JP4142737B1 - 廃棄物処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 最終処分場の廃棄物をより効率的かつ安全に圧密するための廃棄物処理装置を提供する。
【解決手段】 本発明の装置は、駆動源によって回転駆動される軸体と、埋め立て廃棄物を空洞内の壁に圧密するための側面を有する圧密体と、圧密体に連接されたヘッドと、圧密体の側面の少なくとも一部に沿って周設されたスクリュー翼と、圧密体の側面から間隔を空けてスクリュー翼の上下段の間を渡すように取り付けられた、埋め立て廃棄物を切断するための切断エッジを有する少なくとも1つの切断部材とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、廃棄物を処理するための装置に関する。より具体的には、本発明は、廃棄物最終処分場に埋め立てられた廃棄物の減容化を達成するために、廃棄物を切断しながら圧密することによって埋め立て廃棄物内に空洞を形成する廃棄物処理装置に関する。
我が国においては、廃棄物は、法律上、家庭などから排出され市町村に処理責任がある一般廃棄物と、排出事業者に処理責任がある産業廃棄物に分類される。いずれも、再利用、再資源化、及び焼却などの中間処理が行われ、これらの処理が困難なものは最終処分場に投棄される。最終処分場(埋め立て処分場とも呼ばれる)は、地盤を掘削して作られた窪み又は自然に形成された窪みを利用して、この窪みに廃棄物が投棄され積層される施設である。最終処分場は、一般に、廃プラスチック類やゴムくずなどの環境に影響を与えない廃棄物のみを埋め立てる安定型処分場、基準以上の重金属や有害化学物質などが含まれる有害な廃棄物を埋め立てる遮断型処分場、並びに、安定型処分場及び遮断型処分場で処分される廃棄物以外の廃棄物を埋め立てる管理型処分場に分類される。
最終処分場について種々の問題が指摘されているが、中でも、既設の最終処分場の残余年数の減少が大きな問題となっている。最終処分場が満杯になった場合には、別の新たな処分場を確保しなければならない。近年は、分別、再利用、再資源化の普及などによって最終処分量が減少しているため、残余年数は微増傾向にあると言われるものの、特に都市部周縁部において最終処分場を確保することは、用地確保の問題や地元住民の反対といった理由により極めて困難な状況となっている。
このような事情を背景として、埋め立てられた廃棄物を減容して最終処分場の延命化を図ることを目的とした種々の技術が提案されている。最終処分場の廃棄物は、一般に、形状が不均一なものが多く、埋め立て時には重機などで転圧を行ってもなお多くの隙間が存在する。したがって、最終処分場の廃棄物は、埋め立て後に適切な手段でさらに圧密を行うことによって容積が減少し、容積の減少分に相当する廃棄物をさらに埋め立てることができるようになる。
廃棄物の圧密によって減容化を行う従来技術として、以下のものが挙げられる。
(1)ドロップハンマの重錘の落下による圧密技術
ドロップハンマで重錘を吊り上げ、廃棄物上に繰り返し落下させることによって、衝撃力で廃棄物を圧密する方法である。
(2)掘削土砂圧密型オーガによる圧密技術
特許文献1に開示される技術は、湾曲押圧面を側面としたコテ部を掘削回転方向に螺旋状に上昇するように設けた掘削土砂圧密型オーガを用いて行う廃棄物処理方法である。この方法では、掘削した土砂などをコテ部で外側に押し出し孔壁に圧密して殆ど地上に排土せずに削孔した後、オーガを孔内に差し入れた状態で削孔時とは逆の回転をさせながら孔口から廃棄物を投入する。投入された廃棄物は、孔底に落下しながらコテ部で孔壁に圧密される。コテ部で圧密されずに孔底に落下した廃棄物は、オーガを上下動させることによって先端のオーガヘッドで鎮圧充填する。
(3)圧密コテを設けたケーシングと掘削軸体とからなる掘削装置による圧密技術
特許文献2に開示される技術は、湾曲押圧面を側面とした圧密コテを掘削回転方向に螺旋状に上昇するように設けたケーシングと、このケーシング内に挿入される、先端に圧密羽根を設けた掘削ヘッドを有する掘削軸体とからなる掘削装置を用いた廃棄物処理方法である。この方法では、掘削した廃棄物を旋回するケーシングの圧密コテによって圧密し、さらに、掘削ヘッドの圧密羽根によって鎮圧する。その後、ケーシングを残した状態でケーシング内に投入された廃棄物を鎮圧軸体又はモンケンによって鎮圧し、ケーシングを引き抜く。
(4)その他の技術
これらの技術以外に、建築物や構造物の基礎となる既成杭及び場所打ち杭のための削孔用オーガに関する先行技術として、特許文献4〜6に記載の技術が開示されている。
特許第3060045号 特許第3476413号 特許第2896416号 特公昭57−27274号 特許2631303号 実公平7−45672号 特開平11−117652号
ドロップハンマの重錘の落下による圧密技術は、落下衝撃を与える際の振動や騒音が問題となる。また、この技術においては、最終処分場の表面近くの廃棄物は圧密されるが、深部の廃棄物まで圧力が伝達されないため、効率的な圧密が困難である。
次に、例えば特許文献1に記載のオーガ又は特許文献2に記載のケーシングは、最終処分場の廃棄物を圧密することを本来の目的として開発されたものではなく、通常の地盤において杭孔の掘削を行うオーガを廃棄物の圧密に転用したものであると思われる。すなわち、これらのオーガ又はケーシングは、建築物や構造物の基礎となる既成杭及び場所打ち杭のための削孔を無排土又は少排土で行い、それにより残土の処理及び現場清掃などに必要な費用を軽減させることを目的としていると考えられる。このことは、特許文献1に記載の掘削土砂圧密型オーガが、特許文献3に記載の地盤の基礎工事として杭孔掘削を行うためのオーガと同一であることからも推定されることである。したがって、これらの従来の杭孔掘削オーガ及びケーシングを用いて最終処分場の廃棄物の圧密を行う場合には、幾つかの課題が存在する。
