JP4141299B2 - 抗ガン剤処方支援兼調剤支援システム - Google Patents

抗ガン剤処方支援兼調剤支援システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数のガン患者の複数種のガンを治療する為に抗ガン剤の処方支援と調剤支援を行うシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガン化学療法は、ガン患者に化学物質である抗ガン薬(抗ガン剤)を投与して、ガン細胞の増殖を抑えガン細胞を破壊する治療法であり、従来より、複数種のガン(例えば、胃ガン、大腸ガン、食道ガン)を夫々治療する為の複数のガン化学療法(例えば、MTX−5-FU交代療法、レボホリナート−フルオロウラシル療法、5-FU−ランダ療法)が実施されている。
【0003】
従来、ガン患者がガン化学療法を受ける場合、医師がガン患者を診察して、経験や知識等から、ガン患者に施す適切なガン化学療法を決定する。ガンによっては採用可能なガン化学療法が複数あり(例えば、胃ガンの場合、MTX−5-FU交代療法とレボホリナート−フルオロウラシル療法) 、この場合、これら複数のガン化学療法の中の何れかを選択する。
【0004】
医師が決定したガン化学療法で施用する抗ガン薬、抗ガン薬を施用する複数の施用日、各施用日の施用回数、各抗ガン薬の各回の投与量、更には、抗ガン薬の機能促進又は機能抑制のために、その抗ガン薬と併用する併用剤等を決定して、ガン化学療法プロトコールを作成する。そして、医師はガン患者の抗ガン薬施用毎に診察を行って検査結果や様態を把握してから、そのガン患者に対して作成したガン化学療法プロトコールに基づいて処方箋(実施注射箋)を作成する。
【0005】
一方、薬剤師は、医師がガン患者に対して作成した処方箋に基づいて抗ガン薬を取揃えて調剤(調整)作業を行う。薬剤部を設置した病院の多くは、処方箋の処方情報をパソコンに入力して、病院内に設置したLAN等の通信手段を介して薬剤部のパソコンに送信し、その処方情報を薬剤部のパソコンによりディスプレイやプリンタに出力させて調剤作業を可能にしている。
【0006】
一般に、薬剤師等は、各ガン患者に対して作成された化学療法プロトコール(施用する抗ガン薬、抗ガン薬の施用日、各施用日における施用回数、各抗ガン薬の各回の投与量等の情報)、そのプロトコールに基づく処方情報を機械的にチェックするようになっておらず、薬剤師は、作成された化学療法プロトコールに基づく処方情報が正しいものとして調剤作業を行っている。
【0007】
他方、薬品の在庫管理が大事な仕事であり、特に、ガン化学療法で施用する抗ガン薬の調剤作業を滞りなく行うために、各抗ガン薬を不足させないように前もって薬品メーカに発注する必要がある。但し、抗ガン薬は高価であることから、各抗ガン薬の在庫量を多く抱えることは望ましくない。また、各患者に使用した抗ガン薬の数量管理、各患者に対する抗ガン薬の調剤管理も非常に大事である。
【0008】
尚、特許文献1には、薬剤の用法や用量や効能等の固有情報を照会検索して表示し、薬剤の相加、相乗、混合等に伴う注意情報を照会検索して表示し、投薬対象物の性別、年齢、投薬歴等の情報を照会検索して表示して、重複無意味な薬物投与、副作用、飲み合せ薬剤事故の排除、投薬業務の標準化、薬剤費の削減を可能にする薬剤処方設計安全管理装置が記載されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−153145号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来、複数種のガンを治療する為の複数のガン化学療法が存在し、更に、新しいガン化学療法が開発されつつあり、今後も開発される筈であるから、医師が知識や経験等からガン患者に施す適切なガン化学療法を確実に且つ迅速に決定することは難しい。ガンによっては採用可能なガン化学療法が複数あり、そのガンを治療するガン化学療法を決定する場合は尚更である。
【0011】
また、ガン患者に施すガン化学療法を決定したとしても、そのガン化学療法で施用する抗ガン薬、抗ガン薬の施用日、各施用日の施用回数、各抗ガン薬の各回の投与量、更には、抗ガン薬と併用する併用剤等を決定して、ガン化学療法プロトコールを作成する場合、前記同様の理由により、知識や経験等から適切なガン化学療法プロトコールを確実に且つ迅速に決定することも難しい。
【0012】
一方、薬剤師等は、各ガン患者に対して作成された化学療法プロトコール、その化学療法プロトコールに基づく処方情報を機械的にチェックするようになっていないため、処方ミスや調剤ミスが起きる虞があり医療事故にもなり兼ねない。医師がガン化学療法プロトコールを作成する場合と同様、薬剤師等が知識や経験等から各ガン患者に対して作成された化学療法プロトコール、その化学療法プロトコールに基づく処方情報を確実且つ迅速にチェックすることは難しい。
【0013】
また、ガン化学療法で施用する抗ガン薬の在庫管理は重要であるが、各抗ガン薬を不足させないように過不足なく発注するために、比較的頻繁に在庫チェックを行うのは大変であり、各抗ガン薬の在庫管理を確実に行うが難しい。また、最近では、各患者に使用した抗ガン薬の数量管理や、各患者に対する抗ガン薬の調剤管理を簡単且つ確実に行いたいという要請がある。
【0014】
尚、特許文献1の薬剤処方設計安全管理装置は、薬剤の固有情報、薬剤の注意情報、投薬対象物の情報を夫々照会検索して表示して、重複無意味な薬物投与、副作用、飲み合せ薬剤事故の排除、投薬業務の標準化、薬剤費の削減を可能にするものであり、以上の課題を解決できるものでない。
【0015】
本発明の目的は、各ガン患者に施すガン化学療法、ガン化学療法で施用する抗ガン薬の施用日、各施用日の施用回数、各抗ガン薬の各回の投与量等を確実に且つ迅速に決定してガン化学療法プロトコールを作成し、抗ガン剤の処方支援と調剤支援を行うこと、各抗ガン薬の在庫管理、各患者に使用した抗ガン薬の数量管理、各患者に対する抗ガン薬の調剤管理を簡単且つ確実に行うこと、等である。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システムは、複数のガン患者の複数種のガンを治療する為に抗ガン剤の処方支援と調剤支援を行うコンピュータを備えたシステムにおいて、前記複数種のガンに夫々対応する且つ複数種のガンを夫々治療する為の複数のガン化学療法について、少なくとも、ガン化学療法別に抗ガン薬と抗ガン薬を施用する施用パターンとをガン化学療法情報として予め設定して格納した化学療法データファイルであって前記コンピュータからアクセス可能な化学療法データファイルと、前記コンピュータにガン患者に関する患者情報とそのガン患者のガンの種類を特定するガン特定情報を入力可能な入力手段と、前記コンピュータに接続されたディスプレイとを備え、前記コンピュータは、前記ディスプレイに患者情報とガン特定情報を入力可能な第1の画面を表示させる第1の表示処理手段と、前記第1の画面の表示中にガン特定情報が入力された場合に、そのガン特定情報と化学療法データファイルの情報とを用いて、前記ガン患者に施すガン化学療法を選択する化学療法選択処理手段と、前記ガン化学療法が選択された場合に、そのガン化学療法のガン化学療法情報の表示を含む第2の画 面を表示させる第2の表示処理手段と、前記ガン化学療法が選択され且つ患者情報が入力された場合に、このガン化学療法情報と患者情報とに基づいて、前記ガン化学療法の施用日と各施用時の抗ガン剤の投与量とを含むガン化学療法プロトコールデータを作成する化学療法プロトコールデータ作成処理手段と、前記化学療法プロトコールデータ作成処理手段で作成されたガン化学療法プロトコールデータの表示を含む第3の画面を表示させる第3の表示処理手段と、前記第3の画面の表示中に所定の登録操作を受けて前記ガン化学療法プロトコールデータを前記化学療法プロトコールデータファイルに書き込むプロトコールデータ登録処理手段と、前記化学療法プロトコールデータファイルに書き込まれた複数のガン化学療法プロトコールデータに基づいて、将来の所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬の数量を少なくとも抗ガン薬の種類別に算出した使用予定抗ガン薬リストを作成する使用予定抗ガン薬リスト作成処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0017】
