JP4140154B2 - 演奏情報分離方法及び装置並びにそのための記録媒体 - Google Patents

演奏情報分離方法及び装置並びにそのための記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、演奏情報分離方法及び装置並びにそのための記録媒体、より詳しくいうと、両手弾きの楽曲演奏情報の音符データを左手データ及び右手データに分離する方法及び装置並びにそのための記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鍵盤楽器において、両手弾きの楽譜情報から左手で弾くべき左手データ及び左手で弾くべき左手データを得るには、例えば、演奏者等が適当な判断をしたり、ファジー推論的な判断を利用して、楽譜情報の音符データを左手又は右手に割り振っていた。
【0003】
このような方法では、既に演奏されたMIDI(Musical Instrument Digital Interface)情報などを用いて左手又は右手の指示を自動的に決めるといったような場合には、この演奏情報中に右手及び左手双方のMIDIデータが混在していることがあったので不都合を生じていた。
【0004】
【解決しようとする課題】
この発明は、このような従来技術の課題に鑑み、複数の音符データをグルーピングし、その結果に応じて左右に分離することにより、鍵盤楽器のための任意の演奏情報から、右手演奏、左手演奏、両手演奏など典型的なパターンを抽出して、右手又は左手データを自動的に得ることができる新規な演奏情報分離方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の特徴に従うと、演奏情報分離装置として機能するコンピュータにおいて演奏情報を分離するために実行される方法であって、演奏情報を取得する演奏情報取得ステップと、演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、音高軸に沿って、該演奏情報中の複数の音符データにより指示される音高の頻度分布を表わした音高頻度分布データを作成する音高頻度分布データ作成ステップと、音高頻度分布データ作成ステップで作成された音高頻度分布データについて、2つの音高頻度分布の山に分離している音高軸上の位置を区切りとして音高範囲を2つのグループに分ける音高頻度グループ分けステップと、音高頻度グループ分けステップでグループ分けされた音高頻度分布データの音高範囲に対応して、上記複数の音符データを左手又は右手に割り当てる割当てステップとを具備する演奏情報分離方法〔請求項1〕、演奏情報分離装置として機能するコンピュータに、演奏情報を取得する演奏情報取得ステップと、演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、音高軸に沿って、該演奏情報中の複数の音符データにより指示される音高の頻度分布を表わした音高頻度分布データを作成する音高頻度分布データ作成ステップと、音高頻度分布データ作成ステップで作成された音高頻度分布データについて、2つの音高頻度分布の山に分離している音高軸上の位置を区切りとして音高範囲を2つのグループに分ける音高頻度グループ分けステップと、音高頻度グループ分けステップでグループ分けされた音高頻度分布データの音高範囲に対応して、上記複数の音符データを左手又は右手に割り当てる割当てステップとから成る手順を実行させるための演奏情報分離プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体〔請求項8〕、並びに、演奏情報を取得する演奏情報取得手段と、演奏情報取得手段により取得された演奏情報に基づき、音高軸に沿って、該演奏情報中の複数の音符データにより指示される音高の頻度分布を表わした音高頻度分布データを作成する音高頻度分布データ作成手段と、音高頻度分布データ作成手段により作成された音高頻度分布データについて、2つの音高頻度分布の山に分離している音高軸上の位置を区切りとして音高範囲を2つのグループに分ける音高頻度グループ分け手段と、音高頻度グループ分け手段によりグループ分けされた音高頻度分布データの音高範囲に対応して、上記複数の音符データを左手又は右手に割り当てる割当て手段とを具備する演奏情報分離装置〔請求項11〕が提供される。
【0006】
この発明の第2の特徴に従うと、演奏情報分離装置として機能するコンピュータにおいて演奏情報を分離するために実行される方法であって、演奏情報を取得する演奏情報取得ステップと、演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、該演奏情報中の複数の音符データについて音高の時間的分布を音高・時間平面上に表わした音高・時間分布データを作成する音高・時間分布データ作成ステップと、音高・時間分布データ作成ステップで作成された音高・時間分布データにおいて音高的及び時間的に近い音符データを同一グループとして、上記複数の音符データを2つ以上のグループに分ける音高・時間グループ分けステップと、音高・時間グループ分けステップでグループ分けされた複数の音符データを左手又は右手に割り当てる割当てステップとを具備する演奏情報分離方法〔請求項2〕、演奏情報分離装置として機能するコンピュータに、演奏情報を取得する演奏情報取得ステップと、演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、該演奏情報中の複数の音符データについて音高の時間的分布を音高・時間平面上に表わした音高・時間分布データを作成する音高・時間分布データ作成ステップと、音高・時間分布データ作成ステップで作成された音高・時間分布データにおいて音高的及び時間的に近い音符データを同一グループとして、上記複数の音符データを2つ以上のグループに分ける音高・時間グループ分けステップと、音高・時間グループ分けステップでグループ分けされた複数の音符データを左手又は右手に割り当てる割当てステップとから成る手順を実行させるための演奏情報分離プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体〔請求項9〕、並びに、演奏情報を取得する演奏情報取得手段と、演奏情報取得手段により取得された演奏情報に基づき、該演奏情報中の複数の音符データについて音高の時間的分布を音高・時間平面上に表わした音高・時間分布データを作成する音高・時間分布データ作成手段と、音高・時間分布データ作成手段により作成された音高・時間分布データにおいて音高的及び時間的に近い音符データを同一グループとして、上記複数の音符データを2つ以上のグループに分ける音高・時間グループ分け手段と、音高・時間グループ分け手段によりグループ分けされた複数の音符データを左手又は右手に割り当てる割当て手段とを具備する演奏情報分離装置〔請求項12〕が提供される。
【0007】
