JP4139764B2 - 試料検出デバイスおよび試料検出装置 - Google Patents

試料検出デバイスおよび試料検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、液体に含まれる高分子などの試料液(以下、単に試料液という)を遠心分離や電場作用によって分離し、検出する試料検出デバイス、および試料検出装置に関するものである。
従来、例えば、液体に含まれるタンパク質や核酸(DNA、RNA)などの極微量の高分子を分析する場合には、電気泳動装置が用いられており、その代表的な装置として、液体分離装置やキャピラリー電気泳動装置などが知られている。
液体に含まれる高分子成分を分離する第1の従来例として、例えば、特許文献1に開示された液体分離装置および液体分離方法がある。この液体分離装置は、ディスク状の基板に、ディスクの中心部分から放射状に延びており、始端と終端には電源電極を備えている、電気泳動用の複数の泳動路(流路)を備えている。この流路内に高分子を含む液体を電気泳動すると、高分子はその分子量や帯電性に応じて分離され、終端付近に設けられた検出用電極によって電気的に検出される。
また、液体に含まれる高分子成分を分離する第2の従来例として、例えば、特許文献2に開示されたキャピラリー電気泳動装置が知られている。これは、上記の電気的な検出以外に、蛍光物質を高分子に結合させ、レーザ光などによって蛍光検出を行う方法である。このキャピラリー電気泳動チップ(装置)は、レーザ光の照射スポットの位置、すなわちレーザ光の光路を流路の終端近くに固定しておき、泳動されてくるタンパク質や核酸などの高分子が通過する時間を検出することにより、高分子を検出するものである。これは、分子量の小さい高分子ほど早く通過するため、通過する時間によって分子量や帯電量を特定することができるためである。
特開平11−281619号公報(公開日:1999年10月15日) 特開平9−304338号公報(公開日:1997年11月28日)
上記第1の従来例では電気的に高分子を検出するため、流路の終端近くに検出部を持っており、被検出高分子がこの検出部を通る時点で検出が完了する。しかしながら、電気的な検出では信号量が小さく、S/N比が低いため、高分子の種類によっては十分な検出が困難であった。
そこで、電気的な検出ではなく、光学的な検出によってS/N比を上げて検出の感度を高めた装置が上記第2の従来例である。この装置によれば、流路中を泳動する高分子に対してレーザ光を照射し、その高分子からの透過光を検出することで、S/N比を上げ、光学的に高分子を感度良く検出できる。
しかしながら、上記第2の従来例の装置は、レーザ入射光の光路を第1の反射膜で直角に曲げ、高分子を透過させた後に、さらにこの透過光を第2の反射膜で直角に曲げ、この透過光の反射光を検出するものである。したがって、入射光の光路と、透過光の反射光の光路とが一致していないため、対物レンズなどの光学系が、少なくとも入射光用と反射光用との2つ必要であり、このため、装置本体が大型化するという問題点があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、入射光と反射光との光学系を共通化して装置の小型化を実現できる試料検出デバイス、および試料検出装置を提供することである。
本発明に係る試料検出デバイスは、上記課題を解決するために、光ビームが照射される基板を備え、該基板には試料液を挿入させるための流路が形成されている試料検出デバイスにおいて、上記基板における、光ビームが入射する面の裏面側であって、上記流路が形成されている領域に対応する領域には、光ビームを反射するための誘電体からなる第1の反射膜が形成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る試料検出デバイスは、上記基板における、光ビームが入射する面の裏面側であって、上記第1の反射膜が形成されている領域以外の領域には、金属からなる第2の反射膜が形成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る試料検出デバイスは、上記課題を解決するために、光ビームが照射される透過する基板を備え、該基板には試料液を挿入させるための流路が形成されている試料検出デバイスにおいて、さらに上記基板には、高分子を検出するための光ビームが、上記流路を横切って走査するための案内手段が設けられており、上記基板における、光ビームが入射する面の裏面側であって、上記流路が形成されている領域、および上記案内手段が形成されている領域に対応する領域には、光ビームを反射するための誘電体からなる第1の反射膜が形成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る試料検出デバイスは、上記基板における、光ビームが入射する面の裏面側であって、上記第1の反射膜が形成されている領域以外の領域には、金属からなる第2の反射膜が形成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る試料検出デバイスは、上記第1の反射膜は、多層の誘電体薄膜からなることを特徴としている。
また、本発明に係る試料検出装置は、上記課題を解決するために、上記いずれかの試料検出デバイスと、上記試料検出デバイスに対して光ビームを照射する光ビーム照射手段と、上記光ビームを上記試料検出デバイスに設けられた案内手段に沿って走査させる光ビーム走査手段と、上記試料検出デバイスに設けられている流路または案内手段に対して光ビームを照射した際に得られる、反射光、透過光、散乱光、および発光のうち、いずれかを検出する光学的検出手段と、上記光学的検出手段によって検出された光学情報に基づき、高分子を検出する試料検出手段と、を備えていることを特徴としている。
本発明に係る試料検出デバイスは、以上のように、上記基板における、光ビームが入射する面の裏面側であって、上記流路が形成されている領域に対応する領域には、光ビームを反射するための誘電体からなる第1の反射膜が形成されているので、流路に高分子検出のための光ビームが照射されると、入射光の光路と反射光の光路とが一致する。このため、光ビームの往路用(入射光用)の光学系と復路用(反射光用)の光学系とを1つの光学系で兼用することができ、試料検出装置本体の小型化が容易となるという効果を奏する。また、光ビームの入射光は流路を通過(透過)した後、反射膜によって反射し、該反射光が再び流路を通過することになる。このため、流路中を泳動する高分子を光ビームが2回透過することになり、S/N比が向上する。さらに、上記反射膜は誘電体からなるため、流路における電気泳動用の電界強度が減少することなく、高速かつ確実に電気泳動を行うことができるという効果を奏する。
本発明に係る試料検出デバイスは、以上のように、上記基板における、光ビームが入射する面の裏面側であって、上記第1の反射膜が形成されている領域以外の領域には、金属からなる第2の反射膜が形成されているので、流路が形成された領域以外では金属薄膜を備えることになる。このため、この金属薄膜からなる第2の反射膜部分から放熱を行うことが可能となる。したがって、電気泳動におけるジュール熱の発生による試料検出デバイスの温度上昇を防止することができ、高分子が変性することなく高精度で電気泳動が可能であるという効果を奏する。
本発明に係る試料検出デバイスは、以上のように、上記基板には、高分子を検出するための光ビームが、上記流路を横切って走査するための案内手段が設けられており、上記基板における、光ビームが入射する面の裏面側であって、上記流路が形成されている領域、および上記案内手段が形成されている領域に対応する領域には、光ビームを反射するための誘電体からなる第1の反射膜が形成されているので、案内手段を流路上の所望の位置に配置することにより、光ビームが案内手段に沿って流路を横切り走査することが可能となり、その際に高分子を検出することができる。このため、分離速度の速い高分子に対しては、該案内手段の位置を流路の始点に近づけたデバイスを使用することにより、分離が速く終わっても、当該高分子が検出部位に到達するまで検出されないという問題を回避でき、効率的に高分子を検出することができる。また、分離速度の遅い高分子に対しては、該案内手段の位置を流路の終端に近づけたデバイスを使用することにより、分離される前に検出部位に到達してしまい、分離・検出ができないという問題を回避でき、これも効率的に高分子を検出することが可能となる。すなわち、高分子検出用の光ビームは、この案内手段に沿って流路をスキャンできるため、所望の位置で高分子を検出することが可能となるという効果を奏する。
