JP4140338B2 - 要約地図生成装置、道路地図変換装置、該プログラム、及び要約地図サービスシステム - Google Patents

要約地図生成装置、道路地図変換装置、該プログラム、及び要約地図サービスシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)及びテレマティクス端末のような狭い表示スペースに視認性のよい地図を提供するための地図要約技術に係り、道路の直交・直進化を基本とする道路地図のデフォルメ方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ユーザ要求に応じて検索された地図データから、案内目的での重要性の低い要素を間引いて、必要な道路やランドマーク等の要素を抽出し、ユーザによって見やすく、且つ、わかりやすい形状に加工する地図要約技術に関して、道路を水平・垂直にすることを基本とするデフォルメ方法が提案されている(例えば、特許文献1、及び特許文献2参照)。
更に、道路地図のデフォルメ方法に関して、まず、基準となる道路を水平または垂直になるように座標変換し、既に座標変換された道路と接続する道路を一本ずつ、接続角度が例えば45度単位で正規化されるように座標変換し、このような道路の変形に伴って、道路と建物の位置関係が保存されるように建物を再配置することが提案されている。
又、上記特許文献2では、道路方向を正規化させる力と、道路を直線化させる力と、鋭角道路を広角化させる力と、道路長を保存させる力との合力によって、複数の道路を並列的に少しずつ移動させ、収束条件が満足されるまで繰り返すことによって変形することが提案されている。
【特許文献1】
特開平10−198267号公報
【特許文献2】
特開平10−275220号公報
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1で提案されている道路地図のデフォルメ方法は、道路を一本ずつ逐次的に変形していくものであり、複数の道路が複雑に交差する形状では、変形が進むに従って、最後の方の道路では有効な変形が行えず、また、デフォルメ処理が変形を加える道路の順番に依存してしまうという問題があった。
一方、特許文献2で提案されている道路地図のデフォルメ方法では、変形力に基づいて複数の道路を少しずつ移動させるという並列的な反復処理により、上述の問題を解決することが提案されている。複数の道路が複雑に交差する形状では、全体をバランスよく、且つ、矛盾のないように変形させるため、提案手法のように並列的な反復処理に基づくデフォルメが有効である。
しかしながら、上述のような変形力に基づく道路地図のデフォルメ方法では、必ずしもユーザが望んでいるような変形が得られるとは限らないという問題がある。例えば、道路方向の正規化と道路長の保存が矛盾する場合には、道路長の保存より道路方向の正規化を優先させた変形が望ましいと考えられるが、実際には、道路長の保存によって道路方向の正規化が抑制されるため、望ましい変形が得られない場合がある。また、道路幅の広い道路や狭い道路が複雑に交差する形状では、狭い道路の直線化より広い道路の直線化を優先させた変形が望ましいと考えられるが、上述の方法では、そのような変形が得られないという問題がある。さらに、道路方向の正規化を基本としているため、最初の地図の向きによって結果が異なってしまうという問題がある。
そこで本発明では、道路の直進化を最優先させ、道路の直交化を道路長の保存より優先させたい、また、道路の直進化では道路幅の広い道路の直進化を優先させたい等の要求を鑑みて、複数の道路が複雑に交差する形状に対しても適用可能な道路地図のデフォルメ方法を提供することを目的とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本願の開示する代表的な発明は以下の通りである。道路地図を入力する道路地図入力手段と、該道路地図に対してデフォルメ処理を実行するデフォルメ処理手段と、該デフォルメ処理結果の道路地図を出力する道路地図出力手段とを有し、前記デフォルメ処理手段では、前記道路地図における端点及び屈曲点を含むノードを初期配置として設定し、道路長の保存を示す第一の項と道路の直交化を示す第二の項と道路の直進化を示す第三の項とからなる評価関数に基づいてノードを再配置する最適化処理ループを、該評価関数の収束条件が満足されるまで繰り返す直交・直進化処理を実行する要約地図生成装置、及び該装置を実現するプログラム。
さらに、道路幅のことなる道路が接続された道路地図を読み出して、道路地図中で複数の道路が交差する点に接続される道路の直進性判断を行い、該判断により所定値以上の直進性と判断された道路について道路幅の平滑化を行うこと。及び、道路地図を構成する各道路のベクトル成分の方向を求め、該道路の幅と長さを用いた評価値に基づいて算出した回転角で前記各道路を回転することで道路を水平・垂直化することも開示する。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る道路地図変換装置の一構成例を説明するための図である。本発明において、道路地図はデフォルメ対象となる地図の要素、背景地図はそれ以外の地図の要素を表し、道路地図には道路以外の鉄道や河川等の要素を含んでいてもよいものとする。
