JP4139526B2 - エステルアミドおよびポリエステルアミドの製造方法 - Google Patents

エステルアミドおよびポリエステルアミドの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の分野】
本発明はフェニルエステルの製造方法、これからのビス−エステルアミドの製造、およびその後のポリエステルアミド樹脂の製造に係わる。
【0002】
【発明の背景】
均一な方式でポリエステル中にアミド官能性を導入されたポリエステルアミドは幾つかの理由から現在関心を持たれている。高いレベルのアミド装填量(>5%)で、このポリマーの融点およびガラス転位温度が顕著に上昇される。R.J.Gaymans and J.L.de Haan,Polymer,34,4360(1993); (b)A.van Bennekom,"Fast Crystallizing Polyesteramides",Thesis for University of Twente(1995) を参照されたい。アミド官能性が低いレベル(<1%)においてすら、高められた結晶化速度および熱変形温度の上昇が観察される。しかし、残念ながら、ポリエステル合成中にジアミンを導入すると副反応が観察されるために、ポリエステルアミド重合体の調製は困難であることが証明されている。例えば、テレフタル酸ジメチルを溶融状態でブタンジアミンと組み合わせようとすると、アミン上に顕著なレベルでメチル化が生じ(25%もの高いレベル)、これはジオールを導入したときの効率的な高分子量重合体の形成を妨げる。
【0003】
現在、ポリエステルアミド重合体は2工程プロセスで調製されており、これによれば、ブチレン−1,4−ビス(p−カルボメトキシベンゾイルアミド)(T4T)のような中間体のビス−エステルアミドが最初に調製されて精製され、次いでこのビス−エステルアミドが重合工程でDMTおよびブタンジオールとのコモノマーとして利用される。
【0004】
ビス−エステルアミドは幾つかのプロセスで調製されている。テレフタル酸モノメチルをその酸塩化物に転化し、次いでジアミンと反応させて高い収率でビスエステルアミドが得られる。I.Goodman,Eur.Pol.J.27,515(1991)を参照されたい。しかし、この経路は前記モノ酸の入手が制限されておりそしてこれを酸塩化物に転化する必要があるために商業的に実行できない。
【0005】
テレフタル酸ジメチルへのジアミンのアミドエステル交換はUniversity of TwenteにおいてGaymans のグループによって広範にわたり研究されている。R.J.Gaymans and J.L.de Haan,Polymer,34,4360(1993);A.van Bennekom,"Fast Crystallizing Polyesteramides",Thesis for University of Twente(1995) およびHotten,R.W.Chem.Ind.Eng.1957,49.p1691を参照されたい。Gaymans のプロセスによれば、過剰なテレフタル酸ジメチル(DMT)とのアミドエステル交換にはリチウムメトキシドが塩基として使用されている。この比較的多量のリチウム塩の使用はその除去のために望ましくない精製を必要とする。
【0006】
ビス−エステルアミドの調製にとって現在好ましいとされる方法はジアミンに基づいて30モル%までのレベルで触媒としてリチウムメトキシドを使用した乾燥メタノール/トルエン混合物中での5−10モルのDMTとブタンジアミンとの反応を伴う。このプロセスはGaymans 等の米国特許5,510,451に開示されている。この米国特許によれば、ビスエステルジアミドの調製は最初の工程でジアミンを少なくとも2倍のモル量のテレフタル酸ジエステル例えばテレフタル酸ジメチルと反応させて行われている。この反応は一般に触媒例えばLi(OCH3 )の存在下で行われる。このジエステルジアミド、ジオールおよび随意にテレフタル酸またはテレフタル酸誘導体の混合物を次いで縮合してプレポリマーを形成することができる。このプレポリマーを最後に後縮合させて所望の性質を有するコポリエステルアミドを形成することができる。
【0007】
上記のプロセスは、特に高い量で触媒が利用されている点から見て、種々の中間生成物を単離し精製しなければならないので、一般的に複雑で経済的でない。それ故に、複雑な中間生成物の精製を要せず、より少ないプロセス工程しか必要としないより簡単でより経済的なプロセスを開発することが望ましい。
【0008】
【発明の要約】
高いレベルのアミド官能性を有するポリエステルアミドの調製はビスエステルアミド中間体の調製および精製のために別個の工程を必要としていた。ワン−ポット重合の試みは所望されるよりも低い分子量をもたらしていた。以下に説明されるように、重合体の連鎖成長を制限する一次的副反応は連鎖停止反応をもたらすジアミンのメチル化である。ポリエステルアミド重合体中のアミド官能性のレベルが低いときには少量のこれらの末端基は許容されるが、アミド装填量が比較的高いとこの連鎖停止反応はMw〜40−50,000を超える分子量の構築を著しく制限する。
【0009】
【化1】
Figure 0004139526
【0010】
所望のビスエステルアミド中間体を調製するために幾つかの方法が利用できるが、それぞれにその制限がある。メタノールまたはトルエン/メタノール混合物中での反応は80−90%のT4T収率を与えるが、触媒として5−10%のリチウムメトキシドを必要とし長い反応時間(24−48時間)を要する。N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)/トルエン混合物中での反応は著しくより速く、2−6時間の反応時間しか要しないが、より高いレベルのリチウムメトキシド(20−30%)の使用を必要とし、また乾燥した反応媒質をも必要とする。ジアミンとモノ酸塩化物との直接反応は最も便宜な調製法を与えるが、出発物質の入手性で制限を受ける。
【0011】
