JP4140753B2 - 同期データ伝送方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルシステム間のデータ伝送に関し、特にマイクロプロセッサとマイクロコンピュータ間、または二つのマイクロプロセッサ間のデータ伝送に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタルコンピュータ時代の到来以来、デジタルデータ伝送方法は、コンピュータシステムの実装において極めて重要になってきており、それらに対する様々な開発が行われてきた。一般に、データ伝送方法は、「物理層」とも呼ばれる物理リンクに常に基くもので、これにより電気信号の形式および継続時間を定義する所定のプロトコルに従った、ライン上の二つのノード間における電気信号の物理的な伝送が保証される。このプロトコルは、物理層と組み合わされ、通信プロトコル、すなわちデータリンク層によって完成されるもので、これにより通信装置間で特定のデータの送受信および同期規則を割り当てることによって、衝突を避けつつデータ転送を管理することができる。そして、この第2レベルのプロトコルは、物理層を介して送信されるコマンドによって構成される第3レベルのプロトコルによって完成され、各コマンドは、そのフォーマット、内容、および指示が予め定義された規則に適合しているビット列によって構成されている。コンピュータネットワークやデジタル電話通信ネットワークのような非常に高レベルのネットワークでは、これらの第1レベル以外に、一緒にネットワークの一貫性を保証する重要な階層のプロトコルがある。
【0003】
本発明は、データリンク層レベルに位置する低レベルのデータ伝送方法に関するもので、例えばマイクロコンピュータを使用してマイクロプロセッサ上で試験または保守動作を行うために、マイクロコンピュータとマイクロプロセッサ間の通信、または例えば単一のプリント回路基盤上に配置された二つのマイクロプロセッサなどの、二つのマイクロプロセッサ間の通信などの産業上の適用を意図したものである。
【0004】
この適用の分野において最もよく使用されているデータ伝送方法には、同期方式と非同期方式の両方がある。同期方式は、マスタ装置によって送信されるクロック信号を伝達するクロック線が存在することで非同期方式と区別され、それ以外の一つまたは複数の装置は、データを送受信するために該クロック信号の同期をとる。同期方式の利点は、共通のクロック信号によって行われる同期により、非常に長いビット列を送信できるようになることである。一方、この方式では、前記の装置がそれらの動作の同期をとれるようにする様々な制御信号(RX、TX、RS、TS…)を伝えるために、いくつかの線が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
さらに詳細には、同期通信方法は、上述した適用に対して3つの主な欠点がある。一方では、この方法は、制御信号を送信できるようにするために、いくつかのマイクロプロセッサ入力/出力を保有する必要がある。もう一方では、この方法は、マイクロプロセッサに、いわゆるUSART回路(Universal Synchronous Asynchronous Receiver Transmitter)などの、通信プロトコルを管理する特定のインタフェース回路を備える必要があり、その価格およびサイズがかなりのものになる。最後に、この方法では、互換性をもつように通信すべき二つの装置の各内部クロックが必要である。さらに、前記装置の一方は、マルチタスクモードで動作することができ、もう一方の装置に指示された時にデータを送受信するために利用可能なものではない。
【0006】
非同期データ伝送方式は、二本の線のみを用いて実現することができるという点において有利であるが、この方法もまた、通信プロトコルを管理し、送受信されるビット列を格納するためにバッファレジスタを含む、UART回路(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)などの特定の通信インタフェース回路が必要である。所定の周波数で動作する装置は、さらに高い周波数で動作する装置によって送信される非同期データを受信できないので、非同期通信はまた、調整されたクロック周波数も必要とする。
【0007】
従って、本発明の一つの目的は、同期タイプのもので、非常に異なるクロック周波数を有する二つの装置が、適用可能である場合に、通信できるようにするデータ伝送方法を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、シリアルデータ伝送のために、二本の線のみにより実現できるような同期方式を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的は、二つの装置間で、論理値Aのデフォルト値に維持されているクロック線と少なくとも一本のデータ線により、データを伝送するための方法であって、各装置は、Aと反対の論理値Bを表す電位に前記クロック線を拘束することが可能で、データが送信される際、前記二つの装置はクロック線をBに拘束し、データが送信される装置は、該装置が前記データを読み取っていない間はクロック線を解放せず、データを送信する装置は、少なくともデータが送信される装置によってクロック線が解放される時点までは、前記データをデータ線上に維持することを特徴とする方法を提供することによって達成される。
【0010】
ある実施形態によれば、前記装置の一方はマスタで、もう一方はスレーブであり、マスタは、データが送信される際に、データが送信される方向に関わらず、最初に前記クロック線をBに拘束するものであることにおいてスレーブと区別される。
【0011】
