JP4137601B2 - ロボットハンドの制御方法、ロボットハンド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の指機構を備えたロボットハンド、および、その把持制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロボットハンドで物体(把持物体)を把持する方法として、以下のものが考えられている。まず、把持物体に対してロボットハンドを位置決めし、ロボットハンドのあらかじめ定められた部位を把持物体に接触させる。次に、この状態から把持物体の把持に際して把持物体に接触させるべき指機構の各関節をあらかじめ定められた形態で作動させ、指機構および掌を把持物体に接触させて、把持物体を把持する。
【0003】
しかし、上記方法では、任意の形状や大きさの把持物体を把持する場合、把持物体に対してロボットハンドを常に精度良く位置決めすることが難しく、把持を行う初期の段階で常にロボットハンドのあらかじめ定められた部位を最初に物体に接触させることが困難である。
【0004】
この問題を解決するために、特許文献1には、多指ハンド装置の制御装置が提案されている。この多指ハンド装置の制御装置は、多指ハンド装置に搭載された複数の力センサのうち1つが把持物体と接触すると、この力センサにより近い力センサから順番に把持物体と接触するように各指機構の関節を作動させて、多指ハンド装置に把持物体を把持させる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−287182号公報(公開日:平成13年10月16日)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の把持制御方法では、例えば指先でつまむような小さな物体から、2本のロボットハンドで把持しなければならない大きな物体まで、同一の動作で把持しようとするため、次のような問題が生じる。
【0007】
すなわち、ロボットハンドで大小さまざまな物体を把持する場合、例えば、指先でつまむ場合、指と掌で掴む場合、あるいは2本のロボットハンドで掴む場合では、把持物体の大きさに応じてロボットハンドの把持動作が異なる。そのため、常に同じ動作で把持を行おうとすると、うまく把持物体を掴むことができずに、失敗する把持動作を繰り返し行うこととなる。
【0008】
この問題を解消するために、例えば、把持物体を撮像し、その形状や大きさを画像処理により認識して、把持物体の形状や大きさに応じてロボットハンドの適切な把持動作を計算により導き出す方法が考えられる。しかし、この方法では、計算処理が膨大となるため、計算に多大な時間を要してしまう。また、暗闇の中では撮像が困難である。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、大小さまざまな把持対象物に対して円滑な把持動作を行うことができるロボットハンド、および、その把持制御方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明のロボットハンドの制御方法は、少なくとも2つの指機構を備え、各指機構が指関節を介して順次連結された複数のリンク部材を具備するとともに、リンク部材に把持物体との接触を検知する接触センサを装着し、指関節にリンク部材の開き角度を検出する角度センサを装着したロボットハンドの制御方法であって、上記複数の接触センサが把持物体と接触したことを検知する接触検知処理と、上記接触検知処理で上記複数の接触センサと把持物体との接触を検知した時のリンク部材の開き角度を角度センサにより検出する角度検出処理と、上記角度検出処理で検出したリンク部材の開き角度に基づき把持物体の概略形状を計算する概略形状計算処理と、上記概略形状計算処理で求めた概略形状から把持物体に適した把持動作を決定する動作決定処理と、を含むことを特徴としている。
【0011】
また、本発明のロボットハンドは、少なくとも2つの指機構を備え、各指機構が指関節を介して順次連結された複数のリンク部材を具備するとともに、リンク部材に把持物体との接触を検知する接触センサを装着し、指関節にリンク部材の開き角度を検出する角度センサを装着したロボットハンドであって、上記複数の接触センサが把持物体と接触したことを検知する接触検知手段と、上記接触検知手段で上記複数の接触センサと把持物体との接触を検知した時のリンク部材の開き角度を角度センサにより検出する角度検出手段と、上記角度検出手段で検出したリンク部材の開き角度に基づき把持物体の概略形状を計算する概略形状計算手段と、上記概略形状計算手段で求めた概略形状から把持物体に適した把持動作を決定する動作決定手段と、を具備することを特徴としている。
【0012】
上記の方法および構成により、複数の接触センサが把持物体と接触したことを検知した時のリンク部材の開き角度を角度センサにより検出し、この開き角度に基づき把持物体の概略形状を計算する。そして、計算で求めた概略形状から把持物体に適した把持動作を決定する。ここで、把持物体の概略形状とは、ロボットハンドが把持可能な程度に詳細かつ正確な形状である。なお、複数の接触センサを把持物体と接触させるタイミングは、同時であってもよいし、そうでなくてもよい。また、接触センサとしては、圧力センサや3軸方位センサが利用できる。また、角度センサとしては、ロータリエンコーダが利用できる。
【0013】
よって、把持物体に接触センサを実際に接触させた時のデータに基づき、把持物体の概略形状を計算することから、ロボットハンドが把持可能な程度に詳細かつ正確な形状を素早く検出できる。また、従来のように把持物体を撮像する必要がないため、暗闇でも検出できる。そして、把持物体の概略形状に基づいて最適な把持動作を決定することから、把持物体を確実に把持することができる。
【0014】
したがって、上記ロボットハンドによれば、大小さまざまな把持物体に対して把持の失敗をすることなく、円滑に把持を行うように把持動作を制御することが可能となる。
【0015】
さらに、本発明のロボットハンドの制御方法は、上記接触検知処理において、同一の指機構に装着されている少なくとも2つの接触センサが把持物体と接触したことを検知し、上記角度検出処理において、上記接触検知処理で把持物体との接触を検知した上記複数の接触センサを含む指機構のリンク部材の開き角度を検出し、上記概略形状計算処理において、各指機構ごとに計算した把持物体の概略形状を総合して把持物体の概略形状を決定することを特徴としている。
