JP4136206B2 - 化粧料、医薬部外品、医薬品、食品 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は酸化防止作用や美白作用が効果を発揮し、美白、肌荒れ防止、肌のつや、クスミの改善及び肌のはりに効果がある化粧品、医薬部外品、医薬品、食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
セプターはマメ科の植物でフィリピン、マラヤ、サラワク、ブルネイなどに分布する。色は褐色帯紅褐色、濃色の縞を有し、やや油性の感触がある。杢目の美しいものは装飾用材、家具材、キャビネット、合板用材と用途は広い。
【0003】
ウバメガシは学名Quercus phillyraeoidesといい、関東東南部以西から沖縄、および中国に分布する常緑低木ないし小高木である。
【0004】
ミズキは学名Cornus controversaといい、日本、朝鮮、台湾、中国、インドシナ、ヒマラヤなどの各地に分布する高さ10m位になる落葉高木である。
【0005】
ヤマザクラは学名 Prunus donarium Sieb.といい、関東以西の日本、朝鮮の山地に分布する。
【0006】
化粧料、医薬部外品、医薬品、食品の原料として求められる機能には様々あるが、使用できる物質は種々知られているが、合成品は、長期間人間の肌に適用した場合の安全性の保証がなく、使用が制限されつつある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、皮膚に適用して安全であると共に、化粧品、医薬部外品、医薬品、食品に求められる有効な成分を含んだ化粧料、医薬部外品、医薬品、食品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するために、すでに多年にわたって食用に供され、人体に対する安全性が確認されている植物をスクリーニングして調べ、化粧料、医薬部外品、医薬品、食品として利用価値のあるものを検討した。その結果セプターの材、ミズキの樹皮、ウバメガシの材、ヤマザクラの材の抽出物が化粧品原料として、或いは医薬部外品、医薬品、食品の原料としての有効性を有することを見い出して本発明を完成するに至ったのである。
【0009】
【作用】
本発明の化粧料、医薬部外品、医薬品、食品として用いられるセプターの材、ミズキの樹皮、ウバメガシの材、ヤマザクラの材の抽出物の確認された作用は、美白作用と活性酸素抑制作用である。
【0010】
肌の色の好みはいろいろあるが、その中でも白い肌は昔より七難隠すと言われるように好まれる肌の色の1つであり、また、しみ、そばかすは肌の問題点の1つである。
原因はいろいろあるが、その1つとして太陽光などからの紫外線がメラニンを産生するメラノサイトを活性化し、過剰に生産されたメラニンが色素沈着の原因の一つである。
皮膚のメラニン沈着は、メラニン産生細胞であるメラノサイト内にメラニンが沈着すること及びメラノサイトからメラニンが表皮角化細胞に移行することによることが知られている
チロシナーゼは、チロシンの酸化を触媒する酵素であり、皮膚のメラニン色素の生成に関与していることが知られている
【0011】
活性酸素抑制作用について説明する。一般に、空気中に酸素がないと生物(嫌気性のものを除く)は存在しえない。しかし、酸素は紫外線や酵素等の影響を受けて活性酸素になる。
この活性酸素は、脂肪酸を酸化し過酸化物を生成させる。生体の生体膜のリン脂質も酸化させ、障害を与える。その上、生成した過酸化物と活性酸素はDNAに損傷を与え、老化を促進するといわれている。この活性酸素は、チロシンからメラニンを作る機構にも影響を与え皮膚の黒化にも関与している。この活性酸素を抑制することは皮膚にとって重要な、言い換えれば化粧料、医薬部外品、医薬品、食品に求められる重要な要素である。
【0012】
セプターの材、ミズキの樹皮、ウバメガシの材、ヤマザクラの材の利用方法としては、水或いは親水性有機溶媒、例えば、エタノール、メタノール、アセトン等で抽出する。しかしながら、化粧料、医薬部外品、医薬品、食品の原料の抽出であるから、水、或いはエタノール又はこれらの混合溶媒での抽出が好ましいのは当然である。また、場合によっては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール又は多価アルコールと水の混液も抽出に利用できる。さらにまた、凍結乾燥して粉体として利用することも利用方法によっては有効である。
【0013】