この発明の第3の特徴に従うと、演奏情報分離装置として機能するコンピュータにおいて演奏情報を分離するために実行される方法であって、演奏情報を取得する演奏情報取得ステップと、演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、音高軸に沿って、該演奏情報中の複数の音符データにより指示される音高の頻度分布を表わした音高頻度分布データを作成する音高頻度分布データ作成ステップと、音高頻度分布データ作成ステップで作成された音高頻度分布データについて、2つの音高頻度分布の山に分離している音高軸上の位置を区切りとして音高範囲を2つのグループに分けることを試みる音高頻度グループ分けステップと、音高頻度グループ分けステップでグループ分けが行われた場合に、グループ分けされた音高頻度分布データの音高範囲に対応して、上記複数の音符データを左手又は右手に割り当てる第1割当てステップと、音高頻度グループ分けステップでグループ分けが行われなかった場合に、演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、上記複数の音符データについて音高の時間的分布を音高・時間平面上に表わした音高・時間分布データを作成する音高・時間分布データ作成ステップと、音高・時間分布データ作成ステップで作成された音高・時間分布データにおいて音高的及び時間的に近い音符データを同一グループとして、上記複数の音符データを2つ以上のグループに分ける音高・時間グループ分けステップと、音高・時間グループ分けステップでグループ分けされた複数の音符データを左手又は右手に割り当てる第2割当てステップとを具備する演奏情報分離方法〔請求項3〕、演奏情報分離装置として機能するコンピュータに、演奏情報を取得する演奏情報取得ステップと、演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、音高軸に沿って、該演奏情報中の複数の音符データにより指示される音高の頻度分布を表わした音高頻度分布データを作成する音高頻度分布データ作成ステップと、音高頻度分布データ作成ステップで作成された音高頻度分布データについて、2つの音高頻度分布の山に分離している音高軸上の位置を区切りとして音高範囲を2つのグループに分けることを試みる音高頻度グループ分けステップと、音高頻度グループ分けステップでグループ分けが行われた場合に、グループ分けされた音高頻度分布データの音高範囲に対応して、上記複数の音符データを左手又は右手に割り当てる第1割当てステップと、音高頻度グループ分けステップでグループ分けが行われなかった場合に、演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、上記複数の音符データについて音高の時間的分布を音高・時間平面上に表わした音高・時間分布データを作成する音高・時間分布データ作成ステップと、音高・時間分布データ作成ステップで作成された音高・時間分布データにおいて音高的及び時間的に近い音符データを同一グループとして、上記複数の音符データを2つ以上のグループに分ける音高・時間グループ分けステップと、音高・時間グループ分けステップでグループ分けされた複数の音符データを左手又は右手に割り当てる第2割当てステップとから成る手順を実行させるための演奏情報分離プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体〔請求項10〕、並びに、演奏情報を取得する演奏情報取得手段と、演奏情報取得手段により取得された演奏情報に基づき、音高軸に沿って、該演奏情報中の複数の音符データにより指示される音高の頻度分布を表わした音高頻度分布データを作成する音高頻度分布データ作成手段と、音高頻度分布データ作成手段により作成された音高頻度分布データについて、2つの音高頻度分布の山に分離している音高軸上の位置を区切りとして音高範囲を2つのグループに分けることを試みる音高頻度グループ分け手段と、音高頻度グループ分け手段によりグループ分けが行われた場合に、グループ分けされた音高頻度分布データの音高範囲に対応して、上記複数の音符データを左手又は右手に割り当てる第1割当て手段と、音高頻度グループ分け手段によりグループ分けが行われなかった場合に、演奏情報取得手段により取得された演奏情報に基づき、上記複数の音符データについて音高の時間的分布を音高・時間平面上に表わした音高・時間分布データを作成する音高・時間分布データ作成手段と、音高・時間分布データ作成手段により作成された音高・時間分布データにおいて音高的及び時間的に近い音符データを同一グループとして、上記複数の音符データを2つ以上のグループに分ける音高・時間グループ分け手段と、音高・時間グループ分け手段によりグループ分けされた複数の音符データを左手又は右手に割り当てる第2割当て手段とを具備する演奏情報分離装置〔請求項13〕が提供される。
【0008】
この発明の第1又は第3の特徴による演奏情報分離方法においては、さらに、音高頻度分布データ作成ステップで作成された音高頻度分布データについて2つの音高頻度分布の山に分離しているか否かを判定する分離判定ステップと、分離判定ステップで分離していないと判定された場合に、音高頻度分布データ作成ステップにおいて音高頻度分布データの作成対象となる音符データの数又は時間的範囲を変更して当該音符データの数を減少又は増大させる対象音符変更ステップとを具備し、音高頻度グループ分けステップでは、分離判定ステップで分離していると判定された場合にグループ分けを行う〔請求項4〕ように構成することができる。
【0009】
この発明の第2又は第3の特徴による演奏情報分離方法においては、音高・時間グループ分けステップでは、音高軸及び時間軸をもつ2次元平面上に複数の音符データに対応して位置する画像データを音高軸及び/又は時間軸方向に伸縮し、伸縮された画像データの音高及び時間方向の重なりを判断してグループ分けを行う〔請求項5〕ように構成することができる。
【0010】
この発明の第2又は第3の特徴による演奏情報分離方法においては、さらに、音高・時間グループ分けステップでは、音高・時間分布データ作成ステップで作成された音高・時間分布データにおいて、音高的に近い音符データを音高に関し2グループ化する分離線を、当該音符データが現われる時間帯の前後に現われる音符データの音高位置の関係に基づいて設定することによって、グループ分けを行う〔請求項6〕ように構成することができる。この場合、音高・時間グループ分けステップでは、ある時間帯について複数本の分離線を仮設定したのち、分離線を境界として低音側及び高音側の音符データ群について別々に運指を自動発生させ、運指上の容易性を最も良好にする分離線の位置を決定することによって、グループ分けを行う〔請求項7〕ように構成することができる。
【0011】
〔発明の作用〕
この発明によれば(請求項1,8,11;2,9,12;3,10,13)、演奏情報中の複数の音符データについて、音高頻度特性や音高時間経過特性といった音高分布を考慮し、音高軸に沿って音高の頻度分布を表わした音高頻度分布データ(実施例では「押鍵度数分布」と呼んでいる)又は音高・時間平面上で音高の時間的分布を表わした音高・時間分布データ(同「押鍵チャートデータ」)を作成し、右手演奏、左手演奏、両手演奏など典型的なパターンを抽出し得るように、音高頻度分布データにおいて2つの音高頻度分布の山に分離している音高軸上の位置を区切りとした音高範囲に対応して2つのグループに分けたり(請求項1,8,11)、音高・時間分布データにおいて音高的及び時間的に近い音符を同一グループとして2つ以上のグループに分けたり(請求項2,9,12)、或いは、これらのグループ分けを併用し(請求項3,10,13)、何れかのグループ分け(グルーピング)の結果に応じて左手又は右手への割当てを判断するようにしている。従って、例えば、キーボード系の演奏情報がMIDIデータになっている場合等において、いちいち楽譜情報まで戻らなくても左手又は右手に分離して、夫々対応する指示を自動発生させることができ、再演奏練習に非常に便利である。
【0012】
この発明により音高頻度分布データを用いて演奏情報を分離する際は、音高頻度分布データについて2つの音高頻度分布の山に分離しているか否かを判定し(S3,S9)、分離していないと判定された場合には(S3=NO,S9=NO)音高頻度分布データ作成(S2,S9)の対象となる音符データの数又は時間的範囲を変更して当該音符データの数を減少又は増大させ(S5,S10)、分離していると判定された場合に(S3=YES,S9=YES)グループ分けを行う(S4)ように構成することにより(請求項4)、種々の異なる条件に柔軟に対応して音高頻度分布による演奏情報分離のための処理を進めることができる。
