JP4135322B2 - 画像表示媒体、画像形成方法、画像形成装置、及びイニシャライズ装置 - Google Patents

画像表示媒体、画像形成方法、画像形成装置、及びイニシャライズ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像表示媒体、画像形成方法、画像形成装置、及びイニシャライズ装置に係り、特に、繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体、該画像表示媒体に画像を形成する画像形成方法、画像形成装置、及びイニシャライズ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、所謂電子ペーパーに画像を表示させる技術として、着色粒子の回転、電気泳動、サーマルリライタブル、液晶、エレクトロクロミー等の技術が知られている。このような技術の中で、トナーを用いて表示させる画像表示媒体として、導電性の着色トナーと白色粒子とを対向する表示基板と非表示基板との間に封入し、非表示基板の内側に電荷輸送層が、表示基板の内側にマトリックス電極が形成されたものがある。このような画像表示媒体は、電荷輸送層を介して導電性着色トナーへ電荷が注入され、電荷注入された導電性着色トナーがマトリックス電極により画像に応じて形成された基板間の電界に応じて移動して表示基板へ付着する。これにより、表示基板側に導電性着色トナーと白色粒子とのコントラストとしての画像が表示される。
【0003】
また、繰り返し書き換えが可能な画像表示媒体として、電気泳動を応用した画像表示媒体が知られている。(川居:マイクロカプセルを用いた電気泳動ディスプレイの開発、日本画像学会、エレクトロニックイメージング研究会、p31、1999)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、トナーを用いた画像表示媒体はマトリックス電極を用いているため、従来の像担持体上に形成された静電潜像をトナー現像し、記録用紙にトナー像を転写することにより画像を形成する複写機やプリンタ等の画像形成装置にそのまま用いることはできない。また、電気泳動を応用した画像表示媒体は、絶縁性液体の安全性の確保や高速応答が困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、安全性及び高速応答性を満足すると共に、繰返し書換えが可能な画像表示媒体及び前記画像表示媒体に画像を形成することができると共に、記録用紙に画像を形成する複写機やプリンタと共用することが可能な画像形成方法、画像形成装置、及びイニシャライズ装置を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、少なくとも一方が電荷輸送性を有する一対の基板と、前記電荷輸送性を有する基板に設けられ、電界強度によって抵抗値が変化する半導電性基材から成る異方導電性層と、外部から加えられる電界により移動可能に封入されると共に、色及び特性が異なる複数種類の粒子群と、を含むことを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、画像表示媒体は、少なくとも一方が電荷輸送性を有する一対の基板の中に、外部から加えられる電界、例えば直流電圧や交流電圧が基板間に印加されることにより発生する電界により移動可能な粒子群が封入されている。これらの粒子群は、色及び特性が異なる複数種類の粒子群である。特性には、例えば導電性か絶縁性か、正に帯電するか負に帯電するか等であり、例えば、請求項2にも記載したように、粒子群のうち少なくとも1種類を導電性粒子とすることができる。ここで、基板は少なくとも一方が電荷輸送性を有しているため外部からの電荷注入若しくは摩擦帯電により粒子群を帯電させることができる。
【0008】
従って、画像に応じて電界を加えることにより画像に応じて粒子群が移動し、粒子群の色のコントラストにより画像を表示させることができる。このように画像に応じて外部から電気信号が加えられることにより繰り返し画像を表示させることができる。なお、粒子群の色は少なくとも2種類あればよい。なお、粒子群に電荷輸送性を持たせても良い。
【0009】
また、電荷輸送性を有する基板に異方導電性層を形成する。これにより、輸送される電荷が広がらないので、基板を厚くすることができる。
【0010】
また、電荷輸送性を有する基板は、電荷輸送ポリマーとすることができる。ポリマーは自己支持性の樹脂のため、曲げや伸び等、外力に対して強い構造とすることができる。
【0011】
また、前記基板の間に前記粒子よりも径が大きいスペーサ粒子を封入してもよい。これにより、基板と基板の間の距離を略一定に保つことができる。
【0012】
また、請求項3記載の発明のように、前記基板の間が、所定形状に仕切られたセル構造となるようにしてもよい。これにより、基板と基板の間の距離を略一定に保つことができると共に、基板間に封入された粒子の部分的な偏りが抑えられ、より安定な画像表示を行うことができる。
【0013】
また、請求項4記載の発明のように、導電性粒子が多色画像を形成する複数の各色毎に前記セルに封入されるようにしてもよい。例えば、セル毎に、導電性のイエローの粒子と白色の粒子、導電性のマゼンダの粒子と白色の粒子、導電性のシアンの粒子と白色の粒子を封入する。そして、各色毎に電界を発生させることによりカラー画像を形成することができる。
【0014】
請求項8記載の発明は、前記請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示媒体に画像を形成する画像形成装置であって、潜像担持体と、前記潜像担持体上に画像に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記画像表示媒体が間に位置可能に前記潜像担持体と対向する位置に配置され、前記潜像担持体との間に電界を発生させるための対向電極と、を有することを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明によれば、静電潜像形成手段は、潜像担持体上に画像に応じた静電潜像を形成する。対向電極は、画像表示媒体が間に位置可能に潜像担持体と対向する位置に配置される。すなわち、静電潜像担持体上の静電潜像と対向電極との間に電界を発生させることができる。従って、発生した電界により基板間に封入された粒子群を画像に応じて移動させることができ、画像表示媒体に画像を形成することができる。
【0016】
静電潜像形成手段は、前記潜像担持体上を画像に応じた光ビームで走査することにより前記潜像担持体上に画像に応じた潜像を形成するようにしてもよい。また、イオンを発生させるイオン発生手段により、発生したイオンを画像に応じて前記潜像担持体上に照射することにより前記潜像担持体上に画像に応じた静電潜像を形成するようにしてもよい。また、スタイラス電極に高電圧を印加して画像に応じた電荷を発生させることにより前記潜像担持体上に画像に応じた静電潜像を形成するようにしてもよい。
【0017】
なお、静電潜像と対向電極との間に電界を発生させた後に、さらに画像表示媒体に絶縁層を介して電界を発生させるようにしてもよい。これにより、静電潜像担持体上の電荷による電荷注入が不十分なことにより粒子の移動が不十分な場合でも、粒子を十分に移動させることができ、高い画像濃度を得ることができる。
【0018】
請求項9記載の発明は、前記対向電極は、バイアス電圧が印加されることを特徴としている。これにより、潜像担持体と対向電極との間に逆方向に電界を発生させることができる。従って、例えば対向電極側の基板に付着している粒子を潜像担持体側の基板に、潜像担持体側の基板に付着している粒子を対向電極側に移動させることができる。
【0019】
請求項10記載の発明は、前記導電性粒子を予め帯電させる帯電手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項10記載の発明によれば、帯電手段により導電性粒子を予め帯電させることにより十分に粒子を基板間で移動させることができ、安定して画像を表示することができる。
【0021】
なお、帯電手段は、請求項11にも記載したように、前記基板に直流電圧及び交流電圧の少なくとも一方を印加する。ここで、直流電圧を基板に印加した場合には、導電性粒子を一方の基板側に一様に付着させることができるため、対向電極にバイアスを印加する必要がない。また、交流電圧を印加した場合には、粒子を十分に帯電させることができる。
【0022】
また、請求項12にも記載したように、帯電手段は弾性体で構成され、前記画像表示媒体と密着した状態で前記基板に直流電圧及び交流電圧の少なくとも一方を印加するようにしてもよい。これにより、十分に電荷を基板の中に輸送させることができ、粒子を十分に帯電させることができる。
【0023】
請求項13記載の発明は、前記帯電手段による帯電が行われる前に、前記電荷輸送性を有する基板が接地されることを特徴とする。
【0024】
請求項13記載の発明によれば、帯電手段による帯電が行われる前に、前記電荷輸送性を有する基板を接地するので、粒子に過大な電荷が残っていた場合は、これを除去することができる。このため、粒子の過大帯電による基板表面への強い付着を回避し、粒子に安定した電荷を付与することができる。
【0025】
請求項14記載の発明は、画像が形成される媒体が前記画像表示媒体であるか画像記録媒体であるかを入力する入力手段と、前記入力手段による入力結果が前記画像記録媒体の場合に、前記静電潜像形成手段により形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、前記現像手段により現像されたトナー像を画像記録媒体に転写する転写手段と、前記画像記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0026】
請求項14記載の発明によれば、入力手段は、画像が形成される媒体が前記画像表示媒体であるか、画像記録媒体、すなわち通常の記録用紙であるかを入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス等を用いることができる。ユーザはこの入力手段により媒体を選択することができる。また、入力手段は、請求項15にも記載したように、画像が形成される媒体が前記画像表示媒体であるか画像記録媒体であるかを検出する媒体検出手段としてもよい。この場合、例えば媒体に光を照射し、反射した光の光量値から何れの媒体であるかを検出することができる。また、重量を検出することにより何れの媒体であるかを検出するようにしてもよい。
【0027】
現像手段は、入力手段による入力結果が画像記録媒体の場合、すなわち、通常の記録用紙等の場合に、静電潜像形成手段により形成された静電潜像をトナーにより現像する。転写手段は、現像手段により現像されたトナー像を画像記録媒体に例えば電圧を印加することにより転写する。定着手段は、前記画像記録媒体に転写されたトナー像を、例えば熱定着や圧力定着により定着させる。
【0028】
また、転写手段は、請求項16にも記載したように、対向電極としてもよい。すなわち、画像表示媒体の画像形成と、画像記録媒体の画像形成を同一の転写手段により行うことができる。これにより、装置を簡単な構成にすることができると共に低コストとすることができる。
【0029】
また、媒体が画像表示媒体の場合には、定着処理を行う必要はないため、請求項17記載の発明のように、前記入力手段による入力結果が前記画像表示媒体の場合に、前記定着手段による定着処理を行わないようにしてもよい。これにより、熱等による画像表示媒体の劣化を防ぐことができる。
【0030】
請求項18記載の発明は、前記入力手段による入力結果が前記画像表示媒体の場合に、前記現像手段による現像を停止する現像停止手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0031】
請求項18記載の発明によれば、現像停止手段は、入力手段による入力結果が画像表示媒体の場合には、現像手段を動作させる必要はないため、現像を停止する。また、現像手段を動作可能な状態にしておくと、静電潜像担持体上のトナーが供給されてしまい、画像表示媒体にトナーが汚れてしまう場合がある。従って、現像手段による現像を停止することによりトナーが画像表示媒体に付着してしまうのを防ぐことができる。
【0032】
また、現像停止手段は、現像手段を前記潜像担持体から離間させるようにしてもよい。これにより、トナーが静電潜像担持体に供給されるのを防ぐことができる。また、現像手段に含まれるトナー担持体の回転を停止させるようにしてもよい。また、現像手段に含まれるトナー担持体に前記静電潜像の電位と逆極性の電圧を印加するようにしてもよい。また、現像手段に含まれるトナー担持体へのトナーの供給を停止するようにしてもよい。
【0033】
また、請求項19にも記載したように、静電潜像形成手段と対向電極との間の距離を調節する調節手段をさらに備えるようにしてもよい。これにより、画像表示媒体と画像記録媒体とで厚みが異なる場合でも良好に画像形成を行うことができる。
【0034】
また、請求項5にも記載したように、請求項1乃至請求項4の画像表示媒体において、1対の基板の間に電極層を設けることもできる。これにより両面表示が可能となる。このような両面に画像を形成することができる画像表示媒体は、請求項20に記載したように、潜像担持体と、前記潜像担持体上に画像に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記電極層と接触するガイド電極と、を有する画像形成装置により画像形成することができる。