この物質を他の化粧料、医薬部外品、医薬品、食品の原料、例えば、スクワラン、ホホバ油等の液状油、ミツロウ、セチルアルコール等の固体油、各種の活性剤、グリセリン、1,3ーブチレングリコールラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、リンゴファイバー、大豆ファイバー、肉エキス、黒酢エキス、ゼラチン、コーンスターチやビタミン類など各種薬剤等を配合して様々な剤形の化粧料、医薬部外品、医薬品、食品、例えば、ローション、クリーム、乳液、パック、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、カプセル剤、顆粒剤、パン、チューインガム、クッキー、チョコレート、菓子、シリアル類等の固形食品、ジャム、アイスクリーム、ヨーグルト、ゼリー等のジャム状、クリーム状またはゲル状食品、ジュース、コーヒー、ココア等の飲料等に目的に応じて種々の利用形態の化粧料、医薬部外品、医薬品、食品などに調製することができる。
【0014】
【実施例】
以下に、本発明で使用する、セプターの材、ミズキの樹皮、ウバメガシの材、ヤマザクラの材の抽出物の製造例、実際の利用方法である実施例を記載するが、本発明はこれらの製造例及び実施例によって何ら限定されるものではない。
【0015】
(製造例1−1)セプターの材(乾燥品)10gにエタノール300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後、減圧濃縮後、凍結乾燥した。
【0016】
(製造例1−2)セプターの材(乾燥品)10gに精製水300mlを加えて時々撹拌しつつ5時間、加熱した。これを放冷したのち、濾過し、凍結乾燥した。
【0017】
(製造例1−3)セプターの材(乾燥品)10gに50%エタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後、減圧濃縮後、凍結乾燥した。
【0018】
(製造例2−1)ミズキの樹皮(乾燥品)10gにエタノール300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後、減圧濃縮後、凍結乾燥した。
【0019】
(製造例2−2)ミズキの樹皮(乾燥品)10gに精製水300mlを加えて時々撹拌しつつ5時間、加熱した。これを放冷したのち、濾過し、凍結乾燥した。
【0020】
(製造例2−3)ミズキの樹皮(乾燥品)10gに50%エタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後、減圧濃縮後、凍結乾燥した。
【0021】
(製造例3−1)ヤマザクラの材(乾燥品)10gにエタノール300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後、減圧濃縮後、凍結乾燥した。
【0022】
(製造例3−2)ヤマザクラの材(乾燥品)10gに精製水300mlを加えて時々撹拌しつつ5時間、加熱した。これを放冷したのち、濾過し、凍結乾燥した。
【0023】
(製造例3−3)ヤマザクラの材(乾燥品)10gに50%エタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後、減圧濃縮後、凍結乾燥した。
【0024】
(製造例4−1)ウバメガシの材(乾燥品)10gにエタノール300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後、減圧濃縮後、凍結乾燥した。
【0025】
(製造例4−2)ウバメガシの材(乾燥品)10gに50%エタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後、減圧濃縮後、凍結乾燥した。
【0026】
(実施例1) ローション
オリーブ油 0.5
製造例1−1の抽出物 0.5
ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 2.0
エタノール 10.0
1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0
精製水 80.0
【0027】
(実施例2) クリーム
A スクワラン 20.0
オリーブ油 2.0
ミンク油 1.0
ホホバ油 5.0
ミツロウ 5.0
セトステアリルアルコール 2.0
グリセリンモノステアレート 1.0
ソルビタンモノステアレート 2.0
製造例1−2の抽出物 1.0
B 精製水 47.9
ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0