我々発明者はフェニルエステルがメチルエステルよりもアミド−エステル交換で著しく速く反応することを明らかにした。我々発明者は、1)DMTのようなジアルキル−テレフタレートをエステル交換してフェニルエステルを含有する混合物を生成すること、2)エステル−アミド交換してビス−エステルアミドとDMTのようなテレフタル酸ジアルキルの混合物を生成すること、および3)得られた混合物をブタンジオールと重合することを伴う、3工程、ワンポットのプロセスを介してポリエステルアミドが調製できることを発見した。別の方法では、工程2のエステルアミド交換の後にブチレン−1,4−ビス(p−カルボメトキシベンゾイルアミド)(T4T)生成物のようなビス−エステルアミドを単離してから重合反応に使用することができる。
【0012】
本発明の一観点に従えば、エステル交換によってテレフタル酸ジアルキルからテレフタル酸アルキルアリールエステルを形成し、そしてこのアルキルアリール芳香族フタル酸エステルをアルキルジアミンと反応させてビス−エステルアミドを形成することを含むポリエステルアミド組成物の調製方法が提供される。この得られたビス−エステルアミドを好ましくはジオールおよびテレフタレートエステルと反応させてポリエステルアミドを形成する。
【0013】
本発明の別の観点に従えば、エステル交換によってテレフタル酸ジアルキルからテレフタル酸アルキルアリールエステルを形成して、得られる反応生成物中にこの芳香族フタル酸アルキルアリールを存在させ、この反応生成物をアルキルジアミンと接触させてこの反応生成物中のテレフタル酸アルキルアリール部分をアルキルジアミンと反応させてビス−エステルアミドを形成し、そしてこのビス−エステルアミドをジオールおよびテレフタル酸ジアルキルと重合させてポリエステルアミドを形成することを含む、ポリエステルアミド組成物の製造方法が提供される。
【0014】
本発明の更に別の観点に従えば、このビス−エステルアミドを含有するアミド化反応生成物がジオールと直接反応される。
【0015】
上記のプロセスはT4Tのようなビス−エステルアミドの経済的に実行しうる合成法を表している。
【0016】
ポリエステルアミド樹脂は本出願人所有の1995年3月1日出願のBailly等の米国特許出願第08/397,324号に開示されている。ポリカーボネート樹脂とポリエステルアミド樹脂のブレンドは本出願人所有の1995年3月1日出願のBailly等の米国特許出願第08/397,327号に開示されている。ポリフェニレンエーテル樹脂とポリエステルアミド樹脂のブレンドは本出願人所有の1996年1月24日出願のBailly等の米国特許出願第08/590,852号に開示されている。
【0017】
【好適な実施の態様の記述】
ブチレン−1,4−ビス(p−カルボメトキシベンゾイルアミド)(T4T)生成物のようなビス−エステルアミドはテレフタル酸ジメチルの2工程、ワンポット反応で便宜に製造できる。例えばテレフタル酸ジフェニル、炭酸ジフェニル、フェノールまたは酢酸フェニルとのエステル交換を介してテレフタル酸ジメチルが最初にモノ−フェニルエステルに転化され(式1)、次いでジアミンとの反応により所望されるビス−エステルアミドが形成される(式2)。別の方法では、DMTの選択的な加水分解によってテレフタル酸モノメチルを形成し、次いでフェノールおよび硼酸を使用してエステル化してテレフタル酸メチルフェニルを形成できる。フェニルエステルはアミド化工程でメチルエステルより著しく速く反応するので、この生成物はジアミンとテレフタル酸ジメチルとの直接反応で得られるものよりも著しく純粋である。多くの溶媒において限定された溶解度を有するビス−エステルアミドは濾過で単離して洗浄することができ、またはビス−エステルアミド、テレフタル酸ジメチルおよびフェノールの混合物をジオールを添加して重合反応に直接使用できる。同様に、ビス−エステルアミドを含有するアミド化反応生成物を精製工程を介在させる必要なしにジオールと直接反応させて重合体を形成することができる。
【0018】
【化2】
Figure 0004139526
【0019】
フェニルアルキルエステルを含有するエステル交換反応の生成物はアミド−エステル交換を介して反応される。テレフタル酸メチルフェニルエステルの場合、この反応はメチルエステルに対するより著しく速い。次いで、フェニルアルキルエステルを含有する得られた反応生成物はエステル−アミド交換でジアミンと直接反応されてビスエステルアミドを生成する。このエステル−アミド交換はエステル交換反応からの反応生成物を実質的に変更しない形態で使用して行うことができる。本発明のプロセスの一観点に従えば、エステル交換反応生成物の著しい精製あるいは変更は回避される。
【0020】
フェニルエステルを生成するエステル交換は種々の試薬を使用して行うことができる。この反応はチタネートによりあるいは他の通常のエステル交換触媒によって触媒され、140−160℃の反応温度で15分から2時間かかる。この反応はそのまま希釈せずにあるいはキシレンのような不活性溶剤中で行うことができる。テレフタル酸ジフェニル(DPT)を使用するとDMT、DPTおよび所望な混成エステルであるテレフタル酸メチルフェニル(MPT)の混合物が直接生ずる(式1)。理想的には、純粋なビスエステルアミドを得そしてオリゴマー化反応を回避するためには、純粋なMPTと最小のDPTが望ましかろう。エステル交換は諸生成物の統計的な混合物を生成するので、顕著な量のDPTを回避するのであれば、過剰なDMTの使用が必要となる。DPTをフェニルエステル源として使用しても副生物は形成されないが、この試薬は市場で簡単には入手されない。このエステル交換に使用できる他の試薬には炭酸ジフェニルおよび酢酸フェニルが含まれる。炭酸ジフェニル(DPC)はDPTよりも容易に入手でき、しかもほぼ同じ反応速度でエステル交換される(式4)。この反応の副生物である炭酸ジメチル(DMC)および炭酸メチルフェニル(MPC)はウレタンの生成を回避するためジアミンの導入に先立ち除かれなければならない。酢酸フェニルは市販されているので便宜であり、これにより形成される副生物である酢酸メチルは約60℃で沸騰するので、反応媒質から簡単に除去される(式5)。
【0021】
テレフタル酸アルキルフェニルを発生させる別の方法はフェノールによるテレフタル酸ジアルキルの部分的フェノーリシスである。フェノールは求核性が低いにも係わらず、フェノールは入手が容易であり、アミンと反応しうる潜在的な炭酸エステルおよび/または酸残留物が存在しないので、この経路は工業的規模で使用するのになお魅力的である。更に、フェノールはテレフタル酸アルキルフェニルのアミド化で再び発生されるので、原理的にはテレフタル酸ジアルキルのフェノーリシス反応で再び使用できる(式6)。