ある実施形態によれば、マスタがデータをスレーブに送信すべき時、マスタは、前記データをデータ線に出力し、それからクロック線をBに拘束する。
【0012】
ある実施形態によれば、スレーブがマスタからデータを受信すべき時、スレーブは、前記クロック線上において値Bを検出し、それからクロック線をBに拘束し、前記データを読み取る。
【0013】
ある実施形態によれば、スレーブが、データを受信した後にクロック線を解放するために有する時間は、スレーブがクロック線を解放していない間、マスタはいかなる新たなデータも送信しないので、マスタのいかなる動作とも無関係である。
【0014】
ある実施形態によれば、マスタがスレーブからデータを受信すべき時、マスタはクロック線をBに拘束する。
【0015】
ある実施形態によれば、スレーブがマスタにデータを送信すべき時、スレーブは、クロック線上において値Bを検出し、それからクロック線をBに拘束し、前記データをデータ線に出力する。
【0016】
ある実施形態によれば、スレーブが、データを送信した後でクロック線を解放するために有する時間は、スレーブがクロック線を解放していない間、マスタは新たなデータの送信を要求するためにクロック線をBに拘束しないので、マスタによるいかなる動作とも無関係である。
【0017】
ある実施形態によれば、クロック線が論理値Aを有している時、マスタがクロック線をBに拘束するために有する時間は、スレーブによるいかなる動作とも無関係である。
【0018】
ある実施形態によれば、前記方法は、クロック線がAからBに変わると自動的に前記クロック線をBに拘束するトリガ手段と、前記トリガ手段にクロック線解放信号を出力するための入力と、クロック線が前記トリガ手段によってBに拘束されている時は第1の値を有し、クロック線がトリガ手段によって解放されている時は第2の値を有する情報信号を送るための出力とを備える通信インタフェース回路を、前記スレーブに備えつけるステップを含む。
【0019】
ある実施形態によれば、前記方法は、前記通信インタフェース回路に、少なくとも一つのデータを格納する手段と、クロック線がAからBに変わると自動的に前記データをデータ線に出力する手段とをさらに備えるステップを含む。
【0020】
ある実施形態によれば、A=1かつB=0である。
【0021】
本発明はまた、クロック線への接続端子と、データ線への少なくとも一つの接続端子と、論理値Aと反対の論理値を表す電位Bに前記クロック線を拘束する手段と、データが送信される時に、クロック線が前記論理値Aを持つことを確認または待機し、前記データをデータ線に出力し、前記クロック線をBに拘束し、それからクロック線を解放し、少なくとも前記クロック線が論理値Aを持つ時点まで前記データをデータ線上に維持する動作を行う手段とを含む、マスタタイプの送受信装置に関するものである。
【0022】
ある実施形態によれば、前記装置は、データが受信される時に、クロック線が論理値Aを持つことを確認または待機し、前記クロック線をBに拘束し、データ線上のデータを読み取り、それからクロック線を解放する動作を行う手段をさらに含む。
【0023】
本発明は、上述したようなマスタタイプ装置と通信するようになされたスレーブタイプのデータ送受信装置であって、クロック線への接続端子と、データ線への少なくとも一つの接続端子と、論理値Aと反対の論理値を表す電位Bに前記クロック線を拘束する手段と、データが受信される時に、クロック線におけるAからBへの変化を検出し、前記クロック線をBに拘束し、データ線上のデータを読み取り、前記クロック線を解放する動作を行う手段とを備える装置にも関するものである。
【0024】
ある実施形態によれば、前記スレーブタイプ装置は、データが送信される時に、クロック線におけるAからBへの変化を検出し、前記クロック線をBに拘束し、データ線にデータを出力し、前記クロック線を解放する動作を行う手段をさらに備えるものである。
【0025】
本発明は、クロック線と少なくとも一本のデータ線によって、上述したスレーブタイプの装置に接続された、上述したマスタタイプの装置を備える、同期データ伝送システムにも関するものである。
【0026】
本発明はまた、クロック線と少なくとも一本のデータ線によって、上述したマスタタイプ装置に接続されている、または接続されるようになされたスレーブタイプの通信インタフェース回路であって、論理値Aと反対の論理値を表す電位Bにクロック線を拘束する手段と、前記クロック線がAからBに変化すると自動的にクロック線をBに拘束するトリガ手段と、クロック線解放信号を前記トリガ手段に出力するための入力と、前記トリガ手段によってクロック線がBに拘束されている時は第1の値を有し、該トリガ手段によってクロック線が解放されている時は第2の値を有する情報信号を送るための出力とを備えるインタフェース回路に関するものである。
【0027】
ある実施形態によれば、前記通信インタフェース回路は、少なくとも一つのデータを格納する手段と、前記クロック線がAからBに変化した時に自動的に前記データをデータ線に出力する手段とをさらに備えるものである。
【0028】
本発明のこれらおよび他の目的、特徴、および利点は、本発明の方法に関する以下の説明において、下記の図面と関連させてさらに詳細に説明される。
【0029】
【発明の実施の形態】
(本発明の方法の一般原理)
図1は、一方はクロック線CKとして、他方はデータ線DTとして使用される二本の線のみを用いて、二つの装置D1、D2間の同期データリンクを達成するための、本発明による方法の実施の一例を概略的に示すものである。クロック線は、所定の論理値のデフォルト値、ここでは、例えば、一方はクロック線CKに、他方は論理“1”を示す電源VDDに接続されたプルアップ抵抗によって得られる値“1”に維持されている。データ線DTもまた、プルアップ抵抗によって所定の論理値、ここでは値“1”に維持されていることが好ましい。
