JP4143354B2 - リチウムイオン二次電池負極用炭素材料およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池負極用炭素材料およびリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン二次電池負極用炭素材料およびリチウムイオン二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
高電圧、高エネルギー密度という優れた特性を持つリチウムイオン二次電池が、電子機器の電源として広く普及しているのは周知の通りである。しかし、近年、これらの高電圧、高エネルギー密度という特性に加えて、急速充放電特性の向上が強く求められるようになってきた。優れた急速放電特性が求められる一因としては、高性能化に伴う電子機器の消費電力の増加、およびピーク時と平常時における消費電力差の拡大が挙げられる。このような電子機器に搭載される電池では、平均的な出力を安定に供給するだけでなく、ピーク時の高出力にも対応できる能力が不可欠になる。一方、優れた急速充電特性が求められる一因としては、これが他の重要な電池特性とも密接に関係しているからである。つまり、リチウムイオン二次電池ではリチウムイオンが負極の黒鉛層間にドープされることで充電が進行するが、負極が急速充電に対応できないと表面に金属リチウムが析出し、表面積の増大による安全性の低下や、正負極間の短絡によるサイクル特性の低下を招く危険性がある。それゆえ急速充電特性の向上はサイクル特性や安全性の向上にもつながる。また、将来的に電機自動車のバッテリーにリチウムイオン二次電池を利用する際には、出力密度向上による加速力・登坂力・最高速度の向上や、急速充電性能向上による回生エネルギーの有効利用が要求され、急速充放電特性の重要性はますます高いものとなる。
【0003】
リチウムイオン二次電池の負極材料としては、高い放電容量と電位平坦性とを示す黒鉛(特公昭62−23433号公報等)が主流である。負極材料として使用される黒鉛(黒鉛質粒子)としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛粒子、さらにはタール、ピッチ等を原料としたメソフェーズピッチ、例えば、メソフェーズ小球体などを熱処理して得られるメソフェーズ系黒鉛質粒子が挙げられる。
【0004】
負極材料として使用する黒鉛粒子の粒度調整による電池特性の改善に関して、いくつかの提案がなされている。例えば、国際公開WO95/28011号公報には、比表面積が9m2 /g以下(該公報に記載の実施例では、1.3〜8.5m2 /g)、累積10%粒径が3μm以上、累積50%粒径が10μm以上、かつ累積90%粒径が70μm以下である粉砕された非球状黒鉛を、非水電解液二次電池の負極を構成する炭素材料として用いることが開示されている。しかし、この公報に記載されている炭素材料は、粒径の大きな粒子の割合が多すぎるため、これを負極として用いたリチウムイオン二次電池は、現在、この種の二次電池に求められている要求を満たすのに充分な急速充放電容量を示すことができない。
【0005】
また、特開平6−295725号公報には、比表面積が1〜10m2 /g、平均粒径10〜30μmであり、粒径10μm以下の粉末の含有量が10%以下および/または粒径30μm以上の粒子の含有率が10%以下の非水系二次電池負極用黒鉛粉末が開示されている。この黒鉛粉末は、粉砕された黒鉛粉末であるため、10μm以下の微粉末の含有量を多くすると、粉末の比表面積が大きくなる。その結果、この黒鉛粉末を負極に用いると、電解液との接触面積が大きくなり、自己放電し易くなり、初期充放電効率が低下してしまう。さらに、粒径30μm以上の粒子の含有率が10%以下では、放電容量が低下してしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、リチウムイオン二次電池の負極材として用いて、放電容量、初期充放電効率を低下させることなく、優れた急速充放電特性を示すリチウムイオン二次電池を得ることができるリチウムイオン二次電池負極用炭素材料および該炭素材料を負極材として用いて、前記特性を発揮するリチウムイオン二次電池を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、特定の粒度分布を有する、球体の黒鉛化物粒子からなる炭素材料を、リチウムイオン二次電池用負極材として用いることにより、前記問題点を解決できることを知見して想到し得たものである。すなわち、球体の黒鉛化物粒子を用いることにより、比表面積を小さく維持しつつ負極材の含有量を増加させることができ、初期充放電効率を低下させることがない。さらには、粒径の小さなものと大きなものの含有量を最適の範囲とすることにより、充分な放電容量を確保しつつ急速充放電特性が向上する。これは、特定の粒度分布を有する、本発明の炭素材料を用いることにより、形成される負極が、電解液を浸透させるための適度な空隙を保ちつつ、粒子間の接点が増加し、導電性が向上することに起因する、と考えられる。