【0013】
この発明により音高・時間分布データを用いて演奏情報を分離する際には、音高軸及び時間軸をもつ2次元平面(実施例では「押鍵チャート」と呼んでいる)上に複数の音符データに対応して位置する画像データ(同「チャート音符」)を、音高軸及び/又は時間軸方向に伸縮する処理(同「ふやけ化処理」)を行い、この処理で伸縮された画像データの音高及び時間方向の重なりから同一グループを判断してグループ分けを行うように構成することにより(請求項5)、音符データを明確に2グループ化する自動化処理を実現することができる。
【0014】
このように音高・時間分布データを用いて演奏情報を分離する際は、さらに、音高・時間分布データにおいて、音高的に近い音符データを音高に関し2グループ化する分離線(SL)を、当該音符データが現われる時間帯の前後に現われる音符データの音高位置の関係に基づいて設定する(つまり、はっきりと分けにくい領域OVに、はっきりとグループ分けができる領域から外挿して分離線SLを引く)ことによって、グループ分けを行うように構成することにより(請求項6)、2グループ化が難しい時間領域があっても、分離線により自動的に演奏情報を左右に分離することができる。また、この場合、ある時間帯について複数本の分離線を仮設定したのち、分離線の低音側及び高音側で左右別々に運指を自動発生させ、運指上の容易性を最も良好にする分離線の位置を決定するように構成することにより(請求項7)、無理のない自然な運指を促す演奏情報の左右分離を実現することができる。
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】
〔ハードウエア構成〕
図1には、この発明の一実施例による演奏情報分離方法を実施する機能を備えた演奏システムのハードウエア構成が示されている。この例では、演奏支援装置は、タイマ2を備える中央処理装置(CPU)1、読出専用メモリ(ROM)3、ランダムアクセスメモリ(RAM)4、第1の検出回路5、指示制御回路6、第2の検出回路7、外部記憶装置8、楽音形成回路9等を備え、これらの装置はバス10を介して互いに接続される。
【0017】
システム全体を制御するCPU1は、割込み処理に利用されるテンポクロック等を発生するタイマ2を具備しており、所定のプログラムに従って種々の制御を行い、特に、後述する演奏情報分離処理を中枢的に遂行する。ROM3には、このシステムを制御するための所定の制御プログラムが記憶されており、これらの制御プログラムには、基本的な演奏情報処理の外に、演奏情報分離に関する各種処理プログラム、データ、パラメータ、テーブル等が記憶される。RAM4は、これらの処理に際して必要なデータやパラメータを記憶し、また、各種レジスタやフラグ、更には、作成された分離情報等を一時記憶するためのワーク領域として用いられる。
【0018】
第1の検出回路5は鍵盤装置(キーボード)11からの鍵操作信号を検出するものであり、指示制御回路6は、この発明により決定された分離情報等に基づいて鍵盤装置11の演奏操作に必要な左手又は右手の指示情報を作成し、指示装置12を介して鍵盤装置演奏者に対応する指示を与える。指示装置12は、演奏者に聴覚的及び/又は視覚的及び/又は触覚的に左手乃至右手演奏を指示するものであり、好ましくは、ディスプレイモニタや音響発生器を併用して視覚的且つ音声的に左手や右手を分かり易く指示する。
【0019】
この発明の一実施例においては、特に、ディスプレイモニタ上にキーボードを仮想表示し、楽曲演奏の進行に従って、弾くべきキーを左右別々にカラー表示するなどの方法をとることにより、左右の別が分かり易くする。さらに、音声により左右を指示する場合は、通常は、“右(ミギ)”、“左(ヒダリ)”或いは“ライト”、“レフト”等を使う。この場合、左右の指示が混在しているものでは、事実上、人間には通常の対応ができないが、この発明によれば、右手のみのメロディー部、左手のみの伴奏部などと個別的に指示することにより、実質的に演奏支援ができるようにする。
【0020】
第2の検出回路7は操作パネル13からの操作信号を検出するものであり、操作パネル13上には、鍵盤装置11による演奏効果を制御したりこの発明による演奏支援上必要な操作を行うために、スイッチ類の各種操作手段や液晶表示器のようなディスプレイモニタ等の操作援助手段が設けられる。この操作パネル13は、分離情報の自動作成だけでなく、左手又は右手の指示情報を自動発生させた後、人間の目から弾いてみてこの指示情報具合の悪いところがある場合に、マニュアルで個別に修正するのに使用することができる。また、このディスプレイモニタは、鍵盤装置11の近傍に配置し、上述した左手又は右手の教示に共用することができる。
【0021】
外部記憶装置8には、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピーディスクドライブ(FDD)、CD−ROMドライブ、光磁気(MO)ディスクドライブ、DVDタイプのディジタル多目的ディスクの駆動装置等々、種々ある記憶装置のうちから、必要に応じて一つ又は複数の記憶装置が使用される。外部記憶装置8の記憶媒体には、演奏データが、例えば、MIDIフォーマットに従って記憶されている。
【0022】
バス10にはMIDIインターフェイス(MIDI I/F)14が接続され、他のMIDI機器15とMIDI形式の演奏データを授受することができる。また、楽音信号形成回路9は、鍵盤装置11による押鍵情報や、外部記憶装置8やMIDI機器15からの演奏データに基づいて楽音信号を形成しサウンドシステム16を介して楽音を発生するものであり、左手又は右手の指示に並行して、対応する演奏楽音を放音することができるようになっている。
【0023】
この発明によるシステムは、電子楽器形態の鍵盤楽器に対して実施することができ、また、電子楽器形態の鍵盤楽器に限らず、鍵盤装置を備える種々の楽器に適用することができ、これらの楽器には、例えば、ピアノのような自然楽器が含まれる。さらに、パーソナルコンピュータにアプリケーションソフトウエアを加えた形態で実施することもでき、音源内蔵パーソナルコンピュータシステムや、ハードディスク付きシーケンサに音源及びディスプレイを加えたシステムと同様の構成とすることができる。
【0024】
従って、演奏情報分離処理プログラムのようなアプリケーションソフトウエアは、外部記憶装置8を利用して、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記憶させてシステムに供給することができる。つまり、前述したように、ROM3に記憶される制御プログラムには、この発明による演奏情報分離に関する各種処理プログラムを含ませることができるが、このような処理プログラムは、アプリケーションソフトウエアとして、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の外部記憶装置8の記憶媒体から、システムのRAM4に取り込むようにしてもよい。また、外部記憶装置8には、さらに、RAM4上に一時記憶された分離情報を記録しておくこともできる。
【0025】
〔演奏情報分離処理の原理〕