本発明の道路地図変換装置302は、図1に示したように、記憶される道路地図を入力する道路地図入力手段344と、該道路地図に対してデフォルメ処理を実行するデフォルメ処理手段342、該デフォルメ処理結果の道路地図を出力する道路地図出力手段345とを有し、前記デフォルメ処理手段342では、前記道路地図における端点及び屈曲点を含むノードを初期配置として設定し、道路長の保存を示す第一の項と道路の直交化を示す第二の項と道路の直進化を示す第三の項とからなる評価関数に基づいてノードを再配置する最適化処理ループを、該評価関数の収束条件が満足されるまで繰り返す直交・直進化処理30を実行する。本発明では、▲1▼道路長をなるべく初期値のまま保存すること(道路長の保存)、▲2▼道路間の交差角度をなるべく直交化すること(道路の直交化)、▲3▼道なりに進む道路をなるべく直進化すること(道路の直進化)を直交・直進化処理30の最終目標に設定している。そこで、直交・直進化処理30では、▲1▼道路長の保存を示す項(E1)と▲2▼道路の直交化を示す項(E2)と▲3▼道路の直進化を示す項(E3)からなる評価関数(E = E1 + E2 + E3)に基づく最適化処理を行っている。
直交・直進化処理30には、図2に示したように、入力手段を介して道路地図の初期形状を入力して、端点及び屈曲点を含むノードの初期配置として設定する初期配置のステップ31と、道路長の保存を示す第一の項と道路の直交化を示す第二の項と道路の直進化を示す第三の項からなる評価関数に基づいてノードを再配置する再配置のステップ33と、収束条件が満足されているかどうかの判定を行う収束判定のステップ34と、前記再配置のステップ33と前記収束判定のステップ34を収束条件が満足されるまで繰り返す最適化処理ループ32とを備える。これより、道路長をなるべく初期値のまま保存しながら、道路間の交差角度をなるべく直交化し、道なりに進む道路をなるべく直進化することを特徴とする。ここで、道なりに進む道路とは交差点での直進性の高い道路を表すものとし、交差点での仰角差が最小となる組合せについて、その仰角差が小さい場合に直進性が高いと判断する。前記直交・直進化処理は、評価関数に基づいてノードを再配置させながら、最適なノード配置を求める処理となっているため、複数の道路が複雑に交差するような形状であっても有効な変形を可能にしている。
該評価関数を設定する際には、道路長の保存を示す第一の項は道路長をなるべく初期値のまま保存するように、例えば、道路長が初期値のときに最小となる関数を設定する。道路の直交化を示す第二の項は道路の交差角度をなるべく直交化するように、例えば、道路の交差角度が理想的な角度のときに最小となる関数を設定する。ここで、理想的な角度は初期角度を90度単位で正規化した値をとり、ノードのまわりでの交差角度の和が360度になる等のトポロジー保存条件が満足されない場合には、例えば、1/2の角度で正規化しなおす等の措置をとって、なるべくトポロジー保存条件が満足されるように設定する。道路の直進化を示す第三の項は道なりに進む道路をなるべく直進化するように、交差点において直進性の高い道路の組合せについて、例えば、交差角度が180度のときに最小となる関数を設定する。交差点における直進性の判定では、例えば、仰角の差が最小となる組合せで、仰角の差が閾値以下となる場合に直進性が高いと判断する。評価関数の第三の項が示すように本発明は、道路方向を正規化することでなく、道路をなるべく直交化することを目指しているため、最初の地図の向きによって結果が異なってしまうという問題を解決し、座標回転に依存しない変形を可能にしている。
該評価関数を設定する際に具体的には、図3に示したように、道路長の保存を示す第一の項はノード間を結ぶリンクの各々に対応する項の和として計算し、道路の直交化を示す第二の項は隣接するリンク間の相対角度の各々に対応する項の和として計算し、道路の直進化を示す第三の項は三本以上のリンクが接続するノードで直進すると判断されたリンク間の相対角度の各々に対応する項の和として計算する。なお、ノード間を結ぶリンクの各々に対応する項は例えば、リンク長が初期値のときに最小となる関数として設定し、隣接するリンク間の相対角度の各々に対応する項は例えば、相対角度が理想的な角度のときに最小となる関数として設定するものとする。また、交差点で直進性が高いと判断されたリンク間の相対角度の各々に対応する項は例えば、相対角度が180度のときに最小となる関数として設定するものとする。これより、ノード間を結ぶリンクの各々に対応する項と、隣接するリンク間の相対角度の各々に対応する項と、交差点で直進性が高いと判断されたリンク間の相対角度の各々に対応する項とを総合的に評価できるようになり、道路地図全体をバランスよく、且つ、矛盾のないように変形させることが可能になっている。また、道路の直進化を示す第三の項における各項の重み付け係数を道路幅に依存させて設定することにより、各項の重み付け係数を道路幅の広い場合には大きく、道路幅の狭い場合には小さく設定できるため、道路幅の広い道路の直進化を優先させたいといった要求の実現が可能になっている。なお、各項の重み付け係数を設定する際には、道路幅の代わりに道路の種別等を用いて設定してもよいものとする。