【0016】
上記の方法により、さらに、各指機構ごとに複数の接触センサを把持物体に接触させてリンク部材の開き角度を検出し、把持物体の概略形状を計算する。そして、各指機構ごとに求めた把持物体の概略形状を総合して把持物体の概略形状を決定する。なお、複数の接触センサを把持物体と接触させるタイミングは、同時であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0017】
よって、複数の異なる方向について断面形状の半径が求められるため、把持物体の概略形状を精度良く求めることができる。
【0018】
さらに、本発明のロボットハンドの制御方法は、上記接触検知処理において、1つの指関節を介して連結された2つのリンク部材にそれぞれ装着されている2つの接触センサが把持物体と接触したことを検知し、上記角度検出処理において、上記接触検知処理で把持物体との接触を検知した上記2つの接触センサを装着した2つのリンク部材を連結する指関節に装着されている角度センサにより当該リンク部材の開き角度を検出することを特徴としている。
【0019】
上記の方法により、さらに、1つの指関節を介して連結された2つのリンク部材にそれぞれ装着されている2つの接触センサが把持物体と接触したことを検知した時、それら2つの接触センサを装着した2つのリンク部材を連結する指関節に装着されている角度センサにより当該リンク部材の開き角度を検出するし、把持物体の概略形状を計算することができる。なお、2つの接触センサを把持物体と接触させるタイミングは、同時であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0020】
よって、簡易な動作でありながら、把持物体の概略形状を精度良く求めることができる。
【0021】
さらに、本発明のロボットハンドの制御方法は、上記概略形状計算処理において、複数の指機構に装着されている複数の接触センサが把持物体に接触した時の各接触センサ間の相対的な位置関係に基づき把持物体の概略形状を計算して求めることを特徴としている。
【0022】
上記の方法により、さらに、各接触センサ間の相対的な位置関係に基づき把持物体の概略形状を計算して求めることができる。各接触センサ間の相対的な位置関係は、例えば次のようにして求めることができる。まず、ロボットハンドの任意の箇所に設定した原点から、各接触センサまでアーム部材やリンク部材に沿って測定した距離を、接触センサごとに記憶する。そして、接触センサが把持物体に接触した時の各関節部の開き角度と、記憶しておいた接触センサまでの距離から、接触センサの原点からの位置を求める。次に、各接触センサの原点からの位置情報に基づき、各接触センサ間の相対的な位置関係を求める。
【0023】
よって、複雑な形状をしている把持物体の概略形状を精度良く求めることができる。
【0024】
さらに、本発明のロボットハンドの制御方法は、把持物体と接触する指機構の方向を変更する把持方向変更処理を含み、上記概略形状計算処理において、把持方向ごとに計算した把持物体の概略形状を総合して把持物体の概略形状を決定することを特徴としている。
【0025】
上記の方法により、さらに、把持物体と接触する指機構の方向を変更するごとに接触センサを把持物体に接触させてリンク部材の開き角度を検出し、把持物体の概略形状を計算する。そして、各方向ごとに求めた把持物体の概略形状を総合して把持物体の概略形状を決定する。
【0026】
よって、複数の異なる方向について断面形状の半径が求められるため、把持物体の概略形状を精度良く求めることができる。
【0027】
さらに、本発明のロボットハンドの制御方法は、把持物体の把持に失敗した場合、上記把持方向変更処理において、把持物体と接触する指機構の方向を追加するように指機構の方向を変更することを特徴としている。
【0028】
上記の方法により、さらに、把持物体の把持に失敗した場合、ロボットハンドが把持物体と接触する方向を増やして把持物体の概略形状を計算し、計算した概略形状から把持物体に適した把持動作を決定する。
【0029】
よって、把持物体の把持に失敗しても再度適切な把持動作を決定することができる。なお、ロボットハンドが異なった方向から把持物体と接触する回数は、把持の失敗がなくなるまで増やしてもよい。それゆえ、最適な接触回数を設定することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図1から図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0031】
図1に示すように、本実施の形態に係るロボットハンド1は、先端にハンド部1Cが装着されたアーム部1Bが基台1Aに設置されて構成されている。また、ロボットハンド1は、アーム部1Bおよびハンド部1Cの動作を制御する制御部1Dを備えている。
【0032】
アーム部1Bは、腕関節2…を介して順次連結された複数のアーム部材3…より構成されている。
【0033】
ハンド部1Cは、掌部4と、掌部4に装着されている複数の指機構5・5とからなる。各指機構5は、指関節8(8a,8b,…)を介して順次連結された複数のリンク部材6(6a,6b,…)を具備する。また、指機構5は、リンク部材6に把持物体Bとの接触を検知する接触センサ7(7a,7b,…)が装着されるとともに、指関節8にリンク部材6の開き角度θ(指関節8の回転角度)を検出する角度センサ9(9a,9b,…)が装着されている。
【0034】
接触センサ7は、把持物体Bとの接触を検知できればよく、接触センサ7としては、圧力センサや3軸方位センサ等が利用できる。また、角度センサ9としては、ロータリエンコーダ等が利用できる。なお、掌部4にも、接触センサ7および角度センサ9を装着してもよい。
【0035】
制御部1Dは、複数の接触センサ7…および角度センサ9…からの情報をまとめるセンサ制御部11、ロボットハンド1の腕関節2…および指関節8…の動作を制御するロボットハンドコントローラ12、センサ制御部11で計算処理して求めた把持物体の概略形状に基づく把持動作の決定やロボットハンドコントローラ12の制御を行うメインコントローラ13からなる。