【0008】
すなわち、本発明は、球体の黒鉛化物粒子を含むリチウムイオン二次電池負極用炭素材料であって、前記黒鉛化物粒子の累積50%粒径が20〜30μm、粒子径15μm以下の粒子の含有量が15質量%以上、かつ粒子径50μm以上の粒子の含有量が10質量%以下であり、前記黒鉛化物粒子のBET法による比表面積が1m 2 /g未満であることを特徴とするリチウムイオン二次電池負極用炭素材料を提供する。
【0009】
また、前記黒鉛化物粒子がメソフェーズ小球体の黒鉛化物粒子であると好ましい。
さらに、本発明は、前記炭素材料を負極に用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のリチウムイオン二次電池負極用炭素材料(以下、「本発明の炭素材料」という)およびリチウムイオン二次電池について、より具体的に説明する。
【0011】
本発明の炭素材料は、球体の黒鉛化物粒子を必須成分とするものであり、メソフェーズ小球体の黒鉛化物粒子が特に望ましい。このメソフェーズ小球体の黒鉛化物粒子は、石炭系または石油系ピッチ類を350〜450℃で熱処理した際にピッチ中に生成する光学的異方性小球体を、溶剤抽出や遠心分離によってピッチマトリックスから分離して得られるメソフェーズ小球体を、不活性雰囲気の流動下、400〜500℃で熱処理した後、さらに1000℃以上、好ましくは2000〜3200℃の温度で熱処理して製造されるものである。
ただし、メソフェーズ小球体の黒鉛化物粒子以外に、天然黒鉛を球状に加工、造粒したものや、それにピッチ等の炭素質物を被覆したもの等を用いることができる。
【0012】
本発明の炭素材料は、前記製法による球体の黒鉛化物粒子からなり、累積50%粒径が20〜30μm、好ましくは20〜25μmのものである。累積50%粒径が20μm未満である場合、放電容量が低下し、累積50%粒径が30μmを越える場合、粒子間接点が充分に確保されず導電性が低下し、急速充放電特性が低下する。
【0013】
また、本発明の炭素材料は、粒子径15μm以下の粒子の含有率が15%以上であり、好ましくは15〜25%であり、かつ、粒子径50μm以上の粒子が10%以下、好ましくは5%以下である粒度分布を有するものである。粒子径15μm以下の粒子の含有率が15%未満であっても粒子径50μm以上の粒子の含有率が10%以上であっても粒子間接点が充分に確保されず導電性が低下し、急速充放電特性が低下する。
【0014】
本発明において、炭素材料の粒度分布を前記のような範囲に調整する方法としては、例えば25〜30μmに比較的シャープな粒度分布を持つ粒子の分画と、10〜15μmに比較的シャープな粒度を持つ粒子の分画を、適当な割合で混合することが挙げられる。例えば、前者と後者を質量比7対3の割合で混合することにより、前記のような粒度分布を実現できる。
【0015】
本発明の炭素材料は、初期充放電効率を高めるために、BET法による比表面積が1m2 /g未満であるものが好ましく、さらに、該比表面積が0.7m2 /g未満であることが好ましい。比表面積が1m2 /gを越える場合には、表面における電解液の分解反応が活発になり、初期充放電効率が低下するおそれがある。
【0016】
また、本発明は、前記炭素材料から形成される負極を有するリチウムイオン二次電池をも提供する。
本発明のリチウムイオン二次電池は、負極材料として上記炭素材料を用いること以外は特に限定されず、ほかの電池構成要素については一般的なリチウムイオン二次電池の要素に準じる。
【0017】
本発明の炭素材料からなる負極の作製は、通常の成形方法に準じて行うことができ、本発明の負極用炭素材料の性能を充分に引き出し、かつ粉末に対する賦型性が高く、化学的、電気化学的に安定な負極を得ることができる方法であれば何ら制限されない。
【0018】
また、負極の作製時には、本発明の炭素材料に結合剤を加えた負極合剤を用いることができる。結合剤としては、電解質に対して化学的安定性および電気化学的安定性を有するものを用いるのが望ましく、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、スチレンブタジエンラバーさらにはカルボキシメチルセルロースなどが用いられ、これらを併用することもできる。結合剤は、通常、負極合剤の全量中1〜20質量%程度の量で用いるのが好ましい。