該評価関数を設定する際に、本発明では更に、道路長の保存を示す第一の項と、道路の直交化を示す第二の項の重み付け係数と、道路の直進化を示す第三の項の重み付け係数をそれぞれ、最適化処理ループの反復回数に応じて変化させることにより、各項の優先度を反復ステップに応じて変化させている。これより、各項の優先度は反復ステップに応じて制御できるようになるため、道路長の保存と、道路の直交化と、道路の直進化とが矛盾する場合であっても、反復処理によって矛盾を解消することができ、有効なデフォルメ結果を得ることが可能になっている。図4に各項の係数を反復回数に応じて変化させる場合の一例を示す。
図4において、(a)は道路長の保存を示す第一の項、(b)は道路の直交化を示す第二の項、(c)は道路の直進化を示す第三の項、の反復回数に対する依存性をそれぞれ表す。この図は、第三の項の重み付け係数を一定に保ちながら、第一の項と第二の項の重み付け係数を反復係数に伴って減衰させ、さらに、第一の項を第二の項より急速に減衰させることを表し、道路の直進化を最も優先させ、その次に道路の直交化と道路長の保存をこの順に優先させることを表している。これより、道路の直進化を最優先させ、道路の直交化を道路長の保存より優先させたいといった要求の実現が可能になっている。
次に、本発明の実施形態に係る道路地図変換装置におけるデフォルメ処理手段の構成例を図5、図6、及び図7を用いて説明する。
本発明のデフォルメ処理手段342は、図5に示したように、610の道路地図(入力)を入力して、620の道路地図(出力)を出力する処理であって、図1に示した直交・直進化処理に加えて、道路形状をなるべく変化させずに、道路形状を示す折れ線の屈曲点を間引く直線化処理と、道路がなるべく水平・垂直となるように座標を回転し、微小なずれを修正する水平・垂直化処理とを備え、入力された道路地図に対して、前記直線化処理と、前記直交・直進化処理と、前記水平・垂直化処理とをこの順番に実行する。これより、視認性を向上すると共にデータ量を削減することを特徴とする。前記直線化処理は、道路形状をなるべく変形させずに屈曲点間引きを行う処理となっているため、ユーザが案内目的で使用する際に必要な情報を損なうことなく、データ量を削減させると共に、前記直交・直進化処理の変形対象となる道路地図のノード数を減らすことにより、計算負荷を軽減させることを可能にしている。一方、水平・垂直化処理は、道路がなるべく水平・垂直となるように変形するとなっているため、携帯電話のような解像度の低い表示デバイスに提供する場合に、斜め線によって発生するジャギーを大幅に減少させることができ、ユーザによる視認性を向上させることを可能にしている。ここで、道路がなるべく水平・垂直となるように座標回転させる際には例えば、道路幅と道路長を考慮した重み付けを行った道路方向についてのヒストグラム解析によって、最も道路の向きが揃った方向を求め、その方向が水平または垂直となるように回転角を決定する。
一方、図6に示した構成例では、図5に、道なりに進む道路の道路幅を平滑化する平滑化処理を備え、前記直線化処理と、前記平滑化処理と、前記直交・直進化処理と、前記水平・垂直化処理とをこの順番に実行することにより、視認性をさらに向上することを特徴とする。前記平滑化処理は、直進性の高い道路の道路幅を平滑化するとなっており、最終的なデフォルメ結果で水平・垂直となる道路の道路幅を揃えることができるため、視認性をさらに向上されることを可能にしている。ここで、道路幅を平滑化する際には例えば、道路幅を道路長などで重み付けして平均化する。
また、図7に示した構成例では、図5に、道なりに進む道路を交差点で接続し、直進性の高い場合には接続点を間引く接続処理を備え、前記直線化処理と、前記直交・直進化処理と、前記水平・垂直化処理と、前記接続処理とをこの順番に実行することにより、データ量をさらに削減することを特徴とする。前記接続処理の対象となる道路地図は、前記直交・直進化処理により、道なりに進む道路が直進化されているため、接続処理により接続点を大幅に間引くことができ、データ量をさらに削減させることを可能にしている。