この発明の演奏情報分離方法においては、演奏情報を取得すると、この演奏情報から、複数の音符データについて押鍵度数分布や押鍵・時間分布を作成して音高分布〔押鍵すべき鍵(Key)の分布〕を分析する。このような音高分布に基づいてグルーピングされた音符データは、グルーピング結果に応じて左手又は右手に割り当てる。また、音高分布の作成対象とする複数の音符データの数又は時間範囲を変更することにより、種々の異なる条件に柔軟に対応する。音高分布として押鍵・時間分布を作成する場合には、音高軸と時間軸をもつ押鍵チャートによる押鍵・時間分布を用い、これをグラフィック処理することにより、音符データの分離を更に明確化にすることができる。
【0026】
音高分布として、例えば、押鍵度数分布をとる場合、比較的簡単な童謡などの演奏情報については、図2のように、押鍵度数分布に2つの大きな山(グループ)ができる。このような場合は、低音側の山を右手と判定する。なお、この場合、まれに、右手と左手を交叉させて演奏することがある。このような左右交叉演奏については、MIDI情報だけから判定することができないので、最終的には、例外処理として、映像情報あるいは楽譜情報により別途修正することになる。
【0027】
ここで、例えば、図3のように、押鍵度数分布がおおざっぱに2つの山を形成しているとしても、はっきり2つに分離できない場合があり得る。このような場合には、押鍵度数分布だけから左右に明確に分離割付することができない。そこで、以下に説明するような処理を行う。
【0028】
例えば、図4に示される楽曲を考えると、右手については、ピアノの鍵盤で言うと、最低音が音符Aの40Key、最高音が音符Bの61Keyであり、右手の音域は第40Key〜61Keyとなる。一方、左手については、最低音が音符Cの28Key、最高音が音符Dの47Keyであり、左手の音域は28Key〜47Keyとなる。従って、この場合に全曲を通して押鍵度数分布をみてしまうと、左手と右手がオーバーラップしてしまう。しかしながら、処理対象とする音符数を減少させていけば、例えば、1小節単位ぐらいでみれば、図3のようにオーバーラップすることはまれである。そこで、比較的簡単な曲については、処理対象をある範囲に限定することにより、2つの大きなグループに完全に分離することが可能となる。
【0029】
〔実施例1=押鍵度数分布処理〕
この発明の一実施例においては、一曲中の押鍵度数分布のうち、完全に2つのグループに分離できるところを探し出し、低音側のグループを左手に、高音側のグループを右手に割りつける。なお、右手と左手を交叉させる左右交叉演奏がある場合のように、分離したグループの中で右手のみ又は左手のみの指でまかないきれないKeyを弾かなければならないと判定されるときは、上述の方法で割りつけた後、例外処理として映像情報あるいは楽譜情報により、他の手の指を応援にまわして押鍵することとする。
【0030】
図5は、この発明の一実施例による押鍵度数分布を用いた演奏情報分離処理のフローチャートの一例を示す。この処理フローの第1ステップS1においては、一曲分全部の音符情報を読み込み、次のステップS2にて押鍵度数分布を作成した上、ステップS3に進む。ステップS3では、作成された押鍵度数分布が2つの大きな山(グループ)に完全に分離しているか否かを判定し、2つの大きな山に完全分離することができるものであれば、ステップS4に進んで低音側の山を左手の音符とし高音側の山を右手の音符とする。一方、作成した押鍵度数分布から2つの山に完全分離することができない場合は、ステップS5に進み、左右分離の処理対象としている音符の後の方について、一部、例えば、50%を削り、これを処理対象外とする。
【0031】
また、ステップS4の処理を終えてステップS6に進んだ場合は、ステップS6で左右分離処理の対象外とした音符があるか否かを調べ、処理対象外音符があれば、ステップS7に進み、処理対象外としていた音符を左右分離処理の対象とする。
【0032】
ステップS5,S7で処理対象とする音符範囲の設定を終えると、ステップS8に進む。ステップS8では、処理対象音符の数が所定の第1個数N1以上あるかどうかを判断する。この第1個数N1は、例えば、“50”である。ステップS8で処理対象音符数がN1個以上ある場合は、ステップS2に戻ってあらためて押鍵度数分布を作成し直した後、ステップS3において、再度、押鍵度数分布が2つの大きな山に完全に分離しているか否かを判定し、ステップS4〜S7の処理を繰り返す。
【0033】
一方、ステップS8で処理対象音符数がN1個未満である場合は、ステップS9に進む。ステップS9においては、処理対象音符の押鍵度数分布を作成し、これについて、2つの大きな山に完全に分離しているか否かを判定し、完全分離できればステップS4に戻って、低音側の山を左手の音符とし高音側の山を右手の音符とする。また、ステップS9で完全分離できないと判断された場合には、ステップS10に進んだ後、ステップS2に戻る。ステップS10では、片手でのイントロがかなり長いとみなして処理対象音符に左右混在領域を含めるため、対象とする音符を、第2個数N2、例えば、“20”だけ、増やす。
【0034】
図5の演奏情報分離処理において、読み込んだ楽曲が簡単な曲であれば、ステップS1からステップS2に進んで、一曲全部の押鍵度数分布をとると、完全に2つのグループにすんなり分かれるかも知れない。この場合は、ステップS3からステップS4に進み、低音側のグループ(山)の音符を左手で引く、高音側のグループ(山)の音符を右手で弾くと判定して、ステップS6を通過して処理は終了する。
【0035】
これに対して、一曲全部では、完全に2つのグループに分けることができない場合は、ステップS3からステップS5を介することにより、後の方の音符を、例えば、50%削ってしまう。つまり、ステップS5からステップS8を経てステップS2に戻って、前半50%で、押鍵度数分布を作成するのである。
【0036】
これによっても、ステップS3で完全に2つのグループに分けることができない場合は、同じルート(S5→S8→S2)で、さらに、例えば、50%を削り、前半25%分の音符で押鍵度数分布を作成する。従って、通常の曲であれば、このような処理ルーチンにより、最初から数10%ぐらいの間の音符は、左右に分離することができる。
【0037】
しかしながら、図6及び図7の楽譜例に示すように、片手のイントロが長い曲では、上述の処理ルーチン(S5→S8→S2)では2つに分離できない現象が発生するので、対象とする音符の数が、第1個数N1、例えば、“50”を、下まわるようであれば、ステップS8からステップS2に至る別のルート(ステップS10)を設けて別の配慮をしなければならない。なお、この第1個数N1は、一例として、“50”としただけでであり、曲によっては、これを“10”にしたり、或いは、“100”にしたりして、もっともらしい回答を求めることができる。
【0038】
図5の処理フローでは、片手のイントロがかなり長い時間続く場合は、音符の数が、第1個数N1、例えば、“50”以上イントロになっている可能性があることを考慮して、ステップS8(NO)とステップS2との間にステップS10を介在させ、逆に、対象とする音符を後方へ、所定の第2個数N2、例えば、“10”だけ、少しずつ追加するように配慮している。これにより、処理対象音符が出力左手と右手とが混在した領域を含むことになるので、うまく2分割することができる。
【0039】
なお、上述のルーチン(S8→S2;S8→S10→S2)の何れかで堂々めぐり(無限ループ)を始めた場合には、これを検出して、第1又は第2個数N1,N2の数値を変更する処理(図示せず)を実行し、個数N1,N2をいろいろ変えてみる。さらに、それでもうまくいかない場合は、この押鍵度数分布による処理を中止し、以下に説明する他の処理に変更するか、或いは、ハンドル(手)入力を行う。
【0040】
〔実施例2=押鍵チャート処理〕