【0030】
本発明によれば、各装置D1、D2は、クロック線CK上で二つの動作を行うことができる。
1)クロック線CKを、デフォルト値と反対の論理値に拘束する、すなわちここではCK線を0に拘束する
2)クロック線CKを、デフォルト論理値に戻るように解放する。
【0031】
本発明によれば、これら二つの基本動作は、以下の一般規則を適用することによって、装置D1、D2間のデータ伝送の同期をとるために用いられる。
1)二つの装置は、データを送信する時はクロック線を0に拘束する。
2)データを送信する装置は、少なくともデータを読み取るべき装置によってクロック線が解放される時点までは、データ線DT上に該データを維持する。
3)データを読み取る装置は、該データを読み取った後にのみクロック線CKを解放する。
【0032】
なお、本明細書では「0に拘束する」(または「低く拘束する」)という表現が、「強制的に0にする」という表現より好まれているが、二つの表現は極めて類似していることが分かるであろう。実際、ある装置が「クロック線を強制的に0にする」と言えば、該装置がクロック信号を0に変えることを意味するであろう。しかし、本発明の方法では、ある装置は、クロック線がすでに他の装置によって強制的に0にされている間に、クロック線を強制的に0にすることができる。このような状況では、「拘束する」という動詞がより適切であると思われる。
【0033】
データを送信するために前記各装置が行う動作をここで説明する。前記装置の一方、例えばD1をマスタ装置(MSTR)と呼び、もう一方の装置D2をスレーブ装置(SLV)と呼ぶ。「マスタ」と「スレーブ」という語はここでは、これらの語の通常の意味で使用されるものでないことに留意すべきである。ここでマスタ装置は、マスタが常に最初にクロック線CKを0に拘束するという点で、スレーブ装置と区別される。このために、マスタは、スレーブの動作に依存しない時間を有する。データ線DT上のデータを送信した、または読取った後でクロック線CKを解放するために、スレーブもまたマスタの動作に依存しない時間を有する。
【0034】
このように、データがマスタによって送信される場合は、データがスレーブによって送信される場合と区別される。
【0035】
(マスタからスレーブ方向のデータ伝送)
データビットをスレーブに送信するためにマスタが行う動作が図2Aのフローチャートで説明されるが、これは以下のステップからなる。
ステップM10:CK=1を待つ、または確認する
ステップM11:ビットbをDTに出力する
ステップM12:線CKを0に拘束する
ステップM13:CKを解放する
ステップM14:CK=1を待つ、または確認する
ステップM15:DTを解放する
ステップM16:データ処理
【0036】
まず、線CKが1でない時(ステップM10)、マスタはビットbを線DTに出力しない(ステップM11)ことが分かる。実際、線CKが0のままなら、これは、スレーブが先に送信されたデータを読み取っているか、他のタスクで忙しいか、またはそのクロックが非常に遅いために、データ受信の用意ができていないことを意味し、実際にこれらの様々な可能性は重なりうる。従って、ここでは、新しいデータの送信はスレーブの「許可」をに依存し、この許可は線CKが解放された(1になった)時点から得られるのみであると思われるだろう。
【0037】
線CKが解放されると、マスタは、ステップM11でデータを線DTに出力することによって始動し、ステップM12で線CKを0に拘束して、データが利用可能であることをスレーブに通知し、その後ステップM13で線CKを解放する。線CKが0に設定される前に線DTにデータを出力することによって、スレーブが線CKにおいて立下がりエッジを検出するとすぐに、データが利用可能となることがスレーブに保証される。
【0038】
「データ処理」ステップM16は、新たなデータを送信するためにステップM10に戻る前にマスタが行うであろう任意の操作を意味する。こうしてマスタは、内部メモリにデータを読み取っている、またはその出力にデータを準備しているか、他のタスクで忙しいか、あるいはそのクロックがスレーブと比べて非常に遅いので、スレーブと無関係に新たなデータの送信を遅延することができ、さらに実際にはこれらの様々な可能性が重なることがあり得る。こうしてここでは、データの送信は、マスタの利用可能性にも依存するように思われる。
【0039】
図2Aのフローチャートにおいて点線で表されるステップM14およびM15は、ビット列を送信する場合、随意行われる。実際には、ステップM11で線DTに出力されたデータは、次のビットを送信することに相当する次のステップM11まで線DT上に維持することが可能である。その場合、確認ステップM14は、確認ステップM10と一緒だと重複する。
【0040】
マスタによって送信されたデータを読み取るためにスレーブが行う動作を図2Bのフローチャートにおいて説明するが、これは以下のステップからなる。
ステップE10:線CKにおける0への変化を検出する
ステップE11:線CKを0に拘束する
ステップE12:ビットbを読み取る
ステップE13:データ処理
ステップE14:CKを解放する
【0041】
まず、スレーブは、ステップE10で立下がりエッジを検出した後でのみ、ステップS12でデータを読み取ることが分かるであろう。実際、デフォルト論理値、この場合“1”から、反対の論理値、この場合“0”への遷移の検出は、ここではデータがマスタによって線DTに出力されたことを意味する。
【0042】
