JP4138690B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

この発明は、表示装置に係り、特に、高速な光走査で広い視野を与える表示装置に関する。
高臨場感を得るためには、人間の肉眼観察に匹敵する広い視野角を有する表示が求められる。一般に肉眼観察における人間の視野角は、両眼観察の状態で、左右100度(あわせて200度)、上方50度及び下方75度程度(あわせて125度)あるといわれている。この視野のなかで、頭部運動及び眼球運動によって無理なく視覚情報としてとられることができる視野(安定注視野)は、非特許文献1に記載されるように左右あわせて80度程度、上下あわせて70度程度であるとされている。また、このような人間の視野に関しては、広視野角における臨場感の効果が飽和する領域は、安定注視野とほぼ同等の左右50度(あわせて100度)、上方35度及び下方50度(あわせて85度)程度(誘導視野)であることが非特許文献2に知られている。
一方、前述したように人間の視野は大きく広がっているものの、その中でももっとも高い分解能で観察できる視野は、高々視野中心の直径5°程度の領域(弁別視野)であり、眼球運動だけで瞬時に情報が受容できる視野(有効視野)は左右あわせて30°並びに上下あわせて20°程度であるとされている。
現在、バーチャルリアリティ表示などに代表される高臨場感を実現する表示装置として各種の投射型の表示装置が知られ、この投射型の表示装置が広く用いられている。各種投射型ディスプレイは、前述した左右100度及び上下85度といった誘導視野角に相当する広い視野をCRT、液晶装置、プラズマディスプレイ装置等のパネル直視型表示装置に比べて容易に実現することができる。
既存の直視型のディスプレイパネルは、現状においても高々対角60インチ程度であり、このような大画面を有するパネルディスプレイの分解能も720pでHDTV相当程度である。従って、単一のパネルで誘導視野相当の視野を確保しても、極端に表示分解能が落ちるだけでなく、観察者の視聴距離が極端にパネル面に近づき、観察者に多大な負担をかけることになる。観察者の視聴距離を確保し、しかも、十分な分解能を実現するためには、多数のパネルを用いて大画面とする必要がある。このように広視野角を得るためには相当数のパネルが用いられる必要があり、比較的容積が小さいといわれる、一連のフラットパネルディスプレイを用いたとしても、コストが増大し、多大な設置規模が必要とされる。
この直視型のディスプレイパネルに対して、投射型表示装置は、装置単体で対角数100インチ程度の投影規模を有する装置が簡便に入手できる状況にある。投射型表示装置は、その分解能自体は、直視型パネルディスプレイの分解能と比較してそれ程の相違はなく、また、自発光型の発光パネルを直視する直視型のディスプレイと比較しても、拡散面における反射光を観察しているが、それほどの違和感を与えない表示が可能である。また、複数の投射型装置を用いて広視野角画像を得る場合においても、投射装置自体は負担にならない程度の装置であり、パネルディスプレイを用いるよりは、より簡便にシステムを構築することが可能である。
実際に投射型表示装置を用いて高臨場感表示装置を構築した例として、CAVE或いはCAVINといった全周型表示装置が有名である。これは、観察者の周囲5方(上下左右前方)をスクリーンで多い、各面にスクリーン背後より投射型表示装置を用いて全方位への映像投影を行う装置である(下面は観察者側、スクリーン上方より投影される)。
このような全周型表示装置は、構成自体は光投影面に依存した投射型表示装置とスクリーンで成り、簡便であるが一人の視聴者に対するスクリーンが小さな部屋程度になり、かつ、その部屋を構成するスクリーンの背面にも投影に必要な空間があるために、システム全体の構成としては大規模であり、かつ設置時間にも1日〜数日を要する規模となる。
