JP4140324B2 - 金属ホウ化物粉末及びその製造方法 - Google Patents

金属ホウ化物粉末及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱プラズマを用いることにより金属ホウ化物粉末を得る製造方法に関し、特に熱線遮蔽膜を塗布法で形成するための微粒子分散塗布液の原料として利用可能な金属ホウ化物の微粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属ホウ化物粉末としては、従来からLaB、CeB、TiB、ZrB等が知られており、優れた導電性を有することから、様々な分野への応用が期待されている。例えば、金属ホウ化物の微粉末を溶媒に分散させることによって、熱線遮蔽膜を塗布法で形成するための微粒子分散塗布液や、電極用導電膜を塗布法で形成するための導電性ペーストとしての利用が注目されている。
【0003】
多くの金属ホウ化物粉末は灰黒色に着色しているが、粒径を可視光波長に比べて十分に小さくして薄膜中や透明基材中に分散した状態においては、薄膜や基材に可視光透過性が生じる。また、これらの微粒子中には自由電子の量が多いため、赤外光遮蔽能が高いという特徴を有している。即ち、微粒子内部及び表面の自由電子プラズモンによるプラズマ周波数が可視〜近赤外付近にあるため、この波長領域の熱線が選択的に反射、吸収されるものと考えられている。
【0004】
金属ホウ化物の合成法としては、金属ホウ化物の代表例である六ホウ化ランタンでは、フローティングゾーン法による単結晶育成が知られている(例えば、特開平8−143395号公報)。また、金属ホウ化物の粉末は、主に固相反応で合成した後、機械的な粉砕を行うことによって製造されてきた(「粉体と工業」、Vol21、No5(1989)p66−70)。しかし、ほとんどの金属ホウ化物は非常に高硬度であるため、機械的な粉砕による微細化には長時間を要し、且つ微細化されても最少の1次粒子径で約800nmが限界であった。また、長時間の機械的粉砕の間に、不純物の混入が避けられなかった。
【0005】
一方、粉末の気相合成法として、熱プラズマを用いる方法が知られている。一般に、原料粉末を熱プラズマ中に通すと、熱プラズマの高温部は10000〜20000℃程度であるため原子レベルまで分解され、更にイオン化した状態となり、その冷却時に核が形成されて成長し、目的化合物の粉末が製造される。
【0006】
このような熱プラズマを用いた気相合成法では、気相中で粉末が合成析出されるため、材料自体の硬さに依存せず、微細な粒子を形成できる利点がある。従って、気相法で微細な金属ホウ化物の粉末が得られれば、塗布法で形成する熱線遮蔽膜や電極用導電膜の更なる特性改善や工程改善が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、発明者らは、熱プラズマを用いた気相合成法について検討を重ね、既に特願2001−385691号において、金属ホウ化物を含む金属化合物微粉末の製造方法を提案した。この方法は、金属粉末及び/又はその金属のホウ化物粉末と、ホウ素粉末を原料として使用し、不活性ガスの熱プラズマ中に供給して、金属ホウ化物等の微粉末を合成するものである。
【0008】
しかし、原料として用いる金属粉末は、金属の種類によっては安全性の面で取り扱い難いものが多く、例えば、ランタン、ジルコニウム、ハフニウム、チタンなどの金属粉末は大気中で酸素と反応して発火しやすいため、安全に取り扱うことが難しかった。また、金属ホウ化物粉末は、その価格が一般に高価であるため、製造コストが高騰するという問題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、安全で且つ安価な原料粉末を用い、熱プラズマを用いた気相合成法により、不純物を含まず、微細な金属ホウ化物粉末を製造する方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明が提供する金属ホウ化物粉末の製造方法は、金属酸化物の粉末と、ホウ素と炭化ホウ素から選ばれた少なくとも1種類の粉末を、不活性ガスの熱プラズマ中に供給することによって、該金属のホウ化物からなる粉末を合成することを特徴とする。また、前記不活性ガスの熱プラズマ中には、還元剤として炭素粉末を更に供給することができる。