【0036】
上記センサ制御部11は、接触検知部(接触検知手段)11A、角度検出部(角度検出手段)11Bを含んでいる。
【0037】
接触検知部11Aは、接触センサ7が把持物体Bと接触したことを検知する。そして、接触検知部11Aは、複数の接触センサ7…が同時に(あるいは順次)把持物体Bと接触したことを検知した時、これを角度検出部11Bに通知する。特に、接触検知部11Aは、同一の指機構5に装着されている少なくとも2つの接触センサ7・7が同時に把持物体Bと接触したことを検知する機能を有する。また、接触検知部11Aは、1つの指関節5を介して連結された2つのリンク部材6・6にそれぞれ装着されている2つの接触センサ7・7が同時に把持物体Bと接触したことを検知する機能を有する。
【0038】
角度検出部11Bは、接触検知部11Aで複数の接触センサ7…と把持物体Bとの接触を検知した時のリンク部材6…の開き角度θを角度センサ9…により検出する。特に、角度検出部11Bは、接触検知部11Aで把持物体Bとの接触を検知した複数の接触センサ7…を含む指機構5のリンク部材6…の開き角度θを検出する機能を有する。また、角度検出部11Bは、接触検知部11Aで把持物体Bとの接触を検知した2つの接触センサ7・7を装着した2つのリンク部材6・6を連結する指関節8に装着されている角度センサ9により当該リンク部材6・6の開き角度θを検出する機能を有する。
【0039】
また、上記メインコントローラ13は、把持方向決定部(把持方向変更手段)13A、概略形状計算部(概略形状計算手段)13B、動作決定部(動作決定手段)13Cを含んでいる。
【0040】
把持方向決定部13Aは、把持物体Bと接触する指機構5の方向を決定する。特に、把持方向決定部13Aは、ロボットハンド1が把持物体Bの把持に失敗した場合、把持物体Bと接触する指機構5の方向を追加するように指機構5の方向を変更する機能を有する。
【0041】
概略形状計算部13Bは、接触検知部11Aで検知した情報や角度検出部11Bで検出したリンク部材6の開き角度θに基づき把持物体Bの概略形状を計算する。特に、概略形状計算部13Bは、各指機構5ごとに計算した把持物体Bの概略形状を総合して把持物体Bの概略形状を決定する機能を有する。また、概略形状計算部13Bは、把持物体Bと接触する指機構5の方向である把持方向ごとに計算した把持物体Bの概略形状を総合して把持物体Bの概略形状を決定する機能を有する。
【0042】
動作決定部13Cは、概略形状計算部13Bで求めた概略形状から把持物体Bに適したロボットハンド1の把持動作を決定する。
【0043】
ここで、制御部1Dは、各ブロック(センサ制御部11、ロボットハンドコントローラ12、メインコントローラ13)が、ハードウェアロジックによって実現されてもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現されてもよい。
【0044】
すなわち、ロボットハンド1の制御装置である制御部1Dは、各ブロックの機能を実現するロボットハンドの制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、制御部1Dは、上述した機能を実現するソフトウェアであるロボットハンドの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、制御部1Dに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、実現可能である。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0045】
このように本明細書において、手段とは必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能がソフトウェアによって実現される場合も包含する。さらに、一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手段により実現されても、もしくは、二つ以上の手段の機能が、一つの物理的手段により実現されてもよい。
【0046】
なお、ロボットハンド1は、アクチュエータ(図示せず)によってX軸での回転が可能である。また、図1では、腕関節2が3つ図示されているが、これに限定されるものではない。すなわち、ロボットハンド1は、用途に応じて適当な数の腕関節2が装着されてもよい。また、同図では、指機構5が2本図示されているが、これに限定されるものではない。すなわち、ロボットハンド1は、用途に応じて適当な数の指機構5が装着されてもよい。また、指機構5の長さ、太さ、さらに指機構5に装着されている指関節8も任意に設定できる。
【0047】
また、接触センサ7の位置検出法としては、角度センサ9を使う方法の他、接触センサ7に無線発信機能等をつけて位置を検出する方法などが考えられる。
【0048】
次に、図2および図3を参照しながら、ロボットハンド1において把持物体Bの概略形状を計算により求める原理について説明する。
【0049】
[1−1]球形もしくは円筒形
まず、把持物体Bが球形もしくは円筒形である場合について説明する。
【0050】
ロボットハンド1が把持動作を開始すると、複数の接触センサ7…のうちの1つの接触センサ7aが把持物体Bに接触する(図2(a))。さらに、ロボットハンド1が把持動作を続けると、接触センサ7aと同一の指機構5に装着されており指関節8を1つ挟んだ位置にある接触センサ7bが把持物体Bに接触する(図2(b))。なお、図2(b)では、説明が明確になるように把持物体Bと指機構5を点線で図示している。
【0051】
図2(b)に示すように、接触センサ7aおよび接触センサ7bが把持物体Bと接触した状態では、接触センサ7aと指関節8aとの距離L1と、接触センサ7bと指関節8aとの距離L2とが同じ距離L(=L1=L2)になる。そして、この状態でのリンク部材6a,6bのなす角度、すなわち、角度センサ9aが検出する指関節8aの開き角度をθとすると、把持物体Bの断面形状の半径rは以下の式で表すことができる。
【0052】
r=L・tan(θ/2) (1)