この発明の一実施例によれば、押鍵分布から楽曲音符を左右に分割するのに、時間的な押鍵分布を用いる別の方法を適用することができる。この方法には、縦軸に時間をとり横軸に鍵盤の高低(即ち、音高、鍵番号)を取った2次元的な押鍵チャート平面を用意し、時間推移に応じて、順次、押鍵されている鍵盤に対応する位置に押鍵印を付けて、ピアノロール譜と同様の押鍵チャートデータを作成する〔なお、縦軸及び横軸を時間及び音高(鍵番号)の何れに対応させるかは、説明上の問題であり、任意に選択し得る。〕。図8は、左右の人差し指で1オクターブの間隔をもってスケールを弾いた極端な演奏による押鍵チャート例であり、図中の「1」は押鍵される位置を表わす押鍵印データを示している。ここで、仮に、図示の演奏例の1Key〜88Keyについて単純に押鍵度数分布をとった場合は、図9のようなグラフになってしまい、左右の分割はとてもできない。
【0041】
そこで、この発明の一実施例では、演奏情報から押鍵チャート上に押鍵印データを画像データとしてマークした後、押鍵印データに対して、時間軸方向乃至鍵盤軸方向に適切なパラメータに従って伸縮させる押鍵チャート処理を用いることにより、上述のような演奏情報に対処することができる。この場合、通常、以下に説明するように、押鍵印データをふやけ(拡大)させる「ふやけ化」処理を施して、押鍵印データの「固まり」を生成し、この「固まり」に左手又は右手を割り当てるようにしているが、これとは逆に、当初は押鍵印データを大きく設定しておき徐々に縮小させ、押鍵印データの所望の「固まり」を生成させるようにしてもよい。なお、このような押鍵チャート処理は、演奏情報分離のために、単独の処理としても、或いは、上述した押鍵度数分布処理の補助的処理としても、実施することができる。
【0042】
図10は、この発明の一実施例による演奏情報分離処理のフローチャートの他の例を示し、押鍵チャート処理を用いて演奏情報を分離する場合の処理フローを表わしている。この処理フローの最初のステップR1で読み込んだ演奏情報中から、任意に選択された複数の音符データは、次のステップR2にて、図8に示すように、時間軸と音高(鍵番号)軸から成る押鍵チャート上の各音符データに対応する時間位置に、押鍵印データ(「1」)としてマークされる。押鍵印データ(「1」)がマークされた押鍵チャートデータが作成されると、次のステップR3に進み「ふやけ化」処理が実行される。
【0043】
この「ふやけ化」処理は、各押鍵印データを画像データとし、各々の輪郭を時間軸方向乃至鍵盤軸方向にグラフィック的に拡大する。押鍵印データをふやけさせることによって、時間的及び鍵盤的に近隣する押鍵印データは、互いに接触又は重畳して「固まり」を形成するので、この固まりに属するようにグループ化処理がなされる。例えば、図11に示すように、2つの押鍵印データが「ふやけ化」により互いに重畳して固まりを形成する。これは、これら2つの押鍵は、時間的・鍵盤的に近いということであって、同一の手によってなされたと推測することができるので、同一グループとして取り扱われる。例えば、図8の押鍵チャート例に対して「ふやけ化」処理した結果は、図12に示される。
【0044】
次のステップR4では、ステップR3での「ふやけ化」処理により形成された「固まり」について、最外殻輪郭数の算出等により、固まりの数、固まりに属する音符データ等を検出する。さらに、次のステップR5では、同一時間帯において「固まり」の数が2以下か否か、つまり、時間的・鍵盤的に近い押鍵印データが「ふやけ化」により生じた「固まり」(グループ)が、同一の手によるものと推測することができる程度にふやけさせられているのか否かを判断する。この判断の結果、「固まり」の数が2以下の場合は、固まりが同一の手に対応して生じたものとみなして、ステップR6に進む。そして、ステップR6では、図12に示すように、「固まり」のうち左側のものが左手であり右側が右手であると推測し、各「固まり」に属する音符データを左手或いは右手に割り当てる。
【0045】
一方、ステップR5で「固まり」の数が2以上であると判断された場合は、ステップR7に進み、ステップR3の「ふやけ化」処理においてグラフィック的な拡大率を表わす「ふやけ量」を変更する。なお、「ふやけ量」は、操作パネル13上の所定操作子により設定可能なパラメータに依存するが、当初は比較的小さい値に設定しておき、その後、このステップR7で徐々に大きくして行くのが好ましい。
【0046】
この実施例による押鍵チャート処理手法を使えば、一般に、左右両手への分離が難しい「右手でメロディを弾きながら、左手で低音や高音の伴奏を弾く」というケースにも対応することができる。すなわち、ステップR6での音符データの左手又は右手への割当て処理においては、以下のような手順を採用することにより、上述のケースに対応することができる。
【0047】
例えば、「右手でメロディを弾きながら、左手で低音や高音の伴奏を弾く」ケースでは、極く簡略化して表現すると、図13に示すような押鍵チャートデータが得られる。図13において、「固まり」グループB1〜B5及び「固まり」グループBmは時間的にオーバーラップしている。しかしながら、グループB1〜B5は、それぞれ、時間ts1〜ts5で始まり時間te1〜te5で終り、これらのグループ同士は、時間的にオーバーラップしていないので、グループB1〜B5は、1つの手によって演奏されるものであることが判る。従って、時間的に連続する「固まり」グループBmに対して、時間的にオーバーラップしていない断続的な「固まり」グループB1〜B5が生成されているときは、連続的な「固まり」グループBmを右手に割り当て、断続的な「固まり」グループB1〜B5を左手に割り当てることができる。
【0048】
〔実施例3=分離線設定処理〕
この発明の一実施例においては、2グループに分離しにくいところは、時間的な前後関係から、音高軸を分離する分離線を設定して2グループ化する方法を用いる。例えば、実施例2のように、時間軸(例えば、縦軸)と音高乃至鍵番号軸(例えば、横軸)をもつ2次元押鍵チャートデータにおける時間的な押鍵分布から楽曲音符を左右に分割する方法では、図14のような押鍵分布が得られる場合がある。すなわち、それまで分離していた2つの「固まり」が、領域OVで重なり合って1つの「固まり」になり、その後再び2つに分離するというケースがある。このように分離しにくいところOVは、時間的な前後関係から分離線を設定して2グループ化を進める分離線設定処理を適用することにより、このようなケースに対応することができる。なお、このような分離線設定処理の考え方は、以下に詳述する所から明らかなように、前述した押鍵度数分布処理において完全に2グループ化できなかった場合に、補助的な処理として適用することができる。
【0049】
この分離線設定処理による方法では、図14のような押鍵分布のチャートになった場合、1つの「固まり」になって分離しにくい押鍵チャート領域OVについては、時間的な前後関係から図示のように分離線SLを設定して、この分離線SLを境界として高音側と低音側とに2グループ化する。つまり、はっきりと2グループに分けることができる領域から外挿して、はっきりと分けにくい領域OVにまたがって分離線SLを引き、この分離線SLにより、1つの「固まり」になっているところを左右に2グループ化する。
【0050】
この場合、ある時間帯について複数本の分離線を仮設定したのち、左右別々に運指を自動発生させ、運指上の容易性を最も良好にする分離線の位置を決定するようにしてもよい。例えば、分離線SLは複数本を仮設定して各仮設定分離線により左右に2グループ化し、各仮設定毎に、分離線で分離された両グループについて、それぞれ、左右別々に運指の仮決めを行い、最も容易に運指ができると評価された場合の仮設定分離線を正式の分離線として採用する手法を追加することができる。このような運指容易性の判定を追加することにより、分離線により仮設定された左右の運指の妥当性を確認した後、左右の2グループ化が決定されるので、無理のないより自然な運指を促す左右割当てが可能になる。
