以下、本発明の一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る情報記録システムの概略構成を示すブロック図である。
この図1に示される情報記録システム10は、情報記録装置としての光ディスク装置20と、該光ディスク装置20を制御する情報処理装置としてのホスト50とを含んで構成されている。
前記光ディスク装置20は、光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、モータドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、ROM39、CPU40、RAM41、及びフラッシュメモリ43などを備えている。なお、図1における接続線は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。本実施形態では、一例として、DVD+RWの規格に準拠した情報記録媒体が光ディスク15に用いられるものとする。また、光ディスク装置20の駆動電源は、ホスト50から供給されるものとする。すなわち、光ディスク装置20とホスト50とは同一の電源によって駆動している。
前記光ピックアップ装置23は、光源としての半導体レーザ、該半導体レーザから出射される光束を光ディスク15の記録面に導くとともに、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、前記受光位置に配置され戻り光束を受光する受光器、及び駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ及びシークモータ等)(いずれも図示省略)などを含んで構成されている。そして、受光器からは、その受光量に応じた信号が再生信号処理回路28に出力される。
前記再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてウォブル信号、RF信号及びサーボ信号(フォーカスエラー信号やトラックエラー信号など)を検出する。再生信号処理回路28では、ウォブル信号からADIP(Address In Pregroove)情報及び同期信号などを抽出する。ここで抽出されたADIP情報はCPU40に出力され、同期信号はエンコーダ25に出力される。さらに、再生信号処理回路28は、RF信号に対して復調処理、誤り訂正処理などを行なった後、バッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。また、フォーカスエラー信号及びトラックエラー信号は、再生信号処理回路28からサーボコントローラ33に出力される。
前記サーボコントローラ33は、フォーカスエラー信号に基づいて光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータを制御する制御信号を生成し、トラックエラー信号に基づいて光ピックアップ装置23のトラッキングアクチュエータを制御する制御信号を生成する。各制御信号はサーボコントローラ33からモータドライバ27にそれぞれ出力される。
前記バッファマネージャ37は、バッファRAM34へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデータ量が所定の値になると、CPU40に通知する。
前記モータドライバ27は、サーボコントローラ33からの制御信号に基づいて、光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータを駆動する。また、モータドライバ27は、CPU40の指示に基づいて、光ディスク15の線速度が一定となるようにスピンドルモータ22を制御する。さらに、モータドライバ27は、CPU40の指示に基づいて、光ピックアップ装置23のシークモータを駆動し、光ピックアップ装置23のスレッジ方向(光ディスク15の半径方向)の位置を制御する。
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいて、バッファマネージャ37を介してバッファRAM34から記録データを取り出し、その記録データを変調するとともに、エラー訂正コードの付加などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を作成する。そして、再生信号処理回路28からの同期信号に同期して、書き込み信号をレーザコントロール回路24に出力する。
前記レーザコントロール回路24は、エンコーダ25からの書き込み信号及びCPU40の指示に基づいて、光ピックアップ装置23の半導体レーザの出力を制御する。また、レーザコントロール回路24は、半導体レーザが発光中に光ピックアップ装置23の不図示のモニタからの出射光量信号に基づいて、半導体レーザの出力をフィードバック制御する。