このように、把持物体Bが球形もしくは円筒形であるとあらかじめ認識している場合には、上式(1)の計算結果である把持物体Bの断面形状の半径rに基づき把持物体Bの概略形状が決定でき、ロボットハンド1の把持動作を決定することが可能となる。
【0053】
なお、図2(a)(b)では、把持物体Bの断面形状の半径を求めるのに、指関節8aを挟んだ位置にある2つの接触センサ7a,7bと角度センサ9aとを用いた。しかし、複数の角度センサ9…を間に挟む接触センサ7・7の組み合わせを用いてもよい。例えば、接触センサ7a,7cを同時に接触させ、その時の角度センサ9a,9bの検出データに基づいて開き角度θを求めて、断面形状の半径rを決定してもよい。
【0054】
また、より精度良く断面形状の半径を求める場合は、データ数を増やして計算しても良い。例えば、接触センサ7a,7bと同一の指機構5に装着されている接触センサ7cを把持物体Bに接触させ、角度センサ9bにより指関節8bの開き角度θを検出し、上式(1)により半径を算出して、2つの半径の平均値から把持物体Bの断面形状を決定してもよい。
【0055】
ここで、3個以上の接触センサ7…を用いて複数の半径から断面形状を求める方法では、例えば検出された複数の開き角度から任意に選んだ2個の開き角度から上記で説明した方法と同じようにして断面形状の半径を求めてもよい。このように、選択した複数の開き角度θから半径を求めていくと、同一断面に対して複数の半径が得られ、それら複数の半径を総合することにより、断面形状の半径を精度良く求めることができる。
【0056】
このように、データ数を増やせば増やすほど、より精度の良い断面形状の半径が求まる。なお、接触センサ7・7の組み合わせは、1つの指関節8を挟むものに限定されない。
【0057】
[1−2]その他の形状
把持物体Bが球形もしくは円筒形以外の形状を有している場合、1方向の断面形状から得た情報では、把持物体Bの概略形状を計算により求めることは難しい。そこで、複数方向の断面形状のデータを取得して、把持物体Bの概略形状を計算して求めることにより、球形もしくは円筒形以外の形状を有する把持物体Bの概略形状を特定することができる。
【0058】
例えば、複数の方向からの断面形状のデータを取得する方法として、他の指機構により断面形状のデータを測定することが考えられる。
【0059】
図3に示すように、把持物体Bに指機構5a,5b,5cを接触させ、各指機構5a,5b,5cごとに上記[1−1]の方法にて把持物体Bの断面形状の半径を計算すれば、把持物体Bに対して3方向からの断面形状の半径を得ることができる。そして、それら3つの半径を総合して把持物体Bの概略形状を計算により求めることができる。
【0060】
なお、図3では、指機構5を3本しか図示していないが、それに限定されるものではない。すなわち、3本以上の指機構5…を備えたロボットハンド1では、把持物体Bに対して3方向以上からの断面形状の半径を得ることができるため、さらに精度良く把持物体Bの概略形状を計算により求めることができる。
【0061】
また、掌部4に接触センサ7(図示せず)を装着して、把持物体Bとの接触を検知してもよい。また、把持物体Bに最初に接触する接触センサは、指先のリンク部材6に装着された接触センサ7であってもよいし、その他のリンク部材6あるいは掌部4に装着された接触センサ7であってもよい。
【0062】
また、複数の方向からの断面形状のデータを取得する方法として、ロボットハンド1を異なった方向から把持物体Bに接触させて、新たな方向の断面形状の半径を取得してもよい。これにより、さらに多くの方向からの断面形状の半径を取得できるため、より複雑な形状の把持物体Bの概略形状を計算により求めることができる。
【0063】
そのためには、方向を変えて指機構5を把持物体Bに接触させた時、方向を変える前からの変更量を把握しておく必要がある。具体的には、例えば、ロボットハンド1の任意の箇所に原点を設定し、初回に把持物体Bに接触した任意の指機構5がどれだけ傾いて異なる方向から把持物体Bに再度接触したかを、原点を基準に測定する。その原点を設ける箇所は、ロボットハンド1の基台1Aとの接合部分や、基台1Aに最も近い腕関節2などが考えられる。
【0064】
把持物体Bに関する複数方向の断面形状の半径データから、把持物体Bの概略形状を計算する方法として以下の方法が考えられる。あらかじめロボットハンド1の任意の位置に原点を設定しておき、断面形状の半径データを取得する時に、原点を基準する接触センサ7の位置情報(方向と距離)を取得し、それを断面形状の半径データに対応づけて保存する。そして、各断面形状の半径データとその位置情報に基づいて、3次元空間に円を重ね合わせて描く演算を行うことによって、把持物体Bの概略形状を決定できる。
【0065】
このように、多方向の断面形状の半径を取得することにより、把持物体Bの概略形状を精度良く計算して求めることができる。
【0066】
複雑な形状をしている把持物体Bの概略形状を求める方法は、上記で示したような多方向の断面形状の半径から計算して求める方法に限定されるわけではない。例えば、ロボットハンド1に装着されている各接触センサ7…が把持物体Bに接触した時の各接触センサ7・7間の相対的な位置関係から把持物体Bの概略形状を求めることができる。各接触センサ7・7間の相対的な位置関係は次のようにして求めることができる。例えば、ロボットハンド1の任意の箇所に原点を設定する。原点から各接触センサ7…まで、アーム部1B、掌部4、各指機構5のリンク部材6に沿って測定した距離はあらかじめわかるので、各接触センサ7…ごとに原点からの距離を記憶しておく。そして、各接触センサ7…が把持物体Bに接触した時の各関節部(腕関節2、指関節8)の開き角度θと各接触センサ7までの距離から各接触センサ7…の原点からの位置がわかる。その位置情報から各接触センサ7・7間の相対的な位置関係を求めれば、把持物体Bの概略形状を計算により決定できる。
【0067】
次に、図4および図5を参照しながら、ロボットハンド1の把持制御方法について説明する。
【0068】
[2−1]球形もしくは円筒形
まず、図4を参照しながら、把持物体Bが球形もしくは円筒形である場合について説明する。なお、以下の説明では、図2(a)(b)で示したように、最初に接触センサ7a(第1の接触センサ)を把持物体Bに接触させ、次に、接触センサ7b(第2の接触センサ)を把持物体Bに接触させるものとする。