まず、特許文献1に記載される杭孔掘削オーガは、軸体の下部にスクリュー羽根が設けられ、それに連続して掘削回転方向に螺旋状に上昇するようにコテ部が設けられている。また、軸体の先端には掘削ビットが設けられている。こうした杭孔掘削オーガは、元来、掘削された土砂が上方に移送されるように設計されていると考えられる。このことは、特許文献3の段落0012に「土砂の揚土作用を阻害することなく」掘削することが目的であると明示されていることからも判る。
オーガがこのように構成されているのは、杭孔掘削用のオーガが、空隙の多い廃棄物を圧密することではなく、空隙が少なく、場合によっては硬く圧縮しにくい地盤を削孔することを本来の目的として開発されたためであると考えられる。空隙が少なく硬い地盤を削孔する場合には、掘削した土砂を上方に移送しなければオーガ自体の前進が困難である。したがって、こうしたオーガを廃棄物の圧密に転用した場合には、埋め立てられて密度が高くなっていた廃棄物が大径の掘削ビットによって掘削され、オーガの揚上作用によって元の位置から上昇する過程で低密度化し、低密度化した廃棄物がコテ部の湾曲押圧面によって横方向にのみ押し付けられることになる。また、こうしたオーガを用いた場合には、掘削され孔内を上昇した廃棄物がそのまま孔壁に押し付けられるだけであるため、大小様々な形状からなる場合がある埋め立て廃棄物を十分に圧密することは困難であると思われる。以上のことから、杭孔掘削用のオーガを廃棄物の圧密に転用した場合には、圧密効率は低くならざるを得ない。こういった事情は、特許文献2のケーシングでも同様である。
また、従来の杭孔掘削オーガは、先端に掘削ビットが設けられている。掘削ビットは、硬い地盤や玉石、転石などが含まれた地盤を掘削するために先端に特殊な刃先が取り付けられており、一般的には掘削する孔の口径に合わせて、オーガの軸体より大径である。こうした掘削ビットが設けられたオーガを廃棄物の圧密に用いた場合には、例えばフィルム状の廃棄物やゴム状の廃棄物などといった長く弾力性のある廃棄物やサイズの大きな廃棄物が掘削ビットに巻き付き、オーガの回転にとって大きな抵抗力となることがある。また、このような廃棄物は、掘削ビットに巻き付くだけでなく、オーガのスクリュー羽根の間に挟まれたり、ロッドに巻き付いたりすることもあり、この場合も廃棄物がオーガの回転にとって抵抗力となることがある。
さらに、例えば特許文献2に記載されるような技術は、ケーシングと掘削軸体とを別々に準備し、これらを同時に又は時間差で用いて掘削及び圧密を行う必要がある。したがって、装置が複雑であり、工程も煩雑になるため非効率であると考えられる。
さらに、最終処分場に埋め立てられる廃棄物の中には、可燃性ガスを発生する可能性のある廃棄物も混在している。このような最終処分場の廃棄物を圧密する場合には、廃棄物と回転するオーガとの摩擦熱によって、廃棄物から発生した可燃性ガスに引火する可能性がある。しかしながら、従来の杭孔掘削オーガは、地盤を掘削するために設計されたものであるためこのような事態は想定されておらず、廃棄物の圧密に用いるには適さない。
他の従来技術、例えば特許文献4〜6に記載されるような技術についても、廃棄物の圧密に用いた場合には、上述のいずれかの問題を生じると思われる。
以上のように、最終処分場に埋め立てられた廃棄物と、既成杭及び場所打ち杭のための削孔を行う通常の地盤との性状の違い、及び、廃棄物処理と既成杭及び場所打ち杭のための削孔との条件の違いにより、従来の杭孔掘削オーガ又はケーシングを単に廃棄物圧密技術として転用しただけでは、最終処分場の効率的かつ安全な減容化を達成することは困難である。したがって、本発明は、最終処分場の廃棄物をより効率的かつ安全に圧密するための装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の第1の態様は、駆動源によって軸線の周りに回転駆動される軸体と、軸体の下部に形成され、埋め立て廃棄物を空洞内の壁に圧密するための側面を有する、略逆錐形状の圧密体と、圧密体の底面又は軸体の下端部に連接されたヘッドと、圧密体の側面の少なくとも一部に沿って周設されたスクリュー翼と、圧密体の側面から間隔を空けてスクリュー翼の上下段の間を渡すように取り付けられた、埋め立て廃棄物を切断するための切断エッジを有する少なくとも1つの切断部材とを備えることを特徴とする、最終処分場の埋め立て廃棄物を回転掘削しながら圧密することによって埋め立て廃棄物内に空洞を形成するための装置を提供するものである。なお、本明細書において「略逆錐形状」というときは、逆円錐、逆四角錐、逆六角錐などの逆錐形状と、逆円錐台、逆四角錐台、逆六角錐台などの逆錐台形状とを含むものとする。
少なくとも1つの切断部材は、圧密体の側面に面して軸体の軸線と概ね平行な方向に延びる縁部を備える柱状体として形成することができる。少なくとも1つの切断部材は、圧密体の側面に面して頂点を有する少なくとも1つの突起を備える柱状体として形成することもできる。少なくとも1つの切断部材は平板とすることもできる。