【0011】
本発明の上記金属ホウ化物粉末の製造方法においては、合成すべき金属ホウ化物の組成をMeB(Me:金属、B:ホウ素、x:2〜12)で表すと、不活性ガスの熱プラズマ中に供給する粉末の全体でのMe:Bのモル比が0.9〜1.1:0.8x〜1.5xであることを特徴とする。
【0012】
また、更に還元剤として炭素粉末を供給する場合には、合成すべき金属ホウ化物の組成をMeB(Me:金属、B:ホウ素、x:2〜12)で表すと、不活性ガスの熱プラズマ中に供給する粉末の全体でのMe:B:Cのモル比が0.9〜1.1:0.8x〜1.5x:0.01〜10.5であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の上記金属ホウ化物粉末の製造方法においては、前記金属酸化物が、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、Sr、Ca、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Al、又はSiの酸化物であることが好ましい。更に、得られる金属ホウ化物粉末の1次粒子の平均粒径が800nm以下であることを特徴とする。
【0014】
本発明は、また、上記した本発明の製造方法により製造された金属ホウ化物粉末を提供するものであり、その1次粒子の平均粒径が800nm以下であることを特徴とし、1次粒子の平均粒径が100nm以下であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明方法においては、熱プラズマを用いて金属ホウ化物粉末を製造する際の原料として、金属酸化物粉末と炭化ホウ素粉末、又は金属酸化物粉末とホウ素粉末、若しくは金属酸化物粉末と炭化ホウ素粉末とホウ素粉末を用いる。また、後述するように、必要に応じて還元剤として、炭素粉末を更に用いることができる。これらの原料粉末は安価で有り、高価な金属ホウ化物粉末を原料とする従来の方法に比べて、製造コストを大幅に削減することができる。また、金属酸化物粉末は大気中で安定であるため、製造時の原料の取り扱いが容易である。
【0016】
金属酸化物粉末とホウ素粉末及び/又は炭化ホウ素粉末等の原料粉末を、不活性ガスの熱プラズマ中に供給すると、熱プラズマ中の高温部(10000〜20000℃程度)を通過する際に原子レベルに分解され、更にイオン化した状態となる。これが冷却される際に金属とホウ素が反応して金属ホウ化物の核が形成され、この核が成長して金属ホウ化物の粉末が生成されるものと考えられる。尚、不活性ガスとしてはArガス又はAr+Heガス等を用い、その流量の最適値はプラズマの種類等によって適宜選定される。
【0017】
熱プラズマは、一般に、その発生方法によって次のように分類される。即ち、直流放電によって発生させるものを直流熱プラズマ、高周波放電によるものを高周波熱プラズマ、直流と高周波の両方によるものをハイブリッドプラズマと呼んでいる。何れも高温部は10000℃以上であり、本発明方法で用いる熱プラズマとして利用することができる。これらの中でも高周波熱プラズマを用いる方法は、原料粉末を多く供給した場合でも、金属ホウ化物粉末を制御性良く且つ生産性良く製造することができるため有用である。
【0018】
本発明方法では、原料として金属酸化物粉末を用いているため、熱プラズマ中には酸素原子や酸素分子も生成される。従って、製造時の条件や金属の種類等によっては、金属酸化物が再合成される可能性もある。しかし、炭化ホウ素(例えばBC)粉末を用いる場合には、炭化ホウ素が分解して得られる炭素が還元剤として作用するため、酸化物の生成を抑制することができる。また、炭化ホウ素粉末を用いない場合には、炭素粉末を還元剤として原料粉末と共に供給することによって、酸素原子や酸素分子は炭素と反応して二酸化炭素や一酸化炭素となって消費されるため、同様に酸化物の生成を抑制することができる。
