JP4139057B2 - トナー飛散防止装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター、プロッター等の電子写真方式の画像形成装置に係り、特に、トナー画像を用紙等の記録材に転写する際に、像担持体上に形成したトナー画像を中間転写ベルトを介して記録材に転写する中間転写ベルト方式を利用した画像形成装置において、中間転写ベルトの移動に伴って機器筐体内で発生する飛散トナーによる汚染を効率的に防止することのできるトナー飛散防止装置、及びそのトナー飛散防止装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トナー画像を用紙等の記録材上に形成する画像形成装置の一つとして、像担持体上に形成したトナー画像を中間転写ベルトを介して記録材に転写する中間転写ベルト方式を利用した画像形成装置が知られているが、このような画像形成装置において、像担持体上の潜像を現像器で現像してトナー画像を形成する際や、像担持体上に形成したトナー画像を中間転写ベルトに転写する際などに、一部のトナーが転写不良によって剥離・落下し、飛散トナーとして機器筐体内で汚染を発生させるという問題があった。そして、このような問題点について、筐体内で機械的・電気的な方式で防止しようとする技術としては、下記のような技術が存在する。
像担持体において発生するトナー飛散を防止しようとする技術としては、例えば特開平4−274263号公報に記載の画像形成装置のトナー飛散防止装置のように、像担持体より落下するトナーを受容する受け皿を設け、像担持体より離れる方向にトナーを移動させる技術がある。
また、実開平4−126261号公報に記載の乾式電子複写機用トナー案内板及びトナー飛散防止板のように、機器筐体内にトナー案内板を設け、トナー案内板の材質に摩擦帯電しにくい特性を持たせることで、トナー付着・飛散を抑制させる効果を持たせる技術がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の技術だけでは以下に示すような問題点がある。
近年、放電によるオゾン発生の問題を低減するべく、中間転写ベルト方式を用いた記録材への転写方式が主流となりつつある。このような中間転写ベルト方式においては、像担持体と現像器の接触部においてのみならず、像担持体と中間転写ベルトとの接触部におけるトナー飛散、また中間転写ベルトが移動することにより、転写ベルト表面に発生する空気境界層によって捕獲された飛散トナーが筐体内に広く拡散し、各種センサー類の誤作動をもたらす、という問題点が発生している。これに対して、前述の従来技術では像担持体と現像器におけるトナー飛散の問題のみを考慮しており、中間転写ベルト方式における特有のトナー飛散問題を解決するような技術ではない。
【0004】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、請求項1の目的は、特に中間転写ベルト方式の画像形成装置で問題となるトナー飛散を簡便に低コストで解決することのできるトナー飛散防止装置を提供することである。
また、筐体内に機械的手段でトナー飛散を抑制させる部材を設置する場合、そのもの自体が経年のトナー堆積によって抑制効果が減少することが多いが、本発明の第二の目的は、このような問題点も考慮に入れ、長時間トナー飛散抑制効果を持続させる部材を提供することである。
【0005】
さらに、本発明の第三の目的は、上記の目的を達成する上で必要とされる設置条件を提供することである。
本発明の第四の目的は、上記の目的を達成する上で必要とされる効率的に飛散トナーを集塵する手段を提供することである。
本発明の第五の目的は、中間転写ベルトの空気境界層に捕獲された飛散トナーを剥離させ、筐体内に浮遊させないだけではなく、それらの飛散トナーを集塵し、再利用させる手段を提供することである。
本発明の第六の目的は、集塵された飛散トナーを再度飛散させない手段を提供することである。
本発明の第七の目的は、長時間使用する場合におきるトナー堆積の弊害を防止する手段を提供することである。
本発明の第八の目的は、特に複数種の色のトナーを使用するカラー画像形成装置において、再利用可能な飛散トナーの集塵を行わせるようにする手段を提供することである。