この抗ガン剤処方支援兼調剤支援システムには化学療法データファイルが備えられ、この化学療法データファイルに複数のガン化学療法情報が格納され、各ガン化学療法情報として抗ガン薬と抗ガン薬を施用する施用パターンとが予め設定されている。それ故、このシステムにおいて、複数のガン化学療法の何れかを選択することにより、そのガン化学療法で施用する抗ガン薬と施用パターンに関連する情報をディスプレイやプリンタに出力させて容易に知ることができる。
【0018】
医師等がこのシステムを使用することにより、各ガン患者に施すガン化学療法、そのガン化学療法で施用する抗ガン薬、抗ガン薬を施用する複数の施用日、各施用日の施用回数等を確実且つ迅速に決定して、ガン化学療法プロトコールを作成できるようになり、また、薬剤師等がこのシステムを使用することにより、各ガン患者に対して作成されたガン化学療法プロトコール、そのガン化学療法プロトコールに基づく処方情報を確実且つ迅速にチェックすることができるようになり、その結果、抗ガン剤の処方支援と調剤支援を行うことが可能になる。
【0019】
ここで、ディスプレイに患者情報とガン特定情報とを入力可能な第1の画面が表示され、第1の画面の表示中にガン特定情報が入力されると、ガン患者に施すガン化学療法が選択され、そのガン化学療法情報を含む第2の画面がディスプレイに表示される。また、ガン化学療法が選択され且つ患者情報が入力されると、ガン化学療法の施用日と各施用時の抗ガン剤の投与量とを含むガン化学療法プロトコールデータが作成され、そのガン化学療法プロトコールデータの表示を含む第3の画面がディスプレイに表示される。また、第3の画面の表示中に所定の登録操作が行われると、ガン化学療法プロトコールデータが化学療法プロトコールデータファイルに書き込まれる。そして、化学療法プロトコールデータファイルに書き込まれた複数のガン化学療法プロトコールデータに基づいて、将来の所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬の数量を少なくとも抗ガン薬の種類別に算出した使用予定抗ガン薬リストが作成される。将来の所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬を必要量間違いなく発注することができ、各抗ガン薬の在庫管理を簡単に且つ確実に行える。
【0020】
請求項1の発明においては、前記使用予定抗ガン薬リスト作成処理手段は、前記所定期間を変更可能に設定する期間設定処理手段を有するものとしてもよい(請求項2)。将来の前記所定期間が変更可能に設定され、その所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬の数量が少なくとも抗ガン薬の種類別に算出されて使用予定抗ガン薬リストが作成される。
【0021】
請求項3の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システムは、複数のガン患者の複数種のガンを治療する為に抗ガン剤の処方支援と調剤支援を行うコンピュータを備えたシステムにおいて、請求項1と同様の化学療法データファイル、入力手段、ディスプレイを備え、前記コンピュータは、請求項1と同様の第1の表示処理手段、化学療法選択処理手段、第2の表示処理手段、化学療法プロトコールデータ作成処理手段、第3の表示処理手段、プロトコ ールデータ登録処理手段を備えるとともに、前記化学療法選択処理手段で複数の患者用に選択された複数のガン化学療法において日別に患者別に使用する抗ガン薬の情報を含む患者別抗ガン剤日計票を、前記化学療法プロトコールデータファイルに書き込まれた複数のガン化学療法プロトコールデータに基づいて作成する患者薬品リスト作成処理手段を備えたことを特徴とするものである。
【0022】
請求項1の発明では、化学療法プロトコールデータファイルに書き込まれた複数のガン化学療法プロトコールデータに基づいて、将来の所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬の数量を少なくとも抗ガン薬の種類別に算出した使用予定抗ガン薬リストが作成されるのに対して、請求項3の発明では、選択された複数のガン化学療法において日別に患者別に使用する抗ガン薬の情報を含む患者別抗ガン剤日計票が、化学療法プロトコールデータファイルに書き込まれた複数のガン化学療法プロトコールデータに基づいて作成される。日別に患者別に使用する抗ガン薬の情報を含む患者別抗ガン剤日計票を作成して、各患者に対する抗ガン薬の調剤管理を簡単且つ確実に行える。その他、請求項1と同様の作用を奏する。
【0023】
請求項1〜3の何れかの発明において、前記化学療法選択処理手段は、ガン化学療法を自動的に選択する自動選択処理手段を有し、且つこの自動選択処理手段で複数種のガン化学療法が選択された場合に、それら複数のガン化学療法の中から採用するガン化学療法を手動操作を介して選択可能に構成してもよい(請求項4)。ガンによっては採用可能なガン化学療法が複数あり、ガン特定情報を入力することにより、そのガン治療のために採用可能な複数種のガン化学療法を自動的に選択し、それらガン化学療法の中から適切なガン化学療法を手動操作を介して選択できる。
【0024】
請求項の何れかの発明において、前記施用パターンは、抗ガン薬を施用する複数の施用日を算出する為の施用日算出情報と各施用日の施用回数情報を含み、前記コンピュータは、前記化学療法選択処理手段で選択されたガン化学療法の施用パターンに基づいて、抗ガン薬の複数の施用日と各施用日における施用回数を決定する施用日決定処理手段を備えてもよい(請求項)。ガン化学療法を選択することにより、そのガン化学療法で施用する抗ガン薬の複数の施用日と各施用日における施用回数を簡単に確実に迅速に決定することができる。
【0025】
請求項5の発明においては、前記施用日決定処理手段は、指定される施用初日以降の複数の施用日を自動的に決定してもよい(請求項)。選択されたガン化学療法で施用する抗ガン薬の複数の施用日を決定する際、施用初日を指定することにより、施用初日以降の複数の施用日を自動的に容易に決定することができる。
【0026】
請求項又はにおいて、前記ガン化学療法情報は、各抗ガン剤の各回の投与量決定の為のマスター係数の情報を有し、前記コンピュータは、ガン患者に関する患者情報と、そのガン患者に対して前記化学療法選択処理手段で選択されたガン化学療法の情報とに基づいて、各施用時の抗ガン薬の投与量を決定する投与量決定処理手段を備えてもよい(請求項)。ガン患者に関する患者情報と、そのガン患者に対して選択されたガン化学療法の情報(マスター係数の情報を含む)とに基づいて、各施用時の抗ガン薬の適切な投与量を容易に決定することができる。
【0027】
請求項又はにおいて、複数種の抗ガン剤の薬品マスターデータであって前記コンピュータからアクセス可能で且つ抗ガン剤の各回の投与量決定の為のマスター係数を含む薬品マスターデータを格納した薬品マスターデータファイルを備え、前記コンピュータは、ガン患者に関する患者情報と、そのガン患者に対して前記化学療法選択処理手段で選択されたガン化学療法の情報と、薬品マスターデータファイルのマスター係数とに基づいて、各施用時の抗ガン薬の投与量を決定する投与量決定処理段を備えてもよい(請求項)。ガン患者に関する患者情報と、そのガン患者に対して選択されたガン化学療法の情報と、薬品マスターデータファイルのマスター係数とに基づいて、各施用時の抗ガン薬の投与量を容易に決定することができる。
【0028】
【0029】
請求項1〜の何れかの発明において、前記コンピュータは、ガン患者に施すガン化学療法で施用する抗ガン薬と併用する併用剤を決定する併用剤決定処理手段を備えてもよい(請求項)。ガン患者に施すガン化学療法で施用する抗ガン薬と併用して、その抗ガン薬の機能促進又は機能抑制を図ることができる併用剤を確実且つ迅速に決定することができる。
【0030】
【0031】
【0032】