本発明の廃棄物処理装置は、ヘッドの形状を略逆錐形状とすることができる。ヘッドは、ドリル形状とすることもできる。本発明の廃棄物処理装置は、圧密体の上方に柱状形状のドラムをさらに配置することができる。このドラムは、圧密体の上面の形状と同一の横断面形状を有するものとすることができる。本発明の廃棄物処理装置は、圧密体の上方に略逆錐形状の別の圧密体をさらに配置することもできる。本発明の廃棄物処理装置は、別の圧密体の上方に、該別の圧密体の上面の形状と同一の横断面形状を有する柱状形状のドラムをさらに配置することもできる。
本発明の第2の態様は、駆動源によって軸線の周りに回転駆動される、軸線方向に延びる中空部を有する中空体として形成された軸体と、軸体の下部に形成され、埋め立て廃棄物を空洞内の壁に圧密するための側面を有する、略逆錐形状の圧密体と、圧密体の底面又は軸体の下端部に連接されたヘッドと、圧密体の側面の少なくとも一部に沿って周設されたスクリュー翼とを備え、軸体は、圧密体の底面近傍に軸体の中空部と外部とを連通する1つ又は複数の開口部を有し、中空部を通して圧入された消火剤が、1つ又は複数の開口部から放出されるようになったことを特徴とする、最終処分場の埋め立て廃棄物を回転掘削しながら圧密することによって埋め立て廃棄物内に空洞を形成するための装置を提供するものである。
装置は、圧密体の側面から間隔を空けてスクリュー翼の上下段の間を渡すように取り付けられた、埋め立て廃棄物を切断するための切断エッジを有する少なくとも1つの切断部材をさらに備えるものとすることができる。少なくとも1つの切断部材は、圧密体の側面に面して軸体の軸線と概ね平行な方向に延びる縁部を備える柱状体として形成することができる。少なくとも1つの切断部材は、圧密体の側面に面して頂点を有する少なくとも1つの突起を備える柱状体として形成することもできる。少なくとも1つの切断部材は平板とすることもできる。
本発明に係る廃棄物処理装置によれば、装置が駆動源によって回転駆動力を与えられながら廃棄物中を回転掘削する際に、装置の下部に設けられた進行方向の前方部に切断エッジを有する少なくとも1つの切断部材によって、長く弾力性のある廃棄物やサイズの大きな廃棄物が切断される。切断部材は、スクリュー翼の上下段の間を渡すように取り付けられている。すなわち、スクリュー翼は、装置が廃棄物中を前進する際のガイドとしての機能に加えて、切断部材の支持体としての機能も有することになる。また、切断部材をスクリュー翼の上下段の間を渡すように取り付けることによって、切断部材と圧密体の側面との間に空間を設けることができる。切断されて小さくなった廃棄物は、切断部材と圧密体の側面(傾斜圧密面ともいう)との間の空間を通り、その過程で傾斜圧密面によって孔壁に圧密される。したがって、本発明に係る装置を用いて最終処分場の埋め立て廃棄物の減容化を行うことによって、大小様々な形状からなる場合がある埋め立て廃棄物の減容化率を高めることが可能となる。また、圧密体の側面に面した切断部材の内側を特殊な形状に形成することにより、側面と切断部材との間に廃棄物が充填されることがなく、したがって装置の回転抵抗を低減することができる。
さらに、本発明に係る廃棄物処理装置によれば、ヘッドが軸体の断面と概ね同じ大きさの上面を有する略逆錐形状に形成されているため、ヘッドに廃棄物が絡まるなどの問題が生じない。ヘッドをスクリュー形状に形成することによって、掘削開始時の抵抗がより低減し、掘削しやすくなる。また、圧密体の上部に、ドラム及び/又はさらなる圧密体を配置することによって、圧密効率がより向上するとともに、孔壁がより平滑化され廃棄物から受ける抵抗力をより低減させることができる。したがって、より少ない回転駆動力で高効率な減容化が可能となり、廃棄物処理装置に回転駆動力を与える駆動源の騒音の減少及び環境負荷の低減が達成される。
さらに、本発明に係る廃棄物処理装置によれば、装置と装置を駆動させる駆動源とを準備するのみで廃棄物の効率的な圧密が可能となるため、最終処分場の減容化工程が簡素化され、作業コストの低減が可能となる。
さらに、本発明に係る廃棄物処理装置によれば、装置と廃棄物との間の摩擦熱によって可燃性ガスが発火した場合でも速やかに消火することができるため、より安全に廃棄物の圧密が可能となる。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る廃棄物処理装置の一実施形態を示す図である。この実施形態においては、廃棄物処理装置10は、軸線の周りに回転する軸体1と、側面すなわち傾斜圧密面21を有する略逆円錐形状の圧密体2と、軸体1の下端部11に取り付けられたヘッド3と、傾斜圧密面21の少なくとも一部の周囲に沿って配置されたスクリュー翼4と、傾斜圧密面21から間隔を空けて、前記スクリュー翼4の上段と下段との間を渡すように取り付けられた少なくとも1つの切断部材5とを有する。
軸体1は、円柱形状を有し、軸体1のもう一方の端部、すなわちヘッド3が設けられる下端部11と反対側の上端部12は、駆動源(図示せず)に接続される。使用時には、軸体1には、この駆動源によって、埋め立て廃棄物の表面と概ね直交する軸線周りの回転駆動力が与えられる。
駆動装置が接続される上端部12と反対側の軸体1の下部には、一実施形態においては軸体1の周囲に、略逆円錐形状の圧密体2が配置される。圧密体2は、軸体1の軸線に対して傾斜した側面すなわち傾斜圧密面21と、円形の底面22と、底面22の直径より大きい直径の円形の上面23とを有する。すなわち、この実施形態においては、略逆円錐形状の圧密体2は逆円錐台形状である。圧密体には後述するヘッド3を取り付けるが、必要に応じて圧密体2とヘッド3とを一体的に形成することもでき、この場合には、圧密体2とヘッド3とを合わせた形状は逆円錐形状となる。