【0022】
【化3】
Figure 0004139526
【0023】
DPTまたはDPCを使用した上記のエステル交換反応におけると同様に、MPTを調製するときに著しい量のDPTの形成を回避するため過剰なDMTが必要とされる。この反応はチタネートあるいはその他の通常のエステル交換触媒によって触媒され、溶融状態でもメシチレンのような高沸点溶媒中でも行うことができる。昇華によるフェノールおよび/またはDMTの損失を最小にするためには(還流)溶媒の使用も有利である。適当な反応温度は170−190℃であり、この反応を促進する他のパラメータは反応物質濃度および効果的なMeOHの除去である。反応器内容物中に不活性ガスを流すとこの反応を熱力学的に好都合なMPT方向に駆動するよう助勢できる。高沸点溶媒を使用するときには、熱水(70−80℃)冷却式凝縮器がメタノールを選択的に除去しながら、メシチレンおよびフェノールを反応器内に維持するのに非常に有用である。(DMT/フェノールのモル比3/1を使用してフェノールの60−80%をフェニルエステルに転化するのに要する典型的な反応時間は溶融反応で2−3時間、85%固形分反応で5−6時間、そして30%固形分反応で8−10時間である)
MPTのアミド化は溶液中30−60℃ですら非常に速いので、アミド化反応ではフェノールに比べて核脱離性が低いが例えばDMTとのエステル交換反応では求核性が比較的高い置換フェノールを考慮することができる。これは両反応の条件を互いに近づけることができ、これらの反応を1−ポット系内で協調させて行うのに有利である。この点に関してフェノール類を如何に活性化させるかはオルト位置の立体障害による可能な非活性化を含めた当業者に既知の方法によって達成できよう。例えばパラ−置換基を水素からニトロまたはメトキシに変えることによって求核試薬の立体要件に影響を与えることなく求核性を数桁の大きさにわたって変動することができる。2,6−ジメチルフェノールは明らかに立体障害の影響を受けていたが、しかしp−メトキシフェノール、p−クレゾール、2,6−ジメチルフェノールおよびp−ジメチルアミノフェノールのような電子供与性置換基を有する幾つかのフェノール類がDMTのエステル化においてフェノールよりも反応性であることが確認された。これらのMPT中間体のジアミンに対するその比較的低い反応性に拘わらず、T4Tへの混ざりのない迅速な転化が可能であることも証明された。
【0024】
求核性置換の速度が使用される溶媒によって影響を受け得ることが知られている。ジフェニルエーテルおよびジクロロベンゼンのような幾つかの遷移状態安定化溶媒を調査した。それらのフェノーリシス反応の速度に及ぼす影響は明らかであったが、さほど重大ではなかった。
【0025】
MPTおよびDMTの混合物が生成されたら、アミド−エステル交換は容易に起こる(式2)。ジアミンとDMTとの反応は触媒が存在しないと有用な速度を達成するには170−175℃の反応温度を必要とするが、フェニルエステルは120℃で混在物を生じないでクリーンに反応する。この温度はメチルエステルの反応に使用される温度より著しく低いので、アミンメチル化に原因する副生物の存在は遥かに少ない。この生成物は混在物を生ぜずよりクリーンであるから、ブタンジオールおよびエステル化触媒を添加すると、反応生成物の直接重合が可能である。5%および10%アミド官能性を有する高分子量重合体が得られた。
【0026】
粗生成物の直接重合が望ましいであろうが、フェノールがアミド−エステル交換プロセスの副生物であり反応媒質になお存在しているので、この重合の間にフェノールは遊離される。例えば重合体の色を改善しあるいは縮合物の汚染を防ぐためにフェノールの存在が回避されるのであれば、生成物T4Tの単離が望ましかろう。アミド−エステル反応はそのまま希釈せずあるいは溶液中で行うことができるので、精製には種々の技術が使用できるが、最も簡単なのは固体で不溶性のビスエステルアミド生成物の濾過である。T4T製造の一つの技術は1)フェノーリシスを行い、2)アミド−エステル交換を行い、3)T4Tを溶媒/DMT/フェノール混合物から濾別し、4)濾液(溶媒/DMT/フェノール)を工程#1に戻し、そして5)T4Tを水で洗浄して残留するフェノールを除去することである。
【0027】
これまでここに記載されたT4Tへの経路はDPTの生成を最小にするために種々の試薬の過剰のDMTとの反応を介して混成テレフタレートモノマーであるMPTを生成することに依存している。これらの反応はメチルエステルのフェニルエステルへの転化に関して非選択的であり、諸生成物の統計的混合物を生成する。これらの方法はテレフタル酸ジフェニル(DPT)の大量の生成を防ぐために、低いDMT転化を使用している。DPTはアミド化の間に望ましくないオリゴマー類(例えばT4T4T)をもたらす。DMT/T4Tの混合物を直接使用できないのであれば、このような低−転化反応は経済的に魅力的でない。それ故に、DPTの生成(DMTの二重の反応を介してかあるいはMPTのDMT、MPTおよびDPTへの平衡を介して)に至らずにフェニルエステルを選択的に生成する反応が大いに望ましかろう。
【0028】
DMTをトルエン中でKOHで処理することにより選択的にモノ加水分解してテレフタル酸モノメチル(MMT)にできることが文献で知られている。Hotten,R.W.Chem.Ind.Eng.1957,49,p1691 を参照されたい。この反応は大いに効率的で(収率>95%)であり、高度に純粋なMMT(純度=99+%)を生成する。それ故に、鍵になる要件は生成物MPTの平衡を起こさずにテレフタル酸モノメチル(MMT)をテレフタル酸メチルフェニル(MPT)に転化することである。極めて予想外なことに、我々発明者は溶融状態での炭酸ジフェニル(DPC)および触媒での反応を介してMMTをMPTに転化する反応を見いだした(式7)。溶液中でのDMTとDPCとの反応はここに記述されているが、この酸が直接反応しそしてMPTのみの生成に対して選択的であろうとは知られていなかった。以下の実施例16におけるデータによって示されているように、この反応はメチルエステルにおける平衡または反応を起こすことなくMPTを混ざりなく生成する。
【0029】
【化4】
Figure 0004139526
【0030】
