JP7051449B2 - 黒液燃焼装置及びこれを備えたソーダ回収ボイラ並びに黒液燃焼装置の制御方法 - Google Patents

黒液燃焼装置及びこれを備えたソーダ回収ボイラ並びに黒液燃焼装置の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ナトリウムを含む黒液を燃焼させる黒液燃焼装置及びこれを備えたソーダ回収ボイラ並びに黒液燃焼装置の制御方法に関するものである。
例えば製紙工場等で排出されたナトリウム(Na)を含む廃液である黒液を処理する装置として、火炉内で黒液を燃焼して処理する黒液燃焼装置を備えたソーダ回収ボイラが知られている(特許文献1)。ソーダ回収ボイラは、黒液燃焼装置で黒液を燃焼させて生成した熱を回収するとともに、燃焼することで生成されるスメルトを回収することで、ナトリウム成分(ソーダ)を回収する。
特開2016-79537号公報
黒液燃焼装置は、火炉内に投入された黒液とともに燃焼用空気を供給することによって黒液を燃焼させる。このとき、火炉の底部の炉床部には、投入された黒液が堆積したチャーベッドが形成される。黒液燃焼装置は、チャーベッドの保有熱で黒液の燃焼を促進し、SOxやHS等の発生を抑制している。
一方で、製紙プロセス等の理由によって、排出された黒液に含まれる水分が従来よりも少なく高濃度化する場合がある。すると、チャーベッドの保有熱が上昇し、黒液中のナトリウムが多量に蒸発して飛散する。黒液濃度が従来の濃度とされていれば、ナトリウムは、SOxと結合して硫酸ナトリウム(NaSO)となるが、黒液の高濃度化により過剰にナトリウムが飛散すると、火炉内気相中のCOと結合して炭酸ナトリウム(NaCO)が生成される。炭酸ナトリウムが生成されて燃焼ガス流れの下流側に導かれると、過熱器等の熱交換器の金属材料表面に炭化物(浸炭層)を形成し、金属材料が劣化し、腐食が発生するおそれがある。
このような事情に鑑みてなされたものであって、本開示は、黒液の燃焼時に炭酸ナトリウムの生成を抑制することができる黒液燃焼装置及びこれを備えたソーダ回収ボイラ並びに黒液燃焼装置の制御方法を提供することを目的とする。
一態様に係る黒液燃焼装置は、火炉と、70wt%以上の濃度とされたナトリウムを含む黒液を前記火炉内に供給する黒液供給部と、前記黒液供給部に設けられ、導かれた黒液を130℃以上に加熱する黒液加熱部と、前記黒液供給部から供給された黒液によって該黒液供給部の鉛直下方に生成されて堆積したチャーベッドと該黒液供給部との間に空気を供給する下方空気供給部と、前記黒液供給部の鉛直上方から前記火炉内に空気を供給する上方空気供給部と、を備えている。
黒液の濃度が70wt%以上とされた高濃度の黒液とされていても、130℃以上に加熱された黒液を火炉内に供給することとしたので、黒液供給部から供給された黒液が黒液供給部より下方側にあるチャーベッドに到達する間に火炉内の気相部で燃焼する浮遊燃焼率を高めることができる。これにより、チャーベッドに到達する黒液が減少するのでチャーベッドの増大を抑制してチャーベッドの保有熱の上昇を抑えることができる。したがって、チャーベッドからナトリウム(Na)が多く蒸発して飛散することを抑えて、炭酸ナトリウム(NaSO)の生成を抑えることができる。これにより、火炉の燃焼ガス流れの下流側に配置された熱交換器(過熱器等)が炭酸ナトリウムによって浸炭されて劣化することを抑制することができる。
さらに、一態様に係る黒液燃焼装置では、前記上方空気供給部から供給される空気の空気量は、該上方空気供給部及び前記下方空気供給部から供給される全体空気量の30%以上とされている。