傾斜圧密面21が軸体1の軸線となす角度は、約30°より小さいことが好ましく、約20°より小さいことがより好ましく、約5°〜約15°であることが最も好ましい。傾斜圧密面21が軸体1の軸線となす角度は、圧密対象である埋め立て廃棄物に硬いものが多く含まれている場合又は廃棄物処分場の埋め立て深さが深い場合には約5°であることがより好ましく、柔らかいものが多く含まれている場合又は埋め立て深さが浅い場合には約15°であることがより好ましい。圧密体2をこのような略逆円錐形状とすることによって、圧密体2が廃棄物中を前進するときに、傾斜圧密面21が、横方向と下方向との合力によって掘削孔を拡開しながら廃棄物を斜め下方向に圧密することになる。したがって、埋め立て廃棄物を必要以上に上昇させることなく圧密することができる。圧密体2の高さ、すなわち底面22から上面23までの距離は、最終処分場の埋め立て深さに応じて任意の高さとすることができる。
一実施形態においては、圧密体2は、中心線に沿って底面22から上面23まで圧密体2を貫通する中空部を設け、その中空部に軸体1を通すことによって、軸体1の周囲に配置される。別の実施形態においては、圧密体2は、中空部を設けずに中実体として形成し、圧密体2の上面23と軸体1の下端部とを、圧密体2と軸体1とが互いに同軸に配置されるように溶接などの手段で接続するようにしてもよい。さらに別の実施形態においては、軸体1と圧密体2とを一体成形してもよい。
なお、図1の実施形態においては、圧密体2の上面23と傾斜圧密面21との間の角度が鋭角のエッジとなっている。このエッジは、圧密された廃棄物の反発によって圧密体2が締め付けられた場合に、装置10に上下振動を与えることによりこのエッジによって故意に孔壁を崩落させて、圧密を続行するか又は装置10の取り出しを容易にする作用を有する。
圧密体2の下方には、ヘッド3が設けられる。ヘッド3は、圧密体2の底面22又は軸体1の直径と概ね同じ直径の上面31を有する略逆円錐形状又はドリル形状とすることができる。本発明に係る廃棄物処理装置10は、後に詳細に説明するように、切断部材5で廃棄物を切断しながら圧密体で廃棄物を圧密することによって減容化率を高めることを特徴とする。したがって、ヘッド3は、少なくとも装置10を廃棄物中に進入させる際の偏振防止のための芯出し作用を持たせるだけでよく、従来技術のような地面を掘削するための大径のビットを設ける必要はない。ヘッド3は、図1の実施形態においては軸体1の下端部11に連続するように取り付けられているが、圧密体2の底面22に連続するように取り付けてもよい。ヘッドの頂角の角度は特に問わないが、底部に防水シートが敷設された管理型処分場において装置10を用いる場合には、防水シートの破損を防止するために、約90°より大きく180°より小さいことが好ましい。
圧密体2の傾斜圧密面21の少なくとも一部の周囲には、図1に示されるように、スクリュー翼4が傾斜圧密面21に沿って配置される。スクリュー翼4は、好ましくは、掘削開始時における廃棄物の切り出し及びすくい上げを効率よく行うことができるようにヘッド3に近い軸体1の下端部11から開始し、圧密体2の傾斜圧密面21に沿って設けられる。スクリュー翼は、切断部材5を取り付けるために、圧密体2の周囲を一周するように設けられることが好ましい。スクリュー翼4は、スクリュー翼4の下端から上端まで、連続した一枚の翼として設けることが好ましい。しかしながら、必要に応じて、スクリュー翼4を複数の部分に分割し、各々の部分の端部同士を間隔を空けて配置するようにしてもよい。
スクリュー翼4を傾斜圧密面22の一部にのみ設けることによって、すなわち傾斜圧密面21の下端から上端まで配置しないようにすることによって、スクリュー翼4は、圧密体2が廃棄物中を前進する際にその前進を先導する機能、及び、切断部材5を支持する支持体としての機能のみを有し、廃棄物を必要以上に揚上させる作用を持たない。したがって、本発明の廃棄物処理装置10によれば、埋め立てられた廃棄物の位置を大きく変化させずに、すなわち埋め立てられた廃棄物を地上に近づけることなく、廃棄物を圧密することができる。
スクリュー翼4の上段と下段との間には、図1に示されるように、翼間を渡すように切断部材5が設けられる。本発明の一実施形態においては、切断部材5は、図2に示される形状で形成される。すなわち、切断部材5は、軸体1の軸線を横切る向きの断面形状、すなわち横断面形状が、傾斜圧密面21と対向する頂点52を有する扇形となる柱状形状で形成される。装置10が図1における矢印Aの向きに回転するとき、図2に示される切断部材5の参照番号51で示される部分が廃棄物を切断する切断エッジとして機能し、このエッジ51は、埋め立てられた廃棄物をエッジ51に沿って垂直方向に切り取りながら前進する。エッジ51には、例えば合金の刃先をさらに取り付けることなどによって、廃棄物の切断作用をさらに効率よく行うようにすることもできる。
さらに、図2に示されるように、切断部材5は、傾斜圧密面21の側面に面して縁部53を有し、圧密体2の傾斜圧密面21から間隔を空けてスクリュー翼4に取り付けられる。これにより、傾斜圧密面21によって外側に押し出された廃棄物は、切断部材5の縁部53に当たった後、縁部53によって左右に振り分けられ、切断部材5の側面54及び55に沿って孔壁方向に進むことになる。したがって、廃棄物が傾斜圧密面21と切断部材5との間に充填されることによる装置10の回転抵抗の問題は発生しない。このことは、廃棄物の粒度が小さい最終処分場において装置10を用いて廃棄物を圧密する場合に、特に大きな利点となる。