以上、本発明のデフォルメ処理手段における代表的な構成例について説明してきたが、本発明のデフォルメ処理手段は、少なくとも直線化処理又は平滑化処理又は水平・垂直化処理又は接続処理の何れかを備える任意の組合せで構成されるものとする。
図5、図6、及び図7に示した構成例における構成要素である直線化処理、平滑化処理、水平・垂直化処理、及び接続処理について、具体的な処理の例を図8、図9、図10、及び図11にそれぞれ示す。
図8は直線化処理における具体的な処理の内容10aを説明するための図である。道路地図に含まれる道路形状は交差点及び行き止りを端点とする折れ線によって記述されるが、この直線化処理は道路形状を示す折れ線の一本一本に対して実施される。
図8において、(a)は入力となる折れ線を表し、本処理ではまず、折れ線の始点及び終点を必ず残す。次に、(b)に示したように、残された始終点を結ぶ直線に対して最長垂線距離となる屈曲点を求め、対応する評価関数の値が閾値以下ならばこの屈曲点を間引く。この屈曲点が残される場合には、(c)に示したように、残された点を結ぶ直線に対してそれぞれ最長垂線距離となる屈曲点を求め、対応する評価関数の値が閾値以下ならばこの屈曲点を間引くものとする。(d)に示したように、間引き条件が満足された区間に関しては処理を終了し、間引き条件が満足されない区間に関しては間引き条件が満足されるまで同様の処理を繰り返し、最終的には、(e)のような折れ線を出力する。
図8に示したように、間引き条件の判定に用いる評価関数には、最長垂線距離と始終点距離の比を示す第一の評価関数と最長垂線距離そのものを示す第二の評価関数がある。第一の評価関数はスケールに依存しない間引き処理を提供し、同じ形状ならばスケールが異なっていても同じ点数となる。一方、第二の評価関数はスケール範囲(最大拡大率)が決まっている場合に有効な間引き処理を提供し、微少な凹凸の除去を行うことが可能である。両者の評価関数は状況に応じて使い分けてもよく、また、組合せて使うことも可能である。
図9は平滑化処理における具体的な処理の例20aを説明するための図である。道路地図は道路形状を示す折れ線とその属性の道路幅によって記述されるが、この平滑化処理は交差点に接続する道路対の各々に対して実施される。ここで、交差点は二本以上の折れ線の端点が一致する点を表し、一本の道路が二本の折れ線に分割されて登録されている場合にはその分割点を含むものとする。
図9において、(a)は入力となる道路地図を表し、本処理ではまず、交差点に接続する道路の仰角差を示す評価関数に基づいて直進性判定を行う。直進性判定では、仰角差の絶対値を評価関数としてその値が閾値以下ならば直進性が高いと判断する。(b)において、実線、点線、一点破線はそれぞれ直進性が高いと判断された道なりに進む道路を表す。次に、直進性が高いと判断された道路の各々に対して道路幅の平滑化を行い、(c)に示したような道路地図を出力する。ここで、道路幅を平滑化する際には例えば、道路幅を道路長などで重み付けして平均化する。
図10は水平・垂直化処理における具体的な処理の例40aと座標回転角の決定方法40bを説明するための図である。
図10において、40aに示したように、(a)は入力となる道路地図を表し、本処理ではまず、道路がなるべく水平・垂直となるように座標回転を行う。座標回転では例えば、道路長と道路幅を考慮した重み付けを行った道路方向についてのヒストグラム解析によって、最も道路の向きが揃った方向を求め、その方向が水平または垂直になるように回転角を決定する。(b)は座標回転を行った結果を表し、ほぼ水平・垂直に揃った道路に微少なずれが残っている。このようなずれは数ドット程度であるが、画像解像度の低い場合には見づらく感じるものである。そこで、ほぼ水平・垂直に揃った道路の微少なずれを修正し、最終的な結果として、(c)に示したような道路地図を出力する。座標回転角を決定する際には、道路形状を示す折れ線のすべての構成ベクトルについて、その方向についてのヒストグラム解析を行う。40bに示したように、ベクトル方向を分割して道路幅×長さを評価し、評価値最大の方向が水平・垂直となるように回転角を決定する。ここで、互いに90度の角度をなすベクトルは、一方を水平になるように回転させると、他方は垂直になっているので、90度回転した方向は同じ方向として評価するものとする。
図11は接続処理における具体的な処理の例50aを説明するための図である。図11(a)に示したように、本処理の入力となる道路地図において、交差点は二本以上の折れ線の端点5が一致する点として記述されている。そこでまず、平滑化処理における直進性判定と同様のやり方で直進性判定を行う。(b)において、点線、破線、一点破線はそれぞれ直進性が高いと判断された道なりに進む道路を表す。次に、直線化処理における屈曲点間引きと同様のやり方で接続点を除去し、最終的な結果として、(c)に示したような道路地図を出力する。