上方空気供給部から供給される空気量を全体空気量の30%以上とすることによって、多くの空気を黒液供給部の鉛直上方に供給することとした。これにより、火炉内の気相部での浮遊燃焼率を高めたことに対して、未燃チャーの飛散増加を抑制するようにエアカーテンの作用が増強するとともに、未燃チャーの燃焼を促進させることで、未燃チャーの熱交換器への付着を抑制する。また、上方空気供給部から供給される空気での燃焼完結によって燃焼ガス温度の上昇を抑えるので、熱交換器の付着灰が排ガス温度の上昇に起因して溶融化することで発生する熱交換器エレメントの灰閉塞を抑制することができる。
また、上方空気供給部から供給する空気量を増加させることで、相対的に下方空気供給部から供給する空気量が減少する。これにより、チャーベッドの燃焼を緩慢にすることでガス温度の上昇を抑制し、チャーベッドからのナトリウムの飛散を抑制することができる。これにより、炭酸ナトリウムの生成を抑えて火炉の燃焼ガス流れの下流側に配置された過熱器等の熱交換器の劣化を抑制することができる。
さらに、一態様に係る黒液燃焼装置では、前記上方空気供給部から供給される空気の供給圧力を、200mmAq以上とされている。
200mmAqの供給圧力で空気を上方空気供給部から供給することによって更にエアカーテンの機能を強化することで、燃焼ガス流れの下流側に未燃チャーが飛散することを防止できる。
さらに、一態様に係る黒液燃焼装置では、前記上方空気供給部の燃焼ガス流れの下流側にて採取された灰のCO濃度に基づいて、前記黒液加熱部の加熱温度を制御する制御部を備えている。
上方空気供給部の燃焼ガス流れの下流側にて採取された灰のCO濃度が所定値よりも高い場合には、ナトリウムが多く飛散していると判断して浮遊燃焼率を上げるために黒液加熱部の加熱温度を上げるように制御する。これにより、炭酸ナトリウムの生成を抑えて過熱器等の熱交換器の劣化を抑制することができる。
また、一態様に係るソーダ回収ボイラは、上記のいずれかに記載された黒液燃焼装置と、前記上方空気供給部よりも燃焼ガス流れの下流側に配置され、蒸気を生成する熱交換器と、を備えている。
上記の黒液燃焼装置を備えているので、炭酸ナトリウムの生成を抑えて過熱器等の熱交換器の劣化を抑制することができる。
また、一態様に係る黒液燃焼装置の制御方法は、火炉と、70wt%以上の濃度とされたナトリウムを含む黒液を前記火炉内に供給する黒液供給部と、を備えた黒液燃焼装置の制御方法であって、前記火炉に供給される黒液を130℃以上に加熱し、前記黒液供給部から供給された黒液によって該黒液供給部の鉛直下方に生成されて堆積したチャーベッドと該黒液供給部との間に空気を供給し、前記黒液供給部の鉛直上方から前記火炉内に空気を供給し、前記黒液供給部の鉛直上方から前記火炉内に供給する空気の供給圧力を、200mmAq以上とする。
チャーベッドの増大を抑制してチャーベッドの保有熱の上昇を抑えることによって、チャーベッドからナトリウムが多く飛散することを抑えて、黒液の燃焼時に炭酸ナトリウムの生成を抑制することができる。
一実施形態に係る黒液燃焼装置を備えたソーダ回収ボイラを示した概略構成図である。 図1に示した黒液燃焼装置を簡略化して示した概略構成図である。 図2の比較例を示した概略構成図である。 3次空気供給部の第1変形例を示し、3次空気供給部の上段を示した横断面図である。 3次空気供給部の第1変形例を示し、3次空気供給部の下段を示した横断面図である。 3次空気供給部の第2変形例を示した図である。 3次空気供給部の第3変形例を示した図である。
図1は、本実施形態に係る黒液燃焼装置12を備えたソーダ回収ボイラ10が示されている。ソーダ回収ボイラ10は、例えば製紙工場等で排出されるパルプ蒸解廃液(ナトリウム含有廃液)である黒液を燃焼し、発生した熱を回収するとともに、燃焼させた黒液からナトリウム成分を回収する。ソーダ回収ボイラ10は、黒液燃焼装置12と、煙道14と、熱交換器ユニット15と、集塵機16と、悪臭物質除去手段18と、煙突20と、を備えている。
