JP4135421B2 - 塗装設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械等の本体を構成するフレームなどの中型又は大型の鋳物製品を対象とした被塗物に効率的に塗装した上で、更に塗装工程の後工程に相当する部分すなわち塗膜の風乾または硬化の一部までを実現できる自動動作を意図した塗装設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、塗装室上部を給気側とし、塗装設備の下部を排気側とするプッシュプル方式の空気流を備えた塗装設備としては、自動車ボデーなどの大型被塗物に塗装するための湿式の塗装設備などが提案されている。これは、特開昭61−107967号公報、実開昭58−107174号公報や実開平6−29653号公報などに記載されている方法などが代表的であるが、いずれも塗装効率すなわち塗料の被塗物に対する付着効率を向上させるために塗装設備の室内の上部から下部に向かう空気流をピストン状の押しだし流にするように給気口や排気口の形状や構成などを工夫したことを特徴とするもので、基本的には、スラット式のコンベアで次工程の焼き付け炉等と繋がった構成を持つ。すなわちこの種の塗装設備では、次工程に焼き付け炉が控えているので、特に塗装設備内で温度管理をする必要もなく、当然ながら、給気空気を加熱する手段を有してはいない。
【0003】
また一方、工作機械等の本体を構成するフレームなどの中型又は大型鋳物製品等の塗装については、従来、塗装設備は、被塗物に対して、直交する面すなわち手前側などから塗装し、下部および正面部に乾式または湿式の排気浄化手段を配した構成を持つ。この種の塗装設備で塗装した後、塗装後の製品を塗装工場内の床面や保管用ラックなどに並べて常温にて風乾、硬化進行させる方法が採用されていた。これは、工作機械という精度を要する製品のためまた大型の鋳物製品の特殊性(シーズニング:鋳物製品自体の応力をなくす為、通常約15年放置する。)が、近年、多品種少量生産が中心の為シーズニングが不完全である物が主流であり、一般的には90℃を超える強制加熱を与えると製品に歪みが発生して不良品になってしまうという性質を備えているためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の塗装設備においては、以下の課題があった。工作機械の本体を構成するフレームなどの大型の鋳物製品については、自動車のような量産製品と異なり同一の形状の製品を数多く取り扱うことは少なく、多品種少量生産が中心になるためスラットのコンベアラインを用いて次工程に乾燥・焼成炉を配して生産する自動車などのような連続式の工程の塗装形態では、塗装の生産効率が悪くロスが多くなる。また塗装設備の構成が重装備化し、極めてコスト高になるという課題がある。
【0005】
また、連続式ではなく対応性の高いバッチ式の塗装工程を採用することが必要になるが、バッチ式の塗装工程の場合、被塗物への塗膜形成後、塗装設備内において乾燥・硬化しようとすると熱風による乾燥・硬化は、塗装設備自体の開放面が多いため、熱ロスが多く適切ではない。
【0006】
従って輻射伝熱による例えば赤外線乾燥くらいしか具体的な方法は無く、困難である。更に、赤外線では、赤外線の当たらない影の部分の乾燥はできないため実際には、塗装設備内で乾燥・硬化を有効に進行させることは殆ど出来なかった。このため塗装後の製品は、その後の取り扱いが可能な状態まで常温硬化させるため、工場内の例えば、一時保管倉庫の様な場所に静置しておいて、自然乾燥する方法が採用されてきた。自然乾燥を要するための多大なスペースを必要とするという課題があった。また一時保管倉庫については、格別な温度管理を実施しないため夏、冬など、季節に応じて硬化の進行が著しく異なるため塗膜品質の管理上、極めて取り扱い難いという課題もあった。更には、塗装設備において、塗装を行い、風乾や硬化が十分でない製品を移動、搬送、保管する際に大風量の換気が必要になり消費電力等のロスなどの課題もあった。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、多品種少量生産のバッチ式の塗装工程に適用でき、特に塗装設備で単に被塗物に塗装するのみならず、塗装工程の取り扱いに有利なように、塗装設備に被塗物が搬入、搬出する時に側壁開口部が開口し始めると同時に塗装設備の室内の上部から下部に向かうプッシュプルの空気流で送風する。