本発明の第九の目的は、中間転写ベルト方式で問題となるトナー飛散問題を簡便に低コストで解決する手段を備えた画像形成装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明では、像担持体上に形成したトナー画像を中間転写ベルトを介して記録材に転写する方式の画像形成装置(すなわち、像担持体上にトナー画像を形成した後、中間転写ベルトの内側の転写手段(中間転写チャージャー、中間転写ローラー等)によってバイアスを印加して中間転写ベルト上にトナー粒子の有する極性と反対の極性の電位を与え、像担持体からトナー画像を中間転写ベルト表面に転写させる中間転写ベルト方式を採用している画像形成装置)に用いられ、前記中間転写ベルトからのトナー飛散を防止するトナー飛散防止装置において、前記中間転写ベルトのトナー画像を転写される面の裏面側に非接触で近接して設置され、前記中間転写ベルトの移動方向と逆方向に回転することのできるローラー(飛散トナー剥離ローラー)を有し、前記中間転写ベルトに非接触で近接して設置されている前記ローラーの下部に、飛散トナー集塵箱が設置されており、前記画像形成装置が複数種の発色の異なるトナーを使用する場合に、前記飛散トナー集塵箱として各々の色のトナーに対応する複数の集塵箱を有し、その複数の集塵箱が前記中間転写ベルト上に転写されたトナー色に応じて切り替わる構成としたものである。
【0007】
請求項2に係る発明では、請求項1記載のトナー飛散防止装置において、前記ローラーの表面は、前記像担持体上においてトナーが帯電している極性と同一の極性を帯びている(例えば、チャージャー等によってローラーの表面にトナーが帯電している極性と同一の極性電位を印加し同一の極性を帯びさせる)構成としたものである。
また、請求項3に係る発明では、請求項1または2記載のトナー飛散防止装置において、前記ローラーの表面は、前記中間転写ベルトの移動に伴って発生する空気境界層内に設置されている構成としたものである。尚、中間転写ベルトの移動に伴って発生する空気境界層の厚さは、h=(xv/U)1/2で与えられる距離hである(ただし、x:端部よりの距離、v:空気の動粘性率、U:中間転写ベルトの移動速度)。
【0008】
さらに、請求項4に係る発明では、請求項1,2または3記載のトナー飛散防止装置において、前記ローラーの長軸と前記中間転写ベルトの移動方向のなす角度が鋭角であるように前記ローラーが設置されている構成としたものである。尚、この場合も、ローラーと中間転写ベルトの距離は一定である。
本発明のトナー飛散防止装置においては、前記のように中間転写ベルトに非接触で近接して設置されているローラー(飛散トナー剥離ローラー)の下部に、飛散トナー集塵箱が設置されている構成としたものであり、ローラーの下部に飛散トナー集塵箱を設置し、中間転写ベルトの空気境界層内に捕獲されている飛散トナーのうち、ローラーの回転によって剥離されて落下してくるトナーを飛散トナー集塵箱で受容する構成としたものである。
【0009】
さらに、請求項5に係る発明では、請求項1,2,3または4記載のトナー飛散防止装置において、前記飛散トナー集塵箱の表面は、前記像担持体上においてトナーが帯電している極性と反対の極性を帯びている構成としたものである。すなわち、飛散トナー集塵箱の表面は帯電チャージャー等によって電位を印加され、像担持体上においてトナーが帯電している極性と反対の極性を帯びているので、静電引力を利用して、より効果的にトナーを集塵することができる。
また、請求項6に係る発明では、請求項5記載のトナー飛散防止装置において、前記飛散トナー集塵箱には圧電素子が接続されており、該圧電素子によって振動波を与えられている(集塵箱の表面が振動している)構成としたものである。
【0010】
一般にカラー画像を形成する電子写真方式の画像形成装置においては、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類の発色の異なるトナーが用いられるが、本発明のトナー飛散防止装置は、像担持体上に4種のトナーの現像装置により順次各色のトナー画像を形成し、各々について中間転写ベルト上にトナー画像を転写し、中間転写ベルト上で4色を重ね合わせたカラー画像を形成する中間転写ベルト方式を採用したカラー画像形成装置に使用されることを意図している。
すなわち、本発明のトナー飛散防止装置においては、前述したように、前記画像形成装置が複数種の発色の異なるトナーを使用する場合に、前記飛散トナー集塵箱として各々の色のトナーに対応する複数の集塵箱を有し、その複数の集塵箱が前記中間転写ベルト上に転写されたトナー色に応じて切り替わる構成としたものである。
