JP4134780B2 - 自動車のサスペンション装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のサスペンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の操縦安定性について考慮しなければならない要素として、乗り心地と旋回性能の両立が挙げられる。乗り心地を向上させるには、サスペンション装置におけるダンパーを柔らかめに設定するとともに、サスペンション部品を車体にマウントする際に該部品と車体との間に介在するブッシュに柔らかめのものを使用して車輪から伝達される振動を吸収させるのが一般的である。一方、旋回性能を向上させるには、ダンパーを硬めに設定し、ブッシュも硬いものを使用して旋回中のロール挙動を抑制するということが行われる。つまり、乗り心地の向上と旋回性能の向上は、トレードオフの関係にあり、サスペンションの特性として相反する要素が要求される。
【0003】
旋回時のロール挙動を抑えるための構成としては、スタビライザを車両に設けることで、上記の点にある程度対処することが出来る。しかしながら、より一層高いレベルで乗り心地と旋回性能を両立するためには、スタビライザのみでは不十分である。なぜなら、車両の旋回時の挙動はブッシュによっても影響を受けるためである。従って、乗り心地と旋回性能を更に高いレベルで両立するには、ブッシュに対しても、直進時の乗り心地の向上と車両のロール挙動の向上を両立するべく工夫を凝らす必要がある。
【0004】
例えば、ブッシュの特性を直進時と旋回時とで変化させる手法として、下記特許文献1に記載の構造が知られている。この構造は、ダンパーと車体との間に介在するブッシュの内部に空間を形成し、車両の走行状態に応じてその空間内に空気を供給して空気圧を加えることで、ブッシュの弾性係数を変化させるものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−24720号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記文献に記載の技術は、車両の走行状態を検出するためのセンサー、コントローラー、専用に設計されたブッシュなど多くの部品を必要とし、コストの高いものとなることが避けられない。また、ブッシュの弾性係数を効果的に変化させるには、ブッシュ内部に非常に高い気圧を加える必要があり、そのために使用される駆動力により車両の燃費が悪化する恐れがある。また、エンジンルーム内に大掛かりな装置を設ける必要が生じ、車両のデザイン上も好ましくないと考えられる。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、車両の乗り心地と旋回性能を高いレベルで、しかも低コストな構造にて両立することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するため、本発明においては以下のような構成としている。すなわち、本発明の第1の構成は、車両進行方向に対し左右両側に配置された各左右輪を車体部材に対する略上下方向の相対変位を許容する様に支持するとともに、該各左右輪と上記車体部材との間にそれぞれ設けられ上記各左右輪から加えられる略上下方向の力を緩衝する左右一対のダンパーと、該左右一対のダンパーと上記車体部材との間に設けられた左右一対のブッシュとを有する車両のサスペンション装置において、上記各ダンパーの上端部はそれぞれ、上記車体部材に形成された開口部を貫通してその上側に突出するとともに、上記ブッシュを介して該車体部材に固定されており、上記各ダンパーの上端部における上記車体部材から上側に突出する部分を互いに連結する連結機構を更に備え、上記連結機構は、上記各左右輪から互いに同方向の力が上記左右一対のダンパーに入力された際には上記左右一対のブッシュを介した上記左右一対のダンパーの変位を許容し、上記各左右輪から互いに逆方向の力が上記左右一対のダンパーに入力された際には上記左右一対のダンパーの変位を抑制するよう構成されているものである。
【0009】