請求項の発明において、前記コンピュータは、前記化学療法選択処理手段で複数の患者用に選択された複数のガン化学療法において過去所定期間に使用した抗ガン薬の数量をその種類別患者別に算出した使用抗ガン薬リストを作成する使用抗ガン薬リスト作成処理手段を備えてもよい(請求項10)。過去所定期間に使用した抗ガン薬の数量をその種類別患者別に算出した使用抗ガン薬リストを作成して、各患者に使用した抗ガン薬の数量管理を簡単且つ確実に行い、各患者に対して請求する請求金額を計算することができる。
【0033】
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システムは、複数のガン患者の複数種のガンを治療する為に抗ガン剤の処方支援と調剤支援を行うシステムであり、ガン治療可能な病院に設置したものである。
【0035】
図1に示すように、抗ガン剤処方支援兼調剤支援システム1(以下、支援システム1という)は、コンピュータ2、プリンタ7、患者データファイル8、薬品マスターデータファイル9、化学療法マスターデータファイル10、化学療法プロトコールデータファイル11等で構成されている。コンピュータ2は、コンピュータ本体3、ディスプレイ4、キーボード5、マウス6等を備え、コンピュータ本体3に、ディスプレイ4、キーボード5、マウス6、プリンタ7が接続されている。
【0036】
患者データファイル8、薬品マスターデータファイル9、化学療法データファイル10、化学療法プロトコールデータファイル11は、コンピュータ本体3がアクセス可能な、例えばホストコンピュータの記憶部に記憶されている。但し、これらのデータファイル8〜11の少なくとも1つを、コンピュータ本体3のハードディスク等の記憶部に記憶させてもよい。
【0037】
患者データファイル8には、複数のガン患者を含む患者の患者情報が記憶されており、図2に示すように、各患者情報は、患者ID、氏名、年齢、性別、生年月日、住所、電話番号・・・、身長、体重、血液型・・・等の情報を含み、患者がガン患者の場合には、更に病名(ガンの名称)の情報を含めてもよい。
【0038】
薬品マスターデータファイル9には、複数種の抗ガン薬を含む薬品の薬品マスターデータが記憶されており、図3に示すように、各薬品マスターデータは、薬品の薬品コード、薬品名、略称、規格量、薬品区分、保存区分等の情報を含み、抗ガン薬の場合には、更にマスター係数の情報を含んでいる。
【0039】
図4に示すように、化学療法データファイル10には、複数種のガンを夫々治療する為の複数のガン化学療法について、ガン化学療法別に、1又は複数の抗ガン薬と、各抗ガン薬を施用する施用パターンと、各抗ガン薬の各回の投与量決定の為のマスター係数と、抗ガン薬の機能促進又は機能抑制の為の1又は複数の併用剤等の情報が、ガン化学療法情報(ガン化学療法情報1、ガン化学療法情報2、ガン化学療法情報3・・・)として予め設定され格納されている。
【0040】
図5、図6は、複数種のガンを夫々治療する複数のガン化学療法、及び、各ガン化学療法で施用する抗ガン薬(殆どが複数の抗ガン薬)と、各抗ガン薬の施用パターンとマスター係数を示す図表であり、ガン(胃ガン、食道ガン、非小細胞ガン、膀胱ガン、乳ガン、卵巣ガン等)によっては、採用可能なガン化学療法が複数設定されている(例えば、胃ガンの場合、MTX−5-FU交代療法とレボホリナート−フルオロウラシル療法) 。
【0041】
例えば、胃ガンを治療するレボホリナート−フルオロウラシル療法については、施用する抗ガン薬がアイソボリンと5-FUであり、アイソボリンと5-FUの施用パターンが、共に7日おきに計6日間(1・8・15・22・29・36日)で1日1回の施用、休薬14日であり、アイソボリンのマスター係数が250(mg/m2/回) 、5-FUのマスター係数が500(mg/m2/回) である。アイソボリンのマスター係数;250(mg/m2/回) とガン患者の体表面積BAから各施用時の投与量;BA×250 (mg)が算出され、5-FUのマスター係数;500(mg/m2/回) とガン患者の体表面積BAから各施用時の投与量;BA×500 (mg)が算出される。
【0042】
例えば、食道ガンを治療する5-FU−ランダ療法については、施用する抗ガン薬が5-FUとランダであり、5-FUの施用パターンが、28日間連続(1〜28日)で1日1回の施用であり、ランダの施用パターンが、5日間連続(1〜5日)で1日1回の施用、休薬2日を4セットであり、5-FUのマスター係数が500(mg/ 回) 、ランダのマスター係数が5〜10(mg/回) 、放射線療法時;5(mg/回) である。5-FUのマスター係数;500(mg/ 回) から各施用時の投与量;500(mg) が算出され、ランダのマスター係数;5〜10(mg/回) 又は5(mg/回) から各施用時の投与量;5〜10(mg)又は5(mg)が算出される。
【0043】
例えば、非小細胞ガンを治療するタキソール・パラプラチン併用療については、施用する抗ガン薬がタキソールとパラプラチンであり、タキソールとパラプラチンの施用パターンが、共に1日で1日1回の施用、休薬21日であり、タキソールのマスター係数が180(mg/m2/回) 、パラプラチンのマスター係数が5(AUC) × (GRF+25)(mg/ 回) である。タキソールのマスター係数;180(mg/m2/回) とガン患者の体表面積BAから各施用時の投与量;BA×180 (mg)が算出される。
【0044】
パラプラチンのマスター係数;5(AUC) × (GRF+25)(mg/ 回) において、5(AUC) はAUC目標値であり、GRF=Ccr×BA(ガン患者の体表面積)/1.48である。つまり、パラプラチンのマスター係数;5(AUC) × (GRF+25)(mg/ 回) とガン患者の体表面積BAから各施用時の投与量;BA×5(AUC) × (GRF+25)(mg) が算出される。
【0045】
本実施形態では、以上のように、化学療法データファイルに記憶された各抗ガン薬のマスター係数を用いて各施用時の投与量を算出して決定している。各ガン化学療法情報のマスター係数については、そのデフォルト値又は読み出した値を適当な数値に変更(補正)することができる。尚、後の変更形態で詳述するが、各薬品の薬品マスターデータのマスター係数を用いて各施用時の投与量を決定するようにしてもよい。
【0046】
さて、図4に示すように、各ガン化学療法の各施用パターンは、抗ガン薬を施用する複数の施用日を算出する為の作用日算出情報(例えば、図5のレボホリナート−フルオロウラシル療法のアイソボリンの場合、7日おきに計6日間(1・8・15・22・29・36日)という情報)と、各施用日の施用回数情報(例えば、図5のレボホリナート−フルオロウラシル療法のアイソボリンの場合、1日1回という情報)を含んでいる。この施用日算出情報、施用回数情報等についても、そのデフォルト値又は読み出した値を適宜変更することができる。
【0047】
次に、図7に示すように、化学療法プロトコールファイル11には、複数のガン患者に対して作成された複数の化学療法プロトコールのデータが、患者データファイル8に記憶された複数のガン患者の患者情報(例えば、患者ID)に対応させて記憶されている。
【0048】
各ガン化学療法プロトコールデータは、患者ID、登録日、区分、患者の氏名と性別と生年月日と年齢、区分が入院の場合は患者の病棟と病室、診療科、担当の医師、種別、患者の身長と体重と体表面積とCCR、病名とガン化学療法名等の情報と共に、施用する抗ガン薬、各抗ガン薬の施用日、各抗ガン薬の各回の投与量、更に、併用剤を併用する場合には、施用する併用剤、併用剤の施用日、併用剤の各回の投与量の情報を備えている。
【0049】
この支援システム1は、ガン患者に対するガン化学療法プロトコールの作成、そのガン化学療法プロトコールに基づく処方の作成、及び、作成されたガン化学療法プロトコールのチェック、そのガン化学療法プロトコールに基づく処方のチェックを行うことで、抗ガン剤の処方と調剤を支援するシステムである。
【0050】
次に、支援システム1が実行する機能について説明する。但し、これらの機能を達成する為の支援プログラムがコンピュータ本体3のハードディスク等の記憶部に記憶されているものとする。尚、この支援プログラムをインターネット等の通信手段を介して他のコンピュータに供給したり、CD等の記録媒体に記録して他のコンピュータに供給して使用可能にしてもよい。