【0008】
また、塗膜が人の指で触っても疵が付かない程度まで、被塗物表面の乾燥、硬化を進行させてしまう機能を備えた塗装設備を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の塗装設備は、空調された建屋内に被塗物であるワークを塗装するための第二建屋を設け、前記第二建屋は、天井部を給気側、床部を排気側とするプッシュプル式の空調制御手段を備えた塗装設備であって、前記第二建屋は、ワーク搬入出部となる側壁開口部に開閉機構を備え、通気性作業踏み台と、前記ワークを載置する通気性作業置き台と、通気性内天井と、塗装系装置とをそれぞれ内部に有し、かつ、側壁面、前記側壁開口部、外天井で外部と区画密閉して形成された建屋であって、前記通気性作業踏み台の内の、前記側壁開口部と前記通気性作業置き台との間に位置する部分を他の部分から分けて可動踏み台部となし、前記側壁開口部の開閉と連動して、前記可動踏み台部が、作業踏み台として機能する作業位置と、前記通気性作業置き台に対するワークの搬出入通路を空けるために退避する退避位置との一方から他方に移動するように構成したことを特徴とするものである。
【0010】
上記の構成によれば、被塗物であるワークは、空調された建屋内で一定の温度になじんだ状態で第二建屋内において、プッシュプルの空気流が形成され、噴霧塗料滓の乾式による捕集処理下において、高効率の塗装を行うことができ、更に恒温恒湿に制御された空調手段により、その後の被塗物であるワークの取り扱いが容易なレベルまでの塗膜の乾燥、表面硬化が達成できる。とくに外周を閉じた状態で加熱空気を給気するため加熱エネルギーも少なくてすむ。このように一定の硬化水準(表面硬化)まで達したワークは、空調された建屋内の棚などの適切な保管場所で完全硬化に至らせることができる。
【0011】
空調された建屋は、脱脂などの前処理工程を完了したワークを一時保管する目的および塗膜を形成後に、ワークの塗膜を完全硬化させるための保管の目的で用いるものである。
【0012】
これによりワークの温度は一定温度(10℃から20℃)の管理下で維持することができる。既に建屋の中で、一定温度(10℃から20℃)に管理されたワークを第二建屋にて温度90℃湿度35%の空調条件で塗膜形成するので、塗膜形成は、季節による被塗物温度のバラツキ影響なく実施できる。
【0013】
また内天井部を給気側、床部を排気側とするプッシュプルの空気流下で塗装を行うため、空気流は安定しており、塗料の飛散ロスの少ない、塗装効率が高い塗装ができる。飛散した塗料の残滓の捕集に乾式補集用ブースを採用しているので、面倒な排水処理を必要とする湿式補集用ブースと比較して、メンテナンス性で有利である。
【0014】
またワークの第二建屋への搬入出の際に、側壁開口部(例えば、巻取り式シャッター、収納扉)の開閉と連動して、通気性作業踏み台の内の可動踏み台部部が、作業位置と退避位置の一方から他方に移動するので、スムーズなワークの搬入出ができる。またワークの塗装は、壁面、側壁開口部、外天井で外部と区画密閉して形成されているため内天井から床部への安定したプッシュプルの空気流の環境下で効率高く塗装をすることができる。
【0015】
前記塗装ブースにおいて、側壁開口部の開閉を通じて、ワークを入れた後、すなわち第二建屋が区画密閉、すなわち閉じた状態で内天井部から床部に至るプッシュプル方式の気流を生じさせる。
【0016】