黒液燃焼装置12は、黒液を燃焼させて燃焼排ガス(以下、単に「排ガス」という。)を生成しつつ、黒液を燃焼することで生成されるスメルトSを回収する。煙道14は、黒液燃焼装置12と接続され、黒液燃焼装置12で生成される排ガスを流通させるダクトである。熱交換器ユニット15は、黒液燃焼装置12から煙道14にかけて配置され、排ガスとの熱交換を行い、排ガスの熱を回収する。熱交換器ユニット15は、例えば過熱器15aと、蒸発器15bと、節炭器15cと、を有し、排ガスの流れ方向上流側からこの順に配置されていてもよい。過熱器15aと、蒸発器15bと、節炭器15cとは、排ガスによって熱媒(水、蒸気)を加熱させることで、排ガスの熱を回収する。また、熱交換器ユニット15は、加熱された熱媒を過熱蒸気として供給し、図示しない発電機に接続された図示しない蒸気タービン等を回転駆動させることで、熱エネルギを電気エネルギに変換する。
集塵機16は、排ガスの流れ方向において、煙道14の熱交換器ユニット15の下流側に配置されている。集塵機16は、電気集塵機等の煤塵を捕集する装置である。集塵機16は、排ガスに含まれる煤塵を回収する。
悪臭物質除去手段18は、排ガスの流れ方向において、煙道14の集塵機16の下流側に配置されている。悪臭物質除去手段18は、排ガス中のNO2を除去する。
煙突20は、悪臭物質除去手段18を通過した排ガスが流れる煙道14と接続されている。煙突20は、悪臭物質除去手段18を通過した排ガスを大気中に排出する。
なお、熱交換器ユニット15の下流側の構造は、種々の構造とすることができ、排ガスを浄化する他の装置を配置してもよいし、悪臭物質除去手段18等を配置しなくてもよい。また、熱交換器ユニット15は、過熱器、蒸発器、節炭器などを各々複数設けてもよいし、再熱器を追加してもよい。
黒液燃焼装置12は、火炉22と、黒液供給部24と、1次空気供給部(下方空気供給部)26と、2次空気供給部(下方空気供給部)28と、3次空気供給部(上方空気供給部)30と、スメルト回収部34と、を有する。
火炉22は、例えば鉛直方向に対して、矩形状の横断面を有している。火炉22は、鉛直方向上部が熱交換器ユニット15に接続され、その後に煙道14と接続されている。火炉22の鉛直方向下側の底面が炉床部となる。火炉22の炉床部に黒液供給部24から火炉内に供給された黒液の一部が堆積し、チャーベッドCが形成される。
黒液供給部24は、火炉22内に黒液を供給する。黒液供給部24は、黒液供給源50と、黒液加熱部51と、黒液配管52と、黒液供給ノズル54とを有する。黒液供給源50は、図示しない黒液を貯留するタンクと黒液を送るポンプ等を有する。黒液加熱部51は、例えば図示しない蒸気等との熱交換器によって黒液を加熱する。黒液加熱部51の加熱温度は、図示しない制御部によって制御される。
制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
黒液加熱部51は、黒液供給源50から供給された黒液を所定の加熱温度まで加熱した後に黒液配管52に供給する。黒液配管52は、黒液供給源50と黒液加熱部51と黒液供給ノズル54とを接続する。黒液供給ノズル54は、黒液配管52から供給された黒液を火炉22内に黒液を粒子状にして噴射する。黒液供給ノズル54では、例えば供給された黒液を図示しない当て板に所定の角度で衝突させることで、反発した黒液が粒子状にすることができる。
黒液供給ノズル54は、例えば横断面が矩形とされた火炉22の各壁面のそれぞれに配置されている。各黒液供給ノズル54は、水平方向に並んで、つまり火炉22の底面から鉛直方向の同じ高さ位置に配置されている。
1次空気供給部26は、空気供給源60と1次空気供給管62と第1供給ポート64とを有する。空気供給源60は、黒液の燃焼に用いる1次空気を火炉22内に送る装置であり、送風ファン等である。1次空気供給管62は、空気供給源60と第1供給ポート64とを接続する。第1供給ポート64は、空気供給源60から供給された1次空気を火炉内へ噴射する。第1供給ポート64は、鉛直方向において、黒液供給ノズル54よりも下方で火炉22の底面の近傍に配置されている。第1供給ポート64は、例えば火炉22の各壁面のそれぞれに複数配置されている。各第1供給ポート64は、水平方向に並んで、つまり火炉22の底面から鉛直方向の同じ高さ位置に配置されている。各第1供給ポート64は、チャーベッドCが堆積している領域に向けて1次空気を供給する。