上記の構成によれば、左右一対のダンパーに車輪から同方向の力が入力された際、すなわち車両が旋回中でない場合にはブッシュを介した左右一対のダンパーの変位が許容されているためブッシュの弾性が左右輪の上下方向の変位に対して緩衝し、良好な乗り心地を保つことが出来る。一方、左右一対のダンパーに車輪から逆方向の力が入力された際、すなわち車両が旋回中である場合には左右一対のダンパーの変位が連結機構によって抑制されるため、実質的にブッシュが介在しない状態となり、車両のロール挙動が良好なものとなる。すなわち、車両の乗り心地と旋回性能を両立することが出来る。しかも、その様な効果が、専用に設計されたブッシュなど高コストな部品を用いずに、左右一対のダンパーの間を連結機構により連結するという比較的低コストな構成により得られる。
【0010】
本発明の第2の構成は、上記連結機構が、上記左右一対のダンパーのうち一方のダンパーの変位を、他方のダンパーが同じ方向に変位するように上記他方のダンパーに伝達するとともに、上記左右一対のダンパーが互いに逆方向に変位する際にはそれにより生じる上記連結機構を変形させる力に抗するべく所定の剛性を有する様に構成され、上記連結機構と上記ダンパー上端部との間に配設され、該ダンパー上端部の変位を拡大して該連結機構に伝達する変位拡大機構を有するものである。
【0011】
上記の構成によれば、左右一対のダンパーのうち一方の変位が他方に、同じ方向の変位として連結機構により伝達されるとともに、互いに逆方向に変位する際に連結機構を変形させる力が加わった場合には連結機構がその力に抗して該逆方向の変位を抑制する。またその際のダンパーの変位は、変位拡大機構により拡大されている。従って、ダンパーの実際の変位が微小なものであっても、その変位が変位拡大機構によって拡大されて連結機構に入力されるため、連結機構を構成あるいは支持する部品の可動部におけるフリクションの影響を小さくすることが出来、上記連結機構による効果を高めることが出来る。また、ダンパーが実際にはきわめて微小な量しか変位しない場合、変位拡大機構が無ければ左右一対のダンパーに加えられる逆方向の力に抗するのに連結機構の剛性を非常に大きなものとする必要が生じるが、変位拡大機構を設けることで連結機構の剛性をそれほど高める必要無しに上記逆方向の力に抗することが出来、連結機構による効果を得ることが出来る。
【0012】
本発明の第3の構成は、上記連結機構が、上記左右一対のダンパーの上端部近傍と、上記車体部材における上記上端部から離間した部位とを連結するものである。
【0013】
上記の構成によれば、連結機構がダンパーの上端部の変位を防止するいわゆるタワーバーとしても機能するため、車両の操縦安定性をより高めることが出来る。
【0014】
本発明の第4の構成は、上記連結機構が、上記車両の走行状態に応じてその剛性を変化させる剛性可変機構を有するものである。好ましくは、上記剛性可変機構が、上記車両の車速が高いほど、又は車両の舵角が大きいほど、上記連結機構の剛性が高くなるように構成されているものである。
【0015】
上記の構成によれば、連結機構を用いた乗り心地と旋回性能の両立を、車両の走行状態に応じてよりきめ細かく実現することが出来る。具体的には、ロールを抑制したい状態においてのみ確実に連結機構の剛性を高めて車両の挙動を安定させることが出来る。例えば、連結部材の剛性を低めに設定しておき、車両の車速が高いほど剛性が高くなる様に構成すれば、低速で直進している際に片方の車輪のみストロークした様な場合でも左右の車輪挙動のバランスを保つことが出来、かつ車両が高速で走行している際には確実に車両のロールを抑えて車両の挙動を安定させることが出来る。また、車両の舵角が大きいほど剛性が高くなる様に構成すれば、同様に直進時における片輪ストローク時の問題を解決しつつ車両旋回中に確実にロール挙動を抑制することが出来ることになる。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、車両の乗り心地と旋回性能を高いレベルで、しかも低コストにて両立することが出来る。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施形態を図面を参照しながら説明する。まず、図1乃至図2を参照しながら、本発明の第1実施形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態による車両VのエンジンルームEC部分を前上方から見た斜視図である。車両VのエンジンルームECには通常エンジン、補機などが設けられるが、図1においてはそれらの図示を省略している。