さらに、流路および案内手段が形成される領域には第1の反射膜が形成されるため、流路または案内手段に対して、光ビームが照射されると、入射光の光路と反射光の光路とが一致する。このため、光ビームの往路用(入射光用)の光学系と復路用(反射光用)の光学系とを1つの光学系で兼用することができ、試料検出装置本体の小型化が容易となるという効果を奏する。また、光ビームの入射光は流路を通過(透過)した後、反射膜によって反射し、該反射光が再び流路を通過することになる。このため、流路中を泳動する高分子を光ビームが2回透過することになり、S/N比が向上する。さらに、上記反射膜は誘電体からなるため、流路における電気泳動用の電界強度が減少することなく、高速かつ確実に電気泳動を行うことができるという効果を奏する。
本発明に係る試料検出デバイスは、以上のように、上記基板における、光ビームが入射する面の裏面側であって、上記第1の反射膜が形成されている領域以外の領域には、金属からなる第2の反射膜が形成されているので、流路および案内手段が形成された領域以外では金属薄膜を備えることになる。このため、この金属薄膜からなる第2の反射膜部分から放熱を行うことが可能となる。したがって、電気泳動におけるジュール熱の発生による試料検出デバイスの温度上昇を防止することができ、高分子が変性することなく高精度で電気泳動が可能であるという効果を奏する。
本発明に係る試料検出デバイスは、以上のように、上記第1の反射膜は、多層の誘電体薄膜からなるので、高反射率が得られる。このため、効率よく反射光を得られるため、確実かつ精度良く高分子を検出することができるという効果を奏する。
本発明に係る試料検出装置は、以上のように、試料検出デバイスと、光ビーム照射手段と、光ビーム走査手段と、光学的検出手段と、試料検出手段と、を備えているので、光ビームを高速で流路を横切るように走査させて、高分子を効率的かつ確実に検出することが可能となるという効果を奏する。また、上記試料検出装置が、試料検出デバイスを着脱可能に搭載することができる場合、該試料検出デバイスのみ変更することによって、様々な高分子を効率的に検出することが可能となる。つまり、試料検出装置本体を変更する必要はなく、案内手段の位置が異なる試料検出デバイスを複数用意し、目的の高分子に応じた試料検出デバイスを試料検出装置本体に搭載し使用することで、効率的な高分子検出が可能となり、コスト的にもメリットが大きい。例えば、特定の病気を、DNAを検査することによって診断する場合、その検査対象のDNAに対応した案内手段の位置を有する試料検出デバイスを使用することにより、試料検出装置はそのままで、安価で効率的に高分子を検出できる検出システムを提供可能であるという効果を奏する。
さらに、本試料検出装置は、入射光用の光学系と反射光用の光学系とを兼用することが可能であるため、装置本体の小型化が容易となるという効果を奏する。
本発明に係る電気供給デバイスおよび電気供給装置は、試料検出デバイスおよび試料検出装置と同様の特徴点を有する。そこで、以下では、本発明に係る試料検出デバイスについて説明し、次いで本発明に係る試料検出装置について説明し、電気供給デバイスおよび電気供給装置の説明に替えることとする。なお、本発明は以下の実施の形態に限られるものではない。また、以上の説明では、主に高分子の含まれる試料液の検出に限って説明したが、これに限らず溶媒(たとえば水)と溶質との化学的あるいは物理的な性質の違いを利用して、溶媒中での溶質の濃度分布を生じさせて検出する場合であれば、同様な課題や作用が生じる。すなわち、例えば、比較的分子量の低い分子や、コロイドなどの溶質が溶媒に分散している試料液であれば、本発明に係る試料検出デバイスおよび試料検出装置は利用可能である。つまり、本発明でいう「試料液」とは、比較的分子量の低い分子や、コロイドなどの溶質が溶媒に分散している試料液、または高分子が含まれる試料液をいい、「試料検出」とは、試料液中に含まれる試料(溶質、高分子等)を検出することをいう。なお、説明の便宜上、以下では、特に、高分子を含む試料液から高分子を検出する場合について説明する。
〔1〕本発明に係る試料検出デバイスについて
本発明に係る試料検出デバイスの一実施形態について図1〜図3に基づいて説明すると以下の通りである。
本実施の形態に係る試料検出デバイスは、光ビームが照射される基板を備え、該基板には試料液(例えば、高分子を含む試料液)を挿入(導通)させるための流路が形成されている試料検出デバイスである。なお、上記基板は、光ビームを透過することが好ましい。
図1(a)は、本実施の形態に係る試料検出デバイスの表面側を示す平面図であり、図1(b)は、本実施の形態に係る試料検出デバイスの裏面側を示す平面図である。また、図2は、図1(a)に示す高分子デバイスをS−S線にて切断した場合の断面図である。
図1(a)(b)に示すように、本実施の形態に係る試料検出デバイス1は、ディスク型である。また、図1、2に示すように、試料検出デバイス1には、ディスク基板1aとディスク基板1bとを接着剤15によって張り合わせた構造となっている。ディスク基板1a、ディスク基板1bおよび接着剤15は、すべて高分子検出用の光ビームを透過する光透過性を有するものである。具体的には、ディスク基板1aおよび1bとしては、ポリカーボネート基板あるいはガラス基板、石英基板を使用することが好ましい。
試料検出デバイス1は、注入口2、液溜3、流路4、第1電極5、第2電極6、第1電極接点7、第2電極接点8、番地情報表示部9、中心穴11、反射膜12、案内溝60が形成されている。流路4は、流路4(A)、流路4(B)、流路4(C)、4(D)の4本設けられており、それに対応して、番地情報表示部9も、番地情報表示部9a、番地情報表示部9b、番地情報表示部9c、番地情報表示部9dの4つ設けられている。また、第1電極5は、後述するように、配線パターン5a、5b、5cから構成されており、注入口2、液溜3、第2電極6、配線パターン5b、5cは、4本の流路4に対応して4つずつ設けられている。中心穴11は、ディスク基板1a、1bの中心部に、ディスク基板1a、1bを貫通するように形成されており、後述する電気泳動台50や試料検出装置100に装着する場合の中心位置を定めるものである。
流路4は、高分子を含む液体を電気泳動し、該高分子を分離または抽出するための泳動路であり、中心穴11から半径方向外方に向けて放射状に形成されている。流路4の幅は、数μm〜100μm、長さは数cm〜数mであることが好ましい。この流路4は、本試料検出デバイス1には4本形成されており、A〜Dで示す流路記号23によって識別されており、上述したように4本の流路をそれぞれ流路4(A)、4(B)、4(C)、4(D)と称する。各流路4の始端には、高分子を含む液体試料を流路4に供給するための注入口2が形成されており、また終端には液溜3が形成されている。
また、注入口2および液溜3は、ディスク基板1aの表面に露出しているが、図2に示すように、流路4はディスク基板1aの裏面に下向きに凹状の溝形状で加工されており、ディスク基板1aとディスク基板1bとを張り合わせることによって、閉じた流路4が形成されることになる。
つまり、流路4は、ディスク基板1aにおける面のうち、第1電極5が形成される面の裏面側に形成される。注入口2と液溜3とは、流路4の両端においてディスク基板1aを貫通するように設けられる。ディスク基板1bには、案内溝60が形成され、案内溝60の一部に番地情報表示部9が加工され、その上に反射膜12が成膜される。ディスク基板1aにおける流路4が形成された面と、ディスク基板1bにおける反射膜12が形成された面の裏面とを接着剤15で張り合わせることにより、試料検出デバイス1が形成される。