このような環境でワークに塗装系装置を用いて、例えばスプレー塗装を行う。この場合、塗装効率の有利な静電塗装を用いることもできる。ワークの形状に応じてスプレーガンを複数設置しても、レシプロでの上下方向の動作に加え、これらを予め定めた方法でXYZ方向に塗装ロボットによる各種動作をさせても良い。また同様に塗装時においては、被塗物を回転台上で回転させても良いなど従来公知の塗装法の適用が可能である。これらによりかなりの塗装の自動化が可能であるが、当然、作業者によるハンドの塗装も可能である。
【0017】
上記塗装に加えて、更に制御管理装置により、塗装中および塗装後の任意の時間だけ任意の温度、湿度の加熱空気を送気することができるので、第二建屋内でセットされている間に、例えば表面乾燥レベルまで塗膜の乾燥、硬化を進行させることができる。表面乾燥レベルは、塗膜が指で触れても問題がない状態までの乾燥・硬化に相当するので、この状態において、ワークを取り出しても、塗膜の不良問題の危険性は、十分に減少させることができる。従って、塗装工程後の完全硬化などの後工程での取り扱い性が著しく向上する。
【0018】
本発明において、排気の一部または全てを給気側に戻す手段を備えて塗装ブースを構成することで、塗膜の乾燥、硬化の目的で塗装が終わり加熱空気を給排気している動作の際に排気を給気側に戻すことで排気として捨てる熱を回収することができ省エネルギーが見込める。
【0019】
具体的な動作としては、塗装時には、排気流路には、塗料カスによる粉塵や溶剤が混ざるので、これは浄化手段で必要なレベルまで一部浄化されるがこれを給気に用いるとゴミなど塗装不良に繋がる恐れがあるため排気し、専ら塗装後の排気空気を給気側に戻して熱回収する。この動作についての流路の切り替えは、ダンパの開閉などで行うことができる。
【0020】
本発明において、排気側流路に熱交換機を配し、排気熱の一部を回収し、給気側に戻す手段を備えて塗装ブースを構成すれば、熱交換機により、排気側の熱を回収し、給気側に戻すことで省エネルギーが見込める。排気側の空気を給気側に戻す訳ではないので、排気側の粉塵などが給気側空気に誤って混入することは無い。熱回収の方法は、ヒートパイプやヒートポンプなどの手段を利用して排気側の熱を給気側に取り込むことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の一実施例の塗装設備の断面の概要図である。図1においては、空調機器(A)2により空調が施された建屋1の内に第二建屋(以下、塗装ブース3と称す。)が設けられてある。塗装ブース3は、排気系に乾式フィルタ−11を備えた塗装ブース3で鋳物製品の塗装を意図するものである。この塗装ブース3は、通気性内天井4の側に給気系処理装置6と通気性床面5側に排気系処理装置7とを配して、塗装ブース3内に上から下へのプッシュプル式の空気流を形成する。特に給気系処理装置6は、除塵フィルター8と温冷水コイルなどの空調機器(B)9と送風機10より成る(図示しないが)恒温恒湿空調手段36を備えている。被塗物であるワーク(以下、ワーク22と称す。)は、側壁シャッター13を開閉して、塗装ブース3へと搬入出される。塗装ブース3は、通気性作業踏み台(A)14、通気性作業踏み台(B)15、とワーク22をメッシュ状の金属製パレット(以下、パレット35と称す。)に載せたまま載置する通気性作業置き台21と、通気性内天井4と、塗装系装置16とをそれぞれ内部に有し、さらに制御管理装置20を有し、かつ、側壁面24、側壁シャッター13、外天井26で外部と区画密閉して形成されている。側壁シャッター13以外の他三面の側壁面24には人が塗装ブース3に出入りする別の出入り用ドアを設ける。
【0022】
塗装ブース3での動作は以下の通りである。先ず、ワーク22は、パレット35に載った状態で塗装ブース3へと搬入される。その際、塗装ブース3への搬入を行うために電動開閉手段23により、側壁シャッター13が開けられ、側壁シャッター13に連動して作業踏み台(A)14が、格納または移動する。ワーク22はスムーズに塗装ブース3内に搬入され、そのまま作業置き台21上の所定位置に配置される。この条件下で、塗装ブース3には、給気系処理装置6と排気系処理装置7の動作により、除塵フィルター8によりゴミなどが浄化された空気が図1のAよりBの流れのように導入される。また塗装ブース3内でC、Dのように流れ、排気側であるEからFへと排出される。この間の空気の流れは、塗装ブース3の全周が閉じた状態のためプッシュプル式の空気流となる。
