JP4138411B2 - スロットマシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゲームの開始に際して実行される賞抽選の結果が特別賞(ビックボーナス賞やレギュラーボーナス賞)に当選した状態を二つ以上記憶可能なスロットマシン(いわゆる「ストック機」)や、リールの停止順序(ストップボタンの押し順序)等を成立要素に含む小役賞の、該リール停止順序等を報知するスロットマシン(いわゆる「AT(アシスト・タイム)機」)など、特別賞成立によって実行される特別遊技の終了後あるいはそのしばらく後(例えば100ゲーム以内)に、一定条件下で遊技者にとって有利な遊技に移行し得るスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスロットマシンにおいて、特別賞に当選した状態(ボーナスフラグ)を複数溜めておき、条件を満たせば、その一部又は全部を放出して複数の特別賞を連続的に成立可能とする遊技性を備えたストック機や、当選していてもリールの停止順序が正しくなければ成立させることができないがために通常は取りこぼしが多く発生している小役賞に対し、例えば特別賞成立によって実行される特別遊技の終了後あるいはそのしばらく後の所定期間はリールの停止順序を報知するようにし、もって多数の小役賞を短期間で集中的に成立可能とする遊技性を備えたAT機が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種のスロットマシンでは、ボーナスフラグの放出やATの実行が特別遊技の終了後のしばらく後に予定されている場合、再び有利な遊技に移行するのではないかとの期待感を遊技者に抱かせる効果を狙って、その旨の演出(潜伏演出)が特別遊技の終了後から適宜のタイミングで発生するようになっているのみであり、従って、何らの潜伏演出も行われない特別遊技の実行期間中は、メダル獲得のための消化ゲーム的な意味合いでしかなく、単調になりがちであるという問題があった。
【0004】
そこで、ボーナスフラグの放出やATの実行が特別遊技の終了後あるいはそのしばらく後に予定されている場合、その旨の報知を液晶演出等で特別遊技の実行期間中に発生させるようにしてもよいが、単なる報知演出の付加だけでは興趣性を増大させるに十分ではない。
【0005】
本発明は、特別遊技の終了後あるいはそのしばらく後に遊技者にとって有利な遊技に移行し得る旨の報知を特別遊技の実行期間中における遊技内容と関連させることにより、特別遊技の実行期間中であっても、遊技者にある程度の緊張感や期待感を抱かせることができるスロットマシンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスロットマシンは、賞に当選するか否かの抽選を行う賞抽選手段と、
賞に当選した場合、その状態を記憶する記憶手段と、複数種類の図柄を変動させた後の停止時に適宜の組み合わせ図柄を有効ライン上に出現させるものであって、特別賞に当選した状態が記憶されていることを必要条件として、特別賞に係る組み合わせ図柄を有効ライン上に出現可能とする可変表示手段と、図柄変動の停止を指示する停止指示手段と、停止指示に基づいて特別賞に係る組み合わせ図柄が有効ライン上に出現することにより、特別賞が成立して通常遊技から特別遊技に移行する遊技制御手段とを備えたスロットマシンにおいて、特別遊技の実行期間中に所定の賞に当選した場合に作動する振り分け抽選手段を備え、前記振り分け抽選手段が作動することにより、特定の組み合わせ図柄を特別遊技の実行期間中の時点で出現させるか否かの抽選が行われるとともに、この抽選を告知する告知手段を備え、通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特定の賞に当選した状態が特別遊技の実行期間中の時点で記憶されている場合、前記可変表示手段は、特定の組み合わせ図柄を特別遊技の実行期間中の時点で出現させるか否かの抽選の結果が是となることにより、特定の組み合わせ図柄を特別遊技の実行期間中の時点で出現可能とすると共に、特別遊技が終了して通常遊技に移行した際、特定の賞に当選した状態に基づいてその賞が成立し得るようにし、特定の組み合わせ図柄を特別遊技の実行期間中の時点で出現させるか否かの抽選の結果が否となれば、特定の図柄組み合わせ図柄とは別の前記所定の賞に係る組み合わせ図柄を出現可能とすることを特徴とするものである。