このように、本発明に係る廃棄物処理装置10は、図2に示される形状の切断部材5を取り付けたことによって、不均一な形状の大きな廃棄物を切断しながら廃棄物中を前進するため、装置10の回転に伴って装置10及びその構成部材に廃棄物が巻き付いたりからみついたりすることがない。したがって、埋め立て前の破砕が不十分なために大小様々な形状の廃棄物が混在する最終処分場であっても、装置10の回転抵抗を軽減することができる。
切断部材5の2つの面54及び55によって形成される角度θは、任意の角度とすることができるが、鋭角であることが好ましい。角度θを鈍角とすることもできるが、θが大きすぎると、縁部53による振り分け効果が低減する可能性がある。また、切断部材5の面56の曲率は、面56と孔壁との間の摩擦抵抗が装置10の回転に影響を与えない限り、任意の曲率とすることができる。面56の曲率は、廃棄物の圧密及び孔壁の平滑化の観点から、圧密体2の底面23の外周の曲率と同一であることが好ましい。
切断部材5を取り付ける位置は、できるだけスクリュー翼4の下端に近い方が好ましい。切断部材5を下端に近い位置に取り付けると、廃棄物の掘削を開始しスクリュー翼4が廃棄物に進入する際に、廃棄物のすくい上げと切断とがほぼ同時に行われるようになるため、掘削抵抗がより小さくなる効果がある。切断部材5をスクリュー翼4の上端に近い位置に取り付けることもできるが、この場合には、切断部材5と傾斜圧密面21との間の間隔が狭くなるため、その狭い部分に廃棄物が挟まる可能性がある。このような場合に対処するために、切断部材5の縁部53が傾斜圧密面21と平行になるように、例えば、切断部材53を傾斜させてスクリュー翼4に取り付けるか、又は、切断部材5の断面形状をその頂面から底面にかけて徐々に大きくすることによって切断部材5の縁部53を斜めに形成してもよい。あるいは、切断部材5を、上部の傾斜圧密面21に面する部分の一部を切り欠いた形状として、傾斜圧密面21との間の空間を拡張するようにしてもよい。
本発明の一実施形態においては、切断部材5の数は1つであるが、複数の切断部材を設けることもできる。例えば、スクリュー翼4の上端を図1に示される位置からさらに上方に延長して、傾斜圧密面21に沿って例えば一周半〜2周するように配置し、その延長部分に上述の切断部材5と同様にして別の切断部材5を設けてもよい。2つの切断部材を設ける場合には、切断部材5は、装置10の回転時の偏振を防止するために、圧密体2を挟んで互いに対向する位置に設けることが好ましい。3つ以上の切断部材を設ける場合も同様に、それぞれ切断部材の取り付け位置は、装置10の回転時の偏振を防止するように位置決めされることが好ましい。複数の切断部材5を設ける場合には、それらの切断部材5の形状はすべて同一としてもよく、複数の切断部材5のうちのいくつかの形状を同一とし、残りを後述する実施形態のような別の形状にしてもよい。切断部材5とスクリュー翼4との接続方法は、例えば溶接などといった公知の接続方法を用いることができる。
図1においては、切断部材5は、スクリュー翼4の上下段の間の距離と概ね同一の長さを有するものとし、例えば溶接などによって切断部材5の上端及び下端がスクリュー翼4に固定されるように構成されている。しかしながら、切断部材5は、スクリュー翼4の上下段の間の間隔より短くし、スクリュー翼4から延出された支持体を介して切断部材5の上端及び下端をスクリュー翼4に固定するようにしてもよい。また、切断部材5の縁部53の中央部分とスクリュー翼4の外縁とを溶接などによって接続することにより、切断部材5をスクリュー翼4に取り付けることもできる。
図3は、図1に示される廃棄物処理装置10に、ドラム6と、圧密体2とは別の圧密体7と、ドラム6とは別のドラム8とをさらに設けた実施形態を示す。ドラム6は、圧密体2の上面23と同一の形状の底面62を有する柱状形状として形成することが好ましい。このドラム6の側面61によって、圧密体2の傾斜圧密面21で圧密された廃棄物の表面の平滑化が可能になり、その結果、装置10の回転に伴う抵抗がより低減される。ドラム6の高さ、すなわち上面63から底面62までの距離は、最終処分場の埋め立て深さに応じて任意の高さとすることができる。
廃棄物の種類によっては、圧密体2のみでは廃棄物を完全に圧密しきれず、圧密体2の通過後に孔壁から一部の廃棄物が崩落する場合がある。このようなことが想定される廃棄物を掘削する場合には、圧密体2の上に、又は、ドラム6が配置された場合にはその上に、別の圧密体7をさらに配置することもできる。圧密体7は、図3に示されるように、軸体1の軸線に対して傾斜した傾斜圧密面71と、圧密体2の底面23の直径より小さい直径を有する円形の底面72と、底面72の直径より大きい直径の円形の上面73とを有する円錐台形状とすることができる。好ましくは、圧密体7の上面73は、圧密体2の上面23と同一の直径を有する。