【0035】
請求項21記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の画像表示媒体をイニシャライズすることを特徴としている。
【0036】
請求項21記載の発明によれば、画像形成を行う前に、画像表示媒体をイニシャライズ、例えば基板の間に封入された粒子を帯電させる。例えば、基板に直流電圧や交流電圧、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧等を印加する。直流電圧を基板に印加した場合には、導電性粒子を一方の基板側に一様に付着させることができる。また、交流電圧を印加した場合には、粒子を十分に帯電させることができる。さらに、交流電圧を印加した後に直流電圧を印加してもよい。これにより、十分に粒子を帯電させることができると共に、導電性粒子を一方の基板側に一様に付着させることができる。
【0037】
また、請求項22にも記載したように、前記粒子群が移動開始する帯電量以下に帯電するようにしてもよい。すなわち、静電潜像担持体上の静電潜像と対向電極との間に電界を発生させる前に、粒子が移動し始める帯電量に近い帯電量に予め粒子を帯電させておく。これにより、後工程の静電潜像担持体で注入する電荷が少なくても粒子を移動させることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。
【0039】
図1には、本実施の形態に係る画像表示媒体10及び画像表示媒体10に画像を形成するための画像形成装置12が示されている。
【0040】
画像表示媒体10は、画像が表示される側の表示基板14と該表示基板14と対向する非表示基板16との間に互いに色が異なる導電性の導電性粒子18及び絶縁性の絶縁性粒子20が封入された構成となっている。また、表示基板14及び非表示基板16は、正孔輸送物質又は電子輸送物質が含有された部材で構成され、正又は負の電荷を輸送する電荷輸送性を有している。なお、どちらか一方の基板に電荷輸送性を持たせるようにしてもよい。
【0041】
ここで、正孔輸送物質としては、ヒドラゾン化合物やスチルベン化合物、ピラゾリン化合物、アリールアミン化合物等がある。基板にはこれらを含有した樹脂を用いることができる。また、電子輸送性物質としては、フルオレノン化合物、ジフェノキノン誘導体、ピラン化合物、酸化亜鉛等がある。基板にはこれらを含有した樹脂を用いることができる。
【0042】
また、基板に電荷輸送性を有する自己支持性の樹脂を用いてもよい。これにより、曲げや伸び等、画像表示媒体10に加わる外力に対して強い構造とすることができる。
【0043】
このような電荷輸送性を有する自己支持性の樹脂としては、電荷輸送性ポリマーがある。例えば、ポリビニルカルバゾール、米国特許第4,806,443号に記載の特定のジヒドロキシアリールアミンとビスクロロホルメートとの重合によるポリカーボネート、米国特許第4,806,444号に記載の特定のジヒドロキシアリールアミンとホスゲンとの重合によるポリカーボネート、米国特許第4,801,517号に記載のビスヒドロキシアルキルアリールアミンとビスクロロホルメート或いはホスゲンとの重合によるポリカーボネート、米国特許第4,937,165号及び同第4,959,288号に記載の特定のジヒドロキシアリールアミン或いはビスヒドロキシアルキルアリールアミンとビスクロロホルメートとの重合によるポリカーボネート、或いはビスアシルハライドとの重合によるポリエステル、米国特許第5,034,296号に記載の特定のフルオレン骨格を有するアリールアミンのポリカーボネート、或いはポリエステル、米国特許第4,983,482号に記載のポリウレタン、特公昭59−28903号公報記載の特定のビススチリルビスアリールアミンを主鎖としたポリエステル、特開昭61−20953号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−134457号公報、特開平1−134462号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報等に記載のヒドラゾン、トリアリールアミン等の電荷輸送性の置換基をペンダントとしたポリマー、“The Sixth International Congress on Advances in Non-impact Printing Technologies, 306, (1990)."により報告されたテトラアリールベンジジン骨格を有するポリマー、等があげられる。
【0044】
また、例えば、特開平8−253568記載の一般式(I−1)または(I−2)で示される電荷輸送性ポリマーが使用できる[式中、Yは2価の炭化水素基を表し、Zは2価の炭化水素基を表し、Aは、式(I−3)(ここで、R1 およびR2 は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基、またはハロゲン原子を表し、Xは置換または未置換の2価の芳香族基を表し、nは1〜5の整数を表し、kは0または1を表す)で示される基を表わし、BおよびB′は、それぞれ独立に基−O−(Y−O)m−Hまたは基−O−(Y−O)m−CO−Z−CO−OR′(ここで、R′は水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基を表し、Yは2価の炭化水素基を表し、Zは2価の炭化水素基を表し、mは1〜5の整数を表す)、mは1〜5の整数を表し、pは5〜5000の整数を表す]。さらに、一般式(I−1)または(I−2)におけるXが、構造式(II)または(III )で示される電荷輸送性ポリマーが使用できる。
【0045】
【化1】
Figure 0004135322
【0046】
また、導電性粒子18は、基板との接触により電荷の移動を行なうことができるものである。このような粒子としては、例えば、カーボンブラック、ニッケル、銀、金、錫等の金属の粒子、又はこれらの材料を粒子表面に被覆したり、含有したりした粒子である。具体的には、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体からなる微粒子の表面に無電界ニッケルメッキを行った真球状導電性粒子(積水化学工業製ミクロパールNI(商品名))、さらにその後、金置換メッキを施した真球状導電性粒子(積水化学工業(株)製ミクロパールAU(商品名))があげられる。また、熱硬化性フェノール樹脂を炭素化焼成して得られるアモルファスカーボンの真球状導電性粒子(ユニチカ(株)製ユニベックスGCP、H-Type(商品名):体積固有抵抗≦10-2Ω・cm)、さらに金、銀などの金属を表面被覆した真球状導電性粒子(ユニチカ(株)製ユニベックスGCP(商品名):体積固有抵抗≦10-4Ω・cm)、シリカ、アルミナの真球状酸化物微粒子の表面にAg及び酸化錫をコーティングした真球状導電性粒子((株)アドマテックス製アドマファイン(商品名))、あるいはスチレン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ガラスなど各種材料からなる母粒子の表面に導電性の微粉末を付着させたり、埋め込んだりした粒子があげられる。また、異なる色の粒子として、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーなどの有色の粒子のほかに、白色あるいは黒色の無色の粒子も含む。白色あるいは黒色の粒子としては、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体からなる真球状粒子(積水化学工業製ミクロパールSP、ミクロパールBB(商品名))、架橋ポリメチルメタクリレートの微粒子(積水化成品工業(株)製MBX-20ブラック、ホワイト(商品名))、ポリテトラフルオロエチレンの微粒子(ダイキン工業(株)製ルブロンL、Shamrock Technologies Inc.製 SST-2(商品名))、シリコーン樹脂微粒子(東芝シリコーン(株)製トスパール)があげられる。
【0047】
なお、以下では、表示基板14及び非表示基板16は正の電荷を輸送する電荷輸送性を有するものとし、導電性粒子18は黒色の粒子であり、絶縁性粒子20は白色の粒子であるとして説明する。
【0048】
画像形成装置12は、静電潜像形成部22、ドラム状の静電潜像担持体24、対向電極26、直流電圧電源28等を備えている。
【0049】
静電潜像形成部22は、静電潜像担持体24の上方に配置されている。静電潜像形成部22は、画像表示媒体10に記録すべき画像に応じた静電潜像を静電潜像担持体24上に形成する。この静電潜像の形成は、例えば非画像部を正の電荷で帯電し、画像部を帯電しないようにすることで行う。
【0050】
静電潜像担持体24の導電性支持体24Aは接地されている。また、静電潜像担持体24は、図中矢印A向へ回転する。
【0051】
対向電極26は、例えば弾性を有した導電性ロール部材で構成されている。これにより、画像表示媒体10とより密着させることができる。また、対向電極26は、静電潜像担持体24と図中矢印B方向へ図示しない搬送手段により搬送される画像表示媒体10を挟んで対向した位置に配置されている。対向電極26は、直流電圧電源28が接続されている。対向電極26は、この直流電圧電源28によりバイアス電圧VBが印加される。この印加するバイアス電圧VBは、例えば図2に示すように、静電潜像担持体24上の正の電荷が帯電した部分の電位をVH、帯電されていない部分の電位をVLとした場合、両者の中間の電位となるような電圧とする。また、対向電極26は図1において矢印C方向に回転する。
【0052】
次に、第1の実施の形態における作用を説明する。
【0053】
静電潜像担持体24が図中矢印A方向に回転開始されると、静電潜像形成部22により静電潜像担持体24上に静電潜像が形成される。
【0054】
一方、画像表示媒体10は、図示しない搬送手段により図中矢印B方向へ搬送され、静電潜像担持体24と対向電極26との間に搬送される。
【0055】
そして、図3に示すように静電潜像担持体24の表示基板14と対向する部分が正の電荷で帯電されていた場合(非画像部)で、かつ表示基板14の静電潜像担持体24と対向する部分に導電性粒子18が付着していた場合には、静電潜像担持体24上の正電荷(非画像部)30は、表示基板14を輸送され、導電性粒子18が帯電される。
【0056】
ここで、対向電極26はバイアス電圧VBが印加されており、対向電極26と対向する位置の静電潜像担持体24の電位はVHとなっている。このため、帯電された導電性粒子18は、表示基板14側から非表示基板16側へ移動し、非表示基板16に付着する。これにより、表示基板14側には白色の絶縁性粒子20のみが現れるため、非画像部に対応する部分に画像は表示されない。
【0057】
一方、図4に示すように、静電潜像担持体24の表示基板14と対向する部分が正の電荷で帯電されていない場合(画像部)で、かつ非表示基板16の対向電極26と対向する部分に導電性粒子18が付着していた場合には、対向電極26から供給される正電荷30が非表示基板16を輸送され、導電性粒子18が帯電される。
【0058】
ここで、対向電極26はバイアス電圧VBが印加されており、対向電極26と対向する位置の静電潜像担持体24の電位はVLとなっている。このため、帯電された導電性粒子18は、非表示基板16側から表示基板14側へ移動し、表示基板14に付着する。これにより、表示基板14側には黒色の導電性粒子18のみが現れるため、画像部に対応する部分に画像が表示される。
【0059】
このようにして、画像に応じて導電性粒子18が移動し、表示基板14側に画像が表示される。なお、画像表示媒体10の基板間に発生していた電界が消失した後も、導電性粒子固有の付着力及び粒子と基板間の鏡像力により表示された画像は維持される。また、導電性粒子18は、基板間に電界が発生すれば再び移動することができるため、画像形成装置12により繰り返し画像を表示させることができる。
【0060】
このように、対向電極26にバイアス電圧が印加されているため、導電性粒子18が表示基板14、非表示基板16の何れの基板に付着している場合であっても導電性粒子18を移動させることができる。このため、導電性粒子18を予め一方の基板側に付着させておく必要がない。また、コントラスト及び尖鋭度の高い画像を形成することができる。さらに、空気を媒体として帯電した粒子を電界により移動させるため、安全性が高い。また、空気は粘性抵抗が低いため、高速応答性を満足させることもできる。
【0061】
なお、画像表示媒体10の少なくとも一方に、異方導電性の層を形成してもよい。画像表示媒体10はシートとして取り扱われるため、ある程度の剛性(こわさ)が必要となる。基板の厚みを厚くして剛性を確保する方法もあるが、このように基板を厚くしてしまうと、図5に示したように、正電荷30が基板を通過する際に面方向に広がってしまい、高解像度な画像を表示させることが難しくなる。これに対し異方導電性の層は、電荷の流れが一方向に制限されるため、厚みが厚くなっても電荷の広がりが発生せず、高解像度な画像を形成することができる。従って、画像表示媒体の対向する基板の少なくとも一方に適当な厚みの異方導電性層を形成することによって、解像度の低下を招くことなく画像表示媒体の剛性を確保することができる。
【0062】