【0069】
最初、任意の接触センサ7aを把持物体Bに接触させる(S11)。次に、1つの指関節8aを挟んだ位置にある接触センサ7bを把持物体Bに接触させる(S12)。そして、接触検知部11Aが接触センサ7a,7bによる接触を検知すると(接触検知処理)、角度検出部11Bが上記の数式(1)に従って、断面形状の半径rを計算する(S13、角度検出処理)。
【0070】
次に、概略形状計算部13Bは、ステップS11〜S13によって複数の指機構5…で求められた複数の断面形状の半径を総合して、把持物体Bの概略形状を決定する(S14、概略形状計算処理)。次に、動作決定部11Cが、概略形状計算部13Bが決定した概略形状に応じた最適な把持動作を決定する(S15、動作決定処理)。その後、メインコントローラ13が、動作決定部13Cで決定した把持動作を実行するための指示をロボットハンドコントローラ12に送り、ロボットハンドコントローラ12が最適な把持動作を実行する(S16)。
【0071】
ここで、最適な把持動作とは、例えば指先でつまむとか、またそのとき何本の指を使うかとか、指の腹を使って把持を行うとか、さらには把持物体が大きい場合は両手で把持するとかなどいろいろな動作が考えられる。その判断基準としては、例えば、指機構と掌を広げた大きさより大きな把持物体は両手で把持を行うとか、指機構より短い把持物体などは摘んで把持を行ったり、円筒状の把持物体であれば、把持物体の中心付近を把持するなどが考えられる。もちろん、把持する物体やその目的などによって、把持動作はいろいろ変わってくる。さらに、把持を失敗することで把持動作の学習行い、それに従って把持動作を決定するように構成しても良い。
【0072】
このように、図4に示したフローチャートの把持制御方法は、把持物体Bの形状が球形もしくは円筒形に決まっている場合、形は同じであるが大きさが異なる場合、あるいは、形状がそれほど複雑でない場合に好適である。すなわち、1回の検出で把持物体Bの半径を決定するので、非常に短時間で把持動作を決定することができる。
【0073】
[2−2]その他の形状
次に、図5を参照しながら、把持物体Bが球形もしくは円筒形以外の形状を有している場合について説明する。なお、以下の説明では、図3で示したように、複数本の指機構5…を同時に把持物体Bに接触させるものとする。
【0074】
最初、リンク部材6や掌部4に装着されている複数の接触センサ7…を把持物体Bに接触させる(S21)。そして、接触検知部11Aが複数の接触センサ7…による接触を検知すると(接触検知処理)、角度検出部11Bが検出した開き角度θから、複数の方向の断面形状の半径rを計算する(S22、角度検出処理)。
【0075】
次に、概略形状計算部13Bにあらかじめ設定されている断面形状の規定方向数と断面形状の半径データ数とを比較し(S23)、半径データ数の方が少なければ、把持物体Bへの接触方向を変えて断面形状の半径データを取得する(S24、把持方向変更処理)。
【0076】
一方、ステップS23において、断面形状の規定方向数より半径データ数の方が多ければ、ステップS25へ進み、概略形状計算部13Bが、規定方向数以上の方向について求められた複数の断面形状の半径を総合して、把持物体Bの概略形状を決定する(S25、概略形状計算処理)。次に、動作決定部13Cが、概略形状計算部13Bが決定した概略形状に応じた最適な把持動作を決定する(S26、動作決定処理)。その後、その後、メインコントローラ13が、動作決定部13Cで決定した把持動作を実行するための指示をロボットハンドコントローラ12に送り、ロボットハンドコントローラ12が最適な把持動作を実行する(S27,S28)。
【0077】
ステップS28において、把持物体Bの把持に失敗した場合、把持方向決定部13Aが断面形状の方向数を増やすように把持物体Bを把持する方向を設定し(S29)、ロボットハンドコントローラ12の制御によりアーム部1Bおよびハンド部1Cの位置を調整した後、ステップS25〜S28の処理を行う。すなわち、ロボットハンド1は、把持物体Bの把持に失敗した場合、把持方向を追加して再度半径を取得し、把持動作の決定および実行をやり直す。なお、把持物体Bの把持に成功するまで増加させた断面形状の方向数は、新たな規定方向数として次の把持物体B以降にも継続して適用してもよし、当該把持物体B限りとしてもよい。
【0078】
以上のように、上記ロボットハンド1では、接触センサ7を装着した指機構5を把持物体Bに接触させて、把持物体Bの概略形状を計算により確認してから把持動作を行う。よって、ロボットハンド1によれば、大小さまざまな把持物体Bに対して把持の失敗をすることなく、円滑に把持を行うように把持動作を制御することができる。また、従来のように把持物体Bを撮像する必要がない。なお、把持物体Bの概略形状とは、ロボットハンド1が把持可能な程度に詳細かつ正確な形状である。
【0079】
把持物体Bの概略形状は、接触センサ7を複数の異なる方向から把持物体Bに接触させて、断面形状の半径を多方向から求め、各方向で計算されたデータから把持物体Bの概略形状を計算できる。よって、把持物体Bの概略形状を精度良く求めることができる。なお、ロボットハンド1に装着されている各接触センサ7が把持物体Bに接触した時の各接触センサ7間の相対的な位置情報から把持物体Bの概略形状を計算して、把持物体Bの概略形状を求めることもできる。この方法でも精度良く把持物体Bの概略形状を求めることができる。
【0080】
また、把持物体Bの把持に失敗した場合、ロボットハンド1が把持物体Bと接触する方向を増やして把持物体Bの概略形状を計算し、計算した概略形状から把持物体Bに適した把持動作を決定することができる。すなわち、ロボットハンド1は、把持物体Bの把持に失敗しても、再度適切な把持動作を決定することができる。さらに、また、ロボットハンド1が異なった方向から把持物体Bに接触させる回数は、把持の失敗がなくなるまで増やしてもよい。よって、ロボットハンド1の最適な把持制御方法を設定することができる。
【0081】
上記ロボットハンド1の制御方法によれば、概略形状の違いから把持物体Bを特定できる。よって、ロボットハンド1は、工場における製品や異常形状などの不良品の選別作業などに利用できる。