【0019】
エンジンルームEC内には、両側から緩衝装置としてのダンパー1(不図示)を車外側において収容するべくサスタワーSTが両側から突出している。ダンパー1は周知の様に、サスアームにより支持された車輪(いずれも不図示)の上下方向の変位に対して抵抗となり、車輪を介して路面から車体Bに加えられる力や振動を減衰させるものである。ダンパー1の上端部10はサスタワーSTの上面から突出しているとともに、その部分にてゴムなどの弾性体からなるブッシュ2(図1においては不図示)を介してサスタワーST上面に固定されている。この部分の固定構造については後述する。
【0020】
左右のダンパー1の上端部10は、連結機構3により連結されている。連結機構3は、車体Bにその長手方向軸周りに回動可能に、エンジンルームECの後壁を規定するダッシュパネル90に支持された中央部3Cと、中央部3Cの左右両端から斜め前方に左右のダンパー1の上端部10までそれぞれ伸びる右側部3R及び左側部3Lとからなる。中央部3Cは、略パイプ状の形状であり、上述の様にその長手方向軸周りに回動可能に、ジャーナル30を介してダッシュパネル90に支持されている。一方右側部3R及び左側部3Lの端部は、後述する構造にて左右のダンパー1の上端部10それぞれに固定されている。連結機構3は、所定の剛性を有するものであり、その作用については後で詳しく述べる。
【0021】
図2は、ダンパー1の上端部10の車体Bへの固定部分を示す概略図であり、左右両側に設けられるダンパー1のうち一方側のものを示す。他方側も同様に車体Bに固定されているが、対称の構造であるため図示を省略し、図2を参照しながらその構造を説明する。
【0022】
図示された様に、車体BのサスタワーST上面には、ダンパー1の上端部10が下方から突出する開口部が形成されており、ダンパー1の上端部10がその開口部から上方、すなわちエンジンルームEC側に突出している。ダンパー1の上端部10のエンジンルームEC側に突出した部分は、連結機構3に連結されている。また、ダンパー1の上端部10にはブッシュ2を介してブラケット11が取り付けられているとともに、そのブラケット11がサスタワーST上面に下方からボルト12により固定されている。すなわち、ダンパー1は、その上端部10にて、ブッシュ2及びブラケット11を介してサスタワーSTに固定されており、ブッシュ2の弾性変形によりサスタワーSTに対する相対的な変位が可能とされている。
【0023】
以下、連結機構3の作用について再度図1を参照しながら説明する。
【0024】
車両Vが走行している際に、左右の車輪が上方向に変位した場合には、車輪から左右一対のダンパー1に対してそれぞれ上方向の力が入力され、左右のダンパー1はブッシュ2の変形と相俟ってそれぞれ上方向に変位する。連結機構3は、両端がダンパー1の上端部10に固定されているとともに、中央部3Cがその長手方向軸周りに回転可能にダッシュパネル90に支持されているため、ダンパー1の変位にともなって連結機構3が全体として矢印Aに示す上方向に回転することになる。すなわち、この状態(左右のダンパーが上方向に変位した状態)では、連結機構3が全体として回転することが出来、ダンパー1はブッシュ2の変形を伴いながら上方向に変位することが出来る。逆に左右の車輪がともに下方向に変位した場合も同様で、連結機構3は矢印Bに示す下方向に変位することが出来るため、ダンパー1はブッシュ2の変形を伴いながら下方向に変位することが出来る。つまり、左右の車輪が互いに同じ方向に変位した場合には、ダンパー1は変位することが出来、この状態ではブッシュ2が緩衝材としての機能を果たすことになる。
【0025】
一方、例えば車両Vがロールしている状態の様に、左右の車輪が互いに逆方向に変位した場合には、連結機構3に対してねじれの力が作用することになる。連結機構3は、そのようなねじれに実質的に抗するだけの剛性を有するものであり、左右のダンパー1の逆方向への変位を妨げる様に作用する。従って、ダンパー1と車体との間のブッシュ2は実質的に存在しないのと同じ状態となり、車両Vのロールを抑制することが出来る。
【0026】