さらに、ステップE12でデータを読み取る前にステップE11で線CKを0に拘束することにより、スレーブがデータの読取を終えておらず、まだステップE14で線CKを解放することによって新たなデータを受信する用意ができていることを通知していない時、スレーブは、マスタが線DTに別のデータを出力するのを防ぐことができる。
【0043】
こうして、読取ステップE12と線CK解放ステップE14の間に、スレーブは、マスタに制御されることがなく、受信データを格納するため、あるいは他のタスクを行うために用いることのできる「データ処理」ステップE13の利益を有し、このステップの継続時間は、スレーブクロック周波数および達成しなければならないであろう他のタスクの関数である。
【0044】
すでに見たように、新たなデータの送信は、スレーブの利用可能性に支配される。スレーブ側のステップE14と、マスタ側のステップM10からステップM11への変化との因果関係は、図2Aおよび2Bに矢印で示されている。マスタ側のステップM12とスレーブ側のステップE10からステップE11の変化との因果関係は、別の矢印で示されている。
【0045】
実際には、ステップE11でスレーブによって行われる、ステップM12でマスタによって行われる動作に続く線CKを0に拘束する動作は、線CKの立下りエッジを感知するトリガ回路によって自動的かつほぼ即座に行うことができる。この場合、ステップE10は、そのようなトリガ回路の動作に内在するステップで、その例については下で説明する。
【0046】
最後に、これらの装置のそれぞれが、二つの装置を区別するために用いられている「マスタ」と「スレーブ」の資格にかかわらず、線CKの部分的マスタ装置であることが分かるであろう。その結果、各装置は、クロック周波数に格差がある場合、または一方の装置がデータ送信自体よりも優先される適用においてマルチタスクで動作する時、その装置の操作スピードをもう一方に課すことができる。
【0047】
図3Aおよび3Bは、マスタからスレーブ方向のデータ送信のための本発明による方法の全体図を示している。
【0048】
これらの二つの図では、マスタが時間t1にデータ(ビットb)を線DTに出力し、時間t2に線CKを0に拘束することが分かるであろう。その部分に対して、スレーブは、ほぼ同じ時間t2に線CKを0に拘束する。ここで、上述したように、この動作はラッチ回路によって自動的に行われるものとする。
【0049】
図3Aは、マスタがスレーブより早い場合を図示している。マスタは時間t3に線CKを解放するが、スレーブはt3に続く時間t4に線CKを解放するにすぎないことがわかるであろう。従って、この場合、その周期をデータ送信に課すのはスレーブである。該ビットは、t2とt4の間の任意の時間にスレーブによって読み取られる。
【0050】
図3Bは、スレーブがマスタより早い場合を図示している。ここで、スレーブは時間t3に線CKを解放するが、マスタはt3に続く時間t4に線CKを解放するにすぎない。従って、この場合、その周期をデータ送信に課すのはマスタとなる。前記ビットは、t2とt3の間の任意の時間にスレーブによって読み出される。
【0051】
上述したように、時間t5の、マスタによるデータ線DTの解放は、新たなデータが送信される場合、随意行われる。
【0052】
(スレーブからマスタ方向のデータ送信)
データビットをマスタに送るためにスレーブが行う動作が図4Bのフローチャートで説明され、これは以下のステップからなる。
ステップE20:線CKにおける0への変化を検出する
ステップE21:線CKを0に拘束する
ステップE22:ビットbをDTに出力する
ステップE23:データ処理
ステップE24:CKを解放する
ステップE25:CK=1を待つ、または確認する
ステップE26:DTを解放する
【0053】
ここでスレーブは、ステップE20で線CKにおける0への変化を検出した後にのみ、線DTにビットを付加する。実際、ビットがマスタによって送信されるかスレーブによって送信されるかに関わらず、データ送信を開始するのはマスタである。
【0054】
ステップE22における線DTへのビットの出力に先行して、スレーブが線CKを0に拘束するステップE21が行われる。ステップE21およびE22が、実際には同時または準同時とすることができることが下から分かるであろう。なぜなら、
―データは、スレーブ側に設けられた出力バッファに準備することができ、
―第1のトリガ回路は、立下りエッジが線CKにおいて発生した時に自動的に線CKを拘束するよう、スレーブ側に設けることができ、
―第2のトリガ回路は、線CKでレベル0が発生した時に線DTにデータを送信するよう出力バッファに自動的に作用するように、スレーブ側に設けることができるからである。
【0055】
このような状況では、前記検出ステップE20は、第1のトリガ回路の動作に含まれている。
【0056】
さらに、ステップE20〜E21は上述したステップE10〜E11(図2B)と同一であるので、下に見られるように、同様のトリガ回路によって自動的に行うことができる。
【0057】
線CKを解放するステップE24の前の「データ処理」ステップE23は、上記のように、スレーブが行うであろう任意の動作を意味し、その継続時間はマスタの制御下にあるものではない。こうして、スレーブは、線CKをまだ解放していないうちに、マスタが任意の新たなビット送信(下に述べるステップM21)を開始しないようにしている。
【0058】
図4Bにおいて点線で表されているステップE25およびE26は、ビット列送信に対して随意行われる。実際には、ステップE22で線DTに出力されたデータは、前記ビット列の次のビットが送信される次のステップE22まで線DT上に維持することができる。この場合、線CKにおける立下がりエッジの検出は、線CKがマスタによって先に解放されていることを意味するので、確認ステップE25は、検出ステップE20と一緒だと重複する。