このような大規模な全周型表示装置に対して、液晶パネルなどを用いたヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display; HMD)と称せられる一群の表示装置がある。ヘッドマウントディスプレイは、眼前に配置した光学系を介して、小型パネルディスプレイを臨むことにより、観察視野での表示を行う装置である。通常、市井に広く供給されているHMDは、NTSCテレビレベルの視野である、対角30度程度の視野を表示するものであり、その表示領域は、高臨場感を演出できるレベルにはない。一部、すでにこの分野に置いては両眼観察に置いて左右100度程度視野を有するものが存在するが、用いるパネル単体の分解能が劣るために良質の画像を得ることができない。また、このような広視野角表示を行う装置は光学系の問題で、その周辺視野に大きな歪を残している事が多い。
畑田 精密工学会誌 1330、57、1991 畑田 他、 テレビジョン学会誌407、35、1979
以上のように広視野角表示を可能とする種々の装置が提案されているが、小型化が不可能である等の問題があり、また、小型化が可能な表示装置にあっても高い分解能で広視野角表示を実現できない問題がある。
また、広視野角表示を実現できたとしても、より高い精細度での広視野画像を提供できることが望まれている。
この発明では、以上のような事情に鑑みなされたものであって、その目的は、光源の高速での光スイッチングを可能として高精細度の広視野投影画像を表示することができる可搬性に優れた小型の表示装置を提供することにある。
この発明によれば、
第1方向及びこの第1方向に直交する第2方向を有する光投影面と、
シリコン基板上に設けられ、一部が除去された酸化シリコン層と、
前記酸化シリコン層上に設けられ、前記シリコン基板から一部が遊離したシリコン活性層と、
前記シリコン活性層上に形成された光線を発生する光源素子と、
前記シリコン基板から遊離した前記シリコン活性層上に形成され、前記光源素子からの光線を導く導波路構造であって、可撓性を有し、前記第1方向に振動される片持梁構造の可動導波路を有し、この振動される可動導波路の自由端から前記第1方向に偏向される光線が射出される導波路構造と、
前記光源素子を附勢して前記光源部から光線を発生させる駆動部であって、前記光源部を閾値レベルで駆動して発光準備状態に維持し、この発光準備状態において、表示すべき画像信号に応じて前記光源部を駆動して変調された光線を前記光源部から発生させる駆動部と、
前記可動導波路の自由端から射出された光線を集光する集光レンズ系と、
この集光レンズ系の焦点に配置され、前記第2方向に沿うように前記光投影面に向けて前記光線を偏向する偏向部と、
を具備することを特徴とする表示装置が提供される。
この発明によれば、光源の高速発光制御を実現して高精細度の広視野投影画像を表示することができる小型の表示装置を提供することができる。
この発明の実施の形態を説明するに先立って始めに発明者のこの発明に至る着眼点について下記に説明する。
発明者は、既に出願された特許願2003−193907において、小型でありながらも広視野観察を可能な表示装置を提案している。この表示装置は、以下に実施形態として説明されるように光走査画像を網膜面に結像させることにより、小型の装置で広視野表示を実現するものである。視野の広さは、光走査装置の走査角度に依存するが、これは走査装置及びその投影光学的の設計により、視野を広げることができる。しかしながら、このような表示装置にあっても、その広視野画像の精細度は、光束のアドレッシングのスピードに関係している。即ち、光源において、高速の光のスイッチングが実現されれば、走査画像の精細度を高めることが可能である。
このような着眼点に基づく、この発明の実施形態に係る表示装置について、以下図面を参照して説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る表示装置における平面的な配置関係を概略的に示す平面図である。図1に示される表示装置は、2次元光走査装置10を備え、この2次元光走査装置10は、1次光走査ユニット11、集光レンズ系12、2次元走査ユニット13及び2次元走査ユニット11を作動する駆動用のモータ14から構成されている。