また、連結機構3は、ダンパー1の上端部10と車体(ダッシュパネル90)とを連結するものでもあるため、車両Vの走行中にダンパー1の上端部10が変位するのを抑制するようにも作用し、狙いどおりのサスペンション特性を発揮させるのに寄与する。
【0027】
次に、本発明の第2実施形態について図3を参照しながら説明する。第2実施形態は、連結機構3を車体Bに支持せず、またダンパー1と連結機構3との間にダンパー1の変位を拡大する変位拡大機構4L、4Rを介在させたものである。
【0028】
図3は、ダンパー1、連結機構3、変位拡大機構4L、4Rを車両Vの後方側から見た概略図である。ダンパー1のサスタワーSTへの固定については、第1実施形態において図2を参照しながら説明したものと同様であるため、図3には詳細には図示していない。一方、ダンパー1と連結機構3は、変位拡大機構4L、4Rを介して連結されている。
【0029】
図3において左側に示される左側変位拡大機構4Lは、両端部が車体B(サスタワーST上面)及び連結機構3に枢支される本体部40Lと、本体部40Lから突出しダンパー1の上端部10に枢支される突出部41Lとから形成されている。具体的には、左側変位拡大機構4Lは、ダンパー1に対して車両Vの内側において車体Bに枢支され、かつ車体Bへの枢支部49Lに近い側から車体B外側に突出する突出部41Lにおいてダンパー1の上端部10に枢支されている。
【0030】
一方、図3において右側に示される右側変位拡大機構4Rは、形状は左側変位拡大機構4Lのものとほぼ同じであるが、車体Bへの枢支位置が異なる。すなわち、ダンパー1に対して車両Vの外側において車体B(サスタワーST上面)に枢支され、かつ車体Bへの枢支部49Rに近い側から車体Bの内側に突出する突出部41Rにおいてダンパー1の上端部10に枢支されている。本体部40Rの上部は、左側変位拡大機構4Lと同様に、連結機構3に枢支されている。
【0031】
つまり左右の変位拡大機構4L、4Rは、リンク機構として作用してダンパー1の上端部10の変位を拡大し、その上部における連結機構3との枢支部48L、48Rに出力する。
【0032】
それで、第2実施形態は、以下の様に作用する。車両Vが走行している際に、左右の車輪が上方向に変位した場合には、車輪から左右一対のダンパー1に対してそれぞれ上方向の力が入力され、左右のダンパー1はブッシュ2の変形を伴いながらそれぞれ上方向に変位する。左側変位機構4Lにおいては、ダンパー1の上方向の変位に伴って左側変位拡大機構4Lを図3における時計回りに回転させる方向に力が加えられる。一方右側変位機構4Rにおいては、ダンパー1の上方向の変位に伴って右側変位拡大機構4Rを同じく時計回りに回転させる方向に力が加えられる。連結機構3は、左右の変位拡大機構4L、4Rの上部に枢支されているため、上記のようなダンパー1の変位によって、図面において右側方向に移動することになる。すなわち、この状態(左右のダンパーが上方向に変位した状態)では、連結機構3が全体として右方向に変位することが出来、ダンパー1はブッシュ2の変形を伴いながら上方向に変位することが出来る。逆に左右の車輪がともに下方向に変位した場合も同様で、連結機構3は左方向に変位することが出来るため、ダンパー1はブッシュ2の変形を伴いながら下方向に変位することが出来る。つまり、左右の車輪が互いに同じ方向に変位した場合には、ダンパー1は変位することが出来、この状態ではブッシュ2が緩衝材として機能することになる。
【0033】
一方、例えば車両Vがロールしている状態の様に、左右の車輪が互いに逆方向に変位した場合には、連結機構3に対して逆方向の力がその長手方向に沿って作用することになるため、連結機構3が突っ張ることにより左右のダンパー1の逆方向への変位を妨げる様に作用する。従って、ダンパー1と車体との間のブッシュ2は実質的に存在しないのと同じ状態となり、車両Vのロールを抑制することが出来る。
【0034】
また、変位拡大機構4によりダンパー1の上端部10の変位が拡大されて連結機構3に入力される。従って、変位拡大機構4と連結機構3の枢支部48L、48Rにフリクションが存在しても、変位が拡大されない場合に比べてフリクションがダンパー1の上端部10の変位に与える影響は小さいものとなり、確実に連結機構3による効果を発揮させることが出来る。
【0035】