図12は、本発明の実施形態に係る要約地図生成装置の一構成例を説明するための図である。図12に示したように、本発明の要約地図生成装置301は、少なくとも出発地又は現在地又は目的地の何れかについてのユーザ要求を受け付ける入力制御手段360と、ユーザ要求に応じて検索条件を設定し、410の地図DBから道路地図と、背景地図とを検索し、420のランドマークDBからランドマークを検索するDB検索制御手段320と、経路案内を想定する場合には道路地図に基づいて出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段330と、道路地図、背景地図及びランドマークに対して要約処理を施す地図要約処理手段340と、要約結果を出力デバイスに出力する要約地図出力手段350とを有する。
地図要約処理手段340は、道路地図と、背景地図と、ランドマークと、必要に応じて経路探索結果とを入力し、道路地図、背景地図及びランドマークに対して要約処理を施す手段であって、視認性のよい要約地図を生成するための中核をなす手段である。図13に示したように、地図要約処理手段340は、510の道路地図(検索結果)と、520の背景地図(検索結果)と、530のランドマーク(検索結果)と、必要に応じて540の経路探索結果を入力し、道路地図と背景地図とランドマークとから案内に必要な要素を選択するオブジェクト選択処理手段341と、道路地図から選択された要素を視認性のよい形状に加工するデフォルメ処理手段342と、背景地図やランドマークから選択された要素を道路地図のデフォルメ処理に追従させて変形するモーフィング処理手段343とを備える。ここで、前記デフォルメ処理手段342は、図5又は図6又は図7に示した処理を実行する。
更に、図13に示した地図要約手段を基本構成として備える本発明の要約地図サービスシステムについて、図14、図15、及び図16を用いて説明する。
図14は、本発明の実施形態に係る要約地図サービスシステムの一構成例を説明するための図である。図14に示したように、ユーザが操作するクライアント端末100と、ユーザに要約地図サービスを提供する要約地図サービスサーバ300と、地図DBとランドマークDBを含む地図DBサーバ400とを備え、クライアント端末100と要約地図サービスサーバ300は無線データ通信網を含むネットワーク200によって接続している。ここで、要約地図サービスサーバ300は、クライアント端末からのユーザ要求を受け付け、要約地図を配信するまでのサービスを制御するサービス制御手段310と、ユーザ要求に応じて検索条件を設定し、地図DBから道路地図と、背景地図とを検索し、ランドマークDBからランドマークを検索するDB検索制御手段320と、経路案内を想定する場合には道路地図に基づいて出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段330と、道路地図、背景地図及びランドマークに対して要約処理を施す地図要約処理手段340と、要約結果を画像地図またはベクトル地図に変換して出力する要約地図出力手段350とを有する。一方、クライアント端末100は、少なくとも出発地又は現在地又は目的地の何れかについてのユーザ要求を受け付ける入力制御手段360と、要約結果を出力デバイスに表示する表示制御手段380とを有する。図15は、本発明の実施形態に係る要約地図サービスシステムの別の構成例を説明するための図である。図15において、要約地図サービスサーバ300は、クライアント端末からのユーザ要求を受け付け、地図データを配信するまでのサービスを制御するサービス制御手段310と、ユーザ要求に応じて検索条件を設定し、地図DBから道路地図と、背景地図とを検索し、ランドマークDBからランドマークを検索するDB検索制御手段320と、経路案内を想定する場合には道路地図に基づいて出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段330と、道路地図、背景地図及びランドマークと必要に応じて経路探索結果340とから要約地図生成に必要なデータを抽出して、配信フォーマットに変換するデータ変換手段370とを有する。一方、クライアント端末100は、少なくとも出発地又は現在地又は目的地の何れかについてのユーザ要求を受け付ける入力制御手段360と、道路地図、背景地図及びランドマークに対して要約処理を施す地図要約処理手段340と、要約結果を出力デバイスに表示する表示制御手段380とを有し、図14において要約地図サービスサーバ300に備わっていた機能の一部をクライアント端末100に備える。