異方導電性の層としては、図6に示すように、絶縁性基材32に径が一例として10μmから100μmの導電性のピン状部材34を絶縁性基材32の厚さ方向に独立に埋め込んだものを使用することができる。また、径が0.1μmから10μmの導電性棒状フィラーを、磁力などを作用させて絶縁性基材の面に対して垂直に配置させたものなども使用することができる。これらによれば、電荷は異方導電性層の導電性部材を通って厚さ方向のみに流れるため、異方導電性層の厚さが厚くなっても電荷の移動時に広がりが発生するのを防ぐことができる。 また、異方導電性の層として、電界強度によって抵抗値が変化する半導電性基材を使用することもできる。これは、図7に示したように、低電界下では高抵抗であるが、高電界下では抵抗が著しく低下するものであり、例えば電界がない状態では電気抵抗率が1014Ω・cm以上、105V/mから107V/mの電界下では電気抵抗率が104Ω・cm以下に変化させるものを使用することができる。これらの半導電性材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリイミド、テフロン等をベースとし、これに導電性微粒子を分散させて抵抗調整を行った材料を使用することができる。これらを使用すると、図8に示したように静電潜像が形成する電界パターンに応じて異方導電層36の電気抵抗を変化させることができ、必要な部分だけ電気抵抗を低下させ、電荷を厚さ方向にのみ流すことができる。
【0063】
また、画像表示媒体10の表面に保護層を形成してもよい。画像表示媒体10は、繰返し使用されるため表面に傷が付き易く、表面が傷付くと画像表示品質が低下するばかりでなく、これと接触する静電潜像担持体や、導電性ロール部材の表面を傷付ける恐れがある。保護層としては耐磨耗性が高く、電荷が厚さ方向に移動できる材料が使用できる。
【0064】
保護層の電気抵抗は、電荷が画像表示媒体10の面方向には広がらず、厚さ方向には必要十分に電荷が移動できることが望ましく、電気抵抗として1010Ω・cmから1013Ω・cm程度が好ましい。これにより、画像表示媒体10の耐磨耗性が向上し、傷がつきにくくなるため、繰返し使用回数を増大させることが可能になる。
【0065】
なお、画像表示媒体10の構成として、例えば図9に示すように、画像表示媒体10の対向する基板の間をセル構造とし、各セル37に粒子を封入するようにしてもよい。これにより、基板間に封入された粒子の部分的な偏りが抑えられ、より安定な画像表示を行うことができる。また、セル壁39により対向する基板の間隙が一定に規制されるため、静電気力による画像表示をより安定に行うことができる。さらに、画像表示媒体10に圧力が加わった際に、画像表示媒体10がつぶれて封入された粒子がパッキングされ、静電気力による粒子の移動ができなくなることもなくなるため、それに起因する表示欠陥を防止することができる。
【0066】
セル構造を有する画像表示媒体10の形成は、少なくとも一方の基板をエッチング処理やレーザ加工、あるいは予め作製した型を使用し、プレス加工などによって、任意のサイズのセルパターンを形成した後、各セルに所望の粒子を入れ、その上から対向する基板を接着することで形成することができる。
【0067】
また、対向する基板の間隙を規制するには、セル構造の他にも図10に示したように、所望の間隙と同等の大きさのスペーサ粒子38を封入し、これによって間隙を規制することもできる。この方法では、粒子の部分的な偏りを防ぐ作用はないが、セル構造を形成するよりも非常に簡単かつ安価に画像表示媒体10を形成することができる。スペーサ粒子としては、表示画像に影響の少ない透明粒子を使用するのが好ましく、例えばガラス粒子や、ポリスチレンやポリエステルやアクリルなどの透明樹脂粒子等を使用することができる。
【0068】
また、本実施の形態では、静電潜像担持体24上の正電荷に帯電された部分を非画像部、帯電されていない部分を画像部とし、導電性粒子を黒色の粒子、絶縁性粒子を白色の粒子として説明したが、これに限らず、静電潜像担持体24上の正電荷に帯電された部分を画像部、帯電されていない部分を非画像部とし、導電性粒子を白色の粒子、絶縁性粒子を黒色の粒子としてもよい。また、電荷輸送性でなく電子輸送性を有する基板を用いて画像表示媒体を構成したり、非表示基板16を静電潜像担持体24側に配置したりし、さらに静電潜像担持体24上の画像部、非画像部の極性、粒子の極性を適宜組み合わせることにより画像形成を行なうようにしてもよい。
【0069】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態で示した画像形成装置12と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0070】
図15に示す画像形成装置12では、静電潜像担持体24及び対向電極26は共に接地されている。また、これに伴い、画像表示媒体10内の導電性粒子18を帯電し、表示基板14側に導電性粒子18を一様に付着させるためのイニシャライザ40を備えている。
【0071】
図11に示すイニシャライザ40は、一対の導電性ロール部材42、この導電性ロール部材42に電圧を印加するための電源44を備えている。導電性ロール部材42Aは図中矢印D方向へ、導電性ロール部材42Bは図中矢印E方向へそれぞれ回転する。
【0072】
電源44は、例えば図12に示すように、直流電圧を導電性ロール部材42に印加する。図12に示した例では、導電性ロール部材42B側が正極となっている。このように構成されたイニシャライザ40では、画像表示媒体10が図示しない搬送手段により図中矢印B方向に搬送され、導電性ロール部材42Aと導電性ロール部材42Bとが対向する位置に搬送されると、電源44により直流電圧の印加を開始する。
【0073】
そして、図12に示すように、印加された直流電圧により導電性ロール部材42Bから供給される正電荷30が電荷輸送性を有する非表示基板16を輸送され、画像表示媒体10に付着していた導電性粒子18が帯電される。帯電された導電性粒子18は、電位が低い表示基板14側へ移動し、表示基板14に付着する。また、導電性ロール部材42A側には負の電荷が発生するが、表示基板14は負の電荷輸送性は有しないため、表示基板14に付着した導電性粒子18が負に帯電することはない。従って、表示基板14に付着した導電性粒子18は非表示基板16側に移動することはない。また、もともと表示基板14側に付着していた導電性粒子18は、帯電されず表示基板14側に付着されたままであり、非表示基板16側に移動することはない。すなわち、導電性ロール部材42に直流電圧を印加することにより、表示基板14側に導電性粒子18を一様に付着させることができる。
【0074】
また、図13に示すように、電源44は、交流電圧を導電性ロール部材42に印加するようにしてもよい。このように交流電圧を印加した場合は、図13に示したように表示基板14側に導電性粒子18が付着していても、非表示基板16側に導電性粒子18が付着していても、導電性ロール部材42から供給される正電荷30が表示基板14又は非表示基板16を輸送され導電性粒子18を帯電する。なお、画像表示媒体10に交流電圧を印加する時間は、少なくとも印加する交流電圧の1周期よりも長い時間とすることが望ましい。このようにすることですべての導電性粒子18を帯電させることができる。従って、これらを考慮して画像表示媒体10がイニシャライザ40を通過する時間、すなわち搬送速度及び交流電圧の周波数を決定する。
【0075】
また、画像表示媒体10に交流電圧を印加した後に直流電圧を印加するようにしてもよい。これにより、すべての導電性粒子18を帯電させると共に、表示基板14側に導電性粒子18を一様に付着させることができる。
【0076】
このように、直流電圧を印加することにより帯電する場合と交流電圧を印加することにより帯電する場合とがあるが、直流電圧を印加して帯電する場合は、粒子への電荷の付与が十分でない。このため、静電潜像の電界を利用した電荷注入により粒子を十分に帯電させることにより、基板間の移動が可能となるようにする。
【0077】
また、交流電圧を印加することにより帯電する場合は、粒子への電荷の付与が十分に行うことができる。このため、静電潜像と対向電極との間の電界に従って粒子を移動させることができる。粒子が十分に帯電している場合は、電荷注入の速度よりも粒子の電界による移動速度の方が速いため、帯電された粒子の移動が支配的となる。
【0078】
なお、イニシャライザ40における電圧印加部材としては、導電性ロール部材42を使用するものとして説明したが、この他にも画像表示媒体10の電荷輸送性を有する基板を通して導電性粒子18に電荷を移動させ、導電性粒子18を帯電させることができるものであれば公知の電圧印加部材を使用することができる。例えば、接触型の電圧印加部材としては導電性ブラシ、非接触電圧印加部材としてはコロトロンやスタイラス電極などを使用することができる。
【0079】
また、導電性ロール部材42を使用する場合、導電性ロール部材42から基板への電荷移動を確実かつ安定に行わせるためには、導電性ロール部材42と画像表示媒体10とを確実に密着させることが重要であり、導電性ロール部材42が弾性を有していることがより望ましい。例えば、金属ロールに電気抵抗を106〜108Ωに制御したポリウレタンゴムを弾性層として被覆したものなどを使用することができる。
【0080】
さらに、イニシャライザ40による帯電に先だって、図14に示すように、表示基板14、非表示基板16を除電部材46で接地させることにより、導電性粒子18及び表示基板14、非表示基板16に存在する過大な電荷を接地面に流すようにしてもよい。この工程により、粒子の過大帯電による基板表面への強い付着を回避し、粒子に安定した電荷を付与することが可能となる。
【0081】
次に第2の実施の形態の作用について説明する。
【0082】
なお、本実施の形態におけるイニシャライザ40は、図12に示したような直流電圧を導電性ロール部材42に印加するものとする。また、交流電圧を印加した後に直流電圧を印加するものを使用してもよい。
【0083】
画像表示媒体10が図示しない搬送手段により図中矢印B方向に搬送され、イニシャライザ40の導電性ロール部材42Aと導電性ロール部材42Bとが対向する位置に搬送されると、電源44により直流電圧の印加を開始する。
【0084】
そして、図12に示すように、印加された直流電圧により導電性ロール部材42Bから供給される正電荷30が電荷輸送性を有する非表示基板16を通り、画像表示媒体10に付着していた導電性粒子18が帯電される。帯電された導電性粒子18は、電位が低い表示基板14側へ移動し、表示基板14に付着する。また、導電性ロール部材42A側には負の電荷が発生するが、表示基板14は負の電荷輸送性は有しないため、表示基板14に付着した導電性粒子18が負に帯電することはない。従って、表示基板14に付着した導電性粒子18は非表示基板16側に移動することはない。また、もともと表示基板14側に付着していた導電性粒子18は、帯電されず表示基板14側に付着されたままであり、非表示基板16側に移動することはない。従って、表示基板14側に導電性粒子18が一様に付着される。
【0085】
次に、静電潜像担持体24が図中矢印A方向に回転開始されると、静電潜像形成部22により静電潜像担持体24上に静電潜像が形成される。
【0086】
一方、画像表示媒体10は、図示しない搬送手段により図中矢印B方向へ搬送され、静電潜像担持体24と対向電極26との間に搬送される。
【0087】
そして、図16に示すように静電潜像担持体24の表示基板14と対向する部分が正の電荷で帯電されていた場合(非画像部)で、かつ表示基板14の静電潜像担持体24と対向する部分に導電性粒子18が付着していた場合には、静電潜像と対向電極との間に形成される電界により、先に帯電された導電性粒子18は表示基板14側から非表示基板16側へ移動し、非表示基板16に付着する。
【0088】
ここで、対向電極26は接地されており、対向電極26と対向する位置の静電潜像担持体24の電位は図17に示すようにVHとなっている。このため、帯電された導電性粒子18は、表示基板14側から非表示基板16側へ移動し、非表示基板16に付着する。これにより、表示基板14側には白色の絶縁性粒子20のみが現れるため、非画像部に対応する部分に画像は表示されない。
【0089】
なお、対向電極26側には負の電荷が誘導されるが、非表示基板16は負の電荷輸送性を有していないため、導電性粒子18が負に帯電されることはなく、非表示基板16に付着した導電性粒子18が再び表示基板14側に移動することはない。
【0090】
また、静電潜像担持体24の表示基板14と対向する部分が正の電荷で帯電されていない場合(画像部)は、この部分の電位は図17に示すようにVLとなり、電界が発生せず、もともと表示基板14に付着していた導電性粒子18は非表示基板16側に移動することはない。
【0091】
これにより、表示基板14側には黒色の導電性粒子18のみが現れるため、画像部に対応する部分に画像が表示される。
【0092】
このように、表示基板14側から非表示基板16側へしか導電性粒子18を移動させることはできないが、イニシャライザ40で予め表示基板14側に導電性粒子18を付着させておくので何ら問題はない。
【0093】
なお、画像表示媒体10の基板間に発生していた電界が消失した後も、導電性粒子固有の付着力及び粒子と基板間の鏡像力により表示された画像は維持される。また、導電性粒子18は、基板間に電界が発生すれば再び移動することができるため、画像形成装置12により繰り返し画像を表示させることができる。
【0094】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、繰り返し使用可能な画像表示媒体10に画像を形成することができると共に、通常の記録用紙に画像を形成することもできる画像形成装置について説明する。