また、上記注入口2および液溜3は、電気泳動で一般に使用されるものである。また、注入口2には第2電極6が接続されており、液溜3には第1電極5、より詳細には配線パターン5cが接続されている。このため、例えば、検出対象の高分子がDNAである場合、DNAはマイナス(−)に帯電しているため、第1電極5にプラス(+)の高電圧を印加し、第2電極6を接地すると、注入口2に注入された液体試料に含まれるDNAは、流路4中をプラス(+)側の第1電極5方向に引っ張られ、液溜3の方向に泳動される。DNAの帯電量や分子量によって電気泳動の速度が異なるため、流路4中を流れる移動速度の違いによってDNAが分離されることになる。
また、案内溝60は、上述のように、ディスク基板1bに形成されており、より詳細には、ディスク基板1bにおける、ディスク基板1aとディスク基板1bとが接する面の裏面側に形成されており、案内溝60がディスク基板1bに形成された後に、案内溝60を覆うように反射膜12が形成されている(図2参照)。この案内溝60は、高分子を検出するための光ビームが走査する際に、光ビームの走査を導き案内するための案内手段として機能するものである。すなわち、光ビームは案内溝60に沿って試料検出デバイスを走査することになる。この光ビームの走査を導き案内するための案内溝60は、流路4を複数回横切るように、らせん状に設けられている。より詳細には、案内溝60は、流路4の長手方向に対して垂直な方向に、光ビームが流路4を横切って走査することができるように設けられている。ここで、「流路を横切る方向」とは、流路4の長手方向に対して略垂直な方向のことをいう。
この案内溝60の一部には、番地情報表示部9が凹凸形状で加工されている。ここで番地情報表示部9は、後述する試料検出装置100から照射された光ビームが4本の流路A〜Dのうち、どの流路を横切って走査したのかを識別するための流路識別手段として機能するものであり、さらに、光ビームが流路4を複数回横切って設けられた案内溝60のうち、どの位置の案内溝60に沿って走査したのかを識別するためのトラック識別手段として機能するものでもあり、4つの番地情報表示部9a〜9dが存在する。
すなわち、番地情報表示部9a〜9dは、流路4の数に対応して4列設けられ、それぞれの列(9a〜9d)には隣接する流路4(A)〜4(D)の流路識別情報が記録されている。つまり、番地情報表示部9aには流路4(A)の番地情報が、番地情報表示部9bには流路4(B)の番地情報が、番地情報表示部9cには流路4(C)の番地情報が、番地情報表示部9dには流路4(D)の番地情報が記録されている。これにより、例えば、光ビームが流路4(A)と番地情報表示部9aとを走査した場合は、流路4(A)を走査したことが、光ビームが流路4(B)と番地情報表示部9bとを走査した場合は、流路4(B)を走査したことが、確実に識別できる。また、ひとつの番地情報表示部には、後述するように案内溝60毎の案内溝の識別情報(例えば、トラック番号)も記録されている。これによって、番地情報表示部のうち、ある番地情報表示部のある案内溝60に記録された番地情報は、流路を識別するための流路識別記号と流路の位置情報である案内溝のトラック番号とを示すことになる。
また、図1(b)に示すように、ディスク基板1bの面のうち、ディスク基板1aと接する面の裏面には、反射膜12が成膜されている。すなわち、試料検出デバイス1の光ビームが入射される面(表面)の裏面側には反射膜12が形成されている。この反射膜12は、後述する試料検出装置100が備える光ピックアップ装置18から入射した光ビームを反射して、再び光ピックアップ装置18に対して該反射光を入射させるためのものであり、光ピックアップ装置18では該反射光を検出して信号を送信し、試料検出装置100内の他の手段によって高分子を検出するように構成されている。これにより、透過光ではなく反射光を用いて高分子を検出することができるため、光ビームが入射される側にのみ光学系を備えた試料検出装置100により高分子を検出することが可能となる。透過光を検出することによって高分子を検出する場合、試料検出デバイス1を挟んで、両側に光学系が配置する必要があるため、装置本体の小型化が容易にできない。その一方、上記のように試料検出デバイス1の光ビームが入射する面の裏面側に反射膜12を形成することにより、入射した光ビームを反射させることができ、反射光の検出により高分子の検出が可能となる。このため、光ビームを入射する側にのみ光学系を備えている試料検出装置100を作製でき、装置本体を容易に小型化することが可能となる。
また、反射膜12は、後述するように、金属薄膜ではなく、誘電体薄膜を用いることが好ましい。特に多層薄膜を用いれば、高反射率が得られることがよく知られている。誘電体薄膜を用いた反射膜12によって、反射光を使用して、装置の小型化が可能となる。
また、反射膜12は、図1(a)に示す流路4、案内溝60、番地情報表示部9(9a〜9d)に照射された光ビームを反射し、該反射光を後述する光ピックアップ装置へ導くために使用されるものである。ここで、仮に、試料検出デバイス1に、従来の光ディスクと同じように、アルミニウム、銀などの金属薄膜からなる反射膜を使用する場合、ディスク基板1aおよび1bを挟んで流路4が存在するため、電気泳動に必要な高電界を流路4に適切に印加できなくなる。つまり、流路4の直下を覆うように電気伝導体(金属薄膜)が配置されるため、高電界のほとんどが、第1電極5と金属薄膜からなる反射膜との間、および第2電極6と金属薄膜からなる反射膜との間に印加され、流路4の始端と終端との間に高電界が印加されなくなる。
そこで、反射膜12を誘電体薄膜からなる反射膜として構成することにより、流路4の直下が金属ではなく誘電体となり、高電界が第1電極5と反射膜12との間や、第2電極6と反射膜12との間に印加されることなく、流路4の始端と終端との間に高電界を確実に印加することができる。すなわち、試料検出デバイス1における、光ビームが照射される面の裏面側であって、流路4が形成されている領域に対応する領域に、誘電体からなる反射膜12を形成することにより、流路4の始端と終端との間に高電界を印加できるとともに、反射光を用いた試料検出装置100本体の小型化をも可能とする試料検出デバイスを提供することができる。ここで、「試料検出デバイス1における、光ビームが照射される面の裏面側であって、流路4が形成されている領域に対応する領域に反射膜12を形成する」とは、試料検出デバイス1における、光ビームが照射される面の裏面には、流路4は形成されていないが、該裏面側から試料検出デバイス1を見た場合、該裏面上に、流路4の形状に合わせて、流路4が形成された領域を覆うように反射膜12を形成することをいう。
なお、図9に示すように、試料検出デバイス1における、光ビームが照射される側の裏面のうち、少なくとも流路4および案内溝60を設けた領域に対応する領域にのみ、反射膜12を形成すればよく、それ以外の領域では必ずしも必要ではない。すなわち、反射膜12は、試料検出デバイス1における、光ビームが照射される側の裏面側であって、光ビームが走査する領域にのみ形成すればよく、その他の領域には特に必要ないといえる。ここで、「試料検出デバイス1における、光ビームが照射される面の裏面側であって、流路4および案内溝60が形成されている領域に対応する領域に反射膜12を形成する」とは、試料検出デバイス1における、光ビームが照射される面の裏面には、流路4は形成されていないが、案内溝60は形成されているため、該裏面側から試料検出デバイス1を見た場合、該裏面上に、流路4の形状に合わせて、流路4が形成された領域を覆うように、かつ該裏面上に形成された案内溝60の形状に合わせて、案内溝60が形成された領域を覆うように反射膜12を形成することをいう。
また、図10に示すように、流路4の直下の領域にのみ誘電体薄膜からなる反射膜12を形成し、それ以外の領域には金属薄膜からなる反射膜13を形成してもよい。すなわち、試料検出デバイス1における、光ビームの照射される側の裏面であって、流路4が形成されている領域に対応する領域にのみ誘電体薄膜からなる反射膜12を形成し、該裏面上のそれ以外の領域には、金属薄膜からなる反射膜13を形成してもよい。