表1の実験エントリ2,3,4および5を比較することによって示されているように、この反応は温度に敏感である。生成物の迅速な平衡を防ぐために温度は220℃より低く維持する必要がある。生成物MPTの平衡はMMTの存在により抑制されるようなので、MMT:DPC比も重要である。従って、DMTおよびDPTの生成を防ぐにはMMTを若干過剰(2%)にして210℃付近で反応を行うのが最良である。
【0031】
MMTからMPTを形成する第二の手順はフェノールによる直接エステル化に依存する。Lowrenceは硼酸/硫酸混合物がおそらくは硼酸トリアリールの媒介によってカルボン酸とフェノールからフェニルエステルを調製する触媒をなすことを示している。硼酸および硫酸の存在下におけるMMTとフェノールとの反応は直接高収量のMPTをもたらす。
【0032】
この手順は一般的にビスエステルアミドおよびポリエステルアミド重合体の調製に有用なはずである。テレフタル酸ジメチルがすべての実施例に使用されたが、他のエステル出発物質も使用できよう。エステル交換に他のフェニルエステルも使用できるであろうし、種種のエステル交換触媒が知られている。この手順は1,2−エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミンおよび1,6−ヘキサジアミンで実証され、それぞれT2T、T4TおよびT6Tを生成している。これに従って他のジアミンも反応するはずである。
【0033】
一般に、ポリエステルアミド樹脂(PEA)はアミド式(I)
Figure 0004139526
およびエステル式(II)
Figure 0004139526
によって表される単位を含む重合体である。好ましいPEAは実質的に脂肪族のPEAである。実質的に脂肪族のPEAとはPEA中に少なくとも約10モル%、好ましくは少なくとも約20モル%の脂肪族残基を含有するPEAをいう。
【0034】
広い意味では、式(I)と式(II)とをあらゆる比率で含有する重合体が可能であるが、この重合体中の式(II)の量がゼロに近い極端な場合にはこの重合体はポリアミド樹脂となり、逆にこの重合体中の式(I)のゼロに近い極端な場合にはこの重合体はポリエステル樹脂として知られている。本発明に対しては、しかし、式(I)の単位と式(II)の単位の比は約1:1あるいはそれ未満、好ましくは約1:2あるいはそれ未満、そして最も好ましくは1:3あるいはそれ未満である。
【0035】
アミド式(I)は一般に
(i)少なくとも1つのアミン基を有する一般式(III )
Figure 0004139526
で表される化合物、および
(ii)カルボニル基を有する少なくとも1つの分子部分あるいはカルボニル基を形成しうる分子部分を有し、式(III )のアミンと反応できそして一般式(IV)
Figure 0004139526
で表される化合物
との間の反応から誘導される。
【0036】
式(III )において、各R1 、R2 およびR3 は個々に水素、C1-20アルキレンあるいはC6-20アリーレン基であることができ、但しR1 、R2 またはR3 の少なくとも1つは脱離基であり、そして更にR1 、R2 またはR3 の少なくとも1つはまたアミン、ヒドロキシル、カルボン酸、イミド、無水物、エステル、エポキシ、カルボン酸塩またはこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの反応性分子部分を含有している。
【0037】
式(IV)において、R4 は一般にアミン、ヒドロキシル、カルボン酸、イミド、無水物、エステル、エポキシ、カルボン酸塩またはこれらの混合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの反応性分子部分を含有するC1-20アルキレンあるいはC6-20アリーレン基である。式(IV)においてはまた、Xは例えばヒドロキシルまたはアミノのような求核性種によって置換されることのできる脱離基である。
【0038】
本発明の原理によれば、代表的なカルボニル含有化合物は式
【0039】
【化5】
Figure 0004139526
【0040】
で表される。ここに上記式中、Yは少なくとも2つの炭素原子を含有する2価の脂肪族または芳香族基であり、一つのXはメトキシあるいはエトキシのようなアルコキシであり、他方のXは例えばフェノキシのようなアリールオキシである。
【0041】
好適な実施の態様では、式(III )は低級アルキルジアミンであり、そして式(IV)はフタレートまたはナフタリンジカルボキシレート誘導体である。好ましいジアミンはジメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンである。好ましいフタレートおよびナフタリンジカルボキシレート種は前述したものおよび2,6−ナフタリンジカルボン酸の低級アルキルおよびアリールエステル並びに対応する低級アルキルおよびアリールナフトエートエステルである。
【0042】
式(III )のアミンがジアミンであるときには、式(I)のアミドは一般式(VII )
【0043】
【化6】
Figure 0004139526
【0044】
で表される単位を含むジアミドとなる。上記式中、R6 はC1-20アルキレンあるいはC6-20アリーレン基であり、R7 は式(IV)のR4 に対して既に定義したとおりである。
【0045】
随意には、ジアミドまたはジアミドの混合物が式(VIII)
【0046】
【化7】
Figure 0004139526
【0047】
を持つことも可能であり、ここに上記式中、R6 、R7 、R9 およびR10は個々にそれぞれ12個までの炭素原子を有するアリールまたはアルキル基であり、各R6 およびR7 並びに各R9 およびR10は連結して5または6員環構造を形成することができ、そして各X1 、X2 、X3 およびX4 は個々にヒドロキシ、カルボン酸、カルボン酸の低級アルキルまたはアリールエステル、エポキシ、カルボン酸アンモニウム塩、無水物または水素から選ばれる分子部分であり、但しX1 またはX2 およびX3 またはX4 の少なくとも1つは水素でない。R8 はC1-20アルキレンあるいはC6-20アリーレン基である。
【0048】
好適な実施の態様では、式(IV)のカルボニル種はビス−カルボニル種であり、得られる式(I)のアミドは一般式(IX)
【0049】
【化8】