【0051】
図8に示すように、支援システム1は、入力手段20、化学療法選択手段21(化学療法選択処理手段21)、施用日決定手段22(施用日決定処理手段22)、投与量決定手段23(投与量決定処理手段23)、併用剤決定手段24(併用剤決定処理手段24)、使用予定抗ガン薬リスト作成手段25(使用予定抗ガン薬リスト作成処理手段25)、使用抗ガン薬リスト作成手段26(使用抗ガン薬リスト作成処理手段26)、患者薬品リスト作成手段27(患者薬品リスト作成処理手段27)、出力手段28を備えている。キーボード5やマウス6が入力手段20に相当し、ディスプレイ4やプリンタ7が出力手段28に相当し、コンピュータ本体3及び前記支援プログラムがその他の手段21〜27に相当する。
【0052】
入力手段20は、コンピュータ本体3に、ガン患者のガンの種類を特定するガン特定情報(例えば、病名(ガンの名称)や予め設定されたガン特定番号等)、ガン化学療法を特定するガン化学療法特定情報(例えば、ガン化学療法名や予め設定されたガン化学療法特定番号)、ガン患者に関する患者情報(例えば、患者ID等)を入力する為のものであり、その他の種々の情報(例えば、診療科や担当医師等々)も入力可能である。
【0053】
化学療法選択手段21は、ガン患者のガンの種類を特定するガン特定情報(ガンの名称やガン特定番号等)と、化学療法データファイル10の情報(複数種のガン化学療法情報)とを用いて、ガン患者に施すガン化学療法を選択する。ここで用いるガン特定情報は、入力手段20で入力されたガン特定情報、或いは、例えば入力手段20で患者IDを入力することにより、患者データファイル8から読み込まれた患者情報の病名の情報(ガン特定情報)である。
【0054】
この化学療法選択手段21は、ガン化学療法を自動的に選択する自動選択手段21a(自動選択処理手段21a)を有し、且つ自動選択手段21aで複数種のガン化学療法が選択された場合に、それら複数のガン化学療法の中から採用するガン化学療法を手動操作を介して選択可能に構成してある。前記手動操作は、例えば、自動選択手段21aで選択された複数種のガン化学療法名をディスプレイ4に表示させた状態で、その画面上でカーソルやポインタを移動させて表示された複数種のガン化学療法名の何れかを指示して選択するキーボード操作又はマウス操作である。
【0055】
例えば、図5に示すように、大腸ガンのガン特定情報が入力又は読み込まれると、レボホリナート−フルオロウラシル療法が自動的に選択される。また、例えば、非小細胞ガンのガン特定情報が入力又は読み込まれると、タキソール・パラプラチン併用療法、ジェムザール・パラプラチン併用療法、トポテシン・パラプラチン併用療法、パラプラチン・ラステット併用療法の4つが自動的に選択され、その後の手動操作を介して、この4つのガン化学療法の中から1つのガン化学療法を選択することができる。
【0056】
また、化学療法選択手段21は、入力手段20でガン化学療法を特定するガン化学療法特定情報(ガン化学療法名やガン化学療法特定番号等)が入力された場合、その入力操作を介してガン患者に施すガン化学療法を選択する。
【0057】
施用日決定手段22は、化学療法選択手段21で選択されたガン化学療法の施用パターンに基づいて、抗ガン薬の複数の施用日と各施用日における施用回数を決定する。抗ガン薬の施用パターンは、前述のように、施用日算出情報と施用回数情報を含み、抗ガン薬を複数日に亙って施用するものについては、施用日算出情報に基づいて抗ガン薬を施用する複数の施用日を算出して決定する。その際、指定される施用初日以降の複数の施用日を自動的に決定する。休薬のある抗ガン薬についてはその休薬期間が決定される。抗ガン薬の施用初日の指定は、入力手段20による入力で行われる。また、施用日決定手段22は、施用回数情報に基づいて各施用日における施用回数を決定する。
【0058】
例えば、図5に示すように、胃ガンを治療するレボホリナート−フルオロウラシル療法において、アイソボリンの施用パターンは、7日おきに計6日間(1・8・15・22・29・36日)で1日1回の施用、休薬14日であり、このアイソボリンの施用初日が3月14日に指定されると、複数の施用日が、3月14日、3月21日、3月28日、4月4日、4月11日、4月18日に決定され、休薬期間が4月18日〜5月2日に決定され、各施用日における施用回数が1回に決定される。
【0059】
投与量決定手段23は、ガン患者に関する患者情報と、そのガン患者に対して化学療法選択手段21で選択されたガン科学療法の情報とに基づいて、各施用時の抗ガン薬の投与量を決定する。ここで用いる患者情報は、入力手段20で入力されたガン患者の身長と体重の情報、或いは、例えば入力手段20で患者IDを入力することにより、患者データファイル8から読み込まれたガン患者の身長と体重の情報であり、ガン科学療法の情報はマスター係数である。
【0060】
そして、ガン患者の身長と体重の情報から体表面積が算出され、その体表面積とマスター係数から各施用時の抗ガン薬の投与量が決定される。尚、一旦算出された体表面積の情報については、ガン患者の患者情報として患者データファイル8に記憶させてもよい。尚、ガン化学療法によっては、ガン患者の身長と体重の情報を必要とせずにマスター係数から抗ガン薬の各施用時の投与量を決定するもの(例えば、胃ガンを治療するMTX−5-FU交代療法で施用するロイコボン)もあり、この場合、体表面積の算出は不要である。
【0061】
併用剤決定手段24は、ガン患者に施すガン化学療法で施用する抗ガン薬の機能促進又は機能抑制のために、その抗ガン薬と併用する併用剤を決定する。ここで、各ガン化学療法の情報に併用剤の情報を備え、この併用剤情報に基づいて、抗ガン薬と併用する併用剤を決定し、更に、各ガン化学療法の情報に併用剤の施用パターンの情報を備え、この施用パターン情報に基づいて、併用剤の施用日、各施用日の施用回数、各回の投与量を決定するようにしてもよい。
【0062】
使用予定抗ガン薬リスト作成手段25、使用抗ガン薬リスト作成手段26、患者薬品リスト作成手段27については後で詳述する。
【0063】
次に、前記支援プログラムによりコンピュータ本体2が実行する一連の処理について、図9のフローチャート(図中のSi(i=1、2、3・・・)は各ステップを示す)に基づいて、適宜、ディスプレイ4に表示される図10〜図14の画面図を参照しながら説明する。
【0064】
この処理は電源投入後、支援プログラムの起動によって開始され、各種の初期設定(S1)の後、例えば、ディスプレイ4に初期画面が表示された状態で、所定の新規登録の為の操作を行い、新規登録する場合には(S2;Yes )、ディスプレイ4に図10の登録画面(第1の画面)が表示される(S3)。S3が第1の表示処理手段に相当する。この処理を行う日付(例えば、2002年10月08日)が登録日になり、登録画面にはその登録日が表示される。
【0065】
次に、患者ID(又は患者の氏名等)が入力されると(S4)、その患者の患者情報が患者データファイル8に格納されている場合には、その患者情報が読み込まれ(S5)、図11に示すように、登録画面には、患者の患者ID、氏名(カナ氏名と漢字氏名)、性別、生年月日、年齢、更に、ガン化学療法を施すために、身長、体重、体表面積等の患者情報が表示される(S6)。尚、体表面積は身長と体重から算出される。
【0066】
尚、その他の情報として、区分(入院又は定期)、診療科、医師、種別、肝機能検査であるCCRの検査値等を入力して、これらの情報がディスプレイ4に表示される。ここで、区分、診療科、医師、種別、CCR等の情報を患者情報として患者データファイル8に記憶させておいてもよい。この場合、区分、診療科、医師、種別、CCR等の情報の入力が不要になる。尚、患者IDを入力しても、その患者の患者情報が患者データファイル8に存在しない場合、上記の情報を入力し、その情報を患者情報として患者データファイル8に格納してもよい。
【0067】
次に、ガン患者のガンの種類を特定するガン特定情報である病名(ガンの名称;例えば、食道ガン)が入力されると(S7)、図12に示すように、ディスプレイ4にその病名が表示されると共に、そのガン特定情報と化学療法データファイル10の情報を用いて、ガン患者に施すガン化学療法(例えば、5-FU−ランダ交代治療、EP療法)が選択され、例えば、ディスプレイ4の表示部4aに表示される(第2の画面)(S8)。S8が第2の表示処理手段に相当する。病名の入力については、病名を文字入力してもよいし、複数種の病名をディスプレイ4に表示させその中から選択してもよい。