【0007】
上記構成からなるスロットマシンによれば、特別遊技(特別ゲーム)の終了後、通常遊技(通常ゲーム)に移行してから再び遊技者にとって有利な遊技に移行し得る(即ち、特定の賞に当選した状態に基づいて特別遊技の終了後あるいはそのしばらく後にその特定の賞が成立し得る)旨の報知は、特別遊技の実行期間中の時点で特定の組み合わせ図柄が出現することにより行われる。従って、特別遊技の実行期間中、遊技者は特定の組み合わせ図柄が出現するように気持ちを込めて停止指示(尚、停止指示には、所定時間遊技者が停止指示を与えないことによる内部的な停止指示、いわゆる「自動停止」も含まれる)を行いつつ遊技を進めるようになり、よって、特別遊技は興趣性の富んだものとなる。
【0008】
そして、特定の賞に当選した状態が特別遊技の実行期間中の時点で記憶されていれば、必ず、特定の組み合わせ図柄を特別遊技の実行期間中の時点で出現可能(「可能」というのは、「適正なタイミングで停止指示を与えると、特定の組み合わせ図柄が出現する」という意味である)とするのではなく、特別遊技の実行期間中に行われる、特定の組み合わせ図柄を特別遊技の実行期間中の時点で出現させるか否かの抽選に当選した場合にのみ、特定の組み合わせ図柄を特別遊技の実行期間中の時点で出現可能とするものである。従って、特定の賞に当選した状態が特別遊技の実行期間中の時点で記憶されていても、特定の組み合わせ図柄が特別遊技の実行期間中に出現しないことはあり得る内容となっている。
【0009】
また、特別遊技の実行期間中に特定の組み合わせ図柄が出現した場合、特別遊技の終了後、通常遊技に移行した最初のゲームにおいて、特定の賞が成立可能とするものである。即ち、特別遊技の実行期間中に特定の組み合わせ図柄が出現するということは、特別遊技の実行期間中の時点でまだ放出されていない特定の賞に当選した状態が残っており且つ特別遊技の終了後にすぐさま特定の賞の成立が可能となるということを示すものであるから、特別遊技はかなり興趣性の富んだものとなる。
【0010】
また、本発明に係るスロットマシンは、特別賞に当選した状態が記憶されている場合であっても、特別賞に係る組み合わせ図柄を有効ライン上に出現不可能あるいはほぼ出現不可能(以下、両者を含めて「出現不可能」という)とする期間を通常遊技の実行期間中に設定する設定手段を備え、これに伴い、前記記憶手段は、特別賞に当選した状態を二つ以上記憶可能であり、前記特定の賞に当選した状態は、二つ以上記憶されている特別賞に当選した状態のうち、未だ賞が成立していないものである構成を採用することができる。
【0011】
これは、上述したストック機であって、特別賞に当選した状態を複数溜めておき、設定されたストック期間が終了すると、その一部又は全部を放出して複数の特別賞を連続的に成立可能にするものである。特別遊技の実行期間中に特定の組み合わせ図柄が出現すれば、特別遊技の実行期間中の時点でまだ放出されていない特別賞に当選した状態が残っているということであるから、遊技者は、特別遊技の終了後にまた特別賞の成立が続くのではと期待感を抱きつつ遊技を進めるようになる。
【0012】
また、本発明に係るスロットマシンは、特別遊技の実行期間中に所定の賞に当選した場合に作動する振り分け抽選手段を備え、振り分け抽選手段が作動することにより、特定の組み合わせ図柄を特別遊技の実行期間中の時点で出現させるか否かの抽選が行われ、しかも、この抽選結果が否となれば、前期可変表示手段は、特定の図柄組み合わせ図柄とは別の前期所定の賞に係る組み合わせ図柄を出現可能とする構成を採用することができる。
【0013】
また、本発明に係るスロットマシンは、特定の組み合わせ図柄を特別遊技の実行期間中の時点で出現させるか否かの抽選を告知する告知手段を備える構成を採用することができる。
【0014】
また、本発明に係るスロットマシンは、前記特定の組み合わせ図柄は、前記特別賞に係る組み合わせ図柄と同一のものである構成を採用することができる。
【0015】