【0059】
データを受信するためにマスタが行う動作が図4Aのフローチャートにおいて説明されており、これは以下のステップからなる。
ステップM20:CK=1を待つ、または確認する
ステップM21:線CKを0に拘束する
ステップM22:ビットbを読み取る
ステップM23:線CKを解放する
ステップM24:データ処理
【0060】
マスタは、ステップM20において、線CKを0に拘束することによって通信を開始する。ここで、この0への拘束は、ビットを送信するための要求に相当する。線CKを0に拘束する前に、マスタは、線CKがスレーブに解放されたことをステップM20で確認し、これはスレーブの準備が整っていることを意味する。
【0061】
線CKを0に拘束した後、マスタは、ステップM22でビットを読み取り、それからステップM23で線CKを解放する。マスタは、その後、例えばそのメモリに受信したビットを格納するために「データ処理」ステップM24を有するが、スレーブは、マスタがステップM21で線CKを再び0に拘束していない間は、いかなる新たなデータも送信することができないので、このステップの継続時間はスレーブの制御下にあるものではない。
【0062】
図4Aおよび図4Bでは、マスタ側のステップM21とスレーブ側のステップE20からステップE21への変化との因果関係が矢印によって示されている。別の矢印が、スレーブ側のステップE24とマスタ側のステップM20からステップM21への変化との因果関係を示している。
【0063】
図5Aおよび図5Bは、スレーブからマスタ方向のデータ送信のための本発明による方法の全体図を示している。
【0064】
これら二つの図から、マスタが線CKを0に拘束した時間t2に、スレーブが線CKを0に拘束し、データ(ビットb)を線DTに送ることが分かるが、その両方の動作はここでは、下に説明する出力バッファおよびトリガ回路の使用により同時または準同時である。
【0065】
図5Aは、マスタがスレーブより早く、時間t3に線CKを解放するが、スレーブはt3に続く時間t4に線CKを解放するにすぎない場合を図示している。こうして、ビットは時間t2と時間t3の間の任意の時間にマスタによって読み取られる。
【0066】
図5Bは、スレーブがマスタより早く、時間t3に線CKを解放するが、マスタはt3に続く時間t4に線CKを解放するにすぎない場合を図示している。こうして、ビットは時間t2と時間t4の間の任意の時間にマスタによって読取られる。
【0067】
上記のように、データ線DTの時間t5での解放は、新たなデータがスレーブによって送信される場合、随意行われる。
【0068】
しかしながら、実際には、データ送信方向が変わった際のデータ線上の衝突を避けるために、線DTの解放は、好ましくは暗黙的かつ自動的でなければならず、時間t5は、時間t4の直後に発生しなければならない。
【0069】
(スレーブ装置用の通信インタフェース回路の実施形態)
図6は、通信インタフェース回路HWCの実施形態の一例を非限定的に表しているが、これはスレーブ装置SLVと組み合わされて本発明のいくつかのステップを自動的に行うようになされる、すなわち、
1)クロック線CKでの立下りエッジに反応して、クロック線を0に拘束すること、および
2)クロック線上のレベル0に反応して、データ線DTにデータビットを出力すること、である。
【0070】
実際には、このような回路HWCは、下に見られるように、スレーブ装置に組み込むか、またはスレーブ装置に接続された外部ボックスに組み込むことができる。
【0071】
ここで、回路HWCは、4つのフリップフロップFD、それぞれFD1ないしFD4と、2つの3状態バッファT1、T2と、シュミット・トリガタイプ(すなわちスイッチヒステリシス)の3つの反転ゲートI1、I2、I3を備え、反転ゲートI2とI3は直列に並べられている。該回路HWCはまた、スレーブ装置に接続される複数の入力/出力を備え、立上がりエッジにおいてアクティブである入力ACK(“アクノリッジ”)、LOWレベルでアクティブである入力NINIT(“初期化”)、操作モード(送信または受信)を選択するための入力ER、データ入力DIN、データ出力DOUT(Data Out)、および同一名の制御信号を送る出力STATUSに分けられる。回路HWCはまた、線CKに接続される端子CKP、線DTに接続される端子DTP、端子CKPに接続されるプルアップ抵抗R1、および端子DTPに接続されるプルアップ抵抗R2を備える。
【0072】
フリップフロップFD1〜FD4のそれぞれは、
―入力D、それぞれD1〜D4、
―出力Q、それぞれQ1〜Q4、
―反転出力NQ、それぞれNQ1〜NQ4、
―出力Qを1に設定するための、LOWレベルでアクティブである入力NSET、それぞれNSET1〜NSET4、
―出力Qを0に設定するための、LOWレベルでアクティブである入力NCLR、それぞれNCLR1〜NCLR4、および
―入力Dにあるデータを出力Qに送るための、立上がりエッジでアクティブであるトリガ入力H、それぞれH1〜H4、を備える。
【0073】
回路HWCにおける様々な要素間の接続と、フリップフロップFD1〜FD4のいくつかの入力の極性1または0は、この明細書の一部である付録の表1によって説明される。任意のデータのやり取りに先立って、出力Q1はスリーブによって1に設定される。出力NQ3は、CK=1の時に0に設定され、CKが1に変わる時に、0のままであろう。
【0074】
回路HWCの動作
回路HWCは、信号ERを1にすることによってデータ受信モードに設定される。入力D3はそのとき1で、出力NQ3は0である。出力NQ3に制御されるバッファT2は高インピーダンス状態であり、出力Q4は端子DTPから分離されている。