2次空気供給部28は、空気供給源70と2次空気供給管72と第2供給ポート74とを有する。空気供給源70は、黒液の燃焼に用いる2次空気を火炉22内に送る装置であり、送風ファン等である。2次空気供給管72は、空気供給源70と第2供給ポート74とを接続する。第2供給ポート74は、空気供給源70から供給された2次空気を火炉内へ噴射する。第2供給ポート74は、例えば火炉22の各壁面のそれぞれに複数配置されている。各第2供給ポート74は、鉛直方向において、黒液供給ノズル54よりも下方で第1供給ポート64よりも上方に配置されている。また、各第2供給ポート74は、水平方向に並んで、つまり火炉22の底面から鉛直方向の同じ高さ位置に配置されている。第2供給ポート74は、チャーベッドCが堆積している領域の鉛直方向上側の近傍に向けて2次空気を供給する。
3次空気供給部30は、空気供給源80と3次空気供給管82と第3供給ポート84とを有する。空気供給源80は、黒液の燃焼に用いる3次空気を送る装置であり、送風ファン等である。3次空気供給管82は、空気供給源80と第3供給ポート84とを接続する。第3供給ポート84は、火炉22内に3次空気を噴射する。第3供給ポート84は、例えば火炉22の各壁面のそれぞれに複数配置されている。各第3供給ポート84は、鉛直方向において、黒液供給ノズル54よりも上方に配置されている。また、各第3供給ポート84は、水平方向に並んで、つまり火炉22の底面から鉛直方向の同じ高さ位置に配置されている。
3次空気供給部30は、黒液供給部24の鉛直上方の領域に3次空気を噴射し、未燃チャーを完全燃焼させるとともに、エアカーテンを形成することで、3次空気が供給されている空間よりも鉛直方向上側すなわち排ガス流れの下流側に未燃チャーが流れることを抑制する。
なお、上述の空気供給源60,70,80は、1つの空気供給源としてもよい。つまり、1つの空気供給源から供給する空気を1次空気、2次空気、3次空気に分けてもよい。制御部は、本実施形態では、黒液供給部24から供給される黒液の燃焼状態量(発熱量など)に対して、1次空気、2次空気及び3次空気の全体流量を一定とした上でそれぞれの流量割合を制御する。
また、空気供給源60,70,80は、例えば空気予熱器等で予熱した空気を供給することが好ましい。図示しない空気予熱器は、排ガスと熱交換することによって黒液の燃焼に用いる空気を加熱する。
スメルト回収部34は、チャーベッドCで黒液が燃焼されることで生成されたスメルトSを回収する。スメルトSは、黒液の溶融物であり炭酸ナトリウム(NaCO)とNaSが主成分となる。スメルトSには、NaSO、NaSO、NaSiO、NaOH等も含まれる。スメルト回収部34は、排出配管102と回収タンク104とを有する。排出配管102は、チャーベッドCにあるスメルトSを火炉22から排出する配管である。回収タンク104は、排出配管102から排出されたスメルトSを貯留する。
ソーダ回収ボイラ10は、黒液燃焼装置12に黒液を投入しつつ、1次空気、2次空気及び3次空気を供給することで、黒液を燃焼させる。黒液燃焼装置12は、1次空気、2次空気及び3次空気の各流量を図示しない制御部によって調整することで、適切な燃焼雰囲気とする。また、ソーダ回収ボイラ10は、黒液とチャーベッドCを燃焼させることで、スメルトSを生成し、回収することで、ナトリウム等のアルカリ成分を回収する。また、ソーダ回収ボイラ10は、黒液燃焼装置12で生成された排ガスの熱を熱交換器ユニット15で水や蒸気などの媒体と熱交換して回収する。また、ソーダ回収ボイラ10は、集塵機16と悪臭物質除去手段18で排ガスに含まれる煤塵やNO2などの物質を除去した後、煙突20から排出する。