【0023】
また、ワーク22に塗装ブース3内に設置された塗装系装置16により塗料17が噴霧される。塗装系装置16は複数台配置しても良い。また塗装系装置16は、ワーク22の形状により塗装ロボットを用いてXYZ方向に動かしても良い。また作業置き台21にモータを配置して、ワーク22を回転させても良い。図1では高圧発生制御装置19およびコンプレッサー18および塗料17の系により静電塗装を実施している場合を示している。ワーク22はアースを備えてプラス、塗料17にはマイナスの電界を印加して塗装を行う。以上により塗装ブース3では、極めて塗装効率の高い塗装を自動的に行うことができる。また当然、人がこの塗装作業を行っても良い。
【0024】
塗装時に(図示しないが)恒温恒湿空調手段36を動作させることで、定めた温度となるように加熱空気を送ることができる。塗装ブース3の通気性内天井4からの空気の吹き出し温度を、(図示はしないが)サーミスタなどの温度計測手段により測り、恒温恒湿空調手段36の出力を制御することでワーク22近傍での目的の空気温度を得ることができる。とくに塗装後、風量あるいは、空気温度を制御させて塗膜の乾燥および硬化を加速させることができる。これにより例えば、短時間で塗膜の後の取り扱いの自由度が高い表面乾燥レベルまで塗膜を処理することができる。こうなった状態でワーク22を取り出し、次の例えば、塗膜硬化を更に進行させるための一次保管場所への移動などが可能な状態になる。ここまでの動作が基本的に無人で自動的に行うことができる。これらの一連の動作は、制御管理装置20により、一連の制御シ−ケンス動作を予めプログラムすることで、コンピュータ制御することができる。
【0025】
建屋1中の空気は、除塵フィルター8で浮遊粉塵などが除去され、恒温恒湿空調手段36からなる冷温水コイルなどよりなる空調機器(B)9により、温湿度制御され、送風機10により、ダクト(a)25−aの接続口(a)27−aを介して、送気手段により塗装ブース3へと送気される。またワーク22に付着しなかった塗料17の粉塵残滓は、塗装ブース3内の床面5や周囲に付着して硬化、または空気流により浮遊粉塵として排気側に運ばれても乾式フィルター11により除去される。
【0026】
塗装ブース3の通気性床面5からの空気は、排気ファン12により排出され、ダクト(b)25−bにより接続口(b)27−bへと至る。排気系処理装置7に備えたバグフィルターなどの乾式フィルター11により塗料17の粉塵残滓は除去される。また塗装時に必要に応じて塗料17の温度を加温制御することもできる。これを併用することにより乾燥、硬化時間を一層短縮できる。
【0027】
ここで用いる塗料17は、各種変成を含むエポキシ樹脂塗料、ウレタン樹脂樹脂塗料を中心としての常温乾燥型塗料や、アクリル樹脂塗料、メラミン樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料などの低温硬化型塗料などいずれも適用可能である。アクリルやウレタン感応基による変成型のフッ素樹脂塗料なども同様に用いることができる。
【0028】
図2は、塗装ブース3を示す斜視図である。恒温恒湿空調手段36を含む給気系処理装置6よりの空気流は、ダクト(a)25−aで搬送され塗装ブース3内に至る。塗装ブース3内には、通気性内天井4から通気性床面5へのプッシュプル式の空気流となる。
【0029】
図3は、作業踏み台部の断面図である。図3(a)、図3(b)は、作業踏み台(A)14の動作を示す。塗装ブース3に、ワーク22がパレット35に載ったままで、塗装ブース3に近接すると、側壁シャッター13の開閉動作と連動して、作業踏み台(A)14が水平位置(作業踏み台として機能する作業位置)から垂直位置(通気性作業置き台に対するワークの搬出入通路を空けるために退避する退避位置)へと移動する。作業踏み台(B)15に相当する部分は、全く移動しない。またこの動作は、(図示しないが)重量センサ、赤外線線センサなどで作業踏み台(A)14の上に人がいないことを感知して行われる。