これは、特別賞に係る組み合わせ図柄を出現させることそのものに一種の興趣性が備わっていることを利用するものである。特別賞はその有利性から頻繁に成立するものではなく、ゆえに、遊技者は特別賞に係る組み合わせ図柄が出現することそのものに興奮を覚えるようになっている。これと同一のものを特別遊技の実行期間中の時点で出現可能とすることによって、さらに特別遊技の興趣性を増大させることができるのである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機の一実施形態である、ボーナスフラグを複数ストック可能な機能を備えたスロットマシン(以下、「ストック機」という)について図面を参酌しつつ説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係るスロットマシンの正面図を示す。該スロットマシンは、筐体1の前面に設けられた中間パネル2に、縦長のリール表示窓4が三つ横並びした図柄表示部3を形成すると共に、筐体1内に、各リール表示窓4の形成位置に対応させてリール5を三つ配置した構成となっている。
【0018】
各リール5の外周面には、文字、数字、図形、キャラクターなどの複数種類の図柄を表示したリールテープが貼着されており、リール5,…の回転中は、それぞれの外周面に表示された図柄がリール表示窓4内に次々に出現する一方、リール5,…を停止させた時は、各リール5の例えば三コマ分の図柄が、図柄表示部3に設定された上、中、下、右上がり及び右下がりの五本の停止ラインL,…上に整列した状態で出現する。尚、通常の円形のリール以外に、液晶表示器や、プーリに巻回されて周回するベルト式リールテープを使用してもよい。
【0019】
停止ラインLは、メダル投入口6から投入されたメダルの投入枚数やBETボタン7の押釦操作に応じて有効化される。例えば一枚のメダルが賭けられた時は、中央の横一本の停止ラインLが有効となり、二枚のメダルが賭けられた時は、上、中、下の横三本の停止ラインL,…が有効となり、三枚のメダルが賭けられた時は、五本全ての停止ラインL,…が有効となる。
【0020】
そして、中間パネル2の下方の張り出し面上に設けられた始動レバー8を操作して、三つのリール5,…が回転始動した後、各リール5に対応して設けられたストップボタン9を押釦操作すれば、三つのリール5,…が順次停止するようになっている。この時、メダルの賭け枚数により有効となった停止ラインL,…上に特定の組み合わせ図柄が揃えば、その組み合わせ図柄に応じた賞が成立し、その賞の種類に応じて定められた所定枚数のメダルが払い出される。
【0021】
図2は、各リール5のリールテープ(左リール用5a、中リール用5b、右リール用5c)の展開図を示す。一つのリール5には二十一個の図柄が等間隔で配列されており、図柄は、「赤7」、「青7」、「BAR」、「メロン」、「オレンジ」、「チェリー」及び「リプレイ」の七種類から構成され、各リール5毎にそれぞれ異なる配列がなされている。尚、図2では、実際の図柄とは異なり、文字によって図柄を表現している。
【0022】
リール5の図柄配列において、「オレンジ」及び「リプレイ」の二種類の図柄は、第一停止リールとして設定される左リール5において、多くとも七個の間隔以内(即ちその図柄間にある他の図柄は六個以内)となるように配置され、第二停止リールとして設定される中リール5及び第三停止リールとして設定される右リール5において、多くとも五個の間隔以内(即ちその図柄間にある他の図柄は四個以内)となるように配置されている。このように図柄を配置したのは、以下の理由による。通常のスロットマシンでは、内部的な賞抽選で何れかの賞に当選した場合、ストップボタン9を押釦操作した時点でその賞に係る図柄が有効ラインL上に停止しないときは、リール5を引き込み制御するようにしている。そして、リール5の引き込み制御は、通常190ms以下(ストップボタン9を押釦操作した時点から数えて五図柄以内)に制限されている。従って、左リール5で同一図柄を七個の間隔以内となるように配置すれば、その図柄を左リール5のリール表示窓4の少なくとも上位位置には必ず出現させることができ、中リール5及び右リール5でその図柄を五個の間隔以内となるように配置すれば、その図柄を中リール5及び右リール5のリール表示窓4の所望位置に出現させることができるようになるからである。以上のことから、何れの時点でストップボタン9を押釦操作しても、「オレンジ」及び「リプレイ」の二種類の図柄に関しては、その賞に係る組み合わせ図柄を有効ラインL上に揃えることができる(引き込み率が100%となる)。