【0095】
図18には、画像表示媒体10及び通常の記録用紙のどちらにも画像を形成することができる画像形成装置12が示されている。なお、第1の実施の形態で示した画像形成装置12と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0096】
図18に示すように、画像形成装置12は、現像装置50、転写装置52、クリーニング装置54、定着装置56、媒体検出センサ58、及び制御部60を備えている。
【0097】
現像装置50は、静電潜像形成部22により静電潜像担持体24上に形成された静電潜像をトナー現像する。トナー像の画像形成は電子写真で一般に用いられている方法を用いることができ、例えば、磁性一成分、非磁性一成分、二成分現像、また現像ロールは接触、非接触の何れの現像方法を用いてもよい。
【0098】
転写手段52は、直流電圧電源62と接続されている。転写手段52は、直流電圧電源62により電圧が印加されることにより静電潜像担持体24上に形成されたトナー像を画像記録媒体としての記録用紙64に転写する。転写部材は、コロトロン、ロールなどの電界による転写を行なう部材であればいかなる物を用いてもよい。
【0099】
また、記録用紙64へのトナー像の転写、画像表示媒体10への画像形成は共に電圧を印加することにより行うことから、転写装置52を、図19に示すように対向電極26と共用してもよい。この場合は、直流電圧電源28を、印加する電圧を制御できる電源とすればよい。
【0100】
クリーニング装置54は、転写後に静電潜像担持体24上に残ったトナーを除去する。また、クリーニング部材については、ブラシ、ロール、ブレード等の部材を用いることができる。
【0101】
定着装置56は、所定温度に加熱することができる一対の定着ローラ66を備えている。この加熱された定着ローラ66により記録用紙64を挟持搬送することにより記録用紙64上のトナー像を熱定着させることができる。また、ローラに限らずベルト状でもよく、熱定着に限らず圧力定着により定着させてもよい。
【0102】
また、画像形成装置12は、図18では図示は省略したが、図20に示すように、媒体の搬送経路上で定着装置56の手前に搬送経路切替部材68が設けられている。この搬送経路切替部材68は、制御部60からの指示により、図中矢印F方向に回転され、媒体の搬送経路を変更する。搬送経路切替部材68は、媒体が記録用紙64の場合は制御部60からの指示により図20に示すように先端が上側に上がった位置とされる。これにより、記録用紙64は定着装置56の方向へ搬送される。一方、媒体が画像表示媒体10の場合は、制御部60からの指示により図中点線で示すように先端が下側に下がった位置とされる。これにより、画像表示媒体10は定着装置56を通過せず、上方へ搬送される。
【0103】
また、搬送経路切替部材68を設けずに、図21に示すように、定着装置56を、記録用紙64と非接触であり、かつ高速に加熱の切替が可能な一対の熱線70を用いてもよい。これにより、搬送される媒体が記録用紙64のときは熱線70を加熱して定着処理を行い、画像表示媒体10のときは熱線70の加熱をオフする。これにより、同一の搬送経路で記録用紙64及び画像表示媒体10を処理することができる。また、熱線照射装置や誘導過熱装置を用いてもよい。
【0104】
また、現像装置50は、図22に示すように、図中矢印G方向へ制御部60からの指示により移動可能となっており、静電潜像担持体24から離間又は当接させることができるようになっている。これにより、記録用紙64への画像形成を行った後に画像表示媒体10の画像形成を行う場合においては、現像装置50を静電潜像担持体50から離間させることにより静電潜像担持体24にトナーが供給されてしまうことがない。従って、画像表示媒体10にトナーが付着するのを防ぐことができる。なお、現像装置50全体を移動させるのではなく、図23に示すように、現像ロール70のみを移動させるようにしてもよい(図中点線の位置)。
【0105】
また、図24に示すように、現像ロール70の駆動を制御部60からの指示により駆動装置72によって停止させたり、図25に示すように現像ロール70を逆回転させ(図中矢印H方向)、せき止め部材74によりトナーが現像ロールへ供給されるのを停止させたり、図26に示すように、印加する電圧の極性を切りかえることができる電圧印加装置76を用いて、現像ロール70に静電潜像の電位と逆極性の電圧を印加したりすることによりトナーが静電潜像担持体24に供給されるのを防ぐようにしてもよい。
【0106】
媒体検出センサ58は、制御部60と接続されている。媒体検出センサ58は、例えば通過する媒体に所定の光(例えば赤外光)を照射することにより反射された光を検出し、該検出された反射光の光量を検出して制御部60へ出力する。また、通過する媒体の重量を検出して制御部60へ出力するようにしてもよい。
【0107】
制御部60では、媒体検出センサ58から出力された検出結果に基づいて画像を形成する媒体が画像表示媒体10であるか記録用紙64であるかの判断を行う。また、制御部60は、媒体に応じて各部の制御パラメータを決定し、この制御パラメータに従って各部を制御する。この制御パラメータには、例えば画像形成パラメータ、電界発生パラメータ、現像装置50を使用するか否か、定着装置56を使用するか否か、媒体の搬送経路等が含まれる。
【0108】
次に、静電潜像形成部22の構成について説明する。図27に示すように、静電潜像形成部22は、帯電装置80、光ビーム走査装置82を備えている。この場合、静電潜像担持体24は、感光体ドラム24を使用することができる。感光体ドラム24は、ドラム状にしたアルミニウムやSUSなどの導電性基体に光導電層を形成したもので、光導電層としては公知の種々の材料を使用することができる。たとえばα-Si,α-Se,As2Se3などの無機光導電性材料や、PVK/TNFなどの有機光導電性材料を用いることができ、これらはプラズマCVDや蒸着法やディッピング法などにより形成することができる。また必要に応じて電荷輸送層やオーバーコート層等を形成してもよい。
【0109】
帯電装置80は、静電潜像担持体24の表面を所望の電位に一様に帯電する。帯電装置80は、感光体ドラム24の表面を任意の電位に帯電させられるものであればよく、本実施の形態では電極ワイヤに高電圧を印加し、静電潜像担持体24との間でコロナ放電を発生させて、感光体ドラム24の表面を一様に帯電するコロトロンを使用したものとする。この他にも、導電性のロール部材、ブラシやフィルム部材等を感光体ドラム24に接触させ、これに電圧を印加して感光体ドラム表面を帯電するものなど、公知の種々の帯電器を使用することができる。
【0110】
光ビーム走査装置82は、帯電された静電潜像担持体24の表面を画像信号に基づいて微小スポット光を照射し、静電潜像担持体24上に静電潜像を形成する。光ビーム走査装置82は、画像情報にしたがって感光体ドラム24表面に光ビームを照射し、一様に帯電された感光体ドラム24上に静電潜像を形成するものであればよく、本実施の形態ではポリゴンミラー84、折り返しミラー86、図示しない光源やレンズ等を備えた結像光学系により、所定のスポット径に調整されたレーザビームを画像信号に応じてオンオフさせながらポリゴンミラー84によって感光体ドラム24の表面を光走査させるROS(RasterOutputScanner)装置とする。この他にもLEDを所望の解像度に応じて並べたLEDヘッド等を使用してもよい。
【0111】
また、静電潜像形成部22の他の例として、図28に示すようなイオン照射ヘッド22を用いてもよい。この場合、静電潜像担持体24としては導電性基体上に誘電体層を形成した誘電体ドラム24を使用することができる。
【0112】
イオン照射ヘッド22は、静電潜像担持体24と離れた位置で生成した気中イオンを、画像情報にしたがって静電潜像担持体24上に照射する。図28に示すように、イオン照射ヘッド22は、気中イオン発生部92とイオン流制御部94から成り、気中イオン発生部92は、例えば図28に示したように電極ワイヤ96に高電圧を印加し、シールド部材98との間でコロナ放電を起こさせることによって、気中イオンを発生させる。またイオン流制御部94は、記録幅方向に所望の解像度に分割して設けられた制御電極100と、気中イオン発生部で発生したイオンを誘電体ドラム表面へ照射する開口部102を有しており、制御電極100への印加電圧極性により、発生したイオンの開口部102の通過を制御する。
【0113】
また、イオン流制御部94は誘電体ドラム24と対向して配置され、開口部102を通過したイオンはイオン照射ヘッド22と誘電体ドラム24との間に形成される電界にしたがって誘電体ドラム24上に付着する。各制御電極100には、画像情報に従って電圧が印加され、誘電体ドラム24上に静電潜像が形成される。
【0114】
また、静電潜像形成部22の他の例として、図29に示すようなスタイラス電極22を用いてもよい。この場合、静電潜像担持体24としては導電性基体上に誘電体層を形成した誘電体ドラム24を使用することができる。
【0115】
スタイラス電極22は、針状の電極を所望の画像解像度が得られるように多数配列したものである。スタイラス電極22は、図29に示すように、針状電極104を誘電体ドラム24に近接配置し、画像信号に従って誘電体ドラム24の導電性基体との間に高電圧を印加すると、特に針状電極104の先端部に高い電界が作用し、ここでコロナ電荷が発生する。発生したコロナ電荷は、針状電極104と誘電体ドラム24との間に形成される電界によって誘電体ドラム24の表面に付着し、誘電体ドラム24の表面を帯電する。これにより、誘電体ドラム24上に静電潜像を形成することができる。
【0116】
次に、第3の実施の形態における作用として制御部60で実行される制御ルーチンについて図30を参照して説明する。
【0117】
図30に示すステップ200では、媒体検出センサ58により媒体が検出されたか否かを判断する。媒体検出センサ58は、例えば通過する媒体に所定の光(例えば赤外光)を照射することにより反射された光を検出し、該検出された反射光の光量を検出して制御部60へ出力する。
【0118】
媒体が検出された場合にはステップ200で肯定され、ステップ202で媒体検出センサ58からの検出結果、すなわち反射光の光量値から搬送される媒体が画像表示媒体10であるか記録用紙64であるかを判断し、判断結果に応じて画像形成パラメータを決定する。この画像形成パラメータは、例えば電界発生パラメータ、現像装置の設定、搬送経路の設定、搬送速度、露光量等がある。
【0119】
電界発生パラメータは、例えば、各部における印加電圧値等であり、搬送される媒体が画像表示媒体10の場合は、静電潜像形成部22、現像装置50、対向電極26の各部における印加電圧値、搬送される媒体が記録用紙64の場合は、静電潜像形成部22、現像装置50、転写装置52、クリーニング装置54の各部における印加電圧値等である。
【0120】
現像装置の設定は、例えば、搬送される媒体が画像表示媒体10の場合には、例えば図22に示すように現像装置50を図中矢印G方向へ移動させ、静電潜像担持体24から離間させるようにする。また、媒体が記録用紙64の場合には、現像装置50を図中矢印G方向へ移動させ、静電潜像担持体24と当接させるようにする。
【0121】
搬送経路の設定は、搬送される媒体が画像表示媒体10の場合には図20に示すように搬送経路切替部材68を図中矢印F方向へ回転させ、先端が下側に位置するようにする(図中点線の位置)。これにより、画像表示媒体10は、画像形成後に定着装置56を通過することなく上方へ搬送させることができる。また、搬送される媒体が記録用紙64の場合には、搬送経路切替部材68を図中矢印F方向へ回転させ、先端が上側に位置するようにする。これにより、記録用紙64を定着装置56側へ搬送させることができる。なお、この場合は定着ローラ66の加熱温度等も設定する。
【0122】
そして、ステップ204で、画像形成処理を行う。すなわち、搬送される媒体が画像表示媒体10の場合には、第1の実施の形態、第2の実施の形態で説明したように、静電潜像形成部22を制御して静電潜像担持体24上に静電潜像を形成させ、対抗電極26にバイアス電圧を印加し、画像表示媒体10に画像を形成させる。また、搬送される媒体が記録用紙64の場合には、静電潜像形成部22を制御して静電潜像担持体24上に静電潜像を形成させ、現像装置50によりトナー現像させる。そして、転写装置52により記録用紙64にトナー像を転写させ、定着装置56により転写されたトナー像を定着させる。このようにして記録用紙64上に画像が形成される。
【0123】
このように、媒体を自動的に検出し、検出した媒体に応じて画像形成処理を行うため、1つの装置で繰り返し使用可能な画像表示媒体10及び記録用紙64の画像形成を行うことができる。また、各媒体に応じて各種パラメータが設定され、これに応じて画像形成が行われるため、画質が劣化するようなこともない。
【0124】
また、本実施の形態では、媒体を自動的に検出し、検出した媒体に応じて画像形成する場合を例に説明したが、ユーザにより画像表示媒体であるか画像記録媒体であるかをキーボードやマウス等の入力装置により手動で入力させ、この入力結果に応じて画像形成パラメータの設定を切り替えて画像形成を行うようにしてもよい。
【0125】
[第4の実施の形態]
次に第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では、画像表示媒体にカラー画像を形成する場合について説明する。
【0126】
