JP4143518B2 - 苗木ポットの集合構造体 - Google Patents
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Description
また、本発明は、苗木ポットの集合構造体に関する。更に詳しくは、培地要素を備えた苗木ポットを複数個備えていても嵩張らないようにしたものに関する。
更にまた、本発明は、苗木ポットの包装方法に関する。更に詳しくは、培地要素を備えた苗木ポットを複数個備えていても嵩張らないようにする包装方法に関する。
また、夏期はポット内の温度が上昇するが、通気性が良くないために灌水後土中の温度が上昇し、根焼けを起こして苗木が枯れてしまうことがあった。
更にまた、ポットの側壁内面と土の間は、土から溶出した養分を含む水分が溜まりやすく、その水分を求めて主根が側部の内壁に沿うように伸張する、いわゆる根回りをおこす。根回りをおこすと細根が少なくなるため根の活力が衰えてしまい、植え替え後の活着不良をおこしやすいという問題点もあった。
つまり、従来使用していたポットは根の生育に悪影響を与える場合があった。
特許文献1に係る苗木ポットは、ポットの側壁及び底部に隙間を設けたことによって通水性、通気性が良くなり、その結果、根腐れや根回りも生じにくくなっている。
即ち、通水性が良い反面、土中の水分が保持されにくく外部へ抜け出てしまいやすいという課題が生じた。また、通気性が良い反面、ポット内部の土のうち、ポットの側部及び底部に接する部分が空気中に露出しているため、その部分から土が乾燥しやすいという課題があった。
つまり、特許文献1に係る苗木ポットは土中の水分量の調節が難しく、デリケートな時期の苗木を枯らしてしまう危険があった。
しかし、作業後に土あるいはポットのいずれかが余ることが多く、保管する場合は翌シーズンまで保存する場所が必要となってしまう。解決策として、ごみとして捨ててしまうのは資源の浪費であるし、コストの上からも無駄である。また、ポットの材質によっては、ごみとして燃やすとダイオキシン等の有害物質が生じる恐れもあるという課題もあった。
更に、1つ1つ苗床を作る作業は、手間も時間も掛かるため作業効率が悪く、兼業農家のように人手が少ない場合には作業者にとって多大な負担となる。
そこで、本発明の目的は、速やかに播種等の作業が開始でき、根の生育に役立つ苗木ポットを提供することにある。
また、苗木の生育後の植え替えの労力が軽減でき、かつ、環境負荷の少ない苗木ポットを提供することにある。
本発明の他の目的としては、運搬、保管の際に嵩張らず、かつ、根の生育に役立つ苗木ポット集合構造体を提供することにある。
また、本発明の他の目的としては、運搬、保管の際に嵩張らず、かつ、根の生育に役立つ苗木ポットの包装方法を提供することにある。
第1の発明にあっては、
通水性または/および通気性を有する素材で形成された苗木ポットと、
苗木ポット内に収められた培地要素と、を備えており、該培地要素は圧縮されて保水力を高められていることを特徴とする、
苗木ポットである。
苗木ポットは生分解性素材で形成されていることを特徴とする、
第1の発明に係る苗木ポットである。
苗木ポットは古紙あるいは新聞紙により形成されていることを特徴とする、
第2の発明に係る苗木ポットである。
培地要素は腐葉土であることを特徴とする、
第1、第2または第3の発明に係る苗木ポットである。
複数個の第1、第2、第3または第4の発明に係る苗木ポットを上位にある苗木ポットの底面と、その下位にある苗木ポットに係る培地要素の上面とが接するように上下方向に重ね、
上位にある苗木ポットの底面で下位の苗木ポットに係る培地要素の上面を押圧し、
押圧し重ねた状態の苗木ポットを包装部材で密封して包装、あるいは本質的に密封して包装し、
包装後は、苗木ポット相互が分離しないように保持され、または、本質的に保持された状態になることを特徴とする、
苗木ポットの包装方法である。
複数個の第1、第2、第3または第4の発明に係る苗木ポットは上位にある苗木ポットの底面と、その下位にある苗木ポットに係る培地要素の上面とが接するように上下方向に重ねられており、
上位にある苗木ポットの底面で下位の苗木ポットに係る培地要素の上面は押圧されており、
押圧し重ねた状態の苗木ポットは包装部材で密封して包装、あるいは本質的に密封して包装されており、
包装後は、苗木ポット相互が分離しないように保持され、または、本質的に保持された状態であることを特徴とする、
苗木ポットの集合構造体である。