この場合は、反射膜12と反射膜13とを異なる材料で作製する必要があり、余分な工程が必要になる。しかし、以下に説明するように、金属薄膜からなる反射膜13を形成することにより、この反射膜13部分から放熱によって、試料検出デバイス1の温度が上昇することを防止することができる。すなわち、一般に、高電圧をかけて電気泳動を行う場合、ジュール熱が発生しデバイスの温度が上昇し、その結果、高分子が変性してしまうという問題点が生ずる。
そこで、上記のように流路4の直下の領域に形成する反射膜を誘電体薄膜からなる反射膜12とし、それ以外を金属薄膜からなる反射膜13とすると、金属薄膜の面積を広くでき、金属による効率的な放熱が可能となる。これによって、試料検出デバイス1全体の温度上昇を防止でき、流路4の部分の温度上昇も最低限に抑えることができる。ジュール熱は電界の強さの2乗に比例するため、高速で電気泳動を行うために高い高電界を印加する場合に、特に大きな効果が得られる。なお、電気泳動の速度を下げる場合、すなわち高電界を印加しない場合は、上記のような金属薄膜による反射膜13は不要である。
また、上記誘電体の反射膜12は、反射光を用いた装置の小型化を行うために適用するため、図1(a)のような番地情報表示部9(9a〜9d)、案内溝60は必ずしも必要ではない。すなわち、必要最小限の構成は、反射膜12、流路4、第1電極5、および第2電極6である。しかし、試料検出デバイス1がディスク型であり、案内溝60を螺旋状あるいは同心円状とし、番地情報表示部9(9a〜9d)を設けることによって、電気泳動の高速化と、電気泳動後の検出の高速化を両立することが可能である。
また、上述したように、ディスク基板1aの面のうち、ディスク基板1bと接する側の面に凹状の溝形状に形成された流路4は、ディスク基板1bとディスク基板1aとを接着剤15によって張り合わせることで、閉じた流路とすることができる。また、電極配線(例えば、第1電極5、第2電極6、第1電極接点7、第2電極接点8)は流路4が形成された面と反対側の面(裏面)に設けてあるが、これによって電極配線(例えば、第1電極5、第2電極6、第1電極接点7、第2電極接点8)と電源コネクタ30とが容易に接続可能である(図2参照)。
第1電極5、第2電極6、第1電極接点7、第2電極接点8の配線パターンについて、図1(a)にしたがって説明する。まず、第2電極接点8は、流路4および番地情報表示部9と重ならず、かつ最小の面積となるように、ディスク基板1aの中心部近傍に略円形状に設ける。すなわち、第2電極接点8は、ディスク基板1aの最内周部に略円形状に設けられる。第2電極6は、ディスク基板1aの半径方向に延びるように設けられており、注入口2と第2電極接点8とを電気的に接続するように設けられる。つまり、第2電極6は、略直線形状で、4つの注入口2に対応して、4本設けられている。
第1電極5は、図1(a)に示すように、ディスク基板1aの最外周部に略円形状で設けられた配線パターン5aと、ディスク基板1aの半径方向に延びるように放射状に設けられた略直線の配線パターン5bと、ディスク基板1aの半径方向に延びるように設けられ、配線パターン5aと液溜3とを電気的に接続する配線パターン5cとによって構成されている。配線パターン5a、配線パターン5b、および配線パターン5cは、流路4および番地情報表示部9と重ならず、かつ最小の面積となるように設けられている。
第1電極接点7は、ディスク基板1a上の、第2電極接点8の半径方向外方の位置に略円形状に設けられているが、完全な円形状ではなく、4つの第2電極6と電気的に接触しないように、8つの電極間隙部63が設けられている。すなわち、第1電極接点7は、8つの電極間隙部63と4つの第2電極6とによって、4つに分断された略円形状に形成されているといえる。また、第2電極6と電極間隙部63とは、放射状に等回転角度に配置されている。なお、第1電極接点7も、流路4および番地情報表示部9と重ならず、かつ最小の面積となるように設けられている。
配線パターン5aは、配線パターン5bによって第1電極接点7と電気的に接続している。また、第2電極6は、第2電極接点8と電気的に接している。第1電極接点7、第2電極接点8には、後述する電源コネクタ30によって、電気泳動用の電源が供給されることになる。このとき、第1電極接点7、第2電極接点8ともに、ディスク基板1a(試料検出デバイス)の中心部近傍に設けられているため、略円形状の電源コネクタ30を介して、確実かつ容易に電気泳動用の電圧を供給することができる。
また、番地情報表示部9と案内溝60とは、ディスク基板1bにおける、ディスク基板1aとディスク基板1bとの接する面とは逆の面(裏面)に設けられており、番地情報表示部9と案内溝60との凹凸形状が流路4における液体試料が流れる流路面に現れないようにしている。もし、流路面に泳動方向と直角に凹凸形状が生じると、泳動性能に支障が生じるからである。上述のように、電極配線(例えば、第1電極5、第2電極6、第1電極接点7、第2電極接点8)、流路4、番地情報表示部9、案内溝60および反射膜12の配置にはそれぞれの意義がある。
次に、本発明の特徴的な部分である流路4、案内溝60および番地情報表示部9a〜9dについてより詳細に説明するために、図3に、図1(a)における流路4(B)の近傍部分を拡大した部分拡大図を示す。
同図に示すように、注入口2(の内部)は第2電極6と電気的に接続しており、液溜3(の内部)は第1電極5と電気的に接続しており、より詳細には、配線パターン5cを介して配線パターン5aと電気的に接続している。したがって、図1(a)、3に示すように、注入口2には、第2電極6を介して第2電極接点8から接地電位が供給され、液溜3には、第1電極5(配線パターン5a、5b、5c)を介して、プラス(+)電位が供給される。
案内溝60は、流路4をn回横切って形成されており、流路4近傍に着目すれば、案内溝60はn本のトラックから構成されている。この流路4を横切るn本の案内溝60を、注入口2に近いものから順にトラックt1、t2、・・・とし、液溜3に最も近いトラックをtnと称する。
案内溝60のトラックt1〜tnの一部であって、流路4(B)の近傍には番地情報表示部9bが形成されており、それぞれのトラックに形成された番地情報表示部9bには、それぞれのトラック情報t1〜tnと、流路識別情報である流路4(B)の情報とが、番地情報ad(Bt1)〜ad(Btn)として記録されている。例えば、光ビームaが番地情報ad(Bt1)を走査した場合、流路4(B)のうち、t1という位置のトラックを横断して走査することを識別することができる。
ディスク型の試料検出デバイス1を図3中の矢印X方向に回転させ、光ビームaを案内溝60のトラックt1に沿って走査させると、光ビームaは、まず番地情報ad(Bt1)を走査し、番地情報ad(Bt1)を読み取る。その後、流路4(B)のトラックt1の位置を横切って走査し、高分子を検出する。したがって、光ビームaが流路4(B)のトラックt1の位置を横切って走査する前に、番地情報を得ることができるため、高分子がどの流路のどの位置で検出されたのかを精度良く識別することができる。
また、DNAなどの高分子を検出する場合は、一般的な方法である蛍光材料をDNAなどの高分子に結合させ、S/N比を上げることによって検出することができるが、その他にも高分子に着色材料を結合させて、反射光や透過光を検出してもよい。さらに、ディスク型の高分子デバイス1を高速回転させると、検出したDNA等の高分子がどの流路の、さらに流路のどの位置で検出されたかを高速で識別することもできる。
また、案内溝60は螺旋状に形成されており、4本の流路4(A)〜4(D)を複数回横切る構造である。したがって、ディスク型の高分子デバイス1の回転に伴って、注入口2側における案内溝60のトラックt1から順次、液溜3側における案内溝60のトラックtnを走査していくことにより、全ての流路4(A)〜4(D)の、全てのトラックの位置において、高分子が存在するか否かを高速かつ効率的に検出することができる。
また、高分子の組成が予め分かっている場合は、その組成が検出されると予測される所望の案内溝60のトラックへアクセスし、スティル動作を行って効率的に検出することも可能である。なお、高分子の組成が予め分かっている場合は、上述のような複数の案内溝60を形成する必要はなく、所望の位置に1本のみ案内溝60を形成したディスク型試料検出デバイスを使用してもよい。案内溝60が1本であるが、半径位置(トラック位置)の異なる案内溝60を有するディスク型試料検出デバイスを複数種類用意すれば、異なる高分子に対応した分離・検出が可能である。この場合、試料検出装置は、後述のように案内溝60を有する試料検出デバイスを着脱可能に搭載できるため、一つの試料検出装置本体で複数種類のディスク型試料検出デバイスを使用することが可能である。