次に、本発明の第3実施形態について、図4乃至図6を参照しながら説明する。第3実施形態は、第2実施形態と類似しているが、連結機構3における、左右のダンパー1、1の逆方向の変位に対する剛性を車両Vの走行状態(具体的には車速とステアリング舵角)に応じて変更可能な構成を有する点で異なる。
【0036】
ダンパー1の車体Bへの固定、及び変位拡大機構4の構成については、第2実施形態のものと同一であるため、説明を省略する。一方、連結機構3には、図4に示す様に、剛性可変機構31が設けられている。
【0037】
剛性可変機構31の構成について、その概略図である図5を参照しながら説明する。剛性可変機構31は、車両Vの車速を検出する車速センサー32、車両のステアリング舵角を検出する舵角センサー33、それらの信号が入力されるCPU 34、CPU 34に接続されるとともにCPU 34により制御されて後述の剛性可変部310に油圧を供給するアクチュエーター35、及び上記油圧が作用することにより連結機構3の剛性を変化させる剛性可変部310、とから構成される。
【0038】
連結機構3は2分割されており、その間に剛性可変部310が設けられる。剛性可変部310は、略筒状のケース311を有する。ケース311の内部には、分割された連結機構3のうち一方の端部がケース311の長手方向に沿ってケース311の一端311Aから封入されているとともに、当該連結機構3の一端には油圧が作用するフランジ312が設けられており、フランジ312はケース311の内面と密着している。一方ケースの他端311Bには、分割された連結機構3の他方が固定されている。また、ケース311の内部には、フランジ312に対してケース他端311B側の部分にスプリング313が設けられていて、フランジ312をケース他端311Bから離れる方向に付勢している。更に、ケース311内部において、フランジ312から所定距離だけケース他端311B側の部分にはストッパ314が設けられている。ケース311内部の一端311A側には、CPU 34に制御されたアクチュエーター35により油圧を供給可能に構成されており、油圧が加えられた際にはフランジ312がストッパ314に当接するまでケース311の他端311B側に移動する。
【0039】
従って、油圧が作用していない状態では、連結機構3はストッパ314に当接するまでスプリング313に抗して短縮することが出来る。すなわち、この状態では、左右のダンパー1、1が逆方向に変位しても、連結機構3の短縮により、ある程度その変位が許容される。一方、油圧が作用してフランジ312がストッパ314に当接するまで移動した状態では、連結機構3はそれ以上の短縮は不可能となる。またこの状態においては、伸張方向の力に対してもケース311内に油圧が印加されているため、連結機構3は伸張することが出来ない。
【0040】
以上の様な構成を有する第3実施例の制御について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。ステップS1にてスタートした後、ステップS2にて車速センサー32から車速が読み込まれ、現在の車速が時速50 kmより高いか否かが判断される。ステップS2にてNO、すなわち時速が50 kmより高くないと判断されると、ステップS3にて舵角センサー33からステアリング舵角が読み込まれ、ステアリング舵角が30度より大きいか否かが判断される。ステップS3にてNO、すなわちステアリング舵角が30度より大きくないと判断されると、剛性可変部310への油圧の供給は行われず、ステップS4に進んでリターンする。
【0041】
すなわちこの状態は、車速がそれほど高くなく、かつ車両Vが直進中である状態である。この場合には、連結機構3は、剛性可変部310への油圧の供給がないため、スプリング313によってある程度短縮が可能である。つまり、直進中に起こりうる左右一方の車輪のみへの外力の入力によって他方の車輪が影響を受けにくいものとなっている。
【0042】