【0051】
例えば、図15は「エリーゼの為に」という曲の楽譜の一部であり、図16は、この曲の途中の一部分に対応する押鍵チャートの処理結果を示し、両図では、楽譜とチャート音符の対応箇所をE,F,G,Hで表わしている。図16に示されるように、箇所E〜Hのあたりは、押鍵チャート処理では押鍵分布をはっきりと2グループに分けられない分離不能領域OVとなる。一方、その後に現われる領域CLの押鍵分布は、押鍵チャート処理によりはっきりと2グループに分けることができる。
【0052】
そこで、例えば、図16のように、はっきりと2グループに分けることができる領域CL側において、最も分離不能領域OV寄りに位置する左手側音符(群)の最高音と右手側音符(群)の最低音の中間値に相当する音高(鍵番号)位置を通るように分離線SLを設定する。そして、図17に示すように、この分離線SLによって分離不能領域OVを左右に分離する。
【0053】
この場合、図16に示すように、複数本の分離線SL,SL1,SL2(,…)を仮設定し、左右別々に運指を仮決めして最も容易に運指ができるところで決めるようにしてもよい。この方法では、先ず、上述したような分離線SLを仮設定とし、この分離線SLにより左右に分離して2グループ化(第1分離)した後、分離された左右各グループで、別々に、運指を仮決めすると共にこの仮決めを評価する。この運指の仮決め及び評価には、例えば、本発明者等が既に提案した特願平11−283360号の手法を採用することができる。
【0054】
次の段階では、図16に示すように、分離線SLの左右側それぞれで最も近い音符を越えた位置に、分離線SLを移動しそれぞれ分離線SL1,SL2とし(第2及び第3分離)、各分離線SL1,SL2でグループ分けした場合毎に、上述と同様の運指仮決め及び評価を行い、各場合(第2及び第3分離)の評価及び最初(第1分離)の評価を相互に比較する。ここで、最初(第1分離)の評価値が最も大きいときは、例えば、図17に示すように、最初に仮決定した分離線SLによって分離不能領域OVを左右に分離するものと決定し、直ちに、この分離線設定処理を終了する。
【0055】
これに対して、左側に移動した分離線SL1でグループ分けした場合(第2分離)の評価値が最も大きいときには、さらに、分離線SL1を左側に移動して、同様の運指仮決め及び評価を行い、前段(第2分離)での評価と比較し、評価が低下したときは、最初に(第1分離で)仮決定した分離線SLによって、分離不能領域OVを左右に分離するものと決定し、この処理を終了する。一方、評価結果が向上したときは、さらに、分離線の左方向への移動を進めて同様の処理を行い、評価向上が検出される度にこの処理を繰り返し、前段に比べて評価が低下したときに処理を終了し、直前の段階での分離線によりグループ分けするものと決定する。
【0056】
また、右側に移動した分離線SL2でグループ分けした場合(第3分離)の評価値が最も大きいときには、上述と同様に、さらに分離線SL2を右側に移動して、同様の運指仮決め及び評価を行い、前段(第3分離)での評価と比較し、これ以降の動作も上述と同様とする。すなわち、前段(第3分離)より評価が低下したときは、最初に(第1分離で)仮決定した分離線SLによって、分離不能領域OVを左右に分離するものと決定し、この処理を終了する。一方、評価結果が向上したときは、さらに、分離線の右方向への移動を進めて同様の処理を行い、評価向上が検出される度にこの処理を繰り返し、前段に比べて評価が低下したときに処理を終了し、直前の段階での分離線によりグループ分けするものと決定する。
【0057】
なお、運指の仮決め及び評価に関し、特願平11−283360号は、和音(複数鍵の同時押下)ではなく単音での運指を自動判定するものであるが、この発明の実施例にように、和音での運指を判定する場合には、低音からの分散和音または高音からの分散和音としてごくわずかの時間差をつけて評価を行なう。
【0058】
この場合、評価精度を上げるために、特願平11−283360号のロジックに加えて、「右手と左手でそれぞれ指が届く範囲内の音であれば、和音の数として右手と左手で略同じ音数を選ぶ」というロジックを追加して分離線を選択するようにしてもよい。
【0059】
また、運指の仮決め及び評価は、特願平11−283360号にあるように、隣の指との相対的な音程上の距離に基づいて基本的には行なわれるものであって、指が相対的に近ければ近いほど高得点であり、さらに、運指上、指が届かないほど離れていて1つの手で同時に押下することはできないもの等は、その時の分離線が不適であると判断する。また、運指の仮決め及び評価に際しては、指の形態上の特徴が考慮される。
【0060】
〔変形例〕
なお、上述した実施例1〜3においては、演奏情報の左右分離を行ない、指示装置12で左右どちらの手で演奏するかを指示するようにしたが、左右分離された演奏情報を特願平11−283360号などのロジックにしたがって運指決めを行ない、指示装置12で左右どちらの手で演奏するかおよびどの指で鍵を押下するかを指示するようにしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の演奏情報分離手法によれば、演奏情報中の複数の音符データについて、音高頻度特性や音高時間経過特性といった音高分布を考慮し、音高軸に沿って音高の頻度分布を表わした音高頻度分布データ(押鍵度数分布)又は音高・時間平面上で音高の時間的分布を表わした音高・時間分布データ(押鍵チャートデータ)を作成し、音高頻度分布データにおいて2つの音高頻度分布の山に分離している音高軸上の位置を区切りとした音高範囲に対応して2つのグループに分けたり(請求項1,8,11)、音高・時間分布データにおいて音高的及び時間的に近い音符を同一グループとして2つ以上のグループに分けたり(請求項2,9,12)、或いは、これらのグループ分けを併用したりして(請求項3,10,13)、何れかのグループ分け(グルーピング)の結果に応じて左手又は右手への割当てを判断するようにしているので、キーボード系の演奏情報がMIDIデータになっている場合等において、いちいち楽譜情報まで戻らなくても左手又は右手に分離して、夫々対応する指示を自動発生させることができ、再演奏練習に非常に便利になるという効果を奏することができる。
【0062】
また、音高頻度分布データを用いて演奏情報を分離する際は、音高頻度分布データについて2つの音高頻度分布の山に分離しているか否かを判定し、分離していないと判定された場合には音高頻度分布データ作成の対象となる音符データの数又は時間的範囲を変更して当該音符データの数を減少又は増大させ、分離していると判定された場合にグループ分けを行うようにしているので(請求項4)、種々の異なる条件に柔軟に対応して音高頻度分布による演奏情報分離のための処理を進めることができる。
【0063】