【0023】
一方、「赤7」、「青7」、「BAR」、「メロン」及び「チェリー」の五種類の図柄は、数が少なく、100%の引き込みが不可能な配置となっているため、これらの図柄に関しては、引き込み制御の範囲内でストップボタン9,…を押釦操作する(いわゆる「目押し」)が要求される。尚、内部的な賞抽選で何れの賞にも当選しない場合、即ち「ハズレ」の場合は、仮にストップボタン9を押釦操作する時点でリール5が停止すれば何らかの賞に係る組み合わせ図柄が有効ラインL上に揃うようになっていても、有効ラインL上にその賞に係る図柄が停止しないようにリール5を蹴飛ばし制御するようにしている。
【0024】
図3は、賞の種類とこれらに対応する組み合わせ図柄との関係を示す。特別賞としては、ビックボーナスとレギュラーボーナスとが用意される。「赤7」の特別図柄あるいは「青7」の特別図柄が三つ有効ラインL上に揃うと、ビッグボーナス賞が成立して、15枚のメダル払出しを受けた後、メダルを3枚投入して小役賞を狙う、いわゆる「小役ゲーム(通常遊技モード:第一種の特別遊技)」と、メダルを1枚投入して所定枚数のメダルの払い出しを受ける、いわゆる「ボーナスゲーム(特別遊技モード:第二種の特別遊技)」との組み合わせが2乃至3セット行われる。「BAR」の特別図柄が三つ有効ラインL上に揃うと、レギュラーボーナス賞が成立して、15枚のメダル払出しを受けた後、上記ボーナスゲームが一回行われる。
【0025】
その他には、メロン賞、オレンジ賞及びチェリー賞の小役賞やリプレイ賞が用意されている。チェリー賞以外については、対応図柄が三つ有効ラインL上に揃うと賞が成立し、また、チェリー賞については、左リール5の「チェリー」の図柄が有効ライン上に停止すると賞が成立する。リプレイ賞は、メダルの払出しを受けるのではなく、次回のゲーム実行に際して、メダル投入が不要となる賞である。
【0026】
ビックボーナスゲーム中の小役ゲームにおいては、上記小役賞以外に、二つの賞が用意されている。一つは、「赤7」の特別図柄が三つ有効ラインL上に揃うことにより成立して15枚のメダル払出しを受ける賞(特別小役賞)であり、もう一つは、「リプレイ」の図柄を三つ有効ラインL上に揃えることにより成立して2枚のメダル払出しを受けた後、小役ゲームからボーナスゲームに移行する賞である。
【0027】
上記特別小役賞は、メロン賞と同一フラグ(即ち賞抽選処理における同一抽選結果)であるが、小役ゲーム中の始動レバー8操作時点で行われる振り分け抽選処理により、特別小役賞となるかメロン賞となるかが決定される。即ち、振り分け抽選処理において、特別小役賞に当選すれば、リール制御が「赤7」の引き込み制御となり、メロン賞に当選すれば、リール制御が「メロン」の引き込み制御となる。従って、特別小役賞に当選していなければ、「赤7」を狙ったとしても、蹴飛ばし制御が働き、有効ラインL上に揃えることができない(場合によっては、「赤7」に近接する「メロン」(左リールにおける8番、中リールにおける3番、右リールにおける21番)を引き込んで、メロン賞が成立する)ようになっている。
【0028】
ビックボーナスゲーム中のボーナスゲームにおいては、二種類の賞に係る組み合わせ図柄が用意されており、何れも15枚のメダル払出しが予定されている。ボーナスゲームは、これら何れかの組み合わせ図柄が有効ラインL上に揃うゲームが八回行われることにより、あるいは賞に関わらず連続十二回で終了するもので、最後のボーナスゲームであれば、ビックボーナスゲーム(特別ゲーム)が終了して通常ゲームに移行し、最後のボーナスゲームでなければ、小役ゲームに移行するものである。
【0029】