Figure 0004139526
【0050】
によって表される単位を含んでおり、ここに上記式中Zは脱離基である。R6 は式(VII )で既に定義したとおりであり、各R8 は個々に一般的にC6-20アルキレンあるいはC6-20アリーレンまたはこれらの混合物である。好ましくはR6 は1,2−エチレンまたは1,4−ブチレンであり、そして各R8 はパラ−フェニレンである。
【0051】
式(IX)においてZがアルコキシまたはアリールオキシ基であるときには、得られる式は”ビスエステルジアミド”(以後BEDAと呼ぶ)、例えばテレフタル酸またはその誘導体およびアミンまたはその誘導体に基づくビスエステルジアミドと呼ぶことができる。
【0052】
簡略化および後に実施例で参照するため、式(IX)においてZがメトキシであり、R8 がp−フェニレンであり、そしてR6 がテトラメチレンであるときは、得られる化合物はT4T−ジメチルと略される。同様に、式(IX)においてZがメトキシであり、R8 がp−フェニレンであり、そしてR6 がヘキサメチレンまたはエチレンであるときは、得られる化合物はそれぞれT6T−ジメチルおよびT2T−ジメチルと略される。
【0053】
好ましいPEAは実質的に均一な構造を有し、ジ酸誘導体、ジオールおよびジアミンから誘導される。好ましいPEAは一般式(X)
【0054】
【化9】
Figure 0004139526
【0055】
を含有しており、ここに上記式中、R6 、R7 、R8 およびR9 は個々にC1-20アルキレンあるいはC6-20アリーレンであり、eおよびfはそれぞれ1に等しいかあるいはそれより大きい正数である。好ましくはR7 およびR9 は同じであって、アリーレン好ましくはパラ−フェニレン基であり、そして好ましくはR6 およびR8 は同じであり(従って、以下に定義されるPstにおいてs=t)、C2 −C6 アルキレンである。eが1または1とこれより大きな正数との混合であるのが好ましく、ここに前記大きな正数の分率は約15%未満、より好ましくは約10%未満である。
【0056】
式(X)において、R7 およびR9 は同じであり、好ましくはパラ−フェニレンであるときは、式(X)の単位を含む重合体はPstと呼ぶことができ、ここにsはR8 中の炭素原子の数を指し、tはR6 中の炭素原子の数を指す。例えば、それぞれジオールおよびジアミンとして1,4−ブタンジオールおよびテトラメチレンジアミンから誘導されたPEAはP44と参照され、1,2−エタンジオールおよびテトラメチレンジアミンから誘導されたPEAはP24と参照される。ジアミンおよびジオールの合計に基づくジアミンのモル%を表すには、ジアミンのモル%は通常Pst−%として示される。従って、この命名法によれば、1,2−エタンジオールおよび1,4−ブチレンジアミンから誘導され、そのテトラメチレンジアミンが20モル%のレベルであれば、PEAはP24−20と呼ばれることになろう。
【0057】
【実施例】
実施例 1
テレフタル酸ジフェニルとの溶融反応を使用したエステル交換が以下のように実施された。テレフタル酸ジメチル(9.97g;50ミリモル)およびテレフタル酸ジフェニル(3.50g;10.0ミリモル)を組み合わせて220℃に加熱し、この時点でテトラキス−(2−エチルヘキシル)チタネート(キシレン中1.0M溶液0.25ml;0.25ミリモルまたはDMTに対して0.50モル%)を加えた。15分後、vpc分析はDMT、MPTおよびDPTの混合物への完全な平衡を示した。
【0058】
実施例 2
テレフタル酸ジフェニルを使った溶液反応によるエステル交換が以下のように実施された。キシレン50ml中でテレフタル酸ジメチル(9.97g;50ミリモル)およびテレフタル酸ジフェニル(3.18g;10.0ミリモル)を組み合わせ還流するまで加熱し、この時点でテトラキス−(2−エチルヘキシル)チタネート(キシレン中1.0M溶液0.25ml;0.25ミリモルまたはDMTに対して0.50モル%)を加えた。15分後、vpc分析はDMT、MPTおよびDPTの混合物への完全な平衡を示した。
【0059】
実施例 3
炭酸ジフェニルを使った溶液反応によるエステル交換が以下のように実施された。キシレン50ml中でテレフタル酸ジメチル(9.97g;50ミリモル)および炭酸ジフェニル(2.14g;10.0ミリモル)を組み合わせ還流するまで加熱し、この時点でテトラキス−(2−エチルヘキシル)チタネート(キシレン中1.0M溶液0.25ml;0.25ミリモルまたはDMTに対して0.50モル%)を加えた。浴温度を175℃に上昇させてキシレンと共に副生物の炭酸ジメチルをゆっくりと留出させた。15分後、vpc分析はDMT、MPTおよびDPTの混合物への完全な平衡を示し、炭酸メチルフェニルは痕跡量(2%未満)しか残留していなかった。
【0060】
実施例 4
溶液反応として酢酸フェニルを使ったエステル交換が以下の方法で実施された。キシレン50ml中でテレフタル酸ジメチル(9.97g;50ミリモル)および酢酸フェニル(2.72g;20.0ミリモル)を組み合わせ還流するまで加熱し、この時点でテトライソプロピルチタネート(75μl;0.25ミリモルまたはDMTに対して0.50モル%)を加えた。浴温度を170℃に上昇させてキシレンと共に副生物の酢酸メチルをゆっくりと留出させた。1.5時間後、vpc分析はDMT、MPTおよびDPTの混合物への完全な平衡を示し、酢酸フェニルは痕跡も残留していなかった。
【0061】
実施例 5
エステル−アミド交換を以下のように行った。実施例1−4の各々からの粗生成物を120−140℃に冷却し、1,4−ブタンジアミン(10ミリモル;1.05ml)で処理した。15分以内に、析出物が形成し始まり、これはゲル濾過クロマトグラフィー(size exclusion chromatography ; SEC )でT4Tと同定された。vpcでテレフタル酸メチルフェニルのピークの消滅で明らかなように、この反応は2時間後に完結した。SEC分析はT4T並びに少量(〜1−10%)のオリゴマー性エステルアミドの生成を示した。T4Tは周囲温度に冷却し、CH2 Cl2 で希釈し、濾過し、更にCH2 Cl2 で洗浄することにより単離できた。
【0062】
実施例 6