前記ROM39には、CPU40にて解読可能なコードで記述された後述する本発明に係るプログラム(以下、便宜上「記録制御プログラム」という)を含むプログラムが格納されている。なお、光ディスク装置20の電源がオン状態になると、ROM39に格納されているプログラムは不図示のメインメモリにロードされ、前記CPU40はそのプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM41に保存する。
前記フラッシュメモリ43には、光ディスクへのダミーデータの記録を許可するモード及び禁止するモードを少なくとも含む複数のモードに関するモード情報が格納されている。また、複数のモードのうち選択されているモードを示すモードフラグもフラッシュメモリ43に格納されている。なお、フラッシュメモリ43に格納されている情報は、電源供給が停止されても消えることはない。すなわち、フラッシュメモリ43は不揮発性を有している。
前記インターフェース38は、ホスト50との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)及びSCSI(Small Computer System Interface)等の標準インターフェースに準拠している。
前記ホスト50は、主制御装置52、インターフェース54、ハードディスク(HDD)56、入力装置57及び表示装置58などを備えている。なお、ホスト50の駆動電源としては、AC電源及びバッテリ(いずれも不図示)の両方が使用可能であり、ユーザによっていずれかが選択される。
前記主制御装置52は、マイクロコンピュータ、メインメモリ(いずれも不図示)などを含んで構成され、ホスト50の全体を制御する。
前記インターフェース54は、光ディスク装置20との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI及びSCSI等の標準インターフェースに準拠している。インターフェース54は光ディスク装置20のインターフェース38と接続されている。なお、各インターフェース間の接続形態は、通信ケーブル(例えばSCSIケーブル)などの通信線を用いたケーブル接続だけでなく、赤外線などを利用したワイヤレス接続であっても良い。
前記ハードディスク56には、主制御装置52のマイクロコンピュータで解読可能なコードで記述された後述する本発明に係るプログラム(以下、「モード選択プログラム」という)を含むプログラムが格納されている。なお、ホスト50の駆動電源がオン状態になると、上記モード選択プログラムを含む所定のプログラムが主制御装置52のメインメモリにロードされる。
表示装置58は、例えばCRT、液晶ディスプレイ(LCD)及びプラズマディスプレイパネル(PDP)などの表示部(図示省略)を備え、主制御装置52からの各種情報を表示する。
入力装置57は、例えばキーボード、マウス及びポインティングパッドなどのうち少なくとも1つの入力媒体(図示省略)を備え、ユーザから入力された各種情報を主制御装置52に通知する。なお、入力媒体からの情報はワイヤレス方式で入力されても良い。また、表示装置58と入力装置57とが一体化したものとして、例えばタッチパネル付きCRTなどがある。
DVD+RWの規格に準拠している光ディスク15の記録領域は、一例として図2(A)に示されるように、内周側から外周側に向かって3つの領域(リードイン領域LIA、データ領域DZA、及びリードアウト領域LOA)に分けられる。ユーザデータはデータ領域DZA内に記録される。なお、実際の光ディスク15のトラックはスパイラル状であるが、図2(A)及び図2(B)では便宜上、トラックを直線状で示し、紙面左側を光ディスク15の内周側、紙面右側を光ディスク15の外周側としている。
《モード選択要求が入力されたときのホスト50での処理》
ここで、ユーザが入力装置57を介して光ディスク装置でのモードを選択する要求(以下、便宜上「モード選択要求」という)を入力したときのホスト50における処理動作について図3を用いて説明する。モード選択要求が入力されると、主制御装置52のマイクロコンピュータのプログラムカウンタに図3のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがセットされ、処理がスタートする。なお、図3のフローチャートは、主制御装置52のマイクロコンピュータによって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。
最初のステップ301では、光ディスクへのダミーデータの記録を許可するモード及び禁止するモードを少なくとも含む複数のモードに関する情報を表示装置58に表示する。
次のステップ303では、ユーザが複数のモードのうちいずれかを選択するのを待つ。ここで、入力装置57を介して選択結果が入力されると、ステップ303での判断は肯定され、次のステップ305に移行する。