2次元光走査装置10からは、2次元走査光束Lが投影面としての光投影面15に向けて射出されている。従って、光投影面15は、2次元走査光束Lで走査されて、光投影面15上には、2次元光装置10からの2次元走査光束Lによって光走査像40が形成される。ここで、光走査像40は、観察者の眼を基準にして、例えば、左右50度(あわせて100度)、上方35度及び下方50度(あわせて85度)程度(誘導視野)或いはこの値以上に定められた範囲に形成される。
集光レンズ系12は、夫々第1及び第2のレンズで構成され、光走査ユニット11側に配置される第1のレンズは、1次光走査ユニット11における単一光源とみなせる光射出源の位置に後側焦点が位置するような焦点距離を有し、この第1のレンズによって光走査ユニット11の射出源からの走査光束が平行光束に変換される。第1のレンズから射出された平行光束は、集光レンズ系12の第2のレンズによって夫々2次元走査ユニット13に向けて集光され、夫々駆動用のモータ14によって傾動される2次元走査ユニット13によって光投影面15が走査される。即ち、2次元走査ユニット13は、集光レンズ系12の第2のレンズからの光束を偏向して光投影面15を偏向光束で走査している。2次元走査ユニット13には、2次元光走査装置10に設けられた片持梁構造31の1次方向(水平方向)の振動周期に同期して作動される5mm四方程度のポリゴンミラー、ガルバノミラー及び音響光学素子等の偏向素子で構成される。2次元走査ユニット13は、制御部17によって制御されるモータ14によって作動されてその光路が傾動される。
図1に示す2次元光走査装置10においては、片持梁構造31が振動されて光束が1次走査(水平走査に相当する。)されて片持梁構造31に同期されてその光路が傾動される2次元走査ユニット13に入射される。また、2次元走査ユニット13で反射された光束は、光路が傾動されるに伴い、2次走査(垂直走査に相当する。)される。従って、2次元走査ユニット13を介して出射された光線束は、2次元的(水平及び垂直走査に相当する。)に偏向される光束に変換される。例えば、2次元走査ユニット13がモータ14によって1800rpmで傾動させられたときには、60Hz相当のフレームレートでの2次元的な走査が可能となる。
2次元光走査装置10は、使用に際しては、観察者の頭部の側面に装着され、投影画像40が形成される凹面の反射面に形成されている反射型の光投影面15は、観察者の視線上に配置されている。従って、2次元光走査装置10から光束Lは、観察者の眼前に配置された反射型光投影面15に向けられ、この反射型光投影面15で反射されて観察者の眼球55に向けて集光される。従って、観察者は、反射型光投影面15から入射される光束によって投影像40を観察することができる。図1に示される表示装置によれば、観察者は、観察者に装着された2次元光走査装置10及び反射型光投影面15によって広視野角の画像表示を観察することができる。
反射型光投影面15は、図1に示すように眼球55の網膜面へ画像(2次元光束)を投影するときは、観察者の眼前に回折或いは反射機能を有する光学系で実現することができる。反射型光投影面15に形成された投影画像は、観察者の眼球55に向けられ、その反射像或いは回折像が観察者の網膜面に投影され、観察者に画像情報を与えることができる。反射型光投影面15は、例えば、眼鏡状に設計されることによって、観察者は、その装着に違和感を覚えにくくすることができる。この反射型光投影面15は、例えば、アルミ蒸着プラスチックを用いて2つの焦点を有する3次元楕円面に形成され、その一方の焦点は、2次走査ユニット13に生じる光束の集光点に合致され、他方の焦点は、眼球55の瞳開口部に合致されるように定められる。このように焦点が定められることによって、2次元光走査装置10により形成された2次元光束は、すべて眼球55の網膜に結像させることが可能である。また、アルミ蒸着プラスチックを用いたときは視野方向からの外光を取り入れることができないが、反射型光投影面15にホログラフィックレンズ等を用いることによって透過視が可能な表示装置とすることもできる。