次に、図2を用いて、黒液燃焼装置12の運転条件について説明する。図2は、図1で説明した黒液燃焼装置12を簡略化して示した図である。
火炉22内に投入される黒液の濃度は、70wt%以上、好ましくは73wt%以上、より好ましくは75wt%以上で、80wt%以下とされている。黒液の濃度は、全重量に対して水分を除去した重量の割合である。
黒液供給部24から供給される黒液の温度は、130℃以上150℃以下とされている。黒液の加熱は、黒液加熱部51によって行われ、その加熱温度は図示しない制御部によって調整される。
3次空気供給部30から供給される3次空気量は、1次空気、2次空気及び3次空気を合計した全空気量の25%以上40%以下とされている。3次空気供給部30から供給される3次空気量は、従来は全空気量の15%程度であったが、本実施形態では3次空気量を増加することで、エアカーテンの機能を強化形成して、3次空気が供給されている空間よりも鉛直方向上側すなわち排ガス流れの下流側に未燃チャーが流れることを抑制する。
1次空気供給部26から供給される1次空気量及び2次空気供給部28から供給される2次空気量は、全空気量から3次空気量を差し引いた空気量を例えば按分した量とされ、通常は1次空気量よりも2次空気量の方が多くなるように設定される。例えば、3次空気量を30%とした場合、1次空気量と2次空気量を合せた空気量は70%となり、1次空気量は25%~35%とされ、2次空気量は45%~35%とされる。
3次空気供給部30から供給される3次空気量の増加で、相対的に1次空気供給部26及び2次空気供給部28から供給する空気量が減少する。これにより、チャーベッドCの燃焼を緩慢にすることでガス温度の上昇を抑制し、チャーベッドCからのナトリウムの飛散を抑制することができる。
3次空気供給部30から供給される3次空気を火炉22内に押し込む際の供給圧力(風圧)は、200mmAq以上600mmAq以下(好ましくは450mmAq以下)とされている。供給圧力が600mmAqを超えると、空気を加圧する動力が増加するので好ましくない。
1次空気の供給圧力(風圧)は例えば50mmAq以上100mmAqとされ、2次空気の供給圧力は例えば150mmAq以上200mmAq以下とされている。
以上の条件で黒液を燃焼させると、濃度が70wt%以上とされた高濃度の黒液であっても、130℃以上の高温とされた黒液を火炉22内に供給することで、黒液の浮遊燃焼率が例えば50%以上となる。これにより、炉床部に堆積するチャーベッドCの大きさが小さくなり、その保有熱を減少させることができる。浮遊燃焼率とは、火炉22内に供給された黒液のうち、チャーベッドCに到達する前に火炉内の気相部で燃焼する割合をいう。
黒液の温度を130℃以上へと上昇させることで、黒液を火炉22内へ噴射後に黒液の粒子中の水分が早期に蒸発して、蒸発過程で黒液粒径が小さくなり黒液の浮遊燃焼率が上昇する。
これに対して、例えば黒液の加熱温度を120℃~130℃に設定すると、浮遊燃焼率が低下して、例えば30%程度まで下がり、図3に示すように、炉床部に堆積するチャーベッドCが大きくなり保有熱が増大する。この状態では多くのナトリウムがチャーベッドCから蒸発して飛散しやすくなる。
濃度が70wt%以上の高濃度の黒液に対して、浮遊燃焼率を増加させてチャーベッドCを小さくし保有熱を減少させるにあたり、3次空気量を全空気量の25%以上として多くの3次空気を供給している。これにより、3次空気によって未燃チャーの燃焼を促進して、完全燃焼もしくは完全燃焼に近づけるとともに、浮遊燃焼率増加に伴う未燃チャーの飛散増加に対してエアカーテンの作用が増強することで、未燃チャーの熱交換器15への付着を抑制する。また、3次空気での燃焼完結によって燃焼ガス温度の上昇を抑えるので、熱交換器15の灰閉塞が排ガス温度の上昇に起因して溶融化で発生する溶融付着灰を抑制し、熱交換器エレメントの灰閉塞を抑制することができる。さらに、3次空気の供給圧力を200mmAq以上としているので、エアカーテンとしての機能が更に強化されて、より未燃チャーが下流側へ流れることを抑制している。