【0068】
S4の患者IDの入力により、患者データファイル8から読み込まれる患者の患者情報に病名の情報が含まれている場合には、S7の病名の入力が不要になり、S8において、その病名の情報に基づいてガン化学療法が選択されディスプレイ4に表示される。ここで、選択されたガン化学療法が1つの場合には、そのガン科学療法が指定されて療法名の欄に表示され、また、選択されたガン化学療法が複数の場合には、それらガン科学療法の中の1つを選択することで、そのガン化学療法が指定されて療法名の欄に表示される。
【0069】
そして、指定されたガン化学療法で施用する抗ガン薬、抗ガン薬の施用パターンを、例えば表示部4aに表示させてもよい。尚、ガン化学療法を指定した後に、そのガン化学療法を他のガン科学療法に変更して指定し直すことは可能である。尚、S4の患者IDの入力により、患者データファイル8から読み込まれる患者の患者情報にガン化学療法名の情報を含めてもよく、この場合、S8のガン化学療法の選択が不要になる。
【0070】
ガン化学療法が指定されると、次に、そのガン化学療法情報が化学療法データファイル10から読み込まれ(S9)、そのガン化学療法情報に基づいて、各抗ガン薬の施用日、各抗ガン薬の施用日における施用回数、各施用時の抗ガン薬の投与量が決定されて、ガン化学療法プロトコールが作成され、図13のようにディスプレイ4に表示される(第3の画面)(S10)。S10が第3の表示処理手段に相当する。
【0071】
特に、各抗ガン薬の施用日の決定については、ディスプレイ4にはカレンダーが表示されており、このカレンダーの任意の日を施用初日に指定することにより、ガン化学療法情報の施用日算出情報に基づいて、施用初日以降の複数の施用日が自動的に決定され、カレンダーの日の下側の欄に「○」が付されて表示される。また、薬品マスターデータファイル9のデータも用いて、表示部4aには、処方情報として、各抗ガン薬のコード、薬品名、1回の投与量、規格量、投与方法(例えば、点滴静注)等が表示される。
【0072】
次に、図13の画面で「登録」をクリックすることにより、登録を指示すると(S11;Yes )、このガン化学療法プロトコールデータが患者IDに対応付けて、化学療法プロトコールデータファイル11に書き込まれる(S12)。S12がプロトコールデータ登録処理手段に相当する。その際、その患者の化学療法プロトコールデータが化学療法プロトコールデータファイル11に存在している場合には、最新の化学療法プロトコールデータファイル11のみを記憶させるように上書きしてもよいし、別途記憶させてもよい。
【0073】
ガン化学療法プロトコールが作成された後、施用日、施用回数、投与量、マスター係数等を変更可能であり、この変更を行う場合(S13;Yes )、S10へ移行し、施用日、施用回数、投与量が決定し直される。尚、病名やガン化学療法も変更可能であり、この変更を行う場合には、S7やS8へ移行する。そして、所定の終了操作を行うと(S14;Yes )、この処理が終了する。
【0074】
一方、この処理が開始され、各種の初期設定(S1)の後、例えば、ディスプレイ4に初期画面が表示され、そこで新規登録を行わず(S2;No)、登録チェックを行う場合には、ディスプレイ4に登録チェック画面が表示され(S15)、患者の患者IDが入力されると(S16)、その患者IDに対応するガン化学療法プロトコールデータが化学療法プロトコールデータ11から読み込まれ(S17)、そのガン化学療法プロトコールがディスプレイ4に表示される(S18)。その後、S13へ移行し、前記した各種の変更も可能になる。
【0075】
ここで、ディスプレイ4に図13の画面が表示された状態で、「登録」をクリックすることにより、ディスプレイ4には図14の処方指示付き画面が表示される。この画面では表示部4bに、各施用日における抗ガン薬の処方指示(注意等を含む、但し、図14では具体的に表示していない)が表示される。
【0076】
以上のように、この支援システム1は、複数種のガンを夫々治療する為の複数のガン化学療法について、少なくとも、ガン化学療法別に抗ガン薬と抗ガン薬を施用する施用パターンとをガン化学療法情報として予め設定して格納した化学療法データファイル10を備えたものであり、ガン患者のガンの種類を特定するガン特定情報と化学療法データファイル10の情報を用いて、そのガン患者に施すガン化学療法を選択する化学療法選択手段21を設けたので、各ガン治療に適切なガン化学療法を確実に且つ迅速に選択できるようになる。
【0077】
ガン患者のガンの種類を特定するガン特定情報を入力する為の入力手段20を設けたので、この入力手段20によりガン患者のガン特定情報を入力することで、そのガン治療に適切なガン化学療法を容易に選択することができる。
【0078】
化学療法選択手段21は、ガン化学療法を自動的に選択する自動選択手段21aを有し、且つこの自動選択手段21aで複数種のガン化学療法が選択された場合に、それら複数のガン化学療法の中から採用するガン化学療法を手動操作を介して選択可能に構成したので、ガンによっては採用可能なガン化学療法が複数あり、ガン特定情報を入力することにより、そのガン治療のために採用可能な複数種のガン化学療法を自動的に選択し、それらガン化学療法の中から適切なガン化学療法を手動操作を介して選択することができる。
【0079】
ガン化学療法を特定するガン化学療法特定情報を入力する為の入力手段20を有し、化学療法選択手段21はこの入力操作を介してガン患者に施すガン化学療法を選択するので、この入力手段20によりガン化学療法特定情報を入力することにより、ガン患者に施すガン化学療法を容易に選択することができる。
【0080】
化学療法選択手段21で選択されたガン化学療法で施用する抗ガン薬と施用パターンに関連する情報を出力させる出力手段28を設けたので、ガン化学療法で施用する抗ガン薬と施用パターンに関連する情報として、各ガン化学療法について、施用する抗ガン薬と施用パターン自体や、施用する抗ガン薬、抗ガン薬の施用日、各施用日の施用回数、各抗ガン薬の投与量等が決まったガン化学療法プロトコールを出力させることができる。
【0081】
前記施用パターンは、抗ガン薬を施用する複数の施用日を算出する為の施用日算出情報と各施用日の施用回数情報を含み、化学療法選択手段21で選択されたガン化学療法の施用パターンに基づいて、抗ガン薬の複数の施用日と各施用日における施用回数を決定する施用日決定手段22を設けたので、ガン化学療法を選択することにより、そのガン化学療法で施用する抗ガン薬の複数の施用日と各施用日における施用回数を簡単に確実に迅速に決定することができる。
【0082】
この施用日決定手段22は、指定される施用初日以降の複数の施用日を自動的に決定するので、選択されたガン化学療法で施用する抗ガン薬の複数の施用日を決定する際、施用初日を指定することにより、施用初日以降の複数の施用日を自動的に容易に決定することができる。
【0083】
前記化学療法情報は、各抗ガン剤の各回の投与量決定の為のマスター係数の情報を有し、ガン患者に関する患者情報と、そのガン患者に対して前記化学療法選択手段で選択されたガン化学療法の情報とに基づいて、各施用時の抗ガン薬の投与量を決定する投与量決定手段23を設けたので、各施用時の抗ガン薬の適切な投与量を決定することができる。ガン患者に関する患者情報を入力する為の患者情報入力手段20を設けたので、この入力手段20により患者情報を入力することで、各施用時の抗ガン薬の投与量を容易に決定することができる。
【0084】
さて、医師等がこのシステムを使用することにより、各ガン患者に施すガン化学療法、そのガン化学療法で施用する抗ガン薬、抗ガン薬を施用する複数の施用日、各施用日の施用回数等を確実且つ迅速に決定して、ガン化学療法プロトコールを作成することができて、抗ガン剤の処方支援を行うことが可能になる。医師等は、ガン化学療法プロトコールの作成の際、適宜、抗ガン薬の施用パターンやマスター係数を変更して、各ガン患者に最適なガン化学療法プロトコールを作成することができる。