【0082】
例えば、ある程度形状が決まっている数種類の製品がラインに流れているとき、それら製品の選別作業にロボットハンド1を利用することができる。すなわち、ラインに流れてくる製品をロボットハンド1で一つ一つつかむと、ロボットハンド1は、つかんだ時に製品の概略形状を計算により求めることができるので、求めた概略形状の違いから製品を選別できる。
【0083】
このように、ロボットハンド1によって製品等の選別を行えば、従来のように人手を使うよりコストを削減することができる。また、視覚センサを用いて製品を選別するよりも、画像処理にかかる多大な時間を削減できるとともに、素早く選別できる。なお、製品の形状が直方体等とはっきりしている場合、ロボットハンド1では、半径を計算する必要が無く、製品の幅や高さを検出して製品の選別を行えばよい。また、製品に直接触れたくない場合、製品ごとに柄の太さが異なる箱などに製品を入れればよい。そうすれば、柄の太さによって把持物体の違いを認識できるので、製品の選別が可能となる。
【0084】
さらに、ロボットハンド1は、暗闇の中でも物体の概略形状を計算して求めることができるため、暗闇での探索作業や運搬作業に利用できる。この点、従来の方式では、暗闇では撮像できないので画像処理による把持物体Bの特定ができなかった。
【0085】
なお、本実施の形態は本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、以下のように構成することができる。
【0086】
本発明のロボットハンドの把持制御方法は、少なくとも2本以上の指機構を備え、該指機構に複数の接触センサを装着したロボットハンドにおいて、上記複数の接触センサから読み込まれたデータより把持物体の概略形状を計算し求め、求めた概略形状から該把持物体に適した把持動作を決定する方法であってもよい。これにより、把持物体の概略形状を求めることで最適な把持動作を決定することができ、確実に物体の把持を行うことができる。
【0087】
また、上記ロボットハンドの把持制御方法は、上記把持物体の概略形状は、同一の指機構に装着されている少なくとも2つの接触センサからのデータで把持物体の断面形状を計算して求め、複数の指機構から計算された把持物体の複数の断面形状から上記把持物体の概略形状を計算して求める方法であってもよい。これにより、さらに、把持物体の概略形状を精度良く求めることができる。
【0088】
また、上記ロボットハンドの把持制御方法は、上記同一の指機構に装着されている少なくとも2つの接触センサは、少なくとも1つの関節機構部を挟んだ位置に装着されていてもよい。これにより、さらに、把持物体の概略形状を精度良く求めることができる。
【0089】
また、上記ロボットハンドの把持制御方法は、上記把持物体の概略形状は、複数の指機構に装着されている複数の接触センサが把持物体に接触したときの各接触センサ間の相対的な位置関係で把持物体の概略形状を計算して求める方法であってもよい。これにより、さらに、把持物体の概略形状を精度良く求めることができる。
【0090】
また、上記ロボットハンドの把持制御方法は、上記把持物体の概略形状は、ロボットハンドを複数の異なる方向から把持物体に接触させ、各方向で計算された把持物体の概略形状から把持物体の概略形状を計算する方法であってもよい。これにより、さらに、把持物体の概略形状を精度良く求めることができる。
【0091】
また、上記ロボットハンドの把持制御方法は、上記ロボットハンドの把持制御方法において、物体の把持に失敗した場合は、ロボットハンドが把持物体と接触する方向を増やして把持物体の概略形状を計算し、計算した概略形状から把持物体に適した把持動作を決定する方法であってもよい。これにより、さらに、物体の把持に失敗しても再度適切な把持動作を決定することができる。
【0092】
また、上記ロボットハンドの把持制御方法は、上記ロボットハンドの把持制御方法において、ロボットハンドが異なった方向から把持物体と接触する回数は、把持の失敗がなくなるまで増やす方法であってもよい。これにより、さらに、最適なロボットハンドの把持制御方法を設定することができる。
【0093】
また、上記ロボットハンドの把持制御方法は、上記複数の接触センサは圧力センサであってもよい。これにより、さらに、把持物体の概略形状を精度良く求めることができる。
【0094】
また、上記ロボットハンドの把持制御方法は、上記複数の接触センサは3軸方位センサであってもよい。これにより、さらに、把持物体の概略形状を精度良く求めることができる。
【0095】
【発明の効果】
以上のように、本発明のロボットハンドの制御方法は、少なくとも2つの指機構を備え、各指機構が指関節を介して順次連結された複数のリンク部材を具備するとともに、リンク部材に把持物体との接触を検知する接触センサを装着し、指関節にリンク部材の開き角度を検出する角度センサを装着したロボットハンドの制御方法であって、上記複数の接触センサが把持物体と接触したことを検知する接触検知処理と、上記接触検知処理で上記複数の接触センサと把持物体との接触を検知した時のリンク部材の開き角度を角度センサにより検出する角度検出処理と、上記角度検出処理で検出したリンク部材の開き角度に基づき把持物体の概略形状を計算する概略形状計算処理と、上記概略形状計算処理で求めた概略形状から把持物体に適した把持動作を決定する動作決定処理と、を含む方法である。
【0096】
また、本発明のロボットハンドは、少なくとも2つの指機構を備え、各指機構が指関節を介して順次連結された複数のリンク部材を具備するとともに、リンク部材に把持物体との接触を検知する接触センサを装着し、指関節にリンク部材の開き角度を検出する角度センサを装着したロボットハンドであって、上記複数の接触センサが把持物体と接触したことを検知する接触検知手段と、上記接触検知手段で上記複数の接触センサと把持物体との接触を検知した時のリンク部材の開き角度を角度センサにより検出する角度検出手段と、上記角度検出手段で検出したリンク部材の開き角度に基づき把持物体の概略形状を計算する概略形状計算手段と、上記概略形状計算手段で求めた概略形状から把持物体に適した把持動作を決定する動作決定手段と、を具備する構成である。
【0097】
