JP4141005B2 - 黒液処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルプ製造工程において発生する黒液処理の方法と装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パルプ製造工程において発生する黒液を処理するには、該黒液を回収ボイラーに供給して燃焼させて行なう。このとき、黒液に含まれる薬品などが回収される。通常、黒液を回収ボイラーに供給し燃焼させるには、先ず、黒液を濃縮して、ボイラー効率、薬品回収率、燃焼効率などを向上させる。次に、濃縮された黒液は高粘度となるので、回収ボイラー内への噴射特性などを改善するために、加熱されて粘度が下げられる。
【0003】
通常、黒液の濃縮には多重効用方式による黒液濃縮装置(多重効用エバポレーター)が用いられ、回収ボイラー前の加熱には直接加熱蒸発機が用いられる。
通常の多重効用エバポレーターと直接加熱蒸発機との組合せでは、回収ボイラー内へ供給される直前の黒液の濃度は、パルプ製造工程において発生した状態の60%〜70%とするのが限度であり、また、温度は110℃〜130℃とするのが限度である。
【0004】
黒液を回収ボイラー直前で加熱するには、上記の直接加熱蒸発機に代えて、間接加熱装置を用いる方法が、特公平6−15753号公報に記載されている。この方法は、濃縮した黒液を竪型円筒体内に供給して、該竪型円筒体内で回転せしめられている螺旋状蒸気管に接触させて間接加熱し、次いで回収ボイラーに供給するというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の黒液処理においては、いずれの場合でも、回収ボイラーの前に濃縮装置と加熱装置とが別個に設けられ、組合せられて配置されている。これら従来の黒液処理設備において、黒液をさらに高濃度・高温にしようとすると、濃縮装置、加熱装置をさらに追加する必要があり、設備はより大がかりになるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上記問題を解決し、黒液を多重効用エバポレーターによって濃縮する場合であっても、その後の回収ボイラーまでの工程においては、1つの装置だけによって、黒液をより高濃度でかつ高温に加工し、回収ボイラーに供給することができる黒液処理方法とその装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の黒液処理方法は、次の特徴を有するものである。
(1)パルプ製造工程で発生した黒液を、直接的にまたは濃縮して下記(A)の装置の密閉槽に供給し、該装置において、供給された黒液を供給されたときの状態よりもさらに高温でかつさらに高濃度として回収ボイラーに供給することを特徴とする黒液処理方法。
【0008】
(A)の装置とは次に示す装置である。以下の説明でも、この装置を「(A)の装置」と呼ぶ。
(A)黒液を溜める密閉槽と、加熱用管とを有し、密閉槽には、黒液の供給口と排出口と、黒液から出る蒸気の排出口とが設けられ、加熱用管は、密閉内に溜められる黒液に浸って該黒液を加熱しながら回転できるように密閉槽に取り付けられた構成を有する装置。
【0009】
(2)上記(A)の装置に黒液が供給されるときの状態が、温度100〜120℃、濃度50〜70%であって、この黒液を該装置において、温度110〜165℃、濃度60〜80%とするものである上記(1)記載の黒液処理方法。
【0010】
(3)上記パルプ製造工程で発生した黒液を、多重効用方式による黒液濃縮装置で濃縮して、上記(A)の装置の密閉槽に供給する方法であって、上記(A)の装置から排出される黒液からの蒸気を、前記多重効用方式による黒液濃縮装置の濃縮用熱源として利用するものである上記(1)記載の黒液処理方法。
【0011】
(4)上記(A)の装置の密閉槽内に溜められる黒液の液面の高さを、特定の範囲内に制御するものである上記(1)記載の黒液処理方法。
【0012】