【0011】
さらに、請求項7に係る発明では、像担持体と、該像担持体上にトナー画像を形成する手段と、像担持体上のトナー画像が転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に転写されたトナー画像を記録材に転写する手段を備え、前記像担持体上に形成したトナー画像を前記中間転写ベルトを介して記録材に転写する方式の画像形成装置において、前記中間転写ベルトからのトナー飛散を防止する手段として、請求項1〜6のうちの何れか一つに記載のトナー飛散防止装置を備えた構成としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成、動作及び作用について図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る中間転写ベルト方式を用いた画像形成装置の概略要部構成図であり、主として転写部100の構成を示す図である。
図1において符号101は光導電性感光体等からなる像担持体であり、この像担持体101の周囲には、電子写真方式により一連の画像形成動作を行うための帯電部、光書き込み部(あるいは原稿像の露光部)、現像部、中間転写部、クリーニング部、除電部等が配設されているが、図1では現像部の現像器106と、中間転写部の中間転写ベルト102及び中間転写チャージャー103以外の構成は図示を省略している。また、中間転写ベルト102は、駆動ローラーや従動ローラーからなる複数のローラー108,109,110と二次転写ローラー107に掛け渡されており、図中の矢印の向きに回転される。また、図示を省略しているが、この画像形成装置には、二次転写ローラー107の位置に記録材(例えば記録用紙)105を給紙・搬送する給紙部や給紙ローラー、搬送ローラー、レジストローラー等が設けられており、二次転写部より記録材搬送方向下流側には、記録材上に転写されたトナー画像を定着するための定着部と、定着後の記録用紙を排出する排紙部が設けられている。
【0013】
画像形成動作としては、まず図示しない帯電部により像担持体101が均一に帯電された後、図示しない光書き込み部(あるいは原稿像の露光部)により像担持体101に光が照射され静電潜像が形成される。この静電潜像は現像器106のトナーにより現像され、像担持体101上にトナー画像が形成される。その後、像担持体101上のトナー画像は中間転写ベルト102と対向する位置に搬送され、中間転写チャージャ103によって転写バイアスを印加され、中間転写ベルト102に一次転写される。そして中間転写ベルト102上に転写されたトナー画像1は二次転写ローラ107の位置まで搬送され、図示しない給紙部から搬送されて来た記録用紙105に二次転写される。このトナー画像1が転写された記録用紙105は図示しない定着部に搬送され、加熱や加圧等の定着手段でトナー画像が記録用紙に定着された後、図示しない排紙部に排出される。一方、上記の一次転写後に像担持体101上に残留したトナーは、図示しないクリーニング部で除去され、廃トナーあるいは回収トナーとなる。また、上記の二次転写後に中間転写ベルト102上に残留した未転写トナーは、クリーニングブレード104によって中間転写ベルト102上より掻き落され、廃トナーあるいは回収トナーとなる。
【0014】
ところで、上記の一次転写時には中間転写チャージャ103によって転写バイアスが印加され、像担持体101上のトナー画像が中間転写ベルト102に転写されるが、この際、トナーの一部が飛散して飛散トナー2が発生することがあり、この飛散トナー2は、中間転写ベルト102の移動に伴って発生するベルト表層の空気境界層内に捕らえられる。そして、この空気境界層によって捕獲された飛散トナーが筐体内に広く拡散し、筐体内を汚染するという問題が発生する。
そこで本発明の画像形成装置では、中間転写ベルト102からのトナー飛散を防止するためのトナー飛散防止装置を具備する構成としたものであり、このトナー飛散防止装置は、中間転写ベルト102のトナー画像1を転写される面の裏面側に近接して設置され、少なくとも、中間転写ベルト102の移動方向と逆方向に回転することのできるローラー3を有する構成とした。以下、本発明の画像形成装置に具備されるトナー飛散防止装置の具体的な実施例について説明する。
【0015】
図2は本発明の第1の実施例を示す図であって、図1に示す画像形成装置の中間転写ベルト102の裏面側に設置されたトナー飛散防止装置の構成説明図である。