図16は、本発明の実施形態に係る要約地図サービスシステムの更に別の構成例を説明するための図である。図16では更に、要約地図サービスサーバ300に備わっていた機能の一部をクライアント端末100に備える。要約地図サービスサーバ300は、クライアント端末からのユーザ要求を受け付け、地図データを配信するまでのサービスを制御するサービス制御手段310と、ユーザ要求に応じて検索条件を設定し、地図DBから道路地図と、背景地図とを検索し、ランドマークDBからランドマークを検索するDB検索制御手段320と、道路地図、背景地図及びランドマークから要約地図生成に必要なデータを抽出して、配信フォーマットに変換するデータ変換手段380とを有する。一方、クライアント端末は、少なくとも出発地又は現在地又は目的地の何れかについてのユーザ要求を受け付ける入力制御手段360と、経路案内を想定する場合には道路地図に基づいて出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段330と、道路地図、背景地図及びランドマークに対して要約処理を施す地図要約処理手段340と、要約結果を出力デバイスに表示する表示制御手段380とを有する。
図5に示したデフォルメ処理手段の構成例について、図17、図18、及び図19に示す実際の処理結果を用いて、各処理の内容を説明する。図17は直線化処理10、図18は直交・直進化処理30、図19は水平・垂直化処理40についての実際の処理結果をそれぞれ表す。図17に示したように、直線化処理10は、道路形状をなるべく変化させずに屈曲点間引きを行う処理となっている。また、図18に示したように、直交・直進化処理30は、複数の道路が複雑に交差するような形状であっても有効な変形を可能にする処理となっている。更に、図19に示したように、水平・垂直化処理40は、斜め線によって発生するジャギーを大幅に減少させることができ、ユーザによる視認性を向上させることを可能にしている。
最後に、本発明の実施形態に係る道路地図変換装置の図1とは別の構成例を図20及び図22に示す。
図20はデフォルメ処理手段342に平滑化処理20を備える場合の構成例を示す図である。平滑化処理20は、図21に示したように、ステップ21ではまず、すべての折れ線の端点について、分岐情報テーブルを作成しておき、次のすべての交差点について繰り返すループ22では、交差点に接続する折れ線についてのループ23で、仰角差最小となる折れ線の組合せを選択するステップ24と、評価関数が閾値より小さいかどうかを判定するステップ25とを繰り返し、判定条件が満足される場合には道路幅を平滑化するステップ26を実行している。
図22はデフォルメ処理手段342に水平・垂直化処理40を備える場合の構成例を示す図である。水平・垂直化処理40は例えば、図23に示したように、ステップ41でまず、評価値の初期化を行い、次のすべてのベクトルについてのループ42で、ベクトル方向を求め、道路幅×長さを評価値に加算するステップ43を実行し、最後のステップ44で、評価値最大の方向を求め、その方向が水平・垂直となるように回転角を決定している。
【0005】
【発明の効果】
これまで説明してきたように、本発明は、評価関数に基づいてノードを再配置させながら最適なノード配置を求める直交・直進化処理を基本としているため、複数の道路は複雑に交差するような形状であっても有効な変形を行うことが可能になっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る道路地図変換装置の一構成例を説明するための図である。
【図2】図1に示した直交・直進化処理における処理の流れを説明するための図である。
【図3】図1に示した直交・直進化処理の具体的な処理の例を説明するための図である。
【図4】図1に示した評価関数において、各項の重み付け係数を反復回数に応じて変化させる場合の一例を説明するための図である。
【図5】図1に示したデフォルメ処理手段に、更に直線化処理と水平・垂直化処理を備える場合の構成例を説明するための図である。
【図6】図5に示したデフォルメ処理手段に、更に平滑化処理を備える場合の構成例を説明するための図である。
【図7】図5に示したデフォルメ処理手段に、更に接続処理を備える場合の構成例を説明するための図である。
【図8】図5に示した直線化処理の具体的な処理の例を説明するための図である。
【図9】図6に示した平滑化処理の具体的な処理の例を説明するための図である。
【図10】図5に示した水平・垂直化処理の具体的な処理の例を説明するための図である。
【図11】図7に示した接続処理の具体的な処理の例を説明するための図である。
【図12】本発明の実施形態に係る要約地図生成装置の一構成例を説明するための図である。
【図13】図12に示した地図要約処理手段の構成例を説明するための図である。
【図14】本発明の実施形態に係る要約地図サービスシステムの一構成例を説明するための図である。
【図15】本発明の実施形態に係る要約地図サービスシステムの別の構成例を説明するための図である。
【図16】本発明の実施形態に係る要約地図サービスシステムの更に別の構成例を説明するための図である。
【図17】図5に示した直線化処理について、実際の処理結果を用いて説明するための図である。
【図18】図5に示した直交・直進化処理を、実際の処理結果を用いて説明するための図である。