尚、賞抽選処理において、ビックボーナスやレギュラーボーナスといった特別賞に当選した場合は、一般的に、そのフラグ成立ゲームにおいて特別賞に係る組み合わせ図柄を揃えられなくとも、フラグは次ゲーム以降に持ち越され、図柄が揃うまでチャンスは与えられるが、小役賞や特別小役賞に当選した場合、ボーナスフラグと異なり、フラグを次ゲーム以降に持ち越せないため、100%の引き込みが保証された賞以外では、取りこぼしが発生して、メダル獲得の機会を失うことになる。
【0030】
何れのフラグが成立したかは、告知ランプ10(図1参照)の発光をもってリール5の停止操作前に把握することができる。該告知ランプ10は、各賞に係る図柄の基調色を発光可能であり、例えば「赤7」であれば「赤色」、「青7」であれば「青色」、「BAR」であれば「黒色」、「メロン」であれば「緑色」、「オレンジ」であれば「橙色」、チェリーであれば「ピンク色」、「リプレイ」であれば「水色」という具合で始動レバー8の操作時に発光して、対応する賞を告知する。遊技者は、これに基づいて目押しを行い、当選した賞成立を目指すのである。告知は、フラグ成立に伴って必ず行う(完全告知)場合や、告知抽選処理に当選した場合のみ行う(一部告知)場合の何れかである。また、虚偽(いわゆる「ガセ」)の告知や、複合告知(即ち一部又は全部がガセとなる)を併用してもよい。小役ゲームにおいては、メロン賞用としての「緑色」と特別小役賞用としての「赤色」とを半々で発光させた複合告知が興趣性の観点から採用される。
【0031】
図4は、本実施形態に係るスロットマシンの電気的な構成のブロック図を示す。スロットマシンは、遊技内容に関する制御、演算の主体であるCPU、遊技制御プログラムや所定の判定テーブルが記憶されるROM、各種の賞に対応したフラグデータを含む遊技関連情報の読み書きに用いられるRAM及び乱数発生器を有する制御部11を備えている。
【0032】
制御部11は、賞に当選するか否かの抽選を行う賞抽選手段12と、何れか賞に当選した場合、当選した賞に対応して付与されたフラグデータを内部的に記憶するフラグデータ記憶手段13と、付与されたフラグを種類毎に告知するための告知ランプ(告知手段)10を制御するランプ制御手段14と、始動レバー(回転始動指示手段)8、ストップボタン(停止指示手段)9,…、フラグデータの有無等に基づき、3つのリール5,…の回転始動・停止・引き込み等、ステッピングモータ21を制御するリール制御手段15と、ボーナスフラグが付与されている状態であっても、特別賞に係る組み合わせ図柄の蹴飛ばし制御を実行する(特別賞を所定ゲーム期間で成立不可能とする)期間を設定するストックタイム設定手段16と、何れか賞に係る組み合わせ図柄が有効ラインL上に揃ったことを検知する賞検知手段17と、何れか賞が成立した場合、その賞の種類に対応する枚数のメダルを払出す払出し手段18と、通常ゲームから特別ゲーム(ビックボーナスゲームあるいはレギュラーボーナスゲーム)に、小役ゲームからボーナスゲームに、ボーナスゲームから小役ゲームに、特別ゲームから通常ゲームに、それぞれゲームモードを移行させる遊技制御手段19とを備えると共に、特徴的な部分としては、小役ゲームにおいてメロン賞フラグが成立した場合、メロン賞とするか特別小役賞とするかの振り分け抽選処理を行う振り分け抽選手段20をさらに備えている。
【0033】
賞抽選手段12は、賞(特別賞、小役賞、リプレイ賞、小役ゲームにおける特別小役賞あるいはボーナスゲームにおける賞等)の抽選処理を行うものである。賞抽選手段12は、乱数発生器と、乱数発生器から乱数を抽出する乱数抽出手段と、抽出された乱数値を賞判定テーブルと照合し、賞の当選の有無及びその種類を判定する判定手段とを備え、始動レバー8を操作する度(1ゲーム毎)に賞抽選処理を行う完全確率方式を採用している。
【0034】
賞判定テーブルは、出玉率の設定レベル(1〜6までの6段階、設定が高くなるほど、特別賞の当選確率が高くなるのが一般的)毎に、ビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスといった特別賞、小役賞及びリプレイ賞の各賞に係る当選領域を設定したデータテーブルである。抽選処理において何れかの賞に当選すると、その賞に応じた個別のフラグデータが記憶手段(具体的にはRAM)に記憶されるようになっている。
【0035】