グリセリン 5.0
1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
AとBをそれぞれ計量し、70℃まで加温し、BにAを攪拌しつつ徐々に加えたのち、ゆっくり攪拌しつつ30℃まで冷却した。
【0028】
(実施例3) ローション
実施例3は実施例1の製造例1−1の抽出物を製造例1−3の抽出物に変えて作成したもの
【0029】
(実施例4) クリーム
実施例4は実施例2の製造例1−2の抽出物を製造例2−1の抽出物に変え、A成分として作成したもの
【0030】
(実施例5) ローション
実施例3は実施例1の製造例1−1の抽出物を製造例2−2の抽出物に変えて作成したもの
【0031】
(実施例6) クリーム
実施例4は実施例2の製造例1−2の抽出物を製造例2−3の抽出物に変え、A成分として作成したもの
【0032】
(実施例7) ローション
実施例3は実施例1の製造例1−1の抽出物を製造例3−1の抽出物に変えて作成したもの
【0033】
(実施例8) クリーム
実施例4は実施例2の製造例1−2の抽出物を製造例3−2の抽出物に変え、A成分として作成したもの
【0034】
(実施例9) ローション
実施例3は実施例1の製造例1−1の抽出物を製造例3−3の抽出物に変えて作成したもの
【0035】
(実施例10) クリーム
実施例4は実施例2の製造例1−2の抽出物を製造例4−1の抽出物に変え、A成分として作成したもの
【0036】
(実施例11) ローション
実施例3は実施例1の製造例1−1の抽出物を製造例4−2の抽出物に変えて作成したもの
【0037】
〔実施例12(錠剤の調製)〕
製造例1−1を20g、結晶セルロースを30g、乳糖20g、ステビア1gを混合し、2gの錠剤にした。
【0038】
〔実施例13(ドリンクの調製)〕
製造例1−2を5g、還元麦芽糖5g、ビタミンC1g、ビタミンB20.05g、ビタミンB60.05g、精製水で100mlにした。
【0039】
〔実施例14(錠剤の調製)〕実施例12において製造例1−1の抽出物を製造例1−3の抽出物に変えて調製した。
【0040】
〔実施例15(ドリンクの調製)〕実施例13において製造例1−2の抽出物を製造例2−1の抽出物に変えて調製した。
【0041】
〔実施例16(錠剤の調製)〕実施例12において製造例1−1の抽出物を製造例2−2の抽出物に変えて調製した。
【0042】
〔実施例17(ドリンクの調製)〕実施例13において製造例1−2の抽出物を製造例2−3の抽出物に変えて調製した。
【0043】
〔実施例18(錠剤の調製)〕実施例12において製造例1−1の抽出物を製造例3−1の抽出物に変えて調製した。
【0044】
〔実施例19(ドリンクの調製)〕実施例13において製造例1−2の抽出物を製造例3−2の抽出物に変えて調製した。
【0045】
〔実施例20(錠剤の調製)〕実施例12において製造例1−1の抽出物を製造例3−3の抽出物に変えて調製した。
【0046】
〔実施例21(ドリンクの調製)〕実施例13において製造例1−2の抽出物を製造例4−1の抽出物に変えて調製した。
【0047】
〔実施例22(錠剤の調製)〕実施例12において製造例1−1の抽出物を製造例4−2の抽出物に変えて調製した。
【0048】
チロシナーゼ活性阻害試験(DOPA基質)
(試験方法)
リン酸緩衝液(pH6.8、30mM) 1.8ml、0.05%L−β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アラニン(L-β-(3,4-Dihydroxy-phenyl)alanine)溶液 1.0ml、実施例の水またはジメチルスルホキシド溶液0.1ml、をスクリューバイアルにとり、25℃恒温水槽中で10分以上恒温にした。
チロシナーゼ溶液(Sigma 社製、マッシュルーム由来、)0.1mlを加え、攪拌し、30秒後に475nm で吸光度を15秒ごとに11回測定した。(吸光度測定セルは25℃に保ちつつ)
対照として、上記試料液のかわりに純水またはジメチルスルホキシドを加え同様に測定した。
計算式
【0049】
結果を表1に示す。
【0050】
チロシナーゼ活性阻害試験(チロシン基質)
(試験方法)
リン酸緩衝液(pH6.8、30mM) 0.9ml、1.66mMチロシン(Tyrosine)溶液 1.0ml、実施例の水またはジメチルスルホキシド溶液0.1ml、精製水0.9mlをスクリューバイアルにとり、37℃恒温水槽中で5分以上加温した。