上記(1)〜(4)のいずれかに記載の黒液処理方法に用いられる黒液処理装置は、パルプ製造工程で発生した黒液を燃焼させ処理するための回収ボイラーと、上記(A)の装置とを少なくとも有し、パルプ製造工程で発生した黒液が、直接的にまたは濃縮されて上記(A)の装置の密閉槽に供給され、該装置において、供給された黒液が供給されたときの状態よりもさらに高温でかつさらに高濃度とされて回収ボイラーに供給されるものである。
【0013】
上記(A)の装置の加熱用管は、槽の壁面を内外に貫通した状態で取り付けられ、かつ該管内を加熱用媒体が循環できるものであってよく、回転軸となる中心管と、該中心管の周囲を螺旋状に取り巻くコイル状管とを有し、中心管は、槽内の密閉性を保持しかつ回転可能なように槽の壁面を貫通して槽内に挿入されており、中心管の内部には、槽外からの加熱用媒体供給用の供給管路と槽外への加熱用媒体排出用の排出管路とが設けられ、前記供給管路はコイル状管の一端に接続され、前記排出管路はコイル状管の他端に接続されたものであってよい。
【0014】
上記(A)の装置は、その密閉槽内に溜められる黒液の液面の高さを、特定の範囲内に維持し得る制御装置を有するものであってよい。
【0015】
パルプ製造工程と上記(A)の装置との間には、さらに多重効用方式による黒液濃縮装置が設けられていてもよく、パルプ製造工程で発生した黒液が、前記多重効用方式による黒液濃縮装置で濃縮されて上記(A)の装置の密閉槽に供給されるように黒液の流通経路が構成されており、上記(A)の装置から排出される黒液からの蒸気が、前記多重効用方式による黒液濃縮装置の濃縮用熱源となるように配管されていてもよい。
【0016】
【作用】
本発明では、上記(A)の装置を回収ボイラーの直前に用い、この1台にて、黒液の最終的な濃縮と昇温とを同時に行なうことが特に重要である。従来技術の説明でも挙げたように、特公平6−15753号公報に用いられている加熱装置は、黒液を加熱する構造上では、本発明に用いられる(A)の装置に類似するものである。しかし、該公報に用いられている加熱装置は、あくまで黒液の加熱だけを目的とするものであって、加熱しながら、この装置にて黒液の濃縮を同時に行なうという発想およびそのための構成が欠落している。他方、該公報に用いられているような装置と類似の装置が、濃縮装置として用いられる場合がある。しかし、そのような濃縮装置では、槽内を減圧して濃縮するものであり、濃縮しながら、黒液を高温のままで排出するという発想およびそのための構成は欠落している。
【0017】
本発明に用いられる(A)の装置は、加熱用管が槽内の黒液内で回転し黒液を十分に加熱する構造を有すると共に、該加熱用管で加熱された黒液から出る蒸気を排出するための排出口を有しており、黒液の十分な加熱と濃縮が可能となっており、高温、高濃度の黒液が回収ボイラーに直接送り込まれる。
【0018】
また、従来の多重効用方式や直接加熱による濃縮機では、濃縮限界(直接加熱蒸発機では70%)があったり、スケール付着による伝熱効果の低下が見られる。これに対して、本発明に用いられる(A)の装置は、焦げつきなどのスケール付着が少なく、従来の直接加熱蒸発機に比べて高い伝熱量があり、黒液を加熱すると共に、従来以上に高濃度に濃縮することが可能な装置である。従って、(A)の装置によって加熱、濃縮の完了した黒液に対しては、その後、フラッシュタンクなどを用いた濃縮などを施す必要がなく、高温・高濃度とした黒液をそのまま直接的に回収ボイラーに供給することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の黒液処理装置を説明しながら、同時に黒液処理方法の説明を行なう。図1にその構成の一例を概略的に示すように、本発明の黒液処理装置は、符号Aで示す上記(A)の装置(以下、単に「装置A」とも呼ぶ)と、黒液用の回収ボイラーBとを少なくとも有するものである。パルプ製造工程Pで発生した黒液は、装置Aの密閉槽1に供給される。密閉槽1内には、加熱・濃縮される黒液3が溜められている。同図の例では、パルプ製造工程Pと装置Aとの間を省略しているが、後述のように、パルプ製造工程からの直接的な供給であっても、従来公知の濃縮装置を経由しての供給であってもよい。