また、音高・時間分布データを用いて演奏情報を分離する際には、音高軸及び時間軸をもつ2次元平面(押鍵チャート)上に複数の音符データに対応して位置する画像データ(チャート音符)を、音高軸及び/又は時間軸方向に伸縮する処理(ふやけ化処理)を行い、この処理で伸縮された画像データの音高及び時間方向の重なりから同一グループを判断してグループ分けを行うようにしているので(請求項5)、音符データを明確に2グループに分離するグルーピング処理の自動化を促進することができる。さらに、音高・時間分布データにおいて、音高的に近い音符データを音高に関し2グループ化する分離線を、当該音符データが現われる時間帯の前後に現われる音符データの音高位置の関係に基づいて設定することによって、グループ分けを行うようにしているので(請求項6)、2グループ化が難しい時間領域があっても、分離線により自動的に演奏情報を左右に分離することができる。この場合、ある時間帯について複数本の分離線を仮設定したのち、分離線の低音側及び高音側で左右別々に運指を自動発生させ、運指上の容易性を最も良好にする分離線の位置を決定するようにしているので(請求項7)、取得した演奏情報から、運指上も自然で無理のない左右データを分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施例による演奏情報分離システムのハードウエア構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、押鍵度数特性の一例を示す図である。
【図3】図3は、押鍵度数特性の他の例を示す図である。
【図4】図4は、左手鍵域と右手鍵域がオーバラップする楽譜例を示す図である。
【図5】図5は、この発明の一実施例による演奏情報分離処理のフローチャートの一例を示す図である。
【図6】図6は、片手のイントロが長い楽譜の一例を示す図である。
【図7】図7は、片手のイントロが長い楽譜の他の例を示す図である。
【図8】図8は、左右の人差し指で1オクターブの間隔をもってスケールを弾いた極端な演奏による押鍵チャート例を示す図である。
【図9】図9は、図8の場合の押鍵度数特性を表わす図である。
【図10】図10は、この発明の一実施例による演奏情報分離処理のフローチャートの他の例を示す図である。
【図11】図11は、この発明の一実施例による演奏情報分離処理における「ふやけ化」処理を説明するための図である。
【図12】図12は、図8の押鍵チャート例に対して「ふやけ化」処理した結果を表わす押鍵チャートデータを示す図である。
【図13】図13は、「右手でメロディを弾きつつ左手で低・高音の伴奏を弾く」場合の押鍵チャートデータを極く簡略化して表現した図である。
【図14】図14は、押鍵チャート処理により「固まり」が合体する場合を説明するための図である。
【図15】図15は、「固まり」が合体する楽譜例(「エリーゼの為に」の一部)を示す図である。
【図16】図16は、図15の楽譜の演奏に対応する押鍵チャート処理結果例の一部を表わす図である。
【図17】図17は、分離線設定処理による運指判定後の「固まり」の分離を説明するための図である。
【符号の説明】
A 右手最低音の音符(40Key)、
B 右手最高音の音符(61Key)、
C 左手最低音の音符(28Key)、
D 左手最高音の音符(47Key)、
Bm 時間的に連続する「固まり」グループ、
B1〜B5 時間的にオーバーラップしない断続的な「固まり」グループ、
E,F,G,H 楽譜(図15)とチャート音符(図16)の対応箇所、
OV 押鍵チャート処理によっては分離しにくい分離不能領域、
CL 分離可能領域、
SL,SL1,SL2 分離線。

Claims (13)

  1. 演奏情報分離装置として機能するコンピュータにおいて演奏情報を分離するために実行される方法であって、
    演奏情報を取得する演奏情報取得ステップと、
    演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、音高軸に沿って、該演奏情報中の複数の音符データにより指示される音高の頻度分布を表わした音高頻度分布データを作成する音高頻度分布データ作成ステップと、
    音高頻度分布データ作成ステップで作成された音高頻度分布データについて、2つの音高頻度分布の山に分離している音高軸上の位置を区切りとして音高範囲を2つのグループに分ける音高頻度グループ分けステップと、
    音高頻度グループ分けステップでグループ分けされた音高頻度分布データの音高範囲に対応して、上記複数の音符データを左手又は右手に割り当てる割当てステップと
    を具備することを特徴とする演奏情報分離方法。
  2. 演奏情報分離装置として機能するコンピュータにおいて演奏情報を分離するために実行される方法であって、
    演奏情報を取得する演奏情報取得ステップと、
    演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、該演奏情報中の複数の音符データについて音高の時間的分布を音高・時間平面上に表わした音高・時間分布データを作成する音高・時間分布データ作成ステップと、
    音高・時間分布データ作成ステップで作成された音高・時間分布データにおいて音高的及び時間的に近い音符データを同一グループとして、上記複数の音符データを2つ以上のグループに分ける音高・時間グループ分けステップと、
    音高・時間グループ分けステップでグループ分けされた複数の音符データを左手又は右手に割り当てる割当てステップと
    を具備することを特徴とする演奏情報分離方法。
  3. 演奏情報分離装置として機能するコンピュータにおいて演奏情報を分離するために実行される方法であって、
    演奏情報を取得する演奏情報取得ステップと、
    演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、音高軸に沿って、該演奏情報中の複数の音符データにより指示される音高の頻度分布を表わした音高頻度分布データを作成する音高頻度分布データ作成ステップと、
    音高頻度分布データ作成ステップで作成された音高頻度分布データについて、2つの音高頻度分布の山に分離している音高軸上の位置を区切りとして音高範囲を2つのグループに分けることを試みる音高頻度グループ分けステップと、
    音高頻度グループ分けステップでグループ分けが行われた場合に、グループ分けされた音高頻度分布データの音高範囲に対応して、上記複数の音符データを左手又は右手に割り当てる第1割当てステップと、
    音高頻度グループ分けステップでグループ分けが行われなかった場合に、演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、上記複数の音符データについて音高の時間的分布を音高・時間平面上に表わした音高・時間分布データを作成する音高・時間分布データ作成ステップと、
    音高・時間分布データ作成ステップで作成された音高・時間分布データにおいて音高的及び時間的に近い音符データを同一グループとして、上記複数の音符データを2つ以上のグループに分ける音高・時間グループ分けステップと、
    音高・時間グループ分けステップでグループ分けされた複数の音符データを左手又は右手に割り当てる第2割当てステップと
    を具備することを特徴とする演奏情報分離方法。
  4. さらに、
    音高頻度分布データ作成ステップで作成された音高頻度分布データについて2つの音高頻度分布の山に分離しているか否かを判定する分離判定ステップと、
    分離判定ステップで分離していないと判定された場合に、音高頻度分布データ作成ステップにおいて音高頻度分布データの作成対象となる音符データの数又は時間的範囲を変更して当該音符データの数を減少又は増大させる対象音符変更ステップと
    を具備し、
    音高頻度グループ分けステップでは、分離判定ステップで分離していると判定された場合にグループ分けを行う
    ことを特徴とする請求項1又は3に記載の演奏情報分離方法。
  5. 音高・時間グループ分けステップでは、音高軸及び時間軸をもつ2次元平面上に複数の音符データに対応して位置する画像データを音高軸及び/又は時間軸方向に伸縮し、伸縮された画像データの音高及び時間方向の重なりを判断してグループ分けを行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の演奏情報分離方法。