〔2〕本発明に係る試料検出装置について
試料検出デバイスの構造については、上記〔1〕欄において図1〜図3を用いて説明した。以後は、上記試料検出デバイスを搭載した試料検出装置について説明し、併せて、試料検出装置を用いて高分子を電気泳動し検出するまでの動作について図4〜8に基づいて説明する。
図4は、電気泳動を行うための電気泳動台50に試料検出デバイス1を搭載する様子を模式的に示す図である。この電気泳動台50上に試料検出デバイス1を搭載し、高分子の電気泳動を行って分離・精製した後に、後述する試料検出装置100に搭載し、分離・精製した高分子を光ビームによって検出することになる。なお、電気泳動を実施する装置(電気泳動台50)と光ビームを用いて高分子を検出する装置とが一体となっていてもかまわない。
図4において、電気泳動台50には突起部51が形成されており、試料検出デバイス1の中心穴11と突起物51とが嵌るように、試料検出デバイス1を電気泳動台50上に搭載する。ディスク型試料検出デバイス1は、上記〔1〕欄で説明したように、ディスク基板1aとディスク基板1bを張り合わせたものである。
試料検出デバイス1の中心穴11が、電気泳動台50の突起物51に差し込まれることにより、位置決めが行われる。その後、試料検出デバイス1に電源コネクタ30をかぶせるように接触させ、電源コネクタ30と試料検出デバイス1の第1電極接点7および第2電極接点8とが電気的に接続される。このとき、試料検出デバイス1は、回転方向に対して任意の回転角位置で固定されるため、後述するように回転角に依存せず電源を供給できるように、電源コネクタ30と試料検出デバイス1の第1電極接点7および第2電極接点8とが電気的に接続される必要がある。この電源コネクタ30と試料検出デバイス1の第1電極接点7および第2電極接点8との電気的な接続の状態および電源を供給する(電圧を印加する、または電流を供給する)ための回路を模式的に表した図を図5に示す。
図5に示すように、電源コネクタ30には、第2電極用接触部31、4つの第1電極用接触部A 32a・32a・32a・32a、4つの第1電極用接触部B 32b・32b・32b・32bが形成されている。第1電極用接触部A 32aおよび第1電極用接触部B 32bは、交互に(一つおきに)同一半径の円形状に、等回転角度で設けられている。
また、第2電極用接触部31は接地されている。一方、4つの第1電極用接触部A 32a・32a・32a・32aはそれぞれ、電源を供給するための回路70とスイッチ35またはスイッチ36を介して接続されており、4つの第1電極用接触部B 32b・32b・32b・32bはそれぞれ、電源を供給するための回路71とスイッチ33またはスイッチ34を介して接続されている。回路70、71についての詳細な説明は、後述する。
第2電極接点8は、電源コネクタ30の第2電極用接触部31と電気的に接続される。より詳細には、第2電極用接触部31は、電源コネクタ30における、第1電極用接触部A 32aまたは第1電極用接触部B 32bの内周側に設けられ、図1(a)に示す第2電極接点8と重なるように電気的に接続される。
一方、第1電極接点7は、電源コネクタ30の第1電極用接触部A 32aまたは第1電極用接触部B 32bと電気的に接続される。より詳細には、第1電極用接触部A32aと、第1電極用接触部B 32bは、それぞれ4つずつ、電源コネクタ30における第2電極用接触部31の外周側に設けられ、図1(a)に示す第1電極接点7に重なるように電気的に接続される。
第1電極用接触部A 32aと第1電極用接触部B 32bとは、後述するように、スイッチによって短絡することなく、プラス(+)電源に接続される。このとき、第1電極用接触部A 32aまたは第1電極用接触部B 32bが、図1(a)に示す第1電極接点7の端部と第2電極接点6の配線に跨って、短絡を生じるおそれがある。このような短絡の問題を回避すべく、第1電極用接触部A 32aまたは第1電極用接触部B 32bの配線パターンの大きさを、図1(a)に示す第1電極接点7の端部と第2電極接点6の配線パターンとの間の電極間隔63よりも小さくしておけばよい。さらに、図1(a)に示す第1電極接点7の配線パターンが存在する回転角を2π/8よりも大きくしておけば、図5に示す第1電極用接触部A 32aまたは第1電極用接触部B 32bの少なくとも一つが、常に図1(a)に示す第1電極接点7と接続されることになる。なお、上述では、図1(a)に示す第1電極接点7の数が4個の例を示したが、整数N個の場合は、第1電極用接触部A 32aと、第1電極用接触部B 32bは、それぞれN箇所ずつ、計2N箇所設けられ、図1(a)に示す第1電極接点7のパターンが存在する回転角を2π/2Nよりも大きくすればよい。このような構成にすることによって、電源コネクタ30が任意の回転角で試料検出デバイス1に接続される場合でも、接地電位(第2電極接点6)とプラス電位(第1電極接点7の端部)とが短絡することを確実に防止することができる。
次に、第1電極用接触部A 32aと第1電極用接触部B 32bとが、スイッチによって短絡することなくプラス電源に接続される点について以下に説明する。図5に示すように、第1電極用接触部A 32aは、スイッチ35、スイッチ36を介して回路70と接続されており、より詳細には、スイッチ35を介して電源41と電気的に接続されており、スイッチ36を介して電源43と電気的に接続されている。また、第1電極用接触部B 32bは、スイッチ33、スイッチ34を介して回路71と接続されており、より詳細には、スイッチ33を介して電源40と電気的に接続されており、スイッチ34を介して電源42と電気的に接続されている。また、図5に示すように、回路71において、スイッチ34と電源42との間は、抵抗39、コンパレータ37、ボリューム44によって所定の回路が形成されている。また、回路70において、スイッチ36と電源43との間は、抵抗46、コンパレータ38、ボリューム45によって所定の回路が形成されている。このように、交互に同一半径の円形状で、かつ等回転角度に設けられた第1電極用接触部A 32aおよび第2電極用接触部B 32bは、それぞれ別々の電源供給手段と電気的に接続されている。以下、第1電極用接触部A 32aと第1電極用接触部B 32bとが、スイッチによって短絡することなくプラス電源に接続される動作について説明する。
まず、全てのスイッチ33、34、35、36はスイッチオフにする。次に、スイッチ36をスイッチオンにする。このとき、第1電極用接触部A 32aは、図1(a)に示す第1電極接点7と電気的に接続されている状態、または第2電極6の配線部分に電気的に接触している状態、若しくはそのいずれにも電気的に接続されていない状態の3状態のうち、1つの状態にあることになる。
もし、第1電極用接触部A 32aが第1電極接点7と電気的に接続されている場合は、第1電極接点7を介して第1電極用接触部B 32bにも電気的に接続されている状態か、または単独で第1電極接点7に接続されている状態である。このとき、第1電極用接触部A 32aは、いずれにしても第1電極接点7と電気的に接続されていることになり、この場合、スイッチ36を介して電流が流れる経路は存在しない。ボリューム45を、予め半分程度に調節しておくと、コンパレータ38のプラス入力には抵抗46を介して電源43の電圧Vが供給される。一方、コンパレータ38のマイナス入力には、ほぼ1/2Vの電圧が供給されることになる。したがって、コンパレータ38の出力はハイレベルとなる。つまり、第1電極用接触部A 32aが正常に図1(a)の第1電極接点7と電気的に接続される場合は、コンパレータ38の出力がハイレベルとなる。