カラー画像を形成するための画像表示媒体10は、図31に示すように、前述した図9に示したようなセル構造の画像表示媒体10において、各セル37にイエロー(6Y)粒子106、マゼンタ(6M)粒子108、シアン(6C)110の着色粒子をそれぞれ予め定めた配置でセル37に封入されている。この画像表示媒体10を各色の画像信号に基づいて形成された静電潜像を胆持する静電潜像担持体24と対向電極26との間を搬送させ、各セル37内の着色粒子が静電潜像の形成する電界に従って表示基板14側へ移動する。なお、各セル37共に白色粒子、又は黒色粒子が封入されていてもよい。ここでは、静電潜像担持体24上の各色の画像信号からなる静電潜像の位置と、画像表示媒体10の各色が内包されたセル37の位置を一致させることが重要となる。また、着色粒子の色は赤(R)、緑(G)、青(B)、黒(K)などを適宜加えて色再現域を調整するようにしてもよい。
【0127】
また、特に黒(K)は、上記の帯電粒子の電界による移動に替えて、磁性黒色粒子を各セル37に他の着色粒子と共に封入し、画像信号に基づく磁気吸引力で表示基板14側へ移動して黒色表示させるようにしてもよい。この時、画像信号に基づく磁気吸引力は、例えば磁気スタイラスで与えることができる。
【0128】
各セル37内の各色粒子は、第1の実施の形態、第2の実施の形態で示した方法で同様に帯電することができる。すなわち画像形成を行う工程の前に帯電する方法と、静電潜像が形成する電界に従って電荷を注入する方法である。また、少なくとも電荷輸送材と着色剤を含む粒子を使用するようにしてもよい。電荷輸送材に無色透明な材料を選ぶことにより、帯電性の良さとカラーの発色性の良さを両立することができる。
【0129】
カラー画像の画像形成は、第3の実施の形態で示した処理と基本的に同じであるが、本実施の形態では、カラー画像信号に基づいて各色毎の静電潜像を静電潜像担持体24上に1度に形成する。これにより、各色毎の静電潜像に従って画像表示媒体10の各セルに封入された各色の粒子が表示基板14側に移動する。これにより、1回の画像形成工程でカラー画像を形成することができる。
【0130】
ここで、例えばタンデム構成のカラープリンタでは、4つの感光体上に各色の画像を形成し、これを用紙上に4回重ねて転写するため、用紙上での各色の画素位置合わせが大きな問題となる。また、4サイクル1コピーの構成のカラープリンタでも、1つの感光体上に形成された各色の画像を、4回重ねて用紙上に転写するため、同様の問題がある。これに対して本発明では1回の画像形成工程で複数色の粒子を移動させてカラー画像を形成することができるため、画像表示媒体10上のセル37の画素位置と静電潜像の画素位置を1回合わせるだけでよく、より容易にかつ高速にカラー画像を形成することができる。
【0131】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、図18に示すような、繰り返し使用可能な画像表示媒体10、通常の記録用紙(普通紙)の両方に画像を形成することができる画像形成装置において、静電潜像担持体24と対向電極26とのギャップを可変にする(調節する)ことができる画像形成装置について説明する。なお、第3の実施の形態で示した画像形成装置12と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0132】
図32には、図18の紙面において左側から見た画像形成装置12の概略構成を示した。図32に示すように、ロール状の対向電極26は、その軸26Aが軸受部11に回転可能に支持されている。そして、対向電極26及び静電潜像担持体24が回転することにより画像表示媒体10が対向電極26と静電潜像担持体24との間を挟まれながら搬送される。
【0133】
ところで、通常の紙の厚さは色々あるが、一般的な厚さは約70μm程度であり、これに対して画像表示媒体10の厚さは、約300〜500μmとなっている。このため、両方とも適切に画像表示させるためには、静電潜像担持体24及び対向電極26に十分に密着して搬送させる必要がある。
【0134】
そこで、図32に示す画像形成装置12には、対向電極26を図32において矢印J方向へ移動させるためのカム13が設けられている。
【0135】
カム13は、対向電極26を回転可能に支持する軸受部11に設けられ、図示しない回転駆動部によって回転駆動される。これにより、軸受部11、すなわち対向電極26を矢印J方向へ移動させることができる。なお、図示しない回転駆動部は制御部60により制御される。
【0136】
なお、対向電極26の矢印J方向の移動距離Lは、例えば画像表示媒体10の厚みと画像記録媒体としての記録用紙64の厚みとの差とする。例えば、記録用紙64の厚みを70μm、画像表示媒体10の厚みを400μmとした場合、移動距離Lは330μmとする。
【0137】
制御部60は、媒体検出センサ58により画像表示媒体10が検出された場合には、図示しない回転駆動部を制御してカム13を回転させ、画像表示媒体10が静電潜像担持体24及び対向電極26に十分に密着して搬送されるような予め定めた所定位置に移動させると共に、直流電圧電源28により対向電極26に印加されるバイアス電圧が予め定めた画像表示媒体10用の電圧となるように直流電圧電源28を制御する。
【0138】
また、制御部60は、媒体検出センサ58により記録用紙64が検出された場合には、図示しない回転駆動部を制御してカム13を回転させ、記録用紙64が静電潜像担持体24及び対向電極26に十分に密着して搬送されるような予め定めた所定位置に移動させると共に、直流電圧電源28により対向電極26に印加されるバイアス電圧が予め定めた記録用紙64用の電圧となるように直流電圧電源28を制御する。
【0139】
このように、対向電極26と静電潜像担持体24との間の距離を可変にすることができ、搬送される媒体に応じて適切な位置に対向電極26を移動させることができるため、媒体の種類に関わらず静電潜像担持体24及び対向電極26に媒体を十分に密着させて搬送することができる。従って、静電潜像担持体24による電荷注入を確実に行うことができるため、粒子を十分に移動させることができ、媒体の種類に関わらず良好に画像形成を行うことができる。
【0140】
なお、媒体の厚みを検出する厚みセンサを設け、厚みセンサの検出結果に応じてカム13を駆動させ、対向電極26を適切な位置に移動させるようにしてもよい。
【0141】
また、図33に示すように、カム3に代えてばね15を用いてもよい。図33に示すように、ばね15は支持部材17に収容されると共に軸受部11に取り付けられており、図中矢印J方向へ伸縮可能となっている。通常、ばね15は、その付勢力により静電潜像担持体24を上側へ押圧した状態となっており、その強度は、記録用紙64及び画像表示媒体10の何れも静電潜像担持体24及び対向電極26に十分に密着させて搬送することができる強度となっている。
【0142】
このため、厚みの異なる記録用紙64及び画像表示媒体10の何れが搬送されても静電潜像担持体24及び対向電極26に十分に密着させて搬送することができる。
【0143】
なお、ばねに限らず、対向電極26を図中矢印J方向へ移動させることができるものであれば他の部材でもよい。
【0144】
また、画像形成装置12をプリンタ機能やFAX機能、コピー機能等の複数の機能を備えた装置に適用した場合、使用する機能に応じて媒体を自動的に選択するような構成としてもよい。例えば、FAXを受信した場合には、自動的に画像表示媒体10に受信内容を記録するようにしてもよい。
【0145】
[第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態について説明する。本実施の形態では、静電潜像担持体24により画像表示媒体10に電荷が注入された後、画像表示媒体10の電界を印加する形態について説明する。なお、第1の実施の形態で示した画像形成装置12と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0146】
図34には、本実施の形態に係る画像形成装置12の概略構成を示した。図34に示すように、画像形成装置12は、画像表示媒体10の搬送方向(図中矢印B方向)下流側に画像表示媒体10に電圧を印加するための電圧印加ロール19A、19Bを備えている。
【0147】
電圧印加ロール19Aは接地され、電圧印加ロール19Bは、直流電圧電源21が接続されている。また、電圧印加ロール19A,19Bの表面には絶縁膜51が形成されている。このように電圧印加ロール19が設けられているのは、静電潜像担持体24による画像表示媒体10への電荷注入が不十分で、粒子が十分に移動しない場合があるためである。
【0148】
このような画像形成装置12では、画像表示媒体10が図中矢印B方向へ搬送され、静電潜像担持体24により画像に応じた電荷が画像表示媒体10に注入された後、電圧印加ロール19により所定電圧が絶縁膜を介して画像表示媒体10に印加される。このように、静電潜像担持体24による電荷注入の後、画像表示媒体10に、電荷量が小さな粒子が移動可能な、十分に大きな電界を印加するため、静電潜像担持体24による電荷注入が不十分なことにより粒子の移動が不十分な場合でも、粒子を十分に移動させることができ、高い画像濃度を得ることができる。
【0149】
[第7の実施の形態]
次に、第7の実施の形態について説明する。本実施の形態では、イニシャライザ40の他の形態について説明する。なお、第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0150】
図35には、本実施の形態に係る画像形成装置12及びイニシャライザ23の概略構成を示した。イニシャライザ23は、図35に示すように、粒子を振動させるための振動発生装置25を備えている。
【0151】
この振動発生装置25は、例えば磁気プレートや超音波発生装置を用いることができ、磁気振動や超音波振動を発生させることにより粒子を摩擦帯電させる。
【0152】
例えば振動発生装置25に磁気プレートを用いる場合には、例えば導電性粒子18を磁性を帯びた粒子とする。そして、磁気プレートにより粒子を交番磁界で攪拌して粒子間摩擦や粒子と基板表面との摩擦を誘発して粒子を帯電させる。磁気プレートは、画像表示媒体10の進行方向にしたがって磁極が次々に変化するものである。このため、磁気吸引される導電性粒子18は磁極ごとに吸引離間を繰り返し、基板内を動き回り粒子同士が接触し、静電的な電荷が粒子に付与される。磁気プレートは磁性を示して粒子の磁気吸引を促すものであればいかなるものを用いても良く、例えば、磁気プレートの代わりにコイルを用いて画像表示媒体10の通過時に電流を流すことにより電磁石の作用を用いて磁場を形成し、これにより摩擦帯電させるようにしてもよい。また、画像表示媒体10が磁界を離れる位置で磁界の方向を一定にすることで、例えば導電性粒子18を例えば表示基板14側に付着させることができる。また、磁気プレートの一方の面(例えば表示基板14側の面)を他方の面(例えば非表示基板16側の面)より長くすることにより、一方の面(例えば表示基板14側の面)に磁気吸引される導電性粒子18を最終的に集めるようにしてもよい。
【0153】
このようなイニシャライザ23では、粒子の帯電量が予め定めた閾値以下、例えば閾値の80%程度の帯電量となるように振動を発生させる時間等を制御する。なお、予め定めた閾値とは、粒子が移動を開始する帯電量である。
【0154】
このように、イニシャライザ23では、静電潜像担持体24で潜像による電荷を注入する前に、粒子が移動し始める帯電量に近い帯電量に予め粒子を帯電させておく。
【0155】
これにより、静電潜像担持体24では、注入する電荷が少なくても粒子を移動させることができる。例えば、イニシャライザ23により粒子を閾値の80%程度の帯電量に帯電させた場合には、静電潜像担持体24では、閾値の20%程度の帯電量で粒子を移動させることができる。従って、静電潜像担持体24による粒子の帯電及び移動を一工程で行うことができる。
【0156】
なお、導電性粒子18を負に帯電する粒子、絶縁性粒子20を正に帯電する粒子とし、イニシャライザ23で粒子を摩擦帯電させ、静電潜像担持体24による潜像の正電荷の注入により導電性粒子18を中和させて閾値以下の帯電量とし、その後、図36に示すように、電圧印加ロール19A,19Bにより画像表示媒体10全体に電圧を印加することにより粒子を移動させて画像表示させてもよい。
【0157】
すなわち、この場合、まずイニシャライザ23で導電性粒子18が負に帯電されると共に絶縁性粒子20が正に帯電され、導電性粒子18が表示基板14側に、絶縁性粒子20が非表示基板16側へ集められる。
【0158】
そして、静電潜像担持体24上の潜像により正電荷(非画像部)が表示基板14を介して注入され、負に帯電された導電性粒子18は中和され、前記閾値以下の帯電量になる。次に、電圧印加ロール19A,19Bに電圧が印加されることにより、電圧ロール19Bから非表示基板16を介して正電荷が注入される。これにより、閾値以下の帯電量で負に帯電している導電性粒子18は非表示基板16側へ移動し、正に帯電している絶縁性粒子20は表示基板14側へ移動する。
【0159】
このように、イニシャライザ23により予め導電性粒子18を表示基板14側へ均一に付着させておくことにより、表示欠陥の少ない画像を形成することができる。
【0160】
[第8の実施の形態]
次に、第8の実施の形態について説明する。本実施の形態では、両面に画像を表示させることができる画像表示媒体の画像形成装置形態について説明する。なお、第1の上記実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0161】