【0019】
負極の作製方法として、結合剤と混合することによって負極合剤を調整し、この負極合剤を、通常、集電体の片面、もしくは両面に塗布することで負極合剤層を形成する方法が挙げられる。
【0020】
このとき、通常の溶媒を用いることができ、負極合剤を溶媒中に分散させ、ペースト状とした後、集電体に塗布、乾燥すれば、負極合剤層が均一かつ強固に集電体に接着される。例えば、炭素材料と、ポリテトラフルオロエチレン用等のフッ素系樹脂粉末とを、イソプロピルアルコール等の溶媒中で混合・混練した後、塗布することができる。また、炭素材料と、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂粉末あるいはカルボキシメチルセルロース等の水溶性粘結剤とを、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドあるいは水、アルコール等の溶媒と混合してスラリーとした後、塗布することができる。炭素材料と結合剤の混合物を集電体に塗布する際の塗布厚は10〜200μmとするのが適当である。
【0021】
また、本発明の炭素材料と、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどの樹脂粉末とを乾式混合し、金型内でホットプレス成型して負極合剤層を形成することもできる。
負極合剤層を形成した後、プレス加圧等の圧着を行うと、負極合剤層と集電体との接着強度をさらに高めることができる。
【0022】
負極に用いる集電体の形状としては、特に限定はされないが、箔状、あるいはメッシュ、エキスパンドメタル等の網状のもの等が用いられる。集電体の材質としては、例えば、銅、ステンレス、ニッケル等を挙げることができる。また、集電体の厚みは、箔状の場合、5〜20μm程度が好適である。
【0023】
正極材(正極活物質)としては、充分量のリチウムをドープ/脱ドープできるものを選択するのが好ましい。例えば、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物(V2 5 、V6 13、V2 4 、V3 8 など)およびそのLi化合物などのリチウム含有化合物、一般式MX Mo6 8-Y (式中Xは0≦X≦4,Yは0≦Y≦1の範囲の数値であり、Mは遷移金属などの金属を表す)で表されるシェブレル相化合物、活性炭、活性炭素繊維などを用いることができる。
【0024】
上記リチウム含有遷移金属酸化物は、リチウムと遷移金属との複合酸化物であり、リチウムと2種類以上の遷移金属を固溶したものであってもよい。リチウム含有遷移金属酸化物は、具体的には、LiM(1)1-X M(2)X 2 (式中Xは0≦X≦4の範囲の数値であり、M(1)、M(2)は少なくとも1種の遷移金属元素からなる)あるいはLiM(1)1-Y M(2)Y 2 (式中Yは0≦Y≦4の範囲の数値であり、M(1)、M(2)は少なくとも1種の遷移金属元素からなる)で示されるものが挙げられる。
【0025】
上記式中、Mで表される遷移金属元素としては、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Zn、Al、In、Snなどが挙げられ、Co、Fe、Mn、Ti、Cr、V、Alが好ましい。
【0026】
また、リチウム含有遷移金属酸化物は、例えば、Li、遷移金属の酸化物または塩類を出発原料とし、これら出発原料を組成に応じて混合し、酸素存在雰囲気下600℃〜1000℃の温度範囲で焼成することにより得ることができる。なお、出発原料は酸化物または塩類に限定されず、水酸化物からも合成可能である。
【0027】
本発明のリチウムイオン二次電池においては、正極活物質は上記化合物を単独で使用しても2種類以上併用してもよい。例えば、正極中には、炭酸リチウム等の炭酸塩を添加することもできる。
【0028】
このような正極材料によって正極を形成するには、例えば、正極材料と結合剤および電極に導電性を付与するための導電剤よりなる正極合剤を集電体の片面もしくは両面に塗布することで正極合剤層を形成することができる。結合剤としては、負極で例示したものがいずれも使用可能である。導電剤としては、例えば炭素材料が用いられる。
【0029】
集電体の形状は特に限定されず、箔状、あるいはメッシュ、エキスパンドメタル等の網状のものが用いられる。集電体の材質としては、アルミニウム箔、ステンレス箔、ニッケル箔等を挙げることができる。その厚さは、10〜40μmが好適である。
【0030】
また、正極も、負極と同様に、正極合剤を溶剤中に分散させることでペースト状にし、このペースト状の正極合剤を集電体に塗布、乾燥することによって正極合剤層を形成してもよく、正極合剤層を形成した後、さらにプレス加圧等の圧着を行ってもよい。これにより正極合剤層が均一かつ強固に集電体に接着される。