一方、第1電極用接触部A 32aが図1(a)に示す第2電極6の配線部分に接触している場合は、第2電極用接触部31を介して接地される。したがって、この場合、スイッチ36を介して電流が流れることになり、コンパレータ38のプラス入力は接地電位となる。このため、コンパレータ38の出力はローレベルとなる。つまり、第1電極用接触部A 32aが誤って、図1(a)に示す第2電極6の配線部分と電気的に接触している場合は、コンパレータ38出力がローレベルとなる。
また、第1電極用接触部A 32aが図1(a)に示すどの配線にも接続されていない場合は、コンパレータ38のプラス入力には抵抗46を介して電源43の電圧Vが供給される。このため、コンパレータ38の出力はハイレベルとなる。つまり、第1電極用接触部A 32aがどこにも接続されていない場合は、コンパレータ38の出力がハイレベルとなる。
次に、第1電極用接触部B 32bの接続の場合分けについて説明するが、上述の第1電極用接触部A 32aの場合と略同様であり、素子の符号が異なるだけであるため、詳細は省略し、結論のみ述べる。すなわち、コンパレータ37の出力がハイレベルの場合は、スイッチ33をオフにした後、スイッチ34をオンにして、電気泳動用の電源42から第1電極用接触部B 32bに対してプラス電位を供給する。すると、図1(a)に示す第1電極接点7に正常に電源を供給する状態か、または全くどこにも供給しない開放の状態のどちらか一方の状態となる。一方、コンパレータ37の出力がローレベルの場合は、スイッチ33をオフにし、スイッチ34もそのままオフにしておくことにより、誤って電気泳動用の電源42が第2電極用接触部31を介して接地電位に短絡することを防止できる。
ここで、電源40と電源41とは、説明の便宜上別々に示したが、実際は同じものを使用してもよい。また、電源コネクタ30の配線パターンと、図1(a)に示す第1電極接点7および第2電極6のパターンの配置によれば、第1電極用接触部A 32aと第1電極用接触部B 32bが同時に開放となることはなく、少なくともいずれか一方が電源40または電源41に接続されることになる。
以上をまとめると、コンパレータ37およびコンパレータ38の出力信号に基づいて、スイッチ33〜36を制御することによって、電源コネクタ30を試料検出デバイス1に接続する場合、お互いの相対的な回転角に依存せず、短絡を防止しながら図1(a)の第1電極接点7に対して正常に電源を供給することが可能となる。なお、上記のスイッチ制御は、図示しない制御回路によって行われる。
また、図6は、試料検出デバイス1の断面図の一部と、これに光ビームaを照射し、反射光、透過光または発光を検出する光ピックアップ装置18のうち、反射光を検出する光学系の主要部を示す図である。ここで、本実施の形態において、光ピックアップ装置18は、試料検出デバイス1に設けられている流路4、案内溝60、番地情報表示部(流路識別手段、またはトラック識別手段)9のうち、いすれかに対して光ビームaを照射した際に得られる、反射光、透過光、散乱光、および発光のうち、いずれかを検出する光学的検出手段として機能するものである。
また、ディスク基板1aは、表面、すなわち光ビームが照射される面に第1電極5や第2電極6(不図示)が配線される。図6中では、光ビームaを案内溝60に対して走査しながら、高分子検出時の動作を示すために、第1電極5のみを示す。また、光ビームaとして用いるレーザの波長が780nm、対物レンズ16の開口数が0.45の場合は、ディスク基板1aおよびディスク基板1bの厚さはともに0.6mmである。光ビームaとして用いるレーザの波長が650nm、対物レンズ16の開口数が0.6の場合は、ディスク基板1aおよびディスク基板1bの厚さはともに0.3mmである。光ビームaとして用いるレーザの波長が400nm、対物レンズの開口数が0.65の場合は、ディスク基板1aおよびディスク基板1bの厚さはともに0.3mmである。いずれの場合も接着剤15は数十μmであり、試料検出デバイス1全体の厚さの誤差範囲内である。
光ピックアップ装置18の光学系は、図6に示すように、対物レンズ16、ハーフミラー51、集光レンズ52・53、分割ディテクタ54、ディテクタ55、演算回路56を備えている。光ビームaが、実線で示すように案内溝60と番地情報表示部9とに焦点を結ぶように対物レンズ16によって集光され、光ビームaの走査ピッチを上げ、走査精度を上げ、さらに高密度記録された番地情報が読み出せるように、光ピックアップ装置18の光学系は構成されている。なお、案内溝60のピッチは従来の光ディスクの場合の1〜2μmにせず、高速で流路4を横切って走査できるようにするために、10μm以上とする。案内溝60の幅は従来の光ディスクと同じように1μm以下とする。
入射された光ビームaは、透明なディスク基板1a、透明な接着剤15、透明なディスク基板1bを通過して、案内溝60と番地情報表示部9に集光され、反射膜12によって反射される。反射された光ビーム(反射光とも称する)yは、光ピックアップ装置18の光学系における対物レンズ16、ハーフミラー51、集光レンズ52を介して、分割ディテクタ54に焦点を結ぶ。分割ディテクタ54の出力を演算回路56において適切に演算することによって、フォーカス誤差信号・トラック誤差信号bが得られ、これに基づいてフォーカスサーボとトラックサーボが行われる。また、分割ディテクタ54の出力を加算増幅した信号cによって番地情報表示部9に記録された番地情報の読み出しが可能である。以上の光学系の構成を、第1の光学系と称する。すなわち、第1の光学系とは、上記光ピックアップ装置18が備えるものであって、不図示の光ビーム走査装置が光ビームaを案内溝60または番地情報表示部9に集光する際に、案内60または番地情報表示部9から得られる反射光、透過光、散乱光、および発光のうち、いずれかを集光して分割ディテクタ54(案内用ディテクタ)に導く光学系といえる。なお、本実施の形態では、特に反射光または発光に対応した光学系である。また、これらのフォーカスサーボ、トラックサーボおよび番地情報の読み出し方法・手段は、いずれも光ディスク装置においてよく知られた技術である。すなわち、フォーカスサーボ、トラックサーボおよび番地情報の読み出し方法・手段については、従来公知の方法・手段を利用することができ、特に限定されるものではない。また、光ビームaを走査させる光ビーム走査手段も従来公知の技術を利用することができ、特に限定されるものではない。
また、試料検出デバイス1は、図6中の矢印Y方向に回転移動するため、光ビームaは流路4に到達する。光ビームaが流路4に到達すると、反射光yの光路は図中に示す破線のように変化する。その結果、分割ディテクタ54においては、焦点を結ばないため、分割ディテクタ54における検出光量が大きく低下し、流路4における反射光あるいは発光を検出できなくなる。
そこで、ハーフミラー51によって光路を分割し、集光レンズ53を介してディテクタ55に焦点を結ぶように第2の光学系を配置する。この第2の光学系では、ディテクタ55では、流路4にて反射した光ビームzを検出し電気信号に変換して、高分子検出信号mを出力する。なお、光ビームaが案内溝60および番地情報表示部9に焦点を結んでいる場合は、上述のとおり、分割ディテクタ54において焦点を結び、ディテクタ55においては焦点を結ばないため、ディテクタ55における出力は大きく低下することになる。すなわち、第2の光学系は、上記光ピックアップ装置18が備えるものであって、不図示の光ビーム走査装置が光ビームaを流路4に集光する際に、流路4から得られる反射光、透過光、散乱光、および発光のうち、いずれかをディテクタ(試料検出用ディテクタ)55に導く光学系といえる。
以上のように、光ビームaの光路上における流路4と、番地情報表示部9および案内溝60との焦点距離が一致していなくても、光学系を2つに分けることによって、それぞれを正確に検出し再生することができる。すなわち、本実施の形態に係る光ピックアップ装置18は、流路4における高分子の光量を検出する光学系(第2の光学系)と、案内溝60および番地情報表示部9に集光するための光学系(第1の光学系)とを備える。なお、ディテクタ55は回折パターンを検出する必要がないため、分割されたものを使用する必要はない。上述のように、光ビームaの往路(入射光)と復路(反射光)とが一致し、光学系の多くを兼用できるため、装置の小型化が可能である。