図37(A)、(B)には、両面に画像を形成することができる画像表示媒体29、31がそれぞれ示されている。図37(A)に示すように、画像表示媒体29は、表示基板14Aと電極層33、電極層33と表示基板14Bとがそれぞれスペーサ35を介して対向して配置されており、表示基板14Aと電極層33との間、電極層33と表示基板14Bとの間にはそれぞれ導電性粒子18及び絶縁性粒子20が封入されている。また、図37(B)に示すように、画像表示媒体31は、同図(A)に示した画像表示媒体29において、電極層33の両端を外側へ向けて突出させた構成である。
【0162】
図38には、図37(A)に示す画像表示媒体29の画像形成を行うための画像形成装置12を示した。図38に示す画像形成装置12では、支持部材41に支持されたガイド電極43が設けられている。ガイド電極43は、直流電圧電源28に接続されている。画像表示媒体29は、静電潜像担持体24と搬送ローラ45との間を搬送され、電極層33がガイド電極43と接触することにより直流電圧電源28からの電圧が印加され、粒子の移動が行われる。
【0163】
なお、電極層33は上記実施の形態における非表示基板16に相当し、ガイド電極43は上記実施の形態における対向電極26に相当し、画像形成のプロセスは上記実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0164】
図39には、図37(B)に示す画像表示媒体31の画像形成を行うための画像形成装置12を示した。図39に示す画像形成装置12では、ガイド電極ロール47が設けられている。ガイド電極ロール45は、直流電圧電源28に接続されている。画像表示媒体31は、静電潜像担持体24と搬送ローラ45との間を挟持搬送されると共に、電極層33がガイド電極ロール47に挟持搬送されるため、直流電圧電源28から電圧が印加され、粒子の移動が行われる。
【0165】
なお、電極層33は上記実施の形態における非表示基板16に相当し、ガイド電極ロール47は上記実施の形態における対向電極26に相当し、画像形成のプロセスは上記実施の形態と同様であるので説明は省略する。
【0166】
このように、両面に画像を表示させることができるため、表裏を気にすることなく使用することができる。
【0167】
[第9の実施の形態]
次に、第9の実施の形態について説明する。第9の実施の形態では、記録ヘッドにより電荷を注入して画像を表示させる形態について説明する。
【0168】
第9の実施形態に係る画像表示装置は、図40に示すように、電子ペーパー120の画像データに対応する位置に電界を発生させる記録ヘッド101、電子ペーパー120に一様に電界を発生させるリフレッシュ電極112、図示しない電子ペーパー供給部から供給された電子ペーパー120を載置して搬送する搬送ベルト116、搬送ベルト116を移動させる搬送ローラ114、画像データに応じて記録ヘッド1011に電圧を印加し、画像データに応じた電界が電子ペーパー120に加えられるように印加電圧を制御する制御部118と、画像が表示された電子ペーパー120が載置される載置台122とを備えている。なお、図40に示すように、記録ヘッド101と対向する位置に配置された搬送ローラ114は接地されている。
【0169】
図41(A)及び図41(B)に示すように、記録ヘッド1011は、例えば、ゴムなどの弾性を有する材料から成る基板134と、断面が半楕円状で、直径が例えば100μmの外側に突出した略半球形の複数の電極132とから構成される。
【0170】
基板134は弾性を有するため、例えば、図42に示すように電子ペーパー120の表面に凹凸があっても凹凸に合わせて変形する。そのため、電子ペーパー120との接触状態が常に良好となり、画像データを正確に反映した電界を電子ペーパー120に加えることができる。
【0171】
また、複数の電極132は、図41(A)に示すように、記録面130となる基板134の1つの面にマトリックス状に配置されている。すなわち、電子ペーパー120の幅方向(すなわち、主走査方向)に沿って所定間隔に1列に並べられた電極列を副走査方向に重ならないように複数列、例えば3列配置してマトリックス状としている。
【0172】
各電極32には、図41(B)に示すように、AC電源124aとDC電源124bとが接続制御部126を介して接続され、ACバイアスにDC電圧を重畳した電圧が印加される。
【0173】
接続制御部126は、一端が電極132に接続され、かつ、他端がAC電源124aに接続されたスイッチと、一旦が電極132に接続され、かつ、他端がDC電源124bに接続されたスイッチからなる複数のスイッチ対で構成されている。
【0174】
このスイッチ対は制御部118によりオンオフ制御され、制御部118からの指示に基いて画像データに応じた位置の電極132のみに電圧が印加されるように、AC電源124a及びDC電源124bと電極とを電気的に接続する。
【0175】
また、リフレッシュ電極112は、弾性材料から構成された一対の弾性ローラから成る。この弾性ローラは、ゴムにカーボンブラックを添加して直径が、例えば、20cmの円筒状に成形した2つの導電性のゴムローラから構成され、常時AC電源125a及びDC電源125bに接続され、ACバイアスにDC電圧を重畳した電圧が印加されている。
【0176】
このリフレッシュ電極112は、搬送ベルト116上に載置された電子ペーパー120を搬送ベルト116と共に挟持した状態で回転されることにより、電子ペーパー120に対し、上述の記録ヘッド101が画像データに応じて電子ペーパー120に加える電界の方向と逆方向に一様な電界を加える。
【0177】
電子ペーパー120は、図43に示すように、表示基板140と非表示基板142との間に2色の粒子136、138を封入して構成されている。表示基板140は、正孔輸送性フィルムより構成されており、そのような正孔輸送性フィルムとしては、例えば、ポリエチレン樹脂中に正孔輸送物質であるN−メチルカルバゾールジフェニルヒドラゾンを約40重量%添加して均一に分散させた後、厚さ50μm程度に成形したものや、ポリエチレン樹脂中に正孔輸送物質であるβ,β―ビス(メトキシフェニル)ビニルジフェニルヒドラゾンを約40重量%添加して均一に分散させたものを電荷輸送性材料として厚さ50μm程度に成形したものなどを使用できる。
【0178】
一方、非表示基板142は、上記の電荷輸送性フィルム141に厚さ50μm程度の電極層144を形成した2層構造のフィルムより構成されている。非表示基板142に使用される電荷輸送性フィルムとしては、表示基板140と同様に、正孔を輸送する正孔輸送性フィルムを使用してもよいし、電子を輸送する電子輸送性フィルム及び正孔と電子とを輸送するフィルムを使用することもできる。
【0179】
また、表示基板140と非表示基板142との間には、スペーサ146が、例えば、約100μmの一定間隔毎に設けられており、このスペーサ146により、表示基板140と非表示基板142との距離が常に一定に保持されると共に、スペーサ146間にセルが形成されている。なお、このスペーサは、表示基板140及び非表示基板142の一方の基板に、例えば、スクリーン印刷により形成することができる。
【0180】
また、スペーサとして、図54(A),(B)に示すような網状のシートを両基板間に挟んでも良く、70メッシュ、線径70μm、開口率65%の網状のシートにエッチングやレーザ加工などにより穴をあけたものなどを用いてもよい。
【0181】
表示基板140と非表示基板142との間のセルに封入された2色の粒子136、138のうち一方の粒子136は導電性の粒子であり、例えば、平均粒径20μm、抵抗値10-2Ω・cm程度のアモルファスカーボンよりなる黒色の真球状導電性粒子を使用できる。このアモルファスカーボンよりなる黒色の真球状導電性粒子は熱硬化性フェノール樹脂を炭素化焼成して得られる。
【0182】
なお、本明細書で述べる導電性の粒子とは、基板との接触により電荷の移動を行なうことができるものである。この機能を有する材料は、たとえば、カーボンブラック、ニッケル、銀、金、錫、などの金属の粒子、あるいはそれらの材料を粒子表面に被覆、あるいは含有した粒子である。
【0183】
具体的には、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体からなる微粒子の表面に無電界ニッケルメッキを行った真球状導電性粒子(ミクロパールNI(商品名);積水化学工業製)、さらにその後、金置換メッキを施した真球状導電性粒子(ミクロパールAU(商品名);積水化学工業(株)製)があげられる。
【0184】
また、熱硬化性フェノール樹脂を炭素化焼成して得られるアモルファスカーボンの真球状導電性粒子(ユニベックスGCP、H-Type(商品名);ユニチカ(株)製:体積固有抵抗≦10-2Ω・cm)、さらに金、銀などの金属を表面被覆した真球状導電性粒子(ユニベックスGCP導電性粒子(商品名);ユニチカ(株)製:体積固有抵抗≦10-4Ω・cm)、シリカ、アルミナの真球状酸化物微粒子の表面にAg及び酸化錫をコーティングした真球状導電性粒子(アドマファイン(商品名);(株)アドマテックス製)、あるいはスチレンやアクリルやフェノール樹脂やシリコーン樹脂やガラスなど各種材料からなる母粒子の表面に導電性の微粉末を付着させたり、埋め込んだりした粒子があげられる。
【0185】
また、2色の粒子のうち他方の粒子138は、隠蔽粒子としての役目を果たす絶縁性の白色粒子であり、例えば、粒径約20μmのジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体からなる真球粒子を選択できる。
【0186】
第9の実施形態では、これら2種類の粒子136、138を同量混合し、表示基板と非表示基板との間に充填率約50%で封入している。なお、黒色粒子よりも白色粒子が多くなるよう封入してもよく、混合割合は適宜調整できる。
【0187】
ここで、このような構成の画像表示装置により、上記構成の電子ペーパーに画像を形成する場合について説明する。
【0188】
第9の実施の形態の画像表示装置は、図40に示すように、搬送ローラ114により搬送ベルト116が約100mm/secの速度で連続的に駆動されており、図示しない電子ペーパー供給部から供給された電子ペーパー120が1枚ずつ順に搬送ベルト116上に載置され、後段のリフレッシュ電極112に向かって搬送されている。なお、図44(A)にリフレッシュ電極112及び記録ヘッド101が配置された部分の拡大図を、同図(B)に記録ヘッド101が配置された部分の拡大図を示す。
【0189】
リフレッシュ電極112は、搬送ベルト116により搬送されてきた電子ペーパー120の全面に電界を加える。なお、リフレッシュ電極112は、粒子の帯電劣化を防止すべく、十分な電荷が注入されるように電圧を印加する。これにより、表示基板140が負の電荷を帯び、非表示基板142から正の電荷が注入されて電子ペーパー120内部の全ての黒色の粒子136が正に帯電されて図44に示すように表示基板140に引き付けられるので、電子ペーパー120の表示基板140は全面が黒くなる。
【0190】
リフレッシュ電極112の後段には、記録ヘッド101が設けられているため、記録ヘッド101がリフレッシュ電極112を通過した電子ペーパー120に対し、画像データに応じた位置に電界を加える。記録ヘッド101により、電界が加えられた領域の表示基板140は図44(B)に示すように正の電荷を帯びるので、その部分に引き付けられていた正に帯電した黒色の粒子136が非表示基板142の方に移動する。したがって、表示基板140の黒色の粒子136が付着してない領域が白色となり、電子ペーパー120に黒と白とのコントラストによる画像が形成される。
【0191】
ところで、記録ヘッド101が印加した電圧によって注入された電荷により粒子が他方の基板側に移動するのには時間がかかる。このため、十分に電荷が注入され、粒子が移動しやすくなるようにするため、印加電圧を約200V、印加時間を約10msec以上とすることが好ましい。換言すれば、印加時間は、記録ヘッド101の幅(搬送方向の幅)をA、搬送ベルト116の移動速度をBとした場合、A/B>10(msec)となるようにする。前述したように、搬送ベルト116の移動速度Bが約100mm/secの場合、記録ヘッド101の幅は約1mmとなる。
【0192】
なお、電子ペーパー120を搬送しながら電圧を印加するのではなく、搬送ベルト116を停止させて電圧を印加するようにしてもよい。また、搬送ベルト116を停止させ、記録ヘッド101を搬送方向へ移動させながら電圧を印加するようにしてもよく、搬送ベルト116と記録ヘッド101を相対的に移動させながら電圧を印加するようにしてもよい。
【0193】
なお、画像データに応じた位置は、ここでは黒色の粒子136を表示基板140から離れさせてその位置を白くすることにより画像とするため、画素を形成しない位置である。もちろん、リフレッシュ電極により正の電荷を与えて黒色の粒子136を表示基板140から離れさせた状態で、記録ヘッド101により負の電荷を与えて黒色の粒子136を表示基板140に付着させて画像を表示する場合は、画像データに応じた位置とは画素を形成する位置である。
【0194】