【0020】
本発明の黒液処理方法は、図1の装置の構成とすることによって、パルプ製造工程で発生した黒液を、直接的にまたは濃縮して装置Aの密閉槽1に供給し、該装置において、供給された黒液を、供給されたときの状態よりもさらに高温でかつさらに高濃度として回収ボイラーBに供給するものである。
【0021】
図1に示すように、装置Aは、黒液を溜める密閉槽1と、加熱用管2とを少なくとも有する。密閉槽1には、黒液の供給口1aと排出口1bと、黒液から出る蒸気の排出口1cとが設けられている。加熱用管2は、槽1内 黒液に浸った状態で回転可能なようにかつ槽内の密閉性を損なわないように、槽1の壁面を内外に貫通した状態で取り付けられている。加熱用管2の内部には、加熱用媒体が流れ、内外で循環し得る構造となっている。
【0022】
この構成によって、加熱用管2は、槽内に溜められた黒液内で回転しながら、加熱用管内を流れる加熱用媒体によって該黒液を加熱することができる。黒液に含まれる水分は加熱されて蒸発するが、槽に設けられた排出口1cから水蒸気を取り出すことによって、黒液を加熱すると同時に濃縮することができるようになり、従来の黒液処理の分野においてはみられなかった、高温でかつ高濃度の黒液が得られる。以下、この(A)の装置(装置A)を説明する。
【0023】
(A)の装置の密閉槽は、上記したように、黒液の供給口と排出口と、黒液から出る蒸気の排出口とを少なくとも有するものである。また、圧力の設定が自在であって、この槽に対してさらに添加物などを供給、排出するための種々の配管が接続され得るものでもよい。槽の形状は限定されないが、槽内の圧力を気密に変化させる点から、円筒状や球状などを基本とする形状が好ましい。
【0024】
密閉槽に設けられる黒液の供給口の位置および槽内への供給の方向は、加熱時間の延長および槽内における流体フローの均一化を図るため、原則として、液面より下かつ排出口より上となる位置が好ましく、かつ、槽内に供給された流体がそのままスムーズに槽内での回転に合流するように接線方向に噴出する供給(タンジェンシャルフィード)が好ましい。
また、密閉槽に設けられる黒液の排出口は、水頭圧分の温度上昇を得る為、および黒液内不純物を排出しやすくするため、槽下部に設けることが好ましい。
【0025】
加熱用管は、自体が発熱するものであってもよいが、回転軸の外側に伝熱管路を設け、回転軸内を通じて槽内外で熱伝達を行う態様が好ましい。以下、この態様について説明する。
【0026】
加熱用管は、密閉槽の外部から槽内部へ貫通した状態で、回転可能に設けられる。加熱用管の内部には、加熱用媒体が槽内外を循環する。加熱用媒体の循環とは、加熱用媒体が槽内に入り、黒液を管壁を介して加熱し、槽外へ出ていく動作をいう。図1の例における加熱用媒体の流通経路は、槽外の加熱循環装置(図示せず)から供給管路2aを通って槽内に入り、管壁を介して黒液を加熱し、排出管路2bから槽外へ出る経路である。槽外へ出た加熱用媒体は、加熱されて再び槽内に供給される態様であっても、そのまま廃棄され常に新しい加熱用媒体が槽内に供給される態様であってもよい。いずれの態様でも、槽内については加熱用媒体は循環している。
【0027】
加熱用管の態様は、図1、図2に示すように、回転シャフトとなる中心管21と、該中心管の周囲を螺旋状(図では、螺旋状をノコギリ波で略している)に取り巻くコイル状管22とからなる態様が好ましい。また、中心管21は、槽内の密閉性を保持しかつ回転可能なように槽の壁面を貫通して槽内に挿入される態様が好ましく、この中心管の内部を利用して、加熱用媒体を槽内外で流通させる態様が好ましい。
【0028】
図2は、加熱用管の好ましい態様を示す図であって、加熱用管2の中心管21の内部には、槽外からの加熱用媒体供給用の供給管路2aと、槽外への加熱用媒体排出用の排出管路2bとが設けられ、供給管路2aはコイル状管22の一端に接続され、排出管路2bはコイル状管22の他端に接続されている。
【0029】