図1に示された2次元光走査装置10に組み込まれる1次光走査ユニット11の構造について図2〜図5を参照して説明する。
1次光走査ユニット11は、図2及び図3に示すように光源素子部を構成するSOI基板構造21を備えている。図4に示すようにSOI基板構造21は、シリコン(Si)基板21−1上に半導体プロセスで用いられる微細加工技術を利用して光学素子が形成されている。即ち、図4に示されるようにシリコン基板21−1上の一部領域に酸化シリコン(SiO)層21−2が形成され、この酸化シリコン層21−2にシリコン活性層21−3が形成されてSOI基板構造21が形成される。シリコン活性層21−3上には、半導体レーザー或いは発光ダイオード等から成る光源素子36が形成されるとともにこの光源素子36からの光線を導く光導波路構造35及び光源素子36からの光線を光導波路構造35に集光する集光部構造39−1,39−2が形成されている。光導波路構造35は、SOI基板21−1上に光導波路材料が塗布され、この塗布された光導波路材料をレジスト技術により露光した後にRIE加工により光導波路に削りだし、酸化シリコン層21−2を犠牲層としてエッチングすることにより、梁構造をシリコン基板21−1より遊離させることにより可動部が形成されている。
一例として、光導波路構造35の構成材料には、基本的に、ポリメタクリレート樹脂が用いられるが、他の典型的な光導波路材料として、ポリカーボネイト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン類、また、各種金属酸化物、金属窒化物などがある。この例では、光導波路構造35の厚さは10μm程度であり、光導波路の射出端は、10μm四方の断面形状を有する。このような成形過程から、光導波路構造35は、錐状にその針状導波路部35Aの基部35Bに向けて減少され、その錐上部35Aの先端からは、針状導波路部35Aが延出される。シリコン活性層51−3も同様に針状導波路部35Aを支えるようにシリコン基板51−1との間にギャップを空けて針状に延出され、針状の導波路35Aと共に酸化シリコン層51−2に固定された片持梁構造31に形成されている。この片持梁構造31は、可撓性を有し、その先端は自由端を有し、従って、針状の導波路35Aも可撓性を有し、その先端は自由端に定められ、その自由端は、発光端に規定されている。片持梁構造31は、一例として梁の幅が10μm、長さが1300μm程度に形成される。
図1に示す装置においては、光源素子36は、後に説明するように制御部17からバイアス信号が常に供給されて光源素子36が発光準備状態に維持され、この光源素子36と反射型光投影面15との間の光路には、過飽和吸収材料で作られたフィルタ素子40が配置されている。このフィルタ素子40は、光導波路構造35中に埋め込まれて形成されても良く、針状の導波路35Aの先端35Cに設けられても良く、或いは、他の光学素子にコーディングされても良い。図3に示す例では、過飽和吸収材料で作られたフィルタ素子40が針状の導波路35Aの先端35Cに設けられている。
図4に示される構造では、光源素子36から発生された光線は、集光部構造39−1,39−2によって光導波路構造35に集光され、この集光された光線は、光導波路構造35内を伝播され、その針状部35Aの基部35Bに集中的に導入されてその先端35Cから外部に射出される。従って、光導波路構造35の針状部35Aの基部35Bは、図1及び図2における表示装置における光源素子36の光点、即ち、発光点に相当している。後に説明されるように集光レンズ系12のレンズの後側焦点は、光導波路構造35の針状部35Aの基部35Bに位置合わせされている。