【0019】
次に、本発明方法を実施するための製造装置の一具体例を、図1に基づいて説明する。図1において、反応容器6の上部外壁には、熱プラズマ発生用の高周波コイル2が巻き付けてある。尚、高周波コイル2を巻きつける上部外壁は石英ガラスなどで構成された円筒形の2重管となっており、その隙間に冷却水を流して熱プラズマによる石英ガラスの溶融を防止している。
【0020】
また、反応容器6の上部には、原料粉末供給ノズル5と共に、不活性ガス供給ノズル3、4が設けてある。原料粉末供給ノズル5は、原料粉末フィーダーからキャリアガスによって送られてきた粉末原料をプラズマ中に供給する。尚、原料粉末供給ノズルは、図1のように必ず熱プラズマ上部に設置する必要はなく、熱プラズマ中に横方向から設置して、原料粉末を熱プラズマ中に供給することも可能である。
【0021】
反応容器6は、プラズマ反応部の圧力の保持や、製造された微粉末の分散を抑制する役割を果たす。また、反応容器6のプラズマ下流には、プラズマを冷却するための水冷コイル(図示せず)を設置することもできる。反応容器6の下部には吸引管7が接続してあり、その途中には合成された微粉末を捕集するためのフィルター8が設置してある。反応容器6内の圧力は、フィルター8の下流側に設置されているポンプの吸引能力によって調整する。
【0022】
原料として用いる金属酸化物粉末としては、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、Sr、Ca、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Al、Si等の酸化物の粉末を用いることができる。金属酸化物粉末の平均粒径は800μm以下が好ましい。また、ホウ素及び炭化ホウ素粉末としては平均粒径約2〜15μmのものを、炭素粉末としては平均粒径約1〜20μmのものを用いることが好ましい。
【0023】
ただし、原料粉末の粒径の最適値は、粉末自体の特性、粉末を供給するフィーダーの特性等によって異なる。プラズマに対しては細かいほど良いが、余りに細かいと供給が難しくなる。また、逆に大き過ぎるとプラズマが消えてしまう可能性や、粉末が十分に分解できないこともある。更には、プラズマの大きさ(反応管の径や、投入パワー)や、高周波の周波数等によってプラズマの特性が大きく異なるため、最適粒径はそれぞれ異なってくる。従って、各種条件を考慮して、原料粉末の最適粒径を選択する必要がある。
【0024】
また、原料粉末の配合比は、合成される金属ホウ化物粉末の結晶相が単相となるか否かに大きく影響する。得られる金属ホウ化物粉末を単相とするためには、合成すべき金属ホウ化物の組成をMeB(Me:金属、B:ホウ素、x:2〜12)で表したとき、不活性ガスの熱プラズマ中に供給する粉末の全体でのMe:Bのモル比を0.9〜1.1:0.8x〜1.5xとする。また、金属酸化物粉末とホウ素粉末と炭素粉末を原料とする場合には、合成すべき金属ホウ化物の組成をMeB(Me:金属、B:ホウ素、x:2〜12)で表したとき、不活性ガスの熱プラズマ中に供給する粉末の全体でのMe:B:Cのモル比を0.9〜1.1:0.8x〜1.5x:0.01〜10.5とする。上記の範囲を外れると、単相の金属ホウ化物粉末が得られない。
【0025】
このような本発明方法によって合成される金属ホウ化物粉末としては、例えば、LaB、CeB、GdB、TbB、DyB、HoB、YB、SmB、EuB、ErB、TmB、YbB、LuB、SrB、CaB、TiB、ZrB、HfB、NbB、TaB、AlB10、AlB12、SiB等の粉末が挙げられる。
【0026】
尚、合成する金属ホウ化物の粉末は、熱線遮蔽膜を塗布法で形成するための微粒子分散塗布液の原料として利用可能な微粉末、具体的には粉末の1次粒子の平均粒径が800nm以下であることが好ましく、100nm以下が更に好ましい。この平均粒径が800nmを超えると、熱線遮蔽膜の透過特性が劣化してしまうため、透過特性が発現される実用的な粒径になるよう微細化することが必要となり、この微細化のための機械的粉砕に時間を要することになり好ましくない。