また、賞判定テーブルは、通常ゲーム用、小役ゲーム用、ボーナスゲーム用(レギュラーボーナスゲーム用と同一)の複数種類が用意されており、各ゲームモードで当選可能な賞の種類を設定するものである。
【0036】
ランプ制御手段14は、通常ゲームあるいは小役ゲームにおいて、フラグが成立すると、作動して告知ランプ10の点灯(点滅)制御を行う。但し、ストックタイム設定手段16によりストックタイムが実行されている間は、ボーナスフラグが成立したとしても、その告知は行われず、従って、遊技者が現在何個のボーナスフラグが記憶手段13に記憶されているかを把握することはできないようになっている。
【0037】
リール制御手段15は、始動レバー8の操作に伴って出力される回転始動信号を受けてステッピングモータ21,…を回転駆動させ、ストップボタン9,…の操作に伴って出力される回転停止信号を受けてステッピングモータ21,…を回転停止させることを基本動作とするが、賞抽選手段12の抽選結果(フラグの有無)あるいは小役ゲームにおける振り分け抽選手段20の抽選結果に応じて、引き込み制御及び/又は蹴飛ばし制御を実行する。
【0038】
ストックタイム設定手段16は、所定条件の成立に伴ってストックタイムを設定するもので、本実施形態では、通常ゲーム中に特別賞に当選すると、ストックタイムを強制的に設定する。このストックタイム中、賞抽選処理の抽選結果が特別賞に当選となった場合は、新たなボーナスフラグデータが記憶手段13に追加して記憶される。即ち、ストックタイムを設定することにより、記憶手段13には、ボーナスフラグが二つ、三つと重複して記憶されることで、抽選結果が特別賞に当選している状態を二つ以上記憶可能としている(いわゆる「ボーナスフラグ貯留機能」)。尚、ストックタイム終了後は、ストックしたボーナスフラグを放出して特別賞を連続的に成立可能とするものである(但し、このような「連続モード」とはならず、複数のボーナスフラグがストックされているにも関わらず、一のボーナスフラグが放出されるとその特別ゲーム終了後の通常ゲームから再びストックタイムに突入する「単発モード」も用意されている)。
【0039】
賞検知手段17は、リール5,…の停止時に、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせが何れか賞に係る組み合わせ図柄であるか否かを検知するものである。通常ゲームにおいては、ビックボーナス等の特別賞、小役賞あるいはリプレイ賞に係る組み合わせ図柄が有効ラインL上に停止したか否かを検知し、小役ゲームにおいては、小役賞や特別小役賞に係る組み合わせ図柄あるいはボーナスゲーム移行図柄が有効ラインL上に停止したか否かを検知し、ボーナスゲーム(レギュラーボーナスゲームも同様)では、賞に係る組み合わせ図柄が有効ラインL上に停止したか否かを検知する。例えば、各リール5のステッピングモータ21の停止角度とリール図柄とが対応するように記憶しておき、モータ21の停止角度をセンサ等で検出することにより、有効ラインL上にある図柄の種別判定を行う。
【0040】
払出し手段18は、賞時に所定枚数のメダルをホッパー(図示しない)から遊技者に対して払い出すように制御するものである。
【0041】
遊技制御手段19は、通常ゲームから特別ゲーム(ビックボーナスゲームあるいはレギュラーボーナスゲーム)に、小役ゲームからボーナスゲームに、ボーナスゲームから小役ゲームに、それぞれゲームモードを移行させると共に、これに伴い、賞判定テーブルの種類、リール制御手段15、賞検知手段17、払出し手段18等のモード切り替えを実行するものである。
【0042】
振り分け抽選手段20は、遊技制御手段19によって小役ゲームに移行したことを前提として、メロン賞(特定の小役賞)に当選した場合に作動する。振り分け抽選手段20は、乱数発生器と、乱数発生器から乱数を抽出する乱数抽出手段と、抽出された乱数値を振り分け判定テーブルと照合し、振り分けられた種類(停止目が「メロン」−「メロン」−「メロン」となるメロン賞と、停止目が「赤7」−「赤7」−「赤7」となる特別小役賞の何れか)を判定する判定手段とを備えている。
【0043】