図2において、図中に矢印で示すように中間転写ベルト102は図の左から右方向に移動し、表面に像担持体101から転写されたトナー画像1を担持している。像担持体101と中間転写ベルト102との接触部において転写不良により発生した飛散トナー2の一部は、中間転写ベルト102の移動に伴って表層に発生する空気境界層に捕獲され、気中を中間転写ベルト102とともに移動している。そこで本発明ではトナー飛散防止装置として、中間転写ベルト102の移動方向と逆方向に回転可能な飛散トナー剥離ローラー3を、中間転写ベルト102のトナー画像1の転写面とは逆側(裏面側)に非接触で近接して設置している。このように中間転写ベルト102の裏面側に非接触で近接して飛散トナー剥離ローラー3を設置することにより、飛散トナー2は、飛散トナー剥離ローラー3の回転により発生する空気境界層に捕獲され、中間転写ベルト102の空気境界層より剥離される。
【0016】
尚、図1,2に示す構成において、飛散トナー剥離ローラー3は中間転写ベルト102と接触しないことが望ましい。これは飛散トナー剥離ローラー3の回転による振動が中間転写ベルト102に伝搬して画像形成へ悪影響を及ぼすということを抑制するためである。したがって、本実施例では飛散トナー剥離ローラー3と中間転写ベルト102はローラー軸方向に対して直交する方向に一定の距離だけ離れており(すなわち、飛散トナー剥離ローラー3は中間転写ベルト102の裏面に対して一定の距離を隔てて設置されており)、これにより、中間転写ベルト102の移動に伴って筐体中を飛散トナーが浮遊するという現象を、画像形成へ悪影響を及ぼすことなく抑制することができる。
【0017】
以上のように、中間転写ベルト102の表層の空気境界層に捕獲されている飛散トナー2を本実施例の方法によって掻き落す場合には、物理的にブレード等によって掻き落す方法に比べて振動やベルト劣化を引き起こすことがないので、形成画像に悪影響を及ぼすことがない。但し、飛散トナー剥離ローラー3の表面に飛散トナーが付着して堆積するような場合には、堆積したトナーが中間転写ベルト102と接触して形成画像に悪影響を及ぼすため、問題が生じる場合がある。
【0018】
そこで本発明では、上記の構成のトナー飛散防止装置において、飛散トナー剥離ローラー3の表面は、像担持体101上においてトナーが帯電している極性と同一の極性を帯びている構成としたものである。
ここで、本発明の第2の実施例を図3に示す。図3において、トナー極性が負(−)帯電であるとすると、この場合、飛散トナー剥離ローラー3の表面には図示しないチャージャー等によって負(−)の電荷が印加され、飛散トナー2の極性と同一の負極性に帯電している。これにより、飛散トナー剥離ローラー3の表層には飛散トナー2が付着することがないので、飛散トナー2がローラー3に堆積して飛散トナー剥離効果が減少するということを防止することができる。
【0019】
次に本発明の第3の実施例を図4に示す。一般に面状の物体が空気中を面に平行な方向に移動する場合、その表層には距離hで示される空気境界層が発生する。したがって、中間転写ベルト102の移動に伴って発生する空気境界層の厚さは、h=(xv/U)1/2で与えられる距離hである(ただし、x:端部よりの距離、v:空気の動粘性率、U:中間転写ベルトの移動速度)。ここで、移動距離:0.01m、移動速度:1m/sの場合、発生する空気境界層の大きさhは約1mmである。図4に中間転写ベルト102の発生する空気境界層の影響領域7を示す。この時、飛散トナー剥離ローラー3の表面と中間転写ベルト102の距離は、この空気境界層の厚さh以下であることが望ましい。すなわち、飛散トナー剥離ローラー3の表面は、中間転写ベルト102の移動に伴って発生する空気境界層内に設置されていることが望ましく、これは、この空気境界層の領域7内で中間転写ベルト102からの飛散トナー2が捕獲されているからである。
【0020】
次に本発明の第4の実施例を図5に示す。図5は中間転写ベルト102を裏面、すなわちトナー画像の転写面とは逆側の面より、面に対して直角な方向から見た図である。飛散トナー剥離ローラー3はこの図に示すごとく、ローラー3の中心軸と中間転写ベルト102の移動方向とのなす角度が鋭角となるように設置することが望ましい。この図5の場合、飛散トナー剥離ローラー3によって発生する空気境界層の影響で、中間転写ベルト102の発生する空気境界層の流れは、図中、下方より上方へと向かうものとなる。このような配置にすれば、飛散トナーも図中の上方に偏析して移動することになり、これにより、以降の実施例で述べるような、飛散トナーを集塵する手段を用いる場合に、より効果的に集塵することが可能となる。