それゆえ、把持物体に接触センサを実際に接触させた時のデータに基づき、把持物体の概略形状を計算することから、ロボットハンドが把持可能な程度に詳細かつ正確な形状を素早く検出できる。また、従来のように把持物体を撮像する必要がないため、暗闇でも検出できる。そして、把持物体の概略形状に基づいて最適な把持動作を決定することから、把持物体を確実に把持することができる。
【0098】
したがって、上記ロボットハンドおよびその制御方法によれば、大小さまざまな把持物体に対して把持の失敗をすることなく、円滑に把持を行うように把持動作を制御することが可能となるという効果を奏する。
【0099】
さらに、本発明のロボットハンドの制御方法は、上記接触検知処理において、同一の指機構に装着されている少なくとも2つの接触センサが把持物体と接触したことを検知し、上記角度検出処理において、上記接触検知処理で把持物体との接触を検知した上記複数の接触センサを含む指機構のリンク部材の開き角度を検出し、上記概略形状計算処理において、各指機構ごとに計算した把持物体の概略形状を総合して把持物体の概略形状を決定する方法である。
【0100】
それゆえ、さらに、複数の異なる方向について断面形状の半径が求められるため、把持物体の概略形状を精度良く求めることができるという効果を奏する。
【0101】
さらに、本発明のロボットハンドの制御方法は、上記接触検知処理において、1つの指関節を介して連結された2つのリンク部材にそれぞれ装着されている2つの接触センサが把持物体と接触したことを検知し、上記角度検出処理において、上記接触検知処理で把持物体との接触を検知した上記2つの接触センサを装着した2つのリンク部材を連結する指関節に装着されている角度センサにより当該リンク部材の開き角度を検出する方法である。
【0102】
それゆえ、さらに、簡易な動作でありながら、把持物体の概略形状を精度良く求めることができるという効果を奏する。
【0103】
さらに、本発明のロボットハンドの制御方法は、上記概略形状計算処理において、複数の指機構に装着されている複数の接触センサが把持物体に接触した時の各接触センサ間の相対的な位置関係に基づき把持物体の概略形状を計算して求める方法である。
【0104】
それゆえ、さらに、複雑な形状をしている把持物体の概略形状を精度良く求めることができるという効果を奏する。
【0105】
さらに、本発明のロボットハンドの制御方法は、把持物体と接触する指機構の方向を変更する把持方向変更処理を含み、上記概略形状計算処理において、把持方向ごとに計算した把持物体の概略形状を総合して把持物体の概略形状を決定する方法である。
【0106】
それゆえ、さらに、複数の異なる方向について断面形状の半径が求められるため、把持物体の概略形状を精度良く求めることができるという効果を奏する。
【0107】
さらに、本発明のロボットハンドの制御方法は、把持物体の把持に失敗した場合、上記把持方向変更処理において、把持物体と接触する指機構の方向を追加するように指機構の方向を変更する方法である。
【0108】
それゆえ、さらに、把持物体の把持に失敗しても再度適切な把持動作を決定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るロボットハンドの構成の概略を示す機能ブロック図である。
【図2】図2(a)および図2(a)は、図1に示したロボットハンドによる把持物体の半径の検出原理を示す説明図である。
【図3】図1に示したロボットハンドによる把持物体の半径の検出原理を示す説明図である。
【図4】図1に示したロボットハンドの把持制御方法の一手順を示すフローチャートである。
【図5】図1に示したロボットハンドの把持制御方法の他の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ロボットハンド
5 指機構
6(6a,6b,…) リンク部材
8(8a,8b,…) 指関節
7(7a,7b,…) 接触センサ
9(9a,9b,…) 角度センサ
11A 接触検知部(接触検知手段)
11B 角度検出部(角度検出手段)
13A 把持方向決定部(把持方向変更手段)
13B 概略形状計算部(概略形状計算手段)
13C 動作決定部(動作決定手段)
B 把持物体
θ 開き角度
Claims (8)
- 少なくとも2つの指機構を備え、各指機構が指関節を介して順次連結された複数のリンク部材を具備するとともに、リンク部材に把持物体との接触を検知する接触センサを装着し、指関節にリンク部材の開き角度を検出する角度センサを装着したロボットハンドであって、
上記複数の接触センサが把持物体と接触したことを検知する接触検知手段と、
上記接触検知手段で上記複数の接触センサと把持物体との接触を検知した時のリンク部材の開き角度を角度センサにより検出する角度検出手段と、
上記角度検出手段で検出したリンク部材の開き角度に基づき、上記接触検知手段にて把持物体と接触した複数の接触センサのうち、同一の指機構に装着され、かつ指関節を1つ挟んだ位置にある各接触センサと、該各接触センサに挟まれる位置の上記指関節とを含む平面上における上記把持物体の断面形状の半径を計算する概略形状計算手段と、
上記概略形状計算手段で求めた半径から、把持物体を指先でつまむか、指の腹でつまむか、3つ以上の指機構を備えている場合には何本の指でつまむかの動作を決定する動作決定手段と、を具備し、
上記接触検知手段において、同一の指機構に装着されている少なくとも2つの接触センサが把持物体と接触したことを検知し、
上記角度検出手段において、上記接触検知手段で把持物体との接触を検知した上記複数の接触センサを含む指機構のリンク部材の開き角度を検出し、
上記概略形状計算手段において、各指機構ごとに計算した上記把持物体の断面形状の半径の平均値を上記把持物体の断面形状の半径として決定することを特徴とするロボットハンド。 - 少なくとも2つの指機構を備え、各指機構が指関節を介して順次連結された複数のリンク部材を具備するとともに、リンク部材に把持物体との接触を検知する接触センサを装着し、指関節にリンク部材の開き角度を検出する角度センサを装着したロボットハンドの制御方法であって、
上記複数の接触センサが把持物体と接触したことを検知する接触検知処理と、
上記接触検知処理で上記複数の接触センサと把持物体との接触を検知した時のリンク部材の開き角度を角度センサにより検出する角度検出処理と、