フェノールとの溶融反応を使用したエステル交換が以下のように実施された。磁気撹拌器、Dean-Starkトラップおよび窒素入口を装備された油熱式丸底フラスコ内でテレフタル酸ジメチル(75.0g;0.38モル)およびフェノール(12.0g;0.13モル)を組み合わせた。この混合物を190℃に加熱し、この時点でテトラ−n−ブチルチタネート(0.2g;DMTに対して0.15モル%)を加えた。溶融物中に窒素を通過させて生成されたMeOHを除去した。3時間後、GLC分析はDMT、MPTおよびDPTの混合物への転化を示した。これらの生成物の相対的な量はMeOH除去の効率によって決まるフェノールの転化率に依存していた。典型的なフェノール転化率60−80%が達成され、DMT:MPTモル比2.8−4.0:1が得られた。MPTに対するDPTの量は1−5モル%の範囲であった。
【0063】
実施例 7
溶液反応にフェノールを使用したエステル交換を以下のように実施した。実施例6を繰り返したが、ここではDMTおよびフェノールに次いで20mlのメシチレンを加えた。Dean-Starkトラップを80℃の水が循環する凝縮器で置き換えた。この反応混合物を180℃に加熱し、窒素流を穏やかな還流となるよう調節した。溶媒を加える主な利点はフェノールおよびDMTの昇華が起きないことである。溶融反応でのDMT/MPT/DPT比のデータ(実施例6参照)がこの溶液反応にも当てはまるが、反応時間はより長く、例えば、4時間後に典型的なフェノール転化率60−80%が達成された。
【0064】
実施例 8
溶液反応としてp−メトキシフェノールを使用したエステル交換を以下のように実施した。実施例7を繰り返したが、ここではフェノールをp−メトキシフェノール(15.8g;0.13モル)で置き換えた。2.5時間後に、GLCで実証されるように反応混合物には何らp−メトキシフェノールは含有されておらず、MPT誘導体への完全な転化が得られ、存在するDPT誘導体は僅かに7%(MPTに対して)に過ぎなかった。
【0065】
実施例 9
以下のようにして、エステル−アミド交換を行った。実施例6、7および8それぞれからの粗生成物に200mlのメシチレンを加え、混合物を140℃に冷却した。1,4−ブタンジアミン(3.4g;39ミリモル)の添加後、15分以内に析出が起きた。2時間後、90℃の循環水で加熱されたブフナー漏斗で反応混合物を濾過した。若干のDMTで汚染されたT4Tである残渣は更に熱濾過行程を行って更に精製できた。別の方法では、このT4Tは周囲温度に冷却し、CH2 Cl2 で希釈し、濾過し、更にCH2 Cl2 で洗浄することにより単離できた。T4Tの量は13.0gであり、すなわち、ジアミンの82%がT4Tに転化された。
【0066】
HT−GLCおよび1H−NMR分析は共に純粋なT4Tが生成されていることを示した。低設定GPC分析は8%のT4Tオリゴマー(主にT4T4T)の存在を示しており、過塩素酸滴定可能質物は120μeq/gであった。この滴定可能物質は(暖かい)MeOHで洗浄することにより更に30−40μeq/gまで減少でき、これにより高分子量、高アミド含有量のポリエステルアミド(実施例15参照)を得るのに十分なモノマー純度がもたらされる。
【0067】
実施例 10
炭酸ジフェニルを使用したエステル交換によって得られたT4Tの導入によりブタンジオールの5モル%をブタンジアミンで置き換えたPBTの調製。トルク測定式撹拌器を装備された2リットルステンレス鋼反応器中で窒素下においてテレフタル酸ジメチル(244g;1.26モル)、炭酸ジフェニル(54g;0.25モル)およびテトラブチルチタネート(1.45g)を200℃に加熱した。炭酸ジメチルは留去された。1.5時間後、反応器を160℃に冷却し、1,4−ブタンジアミン(17.6g;20モル)を徐々に加えた。白色の析出物が形成された。
【0068】
1.5時間後、テレフタル酸ジメチル(550g;2.83モル)、1,4−ブタンジオール(622g;6.91モル)およびテトラブチルチタネート(1.1g)を加え、温度を175℃に上昇させた。メタノールの90%(250ml)が留去されたとき、温度を2℃/分の速度で235℃に、それから1℃/分の速度で250℃に上昇させた。250℃で真空を徐々に加え、撹拌速度を徐々に低下させた。約1.5時間後にそして最低の撹拌速度で最大のトルクに至った時、窒素で真空を壊して反応を終結させた。若干窒素−過圧下で、底部−弁を介してし反応器を空にした。溶融ストランドを水浴中で冷却し、ペレットに切断するため造粒器に供給した。
【0069】
分析する前にペレットを真空中で120℃で2時間乾燥した。ゲル透過クロマトグラフィー(ポリスチレン標準に校正)で測定した重量平均分子量は75kg/モルであった。過塩素酸滴定可能物質は15μeq/gの量に至った。示差走査熱量測定(300℃に加熱しそれから20℃/分にて室温まで冷却)は194℃で結晶化最大(エンタルピー:−45J/g)を示し、そしてついで20℃/分で加熱して221℃で融点(エンタルピー:34J/g)を示した。プロトン−NMRは4.9%の組込ジアミドに相当する窒素含有量を指していた。13C−NMRはジアミドシーケンスの90.1%が単一であり、即ち、ジエステルと側面を接するが他のジアミド−セグメントとは側面を接しない。別の言い方をすれば、シーケンス−長が1に等しいジアミド−セグメントの均質度は90.1%である。
【0070】
比較例 10a
LiOMe触媒を使用して得られたT4Tの導入によりブタンジオールの5モル%をブタンジアミンで置き換えたPBTの調製。Dean-Starkトラップ、還流冷却器、撹拌器および窒素入口を装備された油熱式の1リットルガラス反応器内にテレフタル酸ジメチル(88g)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(210ml)およびトルエン(210ml)を入れ、窒素下で約140℃に加熱した。1,4−ジアミノブタン(8g)およびLiOCH3 (0.65g)を加えた。この溶液を約4時間撹拌したところ、その間に析出物が形成された。この析出物を熱濾過し、熱トルエンで洗浄し、ついで熱メタノールで洗浄し、それから約175℃で1時間乾燥した。T4Tの収率は82%であった。
【0071】