(1)苗木ポットに播種等する作業を行い育苗を行う。
圧縮された培地要素は保水性が高いため、苗木の生育に必要な水分を保持することができる。
苗木ポットは通水性が良い素材で形成されているため、過剰な水分は苗木ポット外に排出され、苗木の根腐れを防止できる。また、苗木ポット内部側と培地要素が接した部分に水分が溜まらないため、いわゆる根回りを防止できる。更にまた、苗木ポットの通気性が良く、土中温度の過剰な上昇を抑制できるため、根焼けを防止できる。
これらの効果により、細根の生育が良く、活着の良い根に生育に役立つ。
使用する際は、袋から苗木ポット取り出して各苗木ポットを分離すれば、すぐに播種できるため、培地要素を入れたりする手間が掛からず便利である。
なお、密封された集合構造体は、内部の培地要素が乾燥しにくい。また、運搬時、保管時における外部からの害虫、雑菌、病原菌等の流入を防ぐことができる。
他方、密封されているため、運搬中、保管中に培地要素の匂いが外部に漏れないため不快感がなく、培地要素が外部に零れ出ることもないため、屋内での保管に好適である。更にまた、見た目にまとまりが良いため、店頭での陳列等に好適である。
(1)培地要素を備えているため、苗木ポットに土を入れる作業をせずに済み、すぐに播種、植栽等ができる。また、苗木ポットに土を入れる作業に要する労力を軽減できる。播種等した後は、保水性の高い培地要素を備えているため根の生育がよい。
また、苗木ポットは通水性が良いため、無駄な水分は苗木ポット外部に排出されて根腐れしにくく、通気性が良いため、苗木ポット内が涼しく保たれて夏期は根焼けしにくい。
が不要なため、すぐに播種、植栽等ができる。また、保水力がよく、地味が肥えているため、苗木の根の生育に役立つ。
また、袋から取り出すとすぐに播種できる状態であるため、培地要素を入れたりする手間が掛からず便利である。
他方、必要な個数を内包した集合構造体を購入すれば、余剰な培地要素や苗木ポットの保管場所を取らず無駄がない。
また、密封されているため、運搬中、保管中に培地要素の匂いが外部に漏れないため不快感がなく、培地要素が外部に零れ出ることもないため、屋内での保管に好適である。更にまた、見た目にまとまりが良いため、店頭での陳列等に好適である。
図1は本発明に係る苗木ポットの斜視図、
図2は本発明に係る苗木ポットの使用状態説明図である。
苗木ポット1は、側部101、開口部102、底面103から構成されており、底面に比して開口部がやや径大に形成された略有底円筒形状である。
本実施の形態では、開口部102の直径は8.0cmに形成されており、底面の直径は6.0cmに形成されている。苗木ポット1は高さ6.5cmに形成されている。
更に、古段ボールや紙製箱容器、古着や糸屑、廃材等、あるいはこれらを組み合わせて苗木ポットを形成し使用すれば、廃棄物のリサイクルにもなるため、平成13年から施行された「循環型社会形成推進基本法」の目的とする循環型社会に形成に貢献する製品となる。
また、編目の形状も、内角が鋭角と鈍角で構成される平行四辺形に限定するものではなく、例えば、三角形、四角形、長方形等の多角形、円形、長円形等であってもよい。
本実施の形態では、培地要素として、圧縮された腐葉土2が使用されている。
腐葉土2の圧縮は、開口部102縁部から溢れでない程度の量の腐葉土2を苗木ポット1内に入れた後、開口部102から腐葉土2を加圧して行う。加圧は、腐葉土2が元の容積の50%ないし60%程度になるまで行う。
圧縮された腐葉土2に水分を付加すると、水分を含有することによって容積が元の容積の70%ないし80%程度まで復元する。
図1及び図2を参照して、図1に係る苗木ポット1の作用を説明する。
苗木ポット1に播種等する作業を行い、育苗を行う。腐葉土2を備えているため、すぐに播種等の作業に取りかかることができる。このため従来行っていた苗木ポット1に腐葉土2を入れる作業をする手間が省けるので作業効率が良く、労力も軽減される。
植物の根は乾燥した部分には根を伸ばさないため、図示されるように腐葉土2と苗木ポット1が接する部分が外部に露出していると、根は苗木ポット1の内壁部まで根を伸ばさない。よって主根は根周りせずに内部に向かって伸び、主根に生える細根は腐葉土2内部で元気よく生長する。
これらの効果により、苗木ポット1に植栽された苗木3の根は元気よく生育し、また、植え替え後の土壌に対して活着が良くなる。
図4は本発明に係る集合構造体の第2実施例の斜視図である。
集合構造体4aは、複数個の苗木ポット1を重ねたものをシュリンクフィルム401により密封包装して形成されている。