このステップ305では、選択されたモードに関する情報(モード選択情報)をセットしたモード選択コマンドを発行する。本実施形態では、一例として、モード選択コマンドとしてモードセレクトコマンド(Mode Select Command)が用いられる。そして、モード選択情報は、図4に示されるように、モードセレクトコマンドに付加されるモードページ(Mode Page)の一つであるタイムアウト・アンド・プロテクトページ(Time-out and Protect Page)のバイト4のビット3〜ビット7の5ビットにセットされている。すなわち、モード選択情報は0〜31の数値に変換されて光ディスク装置20に通知されることとなる。ここでは、一例として、モード選択情報が「0」のときはダミーデータの記録を許可するモード、モード選択情報が「1」のときはミーデータの記録を禁止するモード、モード選択情報が「2」のときはダミーデータの記録は禁止するが初期化は許可するモード、モード選択情報が「3」のときはフォーマットの再開を禁止するモードを示すものとする。なお、上記各ビット位置はこれまで予約領域とされており、本発明では、各ビット位置を新たにINIT1ビット〜INIT5ビットと定義する。光ディスク装置のCPU40では、モードセレクトコマンドを受信すると、タイムアウト・アンド・プロテクトページのバイト4のビット3〜ビット7の5ビットにセットされているモード選択情報を抽出し、前記モードフラグにセットするとともに、フラッシュメモリ43に格納する。そして、抽出したモード選択情報を含む応答コマンドを発行する。
次のステップ307では、光ディスク装置20からの応答コマンドを待ち、応答コマンドを受信すると、ステップ307での判断は肯定され、ステップ309に移行する。
このステップ309では、応答コマンドに含まれているモード選択情報を抽出し、対応するモード情報を表示装置58に表示する。これにより、ユーザは光ディスク装置20で選択されているモードを知ることができ、選択ミスを防止することが可能となる。そして、モード選択要求を入力したときの処理を終了する。
次に、入力装置57を介してユーザから光ディスク15のフォーマット要求が入力されると、主制御装置52はフォーマットを要求するコマンド(Format Unit Command、以下「フォーマット要求コマンド」ともいう)を発行する。
《フォーマット要求コマンドを受信したときの光ディスク装置20での処理》
ここで、フォーマット要求コマンドをホスト50から受信したときの光ディスク装置20における処理動作について図5を用いて説明する。フォーマット要求コマンドを受信すると、CPU40のプログラムカウンタに図5のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがセットされ、処理がスタートする。なお、図5のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。また、光ディスク15はブランクディスクであるものとする。
最初のステップ401では、フラッシュメモリ43に格納されているモードフラグを読み出し、ダミーデータの記録が禁止状態であるか否かを判断する。ここで、モードフラグが「2」であれば、ダミーデータの記録は禁止するが初期化は許可するモードが選択されており、ステップ401での判断は肯定され、ステップ403に移行する。
このステップ403では、リードイン領域LIAの一部の領域に所定の初期情報を記録する。この所定の初期情報には、フォーマット状態やデータの記録状態などがビットマップ形式で記述されているフォーマッティング・ディスク・コントロール・ブロック(Formatting Disc Control Block、以下「FDCB」という)が含まれている。
次のステップ405では、ダミーデータの記録が禁止されていることを示すエラー情報をホスト50に通知する。そして、フォーマット要求コマンドを受信したときの処理を終了する。すなわち、リードイン領域LIAへの所定の初期情報の記録は行われるが、ユーザ領域DZAへのダミーデータの記録は行われない。
一方ステップ401において、モードフラグが「0」であれば、ダミーデータの記録は許可するモードが選択されており、ステップ403での判断は否定され、ステップ409に移行する。
このステップ409では、上記ステップ403と同様に、リードイン領域LIAの一部の領域に所定の情報を記録する。
次のステップ411では、排出要求の有無がセットされる排出要求フラグ、及び記録要求又は再生要求の有無がセットされる受信フラグにそれぞれ「0」をセットして初期化するとともに、フォーマットが正常に終了したことをホスト50に通知する。これにより、記録及び再生要求が受け付け可能となる。なお、本実施形態では、ホスト50との通信は送信及び受信ともに割り込み処理によって行われている。そこで、記録を要求するコマンド(Write Command、以下「記録要求コマンド」ともいう)又は再生を要求するコマンド(Read Command、以下「再生要求コマンド」ともいう)をホスト50から受信すると、割り込み処理にて受信フラグに「1」がセットされるようになっている。さらに、ホスト50から排出要求のコマンド(Start/Stop Unit Command)を受信すると、割り込み処理にて排出要求フラグに「1」がセットされるようになっている。