傾斜圧密面71が軸体1の軸線となす角度は、約30°より小さいことが好ましく、約20°より小さいことがより好ましく、約5°〜約15°であることが最も好ましい。傾斜圧密面71が軸体1の軸線となす角度は、圧密対象物である埋め立て廃棄物に硬いものが多く含まれている場合又は廃棄物処分場の埋め立て深さが深い場合には約5°であることがより好ましく、柔らかいものが多く含まれている場合又は埋め立て深さが浅い場合には約15°であることがより好ましい。傾斜圧密面71が軸体1の軸線となす角度と、傾斜圧密面21が軸体1の軸線となす角度とは、互いに同一としても、それぞれ異ならせてもよい。圧密体7の高さ、すなわち上面73から底面72までの距離は、最終処分場の埋め立て深さに応じて任意の高さとすることができる。
圧密体7の上には、別のドラム8を配置することもできる。ドラム8は、圧密体7の上面73と同一形状の底面82を有する柱状形状として形成することが好ましい。このドラム8の側面81によって、圧密体2の傾斜圧密面21及び圧密体7の傾斜圧密面71で圧密された廃棄物の表面のさらなる平滑化が可能になる。ドラム8の高さ、すなわち上面83から底面82までの距離は、最終処分場の埋め立て深さに応じて任意の高さとすることができる。装置10にはさらに、装置10を引き抜く際の抵抗を軽減し、形成した空洞の壁を崩落させないように、底面92と傾斜面91と上面93とを有する略円錐形状の部材9を、圧密体2、ドラム6、圧密体7、又はドラム8の上部に設けてもよい。
上述のドラム6、圧密体7、ドラム8、及び部材9は、いずれか1つを設けることも、幾つかを組み合わせて設けることも、すべてを設けることもできる。上述のドラム6、圧密体7、及びドラム8の幾つか又はすべてを設けることによって、これらを設けない場合と比べて、装置10の偏振がより小さくなるとともに、孔壁がより平滑化するため、圧密体2の前進に伴う抵抗力がより小さくなるという利点がある。また、ドラム6、圧密体7、及びドラム8の上には、カウンターウェイトを載せることもできる。例えば、圧密体2、ドラム6、圧密体7、又はドラム8の上面に、軸体1の軸線方向に延びる複数のジョイントシャフトを取り付け、ジョイントシャフトを挿入するための孔を空けたカウンターウェイトを、その孔にジョイントシャフトを通すようにして、圧密体2、ドラム6、圧密体7、又はドラム8の上に載せることができる。カウンターウェイトを載せることによって、装置10に鉛直方向下向きの推進力が生じ、装置10を廃棄物中に進行させるための駆動源の燃料使用量の減少、駆動源の騒音低減などの効果が得られる。
図4は、本発明に係る廃棄物処理装置の別の実施形態を示す。この実施形態においては、廃棄物処理装置10´は、切断部材5の形状が異なっていること以外、図1〜図3に示される上述の実施形態と同一である。この実施形態の切断部材5´は、図5に示されるように、少なくとも回転方向前方部の切断エッジ51´と、傾斜圧密面2に面して四角錐形状の複数の突起53´(言い換えると、突起53´は、図2に示される切断部材5の縁部53に沿って切断部材5を三角錐形状に切り取ることによって形成される)とを有することを特徴とする。図5においては、切断部材5´は、四角錐形状の突起53´を有するように形成されているが、突起53´の形状は四角錐に限定されず、円錐形状、三角錐形状、五角錐形状などの任意の形状とすることができる。また、図5においては、切断部材5´は、全体に複数の突起53´が並んだ形状に形成されているが、別の実施形態においては、切断部材5´は、突起53´を幾つか設け、突起53´が形成されない部分は図2に示される縁部53と同様の形状に形成することもできる。突起53´の頂点から底面までの距離、すなわち突起53´の高さは、廃棄物の種類に応じて任意の高さとすることができるが、突起53´の高さを低くすると、突起53´による振り分け効果が低減する可能性がある。エッジ51´には、例えば合金の刃先をさらに取り付けることなどによって、廃棄物の切断作用をさらに効率よく行うようにすることもできる。
切断部材5´をこのような形状に形成することにより、装置10´が図4における矢印Aの向きに回転するとき、図5に示される切断部材5´のエッジ51´が、埋め立てられた廃棄物をエッジ51´に沿って垂直方向に切り取りながら前進する。また、圧密体2の傾斜圧密面21によって外側に押し出された廃棄物は、傾斜圧密面21に面して切断部材5´の内側に並んだ複数の突起53´の頂点から上下左右に振り分けられ、切断部材5´の側面54´及び55´に沿って孔壁方向に進むことになる。
図6は、本発明に係る廃棄物処理装置のさらに別の実施形態を示す。この実施形態においてもまた、廃棄物処理装置10´´は、切断部材の形状が異なっていること以外、図1〜図3に示される上述の実施形態と同一である。この実施形態の切断部材5´´は、図7に示されるように、少なくとも回転方向前方部に切断エッジ51´´を有する湾曲した平板として構成されることを特徴とする。切断部材5´´の面53´´及び面56´´は、任意の曲率を有するものとすることができるが、廃棄物の圧密及び孔壁の平滑化の観点から、圧密体2の底面23の外周の曲率と同一であることが好ましい。
図8は、本発明の廃棄物処理装置の別の態様に係る、緊急消火剤噴出装置の部分を示す。廃棄物処理装置10によって最終処分場の埋め立て廃棄物を圧密する際には、装置10の回転に伴って装置10の各部と廃棄物との間に生じる摩擦熱によって、最終処分場の廃棄物から発生した可燃性ガスなどが発火するおそれがある。図8に示される実施形態は、このような場合に対処できるように構成された廃棄物処理装置10の一部の一実施形態である。この実施形態においては、一部断面図である図8(b)に示されるように、軸体1の軸線方向に沿って中央部に、軸体1の上端12から下端11付近にまで至る中空部13が設けられる。中空部13の上端部132は、水などの消火剤を圧入するための装置、例えばコンプレッサ(図示せず)と連通する。中空部13の下端部133は、図8に示されるように、中空部13の直径より大きい直径を有することが好ましいチャンバ134と連通する。軸体1の下端11近傍の壁には、チャンバ134と外部すなわち削孔内とを連通する少なくとも1つの開口部又はノズル14が形成される。