【0031】
本発明のリチウムイオン二次電池に用いられる非水電解質としては、通常の非水電解液に使用されている電解質塩を用いることができる。例えば、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiClO4 、LiB(C6 5 4 、LiCl、LiBr、LiCF3 SO3 、LiCH3 SO3 、LiN(CF3 SO2 2 、LiC(CF3 SO2 3 、LiN(CF3 CH2 OSO2 2 、LiN(CF3 CF2 OSO2 2 、LiN(HCF2 CF2 CH2 OSO2 2 、LiN((CF3 2 CHOSO2 2 、LiB[C6 3 (CF3 2 4 、LiAlCl4 、LiSiF6 などのリチウム塩などを用いることができる。特に、LiPF6 、LiBF4 が酸化安定性の点から好ましく用いられる。
【0032】
電解液中の電解質塩濃度は、0.1〜5mol/Lが好ましく、0.5〜3.0mol/Lがより好ましい。
【0033】
また、非水電解質は、液系の非水電解液としてもよいし、固体電解質あるいはゲル電解質等、高分子電解質としてもよい。前者の場合、非水電解質電池は、いわゆるリチウムイオン電池として構成され、後者の場合、非水電解質電池は、高分子固体電解質電池、高分子ゲル電解質電池等の高分子電解質電池として構成される。
【0034】
液系の非水電解質液とする場合には、溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,1 −または1,2 −ジメトキシエタン、1,2 −ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、1 ,3−ジオキソラン、4 −メチル−1 ,3 −ジオキソラン、アニソール、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ホウ酸トリメチル、ケイ酸テトラメチル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、酢酸エチル、トリメチルオルトホルメート、ニトロベンゼン、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、テトラヒドロチオフェン、ジメチルスルホキシド、3−メチル−2−オキサゾリドン、エチレングリコール、ジメチルサルファイト等の非プロトン性有機溶媒を用いることができる。
【0035】
非水電解質を高分子固体電解質、高分子ゲル電解質等の高分子電解質とする場合には、マトリックスとして可塑剤(非水電解液)でゲル化された高分子を用いる。マトリックスを構成する高分子としては、ポリエチレンオキサイドおよびその架橋体等のエーテル系高分子、ポリメタクリレート系、ポリアクリレート系、ポリビニリデンフルオライド、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系高分子等を単独、もしくは混合して用いることが望ましい。これらの中で、酸化還元安定性の観点等から、ポリビニリデンフルオライドやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系高分子を用いることが望ましい。
【0036】
これら高分子固体電解質または高分子ゲル電解質に含有される可塑剤を構成する電解質塩や非水溶媒としては、前述のものがいずれも使用可能である。ゲル電解質の場合、可塑剤である非水電解液中の電解質塩濃度は、0.1〜5mol/Lが好ましく、0.5〜2.0mol/Lがより好ましい。
【0037】
このような固体電解質の製造方法は特に制限はないが、例えば、マトリックスを形成する高分子化合物、リチウム塩および溶媒を混合し、加熱して溶融する方法、適当な有機溶剤に高分子化合物、リチウム塩および溶媒(可塑剤)を溶解させた後、混合用の有機溶剤を蒸発させる方法、ならびに高分子電解質の原料となる重合性モノマー、リチウム塩および溶媒を混合し、混合物に紫外線、電子線または分子線などを照射して重合させ高分子電解質を製造する方法等を挙げることができる。
【0038】
また、前記固体電解質中の溶媒の添加割合は、10〜90質量%が好ましく、さらに好ましくは30〜80質量%である。10質量%未満であると、固体電解質の導電率が低くなり、90質量%を超えると固体電解質の機械的強度が弱くなりフィルム化が困難となる傾向がある。
【0039】
本発明のリチウムイオン二次電池においては、セパレーターを使用することもできる。