Dean-Starkトラップ、凝縮器、撹拌器および窒素入口を装備された1リットルガラス反応器にテレフタル酸ジメチル(337g;1.735モル)、前述のT4T(37g;0.089モル)および1,4−ブタンジオール(263g)を加えた。これらの内容物を窒素下で165℃に加熱し撹拌しながら溶解させた。0.46mlのTi(OC494 を加えたところ、メタノールが留出し始めた。温度は30分で235℃に上昇された。160mlの留出物が回収された後、Dean-Starkトラップと凝縮器をコールドトラップの備わった真空管路に置き換えた。真空を徐々に加えて約5mmHgの圧力にした。粘度が上昇し始めた時点で、温度を250℃に上昇し、圧力を約0.1mmHgに減少した。溶融物が撹拌器の周りに巻き付き始めた時点で重合を止めた。
【0072】
この重合体は、Mw97kg/モル(PS基準)、過塩素酸滴定可能物質3μeq/g、融点221℃、結晶化点195℃、アミド含有量5.0%および均質度92.4%を有していた。
【0073】
比較例 10b;純粋のPBT
窒素入口、撹拌器および真空装置を装備されたステンレス鋼反応器においてテレフタル酸ジメチル(200g;1.03モル)、1,4−ブタンジオール(186g;2.06モル)およびTi(OC494 (3.75ml;0.175モル)を160℃に加熱し、ついで1.5℃/分で255℃に加熱した。255℃で圧力を徐々に15−20mBar(15分)に減少し、更に0.1−0.4mBar(60分)に減少した。冷却しそして真空を壊してから重合体を取り出した。
【0074】
この重合体はMw93kg/モル(PS基準)、融点222℃および結晶化点186℃を有していた。
【0075】
実施例10、10aおよび10bはこれらの3つの重合体が結晶化速度に関して同等であるに十分近く、結晶化速度は純粋なPBTに対するよりもポリエステルアミドに対する方が速いことを示している。より重要なことは、実施例10および10aのポリエステルアミドの間に殆ど何らの違いも存在しないことが示されているが、実施例10での調製は実施例10aでの調製よりも遙かにより簡単であった。
【0076】
上記の重合体(17重量%)をポリカーボネート(46重量%、Lexan 125; General Electric)、PBT(25重量%、Valox 195; General Electric)、ゴム耐衝撃性改良剤(11重量%)、安定剤/加工助剤(1重量%)と押出−配合し、それから試験棒に射出成形したところ、以下の性質を有していた。
【0077】
Figure 0004139526
上記のポリカーボネートとのブレンドはポリエステルアミドのより速い結晶化がおそらくはそのより速い相分離のためにより高いビカー温度を与えることを示している。
【0078】
実施例 11
炭酸ジフェニルを使用したエステル交換によって得られたT4Tの導入によりブタンジオールの12モル%をブタンジアミンで置き換えたPBTの調製。実施例10を繰り返したが、ここではテレフタル酸ジメチル740g(3.81モル)、炭酸ジフェニル102g(0.48モル)およびテトラブチルチタネート4.70gを使用し、アミド化を1,4−ブタンジアミン39gを使用して145℃で行い、そしてエステル交換/重縮合には追加のテレフタル酸ジメチルあるいは新しい触媒は加えなかった。
【0079】
この重合体は、Mw48kg/モル(PS基準)、過塩素酸滴定可能物質35μeq/g、融点230℃、結晶化点201℃、アミド含有量11.6%および均質度92.5%を有していた。
【0080】
実施例 12
炭酸ジフェニルを使用したエステル交換によって得られたT4Tの導入によりブタンジオールの14モル%をブタンジアミンで置き換えたPBTの調製。実施例10を繰り返したが、若干より高いアミド含有量をうるように諸成分の量に僅かな変更を加えた。
【0081】
この重合体は、Mw35kg/モル(PS基準)、過塩素酸滴定可能物質45μeq/g、融点232℃、結晶化点205℃、アミド含有量14.2%および均質度90.1%を有していた。
【0082】
実施例 13
テレフタル酸ジフェニルを使用したエステル交換によって得られたT4Tの導入によりブタンジオールの11モル%をブタンジアミンで置き換えたPBTの調製。実施例11を繰り返したが、ここではテレフタル酸ジメチル697g(3.59モル)、テレフタル酸ジフェニル143g(0.45モル)およびテトラブチルチタネート4.7gを使用し、炭酸ジフェニルは使用しなかった。
【0083】
この重合体は、Mw60kg/モル(PS基準)、過塩素酸滴定可能物質20μeq/g、融点221℃、結晶化点198℃、アミド含有量11%および均質度90.1%を有していた。
【0084】
実施例 14
炭酸ジフェニルを使用したエステル交換によって得られたT4Tの導入によりブタンジオールの11モル%をブタンジアミンで置き換えたPBTの調製。当初の成分の量を1.5倍にして実施例11を繰り返したが、ここではアミド化後反応器を冷やし、その内容物を粉砕し、高剪断ミキサを使って水/メタノール(50/50v/v)中に3回スラリー化し、メタノールで洗浄し、そして乾燥した。テレフタル酸ジメチルおよびT4Tしか含んでいないこの物質879gをブタンジオール(613g;6.81モル)およびテトラブチルチタネート(1.1g)と共に反応器に加えて、実施例11に記載したように重合した。
【0085】
この重合体は、Mw73kg/モル(PS基準)、過塩素酸滴定可能物質15μeq/g、融点232℃、結晶化点197℃、アミド含有量11.5%および均質度90.1%を有していた。
【0086】
この実施例はジアミドを5モル%より多く含む高Mwポリエステルアミドを得るには精製工程を挿入するのが有利であることを示している。
【0087】
実施例 15
フェノールを使用したエステル交換によって得られたT4Tの導入によりブタンジオールの11モル%をブタンジアミンで置き換えたPBTの調製。トルク測定式撹拌器、Dean-Starkトラップおよび窒素入口を装備された2リットルのステンレス鋼反応器にテレフタル酸ジメチル(686g;3.536モル)、実施例9からのT4T(194g;0.471モル)および1,4−ブタンジオール(613g;6.811モル)を加えた。これら内容物を窒素下で175℃に加熱し撹拌しながら溶解させた。なおもって活性と思われるTi(OPh)4 がT4T中に残留しているためにメタノールが留出し始めた。およそ250mlのメタノールが留出されたときに、追加の1.1g量のTi(OC494 を加えた。温度が上昇して、実施例10に記載したようにして重合体が形成され、この重合体はMw84kg/モル(PS基準)、過塩素酸滴定可能物質19μeq/g、融点233℃、結晶化点201℃、アミド含有量11.7%および均質度90.8%を有していた。