廃棄物の圧密中に摩擦熱などによって可燃性ガスが発火した場合には、中空部13の上端部132からコンプレッサなどによって消火剤が圧入される。圧入された消火剤は、中空部13を通ってチャンバ134に流入する。チャンバ134に流入した消火剤は、その圧入圧力によって開口部又はノズル14から削孔内に放出され、それと同時に廃棄物処理装置10を逆回転させる。このようにして、火災の消火を行うことができる。
図8においては、8つの開口部又はノズル14が軸体1の壁に設けられているが、開口部又はノズル14の数及び配置は、図8に示される構成に限定されるものではない。例えば、軸体1の壁に設けられる開口部又はノズル14は、上段の4つ又は下段の4つのみとすることができる。あるいは、例えば、開口部又はノズル14は、軸体1の壁の対向する位置の4つのみとすることもできる。
図9は、緊急消火剤噴出装置の別の実施形態を示すものであり、図9(a)は開口部又はノズル14が弁によって塞がれた状態を示し、図9(b)は開口部又はノズル14が開いた状態を示し、図9(c)は緊急消火剤噴出装置の部分の断面図を示す。別の実施形態においては、図9に示されるように、開口部又はノズル14内部を塞ぐ弁140を有する弁部材141と、その弁部材141に接続され、弁部材141の開閉を制御する例えばバネなどの制御部材142と、制御部材142を支持する支持部143及び支持部143を支持し底面11に固定される支柱144を有する支持部材145とを含む弁機構を設けることもできる。弁部材141、制御部材142、及び支持部143は、支柱144に固定されたケーシング146の内部に格納することが好ましい。この実施形態においては、開口部14内部の弁140は、例えば開口部14を塞ぐことができる形状で構成され、通常は制御部材142の引張力によって、弁140と同じ形状に構成された孔14を塞いでいる(図9(a)の状態)。チャンバ134内に消火剤が圧入されると、その圧入圧力が制御部材142の引張力に打ち勝って弁140が開き(図9(b)の状態)、消火剤が孔14からチャンバ134から外部に放出される。
図10〜図11は、本発明の一実施形態に係る廃棄物処理装置を用いて、性状の異なる埋め立て廃棄物の減容化を行った実験結果を示す。図10は埋め立て廃棄物が焼却灰の場合の結果であり、図11は埋め立て廃棄物が焼却灰と不燃物(廃プラスチック、農業用ビールシート、金属類、ガラス・陶磁器類、がれき類)の混合物の場合の結果であり、図12は埋め立て廃棄物が不燃物の場合の結果である。図中において、「切断部材5」として示されるデータは、図1に示される廃棄物処理装置を用いた場合の結果であり、「切断部材5´」として示されるデータは、図1に示される廃棄物処理装置において切断部材5を図5に示される切断部材5´に変更した場合の結果であり、「切断部材5´´」として示されるデータは、図1に示される廃棄物処理装置において切断部材5を図7に示される切断部材5´´に変更した場合の結果である。また、「切断部材無し」として示されるデータは、図1に示される廃棄物処理装置において、切断部材5を取り付けない場合の結果である。
減容化率は以下のように求めた。まず、各々の埋め立て廃棄物について、それぞれの廃棄物処理装置を用いて減容化率を計算するための孔を30個掘削した。この掘削孔に、予め篩をかけて準備しておいた一定量の焼却灰を計量しながら順次投入した。これを30個の掘削孔について繰り返し、減容化率(%)=(削孔内に入った焼却灰の体積(m)/準備しておいた焼却灰の体積(m))×100によって減容化率を求めた。減容化の対象となる廃棄物の種類が異なっていても同じ焼却灰を掘削孔の中に投入することによって、掘削孔の容積を同一条件で測定した。
図10〜図12から明らかなように、本発明に係る、切断部材を設けた廃棄物処理装置を用いることによって、切断部材を設けない場合と比較して減容化率が大きく向上することが判る。また、切断部材の形状によって減容化率が異なり、切断部材5´、すなわち図5に示される形状の切断部材を有する廃棄物処理装置の減容化率が最も高いことが判る。また、切断部材5´´、すなわち図7に示される切断部材を有する廃棄物処理装置を用いても、少なくとも切断部材のない装置より減容化率が向上することが判る。
本発明の一実施形態に係る廃棄物処理装置を示す斜視図である。 図1に示される実施形態に係る廃棄物処理装置の切断部材を示す斜視図である。 本発明の別の実施形態に係る廃棄物処理装置を示す斜視図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る廃棄物処理装置を示す斜視図である。 図4に示される実施形態に係る廃棄物処理装置の切断部材を示す斜視図である。 本発明のさらに別の実施形態に係る廃棄物処理装置のさらに別の実施形態を示す斜視図である。 図6に示される実施形態に係る廃棄物処理装置の切断部材を示す斜視図である。 本発明に係る廃棄物処理装置に設けられる緊急消火剤噴出装置の部分の一実施形態を示す図である。 本発明に係る廃棄物処理装置に設けられる緊急消火剤噴出装置の部分の別の実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る廃棄物処理装置を用いて行われた廃棄物減容化の実験結果を示す図である。 本発明の一実施形態に係る廃棄物処理装置を用いて行われた廃棄物減容化の実験結果を示す図である。 本発明の一実施形態に係る廃棄物処理装置を用いて行われた廃棄物減容化の実験結果を示す図である。