【0021】
次に本発明の第5の実施例を図6に示す。本実施例では、第1,第2,第3または第4の実施例の構成に加えて、飛散トナー剥離ローラー3の下部に飛散トナー集塵箱4を設置する構成としたものである。すなわち、図6に示すように、飛散トナー剥離ローラー3の下部に飛散トナー集塵箱4を設置して、飛散トナー剥離ローラー3によって、中間転写ベルト102の空気境界層より掻き落され落下してくる飛散トナー2を集塵する構成とすることが望ましく、これは、中間転写ベルト102の空気境界層より掻き落された飛散トナーが機器筐体内を浮遊して汚染原因となることを抑制するためである。また、飛散トナー集塵箱4に集塵された飛散トナーを後述の圧電素子による振動を搬送波とすることによって適切に輸送し、回収して再利用することも容易となる。
【0022】
次に本発明の第6の実施例を図7に示す。本実施例では、第5の実施例の構成に加えて、飛散トナー2を受容する飛散トナー集塵箱4の表面は、像担持体上においてトナーが帯電している極性と反対の極性を帯びている構成としたものである。この場合、トナーは前述したように負極性(−)に帯電しているため、飛散トナー集塵箱4の表面には図示しない帯電チャージャー等によって正電位が印加され、トナーの帯電極性とは反対の正極性(+)に帯電されるので、飛散トナー2は静電引力によって集塵箱4に捕集されやすくなり、より効果的にトナーを集塵することができ、機器筐体内に飛散し浮遊するトナーをより減少することができる。
【0023】
次に本発明の第7の実施例を図8に示す。本実施例では、第5または第6の実施例の構成に加えて、飛散トナー集塵箱4には圧電素子5が接続されており、該圧電素子5によって振動波を与えられている(集塵箱の表面が振動している)構成としたものである。すなわち、図示のように飛散トナー集塵箱4は圧電素子5と接続されており、圧電素子5によって加振される構造となっているが、これは、飛散トナーが大量となって集塵箱表層に堆積することを防止するためである。また、圧電素子5による振動を利用して集塵トナーを筐体内の別の箇所に適切に輸送することが容易となり、回収して再利用することも容易となる。
【0024】
次に本発明の第8の実施例を図9に示す。カラー画像を形成する電子写真方式の画像形成装置においては、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類の発色の異なるトナーが用いられるので、ここでは、図1の画像形成装置の現像部に4種のトナーの現像器を設置した構成とし、像担持体101上に4種のトナーの現像器により順次各色のトナー画像を形成し、各々について中間転写ベルト102上にトナー画像を転写し、中間転写ベルト102上で4色を重ね合わせたカラー画像を形成する中間転写ベルト方式を採用したカラー画像形成装置とする。そして、このようなカラー画像形成装置の場合には、本実施例のトナー飛散防止装置は第5,第6または第7の実施例の構成に加えて、図9に示すように、飛散トナー集塵箱4として各々の色の飛散トナー2に対応する複数の集塵箱4を有し、その複数の集塵箱4を、中間転写ベルト102上に転写されたトナー色に応じてターレット6等の切り替え手段により切り替える構成としたものである。このように構成することにより、各トナー集塵箱4に集塵される飛散トナー2は必ず同色のトナーとなるため互いに混色することがなく、再利用が容易に可能となる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、中間転写ベルト方式を採用している画像形成装置に用いられ、前記中間転写ベルトからのトナー飛散を防止するトナー飛散防止装置において、中間転写ベルトのトナー画像を転写される面の裏面側に非接触で近接して設置され、前記中間転写ベルトの移動方向と逆方向に回転することのできるローラー(飛散トナー剥離ローラー)を有する構成としたので、回転するローラーを設置するという簡便な手段により、中間転写ベルトによって搬送される飛散トナーを掻き落し、機器筐体内を浮遊し汚染する飛散トナー量を軽減するという効果を得ることができる。また、物理的にブレード等によってトナーを掻き落す方法では中間転写ベルトの振動やベルト劣化の問題があるが、本発明では振動やベルト劣化を引き起こさないで上記の効果を得ることができるという特徴も有する。