【0030】
ワーク22が所定位置に設置された後、側壁シャッター13は、閉じられ同時に作業踏み台(A)14も垂直位置から水平位置へと移動して元の位置に戻る。
【0031】
図4に本発明の塗装設備の作業踏み台の動作例を示す。図4(a)、図4(b)は、本発明の作業踏み台(A)14、作業踏み台(B)15の動作を説明するための塗装ブース3断面図である。作業置き台21上に、(図示しないが)パレット35に載ったままのワーク22の搬出入時に、作業踏み台(B)15は、そのままであるが、(図示しないが)側壁シャッター13側の、作業踏み台(A)14は、図4(a)に示す位置から、図4(b)に示す位置に移動する動作を行う。これにより作業置き台21上にパレット35に載ったままのワーク22は、側壁シャッター13側から、塗装ブース3内の所定の場所までスムーズに、搬入出される。
【0032】
図5は、本発明の側壁シャッター13部の動作を示す塗装ブース3断面図である。図5において塗装ブース3の唯一開放可能な側面場所である側壁シャッター13の上面部に電動開閉手段23が設けてある。これによりワーク22の搬送手段と連動して、側壁シャッター13を自動的に開閉することが可能になる。塗装時には、四周を全て閉じた状態で効率の高い塗装ができる。図5の手前側にガラスや透明プラスチックののぞき窓を備えることや人の出入り用の簡単なドアを設置することで側壁シャッター13は、電動シャッターのように巻き取る構成でも良い。また電動開閉手段23の目的は、ワーク22の搬入設置から塗装、指触乾燥などのレベルまでの硬化とワーク22の搬出までの工程を自動的に行うことが狙いであるため、(図示しないが)赤外線センサー及び重量センサーと連動して自動的に側壁シャッター13が開閉できる。側壁シャッター13の形態は、左右に両開きや観音開きなど各種方式の適用が可能である。赤外線センサー、及び重量センサーでワーク22への搬入搬出に対応できる。
【0033】
図6は、本発明の塗装ブース3の送風系の動作モードを示すグラフである。図6において、縦軸は給排気の風量を示し、横軸は経過する時間を示す。原点において、塗装ブース3内の所定の場所にワーク22が設置され、すでに安定した送風状態となった時点を示している。塗装の開始の少し前からすでに給気系処理装置6と排気系処理装置7が動作し、所定の風量(a)で塗装ブース3内には、上面から下面へとプッシュプルの流れが生じている。ここでスプレーガンなどの塗装手段による塗装が開始され、ワーク22上にウエットな塗膜が形成されていく。図7のT1時間後に塗装は、完了する。塗装中は、所定の風量(a)で、塗装ブース3内の気流はプッシュプル気流のため、塗装効率は高くなる。塗装ブース3中の浮遊粉塵化した塗料17は、あまり散らばることなく効率的に排気系処理装置7の乾式フィルタ11で有効に除去される。次に塗装が完了した時点で、風量を増大させる。塗料の噴霧は完了しているため粉塵の発生はほとんど無い。また塗装ブース3には制御管理装置20からの信号により加熱空気が送られるのでT1からT2までの時間においては、ウエットな塗膜が形成されたワーク22の周囲を塗装時より大風量(b)の加熱空気が送られるので、この間、ウエット塗膜の乾燥、硬化が進行し、指で触れても問題がない、いわゆる指触乾燥以上のドライな塗膜の状態までの進行が加速される。このようにして、短時間で塗装からその先の乾燥、硬化レベルまでの工程を塗装ブース3において実現できる。バッチ方式の塗装工場として、良好な生産性を達成できる。
【0034】