判定結果は、リール制御手段15に出力され、通常の小役賞(メロン賞)となるリール制御とするか、それ以外の賞(特別小役賞)となるリール制御とするかの決定に用いられる。また、特別小役賞は、1/4.5の確率で成立するようになっているが、この判定結果は、ストックタイム設定手段16に出力され、これを受けたストックタイム設定手段16は、当該ビックボーナスゲーム終了後の通常ゲームに対してストックタイムを設定しない状態とする(特別小役賞に係る組み合わせ図柄が有効ラインL上に揃うことは条件としない)。従って、当該ビックボーナスゲーム終了後の通常ゲームは、少なくとも一つのビックボーナスフラグの放出モードであるため、通常ゲーム移行時の最初のゲームでビックボーナスを成立させることができるのである。
【0044】
図5は、ビックボーナスゲーム中の小役ゲームにおける遊技の流れを説明するフローチャートである。まず、始動レバー8が操作されたか否かがチェックされ(S10)、これがYESの場合、小役ゲーム用の判定テーブル(特別賞を無くし且つボーナスゲーム移行賞を付け足したもの)を用いた賞抽選処理が実行される(S20)。次に、抽選結果がメロン賞に当選したか否かがチェックされ(S30)、これがYESの場合、メロン賞か特別小役賞かの何れかに当選する判定テーブルを用いた振り分け抽選が実行される(S40)と共に、両者の何れかに当選していることを示す告知が行われる(S50)。
【0045】
次に、S40の振り分け抽選において特別小役賞に当選したか否かがチェックされ(S60)、これがYESの場合、ストックタイム解除フラグがセットされる(S70)。S40の振り分け抽選においてメロン賞に当選した場合(S60がNO)は、ストックタイム解除フラグはセットされない。
【0046】
しかる後、全リール5,…が停止したか否かがチェックされ(S80)、これがYESの場合、小役賞が成立したか否かがチェックされ(S90)、これがYESの場合、メダルの払出しが実行される(S100)。また、S30がNOの場合、その他の小役賞に当選したか否かがチェックされ(S110)、これがYESの場合、告知が行われた後(S120)、S80〜S100のステップを経る。さらに、S110がNOの場合、ボーナスゲーム移行賞に当選したか否かがチェックされ(S130)、これがYESの場合、告知が行われる(S140)と共に、ボーナスゲーム移行フラグがセットされた後(S150)、S80〜S100のステップを経る。
【0047】
ビックボーナスゲーム中の小役ゲームにおいては、一回でも特別小役賞に当選すれば、ストックタイム解除フラグがセットされるようになっている。このストックタイム解除フラグは、当該ビックボーナスゲーム終了後の通常ゲーム時にリール制御手段15が参照するようになっており、このフラグが成立していることを前提として、リール制御手段15は、ビックボーナスを成立可能なリール制御モードとなる。即ち、通常ゲーム移行時の最初のゲームで遊技者がビックボーナス図柄である「赤7」や「青7」を有効ラインL上に狙えば、ビックボーナスを成立させることができるのである。
【0048】
以上のように、本実施形態に係るスロットマシンは、ビックボーナスゲームの小役ゲームにおいて、特定の小役賞が当選したときの例えば1/4.5の確率で特定の組み合わせ図柄である「赤7」−「赤7」−「赤7」を有効ラインL上に揃えることができ、またこれは、当該ビックボーナスゲーム終了後すぐさまビックボーナスが成立し得ることを約束するものであるから、遊技者は小役ゲームにおいて、告知ランプ10が緑色と赤色とに同時点灯すれば、「赤7」を揃えようと遊技に集中するようになる。従って、従来は消化ゲームにしか過ぎなかったビックボーナスゲームを興趣性豊かなものとすることができるようになる。
【0049】
尚、本発明に係る遊技機は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0050】
例えば、上記実施形態においては、ビックボーナスゲーム中の小役ゲームにおいて、特定の組み合わせ図柄を出現可能としているが、ビックボーナスゲーム中のボーナスゲームあるいはレギュラーボーナスゲームにおいて、特定の組み合わせ図柄を出現可能としてもよい。
【0051】
また、特定の組み合わせ図柄は、「赤7」−「赤7」−「赤7」に限定されず、種々のパターンを設定可能である。例えば「7」−「BAR」−[7」のように、通常ゲームで出現する、いわゆる「リーチ目」であってもよい。