また、図7は、本実施の形態に係る試料検出装置100の主要部をブロック図である。同図に示すように、試料検出装置100は、対物レンズ16を備える光ピックアップ装置18、アクチュエータ17、光量検出回路19、番地再生回路20、コントローラ21、サーボ回路22、メモリ23、出力装置24を備えている。ここで、光量検出回路19は、上記光ピックアップ装置18によって検出された光学情報に基づき、高分子を検出する試料検出手段として機能するものである。また、番地再生回路20は、試料検出デバイス1に設けられている番地情報表示部(流路認識手段)9を、上記光ビームaが走査することによって得られる信号を読み取り、該光ビームaが(流路4(A)〜4(D)のうちの)どの流路を横切って走査したかを示す流路識別情報を得るための流路識別信号読み取り手段として機能するとともに、試料検出デバイス1に設けられている番地情報表示部(トラック識別手段)9を、上記光ビームaが走査することによって得られる信号を読み取り、該光ビームaがどの位置の案内溝60を走査したのかを示すトラック識別情報を得るためのトラック識別信号読み取り手段として機能するものである。また、出力装置24は、番地再生回路20によって得られる番地情報(流路識別情報、トラック識別情報等)と、光量検出回路19によって得られる高分子検出情報とを対応させて出力する試料情報出力手段として機能するものである。
試料検出装置100の主要部のより具体的な機能について、以下に説明する。まず、光ピックアップ装置18から出射された光ビームaは対物レンズ16によって集光され、試料検出デバイス1の案内溝60または番地情報表示部9に集光される。案内溝60または番地情報表示部9からの反射光は再び光ピックアップ装置18に戻り、図6に示したようにフォーカス誤差信号・トラック誤差信号b、番地情報信号cおよび高分子検出信号mを出力する。
フォーカス誤差信号・トラック誤差信号bはサーボ回路22を介してアクチュエータ17にフィードバックされ、フォーカスサーボおよびトラックサーボ処理が行われる。番地情報信号cは番地再生回路20に入力され、番地情報eがコントローラ21と光量検出回路19に送られる。コントローラ21では、番地情報eを確認しながら制御信号gをサーボ回路22に出力し、光ビームaを所望の位置にアクセスさせたり、後述するようにサーボ回路をオンにしたり、あるいはホールドしたりする。高分子検出信号mは、光量検出回路19に入力され、番地情報eにおける高分子検出情報dを出力する。
つまり、光量検出回路19は、流路識別情報(流路記号など)、トラック識別情報(流路上の位置を示すトラック番号)などの番地情報とともに、高分子検出情報dを出力する。なお、高分子に結合した蛍光材料や着色材料の存在、あるいは高分子そのものの光学特性によって、高分子検出信号mのレベルが変化する。このため、光量検出回路19は、例えば、8ビットのA/D変換回路(サンプリング手段)を備えることが好ましい。そして、出力された高分子検出情報dは、メモリ23に格納され、必要に応じて出力装置24から出力されることになるか、または光量検出回路19から直接出力装置24に出力されることもある。
なお、案内溝60が1本しか存在しない試料検出デバイスの場合は、流路記号と高分子検出情報とを出力し、トラック番号は出力する必要はない。一方、流路4が1本しか存在しない試料検出デバイスの場合は、トラック番号と高分子検出情報とを出力し、流路記号は出力する必要はない。しかし、流路4または案内溝60を1本のみ有する試料検出デバイスと、流路4または案内溝60を複数有する試料検出デバイスとの互換性を考えると、流路4または案内溝60が1本の試料検出デバイスにおいても、流路4または案内溝60を複数有する試料検出デバイスと同様に番地情報を記録しておき、流路記号および流路上の位置を示すトラック番号と、高分子検出情報とをともに出力することが好ましい。
また、図8は、光ビームaが案内溝60または番地情報表示部9上を走査した場合の番地情報信号c、高分子検出信号mおよび制御信号gの動作タイミングを説明する図である。図7における光ビームaが、ある案内溝60を走査しながら、試料検出デバイス1が矢印Y方向に移動すると、図8に示すように、最初は案内溝60だけのトラッキング領域を通過する。そして、順次、電極の配線領域、トラッキング領域、番地情報領域、トラッキング領域、流路領域トラッキング領域へと移動していく。
最初のトラッキング領域では制御信号gをハイレベルとし、サーボをオンにする。このとき、案内溝60を読み出しただけであるため、番地情報信号cは一定レベルとなる。また、高分子検出信号mは、図6のディテクタ55に集光されていないため、電圧は低いレベルとなる。
次に、配線領域に移動すると、制御信号gをローレベルとし、サーボをホールドする。配線領域で光ビームaが反射し、図6の分割ディテクタ54およびディテクタ55に集光されないため、番地情報信号cも高分子検出信号mも共に、電圧は低いレベルとなる。
次いで、再びトラッキング領域では制御信号gをハイレベルとし、サーボをオンにする。このとき、番地情報信号cは一定レベルとなり、高分子検出信号mにおける電圧は低いレベルのままである。
続いて、番地情報領域に移動すると、制御信号gはハイレベルのままとし、サーボをオンにしておく。番地情報表示部9によってで光ビームaが回折するため、番地情報信号cには番地情報が現れる。また、高分子検出信号mは低い電圧レベルのままである。
次に、再びトラッキング領域では制御信号gをハイレベルままとし、サーボをオンにしておく。番地情報信号cは一定レベルとなり、高分子検出信号mにおける電圧は低いレベルのままである。
次いで、流路領域に移動すると、制御信号gをローレベルとし、サーボをホールドする。このとき、案内溝60には光ビームaが集光されないため、図6の分割ディテクタ54にも集光されず、番地情報信号cにおける電圧は低いレベルとなる。しかし、流路からの反射光は分割ディテクタ55に集光され、高分子検出信号mは高分子における反射光または発光などによって実線で示すように電圧レベルが上昇する。このとき、上述した光量検出回路19が有するA/D変換回路(サンプリング手段)によって高分子検出信号mがサンプリングされる。なお、高分子が流路上の光ビームaの走査位置にない場合は、破線で示すように検出信号は得られない。
続いて、再びトラッキング領域では制御信号gをハイレベルままとし、サーボをオンにする。このとき、番地情報信号cは一定レベルとなり、高分子検出信号mの電圧は低いレベルとなる。
以上のように、本実施の形態に係る試料検出装置100によれば、図7に示すコントローラ21、サーボ回路22、アクチュエータ17によってサーボの制御を行いながら、番地情報eと高分子検出信号mを高速で読み出すことが可能である。
なお、ここまでの記述は電気泳動台50において電気泳動を行った後、ターンテーブルを備える試料検出装置100にディスク型の試料検出デバイス1を移して、検出を行う例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、図4、図5に示した電源コネクタ30をターンテーブルと兼用すれば、試料検出装置100上で電気泳動と高分子検出とを同時に行うことが可能である。また、ディスク型の試料検出デバイス1を回転しながら、電気泳動を行うこともできる。すなわち、電気泳動を行いながら、光ビームaの高速アクセスや走査を行い、リアルタイムで高分子検出をモニターすることが可能となり、従来のように検出点に高分子が泳動するまで待つ必要がなく、高速泳動および高速分離・高速検出が可能となるというメリットもある。
また、上述したように、本実施の形態では電気泳動によって高分子を分離する例を示したが、ディスクの回転による遠心力を利用した遠心分離によって高分子を分離する場合であっても本願発明を利用することができる。この場合は、電源コネクタや電極、電極配線は不要となる。
また、本実施の形態では、ディスク型の試料検出デバイス1を中心に説明したが、カード型などの固定された試料検出デバイスをレーザ光の走査によって読み出す装置も本発明に含まれる。この場合も、上述の案内溝60による走査と、番地情報を読み出しながら高分子検出をおこなうことができる。しかし、上述のディスク型の試料検出デバイスを使用する場合に比べて、レーザ光走査用のポリゴンミラーを備えた光学系が必要となり、試料検出装置本体が大きくなるという欠点がある。したがって、ディスク型の試料検出デバイスを使用した装置の方が、構造が簡単となり小型化が容易であるというメリットがある。