次のステップ413では、排出要求フラグを参照し、光ディスク15の排出要求があるか否かを判断する。ここで、排出要求フラグが「0」のままであれば、ステップ413での判断は否定され、ステップ415に移行する。
このステップ415では、フォーマットが完了しているか否かをチェックする。フォーマットが完了しているか否かは、データ領域DZA内における未記録領域の有無によって判断され、未記録領域が存在すれば、フォーマットは未完了であると判断される。ここでは、光ディスク15はブランクディスクであるため、ステップ415での判断は否定され、ステップ417に移行する。
このステップ417では、受信フラグを参照し、ホスト50からの記録要求又は再生要求の有無を判断する。ここで、受信フラグが「0」のままであれば、ステップ417での判断は否定され、ステップ419に移行する。
このステップ419では、フォーマットを実施する。すなわち、データ領域DZA内の未記録部分に例えば16セクタ分のダミーデータを記録する。そして、ステップ413に戻る。
以下、ステップ413、ステップ415及びステップ417のいずれかでの判断が肯定されるまで、ステップ413→415→417→419の処理、判断を繰り返す。これにより、フォーマットが進行する。
一方、ステップ417において、受信フラグに「1」がセットされていれば、ステップ417での判断は肯定され、ステップ421に移行する。
このステップ421では、受信フラグを「0」にリセットした後、フォーマットを中断する。
次のステップ423では、受信したコマンドを解析し、ホスト50からのコマンドが記録要求コマンドであるか再生要求コマンドであるかを判断する。ここで、ホスト50からのコマンドが記録要求コマンドであれば、ステップ423での判断は肯定され、ステップ425に移行する。
このステップ425では、ホスト50から受信したユーザデータをデータ領域DZA内の指定された領域に記録する。なお、光ディスク装置20における記録処理の詳細については後述する。ユーザデータの記録が終了すると、ステップ413に戻る。
一方、ステップ423において、ホスト50からのコマンドが再生要求コマンドであれば、ステップ423での判断は否定され、ステップ427に移行する。
このステップ427では、ホスト50から指定された領域に記録されているユーザデータを再生し、ホスト50に転送する。なお、光ディスク装置20における再生処理の詳細については後述する。ホスト50から指定されたユーザデータの再生が終了すると、ステップ413に戻る。
このステップ413において、排出要求フラグに「1」がセットされていれば、ステップ413での判断は肯定され、ステップ431に移行する。
このステップ431では、排出要求フラグを「0」にリセットした後、フォーマットを中断する。そして、データ領域DZA内に記録されているダミーデータ及びユーザデータのうちで最外周にあるデータの最終アドレス(Last Written Address、以下「LWA」という)とデータ領域DZAの先頭アドレスとの間に未記録領域が存在する場合には、その未記録領域にダミーデータを記録する。また、リードイン領域LIA内のFDCBを更新するとともに、一例として図2(B)に示されるように、LWAに続けてTLOを記録する。これにより、DVD−ROMとの互換性を保つことが可能となる。
次のステップ433では、不図示のディスク入排出系に光ディスク15の排出を指示する。そして、フォーマット要求コマンドを受信したときの処理を終了する。
なお、ステップ415において、フォーマットが完了していれば、ステップ415での判断は肯定され、リードイン領域LIA内のFDCBを更新した後、フォーマット要求コマンドを受信したときの処理を終了する。
《光ディスク装置20における記録処理》
ここで、光ディスク装置20における記録処理について説明する。
CPU40は、指定された記録速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、ホスト50から記録要求コマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。また、CPU40は、ホスト50から受信したユーザデータのバッファRAM34への蓄積をバッファマネージャ37に指示する。
再生信号処理回路28は、光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、光ピックアップ装置23の受光器からの出力信号に基づいてフォーカスエラー信号及びトラックエラー信号を検出し、サーボコントローラ33に出力する。サーボコントローラ33は、再生信号処理回路28からのフォーカスエラー信号及びトラックエラー信号に基づいて、モータドライバ27を介して光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータを駆動し、フォーカスずれ及びトラックずれを補正する。また、再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の受光器からの出力信号に基づいてADIP情報を取得し、CPU40に通知する。