【0085】
また、薬剤師等がこのシステムを使用することにより、各ガン患者に対して作成されたガン化学療法プロトコール、そのガン化学療法プロトコールに基づく処方情報を確実且つ迅速にチェックすることができ、これにより、薬剤師等に対して抗ガン剤の調剤支援を行うことが可能になり、看護婦がこのシステムを使用することにより、抗ガン薬の投与前にチェックを行い、抗ガン薬の誤った投与を未然に防止することができる。
【0086】
次に、図8に示す、使用予定抗ガン薬リスト作成手段25、使用抗ガン薬リスト作成手段26、患者薬品リストの作成手段27について詳しく説明する。
使用予定抗ガン薬リスト作成手段25は、化学療法選択手段21で複数の患者用に選択された複数のガン化学療法において将来の所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬の数量を少なくとも抗ガン薬の種類別に算出した使用予定抗ガン薬リストを作成する。
【0087】
所定のコンピュータ操作を行うことにより、使用予定抗ガン薬リスト作成手段25が作動して、具体的には、化学療法プロトコールデータファイル11に記憶されているデータを用いて、将来の所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬の数量を、抗ガン薬の種類別に規格量単位(即ち、アンプルやバアルの本数)で算出すると共に、患者別に規格量単位で算出して発注リストを作成し、プリンタ5に図15の発注リストを印字させる。尚、図15の発注リストをディスプレイ4に表示させることも可能である。
【0088】
使用予定抗ガン薬リスト作成手段25は、前記所定期間を変更可能に設定する期間設定手段25a(期間設定処理手段25a)を有する。図15の発注リストでは、集計期間(前記所定期間)が11月21日〜12月20日の1カ月に設定されて作成されたものであり、例えば、この1カ月が集計期間としての初期設定値であり、この1カ月を、1週間、10日間、20日間、2カ月等々に自由に変更することが可能であり、変更設定された将来の集計期間に使用される抗ガン薬の数量が、抗ガン薬の種類別に更に患者別に算出されて使用予定抗ガン薬リストが作成される。
【0089】
図15の発注リストに、各抗ガン薬の薬品メーカー名、薬品メーカーの電話番号を表示してもよく、この場合、その電話番号に電話をかけて抗ガン薬を発注する作業を簡単化ができる。そのために、複数の抗ガン薬に対応づけて複数の薬品メーカー情報を格納した薬品メーカーデータファイルを設けてもよい。尚、病院において複数の病棟がある場合には、病棟別に発注リストを作成してもよい。
【0090】
また、ガン化学療法プロトコールに変更が生じ、その変更後の将来の所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬の数量に変更が生じた場合には、前回作成した使用予定抗ガン薬リストを破棄し、新たに使用予定抗ガン薬リストを作成する必要がある。この場合、前回作成した使用予定抗ガン薬リストを破棄する旨をディスプレイ4に表示する等、何らかの報知手段を備えることが望ましい。
【0091】
このように、化学療法選択手段21で複数の患者用に選択された複数のガン化学療法において将来の所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬の数量を抗ガン薬の種類別に更に患者別に算出した使用予定抗ガン薬リストを作成する使用予定抗ガン薬リスト作成手段25を備えたので、将来の所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬を必要量間違いなく発注することができ、各抗ガン薬の在庫管理を簡単且つ確実に行うことができる。
【0092】
次に、使用抗ガン薬リスト作成手段26は、化学療法選択手段21で複数の患者用に選択された複数のガン化学療法において過去所定期間に使用した抗ガン薬の数量をその種類別患者別に算出した使用抗ガン薬リストを作成する。
【0093】
所定のコンピュータ操作を行うことにより、使用抗ガン薬リスト作成手段26が作動して、具体的には、化学療法プロトコールデータファイル11に記憶されているデータを用いて、過去所定期間に使用した抗ガン薬の数量を種類別患者別日別に規格量単位(即ち、アンプルやバアルの本数)で算出して使用量集計表を作成し、プリンタ5に図16の使用量集計表を印字させる。尚、図16の使用量集計表をディスプレイ4に表示させることも可能である。
【0094】
このように、化学療法選択手段21で複数の患者用に選択された複数のガン化学療法において過去所定期間に使用した抗ガン薬の数量をその種類別患者別に算出した使用抗ガン薬リストを作成する使用抗ガン薬リスト作成手段26を備えたので、各患者に使用した抗ガン薬の数量管理を簡単且つ確実に行い、各患者に対して請求する請求金額を計算することができる。
【0095】
次に、患者薬品リスト作成手段27は、化学療法選択手段21で複数の患者用に選択された複数のガン化学療法において日別に患者別に使用する抗ガン薬の情報を含む患者別抗ガン剤日計表を作成する。
【0096】
所定のコンピュータ操作を行うことにより、患者薬品リスト作成手段27が作動して、具体的には、少なくとも化学療法プロトコールデータファイル11に記憶されているデータを用いて、例えば未調整(未調剤)分について、任意の日(例えば、投与当日)に患者別に使用する抗ガン薬の情報(薬品名、規格量、数量、薬品コード、残りの投与回数)を含む病棟別注射薬品患者リストを作成し、プリンタ5に図17の病棟別注射薬品患者リストを印字させる。尚、図17の病棟別注射薬品患者リストをディスプレイ4に表示させることも可能である。
【0097】
このように、化学療法選択手段21で複数の患者用に選択された複数のガン化学療法において日別に患者別に使用する抗ガン薬の情報を含む患者別抗ガン剤日計票を作成する患者薬品リスト作成手段27を備えたので、各抗ガン薬の調剤管理を簡単且つ確実に行うことができる。
【0098】
尚、前記実施形態の変更形態として、前記の投与量決定手段23の代わりに、ガン患者に関する患者情報(体重と身長(体表面積))と、そのガン患者に対して化学療法選択手段21で選択されたガン化学療法の情報と、薬品マスターデータファイル9のマスター係数とに基づいて、各施用時の抗ガン薬の投与量を決定する投与量決定手段を設けてもよい。このマスター係数についても、前記同様、変更可能にしてもよい。
【0099】
この支援システム1のパソコンに他の1又は複数のパソコンを通信手段を介して接続し、前記他のパソコンからこの支援システムを利用することも可能である。前記通信手段として、例えば、病院に設置されたLANとしてもよいし、広くインターネットとしてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を付加して実施することが可能である。
【0100】
【発明の効果】
請求項1の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システムによれば、複数種のガンを夫々治療する為の複数のガン化学療法について、少なくとも、ガン化学療法別に抗ガン薬と抗ガン薬を施用する施用パターンとをガン化学療法情報として予め設定して格納した化学療法データファイルを備えたので、複数のガン化学療法の何れかを選択することにより、そのガン化学療法で施用する抗ガン薬と施用パターンに関連する情報をディスプレイやプリンタに出力させて容易に知ることができる。
【0101】
医師等がこのシステムを使用することにより、各ガン患者に施すガン化学療法、そのガン化学療法で施用する抗ガン薬、抗ガン薬を施用する複数の施用日、各施用日の施用回数等を確実且つ迅速に決定して、ガン化学療法プロトコールを作成できるようになり、また、薬剤師等がこのシステムを使用することにより、各ガン患者に対して作成されたガン化学療法プロトコール、そのガン化学療法プロトコールに基づく処方情報を確実且つ迅速にチェックできるようになり、その結果、抗ガン剤の処方支援と調剤支援を行うことが可能になる。
【0102】