【図19】図5に示した水平・垂直化処理について、実際の処理結果を用いて説明するための図である。
【図20】本発明の実施形態に係る道路地図変換装置の別の構成例を説明するための図である。
【図21】図20に示した平滑化処理における処理の流れを説明するための図である。
【図22】本発明の実施形態に係る道路地図変換装置の更に別の構成例を説明するための図である。
【図23】図22に示した水平・垂直化処理における処理の流れを説明するための図である。
【符号の説明】
1…端点
2…接続点
10、10a…直線化処理
20、20a…平滑化処理
21〜26…平滑化処理の処理ステップ
30、30a…直交・直進化処理
31〜34…直交・直進化処理の処理ステップ
40、40a…水平・垂直化処理
40b…座標回転角の決定方法
41〜44…水平・垂直化処理の処理ステップ
50、50a…接続処理
100…クライアント端末
200…インターネット網
300…要約地図サービスサーバ
301…要約地図生成装置
302…道路地図変換装置
310…サービス制御手段
320…DB検索制御手段
330…経路探索手段
340…地図要約処理手段
341…オブジェクト選択手段
342…デフォルメ処理手段
343…モーフィング処理手段
344…道路地図入力手段
345…道路地図出力手段
350…要約地図出力手段
360…入力制御手段
370…データ変換手段
380…表示制御手段
400…地図DBサーバ
410…地図DB
420…ランドマークDB
510…道路地図(検索結果)
520…背景地図(検索結果)
530…ランドマーク(検索結果)
540…経路探索結果
610…道路地図(入力)
710…道路地図(出力)
810…道路地図(要約結果)
820…背景地図(要約結果)
830…ランドマーク(要約結果)。

Claims (14)

  1. 記憶される道路地図を読み出す手段と、デフォルメ処理手段と、該デフォルメ結果の道路地図を出力する手段とを有し、
    前記デフォルメ処理手段は、
    前記道路地図の端点及び屈曲点を含むノードを初期配置として設定し、
    上記道路地図の道路長の保存を示す第一の項と道路の直交化を示す第二の項と道路の直進化を示す第三の項からなる評価関数に基づいてノードを再配置して、該評価関数の収束条件が満足されているかどうかの判定するループを実行する直交・直進化処理を行うことを特徴とする道路地図変換装置。
  2. 前記デフォルメ処理手段は、前記直交・直進化処理された道路地図に、前記道路形状を変化させないように、道路形状を示す折れ線の屈曲点を間引く直線化処理と、前記道路が水平・垂直となるように座標回転し、微小なずれを修正する水平・垂直化処理とを行うことを特徴とする請求項1記載の道路地図変換装置。
  3. 前記デフォルメ処理手段は、前記直線化処理の施された道路地図について、該道路の道路幅を平滑化する平滑化処理を行うことを特徴とする請求項2記載の道路地図変換装置。
  4. 前記デフォルメ処理手段は、前記水平・垂直化処理の後に前記道路が交差する点を接続し、前記道路の直進性の高い場合には接続点を間引く接続処理を行うことを特徴とする請求項3記載の道路地図変換装置。
  5. 前記直交・直進化処理は、該評価関数を計算する際に、前記第一の項はノード間を結ぶリンクの各々に対応して評価し、前記第二の項は隣接するリンク間の相対角度の各々に対応して評価し、前記第三の項は三本以上のリンクが接続するノードで直進すると判断されたリンク間の相対角度の各々に対応して評価することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の道路地図変換装置。
  6. 前記評価関数を計算する際に、前記第三の項における各項の重み付け係数を道路幅に依存させて設定し、道路幅の太い道路の直進化を優先させることを特徴とする請求項5記載の道路地図変換装置。
  7. 前記直交・直進化処理は、該評価関数を計算する際に、道路長の保存を示す第一の項の重み付け係数と、道路の直交化を示す第二の項の重み付け係数と、道路の直進化を示す第三の項の重み付け係数をそれぞれ、最適化処理ループの反復回数に応じて変化させることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の道路地図変換装置。
  8. 道路地図入力手段が、
    入力手段を介して道路地図を入力するステップと、
    地図要約処理手段が、
    上記道路地図の端点及び屈曲点を含むノードを初期配置として設定するステップと、
    上記道路地図の道路長の保存を示す第一の項と道路の直交化を示す第二の項と道路の
    直進化を示す第三の項からなる評価関数に基づいてノードを再配置するステップと、
    該評価関数の収束条件が満足されているかどうかの判定を行うステップと、