光導波路構造35の針状部35Aを偏向する為にこの針状部35Aを支持している片持梁構造31は、偏向機構38に連結されている。即ち、この偏向機構38においては、片持梁構造31が蛇腹ばね構造34に連結され、蛇腹ばね構造34の両端が櫛歯型駆動機構32に接続されている。また、蛇腹ばね構造34は、安定化ばね構造33によって支持され、安定にその伸展方向に微動変位可能に片持梁構造31を支持している。櫛歯型駆動機構32及び安定化ばね構造33は、1次光走査ユニット11のフレーム60に固定され、また、櫛歯型機構32には、制御部17から電圧が配線を介して印加される。櫛歯型機構32においては、印加電圧に応じて櫛歯の間に生じる静電容量から静電駆動力が発生され、蛇腹ばね構造34は、櫛歯型機構32で発生したこの静電駆動力を片持ち梁部11に伝達されている。また、蛇腹ばね構造34は、蛇腹構造を有することで、櫛歯型機構32の少ない振幅を増幅して、片持ち梁構造31を図3の矢印HDに示す水平方向に比較的大きな弧状に偏奇する振幅変動に変換することができる。安定化ばね構造33は、一方を光走査ユニット11のフレーム60に接続され、櫛歯型機構32の噛み合っている櫛歯同士が互いに垂直に動くように動作を安定化させている。片持ち梁構造31の振動速度(走査速度)は、偏向機構38を構成する蛇腹ばね構造34、安定化ばね構造33及び櫛歯型機構32等の構成部材の物理定数に依存する共振周波数によって定められる。
偏向機構38が動作すると、片持ち梁構造31とともに光導波路構造35の針状部35Aが水平方向に弧状の偏奇振動され、その結果、光導波路構造35の針状部35Aの先端35Cから射出される光線は、水平方向に偏向されることとなる。従って、1次光走査ユニット11からは、水平方向にファンシャープ状に広がる光束が射出される。尚、光源素子36として夫々個別に赤(R)・緑(G)・青(B)の光線を発生する光源を備えた1次光走査ユニット11を用意することによってカラー表示装置を実現することがきる。
図5(a)及び(b)に示すように2次元光走査装置10においては、1次光走査ユニット11の前方に補正レンズ16が設けられている。光導波路構造35の針状部35Aが偏向機構38によって変動されるに伴いその針状部35A先端35Cが微動され、この微動に伴い光束の射出点が周期的に変動される。この射出点の変動を補正する為にこの補正レンズ16は、例えば、平凸レンズが設けられている。この補正レンズ16は、一種のfθレンズとして作用し、周期的に変動する射出点の位置に応じて収差を与え、光導波路構造35の針状部35Aの基部35Bに光点が不動であるように射出点から出射される光線に補正を与えている。この補正レンズ16が設けられることによって、光導波路構造35の針状部35Aの基部35Bに不動の光点が位置され、集光レンズ系12の第1の集光レンズが有する後側焦点を光導波路構造35の針状部35Aの基部35Bに位置される不動の光点に位置させることができる。
図1に示される表示装置においては、図2に示されるように通常のビデオ信号が制御部17の画像処理部17−1に入力されると、画像処理部17−1において、ビデオ信号から変調信号並びに垂直並びに水平走査信号が分離される。変調信号は、発光制御回路17−2に与えられ、この変調信号に応じた光源駆動信号が発生されて1次光走査ユニット11の光源素子36に与えられる。また、水平走査信号及び垂直走査信号が駆動信号発生部17−3に供給され、水平走査信号に応じて櫛歯型機構32を動作させる駆動信号が駆動信号発生部17−3から発生され、垂直走査信号に応じてモータ14を作動させる駆動信号が同様に駆動信号発生部17−3から発生される。従って、変調信号に応じて光源素子36から変調された光線が発生され、また、1次光走査ユニット11及び2次走査ユニット13は、水平及び垂直走査動信号に応じてこれらユニット11,13に入射される光線を偏向することとなる。1次光走査ユニット11の作動においては、櫛歯型機構32が水平走査信号に応じた駆動信号で動作されて片持梁構造31が共振振動されて光束が水平方向に偏向される。2次走査ユニット13の作動においては、垂直走査動信号に応じて駆動用のモータ14が動作して2次元走査ユニット13の偏向素子が光路を傾動して光束を垂直方向に偏向する。
1次光走査ユニット11からは、水平方向に偏向される光束が射出され、この光束が2次元走査ユニット13によって垂直方向に偏向されて光束Lが光投影面15に向けられる。従って、光投影面15上には、2次元光走査装置10によって投影像40が形成される。