ここで、ディスプレイに患者情報とガン特定情報とを入力可能な第1の画面を表示し、第1の画面の表示中にガン特定情報が入力されると、ガン患者に施すガン化学療法を選択し、そのガン化学療法情報を含む第2の画面をディスプレイに表示することができる。また、ガン化学療法が選択され且つ患者情報が入力されると、ガン化学療法の施用日と各施用時の抗ガン剤の投与量とを含むガン化学療法プロトコールデータを作成し、そのガン化学療法プロトコールデータの表示を含む第3の画面をディスプレイに表示することができる。また、第3の画面の表示中に所定の登録操作が行われると、ガン化学療法プロトコールデータを化学療法プロトコールデータファイルに書き込むことができる。そして、化学療法プロトコールデータファイルに書き込まれた複数のガン化学療法プロトコールデータに基づいて、将来の所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬の数量を少なくとも抗ガン薬の種類別に算出した使用予定抗ガン薬リストを作成することができる。故に、将来の所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬を必要量間違いなく発注することができ、各抗ガン薬の在庫管理を簡単に且つ確実に行うことができる。
【0103】
請求項の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システムによれば、使用予定抗ガン薬リスト作成処理手段は、前記所定期間を変更可能に設定する期間設定処理手段を設けたので、将来の前記所定期間を変更可能に設定し、その将来の所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬の数量を少なくとも抗ガン薬の種類別に算出して、使用予定抗ガン薬リストを作成することができる。
【0104】
請求項の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システムによれば、請求項1では、化学療法プロトコールデータファイルに書き込まれた複数のガン化学療法プロトコールデータに基づいて、将来の所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬の数量を少なくとも抗ガン薬の種類別に算出した使用予定抗ガン薬リストを作成するのに対して、選択された複数のガン化学療法において日別に患者別に使用する抗ガン薬の情報を含む患者別抗ガン剤日計票を、化学療法プロトコールデータファイルに書き込まれた複数のガン化学療法プロトコールデータに基づいて作成することができる。故に、日別に患者別に使用する抗ガン薬の情報を含む患者別抗ガン剤日計票を作成して、各患者に対する抗ガン薬の調剤管理を簡単且つ確実に行うことができる。その他、請求項1と同様の効果を奏する。
【0105】
請求項の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システムによれば、化学療法選択処理手段は、ガン化学療法を自動的に選択する自動選択処理手段を有し、且つこの自動選択処理手段で複数種のガン化学療法が選択された場合に、それら複数のガン化学療法の中から採用するガン化学療法を手動操作を介して選択可能に構成したので、ガンによっては採用可能なガン化学療法が複数あり、ガン特定情報を入力することにより、そのガン治療のために採用可能な複数種のガン化学療法を自動的に選択し、それらガン化学療法の中から適切なガン化学療法を手動操作を介して選択することができる。
【0106】
【0107】
請求項の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システムによれば、前記施用パターンは、抗ガン薬を施用する複数の施用日を算出する為の施用日算出情報と各施用日の施用回数情報を含み、前記コンピュータは、前記化学療法選択処理手段で選択されたガン化学療法の施用パターンに基づいて、抗ガン薬の複数の施用日と各施用日における施用回数を決定する施用日決定処理手段を備えたので、ガン化学療法を選択することにより、そのガン化学療法で施用する抗ガン薬の複数の施用日と各施用日における施用回数を簡単に確実に迅速に決定することができる。
【0108】
請求項の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システムによれば、施用日決定処理手段は、指定される施用初日以降の複数の施用日を自動的に決定するので、選択されたガン化学療法で施用する抗ガン薬の複数の施用日を決定する際、施用初日を指定することにより、施用初日以降の複数の施用日を自動的に容易に決定できる。
【0109】
請求項の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システムによれば、前記ガン化学療法情報は、各抗ガン剤の各回の投与量決定の為のマスター係数の情報を有し、前記コンピュータは、ガン患者に関する患者情報と、そのガン患者に対して前記化学療法選択処理手段で選択されたガン化学療法の情報とに基づいて、各施用時の抗ガン薬の投与量を決定する投与量決定処理手段を備えたので、各施用時の抗ガン薬の適切な投与量を決定できる。
【0110】
請求項の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システムによれば、複数種の抗ガン剤の薬品マスターデータであって前記コンピュータからアクセス可能で且つ抗ガン剤の各回の投与量決定の為のマスター係数を含む薬品マスターデータを格納した薬品マスターデータファイルを備え、前記コンピュータは、ガン患者に関する患者情報と、そのガン患者に対して前記化学療法選択処理手段で選択されたガン化学療法の情報と、薬品マスターデータファイルのマスター係数とに基づいて、各施用時の抗ガン薬の投与量を決定する投与量決定処理段を備えたので、各施用時の抗ガン薬の投与量を容易に決定できる。
【0111】
【0112】
請求項の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システムによれば、前記コンピュータは、ガン患者に施すガン化学療法で施用する抗ガン薬と併用する併用剤を決定する併用剤決定処理手段を備えたので、ガン患者に施すガン化学療法で施用する抗ガン薬と併用して、その抗ガン薬の機能促進又は機能抑制を図ることができる併用剤を確実に且つ迅速に決定することができる。
【0113】
【0114】
【0115】
請求項10の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システムによれば、前記コンピュータは、化学療法選択処理手段で複数の患者用に選択された複数のガン化学療法において過去所定期間に使用した抗ガン薬の数量をその種類別患者別に算出した使用抗ガン薬リストを作成する使用抗ガン薬リスト作成処理手段を備えたので、各患者に使用した抗ガン薬の数量管理を簡単且つ確実に行い、各患者に対して請求する請求金額を計算できる。
【0116】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る処方支援兼調剤支援システムの構成図である。
【図2】患者情報の内容を示す図表である。
【図3】薬品マスターデータの内容を示す図表である。
【図4】ガン化学療法情報の内容を示す図表である。
【図5】ガン化学療法情報の施用パターンとマスター等を示す図表である。
【図6】ガン化学療法情報の施用パターンとマスター等を示す図表である。
【図7】ガン化学療法プロトコールデータの内容を示す図表である。
【図8】処方支援兼調剤支援システムの機能ブロック図である。
【図9】処方支援兼調剤支援システムが実行する処理のフローチャートである。
【図10】ディスプレイに表示のプロトコール画面である。
【図11】ディスプレイに表示のプロトコール画面である。
【図12】ディスプレイに表示のプロトコール画面である。
【図13】ディスプレイに表示のプロトコール画面である。
【図14】ディスプレイに表示のプロトコール画面である。
【図15】抗ガン薬の発注リストである。
【図16】抗ガン薬の使用量集計表である。
【図17】病棟別注射薬品患者リストである。
【符号の説明】
1 処方支援兼調剤支援システム
10 化学療法データファイル
21 化学療法選択手段
20 入力手段
21a 自動選択手段