符号の説明
1 軸体
2 圧密体
3、3´ ヘッド
4 スクリュー翼
5、5´、5´´ 切断部材
6、8 ドラム
7 圧密体
10 廃棄物処理装置
11 軸体の下端部
12 軸体の上端部
13 軸体の中空部
14 ノズル
21 傾斜圧密面
22 圧密体の底面
23 圧密体の上面
31 ヘッドの上面
51、51´、51´´ 切断部材のエッジ
53 切断部材の縁部
53´切断部材の突起
140 弁
141 弁部材
142 制御部材
144 支柱
145 支持部材
146 ケーシング

Claims (15)

  1. 最終処分場の埋め立て廃棄物を回転掘削しながら圧密することによって埋め立て廃棄物内に空洞を形成するための廃棄物処理装置であって、
    駆動源によって軸線の周りに回転駆動される軸体と、
    前記軸体の下部に形成され、埋め立て廃棄物を空洞内の壁に圧密するための側面を有する、略逆錐形状の圧密体と、
    前記圧密体の底面又は前記軸体の下端部に連接されたヘッドと、
    前記圧密体の前記側面の少なくとも一部に沿って周設されたスクリュー翼と、
    前記側面から間隔を空けて前記スクリュー翼の上下段の間を渡すように取り付けられた、埋め立て廃棄物を切断するための切断エッジを有する少なくとも1つの切断部材と、
    を備えることを特徴とする装置。
  2. 前記少なくとも1つの切断部材は、前記圧密体の前記側面に面して前記軸体の軸線と概ね平行な方向に延びる縁部を備える柱状体として形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 前記少なくとも1つの切断部材は、前記圧密体の前記側面に面して頂点を有する少なくとも1つの突起を備える柱状体として形成されたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の装置。
  4. 前記少なくとも1つの切断部材は平板であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  5. 前記ヘッドの形状が略逆錐形状であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  6. 前記ヘッドの形状がドリル形状であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  7. 前記圧密体の上方に、前記圧密体の上面の形状と同一の横断面形状を有する柱状形状のドラムをさらに配置したことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  8. 前記圧密体の上方に、略逆錐形状の別の圧密体をさらに配置したことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  9. 前記別の圧密体の上方に、該別の圧密体の上面の形状と同一の横断面形状を有する柱状形状のドラムをさらに配置したことを特徴とする、請求項8に記載の装置。
  10. 最終処分場の埋め立て廃棄物を回転掘削しながら圧密することによって、埋め立て廃棄物内に空洞を形成するための廃棄物処理装置であって、
    軸線方向に延びる中空部を有する中空体として形成され、下端部近傍に前記中空部と外部とを連通する1つ又は複数の開口部を有する、駆動源によって軸線の周りに回転駆動される軸体と、
    前記軸体の下部に形成され、埋め立て廃棄物を空洞内の壁に圧密するための側面を有する、略逆錐形状の圧密体と、
    前記圧密体の底面又は前記軸体の下端部に連接されたヘッドと、
    前記圧密体の前記側面の少なくとも一部に沿って周設されたスクリュー翼と、
    を備え、
    前記中空部を通して圧入された消火剤が、前記1つ又は複数の開口部から放出されることを特徴とする装置。
  11. 前記1つ又は複数の開口部を開閉する弁を有する弁部材と、該弁部材の開閉を制御する制御部材と、前記弁部材及び前記制御部材を支持する支持部材とを含む開閉弁機構をさらに備えたことを特徴とする、請求項10に記載の装置。
  12. 前記圧密体の前記側面から間隔を空けて前記スクリュー翼の上下段の間を渡すように取り付けられた、埋め立て廃棄物を切断するための切断エッジを有する少なくとも1つの切断部材をさらに備えることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
  13. 前記少なくとも1つの切断部材は、前記圧密体の前記側面に面して前記軸体の軸線と概ね平行な方向に延びる縁部を備える柱状体として形成されたことを特徴とする、請求項12に記載の装置。
  14. 前記少なくとも1つの切断部材は、前記圧密体の前記側面に面して頂点を有する少なくとも1つの突起を備える柱状体として形成されたことを特徴とする、請求項12に記載の装置。
  15. 前記少なくとも1つの切断部材は平板であることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
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