また、請求項1記載のトナー飛散防止装置においては、前記中間転写ベルトに非接触で近接して設置されている飛散トナー剥離ローラーの下部に、飛散トナー集塵箱が設置されている構成としたので、飛散トナー剥離ローラーによって剥離された飛散トナーを飛散トナー集塵箱で捕集することができ、ローラーで剥離した飛散トナーが再び機器筐体内を浮遊することを抑制することができるという効果を得ることができる。
さらに請求項1記載のトナー飛散防止装置においては、前記画像形成装置が複数種の発色の異なるトナーを使用する場合に、前記飛散トナー集塵箱として各々の色のトナーに対応する複数の集塵箱を有し、その複数の集塵箱が前記中間転写ベルト上に転写されたトナー色に応じて切り替わる構成としたので、特にカラー画像形成装置において、4種のトナーに関して各々に飛散トナー集塵箱を設け、この4つの集塵箱をトナーの色に応じて切り替えて使用することにより、同色のトナーのみを集塵することができ、より回収トナーの再利用が容易になるという効果を得ることができる。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載のトナー飛散防止装置において、前記ローラーの表面は、前記像担持体上においてトナーが帯電している極性と同一の極性を帯びている構成としたので、ローラー表面にトナーが付着することが無く、請求項1の効果を得る上で、回転して飛散トナーを剥離するローラー自身の表面に飛散トナーが堆積し上記の効果が抑制されるという問題点を解消することができ、長期間に渡って機器筐体内を浮遊する飛散トナー量を軽減するという効果を得ることができる。
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載のトナー飛散防止装置において、前記ローラーの表面は、前記中間転写ベルトの移動に伴って発生する空気境界層内に設置されている構成としたので、飛散トナーを搬送する領域である中間転写ベルトの空気境界層内に適切に飛散トナー剥離ローラーの影響領域を設置することができ、より効果的に中間転写ベルトの空気境界層内に捕獲されている飛散トナーを剥離することができるという効果を得ることができる。
【0027】
さらに請求項4記載の発明によれば、請求項1,2または3記載のトナー飛散防止装置において、前記ローラーの長軸と前記中間転写ベルトの移動方向のなす角度が鋭角であるように前記ローラーが設置されている構成としたので、飛散トナー剥離ローラーの設置角度を中間転写ベルトの移動方向と鋭角にすることによって、飛散トナーの移動方向を一定の領域内に収めることができ、飛散トナーの再回収などの手段を容易にすることができるという効果を得ることができる。
【0028】
さらに請求項5記載の発明によれば、請求項1,2,3または4記載のトナー飛散防止装置において、前記飛散トナー集塵箱の表面は、前記像担持体上においてトナーが帯電している極性と反対の極性を帯びている構成としたので、静電引力を利用してより効果的に飛散トナーを飛散トナー集塵箱に捕集することができ、機器筐体内へのトナー飛散を抑制することができる。
また、請求項6記載の発明によれば、請求項5記載のトナー飛散防止装置において、前記飛散トナー集塵箱には圧電素子が接続されており、該圧電素子によって振動波を与えられている(集塵箱の表面が振動している)構成としたので、長期間の使用によって、飛散トナー集塵箱自体にトナーが堆積し、上記の効果が減少するという不具合に対して、圧電素子により振動波を与えて飛散トナー集塵箱を加振することによって堆積の作用を軽減させることができ、この不具合を解消するという効果を得ることができる。
【0030】
さらに請求項7記載の発明によれば、像担持体と、該像担持体上にトナー画像を形成する手段と、像担持体上のトナー画像が転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に転写されたトナー画像を記録材に転写する手段を備え、前記像担持体上に形成したトナー画像を前記中間転写ベルトを介して記録材に転写する方式の画像形成装置において、前記中間転写ベルトからのトナー飛散を防止する手段として、請求項1〜6のうちの何れか一つに記載のトナー飛散防止装置を備えた構成としたので、機器筐体内におけるトナー飛散の問題を簡便な構成で低コストに解消でき、且つ飛散トナーの回収や、回収トナーの再利用も可能な画像形成装置を実現することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る中間転写ベルト方式を用いた画像形成装置の概略要部構成図である。