【0027】
【実施例】
実施例1
図1の装置を用い、La粉末(平均粒径約10μm、純度99.9%)、B粉末(平均粒径約15μm、純度99%)、C粉末(平均粒径約1μm、純度99.9%)を原料粉末として、LaB粉末の製造を実施した。即ち、不活性ガスとしてArガスを用い、20kW、4MHzの高周波電力を投入してArプラズマを発生させた。この時のプラズマガスの流量は13リットル/min、シースガスの流量は20リットル/minとした。Arキャリアガスと共に上記の原料粉末を0.08〜0.1g/minの速度で粉末フィーダーより熱プラズマ中に供給し、得られたLaB粉末をフィルターで回収した。
【0028】
得られたLaB粉末のX線回折測定を実施したところ、粉末の結晶相の種類は原料粉末であるLa粉末、B粉末、C粉末の配合比に大きく依存することが分った。例えば、La粉末:B粉末:C粉末を1:12:3のモル比に近い割合で混合した粉末を供給した場合に、JCPDSカード(34−427)記載のLaBの回折ピークと一致したピークのみが観察され、結晶相がLaBの単一相からなるLaB粉末が得られた。
【0029】
このLaB粉末のICP発光分析法による組成分析を実施したところ、ほぼ化学量論組成になっていることが確認された。また、コールターカウンター及びレーザー散乱法により測定した粒径分布は1次粒子の平均粒径が20〜48nmであり、極めて微細で化学量論組成のLaB粉末であることが分った。
【0030】
実施例2
上記実施例1と同じ原料粉末を使用し、不活性ガスとしてAr+He混合ガスを用いて、LaB粉末の製造を実施した。即ち、22kW、4MHzの高周波電力を投入し、この時のプラズマガスの流量を13リットル/min、シースガスの流量はArが20リットル/min及びHeが3リットル/minとし、実施例1と同様に0.08〜0.1g/minの速度でArキャリアガスと共に原料粉末をプラズマ中に供給して、LaB粉末を製造した。
【0031】
得られたLaB粉末のX線回折測定を実施したところ、粉末の結晶相の種類はLa粉末、B粉末、C粉末の配合比に大きく依存し、例えば、La粉末:B粉末:C粉末を1:12:3のモル比に近い割合で混合した粉末を供給した場合に、JCPDSカード(34−427)記載のLaBの回折ピークと一致したピークのみが観察され、結晶相がLaBの単一相の粉末が得られることが分った。
【0032】
このLaB粉末のICP発光分析法による組成分析を実施したところ、ほぼ化学量論組成になっていることが確認された。また、コールターカウンター及びレーザー散乱法により測定した粒径分布は1次粒子の平均粒径が10〜60nmであり、極めて微細で化学量論組成のLaB粉末であることが分った。
【0033】
実施例3
原料粉末としてLa粉末とBC粉末を用い、不活性ガスとしてAr+N混合ガスを用いて、LaB粉末の製造を実施した。即ち、25kW、4MHzの高周波電力を投入し、この時のプラズマガスの流量を13リットル/min、シースガスの流量をArが20リットル/min及びNが2リットル/minとし、実施例1と同様に0.08〜0.1g/minの速度でArキャリアガスと共に原料粉末をプラズマ中に供給して、LaB粉末を製造した。
【0034】
得られたLaB粉末のX線回折測定を実施したところ、粉末の結晶相の種類はLa粉末とBC粉末の配合比に大きく依存し、例えば、La粉末:BC粉末を1:3のモル比に近い割合で混合した粉末を供給した場合に、JCPDSカード(34−427)記載のLaBの回折ピークと一致したピークのみが観察され、結晶相がLaBの単一相の粉末が得られることが分った。
【0035】
このLaB粉末のICP発光分析法による組成分析を実施したところ、ほぼ化学量論組成になっていることが確認された。また、コールターカウンター及びレーザー散乱法により測定した粒径分布は1次粒子の平均粒径が40〜100nmであり、極めて微細で化学量論組成のLaB粉末であることが分った。
【0036】