【0075】
ラインCK/DTの他端に接続されているマスタ装置(図示せず)が、データが線DT上において利用可能であることを示すために線CKを0に設定すると、ゲートI1の出力は1に変わる。入力H2は、立上がりエッジを受信し、フリップフロップFD2をトリガし、入力D2は常に1であるので、その出力Q2は1に変わる。出力Q2が1に変わることによりバッファT1がアクティブになり、これは透過になって線CKを0(接地)に拘束する。このように、線CKでの立下りエッジに応答して、回路HWCは自動的に線CKを0に拘束する。
【0076】
同時に、ゲートI2の入力が1に変わり、信号STATUSがゲートI3の出力にて1に変わり、これによってスレーブ装置は、マスタが線CKを0に拘束したことが分かる。そしてスレーブ装置は、線DTに接続されている端子DOUT上にあるデータを読み取る。データを読み取り、例えばスレーブ装置が内部メモリに受信データを格納できるようにする「データ処理」ステップの後で、スレーブ装置は正パルスを入力ACK、すなわちフリップフロップFD1の入力H1に出力する。一方、フリップフロップFD1の入力D1が常に0で、その一方ではQ2=NSET1=1なので、出力Q1は0に移行する。出力Q1が0に変わると、その後入力NCLR2が0となり、フリップフロップFD2の出力Q2を0に変える。するとバッファT1は、高インピーダンス状態に戻り、線CKはもはや回路HWCによって接地に拘束されるものではなくなる。ラインのもう一方の側では、線CKの解放により、マスタ装置は、該装置が新たなデータを送信できることが分かる(マスタ装置がすでに線CKを解放している場合)。
【0077】
回路HWCは、信号ERを0にすることによってデータ送信モードに設定される。この場合、フリップフロップFD3の入力D3は0になる。スレーブ装置は、回路HWCの入力DINを介して、フリップフロップFD4の入力D4に送信すべきデータを出力する。
【0078】
マスタ装置が、ラインの他端において線CKを0に拘束すると、ゲートI1の出力が1になり、上述したようにバッファT1は透過になって、線CKが回路HWCによって0に拘束される。同時に、信号STATUSは、送信モードから受信モード、または受信モードから送信モードへと変わる際の同期のために設けられている二つのゲートI2、I3によって施されたある遅延後に、0に変わる。入力H3、H4は信号STATUSの立上がりエッジを受信し、フリップフロップFD3、FD4をトリガする。こうして、出力NQ3は1に変わり(D3は0に等しい信号ERを受信している)、バッファT2は透過になる。同時に、出力Q4は入力D4にあるデータを送り、従って該データはデータ線DTに出力される。スレーブ装置が新たなデータを端子DINに出力できるようにする「データ処理」ステップの後で、スレーブ装置は端子ACKに正パルスを出力し、これによりバッファT1は高インピーダンス状態に戻る。信号STATUSは0に戻る。この時、線CKは、マスタ装置がすでにデータを読み取り、ラインの他端において信号CKをすでに解放していれば、1に戻る。さもなければ、マスタ装置が読取り動作を完了し、かつ/または他のタスクを行った時に、線CKは1に戻る。
【0079】
線CKが1に戻ると、ゲートI1の出力は0に変わり、これによりフリップフロップFD3の入力NSET3がアクティブになり、出力Q3が1に、出力NQ3が0に変わる。こうして出力バッファT2は高インピーダンス状態に戻り、データはもはや線DTに出力されない。マスタ装置が線CKを再び0に拘束すると、入力DIに出力された新たなデータは、ここで述べた方法で線DTに送られる。
【0080】
フリップフロップFD2の入力NSET2を駆動する端子NINITは、ビット送信とは独立して線CKを0に拘束するために、出力Q2を1に拘束することができる。このようにできることは高レベルプロトコルを実現するのに用いることができ、これによってスレーブ装置は、データを送信する用意ができている、またはデータを受信する用意ができていることをマスタ装置に示すことが可能になる。
【0081】
直列に接続されている二つの反転ゲートI2およびI3では、H3の立上がりエッジが、入力NSET3が1に変わった後に発生することを確実にする設定スイッチ遅延が生じる。
【0082】
(本発明による方法の適用例)
図7は、本発明による方法を、マイクロコンピュータPCとマイクロプロセッサMP間のデータ伝送に適用して、例えばマイクロコンピュータPCを介してマイクロプロセッサMP上で制御、試験、または保守動作を行う場合を示している。インタフェース回路HWCは、マイクロコンピュータパラレルポートのコネクタ10に直接プラグ接続されている小さなボックス内に配置されている。クロック線CKおよびデータ線DTは、一方を回路HWCに、もう一方をマイクロプロセッサMPの入力/出力ポートに接続されている。図2A、2B、4A、4Bのフローチャートにおいて説明したステップは、回路HWCによって自動的に行われるステップを除いて、装置PC、MPのそれぞれに設けられるプログラムによって行われ、そのようなプログラムは当業者の理解内のものである。
【0083】
実際には、本発明による方法の実現では、どの装置が最初にデータを送信すべきかを決定することによって通信を初期設定することができる高レベルプロトコルを設けることが必要である。ひとたび通信が始まると、このプロトコルは、どちらが次のビット列を送信すべきか二つの装置が知ることができるようにする、データ線によって送信されるコマンドに基づく。例えば、データを送信する装置は、所定数のビット列(例えば数バイト)を送信するつもりである、次に受信モードに設定するつもりである、などを、もう一方の装置に示すことができる。良好なプラクティスによれば、この高レベルプロトコルに関して多くの実施例が考えられる。