さらに、本発明には、光ビームを透過する基板と、該基板上に設けられ、高分子を分離あるいは抽出するための泳動路手段とを備えた試料検出デバイスにおいて、 少なくとも前記泳動路手段に照射される光ビームの光路上において、前記光ビームを反射するための誘電体からなる第1の反射膜を備える試料検出デバイスも含まれる。
また、上記試料検出デバイスにおいて、前記第1の反射膜以外の光路上では、金属からなる第2の反射膜を備える試料検出デバイスも本発明に含まれる。
光ビームを透過する基板と、該基板上に設けられ、高分子を分離あるいは抽出するための泳動路手段とを備えた試料検出デバイスにおいて、前記光ビームの走査によって前記泳動路手段を横切るための案内手段と、少なくとも前記案内手段に照射される光ビームの光路上において、前記光ビームを反射するための誘電体からなる第1の反射膜を備える試料検出デバイスも本発明に含まれる。
また、上記試料検出デバイスにおいて、前記第1の反射膜以外の光路上では、金属からなる第2の反射膜を備える試料検出デバイスも本発明に含まれる。
また、上記試料検出デバイスにおいて、前記泳動路手段の始端から終端の間に複数の前記案内手段と、前記複数の案内手段の各々を識別するためのトラック番号手段を前記案内手段上に備える試料検出デバイスも本発明に含まれる。
前記試料検出デバイスに光ビームを集光する照射手段と、前記光ビームを前記案内手段に沿って走査する走査手段と、前記泳動路手段からの反射光を検出する光学的検出手段と、検出された光量をサンプリングするサンプリング手段とを備える試料検出装置も本発明に含まれる。
また、上記試料検出装置において、前記トラック番号手段を読み取るトラック番号読み取り手段と、前記検出された高分子情報とトラック番号を対応させて出力する試料情報出力手段を備える試料検出装置も本発明に含まれる。
また、本発明には、上記試料検出デバイスにおいて、上記案内手段は、上記流路を複数回横切るように設けられており、上記光ビームが、上記流路を複数回横切るように設けられた案内手段のうち、どの位置の案内手段に沿って走査したのかを識別するためのトラック識別手段が、上記案内手段に形成されている試料検出デバイスも含まれる。
また、上記試料検出装置において、上記試料検出デバイスに設けられている流路認識手段を、上記光ビームが走査することによって得られる信号を読み取り、該光ビームがどの流路を横切って走査したかを示す流路識別情報を得るための流路識別信号読み取り手段と、上記流路識別信号読み取り手段によって得られる流路識別情報と、上記試料検出手段によって得られる高分子検出情報とを対応させて出力する試料情報出力手段と、を備えている試料検出装置も含まれる。
また、上記試料検出装置において、上記試料検出デバイスに設けられているトラック識別手段を、上記光ビームが走査することによって得られる信号を読み取り、該光ビームがどの位置の案内手段を走査したのかを示すトラック識別情報を得るためのトラック識別信号読み取り手段と、上記トラック識別信号読み取り手段によって得られるトラック識別情報と、上記試料検出手段によって得られる高分子検出情報とを対応させて出力する試料情報出力手段と、を備えている試料検出装置も含まれる。
また、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、以上の実施例は高分子の検出に限って説明したが、これに限らず溶媒(たとえば水)と溶質との化学的あるいは物理的な性質の違いを利用して、溶媒中での溶質の濃度分布を生じさせて検出する場合であれば、同様に適用可能である。たとえば、比較的分子量の低い分子や、コロイドなどの溶質が溶媒に分散している試料液に適用可能である。
本発明に係る試料検出デバイスまたは試料検出装置は、DNAやRNAなどの核酸やタンパク質などの生体高分子や、その他多くの高分子を効率的に分離・検出することができる。このため、種々の疾患の原因となる遺伝子やタンパク質などを分離・検出するなどの面において、医療用、製薬業、食品業などの非常に広範な産業に利用することができる。
(a)は本実施の形態に係る試料検出デバイスの表面(光ビーム入射面)を示す図であり、(b)は(a)の裏面側を示す図である。 図1(a)のS−S線にて切断した試料検出デバイスの断面を示す断面図である。 図1(a)の流路4(B)の近傍部分を拡大した部分拡大図である。 本実施の形態に係る試料検出デバイスの電気泳動台への搭載を模式的に示す図である。 図4における電源コネクタ30と、試料検出デバイスの電極に電源を供給するための回路を示す図である。 本実施の形態に係る試料検出デバイスの部分断面図と、光ピックアップ装置における反射光を検出するための光学系の主要部を示す模式的に示す図である。 本実施の形態に係る試料検出装置の主要部を示すブロック図である。 番地情報信号c、高分子検出信号mおよび制御信号gの動作タイミングを説明する図である。 本実施の形態に係る試料検出デバイスにおける光ビームが入射される面の裏面側を示す平面図である。 本実施の形態に係る試料検出デバイスにおける光ビームが入射される面の裏面側を示す平面図である。
符号の説明
1 試料検出デバイス
1a ディスク基板(基板)
1b ディスク基板(基板)
4 流路
12 反射膜(第1の反射膜)
13 反射膜(第2の反射膜)
18 光ピックアップ装置(光ビーム照射手段、光ビーム走査手段、光学的検出手段)
19 光量検出回路(試料検出手段)
20 番地再生回路(流路識別信号読み取り手段、トラック識別信号読み取り手段)
24 出力装置(試料情報出力手段)
55 ディテクタ(試料検出用ディテクタ)
56 分割ディテクタ(案内用ディテクタ)
60 案内溝(案内手段)
100 試料検出装置

Claims (4)

  1. 光ビームが照射される基板を備え、該基板には試料液を挿入させるための流路が形成されている試料検出デバイスにおいて、
    上記基板における、光ビームが入射する面の裏面側であって、上記流路が形成されている領域に対応する領域には、光ビームを反射するための誘電体からなる第1の反射膜が形成されており、
    上記基板における、光ビームが入射する面の裏面側であって、上記第1の反射膜が形成されている領域以外の領域には、金属からなる第2の反射膜が形成されていることを特徴とする試料検出デバイス。
  2. 光ビームが照射される基板を備え、該基板には試料液を挿入させるための流路が形成されている試料検出デバイスにおいて、
    さらに上記基板には、高分子を検出するための光ビームが、上記流路を横切って走査するための案内手段が設けられており、
    上記基板における、光ビームが入射する面の裏面側であって、上記流路が形成されている領域、および上記案内手段が形成されている領域に対応する領域には、光ビームを反射するための誘電体からなる第1の反射膜が形成されており、
    上記基板における、光ビームが入射する面の裏面側であって、上記第1の反射膜が形成されている領域以外の領域には、金属からなる第2の反射膜が形成されていることを特徴とする試料検出デバイス。
  3. 上記第1の反射膜は、多層の誘電体薄膜からなることを特徴とする請求項1または2に記載の試料検出デバイス。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の試料検出デバイスと、
    上記試料検出デバイスに対して光ビームを照射する光ビーム照射手段と、
    上記光ビームを上記試料検出デバイスに設けられた案内手段に沿って走査させる光ビーム走査手段と、
    上記試料検出デバイスに設けられている流路または案内手段に対して光ビームを照射した際に得られる、反射光、透過光、散乱光、および発光のうち、いずれかを検出する光学的検出手段と、
    上記光学的検出手段によって検出された光学情報に基づき、高分子を検出する試料検出手段と、を備えていることを特徴とする試料検出装置。
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