図7は、本発明の塗装ブース3内の塗料17が到達する可能性のある部分の表面の断面を示す概念図である。図7において、上記関係する部分(塗装ブース3、作業踏み台(A)14、作業踏み台(B)15、側壁シャッター13、作業置き台21、パレット35などを総称して基材29称す。)表面上に非粘着質被膜30が形成されている。図は、片面の被膜形成してあるように見えるが基材29の露出部分は、全て同様な非粘着質被膜30を形成して用いる。ここに用いる非粘着質被膜30は、(図示しないが)ベースとなる樹脂31に加えて固形粒子32を含んでも良い。適用する樹脂の種類としては、フッソ樹脂、シリコーン樹脂、リオレフィン樹脂の群から選定した一種以上の樹脂31を少なくとも10重量%以上含む樹脂31で、粘土などの塗料物性を調整するための充填剤や増粘剤や隠蔽性を向上させるための顔料等の固形粒子32を含む。
【0035】
当然ながら塗装ブース3は、先の実施例において示したように塗装ブース3内の空気流は、理想的に近いプッシュプル気流であるため、もともと塗料17の塗装ブース3内での飛散が極めて少ない特色を持っているが、図に記載したように塗装ブース3内の基材29の表面に非粘着性被膜30を形成して構成するため、噴霧された塗料17が堆積して、飛散した塗料17が固着して剥離のメンテナンスが必要になった場合にも簡単に剥離作業ができる。このように第1の実施例の塗装ブース3の構成においては、実際に塗装に関わる生産を進めていく上で、人手を要するメンテナンス作業の部分が極めて容易に行えるという利点を持つ。
【0036】
図8は、本発明の他の給気、排気処理装置の実施例に関わる塗装ブース3の給気系処理装置6および排気系処理装置7についての概略図である。図8において、給気系処理装置6および排気処理装置7の構成は、図1と同様である。ただし本実施例においては、図8のように排気系処理装置7の排気は、給気系処理装置6の給気側とダクト(b)25−b、ダクト(a)25−aを介して繋がる。ダクト(b)25−bの途中には、建屋外への排気と給気系処理装置6側へのフィードバックを実現するための手段としての連動式開閉ダンパ33が備えてある。連動式開閉ダンパ33は、排気系処理装置7の下流側に設置したサーミスタなどの温度計測手段あるいは、塗装ブース3の一連の動作シーケンスを管理する制御管理装置20によるコンピュータの指令などにより、排気流路を建屋外への排気又は給気側へのフィードバックまでの任意の組み合わせで空気流を配分し制御することができる。廃棄される熱エネルギーを含む排気空気をその一部でも給気側に戻し、フィードバックすることで給気側が与える熱の一部を節約することができ、これにより省エネルギーが実現される。また給気系処理装置6および排気処理装置7をさらに一体化してユニット化することで、ファンモータを給気手段と排気手段との間で共有化したりして低コスト化を図ったり、また送風系の設置スペースをコンパクトにしたりすることもできる。
【0037】
図9は、本発明の第2の実施例に関わる塗装ブース3、の給気系処理装置6および排気系処理装置7についての概略図である。図9において、給気系処理装置6および排気系処理装置7は、それぞれ独立しているが、排気系処理装置7の熱を回収して、給気系処理装置6に戻すための熱回収用熱交換機34が両者の送風系の途中に備えられている。熱回収用熱交換機34の具体構成として成績係数の観点から、低温の熱エネルギーを冷凍サイクルを通して有効に汲み上げるヒートポンプを用いることが望ましい。ヒートポンプの熱回収用熱交換機34の汚れなどを避けるため熱回収用熱交換機34の配置は、図9に示すように給気系処理装置6では、除塵フィルター8と空調機器(B)9との間に、一方排気系処理装置7では、乾式フィルター11と排気ファン12との間に配置することが望ましい。給気系処理装置6と排気系処理装置7とをユニット化して一体化することで低コスト化や設備設置スペースの節約ができることは、本発明の第1の実施例と同様である。
【0038】