【0088】
実施例 16
テレフタル酸モノメチルの調製。3リットルの三首丸底フラスコにDMT(213g;1.10モル)を装入した。このフラスコにはN2 吹き込み器に接続されたガス入口を担持した還流凝縮器、機械的撹拌器および温度計が装備されている。フラスコにトルエン(1.2リットル)を加え、内部温度が70℃になるまでこの混合物をマントルで加熱しながら撹拌したところ、無色透明の均質な溶液が形成された。磁気撹拌棒の備えられた1リットルのErlenmeyerフラスコにKOH(純度87.0%;60.0g;0.930モル)を装入した。無水メタノール(342ml)を加え、混合物を10分間にわたり撹拌して溶解した。このKOHメタノール溶液を添加漏斗に移し、ついでこの漏斗を上記の3リットルのフラスコに取り付けた。この塩基溶液を5分にわたり撹拌しながら加熱せずに添加した。直ぐさま微細な白色の析出物が形成され、更に20分の反応時間の後混合物は濃厚なスラリーになっていた。脱イオン水(1リットル)を反応器に加え、そして水性相を分離漏斗で分離して反応器に戻した。pHが2になるまで濃縮HClを加えた。この添加の間に白色析出物の濃厚なスラリーが生成した。この固体をフリットガラスフィルター上に回収し水で2回洗浄した。この固体を110℃の真空オーブン中で16時間乾燥した。テレフタル酸モノメチルの収量は159.6g(0.8868モル)で収率は95.4%であった。
【0089】
実施例 17
MMTとDPCの溶融反応。50mlの丸底フラスコにテレフタル酸モノメチル(0.9008g;5.00ミリモル)、炭酸ジフェニル(1.071g;5.00ミリモル)およびテトライソプロピルチタネート(4.7mg;Tiとして400ppm)を装入した。このフラスコには機械的撹拌器、およびN2 吹き込み器に接続されたガス入口を担持した還流凝縮器が装備されていた。加熱は比例ヒータ制御器で温度の維持された210℃のシリコーン油浴にフラスコを入れて行った。時折フラスコを若干冷却し少量引き出して試料を取りこれをMMT、MPT、DMTおよびDPTについて分析した。反応は決めた時間まであるいはMMTが100%転化されるまで行った。仕上げ処理はMPTの所望される使用次第であり、溶液アミド化では、反応混合物はついでキシレンに溶解されそれから実施例11の記載されているようにして1,4−ブタンジアミンと反応される。
表1:MMT+DPCに対する代表的な結果
Figure 0004139526
実施例 18
MMT/PhOHからのT4Tの調製。25mlの丸底フラスコに再結晶されたMMT(1.8142g;10.07ミリモル)、フェノール(1.0779g;11.45ミリモル;1.14当量)、硼酸(33.1mg;0.535ミリモル;0.053当量)およびキシレン(10ml)を加えた。このフラスコには磁気撹拌棒、および還流凝縮器とN2 入口を担持したDean-Starkトラップが装備されていた。フラスコを160℃の油浴により加熱しながら撹拌した。15分後フラスコを油浴から取り出し、硫酸(濃硫酸;26.8ml;0.502ミリモル;0.050当量)をEppendorf ピペットで加えた。ついでフラスコを再び油浴に入れて還流させた。27時間後、1H−NMR分析によりMMTが95.2%転化されている(MPT86.6%;DPT8.96%;およびDMT4.45%)ことが示され、この時点で反応を若干冷却し、それから分離漏斗に移した。明るい黄色をした混合物を5%NaOH溶液で洗浄し、ついで水で2回洗浄した。有機相を反応器に戻して共沸的に乾燥した。この混合物に1,4−ブタンジアミン(475.6ml;.73ミリモル)を加え、2.5時間還流下で撹拌した。得られた濃厚なスラリーをキシレンで希釈して容量を倍にし、12mlのガラス管で遠心分離した。この固体を回収して1:1のメタノール:水20mlで洗浄し、再び遠心分離にかけ、ついでメタノール20mlで洗浄した。3回目の遠心分離の後、得られた明るい黄褐色の固体を110℃の真空オーブン中で16時間乾燥した。収量はT4T1.79g(92%)であった。GPC分析はこれは94%がT4Tで6%がより高分子量のオリゴマーであることを明らかにした。

Claims (8)

  1. ポリエステルアミド組成物の製造方法であって、テレフタル酸ジアルキルエステルからエステル交換によってテレフタル酸アルキルアリールエステルを形成して、得られる反応生成物中にテレフタル酸アルキルアリールエステルを存在させ、反応生成物をC1-20アルキレンジアミン及びC6-20アリーレンジアミンから選択されるジアミンと接触させて反応生成物中に存在するテレフタル酸アルキルアリールエステルの少なくとも一部を上記ジアミンと反応せしめてビス−エステルアミドを形成し、得られたビス−エステルアミドをジオールと重合させてポリエステルアミドを形成することを含む方法。
  2. 前記エステル交換がテレフタル酸ジアルキルを適当なフェノキシ誘導体と反応させることを含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記フェノキシ誘導体がテレフタル酸ジフェニル、炭酸ジフェニル、フェノール、酢酸フェニル、炭酸メチルフェニル、亜燐酸トリフェニル又は置換フェノール類からなる群から選ばれる、請求項2記載の方法。
  4. 前記アルキルアリールエステルを含む反応生成物がエステル交換の副生物を含んでおり、該副生物の一部をビス−エステルアミドを形成する反応の前に除去することを含む、請求項3記載の方法。
  5. 前記副生物の少なくとも一部がエステル交換反応生成物から気化される、請求項4記載の方法。
  6. 前記副生物が炭酸ジメチル及び炭酸メチルフェニルを含む、請求項5記載の方法。
  7. 前記ビス−エステルアミドの重合が、テレフタル酸アルキルアリールエステルとジアミンとのアミド化反応生成物をジオールと直接反応させることを含む、請求項2記載の方法。
  8. 前記ビス−エステルアミドを反応生成物から分離して、得られた精製ビス−エステルアミドを重合することを含む、請求項1記載の方法。
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