集合構造体4aは、苗木ポット1相互が分離しないよう保持された状態に形成されている。
なお、各苗木ポット1内部には、それぞれ腐葉土2が備えられている。
図3を参照して、集合構造体4aの作用を説明する。
複数個の腐葉土2入り苗木ポット1を上位にある苗木ポット1の底面103と、その下位にある苗木ポット1に係る腐葉土2の上面とが接するように上下方向に重ね、上位にある苗木ポット1の底面103で下位の苗木ポット1に係る腐葉土2の上面を押圧する。押圧し重ねた状態の苗木ポット1をシュリンクフィルム401で包装する。
包装後、シュリンクフィルム401を加熱収縮させる。これによりシュリンクフィルム401は苗木ポット1の周部に密着するため、苗木ポット1相互は固く結束して分離しないよう保持される。
また、シュリンクフィルム401により密封包装されているため、苗木ポット1が互いに外れて、あるいは最上部に位置する苗木ポット1の開口部102から、中の腐葉土2が零れ出ることもない。そのため、集合構造体4aは横置きしたり逆さまにしたりすることができて取扱が容易であるため、運搬、保管に際して嵩張らない。
他方、必要な個数を内包した集合構造体4aを購入すれば、余剰な土や苗木ポットの保管場所を取らず無駄がない。
集合構造体4bは、苗木ポット1相互が分離しないよう保持された状態に形成されている。
図4を参照して、集合構造体4bの作用を説明する。
上下方向に重ねた複数個の腐葉土2入り苗木ポット1を、開口部403から袋体402内部に入れる。
苗木ポット1を入れた後に、袋体402の中の空気をバキューム装置により抜いて、真空状態または本質的に真空状態する。
なお、真空状態になる過程において、袋体402は収縮しながら苗木ポット1を押さえつけていくが、苗木ポット1の側部101および底面102に設けられた網目から余分な空気が抜ける。これにより、苗木ポット1及び腐葉土2は高さ方向及び直径方向から更に圧縮され、各苗木ポット1の包装と腐葉土2の圧縮が同時に行える。
袋体402内部の空気を抜き終わった後に開口部403近傍をヒートシールして閉じ、シール部404を形成する。これにより、袋体402内部は真空状態に保たれる。また、袋体402は苗木ポット1の周部に密着するため、苗木ポット1相互は固く結束して分離しないよう保持される。
101 側部
102 開口部
103 底面
2 腐葉土
3 苗木
4a 集合構造体
4b 集合構造体
401 シュリンクフィルム
402 袋体
403 開口部
404 熱圧着部
Claims (4)
- 複数個の苗木ポット(1)を重ねたものを密封包装して形成された苗木ポットの集合構造体(4a,4b)であって、
前記苗木ポットの集合構造体(4a,4b)は、通水性または/および通気性を有する素材で形成された複数個の苗木ポット(1)と、該苗木ポット(1)内に収められた腐葉土(2)と、包装部材(401,402)を備えており、
前記苗木ポット(1)は、側部(101)と、上方が開口して形成された開口部(102)と、閉じて形成された底面(103)から構成され、底面に比して開口部がやや径大に形成された略有底円筒形状であり、
前記複数個の苗木ポット(1)は、上位にある苗木ポット(1)の底面と、その下位にある苗木ポット(1)の腐葉土(2)の上面とが接するように上下方向に重ねられ、上位にある苗木ポット(1)の底面で下位の苗木ポット(1)の腐葉土(2)の上面は押圧されており、
押圧し重ねた状態の苗木ポット(1)は、包装部材(401,402)で密封して包装され、包装後の苗木ポット(1)相互が分離しないように保持されており、
前記腐葉土(2)は加圧前の容積の50%ないし60%になるまで加圧され、圧縮された腐葉土(2)に水分を付加すると、水分を含有することによって容積が加圧前の容積の70%ないし80%まで復元することを特徴とする、
苗木ポットの集合構造体。 - 苗木ポット(1)は生分解性素材で形成されていることを特徴とする、
請求項1記載の苗木ポットの集合構造体。 - 苗木ポット(1)が側部(101)及び底面(102)が網状に形成されていることを特徴とする、
請求項1又は2記載の苗木ポットの集合構造体。 - 包装部材は、合成樹脂製の袋体(402)あるいはシュリンクフィルム(401)、筒状に形成された密閉容器であることを特徴とする、
請求項1,2又は3記載の苗木ポットの集合構造体。
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