供給管路2aと排出管路2bとは回転シャフトの内部に確保されるのが良いが、図2に示すように、回転シャフト内に同軸状に設けられた大径の管(2a)と、該大径の管内に同軸状に設けられた小径の管(2b)とからなる2重管として設けられる態様が好ましい。同図の例では、2重管の外側を供給側として用いているが、内側を供給側としてもよい。
【0030】
加熱用管の回転軸が槽内で支持される方向は限定されず、図1のような密閉槽内に鉛直方向であっても、その他、水平方向や任意の方向であってもよい。特に、図1のように回転軸を鉛直方向となるように密閉槽内に支持し、黒液を槽の上部から供給し、下部から排出させることによって、黒液は円周方向へ攪拌され、全体的にはダウンフローとなり、取出し温度がボイリングポイントより上昇し、より高温(低粘度)で取り出すことができる。
【0031】
加熱用管の細部の仕様、例えば、コイル状管のコイルの巻き方向・巻き数などのコイル仕様、コイル状管の巻き方向と回転方向との関係などは、自由に決定してよい。
【0032】
加熱用管の回転軸が密閉槽の壁部を貫通する部分には、槽内の密閉性を保持すべく、シール構造が付与される。シール構造は、回転軸が回転可能であって、かつ、槽内の密閉性が保持し得るものであればよく、Oリングや、オイルシールだけの簡単な構造から、メカニカルシールを用いたより複雑な構造まで、公知のシール構造が利用可能である。
【0033】
コイル状管の材料は、熱伝導性、強度、耐食性に優れた金属が用いられ、例えば、鋼管用材料、ステンレス鋼、銅または銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ニッケルまたはニッケル合金、チタンまたはチタン合金、ジルコニウム合金、その他、公知の高級耐食材料が利用可能である。また、グラスライニングなど、耐食のための表面加工を施してもよい。
【0034】
加熱用媒体は限定されないが、水および/または水蒸気が主に用いられる。
【0035】
(A)の装置は、黒液を高温に加熱すると同時に濃縮することができるものである。黒液の濃縮を好ましく行なうためには、黒液から出た水蒸気を排出すべく、密閉槽内の上部に黒液から出た蒸気が溜まる空間を確保すべきである。従って、槽内には黒液の液面が存在する。黒液の濃縮を好ましく行なうには、この黒液の液面の高さを、常に特定の範囲内に維持することが好ましい。
黒液の液面の高さが、常に特定の範囲内となるように制御することによって、加熱の程度、濃縮の程度が安定し、常に黒液を槽内に供給しながら、安定した温度、濃度の黒液を連続的に取り出すことができるようになる。
【0036】
上記構成の(A)の装置によって、例えば、その密閉槽に供給される黒液は、通常温度100〜120℃、濃度50〜70%程度であるが、これを温度110〜165℃、濃度60〜80%とすることが可能となる。
【0037】
本発明でいう黒液の濃度は、黒液100g中に占める固形分の重量の割合であって、式100×(固形分重量)/(黒液)で表されるものである。従って、本明細書に用いられている濃度の単位〔%〕は、全て〔重量%〕である。
黒液中の固形分の重量を求める方法の1つとして、蒸発乾固法が挙げられる。蒸発乾固法は、黒液を加熱し、水分、揮発成分を蒸発させて残留固形成分の重量を得る方法である。
【0038】
黒液の液面の高さを制御するには、液面センサーを、槽の黒液の供給および/または排出バルブと連動させる態様が挙げられる。
【0039】
本発明による黒液処理装置には、パルプ製造工程と(A)の装置との間に、多重効用方式による黒液濃縮装置などの公知の黒液濃縮装置を設けてもよい。即ち、パルプ製造工程で発生した黒液を、先ずその公知の黒液濃縮装置で濃縮され、次に(A)の装置で加熱、濃縮し、回収ボイラーに供給する態様である。
このような態様の場合、(A)の装置において黒液の濃縮によって黒液から排出される蒸気は十分に高温であるから、これをその前に設けられる黒液濃縮装置の濃縮用熱源として用いるように配管すれば、装置の排熱を効率良く利用し得る態様となる。
【0040】
【実施例】