一方、ステップS2においてYESと判断されるかあるいはステップS3においてYESと判断された場合、すなわち車速が時速50 kmより高いかあるいはステアリング舵角が30度より大きいかのいずれか一方の条件が満足された場合、ステップS5に進んでアクチュエーター35を駆動させて剛性可変部310への油圧の供給が行われ、その後ステップS4に進んでリターンする。すなわち、この状態は、車速がある程度高い、あるいは車両が旋回中であるか、のいずれかの状態である。この場合には、剛性可変部310に油圧を供給することにより、連結機構3は短縮或いは伸張が出来ないものとなり、左右のダンパー1、1の変位が抑制されるため、高速走行中の車両Vの挙動の安定化、あるいは旋回中のロール挙動の抑制に、寄与することが出来る。
【0043】
以上、本発明を好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでも無い。例えば、上述した第1実施形態に拡大変位機構を設けてもよい。また、同じく第1実施形態において、連結機構のねじれ剛性を車両の走行状態に応じて変化させるねじれ剛性可変機構を設けてもよい。更に、第2実施形態及び第3実施形態において、連結機構をダンパー上部と、車体におけるダンパー上端部と離間した部分とを連結するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による車両のエンジンルーム部分を前上方から見た斜視図である。
【図2】ダンパー上端の車体への固定部分を示す概略図である。
【図3】本発明の第2実施形態におけるダンパー、連結機構、変位拡大機構を車両後方側から見た概略図である。
【図4】本発明の第3実施形態における、図3に相当する概略図である。
【図5】剛性可変機構の構成を示す概略図である。
【図6】本発明の第3実施形態の制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
V 車両
B 車体
1 ダンパ
2 ブッシュ
3 連結機構
4 変位拡大機構
10 ダンパーの上端
31 剛性可変機構

Claims (5)

  1. 車両進行方向に対し左右両側に配置された各左右輪を車体部材に対する略上下方向の相対変位を許容する様に支持するとともに、該各左右輪と上記車体部材との間にそれぞれ設けられ上記各左右輪から加えられる略上下方向の力を緩衝する左右一対のダンパーと、該左右一対のダンパーと上記車体部材との間に設けられた左右一対のブッシュとを有する車両のサスペンション装置において、
    上記各ダンパーの上端部はそれぞれ、上記車体部材に形成された開口部を貫通してその上側に突出するとともに、上記ブッシュを介して該車体部材に固定されており、
    上記各ダンパーの上端部における上記車体部材から上側に突出する部分を互いに連結する連結機構を更に備え、
    上記連結機構は、上記各左右輪から互いに同方向の力が上記左右一対のダンパーに入力された際には上記左右一対のブッシュを介した上記左右一対のダンパーの変位を許容し、上記各左右輪から互いに逆方向の力が上記左右一対のダンパーに入力された際には上記左右一対のダンパーの変位を抑制するよう構成されていることを特徴とする自動車のサスペンション装置。
  2. 上記連結機構が、上記左右一対のダンパーのうち一方のダンパーの変位を、他方のダンパーが同じ方向に変位するように上記他方のダンパーに伝達するとともに、上記左右一対のダンパーが互いに逆方向に変位する際にはそれにより生じる上記連結機構を変形させる力に抗するべく所定の剛性を有する様に構成され、
    上記連結機構と上記ダンパー上端部との間に配設され、該ダンパー上端部の変位を拡大して該連結機構に伝達する変位拡大機構を有することを特徴とする、請求項1に記載の自動車のサスペンション装置。
  3. 上記連結機構が、上記左右一対のダンパーの上端部近傍と、上記車体部材における上記上端部から離間した部位とを連結するものであることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の自動車のサスペンション装置。
  4. 上記連結機構が、上記車両の走行状態に応じてその剛性を変化させる剛性可変機構を有することを特徴とする、請求項2に記載の自動車のサスペンション装置。
  5. 上記剛性可変機構が、上記車両の車速が高いほど、又は車両の舵角が大きいほど、上記連結機構の剛性が高くなるように構成されていることを特徴とする、請求項4に記載の自動車のサスペンション装置。
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