用いるセパレーターは、特に限定されないが、例えば、織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜等が挙げられる。特に合成樹脂製微多孔膜が好適に用いられ、その中でもポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗の面で好適である。具体的には、ポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜等である。
【0040】
本発明のリチウムイオン二次電池においては、負極用炭素材料として端面が露出していない球体の黒鉛化物粒子、好ましくはメソフェーズ小球体の黒鉛化物粒子を用いることから、ゲル電解質を用いることが可能である。
【0041】
ゲル電解質二次電池は、炭素材料を含有する負極と、正極およびゲル電解質を、例えば、負極、ゲル電解質、正極の順で積層し、電池外装材内に収容することで構成される。さらに負極と正極の外側にゲル電解質を配するようにしてもよい。この炭素材料を負極に用いるゲル電解質二次電池では、ゲル電解質にプロピレンカーボネートが含有された場合でも、第1サイクルにおける不可逆な容量が小さく抑えられ、大きな放電容量が得られるとともに高い初期充放電効率が得られる利点がある。
【0042】
さらに、本発明のリチウムイオン二次電池の構造は特に制限されず、その形状、形態について特に限定されず、用途、搭載機器、要求される充放電容量等に応じて、円筒型、角型、コイン型、ボタン型等のいずれの形状または形態のものでもよい。より安全性の高い密閉型非水電解液電池を得るためには、過充電等の異常時に電池内圧上昇を感知して電流を遮断させる手段を備えたものであることが望ましい。高分子固体電解質電池や高分子ゲル電解質電池の場合には、ラミネートフィルムに封入した構造とすることもできる。
【0043】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また以下の実施例および比較例では、炭素材料を、図1に示すような構成の評価用電池を作製して評価実験を行ったが、実電池は、本発明の概念に基づき、公知の方法に準じて作製することができる。
【0044】
(実施例1)
(1)負極材料の調製
メソフェーズ小球体(川崎製鉄(株)製、KMFC)を3000℃で黒鉛化して得られた黒鉛化物粒子からなる粉末を分級して粒度を調整し、表1に示す粒度分布を有する炭素材料を製造した。
【0045】
このとき、粒度分布は黒鉛粉末を界面活性剤を加えた蒸留水に分散し、セイシン社製レーザー回折式粒度分布計LMS−30にて測定した。
比表面積は窒素ガス吸着によるBET1点法によってユアサアイオニクス社製モノソーブにて測定した。
【0046】
(2)負極合剤ペーストの作製
上記で得られた炭素材料に、結合剤としてポリフッ化ビニリデンを8質量%の含有量となるように混合し、さらにN−メチルピロリドン(溶剤)を加えて混合し、ホモミキサーを用いて回転数2000rpm で30分間攪拌し、有機溶剤系負極合剤ペーストを調製した。
【0047】
(3)作用電極(負極)の作製
この負極合剤ペーストを、銅箔上に均一な厚さに塗布し、さらに真空中で90℃で溶剤を揮発させて乾燥した。次に、この銅箔上に塗布された負極合剤をハンドプレスによって加圧し、さらに銅箔と負極合剤を直径15.5mmの円形状に打ち抜いて、銅箔からなる集電体(図1中の7b)と、該集電体に密着した負極合剤層からなる作用電極(負極)(図1中の2)を作製した。
【0048】
(3)対極の作製
リチウム金属箔を、ニッケルネットに押付け、直径15.5mmの円柱状に打ち抜いて、ニッケルネットからなる集電体(図1中の7a)と、該集電体に密着したリチウム金属箔からなる対極(図1中の4)を作製した。
【0049】
(4)電解質の調整
エチレンカーボネート33mol%−メチルエチルカーボネート67mol%の割合の混合溶媒に、LiPF6 を1mol/dm3 となる濃度で溶解させ、非水電解液を調製した。
得られた非水電解液をポリプロピレン多孔質体に含浸させ、電解質液が含浸されたセパレータ(図1中の5)を作製した。
【0050】
(5)評価電池の作製
評価電池として図1に示す構造のボタン型二次電池を製造した。
この電池は、外装カップ1と外装缶3とが、その周縁部において絶縁ガスケット6を介してかしめられた密閉構造を有し、その内部に、外装缶3の内面から順に、ニッケルネットからなる集電体7a、リチウム箔よりなる円盤状の対極4、電解質溶液が含浸されたセパレータ5、負極合剤からなる円盤状の作用電極(負極)2および銅箔からなる集電体7bが積層された電池系である。
【0051】