なお、エアカーテンの機能をさらに強化するために、図4A及び図4Bに示すように、3次空気供給部30を鉛直方向の上下で、上段(図4A)と下段(図4B)に設け、上段と下段を鉛直上方側から見込んだ場合に3次空気の火炉22内への相互の噴出方向をオフセットさせるようにしても良い。また、壁面間で対向する3次空気の噴出方向を、互いに衝突しないようにオフセットされている。
また、図5に示すように、3次空気を噴出するノズルの噴口径を異ならせ、隣り合う噴口径を交互に大小となるようにしても良い。そして、壁面間で対向するノズル同士についても噴口径の大小を異ならせて、3次空気の衝突を避けるようにする。これにより、噴口径を大として貫通力を高めるとともに、噴口径が大とされた側方の領域を未燃チャーがすり抜けて通過しないように噴口径が小とされたノズルから3次空気を供給することができ、エアカーテンの作用が増強することで、未燃チャーの熱交換器への付着を抑制し、また未燃チャーを完全燃焼もしくは完全燃焼に近づけることができる。
また、図6に示すように、図5のように噴口径を変えることに代えて、各ノズルに設けたダンパ(図示せず)の開度を調整しても良い。この場合も、ダンパ開度を大としたノズルに対向するノズルのダンパ開度は小として、3次空気の衝突を避けるようにする。また、隣り合うノズルのダンパ開度の大小が交互となるようにする。また、他の壁面(図6において紙面上下の壁面)から3次空気を供給するようにしても良い。他の壁面(図6において紙面上下の壁面)から3次空気を供給する場合には、紙面左右の壁面から供給される3次空気流への影響を少なくする為、ダンパの開度は、最小限とする。ダンパ開度については、図示しない制御部によって制御するようにしても良い。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
黒液の濃度が70wt%以上とされた高濃度の黒液とされていても、130℃以上に加熱された黒液を火炉22内に噴射して供給することとしたので、黒液が炉床部に堆積するチャーベッドCに到達する間に火炉22内の気相部で燃焼する浮遊燃焼率を高めることができる。これにより、チャーベッドCに到達する黒液が減少するのでチャーベッドCの増大を抑制してチャーベッドCの保有熱の上昇を抑えることができる。したがって、チャーベッドCからナトリウムが多く蒸発して飛散することを抑えて、火炉22内の気相中での炭酸ナトリウムの生成を抑えることができる。これにより、火炉22の燃焼ガス流れの下流側に配置された過熱器15a等の熱交換器15が炭酸ナトリウムによって浸炭されて劣化することを抑制することができる。
3次空気供給部30から供給される空気量を全体空気量の30%以上とすることによって、従来よりも多くの空気を黒液供給部24の鉛直上方に供給することとした。これにより、未燃チャーの燃焼を促進して、未燃チャーを完全燃焼もしくは完全燃焼に近づけるとともに、飛散増加に対してエアカーテンの作用が増強することで、未燃チャーの熱交換器への付着を抑制する。また、上方空気での燃焼完結によって燃焼ガス温度の上昇を抑えるので、熱交換器15の付着灰が排ガス温度の上昇に起因して付着灰が溶融化で発生する熱交換器エレメントの灰閉塞を抑制することができる。
また、3次空気供給部30から供給する空気量を増加させることで、相対的に1次空気供給部26及び2次空気供給部28から供給する空気量が減少する。これにより、チャーベッドCの燃焼を緩慢にすることでガス温度の上昇を抑制し、チャーベッドCからのナトリウムの飛散を抑制することができる。これにより、炭酸ナトリウムの生成を抑えて火炉の燃焼ガス流れの下流側に配置された過熱器等の熱交換器15の劣化を抑制することができる。