  6. 音高・時間グループ分けステップでは、音高・時間分布データ作成ステップで作成された音高・時間分布データにおいて、音高的に近い音符データを音高に関し2グループ化する分離線を、当該音符データが現われる時間帯の前後に現われる音符データの音高位置の関係に基づいて設定することによって、グループ分けを行うことを特徴とする請求項2、3又は5に記載の演奏情報分離方法。
  7. 音高・時間グループ分けステップでは、ある時間帯について複数本の分離線を仮設定したのち、分離線を境界として低音側及び高音側の音符データ群について別々に運指を自動発生させ、運指上の容易性を最も良好にする分離線の位置を決定することによって、グループ分けを行うことを特徴とする請求項6に記載の演奏情報分離方法。
  8. 演奏情報分離装置として機能するコンピュータに、
    演奏情報を取得する演奏情報取得ステップと、
    演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、音高軸に沿って、該演奏情報中の複数の音符データにより指示される音高の頻度分布を表わした音高頻度分布データを作成する音高頻度分布データ作成ステップと、
    音高頻度分布データ作成ステップで作成された音高頻度分布データについて、2つの音高頻度分布の山に分離している音高軸上の位置を区切りとして音高範囲を2つのグループに分ける音高頻度グループ分けステップと、
    音高頻度グループ分けステップでグループ分けされた音高頻度分布データの音高範囲に対応して、上記複数の音符データを左手又は右手に割り当てる割当てステップと
    から成る手順を実行させるための演奏情報分離プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  9. 演奏情報分離装置として機能するコンピュータに、
    演奏情報を取得する演奏情報取得ステップと、
    演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、該演奏情報中の複数の音符データについて音高の時間的分布を音高・時間平面上に表わした音高・時間分布データを作成する音高・時間分布データ作成ステップと、
    音高・時間分布データ作成ステップで作成された音高・時間分布データにおいて音高的及び時間的に近い音符データを同一グループとして、上記複数の音符データを2つ以上のグループに分ける音高・時間グループ分けステップと、
    音高・時間グループ分けステップでグループ分けされた複数の音符データを左手又は右手に割り当てる割当てステップと
    から成る手順を実行させるための演奏情報分離プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  10. 演奏情報分離装置として機能するコンピュータに、
    演奏情報を取得する演奏情報取得ステップと、
    演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、音高軸に沿って、該演奏情報中の複数の音符データにより指示される音高の頻度分布を表わした音高頻度分布データを作成する音高頻度分布データ作成ステップと、
    音高頻度分布データ作成ステップで作成された音高頻度分布データについて、2つの音高頻度分布の山に分離している音高軸上の位置を区切りとして音高範囲を2つのグループに分けることを試みる音高頻度グループ分けステップと、
    音高頻度グループ分けステップでグループ分けが行われた場合に、グループ分けされた音高頻度分布データの音高範囲に対応して、上記複数の音符データを左手又は右手に割り当てる第1割当てステップと、
    音高頻度グループ分けステップでグループ分けが行われなかった場合に、演奏情報取得ステップで取得された演奏情報に基づき、上記複数の音符データについて音高の時間的分布を音高・時間平面上に表わした音高・時間分布データを作成する音高・時間分布データ作成ステップと、
    音高・時間分布データ作成ステップで作成された音高・時間分布データにおいて音高的及び時間的に近い音符データを同一グループとして、上記複数の音符データを2つ以上のグループに分ける音高・時間グループ分けステップと、
    音高・時間グループ分けステップでグループ分けされた複数の音符データを左手又は右手に割り当てる第2割当てステップと
    から成る手順を実行させるための演奏情報分離プログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  11. 演奏情報を取得する演奏情報取得手段と、
    演奏情報取得手段により取得された演奏情報に基づき、音高軸に沿って、該演奏情報中の複数の音符データにより指示される音高の頻度分布を表わした音高頻度分布データを作成する音高頻度分布データ作成手段と、
    音高頻度分布データ作成手段により作成された音高頻度分布データについて、2つの音高頻度分布の山に分離している音高軸上の位置を区切りとして音高範囲を2つのグループに分ける音高頻度グループ分け手段と、
    音高頻度グループ分け手段によりグループ分けされた音高頻度分布データの音高範囲に対応して、上記複数の音符データを左手又は右手に割り当てる割当て手段と
    を具備することを特徴とする演奏情報分離装置。
  12. 演奏情報を取得する演奏情報取得手段と、
    演奏情報取得手段により取得された演奏情報に基づき、該演奏情報中の複数の音符データについて音高の時間的分布を音高・時間平面上に表わした音高・時間分布データを作成する音高・時間分布データ作成手段と、
    音高・時間分布データ作成手段により作成された音高・時間分布データにおいて音高的及び時間的に近い音符データを同一グループとして、上記複数の音符データを2つ以上のグループに分ける音高・時間グループ分け手段と、
    音高・時間グループ分け手段によりグループ分けされた複数の音符データを左手又は右手に割り当てる割当て手段と
    を具備することを特徴とする演奏情報分離装置。
  13. 演奏情報を取得する演奏情報取得手段と、
    演奏情報取得手段により取得された演奏情報に基づき、音高軸に沿って、該演奏情報中の複数の音符データにより指示される音高の頻度分布を表わした音高頻度分布データを作成する音高頻度分布データ作成手段と、
    音高頻度分布データ作成手段により作成された音高頻度分布データについて、2つの音高頻度分布の山に分離している音高軸上の位置を区切りとして音高範囲を2つのグループに分けることを試みる音高頻度グループ分け手段と、
    音高頻度グループ分け手段によりグループ分けが行われた場合に、グループ分けされた音高頻度分布データの音高範囲に対応して、上記複数の音符データを左手又は右手に割り当てる第1割当て手段と、
    音高頻度グループ分け手段によりグループ分けが行われなかった場合に、演奏情報取得手段により取得された演奏情報に基づき、上記複数の音符データについて音高の時間的分布を音高・時間平面上に表わした音高・時間分布データを作成する音高・時間分布データ作成手段と、
    音高・時間分布データ作成手段により作成された音高・時間分布データにおいて音高的及び時間的に近い音符データを同一グループとして、上記複数の音符データを2つ以上のグループに分ける音高・時間グループ分け手段と、
    音高・時間グループ分け手段によりグループ分けされた複数の音符データを左手又は右手に割り当てる第2割当て手段と
    を具備することを特徴とする演奏情報分離装置。
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