本実施例では、パルプ製造工程から排出された黒液を、先ず、多重効用方式による黒液濃縮装置によって濃縮し、次いで(A)の装置によって加熱と濃縮とを同時に行い、高温、高濃度とした黒液を回収ボイラーに噴射し燃焼させる黒液処理装置を実際に形成した。装置全体の概要は、図1に示す通りであり、パルプ製造工程Pと(A)の装置(装置A)との間に、多重効用方式による黒液濃縮装置が設けられる態様である。
【0041】
装置Aの主な仕様は、密閉槽の総容量;200リットル(このうち黒液の液面制御によって黒液が占める容量の割合は平均67%)、槽への黒液の供給量;300リットル/時、加熱用管に供給する加熱用媒体(水蒸気)の温度;187℃、加熱用管のコイル状部分のコイル仕様;2層巻き(1層当たりの有効巻き数13回)、加熱用管の回転数;100rpmとした。槽内の黒液の液面は、差圧式液面計を用いて制御した。
【0042】
この黒液処理装置を作動させた結果、パルプ製造工程からの排出直後の黒液、即ち、多重効用方式の加熱濃縮装置に供給される前では、濃度が約18%、温度が約95℃であった。この黒液が、多重効用方式の黒液濃縮装置によって、濃度が約66%、温度が平均94.3℃、となった。従来の設備では、この段階で回収ボイラーに供給されていたのであり、この黒液の状態を、従来例として比較の対象とすることができる。
本実施例では、この黒液を、(A)の装置によって、さらに加熱、濃縮し、濃度を約80%、温度を約116.4℃とした。
【0043】
また、(A)の装置において黒液の濃縮で出た蒸気(平均温度100℃)を、前段の多重効用方式の黒液濃縮装置の熱源として送り込んだところ、排熱を有効に利用し得ることがわかった。
【0044】
【発明の効果】
(A)の装置を回収ボイラーの直前に設け、黒液の加熱と濃縮とを同時に行なうことによって、黒液を、より高温・高濃度として回収ボイラーに送ることができる。これによって、ボイラー効率、薬品回収率、燃焼効率などを向上させることができるようになった。また、特公平6−15753号公報に記載されているような設備であっても、これを改造し、本発明に用いられる(A)の装置とすることによって、設備全体の規模を変えることなく、黒液処理の効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の黒液処理装置の構成の一例を概略的に示す図である。
【図2】本発明に用いられる(A)の装置の加熱用管の一例を示す図である。
【符号の説明】
A (A)の装置
B 回収ボイラー
P パルプ製造工程
1 密閉槽
1a 黒液の供給口
1b 黒液の排出口
1c 黒液から出る蒸気の排出口
2 加熱用管
2a 供給管路
2b 排出管路
21 加熱用管の中心管
22 加熱用管のコイル状管
3 黒液
L 液面計
Claims (4)
- パルプ製造工程で発生した黒液を、直接的にまたは濃縮して下記(A)の装置の密閉槽に供給し、該装置において、供給された黒液を供給されたときの状態よりもさらに高温でかつさらに高濃度として回収ボイラーに供給することを特徴とする黒液処理方法。
(A)黒液を溜める密閉槽と、加熱用管とを有し、密閉槽には、黒液の供給口と排出口と、黒液から出る蒸気の排出口とが設けられ、加熱用管は、密閉内に溜められる黒液に浸って該黒液を加熱しながら回転できるように密閉槽に取り付けられた構成を有する装置。 - 上記(A)の装置に黒液が供給されるときの状態が、温度100〜120℃、濃度50〜70%であって、この黒液を該装置において、温度110〜165℃、濃度60〜80%とするものである請求項1記載の黒液処理方法。
- 上記パルプ製造工程で発生した黒液を、多重効用方式による黒液濃縮装置で濃縮して、上記(A)の装置の密閉槽に供給する方法であって、上記(A)の装置から排出される黒液からの蒸気を、前記多重効用方式による黒液濃縮装置の濃縮用熱源として利用するものである請求項1記載の黒液処理方法。
- 上記(A)の装置の密閉槽内に溜められる黒液の液面の高さを、特定の範囲内に制御するものである請求項1記載の黒液処理方法。
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