【0084】
具体的には、マイクロプロセッサ上で試験動作が予定される時、通信は以下のように初期設定することができる。マイクロコンピュータは、設けられたマイクロプロセッサのある入力に信号RSTを出力することによってマイクロプロセッサを0に設定し、それから所定数Nの電気パルスを、線DTを介してマイクロプロセッサに送信する。マイクロプロセッサは、0にリセットした後にアクティブとされ、受信したN個のパルスをカウントする内部カウンタを有している。この数が予め定められた数N1と一致すれば、マイクロプロセッサは試験モードに移行し、そのメモリ内の特定のアドレスに記録されている試験プログラムを読み出す。この試験プログラムは、例えば、処理すべき指示を受信するために受信モードに設定しなければならないことを示す。マイクロプロセッサは線CKを0に拘束して、最初のデータを受信し、以下同様にして完全な指示を受信する。
【0085】
通信は多くの他の方法で初期設定できることは了解されるであろう。例えば、第1の装置がクロック線を任意の時点で0に設定して、その時受信モードに設定されているもう一方の線にデータを送信することができるようにすることが可能である。
【0086】
本発明による方法は、異なる適用および実施例の余地があることは理解されるであろう。特に、本発明は、最初は二つの装置間の直列リンクを提供するように設計されたが、本発明は並列通信にも適用可能で、これは平行して転送されるべきビット数に相当する数の複数のデータ線DTを設けることによって非常に簡単に達成することができる。さらに、本発明による方法は、1に等しいデフォルト論理値を用いて上で説明されたが、この値は接地接続されたプルダウン抵抗により0とし、そして前記装置はデータやり取り処理のためにクロック線を1(VDD電圧)に拘束することもできることは理解されるであろう。最後に、本発明のある実施形態は、二つの通信インタフェース回路、一方はスレーブで、もう一方はマスタ、を用い、本発明による方法の全ステップを行うためのソフトウェアおよびハードウェアを備えることを含む。これらの装置または通信コプロセッサは、あらゆるタイプの装置に含まれる、またはあらゆるタイプの装置に接続されて、装置が通信し、二本の線のみを用いてシリアルデータを、または数本のデータ線を用いてパラレルデータをやり取りできるようにする同期データ伝送システムを得ることができる。
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の、二本の線のみによる実現を示す。
【図2】本発明による方法の、マスタ装置がデータを送信する時にマスタ装置とスレーブ装置によってそれぞれ行われるステップを表すフローチャート(図2A、2B)である。
【図3】マスタ装置がデータを送信する時にクロック線とデータ線上にある信号を表すタイミング図で、それぞれマスタがスレーブより早い場合(図3A)と、スレーブがマスタより早い場合(図3B)を示している。
【図4】本発明による方法の、スレーブ装置がデータを送信する時にマスタ装置とスレーブ装置によってそれぞれ行われるステップを表すフローチャート(図4A、4B)である。
【図5】スレーブがデータを送信する時にクロック線とデータ線上にある信号の側面を表すタイミング図で、それぞれマスタがスレーブより早い場合(図5A)と、スレーブがマスタより早い場合(図5B)を示している。
【図6】本発明による、スレーブ装置と組み合わされる通信インタフェース回路を示す図である。
【図7】本発明の方法の、マイクロコンピュータとマイクロプロセッサ間の通信への適用を示す。
【符号の説明】
D1 マスタ装置(MSTR)
D2 スレーブ装置(SLV)
CK クロック線
DT データ線
HWC 通信インタフェース回路
FD1、FD2、FD3、FD4 フリップフロップ
T1、T2 3状態バッファ
I1、I2、I3 反転ゲート
CKP 端子
DTP 端子
R1、R2 プルアップ抵抗
PC マイクロコンピュータ
MP マイクロプロセッサ
10 コネクタ
Claims (19)
- 二つの装置(D1、MP、D2、PC)間において、論理値Aのデフォルト値に維持されているクロック線(CK)と少なくとも一本のデータ線(DT)とにより、データを伝送する方法であって、
各装置は、Aと反対の論理値Bを表す電位に前記クロック線を拘束することが可能で、
データが送信される際、前記二つの装置はクロック線をBに拘束し(M12、E11、M21、E21)、
データが送信される装置は、該装置が前記データを読み取っていない間はクロック線(CK)を解放せず(M23、E14)、
データを送信する装置は、少なくともデータが送信される装置によってクロック線(CK)が解放される時点(t3、t4)までは、前記データをデータ線(DT)上に維持する、ことを特徴とする方法。 - 前記装置の一方がマスタで、もう一方がスレーブであり、マスタは、データが送信される際に、データが送信される方向に関わらず、最初に前記クロック線をBに拘束する(M12、M21)ものであることにおいてスレーブと区別されることを特徴とする請求項1記載の方法。
- マスタがデータをスレーブに送信すべき時、マスタは、前記データをデータ線に出力し(M11)、それからクロック線をBに拘束する(M12)ことを特徴とする請求項2記載の方法。
- スレーブが前記マスタからデータを受信すべき時、スレーブはクロック線(E10)上において値Bを検出し、それからクロック線をBに拘束し(E11)、前記データを読み取る(E12)ことを特徴とする請求項3記載の方法。