図10は、本発明の第3の実施例で、図10において、空調された建屋1や給気系処理装置6は、図1と同様のため省略している。図10は、塗料17に溶剤を用いない粉体静電塗装を行う場合の塗装ブース3の断面図である。溶剤が無いため、給気系処理装置6が備えた恒温恒湿空調手段36は、塗装ブース3内を空調することで粉体塗料の二次凝集などに関わる粉体物性を良好な状態で維持できるため、安定した塗装を維持することが出来る利点がある。図10において、粉体静電ガンにより塗装が行われる。粉体静電ガンには、塗装制御装置40により高圧の印加および粉体塗料の供給噴霧の制御が行われる。粉体塗料でサイクロンや誘電フィルターなどの捕集手段39で回収され、振動篩38で分級され塗料保管容器37に回収される。一連のシ−ケンス動作は、制御管理装置20でプログラムされコンピュータ制御される。排気系処理装置7は、塗装ブース3に近接する。排気ファン41の動作は、図1の場合と同様である。なおこの場合には、排気系処理装置7に補助フィルターを備えている。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、塗装ブース内において、天井部から床に向かうプッシュプル方式の整流された空気流の環境下で塗装が行われるため塗装効率の高い塗装が見込める。
【0040】
また本発明によれば、ワークの塗装ブース内への搬出入が、ワークが転倒したりするトラブルの懸念無く、スムースに実施できる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の塗装設備の断面の概要図
【図2】同実施例の塗装ブースを示す斜視図
【図3】同実施例の作業踏み台部の断面図
【図4】同実施例の作業踏み台部の動作図
【図5】同実施例の側面シャッター部の動作を示す塗装ブース断面図
【図6】同実施例の塗装ブースの送風系動作モードを示すグラフ
【図7】同実施例の塗装ブース内の塗料が到達する可能性のある部分の表面の断面を示す概念図
【図8】他の給気、排気処理装置の実施例に関わる塗装ブースの給気系処理装置及び排気系処理装置についての概略図
【図9】第2の実施例に関わる塗装ブースの給気系処理装置及び排気系処理装置についての概略図
【図10】第3の実施例の塗装設備に関する要部断面図
【符号の説明】
1…建屋
2…空調機器(A)
3…第二建屋(塗装ブース)
4…通気性内天井
5…通気性床面
6…給気系処理装置
7…排気系処理装置
8…除塵フィルター
9…空調機器(B)
10…送風機
11…乾式フィルター
12…排気ファン
13…側壁シャッター
14…作業踏み台(A)
15…作業踏み台(B)
16…塗装系装置
17…塗料
18…コンプレッサー
19…高圧発生制御装置
20…制御管理装置
21…作業置台
22…ワーク
23…電動開閉手段
24…側壁面
25−a…ダクト(a)
25−b…ダクト(b)
26…外天井
27−a…接続口(a)
27−b…接続口(b)
28…搬送治具
29…基材
30…非粘着質被膜
31…樹脂
32…固形粒子
33…連動式開閉ダンパ
34…熱回収用熱交換機
35…パレット
36…恒温恒湿空調手段
37…塗料保管容器
38…振動篩
39…捕集手段
40…塗装制御装置

Claims (3)

  1. 空調された建屋内に被塗物であるワークを塗装するための第二建屋を設け、前記第二建屋は、天井部を給気側、床部を排気側とするプッシュプル式の空調制御手段を備えた塗装設備であって、前記第二建屋は、ワーク搬入出部となる側壁開口部に開閉機構を備え、通気性作業踏み台と、前記ワークを載置する通気性作業置き台と、通気性内天井と、塗装系装置とをそれぞれ内部に有し、かつ、側壁面、前記側壁開口部、外天井で外部と区画密閉して形成された建屋であって、前記通気性作業踏み台の内の、前記側壁開口部と前記通気性作業置き台との間に位置する部分を他の部分から分けて可動踏み台部となし、前記側壁開口部の開閉と連動して、前記可動踏み台部が、作業踏み台として機能する作業位置と、前記通気性作業置き台に対するワークの搬出入通路を空けるために退避する退避位置との一方から他方に移動するように構成したことを特徴とする塗装設備。
  2. 排気の一部または全てを給気側に戻す手段を備えた請求項1記載の塗装設備。
  3. 排気側流路に熱交換機を配し、排気熱の一部を回収し、給気側に戻す手段を備えた請求項1記載の塗装設備。
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