上述した表示装置においては、光源素子36が高速でスイッチングされ、その結果、高詳細な投影画像40が光投影面15に形成される。光源素子36のスイッチングに関しては、下記のような考察から、約2MHz〜60MHz相当の発光周波数でスイッチングされることが好ましとされる。
単純のために、制御部17にデジタルビデオ信号が入力されるものとする。通常TV放送(SDTV)では、480pとされるように、走査線数480本、一本当たりのデータ量として720ドット、1秒間に60フレームの画像を表示すると仮定すると、1ドットあたりの発光周波数は、約2MHzとなる。HDTV(1080i)相当の画像においては、走査線数1080本、一本当たりのデータ量として1920、1秒間に30フレーム(フルフレーム換算)として、60MHz相当の発光周波数が必要となる。
光源素子36は、既に説明したように半導体素子、即ち、レーザーダイオード(LD)或いは発光ダイオード(LED)で構成される。これら半導体素子は、バイアス電圧のあるしきい値より電流注入が始まり、この注入電流の増加にともない発光を開始する。図6に示すように発光ダイオード(LED)においては、発光閾値Th2の近傍の電流レベルを有するバイアス信号を光源素子36としての発光ダイオード(LED)に与え続けて発光準備状態に維持しておくことにより、変調信号に対して良好な応答性でレーザー光束を発光させることができる。また、レーザーダイオード(LD)においては、発光閾値Th0よりも大きなレーザー発振閾値Th1の近傍の電流レベルを有するバイアス信号を光源素子36としてのレーザーダイオード(LD)に与え続けて発振状態に維持しておくことにより、変調信号に対して良好な応答性でレーザー光束を発光させることができる。即ち、バイアス信号を光源素子36に供給し続けておくことによって、変調信号に対して応答性良く光源素子36を高速発光させることができる。
このように光源素子36の発光をバイアス信号の印加なしに制御する場合に比べて、常にバイアスを印加した状態で、注入電流を制御することによって高速な発光制御を実現することができる。しかしながら、閾値以上の電流レベルを有するバイアス信号が常に光源素子36に供給されている場合には、光源素子36は、常に微弱な発光を伴うことになり、これは投影するべき画像情報のバックグラウンドとして投影面15に投影され、高いコントラストで画像を表示することができない虞がある。このようなバックグラウンドの照度を低減させるために、単純にNDフィルタ等が用いられても良いが、通常の色フィルタの場合、発光強度に関わらず常に吸収率は一定であり、完全に微弱発光に基づくバックグラウンドの照度を消失させることができない。
視覚の順応状態によるが、色フィルタに強い吸収を与えるることで、バックグラウンドの微弱発光の影響を低減させることは可能である。しかしながら、一般に、人間の視覚において完全に暗順応した場合には数個のフォトンでも感知可能であることが知られている。つまり、視覚の順応状態によるが、単純な色フィルタを用いることでは、微弱発光によるバックグラウンド光を完全に除去することはできない。
幾つかの材料系で過飽和吸収現象が生じることが知られている。この現象は、図7に示されるように入射光線に対して、その入射光線の強度がある値Ithになるまでは略全てのフォトンを吸収するが、ある入射光強度を超えると、吸収が飽和し、光線を透過する現象である。換言すれば、過飽和吸収現象を有するようなフィルタでは、入射光線の強度がある値Ithまでは、ある吸収率を有し、入射される光線の透過を阻止し、その値Ithを越える光強度を有する光線が入射されると、図7に示すように透過率が上昇して入射される光線を透過させる。
光源素子36から投影面15までの光路中に過飽和吸収現象を有するようなフィルタが設けられる場合には、光源素子36に供給されるバイアス信号が発光閾値以上に設定されても、微弱発光によるバックグラウンド光をなくすことができる。過飽和吸収現象を有するようなフィルタ材料として、具体的には、GaAs,GaN,InGaN,AlGaAs等各種化合物半導体材料、各種レーザー用有機色素材料等がある。