【図2】 本発明の第1の実施例を示す図であって、図1に示す画像形成装置の中間転写ベルトの裏面側に設置されるトナー飛散防止装置の構成説明図である。
【図3】 本発明の第2の実施例を示す図であって、図1に示す画像形成装置の中間転写ベルトの裏面側に設置されるトナー飛散防止装置の構成説明図である。
【図4】 本発明の第3の実施例を示す図であって、図1に示す画像形成装置の中間転写ベルトの裏面側に設置されるトナー飛散防止装置の構成説明図である。
【図5】 本発明の第4の実施例を示す図であって、図1に示す画像形成装置の中間転写ベルトの裏面側に設置されるトナー飛散防止装置の構成説明図である。
【図6】 本発明の第5の実施例を示す図であって、図1に示す画像形成装置の中間転写ベルトの裏面側に設置されるトナー飛散防止装置の構成説明図である。
【図7】 本発明の第6の実施例を示す図であって、図1に示す画像形成装置の中間転写ベルトの裏面側に設置されるトナー飛散防止装置の構成説明図である。
【図8】 本発明の第7の実施例を示す図であって、図1に示す画像形成装置の中間転写ベルトの裏面側に設置されるトナー飛散防止装置の構成説明図である。
【図9】 本発明の第8の実施例を示す図であって、図1に示す画像形成装置の中間転写ベルトの裏面側に設置されるトナー飛散防止装置の構成説明図である。
【符号の説明】
1 トナー画像
2 飛散トナー
3 飛散トナー剥離ローラー
4 飛散トナー集塵箱
5 圧電素子
6 ターレット
7 空気境界層領域
100 画像形成装置の転写部
101 像担持体
102 中間転写ベルト
103 中間転写チャージャー
104 クリーニングブレード
105 記録用紙(記録材)
106 現像器(現像部)
107 二次転写ローラー
Claims (7)
- 像担持体上に形成したトナー画像を中間転写ベルトを介して記録材に転写する方式の画像形成装置に用いられ、前記中間転写ベルトからのトナー飛散を防止するトナー飛散防止装置において、
前記中間転写ベルトのトナー画像を転写される面の裏面側に非接触で近接して設置され、前記中間転写ベルトの移動方向と逆方向に回転することのできるローラーを有し、前記中間転写ベルトに非接触で近接して設置されている前記ローラーの下部に、飛散トナー集塵箱が設置されており、前記画像形成装置が複数種の発色の異なるトナーを使用する場合に、前記飛散トナー集塵箱として各々の色のトナーに対応する複数の集塵箱を有し、その複数の集塵箱が前記中間転写ベルト上に転写されたトナー色に応じて切り替わる構成としたことを特徴とするトナー飛散防止装置。 - 請求項1記載のトナー飛散防止装置において、
前記ローラーの表面は、前記像担持体上においてトナーが帯電している極性と同一の極性を帯びていることを特徴とするトナー飛散防止装置。 - 請求項1または2記載のトナー飛散防止装置において、
前記ローラーの表面は、前記中間転写ベルトの移動に伴って発生する空気境界層内に設置されていることを特徴とするトナー飛散防止装置。 - 請求項1,2または3記載のトナー飛散防止装置において、
前記ローラーの長軸と前記中間転写ベルトの移動方向のなす角度が鋭角であるように前記ローラーが設置されていることを特徴とするトナー飛散防止装置。 - 請求項1,2,3または4記載のトナー飛散防止装置において、
前記飛散トナー集塵箱の表面は、前記像担持体上においてトナーが帯電している極性と反対の極性を帯びていることを特徴とするトナー飛散防止装置。 - 請求項5記載のトナー飛散防止装置において、
前記飛散トナー集塵箱には圧電素子が接続されており、該圧電素子によって振動波を与えられていることを特徴とするトナー飛散防止装置。 - 像担持体と、該像担持体上にトナー画像を形成する手段と、像担持体上のトナー画像が転写される中間転写ベルトと、該中間転写ベルト上に転写されたトナー画像を記録材に転写する手段を備え、前記像担持体上に形成したトナー画像を前記中間転写ベルトを介して記録材に転写する方式の画像形成装置において、
前記中間転写ベルトからのトナー飛散を防止する手段として、請求項1〜6うちの何れか一つに記載のトナー飛散防止装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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