CPU40は、ADIP情報に基づいて書き込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するように光ピックアップ装置23のシークモータを制御する信号をモータドライバ27に出力する。また、CPU40は、バッファマネージャ37からバッファRAM34に蓄積されたユーザデータ量が所定の値を超えたとの通知を受け取ると、エンコーダ25に書き込み信号の生成を指示する。さらに、CPU40は、ADIP情報に基づいて光ピックアップ装置23の位置が書き込み開始地点であると判断すると、エンコーダ25に通知する。これにより、ユーザデータは、エンコーダ25、レーザコントロール回路24及び光ピックアップ装置23を介して光ディスク15に記録される。
《光ディスク装置20における再生処理》
次に、光ディスク装置20における再生処理について説明する。
CPU40は、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、再生要求コマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。再生信号処理回路28は、前記記録処理の場合と同様に、フォーカスずれ及びトラックずれを補正するとともに、ADIP情報をCPU40に通知する。
CPU40は、ADIP情報に基づいて読み出し開始地点に光ピックアップ装置23が位置するように光ピックアップ装置23のシークモータを制御する信号をモータドライバ27に出力する。そして、CPU40は、ADIP情報に基づいて光ピックアップ装置23の位置が読み出し開始地点であると判断すると、再生信号処理回路28に通知する。
再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23の受光器からの出力信号に基づいてRF信号を検出し、復調処理及び誤り訂正処理などを行った後、バッファRAM34に蓄積する。バッファマネージャ37は、バッファRAM34に蓄積された再生データがセクタデータとして揃ったときに、インターフェース38を介してホスト50に転送する。
なお、再生信号処理回路28は、記録処理及び再生処理が終了するまで、上述した如く、光ピックアップ装置23の受光器からの出力信号に基づいてフォーカスエラー信号及びトラックエラー信号を検出し、サーボコントローラ33及びモータドライバ27を介してフォーカスずれ及びトラックずれを随時補正する。
《フォーマットの再開要求を受信したときの光ディスク装置20での処理》
続いて、前述したフォーマットの途中で排出された光ディスク15が、再度光ディスク装置20にロードされ、フォーマットの再開を要求するコマンド(以下「フォーマット再開要求コマンド」ともいう)をホスト50から受信したときの光ディスク装置20における処理動作について図6を用いて説明する。フォーマット再開要求コマンドを受信すると、CPU40のプログラムカウンタに図6のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがセットされ、処理がスタートする。なお、図6のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。
最初のステップ501では、フラッシュメモリ43に格納されているモードフラグを参照し、フォーマットの再開が禁止状態であるか否かを判断する。ここで、モードフラグが「3」であれば、フォーマットの再開を禁止するモードが選択されており、ステップ501での判断は肯定され、ステップ505に移行する。
このステップ505では、フォーマット再開要求コマンドを受理したことを示す受理情報として、フォーマットが中断状態であることを示す情報をホスト50に通知する。そして、フォーマット再開要求コマンドを受信したときの処理を終了する。なお、ここでは、フォーマットが中断状態であることを示す情報の代わりに、フォーマットが実行中であることを示す情報又はフォーマットが終了したことを示す情報をホスト50に通知しても良い。
一方、ステップ501において、モードフラグが「0」であれば、ダミーデータの記録を許可するモードが選択されており、ステップ501での判断は否定され、ステップ511に移行する。
このステップ511〜533では、上記ステップ411〜433と同様な処理・判断が行われる。すなわち、フォーマットが再開される。そして、フォーマットが終了したとき、あるいは光ディスクの排出要求により光ディスクを排出したときに、フォーマット再開要求コマンドを受信したときの処理を終了する。
《記録要求コマンドを受信したときの光ディスク装置20での処理》
続いて、前述したフォーマットの途中で排出された光ディスク15が、再度光ディスク装置20にロードされ、ホスト50から記録要求コマンドを受信したときの光ディスク装置20における処理動作について図7を用いて説明する。フォーマット中でないときに、ホスト50から記録要求コマンドを受信すると、図7のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがCPU40のプログラムカウンタにセットされ、処理がスタートする。なお、図7のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。