実施例として、図4に示す素子部の光源素子36と光導波路39-1との間に過飽和吸収材料のフィルタ素子40が設けても良い。この実施例では、光源素子36としての発光素子と同一のGaAs系材料が用いられている。比較例として過飽和吸収材料を用いていない装置と比較すると、光源素子36が30MHzの発光周波数で発光される場合において、コントラスト比を高めることが可能であることが確認されている。
以上のように、この発明の表示装置によれば、光源を高速で発光制御して投影画像を高詳細で表示することができる。また、この表示装置は、小型で、携帯性に優れ、しかも、高分解の投影像を観察者に対して広い視野内に表示することができる。
この発明の1実施の形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。 図1に示される光走査装置に組み込まれる光走査ユニットの構造を概略的に示す平面図である。 図2に示される光走査ユニットの一部を拡大して示す平面図である。 図2及び図3に示される素子部を拡大して概略的に示す断面図である。 (a)及び(b)は、図3に示される光走査装置の具体例を概略的に示す平面図及び側面図である。 光源素子としてのレーザーダイオード及びLEDの発光特性を示すグラフである。 フィルタ材料としての過飽和吸収材料の特性を示すグラフである。
符号の説明
10...2次元光走査装置、11...1次光走査ユニット、12...集光レンズ系、13...2次元走査ユニット、14...駆動用モータ、16...補正レンズ、17...制御部、L...2次元走査光束、36...光源素子、51...基板構造、40...光走査像、31...片持梁構造、33...安定化ばね構造、34...蛇腹ばね構造、35...光導波路構造、38...動力機構

Claims (5)

  1. 第1方向及びこの第1方向に直交する第2方向を有する光投影面と、
    シリコン基板上に設けられ、一部が除去された酸化シリコン層と、
    前記酸化シリコン層上に設けられ、前記シリコン基板から一部が遊離したシリコン活性層と、
    前記シリコン活性層上に形成された光線を発生する光源素子と、
    前記シリコン基板から遊離した前記シリコン活性層上に形成され、前記光源素子からの光線を導く導波路構造であって、可撓性を有し、前記第1方向に振動される片持梁構造の可動導波路を有し、この振動される可動導波路の自由端から前記第1方向に偏向される光線が射出される導波路構造と、
    前記光源素子を附勢して前記光源部から光線を発生させる駆動部であって、前記光源部を閾値レベルで駆動して発光準備状態に維持し、この発光準備状態において、表示すべき画像信号に応じて前記光源部を駆動して変調された光線を前記光源部から発生させる駆動部と、
    前記可動導波路の自由端から射出された光線を集光する集光レンズ系と、
    この集光レンズ系の焦点に配置され、前記第2方向に沿うように前記光投影面に向けて前記光線を偏向する偏向部と、
    を具備することを特徴とする表示装置。
  2. この可動導波部を前記第1方向に沿って可動して前記光線を偏向させる駆動機構とを具備することを特徴とする請求項1の表示装置。
  3. 前記光投影面は、前記可動導波路上に定められる第1焦点を有し、観察者眼球上に定められる第2焦点を有することを特徴とする請求項1の表示装置。
  4. 前記シリコン活性層上に形成され、前記光投影面と前記光源部との間の光路に配置され、前記光線の光強度を減衰するフィルタとを具備することを特徴とする請求項1の表示装置。
  5. 前記フィルタが前記シリコン活性層上に設けられた光過飽和吸収体で作られ、前記発光準備状態において実質的に光線を吸収することを特徴とする請求項1の表示装置。
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