また、電子ペーパー120の少なくとも一方に、異方導電性の層を形成してもよい。電子ペーパー120はシートとして取り扱われるため、ある程度の剛性(こわさ)が必要となる。基板の厚みを厚くして剛性を確保する方法もあるが、このように基板を厚くしてしまうと、図55に示したように、正電荷103が基板を通過する際に面方向に広がってしまい、高解像度な画像を表示させることが難しくなる。これに対し異方導電性の層は、電荷の流れが一方向に制限されるため、厚みが厚くなっても電荷の広がりが発生せず、高解像度な画像を形成することができる。従って、画像表示媒体の対向する基板の少なくとも一方に適当な厚みの異方導電性層を形成することによって、解像度の低下を招くことなく画像表示媒体の剛性を確保することができる。
【0195】
異方導電性の層としては、図56に示すように、絶縁性基材105に径が一例として10μmから100μmの導電性のピン状部材104を絶縁性基材105の厚さ方向に独立に埋め込んだものを使用することができる。また、径が0.1μmから10μmの導電性棒状フィラーを、磁力などを作用させて絶縁性基材の面に対して垂直に配置させたものなども使用することができる。これらによれば、電荷は異方導電性層の導電性部材を通って厚さ方向のみに流れるため、異方導電性層の厚さが厚くなっても電荷の移動時に広がりが発生するのを防ぐことができる。
【0196】
また、異方導電性の層として、電界強度によって抵抗値が変化する半導電性基材を使用することもできる。これは、図57に示したように、低電界下では高抵抗であるが、高電界下では抵抗が著しく低下するものであり、例えば電界がない状態では電気抵抗率が1014Ω・cm以上、105V/mから107V/mの電界下では電気抵抗率が104Ω・cm以下に変化させるものを使用することができる。これらの半導電性材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリイミド、テフロン等をベースとし、これに導電性微粒子を分散させて抵抗調整を行った材料を使用することができる。これらを使用すると、図58に示したように静電潜像が形成する電界パターンに応じて異方導電層109の電気抵抗を変化させることができ、必要な部分だけ電気抵抗を低下させ、電荷を厚さ方向にのみ流すことができる。
【0197】
画像が形成された電子ペーパー120は、記録ヘッド101の後段に設けられた載置台122に載置される。この載置台122には次々と画像を表示された電子ペーパー120が載置される。
【0198】
得られた画像はコントラストの良い高精細なものとなり、また、同じ電子ペーパー120を約1000回程度繰り返し用いて画像を形成させたが、全ての回で電子ペーパー120に形成した画像の乱れや電子ペーパー120の表示不良などの問題は発生しなかったため、本第9の実施の形態で使用した電子ペーパー120は寿命が長く、かつ、画像表示性能の高い電子ペーパー120であることがわかる。
【0199】
なお、第9の実施形態では、表示基板140及び非表示基板142に使用する電荷輸送性フィルムの1例として、ポリエチレン樹脂中にN−メチルカルバゾールジフェニルヒドラゾンを分散させて正孔輸送性を持たせた正孔輸送性フィルム及びポリエチレン樹脂中にβ,β―ビス(メトキシフェニル)ビニルジフェニルヒドラゾンを分散させて正孔輸送性を持たせた正孔輸送性フィルムを挙げたが、その他の電荷輸送性フィルムとして、例えば、樹脂中にヒドラゾン化合物やスチルベン化合物、ピラゾリン化合物、アリールアミン化合物などを分散した正孔輸送性フィルムや、樹脂中にフルオレノン化合物、ジフェノキノン誘導体、ピラン化合物、酸化亜鉛などを分散した電子輸送性フィルム、または、電荷輸送能を持った自己支持性の樹脂等が使用できる。なお、電荷輸送能を持った自己支持性の樹脂を用いることにより、曲げ、伸びなどの画像表示媒体に加わる外力に強い構造をとることができ、より一層好ましい。
【0200】
そのような電荷輸送能を持った自己支持性の樹脂としては第9の実施の形態で説明した電荷輸送性ポリマーを用いることができる。
【0201】
なお、第9の実施形態では、記録ヘッド101の各電極132にACバイアスにDC電圧を重畳した電圧を印加する構成としたが、図45に示すように、DC電源24bのみを接続しDC電圧のみを印加するように構成することもできる。
【0202】
なお、図46に示すように、黒色の導電性粒子136の代わりにイエロー(Y)に着色された導電性粒子133が封入された第1のセル150と、黒色の導電性粒子136の代わりにマゼンタ(M)に着色された導電性粒子135が封入された第2のセル152と、黒色の導電性粒子136の代わりにシアン(C)に着色された導電性粒子137が封入された第3のセル154とを一組としたユニット148を多数形成した構成の電子ペーパーとすることによりカラー画像を表示することも可能である。
【0203】
また、第9の実施の形態の変形例として、リフレッシュ電極112が設けられていない構成としても電子ペーパーには画像が形成されるので、リフレッシュ電極112を有していない構成とすることもできる。また、記録ヘッド101と対向して設けれらる搬送ローラ114を金属製のローラとすることにより、この金属製のローラが電極となるので、リフレッシュ電極112の代わりに金属製のローラを有する構成とすることもできる。
【0204】
また、搬送ベルト116を導電性とし、記録ヘッド101と対向する接地された搬送ローラ114を介して搬送ベルト116を接地するようにしてもよい。この場合、図59に示すように、常時AC電源125a及びDC電源125bは記録ヘッド101が設けられている側のリフレッシュ電極112に接続し、該リフレッシュ電極112にバイアス電圧を印加する。
【0205】
[第10の実施の形態]
第10の実施の形態の画像形成装置は、第9の実施の形態の画像形成装置の応用例であり、箱状のハウジング128内に、記録ヘッド101、リフレッシュ電極112、駆動ローラ115a、従動ローラ115b、電子ペーパー121及び制御部118が設けられている。
【0206】
ハウジング128の側面部分には、開口部128aが形成されており、この開口部128aが内部の電子ペーパー21を表示する画像表示部となっている。ハウジング128内の電子ペーパー121は無端ベルト状に形成されており、例えば、幅220mm、長さ650mmの電子ペーパーの端部を接着することにより形成できる。
【0207】
また、第10の実施の形態の電子ペーパー21は、上記第9の実施の形態と同様の構造であるので、詳細な説明は省略するが、本第10の実施の形態では、表示基板140と非表示基板142との間に封入された2色の粒子136、138の混合割合を、黒色の粒子136:白色の粒子138=2:1としている点が上記第9の実施の形態と異なっている。
このような無端ベルト状の電子ペーパー121は、駆動ローラ115aと従動ローラ115bとにより回動され、開口部に露出する部分が異なるように制御される。駆動ローラ115aは駆動モータMにより回動され、駆動モータMは制御部118により駆動が制御されている。
【0208】
制御部118は、記録ヘッド101による1画面分の画像の記録中の電子ペーパーの移動速度が記録に適した速度となるように駆動モータMの駆動による駆動ローラ115aの回動速度を制御している。
【0209】
例えば、記録ヘッド101による記録が連続的に行われる場合(すなわち、画像表示装置が次々と画像を表示するように設定されている場合)は駆動ローラ115aは一定の回動速度に制御される。また、記録ヘッド101が記録した画像を直ちに見れるように画像表示装置が設定されている場合は、駆動ローラ115aは、記録ヘッド101が1画面分の画像の記録を終了すると、回動速度が速くなるように制御され、画像表示部に記録した画像が表示されると画像表示部に表示された画像が移動しないように回動が停止される。
【0210】
なお、電子ペーパー121に画像を表示させる原理などその他の構成は、上述の第9の実施の形態と同様であるので、説明は省略する。
【0211】
このような構成の画像表示装置を用い、電子ペーパー121の移動速度を、例えば、100mm/secとして画像表示を行ったところ、得られた画像はコントラストの良い高精細なものとなった。
【0212】
また、同じ電子ペーパー120を約1000回程度繰り返し用いて画像を形成させたが、電子ペーパー120の伸びや、たるみ等が発生せず、かつ、全ての回で形成した画像の乱れや表示不良などの問題は発生しなかった。したがって、本第10の実施の形態の画像表示装置は、画像表示寿命が長く、かつ、画像表示性能の高い画像表示装置であることがわかる。
【0213】
なお、上述した第9の実施の形態及び第10の実施の形態において、記録ヘッド101の記録面130における各電極132の配置は図41(A)に示す配置に限らず、図47(A)及び図47(B)に示すように、1列としてもよい、また、電極の形状も、断面略楕円状の半球状に限らず、図47(B)〜図47(D)に示すように、断面略楕円状の矩形状としてもよい。
【0214】
[第11の実施の形態]
第11の実施形態に係る画像表示装置は、図49に示すように、画像を表示する表示部160と、画像データに基いて表示部160に画像を表示させるコントローラ162とから構成されている。
【0215】
表示部160は、図50に示すように、表示基板170と非表示基板172との間に、2色の粒子174、138を封入した構成である。
【0216】
表示基板170は、図50に示すように、ガラス基板158上に複数のITO画素電極を設けた構成であり、例えば、100μm×100μmのサイズのITO画素電極を約10μm間隔で配列させた構造のものが使用できる。また、非表示基板172は、図51に示すように、ガラス基板上にITO電極を全面に形成した構成であり、このITO電極は接地されている。
【0217】
なお、表示基板170と非表示基板172との間には、図示しないスペーサが形成されており、このスペーサにより、表示基板170と非表示基板172との距離が常に一定に保持されると共にセルが形成されている。
【0218】
表示基板170と非表示基板172との間に封入された2色の粒子174、138のうちの一方の粒子174は、導電性の着色粒子の表面に正孔輸送層178を形成したものである。本第11の実施の形態では、一方の粒子174として、例えば、平均粒径約10μmの抵抗値10-2Ω・cm程度のアモルファスカーボンよりなる黒色の真球状導電性粒子の表面に、ポリカーボネートに正孔輸送物質であるN−メチルカルバゾールジフェニルヒドラゾンを約40重量%添加して均一に分散させたものを正孔輸送層178として3μm程度の厚さにコートしたものを使用している。
【0219】
なお、導電性粒子及び正孔輸送層を形成する電荷輸送性材料としては、上記第9の実施の形態で説明したものと同様のものを使用できるので説明は省略する。
【0220】
また、2色の粒子のうち他方の粒子138は、隠蔽粒子としての役目を果たす絶縁性の白色粒子であり、本第11の実施の形態では、上記第9の実施の形態で説明したものと同様のものを使用している。
【0221】
本第11の実施の形態では、これら2種類の粒子174、138を、黒色の粒子174:白色の粒子138=1:2となるように混合し、表示基板170と非表示基板との間に充填率約50%で封入している。なお、混合割合は適宜調整できる。
【0222】
また、表示基板170の各画素電極156は各々配線164によりコントローラ162と接続されている。コントローラ162は、画像データに応じた位置の画素に電圧を印加して表示部160に画像データに応じた電界の分布を生じさせる。
【0223】
すなわち、電圧が印加された画素電極156は、図50に示すように、正の電荷を帯びるので、その部分から黒色の粒子174に正電荷が注入される。そのため、電圧が印加された画素電極156から黒色の粒子174が遠ざかり、電圧が印加されていない画素電極156にのみ黒色の粒子174が付着した状態となる。したがって、表示基板170の黒色の粒子174が付着してない領域が白色となり、黒と白とのコントラストによる画像が形成される。
【0224】
なお、画像データに応じた位置とは、ここでは黒色の粒子174を表示基板170から離れさせてその位置を白くすることにより画像とするため、画素を形成しない位置である。もちろん、画素電極156が負の電荷を帯びるように、電圧を印加すれば、電圧が印加された画素電極156に黒色の粒子174が付着することとなるので、画像データに応じた位置とは画素を形成する位置である。
【0225】
なお、第11の実施の形態では、各画素電極と接続する配線164を、図51に示すように、画素電極の上層に設けた透明な絶縁層166内に埋め込んで、埋め込み配線としているので、電極間距離が短く、緻密な画像が表示可能となっている。なお、この配線164は、例えば、パイロックス(商品名;DuPont社製)、インパイロックス(商品名;DuPont社製)、LSシリーズ(商品名;田中貴金属インターナショナル社製)等の透明な導電性材料を分散させた抵抗体より構成されており、スイッチングの際に放電などが発生してショートするなどの不都合が生じることを防止している。
【0226】
画像表示装置で表示された画像はコントラストの良い高精細なものとなり、また、書き換え間隔を、例えば、20Hzで画像を繰り返し表示させても、形成した画像に乱れや表示不良などの問題は発生しなかった。そのため、本第11の実施の形態の画像表示装置は寿命が長く、かつ、画像表示性能の高い画像表示装置であることがわかる。
【0227】
また、2色の粒子のうち他方の粒子138として、粒径10μm、抵抗値10-2Ω・cmのアモルファスカーボンの真球状導電性粒子の表面に、白色に着色したポリカーボネート中に電子輸送物質であるフルオレノン化合物を約40重量%添加して均一に分散させたものを電子輸送層179として3μm程度の厚さにコートしたものを使用することもできる。
【0228】