最初のステップ601では、記録要求コマンドからユーザデータの記録開始アドレスを抽出する。
次のステップ605では、光ディスク15のリードイン領域LIA内に記録されているFDCBを参照し、前記TLOの位置を検索する。
次のステップ607では、フォーマットが必要であるか否かを判断する。ここでは、TLOが記録されている位置のアドレスとユーザデータの記録開始アドレスとを比較して、TLOより後ろに記録開始アドレスが要求された場合には、フォーマットの自動再開が必要であり、ステップ607での判断は肯定され、ステップ609に移行する。
このステップ609では、フラッシュメモリ43に格納されているモードフラグを参照し、フォーマットの再開が禁止されているか否かを判断する。ここで、モードフラグが「3」であり、フォーマットの再開を禁止するモードが選択されていれば、ステップ609での判断は肯定され、ステップ611に移行する。
このステップ611では、TLOが記録されている位置にダミーデータを記録する。すなわち、TLOを消去する。
次のステップ613では、ホスト50からのユーザデータを前述の如くしてデータ領域DZA内の指定位置に記録する。ユーザデータの記録が完了すると、記録要求コマンドを受信したときの処理を終了する。この場合には、バックグランドフォーマットが自動的に再開されることはない。
一方、ステップ609において、モードフラグが「0」であり、ダミーデータの記録を許可するモードが選択されていれば、ステップ609での判断は否定され、ステップ614に移行する。
このステップ614では、ホスト50からのユーザデータを前述の如くしてデータ領域DZA内の指定位置に記録する。ユーザデータの記録が完了すると、ステップ615に移行する。
このステップ615では、バックグランドフォーマットが再開される。すなわち、バックグランドフォーマットの自動再開が実施される。ここでのバックグランドフォーマットの詳細については後述する。そして、バックグランドフォーマットが終了すると、記録要求コマンドを受信したときの処理を終了する。
一方、ステップ607において、TLOより前に記録開始アドレスが要求された場合には、フォーマットの自動再開は不要であり、ステップ607での判断は否定され、ステップ617に移行する。
このステップ617では、ホスト50からのユーザデータを前述の如くしてデータ領域DZA内の指定位置に記録する。ユーザデータの記録が完了すると、記録要求コマンドを受信したときの処理を終了する。この場合には、バックグランドフォーマットが自動的に再開されることはない。
《バックグランドフォーマット自動再開後の光ディスク装置20での処理》
ここで、光ディスク装置20でのバックグランドフォーマットの自動再開処理(図7のステップ615)について図8を用いて説明する。バックグランドフォーマットの自動再開要求に応じて、CPU40のプログラムカウンタに図8のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがセットされ、処理がスタートする。なお、図8のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。
最初のステップ701では、リードイン領域LIA内に記録されているFDCBを参照し、TLOの位置を検索する。そして、TLOが記録されている位置のアドレスをフォーマットの開始アドレスとする。すなわち、TLOはダミーデータで上書きされることとなる。
次のステップ713〜733では、上記ステップ413〜433と同様な処理・判断が行われ、データ領域DZA内の未記録領域へのダミーデータの記録が行われる。
以上説明したように、本実施形態に係る情報記録システム及び記録方法によると、ホスト50では、ユーザにより光ディスクへのダミーデータの記録を許可するモード及び禁止するモードを少なくとも含む複数のモードのうちいずれかのモードが選択され、光ディスク装置に通知される。そして、光ディスク装置20では、ユーザにより選択されたモードに基づいた処理が行われる。通常、光ディスク装置での記録処理は再生処理に比べて必要なパワーが大きい。また、一般的にダミーデータの記録を伴う処理は、その他の処理に比べて、その処理に多大の時間を必要とする。すなわち、ダミーデータの記録を伴う処理では、消費電力量が予想以上に大きくなる場合がある。そこで、ユーザは、光ディスク装置20の駆動電源の容量が有限の場合にダミーデータの記録を禁止するモードを選択しておくことにより、駆動電源の急激な消耗及び駆動電源の予期せぬ遮断を防止することができる。従って、駆動電源の消耗を抑制するとともに、駆動電源の有効利用を促進することが可能となる。