22 施用日決定手段
23 投与量決定手段
24 併用剤決定手段
25 使用予定抗ガン薬リスト作成手段
25a 期間設定手段
26 使用抗ガン薬リスト作成手段
27 出力手段
28 患者薬品リスト作成手段

Claims (10)

  1. 複数のガン患者の複数種のガンを治療する為に抗ガン剤の処方支援と調剤支援を行うコンピュータを備えたシステムにおいて、
    前記複数種のガンに夫々対応する且つ複数種のガンを夫々治療する為の複数のガン化学療法について、少なくとも、ガン化学療法別に抗ガン薬と抗ガン薬を施用する施用パターンとをガン化学療法情報として予め設定して格納した化学療法データファイルであって前記コンピュータからアクセス可能な化学療法データファイルと、前記コンピュータにガン患者に関する患者情報とそのガン患者のガンの種類を特定するガン特定情報を入力可能な入力手段と、前記コンピュータに接続されたディスプレイとを備え、
    前記コンピュータは、
    前記ディスプレイに患者情報とガン特定情報を入力可能な第1の画面を表示させる第1の表示処理手段と、
    前記第1の画面の表示中にガン特定情報が入力された場合に、そのガン特定情報と化学療法データファイルの情報とを用いて、前記ガン患者に施すガン化学療法を選択する化学療法選択処理手段と、
    前記ガン化学療法が選択された場合に、そのガン化学療法のガン化学療法情報の表示を含む第2の画面を表示させる第2の表示処理手段と、
    前記ガン化学療法が選択され且つ患者情報が入力された場合に、このガン化学療法情報と患者情報とに基づいて、前記ガン化学療法の施用日と各施用時の抗ガン剤の投与量とを含むガン化学療法プロトコールデータを作成する化学療法プロトコールデータ作成処理手段と、
    前記化学療法プロトコールデータ作成処理手段で作成されたガン化学療法プロトコールデータの表示を含む第3の画面を表示させる第3の表示処理手段と、
    前記第3の画面の表示中に所定の登録操作を受けて前記ガン化学療法プロトコールデータを前記化学療法プロトコールデータファイルに書き込むプロトコールデータ登録処理手段と、
    前記化学療法プロトコールデータファイルに書き込まれた複数のガン化学療法プロトコールデータに基づいて、将来の所定期間に使用予定の複数種の抗ガン薬の数量を少なくとも抗ガン薬の種類別に算出した使用予定抗ガン薬リストを作成する使用予定抗ガン薬リスト作成処理手段と、
    を備えたことを特徴とする抗ガン剤処方支援兼調剤支援システム。
  2. 前記使用予定抗ガン薬リスト作成処理手段は、前記所定期間を変更可能に設定する期間設定処理手段を有することを特徴とする請求項1に記載の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システム。
  3. 複数のガン患者の複数種のガンを治療する為に抗ガン剤の処方支援と調剤支援を行うコンピュータを備えたシステムにおいて、
    前記複数種のガンに夫々対応する且つ複数種のガンを夫々治療する為の複数のガン化学療法について、少なくとも、ガン化学療法別に抗ガン薬と抗ガン薬を施用する施用パターンとをガン化学療法情報として予め設定して格納した化学療法データファイルであって前記コンピュータからアクセス可能な化学療法データファイルと、前記コンピュータにガン患者に関する患者情報とそのガン患者のガンの種類を特定するガン特定情報を入力可能な入力手段と、前記コンピュータに接続されたディスプレイとを備え、
    前記コンピュータは、
    前記ディスプレイに患者情報とガン特定情報を入力可能な第1の画面を表示させる第1の表示処理手段と、
    前記第1の画面の表示中にガン特定情報が入力された場合に、そのガン特定情報と化学療法データファイルの情報とを用いて、前記ガン患者に施すガン化学療法を選択する化学療法選択処理手段と、
    前記ガン化学療法が選択された場合に、そのガン化学療法のガン化学療法情報の表示を含む第2の画面を表示させる第2の表示処理手段と、
    前記ガン化学療法が選択され且つ患者情報が入力された場合に、このガン化学療法情報と患者情報とに基づいて、前記ガン化学療法の施用日と各施用時の抗ガン剤の投与量とを含むガン化学療法プロトコールデータを作成する化学療法プロトコールデータ作成処理手段と、
    前記化学療法プロトコールデータ作成処理手段で作成されたガン化学療法プロトコールデータの表示を含む第3の画面を表示させる第3の表示処理手段と、
    前記第3の画面の表示中に所定の登録操作を受けて前記ガン化学療法プロトコールデータを前記化学療法プロトコールデータファイルに書き込むプロトコールデータ登録処理手段と、
    前記化学療法選択処理手段で複数の患者用に選択された複数のガン化学療法において日別に患者別に使用する抗ガン薬の情報を含む患者別抗ガン剤日計票を、前記化学療法プロトコールデータファイルに書き込まれた複数のガン化学療法プロトコールデータに基づいて作成する患者薬品リスト作成処理手段と、
    を備えたことを特徴とする抗ガン剤処方支援兼調剤支援システム。
  4. 前記化学療法選択処理手段は、ガン化学療法を自動的に選択する自動選択処理手段を有し、且つこの自動選択処理手段で複数種のガン化学療法が選択された場合に、それら複数のガン化学療法の中から採用するガン化学療法を手動操作を介して選択可能に構成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システム。
  5. 前記施用パターンは、抗ガン薬を施用する複数の施用日を算出する為の施用日算出情報と各施用日の施用回数情報を含み、
    前記コンピュータは、前記化学療法選択処理手段で選択されたガン化学療法の施用パターンに基づいて、抗ガン薬の複数の施用日と各施用日における施用回数を決定する施用日決定処理手段を備えたことを特徴とする請求項の何れかに記載の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システム。
  6. 前記施用日決定処理手段は、指定される施用初日以降の複数の施用日を自動的に決定することを特徴とする請求項に記載の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システム。
  7. 前記ガン化学療法情報は、各抗ガン剤の各回の投与量決定の為のマスター係数の情報を有し、
    前記コンピュータは、ガン患者に関する患者情報と、そのガン患者に対して前記化学療法選択処理手段で選択されたガン化学療法の情報とに基づいて、各施用時の抗ガン薬の投与量を決定する投与量決定処理手段を備えたことを特徴とする請求項又はに記載の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システム。
  8. 複数種の抗ガン剤の薬品マスターデータであって前記コンピュータからアクセス可能で且つ抗ガン剤の各回の投与量決定の為のマスター係数を含む薬品マスターデータを格納した薬品マスターデータファイルを備え、
    前記コンピュータは、ガン患者に関する患者情報と、そのガン患者に対して前記化学療法選択処理手段で選択されたガン化学療法の情報と、薬品マスターデータファイルのマスター係数とに基づいて、各施用時の抗ガン薬の投与量を決定する投与量決定処理段を備えたことを特徴とする請求項又はに記載の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システム。
  9. 前記コンピュータは、ガン患者に施すガン化学療法で施用する抗ガン薬と併用する併用剤を決定する併用剤決定処理手段を備えたことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システム。
  10. 前記コンピュータは、前記化学療法選択処理手段で複数の患者用に選択された複数のガン化学療法において過去所定期間に使用した抗ガン薬の数量をその種類別患者別に算出した使用抗ガン薬リストを作成する使用抗ガン薬リスト作成処理手段を備えたことを特徴とする請求項の何れかに記載の抗ガン剤処方支援兼調剤支援システム。
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