    前記再配置のステップと前記収束判定のステップを収束条件が満足されるまで繰り返す最適化処理ステップとを備える道路地図のデフォルメ処理を行い、
    道路地図出力手段が、
    該デフォルメ処理結果の道路地図を出力するステップとを備えることを特徴とする道路地図変換方法。
  9. 少なくとも出発地又は現在地又は目的地の何れかについてのユーザ要求を受け付ける入力制御手段と、記憶手段に記憶される地図DBから該ユーザ要求に基づいて道路地図と、背景地図とを検索し、記憶手段に記憶されるランドマークDBからランドマークを検索するDB検索制御手段と、地図要約処理手段と、該地図要約の結果を出力デバイスに出力させる要約地図出力手段とを有し、
    前記地図要約処理手段は、
    前記検索された道路地図、背景地図及びランドマークからオブジェクトの選択を行い、
    該選択された道路地図にデフォルメ処理を行い、
    該デフォルメされた道路地図、選択された背景地図及びランドマークにモーフィング処理を行い、
    前記デフォルメ処理では、
    前記道路地図の端点及び屈曲点を含むノードを初期配置として設定し、
    前記道路地図の道路長の保存を示す第一の項と道路の直交化を示す第二の項と道路の直進化を示す第三の項からなる評価関数に基づいてノードを再配置して、該評価関数の収束条件が満足されているかどうかの判定するループを実行する直交・直進化処理を行うことを特徴とする要約地図生成装置。
  10. 前記ユーザ要求に基づいて案内経路を探索する経路探索手段を更に有し、
    前記要約地図出力手段は、前記案内経路も出力させることを特徴とする請求項9記載の要約地図生成装置。
  11. クライアント端末と、ユーザに要約地図サービスを提供する要約地図サービスサーバと、道路地図と背景地図を記憶する地図DBとランドマーク情報を記憶するランドマークDBを含む地図DBサーバとを備え、
    前記クライアント端末は、
    少なくとも現在地又は出発地又は目的地の何れかについてのユーザ要求を受け付ける入力制御手段と、
    前記要約地図サービスサーバからの応答を表示させる表示制御手段とを有し、
    前記要約地図サービスサーバは、
    前記クライアント端末からの前記ユーザ要求を受け付け、前記ユーザ要求に応じたサービスを提供するサービス制御手段と、
    前記ユーザ要求に基づいて前記地図DBから道路地図と、前記ランドマークDBからランドマーク情報を検索するDB検索制御手段と、
    地図要約処理手段と、
    前記地図要約の結果を画像地図またはベクトル地図に出力する要約地図出力手段と、を有し、
    前記地図要約処理手段は前記検索された道路地図、背景地図及びランドマークからオブジェクトの選択を行い、該選択された道路地図に前記請求項8記載のデフォルメ処理を実行し、該デフォルメされた道路地図、選択された背景地図及びランドマークにモーフィング処理を行う、ことを特徴とする要約地図サービスシステム。
  12. 前記ユーザ要求に基づいて案内経路を探索する経路探索手段を更に有し、
    前記要約地図出力手段は、前記案内経路も出力させることを特徴とする請求項11記載の要約地図サービスシステム。
  13. 道路幅のことなる道路が接続された道路地図を読み出す手段と、デフォルメ処理手段と、該デフォルメ結果の道路地図を出力する手段とを有し、
    前記デフォルメ処理手段は、
    前記道路地図の端点及び屈曲点を含むノードを初期配置として設定し、
    上記道路地図の道路長の保存を示す第一の項と道路の直交化を示す第二の項と道路の直進化を示す第三の項からなる評価関数に基づいてノードを再配置して、該評価関数の収束条件が満足されているかどうかの判定するループを実行する直交・直進化処理を行い、
    更に、前記道路地図中で複数の道路が交差する点に接続される道路の直進性判断を行い、
    該判断により所定値以上の直進性と判断された道路について道路幅の平滑化を行うことを特徴とする道路地図変換装置。
  14. 道路が接続された道路地図を読み出す手段と、デフォルメ処理手段と、該デフォルメ結果の道路地図を出力する手段とを有し、
    前記デフォルメ処理手段は、
    前記道路地図の端点及び屈曲点を含むノードを初期配置として設定し、
    上記道路地図の道路長の保存を示す第一の項と道路の直交化を示す第二の項と道路の直進化を示す第三の項からなる評価関数に基づいてノードを再配置して、該評価関数の収束条件が満足されているかどうかの判定するループを実行する直交・直進化処理を行い、
    更に、前記道路地図を構成する各道路のベクトル成分の方向を求め、該道路の幅と長さを用いた評価値に基づいて回転角を算出し、該回転角に基づいて前記各道路を回転することで道路を水平・垂直化することを特徴とする道路地図変換装置。
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