また、本実施形態によると、フォーマット要求コマンドを受信すると、フラッシュメモリ43に格納されているモードフラグを参照し、選択されたモードがダミーデータの記録を許可するモードの場合にのみ、フォーマットを行なっている。そこで、例えばバッテリ駆動のように駆動電源の容量に制限がある場合には、予めダミーデータの記録を禁止するモードを選択しておくことにより、フォーマット要求コマンドを受信してもフォーマットは実施されないため、駆動電源の多大な消耗を防止することができる。従って、予期しない電源遮断を回避することができ、データの再生不良及び追記不可などを防止することが可能となる。すなわち、駆動電源の消耗を抑制するとともに、駆動電源の有効利用を促進することが可能となる。
また、本実施形態では、フォーマット要求のコマンドを受信すると、フラッシュメモリ43に格納されているモードフラグを参照し、選択されたモードがダミーデータの記録は禁止するが初期化は許可するモードの場合には、リードイン領域への所定の初期情報の記録だけは行っているために、その後、記録要求コマンドを受信した際にユーザデータの記録を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、フォーマット再開要求のコマンドを受信すると、フラッシュメモリ43に格納されているモードフラグを参照し、選択されたモードがフォーマットの再開を禁止するモードの場合には、フォーマットを再開しない。そこで、例えばバッテリ駆動のように駆動電源の容量に制限がある場合に、予めフォーマットの再開を禁止するモードを選択しておくことにより、フォーマットが再開されないため、駆動電源の多大な消耗を防止することができる。従って、予期しない電源遮断を回避することができ、データの再生不良及び追記不可などを防止することが可能となる。
また、本実施形態では、記録要求コマンドを受信すると、フォーマットが必要であるか否かをチェックし、フォーマットが必要な場合には、フラッシュメモリ43に格納されているモードフラグを参照し、選択されたモードがフォーマットの再開を禁止するモードの場合には、TLOをダミーデータで上書きした後、ユーザデータの記録を行い、バックグランドフォーマットは自動再開しない。そこで、例えばバッテリ駆動のように駆動電源の容量に制限がある場合に、予めフォーマットの再開を禁止するモードを選択をしておくことにより、バックグランドフォーマットが自動再開されないため、駆動電源の多大な消耗を防止することができる。従って、予期しない電源遮断を回避することができ、データの再生不良及び追記不可などを防止することが可能となる。
また、本実施形態では、ホスト50からのモード選択コマンドに応じてモードを選択している。そこで、例えばホストの駆動電源がAC電源及びバッテリの2電源に対応している場合に、自宅などでAC電源を駆動電源とするときにはダミーデータの記録を許可し、屋外あるいは外出先などでバッテリを駆動電源とするときにはダミーデータの記録を禁止することが容易に可能となる。すなわち、使用環境に応じた処理が可能となる。
また、本実施形態では、フォーマットの再開が禁止されている場合に、フォーマットの中断(又はフォーマットの実行中、フォーマットの終了)という情報をホスト50に通知している。これにより、ホスト50ではフォーマット再開要求に対して正常に受理されたと判断することができるため、ホスト50では直ちに次の処理に移行することが可能となる。
また、本実施形態では、モードフラグはフラッシュメモリ43に格納されているため、ホスト50を立ち上げる度にモードを選択しなおす必要がない。
また、本実施形態では、モード選択コマンドに対する応答コマンドをホスト50に通知しているために、ユーザは光ディスク装置で選択されているモードを知ることが可能となる。従って、選択ミスを防止することができる。なお、光ディスク装置で選択されているモードを要求するコマンドを設定しても良い。これにより、ユーザはいつでも光ディスク装置で選択されているモードを知ることが可能となる。
なお、上記実施形態では、タイムアウト・アンド・プロテクトページのバイト4のビット3〜ビット7にモード選択情報がセットされる場合について説明したが、これに限らず、他の未使用(Reserved)ビットを用いても良い。また、タイムアウト・アンド・プロテクトページ以外のモードページを用いても良い。さらに、モードセレクトコマンド以外のコマンドあるいは新規に定義したコマンドを用いても良い。
また、図9に示されるように、フォーマット要求コマンドに付加されるタイプ・ディペンデント・パラメータのバイト2のビット1にダミーデータの記録を許可あるいは禁止する設定情報をセットしても良い。なお、上記ビット位置はこれまで予約領域とされており、このビット位置を新たにINITビットと定義する。ここでは、INITビットが「1」であればダミーデータの記録を禁止し、INITビットが「0」であればダミーデータの記録を許可することとする。
また、上記のCPU40によるプログラムに従う処理によって実現した構成の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
《設定情報を含むフォーマット要求コマンドを受信したときの光ディスク装置20での処理》