この場合、図52に示すように、黒色の粒子74が付着していない領域に白色の粒子176が付着するので、より一層コントラストが高く、見易い画像が長期にわたって得られる。
【0229】
なお、上述の図46と同様に、表示部160を、イエロー(Y)に着色された導電性粒子133が封入された第1のセルと、マゼンタ(M)に着色された導電性粒子135が封入された第2のセルと、シアン(C)に着色された導電性粒子137が封入された第3のセルとを一組としたユニットを多数形成した構成としてカラー画像を表示することも可能である。
【0230】
また、上述した第9の実施の形態、第10の実施の形態及び第11の実施の形態では説明のため、黒色の粒子と白色の粒子を封入した場合について述べたが白と黒に限定されるものではなく、異なる2色の粒子であればよい。
【0231】
異なる色の粒子としては、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、ブルーなどの有色の粒子のほかに、白色あるいは黒色の無色の粒子も含む。白色あるいは黒色の粒子としては、ジビニルベンゼンを主成分とする架橋共重合体からなる真球状粒子(ミクロパールSP(商品名);積水化学工業製、ミクロパールBB(商品名);積水化学工業製)、架橋ポリメチルメタクリレートの微粒子(MBX-20ブラック(商品名);積水化学工業製、MBX-20ホワイト(商品名);積水化学工業製)、ポリテトラフルオロエチレンの微粒子(ルブロンL(商品名);ダイキン工業(株)製、SST-2(商品名);Shamrock Technologies Inc.製)、シリコーン樹脂微粒子(トスパール(商品名);東芝シリコーン(株)製)があげられる。
【0232】
なお、上述した第9の実施の形態、第10の実施の形態及び第11の実施の形態では、表示媒体として紙等に代替できるような電子ペーパーを使用する場合について説明したが、本発明の表示媒体は、このような電子ペーパーに限らず、例えば、広告看板や、ディスプレイ等のように書き換え可能な表示媒体全般に応用できる。
【0233】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、外部から加えられる電界により、電荷輸送性を有する一対の基板の中に封入された粒子群を画像に応じて移動させて画像形成するので、繰り返し書き換えが可能となり、かつ安全性、応答性に優れる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図2】 静電潜像担持体及び対向電極における電位を示す図である。
【図3】 画像形成装置の一部拡大図である。
【図4】 画像形成装置の一部拡大図である。
【図5】 異方導電層を説明するための図である。
【図6】 異方導電層を説明するための図である。
【図7】 異方導電層の電界強度と電気抵抗値との関係を示す線図である。
【図8】 異方導電層を説明するための図である。
【図9】 画像表示媒体の一例を示す図である。
【図10】 画像表示媒体の一例を示す図である。
【図11】 イニシャライザの概略構成図である。
【図12】 イニシャライザの一部拡大図である。
【図13】 イニシャライザの一部拡大図である。
【図14】 除電部材を示す図である。
【図15】 第2の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図16】 画像形成装置の一部拡大図である。
【図17】 静電潜像担持体及び対向電極における電位を示す図である。
【図18】 第3の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図19】 第3の実施の形態における画像形成装置の変形例である。
【図20】 定着装置及び搬送経路切替部材の概略構成図である。
【図21】 定着手段を示す図である。
【図22】 現像装置の概略構成図である。
【図23】 現像装置の他の例を示す図である。
【図24】 現像装置を他の例を示す図である。
【図25】 現像装置を他の例を示す図である。
【図26】 現像装置を他の例を示す図である。
【図27】 静電潜像形成部を示す図である。
【図28】 イオン照射ヘッドの概略構成図である。
【図29】 スタイラス電極の概略構成図である。
【図30】 制御部において実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【図31】 カラー画像を表示可能な画像表示媒体を示す図である。
【図32】 第5の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図33】 第5の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図34】 第6の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図35】 第7の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図36】 第7の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図37】 第8の実施の形態における画像表示媒体の断面図である。
【図38】 第8の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図39】 第8の実施の形態における画像形成装置の概略構成図である。
【図40】 第9の実施の形態の画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【図41】 (A)は図1に示した記録ヘッドの記録面の電極の配置を示す上面図であり、(B)は記録ヘッド接続する電源について説明する概略図である。
【図42】 記録ヘッドが電子ペーパーの凸部に沿って変形する様子を説明する説明図である。
【図43】 電子ペーパーの構造を説明する概略構成図である。
【図44】 記録ヘッドによって電子ペーパー内に生じた電界による電子ペーパー内の粒子の動きを説明する説明図である。
【図45】 記録ヘッド接続する別の電源について説明する概略図である。
【図46】 カラー画像を表示する電子ペーパーの概略構成図である。
【図47】 記録ヘッドの記録面の電極の別の配置例を示す上面図である。
【図48】 本発明の第10の実施の形態の画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【図49】 本発明の第11の実施の形態の画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【図50】 図9で示した画像形成装置の表示部の構成を示す概略構成図である。
【図51】 図11で示した電極部の概略構成図である。
【図52】 図9で示した画像形成装置の表示部の別の構成を示す概略構成図である。
【図53】 従来の電子ペーパの概略構成図である。
【図54】 スペーサの一例を示す図である。
【図55】 異方導電層について説明するための図である。
【図56】 異方導電層について説明するための図である。
【図57】 異方導電層の電界強度と電気抵抗値との関係を示す線図である。
【図58】 異方導電層について説明するための図である。
【図59】 本発明の第9の実施の形態の画像形成装置の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 画像表示媒体
12 画像形成装置
14 表示基板
16 非表示基板
18 導電性粒子
20 絶縁性粒子
22 静電潜像形成部
24 静電潜像担持体
26 対向電極
37 セル
38 スペーサ粒子
50 現像装置
52 転写装置
56 定着装置
58 媒体検出センサ
80 帯電装置
82 光ビーム走査装置

Claims (22)

  1. 少なくとも一方が電荷輸送性を有する一対の基板と、
    前記電荷輸送性を有する基板に設けられ、電界強度によって抵抗値が変化する半導電性基材から成る異方導電性層と、
    外部から加えられる電界により移動可能に封入されると共に、色及び特性が異なる複数種類の粒子群と、
    を含む画像表示媒体。
  2. 前記粒子群のうち少なくとも1種類が導電性粒子であることを特徴とする請求項1記載の画像表示媒体。
  3. 前記基板の間が、所定形状に仕切られたセル構造となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像表示媒体。
  4. 前記導電性粒子が多色画像を形成する複数の各色毎に前記セルに封入されたことを特徴とする請求項3記載の画像表示媒体。
  5. 前記1対の基板の間に電極層が設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示媒体。
  6. 前記請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示媒体に画像を形成する画像形成方法であって、
    潜像担持体上に画像に応じた静電潜像を形成し、
    前記画像表示媒体が間に位置可能に前記潜像担持体と対向する位置に配置された対向電極と前記潜像担持体との間に電界を発生させることにより前記画像表示媒体に画像を形成する画像形成方法。
  7. 前記電界を発生させた後に、さらに前記画像表示媒体に絶縁層を介して電界を発生させることを特徴とする請求項6記載の画像形成方法。
  8. 前記請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像表示媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
    潜像担持体と、
    前記潜像担持体上に画像に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記画像表示媒体が間に位置可能に前記潜像担持体と対向する位置に配置され、前記潜像担持体との間に電界を発生させるための対向電極と、
    を有する画像形成装置。
  9. 前記対向電極はバイアス電圧が印加されることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
  10. 前記導電性粒子を予め帯電させる帯電手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記帯電手段は、前記基板に直流電圧及び交流電圧の少なくとも一方を印加することを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
  12. 前記帯電手段は弾性体で構成され、前記画像表示媒体と密着した状態で前記基板に直流電圧及び交流電圧の少なくとも一方を印加することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記帯電手段による帯電が行われる前に、前記電荷輸送性を有する基板が接地されることを特徴とする請求項10乃至請求項12の何れか1項に記載の画像形成装置。
  14. 画像が形成される媒体が前記画像表示媒体であるか画像記録媒体であるかを入力するための入力手段と、
    前記入力手段による入力結果が前記画像記録媒体の場合に、前記静電潜像形成手段により形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、
    前記現像手段により現像されたトナー像を画像記録媒体に転写する転写手段と、
    前記画像記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項8乃至請求項13の何れか1項に記載の画像形成装置。
  15. 前記入力手段は、画像が形成される媒体が前記画像表示媒体であるか画像記録媒体であるかを検出するための媒体検出手段であることを特徴とする請求項14記載の画像形成装置。
  16. 前記転写手段は、前記対向電極であることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 前記入力手段による入力結果が前記画像表示媒体の場合に、前記定着手段による定着処理を行わないことを特徴とする請求項14乃至請求項16の何れか1項に記載の画像形成装置。
  18. 前記入力手段による入力結果が前記画像表示媒体の場合に、前記現像手段による現像を停止する現像停止手段をさらに備えたことを特徴とする請求項14乃至請求項17の何れか1項に記載の画像形成装置。
  19. 前記静電潜像形成手段と前記対向電極との間の距離を調節する調節手段をさらに備えたことを特徴とする請求項14乃至請求項18の何れか1項に記載の画像形成装置。
  20. 前記請求項5に記載の画像表示媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
    潜像担持体と、
    前記潜像担持体上に画像に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記電極層と接触するガイド電極と、
    を有する画像形成装置。
  21. 前記請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の画像表示媒体をイニシャライズするイニシャライズ装置。
  22. 前記粒子群が移動開始する帯電量以下に帯電することを特徴とする請求項21記載のイニシャライズ装置。
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