また、実施例1〜3において、得られる金属ホウ化物粉末の1次粒子の粒径はキャリアガスの流速に依存し、流速を変えることによって1次粒子が10〜800nmの平均粒径の金属ホウ化物粉末を得ることが可能であった。また、実施例1〜3において、実験で原料粉末の配合を変えると、LaBの微粉末以外にLa粉末などの粉末も生成された。このような混合体でもLaB粉末自体は微細な粒子であるため、熱線遮蔽膜を塗布法で形成するための原料として利用できる。
【0037】
尚、上記実施例1〜3と同様の方法によって、Ce、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、Sr、Ca、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Al、Si等の酸化物を原料粉末として用いて、CeB、GdB、TbB、DyB、HoB、YB、SmB、EuB、ErB、TmB、YbB、LuB、SrB、CaB、TiB、ZrB、HfB、NbB、TaB、AlB10、AlB12等の金属ホウ化物粉末が製造でき、本発明方法は種々の金属ホウ化物粉末の製造に適用できることを確認した。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、安全で安価な金属酸化物を原料粉末として、熱プラズマを用いた気相合成法により、微細な金属ホウ化物粉末を製造することができる。得られた金属ホウ化物粉末は、機械的粉砕を行わないため、不純物の混入を抑制することができる。また、この金属ホウ化物粉末は、1次粒子の平均粒径が800nm以下と極めて微細であるため、熱線遮蔽膜や電極用導電膜を塗布法で形成するための微粒子分散塗布液の原料として好適であり、安価に且つ効率よく製造できるため、本発明の工業的な価値は極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための装置の一具体例を示す概略の断面図である。
【符号の説明】
1 熱プラズマ
2 高周波コイル
3、4 不活性ガス供給ノズル
5 原料粉末供給ノズル
6 反応容器
7 吸引管
8 フィルター

Claims (5)

  1. 金属酸化物の粉末と、ホウ素と炭化ホウ素から選ばれた少なくとも1種類の粉末を、合成すべき金属ホウ化物の組成をMeB (Me:金属、B:ホウ素、x:2〜12)で表すと、供給する粉末の全体でのMe:Bのモル比が0 . 9〜1 . 1:0 . 8x〜1 . 5xとなるように、不活性ガスの熱プラズマ中にキャリアガスにより供給することによって、該金属のホウ化物からなる結晶相が単相の粉末を合成することを特徴とする金属ホウ化物粉末の製造方法。
  2. 前記不活性ガスの熱プラズマ中に更に還元剤として炭素粉末を供給し、合成すべき金属ホウ化物の組成をMeB (Me:金属、B:ホウ素、x:2〜12)で表すと、供給する粉末の全体でのMe:B:Cのモル比が0 . 9〜1 . 1:0 . 8x〜1 . 5x:0 . 01〜10 . 5となるように供給することによって、該金属のホウ化物からなる結晶相が単相の粉末を合成することを特徴とする、請求項1に記載の金属ホウ化物粉末の製造方法。
  3. 前記金属酸化物が、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、Sr、Ca、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Al、又はSiの酸化物であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の金属ホウ化物粉末の製造方法。
  4. 前記熱プラズマが高周波放電によって形成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の金属ホウ化物粉末の製造方法。
  5. 請求項1〜4の方法により製造された金属ホウ化物粉末であって、結晶相が単相であり、1次粒子の平均粒径が100nm以下であることを特徴とする金属ホウ化物粉末
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