional polyolefin-based decorative sheet. Become a decorative board. Furthermore, since the machinability is improved, labor and time spent on the processing of the cutting portion can be saved, so that a cost reduction effect can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a typical configuration of a decorative sheet.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a typical configuration of a decorative sheet different from the example of FIG.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a typical configuration of a decorative sheet different from the examples of FIGS.
4 is a cross-sectional view showing a typical configuration of a decorative sheet different from the examples of FIGS.
FIG. 5 is an explanatory diagram defining a typical shape of a curve obtained from a tensile test and an area d defined by the present invention.
6 is a cross-sectional view showing a typical configuration of a decorative board using the decorative sheet of FIG. 1. FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Base material sheet layer 2 Pattern layer 3 Surface protective layer 4 Conduit coloring part 5 Concealing layer 6 Transparent polyolefin layer 7 Primer layer 8 Base material for decorative board a Gradient point of stress-strain curve of elastic region b Yield point c From yield point Intersection point d with the vertical line descending on the horizontal axis The area from the origin to the yield point, the vertical line extending from the yield point to the horizontal axis, and the area enclosed by the horizontal axis

Claims

At least a decorative sheet having a decorative treatment having a base sheet layer, a transparent polyolefin resin layer, a polyurethane-based surface protective layer,
The transparent polyolefin resin layer has a high crystalline homopolypropylene having an isotacticity (boiling decane extraction residual ratio) of 95% or more and an MFR (melt flow rate) defined by JIS K6760 of 2 g / 10 min to 40 g / 10 min. A layer containing a resin,
And the thickness of this surface protective layer is 6 micrometers or more and 9 micrometers or less,
The transparent polyolefin resin layer has a thickness of 35 μm or more and 50 μm or less,
The total thickness of the decorative sheet is 100 μm or more and 130 μm or less,
The section from the origin point to the yield point and the lower point from the yield point to the horizontal axis in the curve represented by a graph with the load on the vertical axis and the amount of displacement on the horizontal axis, obtained by a tensile test at a tensile speed of 50 mm / min. The decorative sheet is characterized in that the area of the figure surrounded by the vertical line and the horizontal axis is in the range of 1.0 × 10 ⁶ N · m ^{2 to} 1.2 × 10 ⁶ N · m ² .

A decorative board, wherein the decorative sheet according to claim 1 and the base material for the decorative board are bonded via an adhesive layer.