200mmAqの供給圧力で3次空気を3次空気供給部30から供給することによってエアカーテンの機能を更に強化することで、燃焼ガス流れの下流側に未燃チャーが飛散することを防止して、未燃チャーの熱交換器15への付着を抑制することができる。熱交換器15の付着灰を減少させて、排ガス温度の上昇に起因して溶融化することで発生する熱交換器エレメントの灰閉塞を抑制する。
なお、図1に示した集塵機16等で灰を採取し、灰のCO濃度を計測し、制御部に送るようにしても良い。制御部は、灰のCO濃度に基づいて、黒液の加熱温度を制御する。制御部は、灰のCO濃度が所定値よりも高い場合には、ナトリウムが多く飛散していると判断して浮遊燃焼率を上げるために黒液加熱部51の加熱温度を上げるように制御する。これにより、炭酸ナトリウムの生成を抑えて過熱器15a等の熱交換器15の劣化を抑制することができる。ただし、灰の採取位置は、集塵機16が適切であるが、熱交換器ユニット15の排ガス流れの下流側であれば他の位置であっても良い。
10 ソーダ回収ボイラ
12 黒液燃焼装置
14 煙道
15 熱交換器ユニット
15a 過熱器
15b 蒸発器
15c 節炭器
16 集塵機
18 悪臭物質除去手段
20 煙突
22 火炉
24 黒液供給部
26 1次空気供給部(下方空気供給部)
28 2次空気供給部(下方空気供給部)
30 3次空気供給部(上方空気供給部)
34 スメルト回収部
50 黒液供給源
51 黒液加熱部
52 黒液配管
54 黒液供給ノズル
60 空気供給源
62 1次空気供給管
64 第1供給ポート
70 空気供給源
72 2次空気供給管
74 第2供給ポート
80 空気供給源
82 3次空気供給管
84 第3供給ポート
102 排出配管
104 回収タンク
C チャーベッド
S スメルト

Claims (5)

  1. 火炉と、
    70wt%以上の濃度とされたナトリウムを含む黒液を前記火炉内に供給する黒液供給部と、
    前記黒液供給部に設けられ、導かれた黒液を130℃以上に加熱する黒液加熱部と、
    前記黒液供給部から供給された黒液によって該黒液供給部の鉛直下方に生成されて堆積したチャーベッドと該黒液供給部との間に空気を供給する下方空気供給部と、
    前記黒液供給部の鉛直上方から前記火炉内に空気を供給する上方空気供給部と、
    を備え
    前記上方空気供給部から供給される空気の供給圧力を、200mmAq以上とされている黒液燃焼装置。
  2. 前記上方空気供給部から供給される空気の空気量は、該上方空気供給部及び前記下方空気供給部から供給される全体空気量の30%以上とされている請求項1に記載の黒液燃焼装置。
  3. 前記上方空気供給部の燃焼ガス流れの下流側にて採取された灰のCO濃度に基づいて、前記黒液加熱部の加熱温度を制御する制御部を備えている請求項1又は2に記載の黒液燃焼装置。
  4. 請求項1からのいずれかに記載された黒液燃焼装置と、
    前記上方空気供給部よりも燃焼ガス流れの下流側に配置され、蒸気を生成する熱交換器と、
    を備えているソーダ回収ボイラ。
  5. 火炉と、
    70wt%以上の濃度とされたナトリウムを含む黒液を前記火炉内に供給する黒液供給部と、
    を備えた黒液燃焼装置の制御方法であって、
    前記火炉に供給される黒液を130℃以上に加熱し、
    前記黒液供給部から供給された黒液によって該黒液供給部の鉛直下方に生成されて堆積したチャーベッドと該黒液供給部との間に空気を供給し、
    前記黒液供給部の鉛直上方から前記火炉内に空気を供給し
    前記黒液供給部の鉛直上方から前記火炉内に供給する空気の供給圧力を、200mmAq以上とする黒液燃焼装置の制御方法。
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