JP4139234B2

JP4139234B2 - 歯数９０〜１８０のスパナのラチェット製造法

Info

Publication number: JP4139234B2
Application number: JP2003018975A
Authority: JP
Inventors: 智慶謝
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2003-01-28
Filing date: 2003-01-28
Publication date: 2008-08-27
Anticipated expiration: 2023-01-28
Also published as: JP2004230477A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は一種の歯の数を９０〜１８０に製造可能なラチェット製造法及び９０〜１８０歯のラチェットに関する。特に一種の高いトルク値と噛み合い密度を具えたラチェットの製造工程で、鍛造、トリミング、研磨、転造、熱処理及び表面処理等のステップを利用し各効果を実現する歯の数を９０〜１８０に製造可能なラチェット製造法及び９０〜１８０歯のラチェットに係る。
【０００２】
【従来の技術】
図１が示すような一般のラチェットスパナ１は、世界中で常用されている手工具の一つであり、該ラチェットスパナ１に関しても単一方向作動或いは双方向作動等、非常に多くの研究や開発が見られる。
多くの種類があるラチェットスパナであるが、該ラチェット１’の外周の歯の数はかつての３６歯が現在では７２歯のものまであるが、やはり一定の制限がある。しかも、外周の歯の数は全体的なラチェットスパナ１の構造に対して極めて大きな影響を及ぼす。なぜなら、歯の数が多くなればなるほどその噛み合い密度は高くなるからである。しかし、歯の数を多くするには加工精度コントロールの困難度も高くなる。
市場には「７２＋（該歯数は７２歯以上の意）」のものも見られるが、該表示は製造工程における品質の不安定さを示している。だからこそ、「７２歯よりいくらか多い」歯数となるのであって、その各ラチェットの角度は５度角未満である。即ち、「７２＋」という歯数は宣伝文句以外の何者でもないと言える。
一方、９０を超える歯数のラチェット１’は今のところ市販されていない。この種の歯数の多いラチェットは、非常に高い精度が求められるため、公知の７２歯数のラチェットの製造工程では製造できるものではなく、一般の製造業者が簡単に開発できるものではない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記公知構造の欠点を解決するため、本発明は歯の数を９０〜１８０に製造可能なラチェット製造法及び９０〜１８０歯のラチェットの提供を課題とする。
それは、９０〜１８０歯を具えたラチェットを製造可能である。
さらにそのラチェットは、高いトルク値と良好な噛み合い密度を具える。
またその製造工程は、非常に簡単で、かつ製造業者にとって利便性が高い。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は下記の歯の数を９０〜１８０に製造可能なラチェット製造法及び９０〜１８０歯のラチェットを提供する。
それは主に鍛造、球状化焼なまし、トリミング、研磨加工、転造、熱処理、表面処理等の製造工程を含む。
該製造工程により精度、トルク値、噛み合い密度共に高い性能を具えたラチェットを製造可能である。
【０００５】
【発明の実施の形態】
図２が示すように、本発明の製造プロセスは、以下のステップを示す。
１．鍛造
図３が示すように、鍛造技術によりラチェット本体ラフプレフォーム１０を製造する。
２．球状化焼なまし
鍛造により生じた応力を消去し、その構造の安定性を強化するため、該ラチェット本体ラフプレフォーム１０に球状化焼なましを施す。本球状化焼きなまし工程は、歯数の精度に応じて一回以上行うが、２回が最良である。
３．トリミング
切削加工により該ラチェット本体ラフプレフォーム１０にトリミングを行い、ラチェット本体スムースプレフォーム１２とする。
４．研磨加工
切削加工後の該ラチェット本体スムースプレフォーム１２に対して研磨加工又は研削加工を行う。本ステップは、有芯或いはセンターレス研磨加工により行うことができ、１〜５ミクロンに精度を制御する（図４、５参照）。
５．転造
第４ステップ完了後のラチェット本体スムースプレフォーム１２を転造ダイス間に定位し、図６が示すように、外周に９０〜１８０の歯を具えたラチェット歯ラフプレフォーム１３を成形する。
６．熱処理
該ラチェット歯ラフプレフォーム１３に熱処理を施し、ラチェット歯スムースプレフォームとする。
７．表面処理
該ラチェット歯スムースプレフォームに電気めっき等により表面加工処理を施し、ラチェット完成品２０とする。
【０００６】
本発明はさらに図８〜１１が示すように、同様の製造工程において転造工程のジグを換えることにより、内凹歯形、外凸歯形、内双凹歯形、円弧歯形のラチェット構造を製造することができる。
【０００７】
【発明の効果】
上記のように、本発明は精度、トルク値、噛み合い密度共に高い性能を具えたラチェットを製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】ラチェットスパナの構造指示図である。
【図２】本発明の歯の数を９０〜１８０に製造可能なラチェット製造法のフローチャートである。
【図３】本発明の歯の数を９０〜１８０に製造可能なラチェット製造法におけるラチェット本体ラフプレフォーム鍛造の構造指示図である。
【図４】本発明の歯の数を９０〜１８０に製造可能なラチェット製造法における有芯研磨の指示図である。
【図５】本発明の歯の数を９０〜１８０に製造可能なラチェット製造法における無心研磨の指示図である。
【図６】本発明の歯の数を９０〜１８０に製造可能なラチェット製造法における転造の指示図である。
【図７】本発明の歯の数を９０〜１８０に製造可能なラチェット製造法におけるラチェット外観指示図である。
【図８】本発明の歯の数を９０〜１８０に製造可能なラチェット製造法における異なる形態のラチェット指示図である。
【図９】本発明の歯の数を９０〜１８０に製造可能なラチェット製造法における他の異なる形態のラチェット指示図である。
【図１０】本発明の歯の数を９０〜１８０に製造可能なラチェット製造法における２重の歯を供えた異なる形態のラチェット指示図である。
【図１１】本発明の歯の数を９０〜１８０に製造可能なラチェット製造法におけるさらに他の形態のラチェット指示図である。
【符号の説明】
１ラチェットレスパナ
１’ ラチェット
１０ラチェット本体ラフプレフォーム
１２ラチェット本体二スムースプレフォーム
１３ラチェット歯ラフプレフォーム
２０ラチェット完成品

Claims

１．鍛造：鍛造技術によりスパナのラチェット本体ラフプレフォームを製造し、
２．球状化焼なまし：該ラチェット本体ラフプレフォームに少なくとも一回以上の球状化焼なましを施し、
３．トリミング：切削加工により該ラチェット本体ラフプレフォームにトリミングを行い、ラチェット本体スムースプレフォームとし、
４．研磨加工：切削加工後の該ラチェット本体スムースプレフォームのラチェット歯形成面に対して研磨加工を行って、精度を制御し、
５．転造加工：第４ステップ完了後のラチェット本体スムースプレフォームをダイス間に定位して、外周に９０〜１８０の歯を具えたラチェット歯ラフプレフォームを転造成形し、
６．熱処理：該ラチェット歯ラフプレフォームに熱処理を施し、ラチェット歯スムースプレフォームとし、
７．表面処理：該ラチェット歯スムースプレフォームに表面加工処理を施し、ラチェット完成品とすることを特徴とする歯数９０〜１８０のスパナのラチェット製造法。
前記製造工程において転造加工工程のジグを換えることにより、異なる歯形状のラチェット構造することを特徴とする請求項１記載の歯数９０〜１８０のスパナのラチェット製造法。