ここで、上記設定情報を含むフォーマット要求コマンドをホスト50から受信したときの光ディスク装置20における処理動作について図10を用いて説明する。フォーマット要求コマンドを受信すると、CPU40のプログラムカウンタに図10のフローチャートに対応するプログラムの先頭アドレスがセットされ、処理がスタートする。なお、図10のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。また、光ディスク15はブランクディスクであるものとする。
最初のステップ801では、フォーマット要求コマンドに付加されたタイプ・ディペンデント・パラメータのINITビットを抽出する。
次のステップ803では、抽出したINITビットを参照し、設定情報がダミーデータの記録禁止であるか否かを判断する。ここで、INITビットが「1」であれば、ダミーデータの記録は禁止されているので、ステップ803での判断は肯定され、ステップ805に移行する。
このステップ805では、上記ステップ403と同様に、リードイン領域LIAの一部の領域に所定の情報を記録する。
次のステップ807では、ダミーデータの記録が禁止されていることを示すエラー情報をホスト50に通知する。そして、フォーマット要求コマンドを受信したときの処理を終了する。すなわち、リードイン領域LIAへの所定の情報の記録は行われるが、ユーザ領域DZAへのダミーデータの記録は行われない。
一方、ステップ803において、INITビットが「0」であれば、ダミーデータの記録は許可されているので、ステップ803での判断は否定され、ステップ809に移行する。
以下、ステップ809〜833では、上記ステップ409〜433と同様な処理・判断を行う。
これにより、フォーマットを行う際に、例えばAC電源を駆動電源とするときにはダミーデータの記録を許可し、バッテリを駆動電源とするときにはダミーデータの記録を禁止することが容易に可能となる。すなわち、使用環境に応じた処理が可能となる。
なお、ホスト50における前記モード選択プログラムは、ホスト50で使用される光ディスクへの情報記録用アプリケーションソフト(以下「ライタソフト」という)に付加されていても良い。これにより、ホスト50では例えばバッテリ残量などの電源情報を監視するための電源監視ソフトがメインメモリに常駐する必要がなくなるため、メモリを有効に利用することができる。また、ライタソフトが電源監視ソフトの影響で誤動作を起こし、データの記録に失敗したり、データを消失するおそれがなくなる。
また、上記実施形態では、モードが4種類の場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。
なお、上記実施形態では、前記記録制御プログラムは、ROM39に記録されているが、他の記録媒体(CD−ROM、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク等)に記録されていても良い。この場合には、各記録媒体に対応するドライブ装置を付加し、各ドライブ装置から記録制御プログラムをインストールすることとなる。要するに、記録制御プログラムがCPU40のメインメモリにロードされれば良い。同様に、前記モード選択プログラムは、ハードディスク56に記録されているが、他の記録媒体(CD−ROM、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク等)に記録されていても良い。この場合には、各記録媒体に対応するドライブ装置を付加し、各ドライブ装置からモード選択プログラムをインストールすることとなる。また、他の記録媒体からハードディスク56に転送しても良い。さらに、ネットワークを介してハードディスク56あるいはメインメモリに転送しても良い。要するに、モード選択プログラムがマイクロコンピュータのメインメモリにロードされれば良い。
また、上記実施形態では、光ディスク15がDVD+RWの場合について説明したが、これに限られるものではなく、ダミーデータの記録を伴う処理が行われる情報記録媒体であれば良い。なお、その場合には、使用される情報記録媒体に対応した光ディスク装置が用いられることとなる。
さらに、上記実施形態では、ホスト50と光ディスク装置20とは、同一の筐体内に配置されていても良いし、個別の筐体内に配置されても良い。
また、上記実施形態では、ユーザデータの記録と再生が可能な光ディスク装置が用いられる場合について説明したが、これに限らず、ユーザデータの記録のみを行なう光ディスク装置であっても良い。
また、上記実施形態では、フォーマットに伴うダミーデータの記録が行われる場合について説明したが、これに限らず、ダミーデータの記録を伴う処理であれば、フォーマット以外の処理についても本発明を適用することが可能である。
10…情報記録システム、15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク装置(情報記録装置)、39…ROM(記録媒体)、40…CPU(モード選択手段、禁止手段、エラー出力手段、受理情報出力手段)、50…ホスト(情報処理装置)、56…HDD(記録媒体)。