チロシナーゼ溶液(Sigma 社製、マッシュルーム由来、914 ユニット/ml) 0.1mlを加え、37℃恒温水槽中で保温し、10分後に475nm で吸光度を測定した。
対照として、上記試料液のかわりに純水またはジメチルスルホキシドを加え同様に測定した。
(計算式)
チロシナーゼ活性阻害率(チロシン基質)()={B-(A-P)}/B×100
但し A:試料検体の吸光度
B:対照の吸光度
P:試料検体の着色による吸光度(3倍希釈)
結果を表2に示す。
【0051】
【0052】
B−16メラノーマ細胞試験
検体を所定の濃度になるように、EaglesMEM培地に加え、除菌フィルターでろ過後、牛胎児血清が10%なるように加え、pHを7.6±0.1になるように炭酸水素ナトリウムで調整し、シャーレに6ml分注し、B−16メラノーマ細胞浮遊液(1×106cell/ml)を0.05ml加え、5%CO2、95%airの条件下で37℃で3日間培養した。さらに、培地交換(上記の検体が入った10%牛胎児血清含有EaglesMEM培地)を行い、3日間培養した。(このとき、細胞増殖を判定する)
細胞を剥離し、遠心分離して、細胞を集め、肉眼で白色度の判定を行った。
下記の判定基準に従い判定した結果を表3に示す。
【0053】
判定基準
白色度
ブランクと同程度 ±
わずかに白色化傾向 +
明らかに白色化傾向 ++
強い白色化傾向 +++
細胞増殖
ブランクの80%以上 A
ブランクの60〜80% B
ブランクの30〜60% C
ブランクの30%以下 D
【0054】
【0055】
(活性酸素抑制試験)活性酸素を抑制する効果を測定する方法は各
種あるが、今回以下の方法を利用した。
pH8.2緩衝液(リン酸二水素ナトリウム65mM、ホウ酸ソーダ35mM、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.5mM)を0.2ml、0.5mMキサンチンを0.2ml、1mMヒドロキシルアミン塩酸塩水溶液0.1ml、水0.1mlをバイヤル瓶に加えて攪拌し、検体(製造例の1%水溶液)0.1mlを加えてさらに水0.1mlを加えて攪拌し、キサンチンオキシダーゼ水溶液(ミルク製、6unit/ml)を0.2mlを加えて、37℃で30分間放置した。これに発色液を2.0ml加えて室温で放置30分〜180分の間に550nmの吸光度を測定した。(検体の変わりに水を測定し、ブランクとした)
結果を表4に示す。
【0056】
【0057】
(使用テストの1)女性8名の顔面を左右に分け、一方に、実施例のローションとクリームをセットにして、他方には比較例のローションとクリームをセットにして毎日、1回以上使用してもらって、3カ月後に、美白、肌荒れ防止、肌のつや、クスミの改善及び肌のはりについて評価した。なお、比較例は実施例より製造例の各種抽出物を水に代えたものである(比較例1、2)。なお、48名を6班にわけ、下記表5に示される試料を使って試験した。
【0058】
評価は、下記の評価基準により評価し、その結果をまとめたのが下記の表6である。
(評価基準)
実施例の方が非常によい 3
実施例の方がかなりよい 2
実施例の方がややよい 1
差がない 0
比較例の方がややよい −1
比較例の方がかなりよい −2
比較例の方が非常によい −3
【0059】
【0060】
(使用テストの2)女性6名に実施例の錠剤2錠とドリンク100mlを1日1回毎日、3カ月食してもらった。なお、36名を6班にわけ、下記表7に示される試料を使って試験した。
【0061】
評価は、下記の評価基準により評価し、その結果をまとめたのが下記の表8である。
(評価基準)
試験後の方が非常によい 3
試験後の方がかなりよい 2
試験後の方がややよい 1
差がない 0
試験前の方がややよい −1
試験前の方がかなりよい −2
試験前の方が非常によい −3
【0062】
【効果】
セプターの材、ミズキの樹皮、ウバメガシの材、ヤマザクラの材の抽出物を配合した化粧料、医薬部外品、医薬品、食品は酸化防止作用や美白作用が効果を発揮し、美白、肌荒れ防止、肌のつや、クスミの改善及び肌のはりに効果がある。
Claims (1)
- セプターの材の抽出物を配合した化粧品
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---|---|---|---|
JP21317699A JP4136206B2 (ja) | 1999-07-28 | 1999-07-28 | 化粧料、医薬部外品、医薬品、食品 |
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