【0052】
また、上記実施形態においては、特定の組み合わせ図柄が出現し得る可能性を示す告知を行うようにしているが、この告知の手段は、音、画像等の既知の手段を用いることができるし、また、告知を行わないでもよい。
【0053】
また、上記実施形態においては、ストック機について言及しているが、特定の賞としては、上記AT賞や、RT(リプレイ・タイム:所定ゲーム期間において、リプレイ賞の当選確率が向上する遊技性)賞であってもよい。要は、特別遊技の終了後あるいはしばらく後に成立し得る、単なる通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる賞であればよい。
【0054】
また、ストック機である場合も、ストックタイムの設定条件並びにその解除条件(終了条件)、あるいはボーナスフラグの放出タイミング等、ストック機の仕様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るスロットマシンは、特別遊技の終了後あるいはそのしばらく後に遊技者にとって有利な遊技に移行し得る旨の報知を、特別遊技の実行期間中の時点における特定の組み合わせ図柄の出現をもって行うようにしているため、報知が特別遊技の実行期間中における遊技内容と関連するようになり、特別遊技の実行期間中であっても、遊技者にある程度の緊張感や期待感を抱かせることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るスロットマシンの正面図を示す。
【図2】同実施形態に係る各リールの展開図を示す。
【図3】同実施形態に係る賞の種類の説明図を示す。
【図4】同実施形態に係るスロットマシンの電気的構成のブロック図を示す。
【図5】同実施形態に係るビックボーナスゲーム中の小役ゲームにおける遊技処理のフローチャートを示す。
【符号の説明】
1…筐体、2…中間パネル、3…図柄表示部、4…リール表示窓、5…リール、6…メダル投入口、7…BETボタン、8…始動レバー、9…ストップボタン、10…告知ランプ、11…制御部、12…賞抽選手段、13…記憶手段、14…ランプ制御手段、15…リール制御手段、16…ストックタイム設定手段、17…賞検知手段、18…払出し手段、19…遊技制御手段、20…振り分け抽選手段、21…ステッピングモータ
Claims (1)
- 賞に当選するか否かの抽選を行う賞抽選手段と、
賞に当選した場合、その状態を記憶する記憶手段と、
複数種類の図柄を変動させた後の停止時に適宜の組み合わせ図柄を有効ライン上に出現させるものであって、特別賞に当選した状態が記憶されていることを必要条件として、特別賞に係る組み合わせ図柄を有効ライン上に出現可能とする可変表示手段と、
図柄変動の停止を指示する停止指示手段と、
停止指示に基づいて特別賞に係る組み合わせ図柄が有効ライン上に出現することにより、特別賞が成立して通常遊技から特別遊技に移行する遊技制御手段とを備えたスロットマシンにおいて、
特別遊技の実行期間中に所定の賞に当選した場合に作動する振り分け抽選手段を備え、前記振り分け抽選手段が作動することにより、特定の組み合わせ図柄を特別遊技の実行期間中の時点で出現させるか否かの抽選が行われるとともに、この抽選を告知する告知手段を備え、
通常遊技よりも遊技者にとって有利な遊技状態である特定の賞に当選した状態が特別遊技の実行期間中の時点で記憶されている場合、
前記可変表示手段は、
特定の組み合わせ図柄を特別遊技の実行期間中の時点で出現させるか否かの抽選の結果が是となることにより、特定の組み合わせ図柄を特別遊技の実行期間中の時点で出現可能とすると共に、特別遊技が終了して通常遊技に移行した際、特定の賞に当選した状態に基づいてその賞が成立し得るようにし、
特定の組み合わせ図柄を特別遊技の実行期間中の時点で出現させるか否かの抽選の結果が否となれば、特定の図柄組み合わせ図柄とは別の前記所定の賞に係る組み合わせ図柄を出現可能とすることを特徴とするスロットマシン。
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