- スレーブが、データを受信した後にクロック線を解放するために有する時間(E13)は、スレーブがクロック線を解放していない間、マスタはいかなる新たなデータも送信しない(M10、M11)ので、マスタのいかなる動作とも無関係であることを特徴とする請求項4記載の方法。
- マスタがスレーブからデータを受信すべき時、マスタはクロック線をBに拘束する(M21)ことを特徴とする請求項2記載の方法。
- スレーブがマスタにデータを送信すべき時、スレーブはクロック線上において値Bを検出し(E20)、それからクロック線をBに拘束し(E21)、前記データをデータ線に出力する(E22)ことを特徴とする請求項6記載の方法。
- スレーブが、データを送信した後にクロック線を解除するために有する時間(E23)は、スレーブがクロック線を解放していない間、マスタは新たなデータの送信を要求するためにクロック線をBに拘束しない(M10)ので、マスタによるいかなる動作とも無関係であることを特徴とする請求項7記載の方法。
- クロック線が論理値Aを有している時、マスタがクロック線をBに拘束するために有する時間は、スレーブによるいかなる動作とも無関係である(M16、M24)ことを特徴とする請求項2ないし8のいずれかに記載の方法。
- 請求項2ないし9のいずれかに記載の方法であって、スレーブに通信インタフェース回路(HWC)を備えつけるステップを具備することを特徴とし、前記通信インタフェース回路は、
クロック線がAからBに変わると自動的に前記クロック線をBに拘束するトリガ手段と、
前記トリガ手段にクロック線解放信号を出力するための入力と、
クロック線が前記トリガ手段によってBに拘束されている時は第1の値を有し、クロック線が該トリガ手段によって解放されている時は第2の値を有する情報信号(STSTUS)を送るための出力と、を具備することを特徴とする方法。 - 請求項10記載の方法であって、前記通信インタフェース回路に、
少なくとも一つのデータを格納する手段と、
クロック線がAからBに変わると自動的に前記データをデータ線に出力する手段と、をさらに備えるステップを具備することを特徴とする方法。 - A=1かつB=0であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の方法。
- クロック線(CK)への接続端子と、データ線(DT)への少なくとも一つの接続端子と、論理値Aと反対の論理値を表す電位Bに前記クロック線(CK)を拘束する手段と、を有するマスタタイプのデータ送受信装置(MSTR)であって、データ(B)が送信される時に、
クロック線が論理値Aを有することを確認または待機し(M10)、
前記データをデータ線に出力し(M11)、
前記クロック線をBに拘束し(M12)、
前記クロック線を解放し(M13)、
少なくとも、前記クロック線が前記論理値Aを持つ時点(t3、t4)まで前記データをデータ線上に維持する(M14、M10)、動作を行う手段を備えることを特徴とする装置。 - 請求項13記載の装置であって、データが受信される時に、
クロック線が論理値Aを持つことを確認または待機し(M20)、
前記クロック線をBに拘束し(M21)、
データ線上のデータを読み取り(M22)、
前記クロック線を解放する(M23)、動作を行う手段をさらに備えることを特徴とする装置。 - 請求項13または14に記載のマスタタイプ装置(MSTR)と通信するようになされたスレーブタイプのデータ送受信装置(SLV、SLV+HWC)であって、クロック線(CK)への接続端子(CKP)と、データ線(DT)への少なくとも一つの接続端子(CDT)と、論理値Aと反対の論理値を表す電位Bに前記クロック線を拘束する手段と、を備え、データ(B)が受信される時に、
クロック線におけるAからBへの変化を検出し(E10)、
前記クロック線をBに拘束し(E11)、
データ線上のデータを読み取り(E12)、
前記クロック線を解放する(E14)、動作を行う手段を備えることを特徴とする装置。 - 請求項15記載の装置であって、データが送信される時に、
クロック線におけるAからBへの変化を検出し(E20)、
前記クロック線をBに拘束し(E21)、
データ線にデータを出力し(E22)、
前記クロック線を解放する(E24)、動作を行う手段をさらに備えることを特徴とする装置。 - 同期データ伝送システムであって、クロック線(CK)と少なくとも一本のデータ線(DT)によって、請求項15または16記載のスレーブタイプ装置(SLV)に接続されている、請求項13また14記載のマスタタイプ装置(MSTR)を備えることを特徴とする同期データ伝送システム。
- クロック線(CK)と少なくとも一本のデータ線(DT)によって、請求項13または14記載のマスタタイプ装置(MSTR)に接続されている、または接続されるようになされたスレーブタイプの通信インタフェース回路(HWC)であって、
論理値Aと反対の論理値を表す電位Bにクロック線を拘束する手段と、
前記クロック線がAからBに変化すると自動的にクロック線をBに拘束するトリガ手段(FD1、FD2)と、
クロック線解放信号を前記トリガ手段に出力するための入力(ACK)と、
前記トリガ手段によってクロック線がBに拘束されている時は第1の値を有し、該トリガ手段によってクロック線が解放されている時は第2の値を有する情報信号(STATUS)を送るための出力と、を備えることを特徴とする通信インタフェース回路。 - 請求項18記載の通信インタフェース回路であって、
少なくとも一つのデータを格納するための手段(FD4)と、
前記クロック線がAからBに変わると自動的に前記データをデータ線に出力する手段(FD3、FD4)と、をさらに備えることを特徴とする通信インターフェース回路。
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