評価電池は、電解質溶液を含浸させたセパレータ5を、集電体7bに密着した作用電極2と、集電体7aに密着した対極4との間に挟んで積層した後、作用電極2を外装カップ1内に、対極4を外装缶3内に収容して、外装カップ1と外装缶3とを合わせ、外装カップ1と外装缶3との周縁部を絶縁ガスケット6を介してかしめ密閉して製造した。
【0052】
この評価電池は、実電池において負極用活物質として使用可能な黒鉛質材料を含有する作用電極(負極)2と、リチウム金属箔からなる対極4とから構成される電池である。
【0053】
以上のようにして作製された評価電池について、25℃の温度で下記の充放電試験を行った。
【0054】
(6)充放電試験
0.9mAの電流値で回路電圧が0mVに達するまで定電流充電を行い、回路電圧が0mVに達した時点で定電圧充電に切り替え、さらに電流値が20μA になるまで充電を続けた後、120分間休止した。
【0055】
次に0.9mAの電流値で、回路電圧が2.5Vに達するまで定電流放電を行った。この第1サイクルにおける通電量から充電容量と放電容量を求め、次式から初期充放電効率を計算した。
初期充放電効率(%)=(第1サイクルの放電容量/第1サイクルの充電容量)×100
また、放電容量を基準として算出した0.5Cの電流値で、上記条件で充電を行って得られた充電容量を急速充電容量とした。また、同様に算出した1.5Cの電流値で、上記条件で放電を行って得られた放電容量を急速放電容量とした。
なお、この試験では、リチウムイオンを炭素材料中にドープする過程を充電、黒鉛質材料から脱ドープする過程を放電とした。
【0056】
(実施例2、比較例1〜4)
表1に示す粒度分布を有するメソフェーズ小球体の黒鉛化物粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして負極合剤の調製、負極およびリチウムイオン二次電池の作製を行い、さらに、評価試験を行った。結果を1に示す。
【0057】
(比較例5)
メソフェーズ小球体に代えて天然黒鉛(エスイーシー社製、平均粒子径25μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして負極合剤の調製、負極およびリチウムイオン二次電池の作製を行い、さらに、評価試験を行った。結果を1に示す。
【0058】
(実施例3)
メソフェーズ小球体に代えて石油系生コークス粒子を機械的に加工して球体に調整後、350℃の空気中で酸化させ、これを3000℃で黒鉛化してなる球状人造黒鉛を用いた以外は、実施例1と同様にして負極合剤の調製、負極およびリチウムイオン二次電池の作製を行い、さらに評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0004143354
【0060】
【発明の効果】
本発明の炭素材料は、リチウムイオン二次電池の負極材として用いて、放電容量、初期充放電効率を低下させることなく、優れた急速充放電特性を示すリチウムイオン二次電池を得ることができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、前記リチウムイオン二次電池負極用炭素材料を負極材として用いて、高い放電容量および初期充放電効率を有するとともに、優れた急速充放電特性を示すため、これを搭載する機器の高性能化に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例および比較例における充放電試験で用いた評価電池の構造を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1 外装カップ
2 作用電極
3 外装缶
4 対極
5 セパレータ
6 絶縁ガスケット
7a,7b 集電体

Claims (3)

  1. 球体の黒鉛化物粒子を含むリチウムイオン二次電池負極用炭素材料であって、前記黒鉛化物粒子の累積50%粒径が20〜30μm、粒子径15μm以下の粒子の含有量が15質量%以上、かつ粒子径50μm以上の粒子の含有量が10質量%以下であり、前記黒鉛化物粒子のBET法による比表面積が1m 2 /g未満であることを特徴とするリチウムイオン二次電池負極用炭素材料。
  2. 前記黒鉛化物粒子がメソフェーズ小球体の黒鉛化物粒子であることを特徴とする請求項に記載のリチウムイオン二次電池負極用炭素材料。
  3. 請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池負極用炭素材料を負極に用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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