上記角度検出処理で検出したリンク部材の開き角度に基づき、上記接触検知処理にて把持物体と接触した複数の接触センサのうち、同一の指機構に装着され、かつ指関節を1つ挟んだ位置にある各接触センサと、該各接触センサに挟まれる位置の上記指関節とを含む平面上における上記把持物体の断面形状の半径を計算する概略形状計算処理と、
上記概略形状計算処理で求めた半径から、把持物体を指先でつまむか、指の腹でつまむか、3つ以上の指機構を備えている場合には何本の指でつまむかの動作を決定する動作決定処理とを含み、
上記接触検知処理において、同一の指機構に装着されている少なくとも2つの接触センサが把持物体と接触したことを検知し、
上記角度検出処理において、上記接触検知処理で把持物体との接触を検知した上記複数の接触センサを含む指機構のリンク部材の開き角度を検出し、
上記概略形状計算処理において、各指機構ごとに計算した上記把持物体の断面形状の半径の平均値を上記把持物体の断面形状の半径として決定することを特徴とするロボットハンドの制御方法。 - 少なくとも2つの指機構を備え、各指機構が指関節を介して順次連結された複数のリンク部材を具備するとともに、リンク部材に把持物体との接触を検知する接触センサを装着し、指関節にリンク部材の開き角度を検出する角度センサを装着したロボットハンドの制御方法であって、
上記複数の接触センサが把持物体と接触したことを検知する接触検知処理と、
上記接触検知処理で上記複数の接触センサと把持物体との接触を検知した時のリンク部材の開き角度を角度センサにより検出する角度検出処理と、
上記角度検出処理で検出したリンク部材の開き角度に基づき、上記接触検知処理にて把持物体と接触した複数の接触センサのうち、同一の指機構に装着され、かつ指関節を1つ挟んだ位置にある各接触センサと、該各接触センサに挟まれる位置の上記指関節とを含む平面上における上記把持物体の断面形状の半径を計算する概略形状計算処理と、
上記概略形状計算処理で求めた半径から、把持物体を指先でつまむか、指の腹でつまむか、3つ以上の指機構を備えている場合には何本の指でつまむかの動作を決定する動作決定処理とを含み、
上記接触検知処理において、同一の指機構に装着されている少なくとも2つの接触センサが把持物体と接触したことを検知し、
上記角度検出処理において、上記接触検知処理で把持物体との接触を検知した上記複数の接触センサを含む指機構のリンク部材の開き角度を検出し、
上記概略形状計算処理において、上記把持物体の断面形状の半径を求めるときにロボットハンドに設定した原点を基準として取得した各接触センサの位置情報と、各指機構ごとに計算した半径とに基づいて、3次元空間に円を重ね合わせて描く演算によって把持物体の概略形状を決定することを特徴とするロボットハンドの制御方法。 - 上記接触検知処理において、1つの指関節を介して連結された2つのリンク部材にそれぞれ装着されている2つの接触センサが把持物体と接触したことを検知し、
上記角度検出処理において、上記接触検知処理で把持物体との接触を検知した上記2つの接触センサを装着した2つのリンク部材を連結する指関節に装着されている角度センサにより当該リンク部材の開き角度を検出することを特徴とする請求項2または3に記載のロボットハンドの制御方法。 - 把持物体と接触する指機構の方向を変更する把持方向変更処理を含み、
上記概略形状計算処理において、把持方向ごとに計算した上記把持物体の断面形状の半径の平均値を把持物体の断面形状の半径として決定することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のロボットハンドの制御方法。 - 把持物体と接触する指機構の方向を変更する把持方向変更処理を含み、
上記概略形状計算処理において、把持物体の断面形状の半径を求めるときに、ロボットハンドに設定した原点を基準として取得した各接触センサの位置情報と、把持方向ごとに計算した半径とに基づいて、3次元空間に円を重ね合わせて描く演算によって把持物体の概略形状を決定することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載のロボットハンドの制御方法。 - 把持物体の把持に失敗した場合、上記把持方向変更処理において、把持物体と接触する指機構の方向を追加するように指機構の方向を変更することを特徴とする請求項5または6に記載のロボットハンドの制御方法。
- 少なくとも2つの指機構を備え、各指機構が指関節を介して順次連結された複数のリンク部材を具備するとともに、リンク部材に把持物体との接触を検知する接触センサを装着し、指関節にリンク部材の開き角度を検出する角度センサを装着したロボットハンドであって、
上記複数の接触センサが把持物体と接触したことを検知する接触検知手段と、
上記接触検知手段で上記複数の接触センサと把持物体との接触を検知した時のリンク部材の開き角度を角度センサにより検出する角度検出手段と、
上記角度検出手段で検出したリンク部材の開き角度に基づき、上記接触検知手段にて把 持物体と接触した複数の接触センサのうち、同一の指機構に装着され、かつ指関節を1つ挟んだ位置にある各接触センサと、該各接触センサに挟まれる位置の上記指関節とを含む平面上における把持物体の断面形状の半径を計算する概略形状計算手段と、
上記概略形状計算手段で求めた半径から、上記把持物体を指先でつまむか、指の腹でつまむか、3つ以上の指機構を備えている場合には何本の指でつまむかの動作を決定する動作決定手段と、を具備し、
上記接触検知手段において、同一の指機構に装着されている少なくとも2つの接触センサが把持物体と接触したことを検知し、
上記角度検出手段において、上記接触検知手段で把持物体との接触を検知した上記複数の接触センサを含む指機構のリンク部材の開き角度を検出し、
上記概略形状計算手段において、上記把持物体の断面形状の半径を求めるときにロボットハンドに設定した原点を基準として取得した各接触センサの位置情報と、各指機構ごとに計算した半径とに基づいて、3次元空間に円を重ね合わせて描く演算によって把持物体の概略形状を決定することを特徴とするロボットハンド。
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